CALS/ECとは
CALSは「キャルス」と呼ばれています。国内では「Continuous Acquisition and Life-cycle Support」
の略として用いられることが多く、直訳すると「継続的な調達とライフサイクルの支援」となります。
1980年代に米国において、兵器や防衛システムの高度化・複雑化により、そのマニュアル(爆撃
機では90万tf、戦車では4万ページ)が急増し、マニュアルの更新や配布作業が複雑化するとともに
その検索も困難となりました。その対策としてマニュアルなどの技術文書の電子化(デジタル化)によ
りペーパーレス化を行い、省スペース、管理コストの削減、検索などの効率化が図られました。これ
がCALSの始まりとされています。
また、ECは「イーシー」と呼ばれています。国内では、「Electronic Commerce」の略として用いられ、
直訳すると「電子商取引」となります。ネットワーク上での電子化された商取引を意味しており、イン
ターネット上で行われているオンラインショッピングが代表的なものです。現在、公共事業の入札・契
約などの公共調達や企業間の取引へ電子情報とネットワークなどECの技術の利用が注目されてい
ます。

日本の公共事業におけるCALS/EC
日本の公共事業においてCALS/ECとは、「公共事業支援統合情報システム」と略されています。
従来は紙で交換されていた情報を電子化すると共に、インターネットの活用により、公共事業に関
する多くのデータベースを連携して使える環境を創出する取り組みを指しています。
また、CALS/ECの基本的構成要素は、以下の3つとなっています。
- 情報の電子化
情報の交換・共有・加工・再利用・検索を容易に行い、また、大量の情報を処理するため、
関連する全情報が電子化(デジタル化)されます。 - 通信ネットワークの利用
情報の交換・共有、取引・連携を可能とするため、オープンな通信ネットワークであるイン
ターネットが利用されます。 - 情報の共有化
公共事業における設計から施工、維持管理にわたる各段階において、関連する組織が最
新情報を利活用するため、相互に情報を共有できる環境を作る取り組みです。このため、イ
ンターネットを通じて複数のデータベースを連携することにより、仮想データベースが構築さ
れます。
CALS/ECの効果
CALS/ECの代表的な効果は以下のとおりです。
- 公共事業の受・発注手続きの透明化
公共事業の入札手続きがインターネットを通じて行われることにより、住民に対してより明確
な形となります。 - 公共事業の効率化
成果物を紙から電子情報に変え、重複入力回避などによる業務の効率化、品質向上が図ら
れます。また、入札手続きの電子化などにより、移動時間、移動コストおよび事務処理削減な
ど公共事業の執行が効率化されます。 - 行政との対話の促進
インターネットによるホームページや電子メールを利用して情報をスムースに伝達することに
より、公共事業執行者と住民との対話が促進されます。 - 現場作業の改善
公共事業の現場作業に情報通信技術を活用して、改善を図ることができます。
CALS/ECの具体例
電子調達
■入札情報サービス
入札情報サービスは、発注機関毎に公開していた発注予定情報、入札公告、入札結果などの調
達情報がひとつのホームページ上で提供されるものです。

■電子入札
電子入札は、これまで一ヶ所に集まり行っていた入札を、どこにいてもインターネットを利用して入札
に参加できる環境が構築されるものです。以下のような手順で行われます。
1)認証書発行
2)入札
3)認証確認問い合わせ
4)認証確認問い合わせ(入札データ)
5)落札通知

電子納品
電子納品は公共事業における設計から施工、維持管理にわたる各段階で作成された文書・図面
などの設計図書が紙ではなく、電子化(デジタル化)して納品されるものです。電子納品により情報の
交換・共有・検索などが容易となり、省スペース化や設計、工事中の施工管理、完成後の維持管理
の効率化、品質の向上などが実現します。

情報の共有
情報の共有は関係書類の提出や決済が、郵便やFAXなどではなく、インターネットを利用した共
有サーバ上で効率的に行われるものです。
