平成27年12月県議会での知事提案説明

公開日 2015年12月10日

更新日 2015年12月10日

平成27年12月高知県議会定例会での知事提案説明 (12月10日)

1 これからの県政運営にあたって

2 12月補正予算について

3 経済の活性化について
(産業振興計画)

(1)地産外商の強化
ア 第一次産業の振興
(地域に根差した第一次産業をさらに振興)
(6次産業化の取り組み)
イ 第二次産業の振興
ウ 第三次産業の振興
(観光振興)
(コンテンツ産業の振興)
エ 地産外商を力強く進めるサポートの充実と国外展開への取り組み
(食品分野)
(ものづくり分野)

(2)地産外商の成果を拡大再生産へ
(産業分野の担い手確保)
(地域地域に関連する産業群の集積を促す)
(起業を促す)

4 日本一の健康長寿県づくりについて
(日本一の健康長寿県構想)
(1)壮年期死亡率の改善
(2)地域地域で安心して住み続けられる県づくり
(3)厳しい環境にある子どもたちへの支援
(4)少子化対策の抜本強化
(5)保健・医療・福祉サービスの安定確保

5 教育の充実について
(1)チーム学校による知、徳、体の取り組み
(2)厳しい環境にある子どもたちへの支援
(3)学校と地域の連携、協働

6 南海トラフ地震対策について
(1)命を守る対策
(2)命をつなぐ対策

7 インフラの充実と有効活用について

8 中山間対策について

9 少子化対策と女性の活躍の場の拡大について
(1)高知県少子化対策推進県民会議
(2)女性の活躍の場の拡大

10 その他
(ルネサス高知工場の集約について)
(伊方発電所について)

11 議案


 本日、議員の皆様のご出席をいただき、平成27年12月県議会定例会が開かれますことを厚くお礼申し上げます。

 ただ今提案いたしました議案の説明に先立ちまして、当面する県政の主要な課題についてご説明を申し上げ、議員の皆様並びに県民の皆様のご理解とご協力をお願いしたいと思っております。

1 これからの県政運営にあたって

 私は、このたびの知事選挙の結果、引き続き知事として県民の皆様方と共に働かせていただく機会を与えていただきました。
 改めて気持ちを引き締め、「対話と実行」の姿勢を一層徹底し、全身全霊を傾けて県政運営に取り組んでまいる所存であります。
 県民の皆様方、議員の皆様方におかれましても、これまで以上のご指導とご鞭撻を賜りますよう心からお願い申し上げます。

 これまでの8年間、私は、本県の抱える2つの根本的な課題との戦い、すなわち、人口減少のもたらす負のスパイラルとの戦い、そして、南海トラフ地震をはじめとする数々の自然災害から県民の皆様の命と暮らしを守る戦いに、全力を挙げてまいりました。
 この根本課題に正面から向き合わずして高知の再生はない。この固い決意の下で、経済の活性化や南海トラフ地震対策をはじめとする5つの基本政策と、中山間対策の充実・強化や少子化対策の抜本強化と女性の活躍の場の拡大といった横断的な2つの政策を全力で実行してまいりました。
 これまでの取り組みを通じて、一部には、はっきりと手応えが感じられるものも出てまいりましたが、各分野でまだまだ多くの克服すべき課題が残されております。例えば、経済の分野でも、担い手の確保は深刻な課題であり、現に、地産外商など新たな事業に取り組み始めたが後継者がいない、正規の仕事がもっと色々増えなければ、地域に残りたいとの若者の希望をかなえることができない、といったお話しを伺うことも多々あります。「若者が地域地域で誇りと志を持って働ける高知県」を実現するために、これからも多くの壁を乗り越えていかなければなりません。また、南海トラフ地震対策に関しても、住宅の耐震化率は本年度末で77パーセントにとどまる見込みであることや、道路啓開、災害時医療救護における体制整備など、多くの分野でいまだに課題は山積しております。
 このため、今後、これまでの5つの基本政策と2つの横断的な政策について、その方向性を維持した上でさらなるバージョンアップを図り、県勢浮揚の実現に向けて実効性の高い施策をスピード感を持って展開していくよう努めてまいります。
 また、私は、これらの政策を実行し本県が目指す姿を実現していくためには、官民協働、市町村政との連携協調といった姿勢が重要であると改めて確信いたしております。このためにも、県民の皆様や市町村の皆様との対話を積み重ねて行くことが重要であると考えており、3期目におきましても、県内各地をきめ細かく訪問させていただきたいと考えております。
 これまでの取り組みの土台の上に立って、県民の宿願である県勢浮揚を成し遂げることができるよう、知事を志して以来の基本の基本となる「対話と実行」の姿勢を一層徹底し、自戒の念を常に忘れず、全力でこれからの4年間の県政運営にあたってまいります。

2 12月補正予算について

 今議会では、5つの基本政策の着実な推進などのため、総額53億6千万円余りの歳入歳出予算の補正並びに総額61億6千万円余りの債務負担行為の追加及び補正を含む一般会計補正予算案を提出しております。
 第一に「経済の活性化」に関しては、産業人材の育成や観光振興の取り組みなどについて、来年4月から速やかに切れ目なく施策を展開していくための予算を計上しております。具体的には、まず、土佐まるごとビジネスアカデミーについては、地域での学びの場を拡充することなどによって、より多くの皆様の学びのニーズに対応できるよう努めてまいります。また、観光振興については、平成28年の観光戦略として観光キャンペーン「リョーマの休日」をリニューアルするとともに、大政奉還150年、明治維新150年を見据えた平成29年以降の総合的な観光戦略を策定してまいります。さらには、県外観光客の周遊促進に向けて、スマートフォン用観光サポートアプリケーションを作製してまいります。
 第二に「南海トラフ地震対策の抜本強化・加速化」に関しては、津波から幼い子どもたちの命を守る対策として、認定こども園の高台移転を支援いたします。
 第三に「教育の充実と子育て支援」に関しては、県民の生涯スポーツの振興とスポーツツーリズムの推進を図るため、高知市東部総合運動場の多目的ドームの整備を支援してまいります。
 このほか、本年9月に発生した豪雨災害等による公共土木施設等の災害復旧対策などを迅速に実施いたします。

3 経済の活性化について

 続きまして、3期目の県政運営にあたり、まず、経済の活性化について、今後の方向性についてご説明申し上げます。

(産業振興計画)
 人口減少による県内経済の縮みという、本県が抱える根本的な課題に対応することなくして県勢の浮揚はない。この固い決意の下、これまで、縮む経済に対抗するための地産外商戦略を柱とする産業振興計画を、官民協働により実行することを通じて、県経済全体の底上げに向けた挑戦を続けてまいりました。
 この結果、地産外商が大きく進み、長年にわたって減少傾向であった各分野の産出額等が上昇傾向に転じるなど、一定の成果が表れてまいりました。また、長らく0.5倍前後であった有効求人倍率は、本年9月には念願であった1.0倍に達したところであります。
 しかし、正社員の有効求人倍率はいまだに0.5倍程度に過ぎず、また、地域間の求人状況の格差も大きいなど、地域に残りたいと願う若者たちの希望を十分にかなえる状況には至っておりません。
 第3期の産業振興計画では、地産外商の取り組みをさらに強化するとともに、その成果を拡大再生産の好循環につなげていくことにより、第一次産業から第三次産業までの多様な仕事を地域地域に数多く生み出していくよう努めてまいります。そして、産業振興計画の目指すところである「地産外商が進み、地域地域で若者が誇りと志を持って働ける高知県」の実現に向けて、力強く歩みを進めてまいります。

(1)地産外商の強化

 まず、地産外商の強化に関して、各産業分野の取り組みについてご説明申し上げます。

ア 第一次産業の振興

(地域に根差した第一次産業をさらに振興)
 本県の強みである第一次産業については、新たな技術の導入などにより生産額の増加や質の向上を図ることなどを通じて、従事者の所得向上を目指してまいります。
 農業分野では、目指す姿である「地域で暮らし稼げる農業」の実現に向けて、農業生産の持続的な拡大を図るため、次世代型こうち新施設園芸システムの県内全域への普及などの取り組みを加速化してまいります。
 具体的には、本県の農業生産を支える家族経営体を強化して、産地の底上げを図るため、既存型ハウスへの環境制御機器の導入を一層加速いたします。また、規模拡大に意欲のある生産者などに対しては、より大型の次世代型ハウスの整備を積極的に支援してまいります。さらに、本県の耕地面積の約8割を占める中山間地域においては、こうち型集落営農組織の各地域への拡大とその法人化を進めるとともに、農業を地域全体で支え、競争力を高める中山間農業複合経営拠点の整備を促進いたします。
 林業分野では、本県の豊富な森林資源を余すことなくダイナミックに活用することを目指し、川上から川下までの一体的な取り組みをさらに骨太なものとするよう努めてまいります。
 具体的には、林業学校において、高度かつ専門的な人材の育成に取り組みますとともに、県内の加工体制の強化を図りますため、製材所やCLT部材工場などの設備投資を支援してまいります。また、CLTの普及や低層非住宅建築物の木造化推進などにより全国的な木材利用の拡大と県産材のさらなる需要増加を目指してまいりますほか、パートナー企業との連携強化などを通じて、県産材の地産外商を拡大するとともに、韓国など国外への輸出を促進いたします。
 水産業分野では、養殖業を含む沿岸漁業の振興を図ることによって、漁業生産量をしっかりと確保するとともに、生産拡大による効果が加工、流通などの関連産業へ波及するよう取り組んでまいります。
 具体的には、クロマグロなどの人工種苗の生産体制を確立し、養殖生産ビジネスの拡大に取り組みますほか、加工施設の高度化や衛生管理体制の強化など、既存の加工関連ビジネスのステップアップを図るとともに、新たな企業立地も進めてまいります。また、高知家の魚応援の店などを通じた外商活動についても、より強化してまいりたいと考えております。

 去る10月5日、環太平洋経済連携協定、いわゆるTPP交渉が大筋合意に至りました。本県の農業産出額の約8割を占める中山間地域をはじめ、畜産、米の分野を中心にその影響が懸念されているところであります。国に対して、中山間地域が多いといった本県の実情にも適した対策をしっかりと講じることなどについて申し入れを行う一方、県としましても、以上のような産業振興計画の取り組みを推進することにより、持続可能な農林水産業の確立に努めてまいります。

(6次産業化の取り組み)
 6次産業化の取り組みは、第一次、二次、三次の全ての産業分野にわたって経済波及効果を生み出し、多様な雇用の創出にもつながっていくものでありますことから、さらなる強化を図っていく必要があると考えております。
 これまで、地域アクションプランの取り組みや農業創造セミナーの開催などを通じて、地域資源を活用した新たな農水産加工品の開発、販路開拓などの取り組みを支援してまいりました。その結果、地域産品の販売拠点となる直販施設が次々とオープンするとともに、地域における加工品づくりの取り組みも活発に行われるようになってきたところです。今後は、これらに加えて、市場が求める加工食品の商品化と原材料の産地形成に、生産から加工、流通、販売までの関係者が協力して取り組む新たなプロジェクトを進めるなど、6次産業を核とした地域の新たな基幹事業の創出に向けて官民協働で挑戦してまいります。

イ 第二次産業の振興

 第二次産業についても、これまでの高知のものづくりの支援策をさらに強化してまいりたいと考えております。
 ものづくりの振興については、ものづくり地産地消・外商センターにおいて、事業者の皆様のものづくりの一連の流れを一貫して支援してまいりました。その結果、最終製品の製造に挑戦する企業が増加し、外商支援による成約額が、平成24年度は2億5千万円であったものが、昨年度は27億1千万円となるとともに、製造品出荷額等は5千億円台を回復するなど、一定の成果が表れております。
 この流れを加速し、より力強いものとするため、企業の経営ビジョンやビジネス戦略づくりなどについても支援を行うなど、センターにおける一貫支援の取り組みをもう一段強化してまいります。
 あわせて、本県の強みである紙産業の競争力強化については、紙産業技術センターに導入した新たな機械設備を活用した新素材の研究開発を推進するとともに、センターでの研究成果を生かした商品開発や新たな販路開拓などの外商支援を徹底してまいりたいと考えております。
 加えて、第2期計画から重点的に育成を開始した防災関連産業については、製品数、売上高がともに伸び大きく成長しておりますことから、国内にとどまらず、地震対策が必要な台湾や東南アジアなどの国外での外商も強化してまいります。

ウ 第三次産業の振興

(観光振興)
 第三次産業については、本県観光のさらなる飛躍を図るとともに、本県産業の新たな強みとしてコンテンツ産業の振興に取り組んでまいります。
 観光振興については、平成29年の大政奉還150年、翌30年の明治維新150年と、歴史的にも意義があり本県にも関連の深い記念の年を迎えますことから、この機会を生かすため、しっかりと戦略を練り上げた上で、歴史を中心とした博覧会を開催してまいりたいと考えております。
 その際、次の3点に留意して取り組みを進めてまいります。
 第一に、平成の薩長土肥連合の取り組みなどを通じ、国内の様々な地域と連携することにより、この博覧会が全国的な盛り上がりを見せるような取り組みとなることを目指してまいります。
 第二に、県内の様々な歴史上の史跡や遺産、物語をしっかりと磨き上げていきたいと考えております。平成30年までの3年間を通じて様々な歴史資源を磨き上げていくことにより、博覧会終了後には地域地域にしっかりとした歴史観光の基盤が整い、持続的な観光振興に資することとなるよう目指してまいります。
 第三に、こうして磨き上げられた歴史資源と、地域の食、自然などが一体となった周遊コースを作り上げ、地域の産業群となる観光クラスターを形成するよう努めてまいりたいと考えております。このため、まず、土佐の観光創生塾の取り組みを通じて、地域の人材を育成していくとともに、これまでの地域博覧会の取り組みの成果も生かしながら、広域観光組織の育成支援なども行ってまいります。これらを土台として、地域地域に観光クラスターが形成されるよう、地域の皆様と連携して取り組んでまいります。

 国際観光の推進については、国外からの誘客対策や受け入れ態勢を強化して取り組んでいるところであります。こうした中、県内での外国人の延べ宿泊者数は、昨年は3万人泊余りであったものが、速報値では本年1月からの9カ月間で既に約2万9千人泊に達しており、この流れを加速化させるよう取り組みをさらに強化してまいります。
 具体的には、まず、本県の観光資源を生かした周遊ルートづくりを通じて、外国人観光客の嗜好やニーズに応じた「鉄板」の観光商品の造成を目指します。また、本年度から高知県観光コンベンション協会に配置した国際観光推進コーディネーターによるセールス活動はもとより、台湾などの現地拠点も活用して、国別のセールス活動を一層展開いたします。さらには、観光関連施設の徹底した多言語化などを進めることにより、外国人観光客の受け入れ態勢の質の向上も図ってまいります。
 加えて、観光情報サイト「VISIT KOCHI JAPAN」や海外のマスメディアなどの活用を通じて、本県が持つ豊かな自然、食、文化など観光地としての魅力情報の発信を一層強化するとともに、「よさこい」の戦略的な活用により、本県の認知度を飛躍的に向上させるプロモーションの展開を図ってまいります。

(コンテンツ産業の振興)
 コンテンツ産業やコールセンター、バックオフィスなどの事務系職場については、本県には不足しているものの、若者の就職希望が多い分野であることから、より一層力を入れて誘致や育成を図ってまいります。
 このうち、コンテンツ産業については、これまでの取り組みによって本県と県外関連企業とのネットワークが広がり、また、首都圏のゲーム関連会社による合弁会社が設立されるなど、本県における企業集積の土台が形成されつつあります。コンテンツ産業は、ネットワークを通じて事業を展開できるため立地が地理的条件に左右されず、また、県内に雇用の場が少ないがゆえに県外に流出していた若者の雇用の受け皿としても期待できるなど、有望な産業分野であります。今後、県外企業の積極的な誘致に引き続き取り組むとともに、県内企業のコンテンツ分野への参入を支援してまいります。さらに、担い手となる技術者の確保や育成について、本県独自の取り組みを行うことなどにより、企業立地にあたっての本県の強みとしてまいりたいと考えております。

エ 地産外商を力強く進めるサポートの充実と国外展開への取り組み

 次に、外商活動については、地産外商公社やものづくり地産地消・外商センターなどの取り組みを一層充実させるとともに、国内にとどまらず、国外への本格展開を図ってまいります。

(食品分野)
 まず、国内での食品分野の外商活動については、地産外商公社の活動の全国展開をさらに進めるとともに、大手卸売業者やパートナー企業との連携を一層強化して、取引先の開拓を行ってまいります。
 地産外商公社が外商活動を行う首都圏、関西・中部、中国・四国・九州の各エリアにおいて、大手卸売業者のネットワークを生かした外商を展開することを通じて、より多くのバイヤーなどが集まる商談会への県産品の出展を拡大してまいります。また、パートナー企業による同行営業の機会を増やすことなどによって、新規の販路開拓を進めてまいります。加えて、高質系の量販店のネットワークを生かした外商の展開や、新たな外商先へのアプローチなど、官民協働による外商活動の取り組みを一層強化いたします。これらを通じて、外商に挑戦する県内事業者の皆様のビジネスチャンスを広げてより大きな商流につなげてまいりたいと考えております。
 また、県内の食品加工に関わる事業者の個別課題に対応したサポートチームによる支援を強化して、新商品の開発や設備増強といった各事業者の成長を後押ししてまいります。あわせて、衛生基準等に適合しないがゆえに商談機会を逃すといったことのないよう、県内事業者の生産管理体制のさらなる高度化に向けた支援を強化することとしております。
 さらには、外商活動を、国内の取引にとどまらず、国外へと展開してまいりますため、食品分野の輸出に関しては、引き続きユズの輸出振興に取り組むとともに、ユズの輸出で培ったノウハウを生かしながら、新たに土佐酒の輸出拡大を目指してまいります。また、国別、品目別の輸出戦略づくりと合わせて、新たに力を入れる次の品目や、貿易に取り組む企業の掘り起こしに取り組んでまいります。

(ものづくり分野)
 ものづくり系の外商活動については、先ほど申し上げましたとおり、最終製品の製造に挑戦する企業が増加し、ものづくり地産地消・外商センターの外商支援による成約額が大きく伸びるなどの成果が表れてきたところであります。
 今後は、こうした成果のさらなる拡大に取り組みますとともに、国内にとどまらず国外での外商支援の取り組みも本格化させていきたいと考えているところです。
 このため、本年度から、貿易促進コーディネーターの常駐によるものづくり地産池消・外商センターの体制強化や、台湾、タイでの見本市、商談会への出展支援などに取り組んでいるところであります。
 今後は、さらに多くの国での見本市や商談会への出展支援を行うとともに、海外バイヤーを招へいして本県のものづくりの技術を直接視察いただくことを通じて、より多くの企業のビジネスチャンスと成約につなげてまいりたいと考えております。
 こうした取り組みに加えて、新たな国や地域での展開も視野に入れ、海外市場調査も進めてまいりますなど、企業の海外展開を一層支援してまいります。

(2)地産外商の成果を拡大再生産へ

 次に、地産外商の成果を拡大再生産へとつなげる取り組みについてご説明申し上げます。
 拡大再生産の好循環を実現してまいりますためには、3つの取り組み、すなわち、様々な分野における担い手を確保する取り組み、地域地域で関連産業の集積を促す取り組み、そして、新たな起業の促進などにより継続的に活力を創出する取り組み、が重要であると考えております。

(産業分野の担い手確保)
 まず、産業人材の確保については、各産業分野の担い手が依然として減少している状況を踏まえ、移住施策とも連携した県内外での担い手確保対策と将来を担う人材の育成に取り組んでまいります。
 各分野においては、農業担い手育成センターや産地提案型の取り組みによる農業の担い手確保対策、法人の参画などによる計画的な漁業の担い手確保対策や林業学校の充実強化などを通じて、産業の将来を担う多様な人材の育成に取り組んでまいります。また、事業承継・人材確保センターでは、新たな事業展開や企業が必要とする人材の確保について、より多くのマッチングに取り組んでまいります。
 移住促進の取り組みに関しては、これまでの取り組みによる成果を土台に、地方での就業や起業を志す移住関心層に対する情報発信を強化するとともに、産地体験ツアーなどを数多く実施するなど、より多くの移住につながるよう施策を強化してまいります。また、福祉や農業などの各分野において、担い手の確保策と移住促進策とを組み合わせて、移住者に担っていただく仕事や役割などを明確にして移住関心層の志に訴える、いわゆる「志移住」を一層推進してまいります。
 各産業分野の担い手となる人材を確保するための人財誘致については、各産業分野の拡大再生産にとりましても必要不可欠な要素となりますことから、首都圏の人材情報などを収集する求職コーディネーターとも連携し、志を持った都市部の人材に対し、県内のニーズをしっかりと届けていくよう取り組んでまいります。

(地域地域に関連する産業群の集積を促す)
 さらに、本県の産業をもう一段力強く成長させていくためには、地域に根差した産業を核としたクラスターを、地域地域で戦略的に生み出していくことが重要であります。
 第一次産業は、本県の強みであることはもとより、地域に根差した取り組みが行われている地域の基幹産業でもあります。その第一次産業を核として、
 地域地域に関連する産業群を生み出していくことは、地域において、持続的な雇用とより大きな経済波及効果を創出することにつながってまいります。
 例えば、農業分野では、次世代型ハウスによる施設園芸団地を整備し、このハウスを核とした食品加工場、物流拠点、直販所、レストランなどの関連産業を集積させるといった形で、地域地域に農業関連クラスターを作り出していきたいと考えております。こうした取り組みにより、地域地域に第一次産業から第三次産業までの多様な仕事を創出し、若者が地域に残ることができる土壌を作り上げていくことを目指してまいります。
 今後、関連する産業の事業者や市町村の皆様のご意見もお伺いしながら、こうした地域の産業クラスターの形成に向けた政策パッケージの検討を進めてまいります。

(起業を促す)
 また、地域地域の持続的な発展をもたらすためには、継続的に新たな挑戦が行われる環境を醸成していくことが大切であります。このため、新たな起業を促していくための施策を抜本強化していきたいと考えております。
 本年4月に開設した、産学官民連携センター「ココプラ」を核として産学官民の連携を一層深めながら、ひいては、起業を志す多くの方々が、県内をはじめ全国から本県に集まり、高知が新たな事業を立ち上げていく拠点、いわば起業のメッカとなるよう取り組んでまいります。
 具体的には、土佐まるごとビジネスアカデミーなどの産業人材育成の取り組みを強化するとともに、県内外の産学官民の交流と連携をさらに深め、アイデアを出し合いながらビジネスプランを磨き上げる連続講座や、アイディアソン、ビジネスプランコンテストなどの機会を増やしてまいります。また、企業などが新たなビジネスを創出する、いわゆる企業内起業も含め、起業を目指す人材の養成と事業の立ち上げを支援する仕組みを構築してまいります。

4 日本一の健康長寿県づくりについて

 次に、日本一の健康長寿県づくりについてご説明申し上げます。

(日本一の健康長寿県構想)
 これまで、本県が抱える様々な課題に対して、保健、医療、福祉のそれぞれの分野で、取り組みを進めてまいりました。
 その結果、がん検診や特定健診の受診率が向上したほか、県内で初期臨床研修を行う若手医師が増加するとともに、高知型福祉の拠点となるあったかふれあいセンターの整備が県内各地に広がるなど、各分野において一定の成果も見られております。しかしながら、働き盛り世代の死亡率は依然として全国に比べて高く、過疎化、高齢化のより進む中山間地域などでは、福祉や医療サービスの提供も厳しい状況にあります。加えて、県内で一定数の子どもたちが厳しい環境に置かれているなど、県民が、住み慣れた地域で、健やかで心豊かに、安心して暮らし続けることのできる高知県の実現に向けては、いまだに多くの課題が残されております。
 今後、こうした本県が抱える根本的な課題に対して、より本格的な対策を講じてまいりますため、日本一の健康長寿県構想を大きく5つの柱に沿ってバージョンアップしてまいります。

(1)壮年期死亡率の改善

 まず、一つ目の柱は、壮年期死亡率の改善であります。いまだに高い働き盛り世代の死亡率を改善するため、引き続き、生涯を通じた県民の健康づくりを推進してまいります。
 死亡原因の第1位であるがんについては、早期発見、早期治療に重要な役割を果たすがん検診の受診率向上を図るとともに、質の高い医療を提供するため高知医療センターの新がんセンター整備を支援するなど、がん対策をさらに充実いたします。また、正しい生活習慣を促す特定健診の受診率向上や保健指導の充実により、脳血管疾患をはじめとする血管病予防対策に取り組みますとともに、子どもの頃から健康的な生活習慣を定着させるため、小中高等学校における健康教育の実践を徹底してまいります。

(2)地域地域で安心して住み続けられる県づくり

 二つ目の柱は、地域地域で安心して住み続けられる県づくりであります。県民の皆様が住み慣れた地域で暮らし続けることができるよう、高知型福祉のネットワークをさらに強化することや、地域の実情に応じた医療提供体制の充実など、取り組みをもう一段深化させてまいります。
 まず、あったかふれあいセンターについて、これまでの集いや訪問などといった日常生活への支援にとどまらず、リハビリテーション専門職の派遣などによる介護予防サービスの提供や認知症カフェの設置などの機能強化を図ることにより、在宅医療、介護、福祉が連携した高知型福祉のネットワークをさらに充実いたします。
 また、県民の皆様が安心して在宅での療養を選択できるよう、訪問看護師の育成や中山間地域等の訪問看護サービスの充実を図りますとともに、日常生活を支える機能回復などの支援を行うなど、在宅医療提供体制の整備を推進してまいりたいと考えております。
 あわせて、地域の医療提供体制の核となります医師の確保については、平成29年度から開始される新たな専門医制度を見据えて奨学金制度を改正するなど、若手医師にとって魅力あるキャリア形成環境の整備充実を図ることにより、若手医師の県内定着を促進し、地域地域に医師が適正に配置できるよう取り組んでまいります。

(3)厳しい環境にある子どもたちへの支援

 三つ目の柱は、現在、様々な形で厳しい環境に置かれている子どもたちへの支援であります。本年度から重点課題として位置付け、取り組みを強化している支援策について、本年度中に「子どもの貧困対策計画」を策定し、もう一段の取り組み強化を図ってまいりたいと考えております。
 具体的には、貧困の連鎖を教育の力で断ち切るための対策として、就学前から高等学校までの各段階における学習支援の拡充や教育相談支援体制などの充実強化を図りますとともに、児童養護施設などに入所している子どもたちへの学習面や就職面でのサポート機能の強化や、ひとり親家庭の保護者などへの就労支援の充実など、福祉、教育全般にわたり、子どもたちの発育段階に応じた総合的な対策を講じてまいります。

(4)少子化対策の抜本強化

 四つ目の柱は、喫緊の課題となっている少子化対策であります。より多くの県民の皆様の結婚、妊娠、出産、子育ての希望を、より早くかなえていくためには、社会全体で少子化対策を推進していこうという機運が高まっていくことが何より重要となります。
 そのため、ライフステージの各段階に応じた対策を強化することと合わせて、少子化対策を官民協働による県民運動へと抜本強化するための取り組みを進めてまいります。
 まず、結婚支援では、マッチングシステムや婚活サポーターなどによる職場や地域など身近な場所での出会いの機会の創出や、若い頃からライフプランに関わる医学的知識などを身に付けていただくための学習機会の提供などに取り組んでまいります。また、多様な働き方を可能とする保育サービスの充実など切れ目のない子育て支援策の強化を図るとともに、家庭内での家事、育児の適切な役割分担に向けた啓発などにも取り組みます。
さらには、女性が安心して結婚し、子育てをしながら働き続けられる職場環境づくりを支援するなど、ワーク・ライフ・バランスの取り組みも推進してまいります。
 こうした取り組みと合わせて、民間企業などの皆様に参画いただく「高知家の出会い・結婚・子育て応援団」を創設し、高知県少子化対策推進県民会議や高知家の出会い・結婚・子育て応援コーナーとの強固なネットワークを構築していくことにより、少子化対策が県民運動としての盛り上がりを持つものとなるよう、官民協働の取り組みを推進してまいります。

(5)保健・医療・福祉サービスの安定確保

 五つ目の柱は、医療や介護、福祉サービスなどの提供を安定して支えていくために必要となる人材と産業の育成であります。
 少子高齢化が進展する中で、高知型福祉の取り組みを着実に推進していくためには、まずは、地域で活躍していただく人材を安定的に確保していくことが必要となります。このため、福祉人材センターのマッチング機能のさらなる強化や福祉研修センターの研修体制の充実、さらには、介護福祉士などの資格取得支援策の拡充などを図ってまいります。
 あわせて、新たな雇用の創出といった面からの検討も重ねてまいりますなど、地域の活性化につながる産業育成の視点に立った取り組みも進めてまいりたいと考えております。

5 教育の充実について

 次に、教育の充実に関する取り組みについてご説明申し上げます。
 教育委員会では、これまで、高知県教育振興基本計画重点プランに基づき、全国と比較して厳しい状況にある本県の子どもたちの学力、体力の底上げや、生徒指導上の諸問題の解決に向けて、知、徳、体の分野ごとに目標を掲げて、一連の教育改革を進めてまいりました。
 その結果、小学校の学力が全国上位クラスに向上するなどの成果が表れてきたところではありますが、小中学校ともに思考力や判断力、表現力に弱さが見られますとともに、中学校の学力の改善状況はここ数年足踏み状態にある上、小中学校における暴力行為や不登校なども依然として高い数値で推移するなど、いまだに厳しい状況にあります。こうした状況を改善するため、総合教育会議において、現在、教育上の諸問題について深く掘り下げ、解決に向けた真に有効な対策を打ち出すための議論を重ねているところであります。
 今後、こうした議論の方向性や取り組みを踏まえた上で、本年度末には、教育等の振興に関する施策の大綱を策定して、「夢に向かって羽ばたく子どもたちの、知徳体を力強く育む高知県」を目指して全力で取り組んでまいります。

(1)チーム学校による知、徳、体の取り組み

 これまでの総合教育会議における議論の中では、学校を取り巻く課題が多様化、複雑化する中において、学校組織が少数の管理職と多数の教員で構成されているために組織としての取り組みが弱いこと、日々の授業が個々の教員に任されており教員同士が連携した授業力向上の取り組みが十分でないこと、様々な課題が複雑になり学校内の体制だけでは対応が困難な状況にあることなどといった課題が改めて見えてまいりました。
 そのため、個々の教員の力量のみに頼らず、教員同士がチームを組んで主体的に学び合うことにより組織的に授業力を高めるとともに、外部の専門家や地域の人材の力もお借りしながら学校の目標の実現や課題の解決を図る、いわゆる「チーム学校」の取り組みを進めてまいりたいと考えております。
 まずは全教職員がそれぞれの学校のビジョンを共有した上で、授業力の向上や生徒指導の充実に向けて具体的な取り組みを組織的に行っていくことが大切であります。このため、組織のミドルリーダーの役割を担う教員の配置を拡充し、学校内の教職員同士の連携を強めるよう努めてまいります。特に、授業力のさらなる向上に向けて、教科主任や経験と力量を備えた教員が若い教員を指導するといった、教員同士が学び合い、高め合う仕組みを構築することにより、日常的な学び合いを通じた人材育成も進めてまいります。
 このような取り組みは、今後、多くの教員が退職し、若い教員が増えることが見込まれている中で、優れた人材を早期に育成するという観点からも非常に有意義なことだと考えております。
 加えて、学校だけでは解決が困難な状況に対応するため、スクールカウンセラーなどの専門人材の力もお借りすることで、学校における構造的な課題へのきめ細かな対応を図ってまいります。さらには、地域の方々にも、子どもたちの見守りや学習支援などに参画していただきたいと考えております。
 こうしたチーム学校の取り組みにより日々の授業や生徒指導などの改善を進め、子どもたちの知、徳、体の向上につなげてまいります。

(2)厳しい環境にある子どもたちへの支援

 また、本年度からは、厳しい環境にある子どもたちへの支援を抜本強化して取り組んでいるところであります。
 教育の分野では、貧困の世代間連鎖を教育の力で断ち切ることを目指して、就学前から高等学校までの各段階に応じて一貫した対策を進めております。特に、家庭における学習環境が十分でない子どもたちへの支援として、小中学校や高等学校において放課後の補充学習などに取り組んでおり、学力の定着に課題のある子どもたち一人ひとりのつまずきに応じたきめ細かな学習支援を進めているところであります。
 さらに、厳しい環境にあるがゆえに不登校などの生徒指導上の課題を抱えている子どもたちへの支援としまして、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置を拡充するなどの相談支援体制の充実により、子どもや家庭が抱える様々な課題への対応を強化しております。
 今後、就学前から高等学校までの各段階に応じて一貫した対策をさらに進めますとともに、社会的自立が困難となっている若者に対して、就学や就労の相談窓口である若者サポートステーションの支援内容を充実するなど、切れ目のない対策を一層強化して取り組んでまいります。

(3)学校と地域の連携、協働

 子どもたちを取り巻く環境が厳しさを増す中で、学校が抱える課題も多様化しており、学校だけでは解決が困難な状況も出てきております。
 そのため、地域の力もお借りして社会全体で子どもたちを見守り育てる体制づくりが必要であると考え、学校と地域との連携、協働による教育支援を展開していくため、学校支援地域本部の立ち上げを進めてまいりました。現在、22市町村に85の学校を支援する40の地域本部が設置され、地域の方々が参画した学習支援など様々な教育支援活動が行われております。このような学校と地域との連携体制が県内全域で構築され、地域の課題に応じたより効果的な取り組みが進められるよう取り組んでまいります。

6 南海トラフ地震対策について

 次に、南海トラフ地震対策についてご説明申し上げます。
 南海トラフ地震対策につきましては、死者数を限りなくゼロに近づけていくため、東日本大震災の教訓を踏まえ、南海トラフ地震対策行動計画を策定し、全力を挙げて対策を進めてきたところであります。
 その結果、発災直後の命を守る対策において課題であった津波避難空間の整備に一定の目途が立つとともに、公共施設の耐震化などの取り組みも進み、さらには、総合防災拠点の整備や道路啓開計画の策定など応急期の対策もスタートしております。しかし、まだまだ多くのやるべきことが残されているのが現状であります。
 今後は、対処すべき領域をさらに広げ、揺れ対策や火災対策なども含め、命を守る対策の完成度をより高めてまいります。さらに、助かった命をつなぐ対策についても、避難所の確保対策や医療対策などをきめ細かく行いますとともに、応急期から復旧・復興期までを見据えた取り組みを進めてまいります。
 これらの取り組みに必要な施策を盛り込むべく、現在、第3期行動計画の策定を進めているところです。この策定にあたっては、これまで進めてきた施策を、「施策間のつながりを明確にする」、「取り組んでいく施策が定量的に十分かどうかを検証する」、「地域地域が置かれている実情に合わせて市町村や地域の皆様との連携協調を一層重視する」といった3つの視点を持って改めて点検いたします。その上で、新たな課題のみならず、この点検を通じて見えてきた課題への対策も盛り込んだ計画としてまいります。

(1)命を守る対策

 命を守る対策では、まず、揺れ対策として、住宅の耐震化率100パーセントの早期達成を目指して取り組みを加速化してまいります。
 地震による強い揺れから身を守り、安全、確実な避難を実現するためには、建物の耐震対策が重要であり、市町村との連携の下、住宅の耐震診断の勧奨などの対策に取り組んでいるところであります。
 しかしながら、住宅の耐震化率は、本年度末で77パーセントにとどまる見込みでありますことから、住宅を戸別訪問し耐震診断を促すなど、市町村と連携した取り組みを強化してまいります。
 また、津波からの避難対策として、県内各地で整備された津波避難空間を使いこなし、一人ひとりが確実に避難できるよう、現在、地域津波避難計画が策定されている沿岸部の19市町村において、地域本部が中心となり住民の皆様と共に現地での避難路の点検を行っております。その中で、ブロック塀の倒壊などにより、安全な避難が困難になる恐れがあるなどの課題も明らかになっておりますことから、市町村とも連携しながら地域地域の実情に応じた対策を検討し、津波避難対策の実効性の確保に努めてまいります。
 さらに、火災対策として、地震火災対策重点推進地区における出火、延焼防止対策や安全な避難対策を進めてまいります。山津波対策につきましても、砂防事業などのハード対策と避難訓練や防災学習会の実施などのソフト対策を一体的に進めるとともに、平成31年度の指定完了を目指し、土砂災害警戒区域の指定を加速いたします。

(2)命をつなぐ対策

 次に、命をつなぐ対策では、まず、避難所の確保対策として、県全体でいまだに約8万人の収容能力が不足していることから、既存の避難所の収容力拡大や新たな避難所の指定などの対策とともに、市町村域を越えた広域避難体制の構築を進めてまいります。あわせて、発災後、住民の皆様が主体となって避難所を速やかに開設し、円滑に運営していくことができるよう、現在、県内10カ所のモデル地区で避難所を運営するためのマニュアル作成を進めております。今後は、災害時の円滑な避難所の立ち上げを目指して、県内全域の避難所でマニュアルが作成されるよう取り組んでまいります。
 また、災害時の医療救護活動については、地域ごとの前方展開型による医療救護体制の整備を推進してまいります。それぞれの地域でより実効性のある医療救護活動を展開するため、現在、6つの地域で被害想定や医療資源の状況を踏まえた地域ごとの行動計画の策定を進めております。これらの地域での取り組みも踏まえながら、さらに多くの地域で行動計画が策定されるよう取り組みを進めてまいります。
 さらに、発災後の迅速な救助や救出、医療救護活動や支援物資の搬送など、応急期の対策の根幹となります道路啓開について、優先して啓開すべきルートなどを定めた計画の策定を進めているところであります。加えて、啓開日数の短縮に向けた対策や啓開作業の手順書を作成するなど、国や建設業協会など関係機関と連携しながら、道路啓開計画の実効性を確保してまいります。

7 インフラの充実と有効活用について

 次に、インフラの充実と有効活用についてご説明申し上げます。
 県民の皆様の安全、安心の確保と地域経済の活性化に向けて、依然として全国に比べて立ち遅れているインフラ整備を促進するとともに、県内建設業の活性化に向けた取り組みも進めているところであります。
 四国8の字ネットワークの整備促進については、「命の道」として必要不可欠であり、南海トラフ地震対策を進める上での重要課題としても位置付け、ミッシングリンクの解消に向けて取り組んでまいります。
 中山間地域の道路整備については、地域に暮らす住民の皆様のご意見をお伺いしながら1.5車線的道路整備などを進めてきたところであります。こうした地域の暮らしを守るインフラを着実に整備することにより、中山間地域の生活の利便性向上と合わせて、産業振興や観光客の増加などといった地域の活性化にもつなげてまいりたいと考えております。
 そのほか、豪雨により大きな浸水被害を受けた河川流域の再度災害防止対策を進めるとともに、最大クラスの津波に対しても減災効果が発揮できる防波堤や海岸堤防の整備など、引き続き、災害対応力の向上を図ってまいります。
 また、インフラ整備や地域防災の担い手であるとともに地域の雇用や経済を支える基幹産業でもある県内建設業の活性化に向け、高知県建設業活性化プランを取りまとめ、「公共工事の品質と担い手の確保」、「県内建設業の活性化への支援」、「コンプライアンスの確立」の3つの柱に基づき、建設業の新たな展開を目指しているところであります。
 これらの取り組みにより、県内建設業者の新技術の開発と施工力の向上などへの支援を行うことを通じて、独自の技術により県外展開を図ろうとする企業の後押しを行ってまいりたいと考えております。また、施工やマネジメントに関する技術研修の実施など、経営の安定化や雇用環境の改善に向けた支援を行い、未来の建設業を支える人材の確保にもつなげてまいります。

8 中山間対策について

 次に、中山間対策に関し、今後の方向性についてご説明申し上げます。
 県土のほとんどを占める中山間地域の再生なくして県勢浮揚はなし得ない。この強い決意の下、中山間地域の暮らしを守り、若者が住み続けられる中山間地域の実現に向けて、対策を重点化して取り組んできたところであります。
 本県の強みは中山間地域にこそあります。これからの4年間においても中山間対策を重点化して、引き続き、次の三層構造での取り組みを全力で進めてまいります。
 まず一層目は、産業振興計画の成長戦略の取り組みであります。引き続き、中山間地域の基幹産業である第一次産業やその関連産業の振興などに重点を置いて取り組みを進めてまいります。そして二層目は、地域アクションプランの取り組みであります。地域地域での取り組みをしっかりとしたビジネスとして、また、やがては地域の基幹産業となるよう育成してまいります。他方、中山間地域には、こうした成長戦略や地域アクションプランの取り組みが届きにくい、極めて厳しい地域もあることから、そうした地域において、一層目、二層目と連動して進めているのが、三層目に位置付ける集落活動センターの取り組みであります。現在、県内18カ所で立ち上がっている集落活動センターが、集落の暮らしを守る拠点となるよう、経済活動や人材育成など、それぞれの基盤の確立に向けた取り組みをしっかりと支援するとともに、あったかふれあいセンターの取り組みなどとも連携し、地域の日常生活や福祉活動を支える拠点としての機能を充実できるように支援してまいります。こうした取り組みなどを通じて、集落活動センターの30カ所程度の早期の立ち上げを図り、これらのセンターをロールモデルとすることにより、将来的には県内全域に130カ所程度のセンターを開設することができるよう取り組んでまいります。

9 少子化対策と女性の活躍の場の拡大について

(1)高知県少子化対策推進県民会議

 次に、少子化対策については、先ほど申し上げましたとおり、全般にわたり対策を強化してまいりますが、その実効性を確保するために重要なことは、いかにしてこの少子化対策の取り組みを官民協働による県民運動へとつなげていくかということだと考えております。
 このため、現在の高知県少子化対策推進県民会議について、機能を抜本的に強化していただくこととしており、今月初めに開催された同会議において、「結婚支援」、「子育て支援」、「W・L・B(ワーク・ライフ・バランス)推進」などといった新たな部会が設置されることになりました。
 今後は、それぞれの部会において官民が協働した実践活動やPDCAサイクルを通じた進捗管理などに取り組むこととしており、加えて、「高知家の出会い・結婚・子育て応援団」の取り組みの連携を強化することによって、少子化対策を官民協働の県民運動としていくことができるよう力強く取り組んでまいります。

(2)女性の活躍の場の拡大

 次に、女性の活躍の場の拡大につきましては、結婚や出産、育児など様々なライフステージを迎える女性が希望に応じて働き続けられるよう取り組みを進めてまいります。
 とりわけ、出産や子育てのために一定期間職を離れても、これまでのキャリアを生かせるような環境を整えることは、女性の活躍を推進する上でも重要でありますことから、復職支援などの取り組みを一層充実させてまいりたいと考えております。
昨年開設した「高知家の女性しごと応援室」では、就労や復職を希望する女性にきめ細かな支援ができるよう体制を充実するとともに、幅広い業種の求人情報が応援室に集まる仕組みを構築するなど取り組みを強化したところであります。今後は、相談者の傾向や求人情報の分析を深めるとともに、相談者へのアフターフォローや企業への情報提供などにより、確実な就労につなげるよう取り組みを進めてまいります。
 また、「イクボス」の普及や家庭生活における男女共同参画に向けた意識啓発などにも取り組んでまいります。
 あわせて、経済団体と連携し県内企業が行う女性の登用促進の取り組みの後押しを行うなど、女性が働きやすい環境づくりを推進してまいります。

10 その他

(ルネサス高知工場の集約について)
 次に、ルネサス高知工場の集約に関してご説明申し上げます。
 今月1日、ルネサスエレクトロニクス株式会社が、同社の子会社であるルネサスセミコンダクタマニュファクチュアリング株式会社の高知工場について、今後2年から3年を目途に工場閉鎖を伴う集約を行う方針を公表いたしました。
 昭和61年10月にルネサス社の前身となる三菱電機株式会社が高知工場の操業を開始して以来、高知工場は、約30年にわたり県民の雇用の確保や製造業の振興を通じて県経済の活性化に大きく貢献していただいてきただけに、今回の集約の方針決定は誠に残念であります。
 県としましては、本年3月にルネサス社から高知工場の集約を検討中との情報を非公式に入手して以来、同社に対して、集約の方針を見直し、撤回していただくよう求めてまいりました。また、仮に高知工場の集約が避けられないのであれば、高知工場の従業員の皆様の雇用を円滑に継続するため、ルネサス社に雇用の継続を求めるとともに、高知工場の譲渡先の確保を図るよう要請してまいりました。さらには、新たな雇用の場を創出するため、高知工場の第2棟の建設を前提に県が整備した香南工業用水道をめぐる経緯を先方に詳しく伝えた上で、長年活用されていなかった同社所有の第2棟用地を県に無償で譲渡していただくよう粘り強く交渉してまいりました。
 結果として、高知工場の集約の方針を撤回させるには至りませんでしたけれども、このたび、「ルネサス社は、高知工場の譲渡先の確保に努め、県はこれに協力すること」、「ルネサス社は、第2棟用地を県に無償で譲渡すること」、「県は、第2棟用地を県指定の工業団地とし、企業立地に努力すること」、「ルネサス社と県は、これらを通じて高知工場の従業員の雇用継続に努力すること」などについて、同社と確認したところであります。
 これらの確認内容について、ルネサスエレクトロニクス株式会社及びルネサスセミコンダクタマニュファクチュアリング株式会社と合意してまいりたいと考えており、今議会に所要の議案を提案しております。
また、今回の確認に基づき、高知工場の譲渡先の確保と第2棟用地を活用した企業立地を着実に推進してまいりますため、今月2日、商工労働部長を本部長とする「ルネサス高知工場集約対策本部」を設置したところであります。今後は、高知工場の従業員の皆様の雇用の維持を第一に、高知工場の譲渡先の誘致や、第2棟用地の分譲希望先の掘り起こしなどをスピード感を持って進めてまいりますとともに、従業員の皆様からの様々なご相談についても対応するなどいたしてまいります。
 県としましては、今後、ルネサス社としっかり連携し、高知工場の従業員の皆様の雇用の維持に向け、万全を期してまいります。

(伊方発電所について)
 次に、四国電力伊方発電所の再稼働の動きに関してご説明申し上げます。
 去る10月26日、立地県である愛媛県知事が再稼働について同意するとの判断を示されたことを踏まえ、同日、私の考え方を述べさせていただいたところであります。
 これまで、県民の皆様のご意見や県議会でのご議論もいただきながら、四国電力との勉強会で伊方発電所の安全性や再稼働の必要性を確認してまいりました。勉強会において、安全性については、中央構造線断層帯が一度に動くといった場合まで想定して耐震対策を行っていることなどについて、また、再稼働の必要性については、老朽化した火力発電所を総動員して何とか電力の供給力を確保している状況であることなどについて説明がなされましたが、これらについては、合理的な説明ではないかと考えております。こうしたことに鑑みれば、私としましては、県民生活や県経済に不可欠な電力を安定供給するためには、現時点では、伊方発電所3号炉の再稼働はやむを得ないとの考えであります。
 しかしながら、本県が求めてきた将来に向けて原発への依存度を徐々に低減すべきとの点について、そうした趣旨の回答はいまだに得られておらず、本県としては不満の残る形となっておりますことから、引き続き、四国電力にしっかりと説明を求めてまいります。また、県としましても、再生可能エネルギーの導入促進などによる原発への依存度の低減に向けた取り組みを進めてまいります。
 今後、再稼働までには、原子力規制委員会による工事計画や保安規定の認可などのプロセスが残っております。こうした各プロセスの過程において、そのプロセスが適切な手続きに従って実施されたことを確認する必要があり、また、今後、新たな疑問が生じることも考えられます。こうしたことに加えて、そもそも安全対策には終わりがなく、常に最新の知見をもって対策を講じていく必要がありますことから、今後も引き続き勉強会を開催し、四国電力に安全対策の徹底などを求めてまいります。
 また、本県は、避難計画を策定しなければならない30キロメートル圏内に入っておりませんが、危機管理上の観点から、万が一事故が起こった場合に備え、昨年9月に「高知県原子力災害対策行動計画」を策定いたしました。加えて、現在、伊方発電所から最も近い四万十市及び梼原町の避難計画の策定に向けて具体的な協議を進めているところであり、できれば再稼働までに、遅くとも再稼働後の早い時期までに策定が完了できるよう取り組んでいるところであります。さらに、より広範に事故の影響が及ぶ事態も想定しておく必要もありますことから、その他の市町村の避難計画策定も支援してまいりますとともに、市町村域を越える避難を想定した広域の避難計画の策定も進めてまいります。

11 議案

 続きまして、今回提案いたしました議案についてご説明申し上げます。
 まず予算案は、平成27年度高知県一般会計補正予算の1件です。 
 一般会計補正予算は、先ほど申し上げました経済の活性化などの経費として、53億6千万円余りの歳入歳出予算の補正などを計上しております。
 条例議案は、高知県行政不服審査会条例議案など17件でございます。
 その他の議案は、高知県が当事者である訴えの提起に関する議案など11件でございます。
 報告議案は、平成27年度高知県病院事業会計補正予算の専決処分報告など2件でございます。
 以上をもちまして、議案提出にあたっての私からの説明を終わらせていただきます。
 何とぞご審議の上、適切な議決を賜りますようお願い申し上げます。

お問い合わせ

総合企画部 秘書課
TEL:088-823-9151
FAX:088-824-7745
Topへ