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知事の定例記者会見(平成20年3月25日)

公開日 2008年03月29日

知事の定例記者会見(モード・アバンセ事件に係る住民訴訟の和解成立を受けて)

平成20年3月25日 15時20分から(知事室)

(知事)
 本日の住民訴訟の和解成立を受けました私のコメントでございます。

 モード・アバンセに対する融資に関して提訴されていた住民訴訟に関して、被告である前知事以下10名と原告、市民オンブズマン高知の方々との間において、裁判所の指揮により和解が成立したと伺いました。

 この訴訟は個人の責任が問われたものでございますが、モード・アバンセの問題は、かつての県行政が特定の団体や個人への対応に行政としての主体性を欠いていたことなどから生じた出来事であり、結果として、県民の皆様の信頼を大きく損なうことになりました。

 あらためて、県民の皆様に心よりおわびを申し上げます。

 県としては、これまで念書・覚書の公表や情報公開の徹底など県政改革に取り組んでまいったところですが、再度これまでの取り組みを検証することなどによって、今後もこうした出来事を風化させることなく、信頼される県政運営の確立に努めてまいります。

 二度とこうしたことを起こさないことを、県庁組織が全体として、あらためて県民の皆様にお誓いいたします。
 私からは、以上でございます。

(幹事社)
 それでは、各社から質問お願いします。

(記者)
 先ほど「検証」という言葉があったんですが、具体的に言うと、どういった内容について。具体的な方策とかそういったものがあれば、教えていただきたいんですけれども。

(知事)
 まだ具体の対応策というのがこれから練っていくことになりますけれども。

 私はこの問題を個人の問題として矮小〔わいしょう〕化してはいけない、二度と起こさないようにするためには、やはり組織の問題としてとらえて組織として反省していくという姿勢が必要であろうかと考えているところであります。

 そういうことから、まず、当時のことをあらためて組織の問題として検証していくということが、一つであります。
 この間、県庁としても何もしてこなかったわけではなくて、県政改革の取り組みも行ってきたわけであります。

 しかしながら、これは平成13年から始まっていると承知しておりますけれども、当時から約8年が経過しているわけであります。

 その事件当時のことをあらためて検証するとともに、この県庁改革としての取り組みが今のこの時代においても十分であるかどうか、これをあらためて検証していくと。で、不十分であれば、さらにその県庁改革の取り組みを追加していくことも必要だと思いますし、また、当時決めた県庁改革のことが8年たって今もしっかりと実行されているかどうか。

 そういうことの取り組みも検証が必要だと、私は思っている次第でございます。

 そういうことを検証する場というものを設けなければいけないかなと。そうすることで、この問題を風化させることなく、二度と起こさない組織づくりというのを行っていく必要があると、私は考えております。

(記者)
 今回和解したということで、あらためて県として何らかの処分を検討するということは、ありますでしょうか。

(知事)
 県庁職員の処分の問題につきましては、もう既に各種処分も行われているところであります。

 ですから、一度検証してみて、また新たな事実が発覚するとかいうことがあれば、それは話は別ですけれども、新たな事実が発覚しない限りは、処分ということはないと思います。断定的には申せませんけれども。

(記者)
 処分というのは、刑事事件の確定前ですよね。いわゆる懲戒処分のことをおっしゃっているんでしょうか。

(知事)
 そうですね。はい。

(記者)
 その新たな事実というのは、どういうことなんでしょうか。例えばいわゆる罪が確定していない段階での処分と、刑事事件として確定しているということと、また違うと思うんですけれども。

(知事)
 そういうことも含めて、検証していく必要があると思いますね。

(記者)
 職員に賠償を求めるかどうかについては。

(知事)
 本件の場合は、個人が着服をしたということとは違うと思うんです。着服をしていればそれを全額返せというのが当然だと思うんですけれども、行政上の行動に間違いがあったと。結果として県民の皆様に損害を与えてしまったという問題だと思います。

 県庁組織としておわびの気持ちを示すということは大切だと思いますから、幹部職員をはじめ県庁の職員からお金を募ると。少しでもお金を集めて、県の損失に対するおわびの気持ちを示すと。そういうことは必要ではないかと、私は思っています。

(記者)
 それは、今回の和解金額とはまた別にということですか。

(知事)
 もちろん。

(記者)
 これはいわゆる地方自治法等で定める法的なものですか。それとも、カンパのようなものを考えておられるんですか。

(知事)
 それは、これから詰めます。

(記者)
 法的なものである可能性もあるということですか。いわゆる賠償命令。

(知事)
 ただ、いわゆる強制措置っていうのは、出せないと思うんですよね。なかなか難しいんではないかと思いますが。ちょっとそこは詰めさせていただきたいと思います。

(記者)
 範囲はOB含めて幹部の職員。

(知事)
 その点も、これから詰めます。

(記者)
 額もですか。

(知事)
 そうです。

(記者)
 既にカンパなり、そういう方向に、庁内では部分的にでも議論はされたんですね。

(知事)
 議論は始めたところです。

(記者)
 先ほど「検証する場」というふうにおっしゃったんですけれども、何か委員会のようなものを立ち上げるんですか。

(知事)
 やはりこういう問題は、県庁としての行政のあり方の問題を県庁だけで考えて、はたしていいのだろうかと。客観的な外の視点というのも要るんじゃないかなと私は思っていますから。やはりそういう委員会を設けるっていう方向になるんではないかなと思います。

(記者)
 強制措置は難しいっていうことで、カンパ的なものをお考えということですが。ということは、額も範囲も含めてそういう外の視点も入れた検証する場で検討していくということですか。

(知事)
 まあそこもありますでしょうし、既に自主的な動きも従来よりあったというふうに伺っていますから。そこの時機、タイミングっていうのは、どうであるかということですね。

(記者)
 細かいところ、確認ですが。さっきの質問にあったカンパですよね。2,000万円というのを個々の被告がそれぞれ払うと。そこに向けてのカンパというのもあり得るんでしょうか。2,000万円とは別の部分の補てんということでしょうか。

(知事)
 今、私が申し上げたことは、その2,000万円とは別の話です。

(記者)
 運動団体との関係ですが。事件の背景にある団体とのあり方ですが、今まで、団体との交渉を公開するであるとか、(平成)13年から続けてきたわけですけれども、それについては、後退させずにやっていこうということで、よろしいですか。

(知事)
 この事件の背景には、私も勉強してみて思いましたけれども、大きく三つの問題があったんだと思うんですよね。

 やっぱり議会への説明を行わなかったことをはじめ、県民への説明責任や情報公開に対する職員の意識というのが不十分であったということが、一つ。

 それから2番目の問題として、特定の団体や個人への対応に、行政としての主体性を欠いてしまっていたということ。

 そして3番目に、庁内での情報共有の仕方や、職員間の連携のあり方にも問題があったと。自由に意見を述べて協議できる風土に欠けていたとか。または、担当、係、課といった組織の間での情報の共有が不十分であったとか。そういう問題があったんだろうと思います。

 そういうことから、今まで県政改革として融資制度の検討を見直すとか、同和対策の抜本的見直しとか、情報公開の徹底などということをやってきたわけでございますけれども、あらためてこの問題を風化させない、そして二度と起こさないという観点。

 さらに、こういうことをやり始めて8年たっているという観点を踏まえますと、もう一度当時のことを振り返りながら、このような取り組みで十分なのか。

 さらには、この8年たった今、現在の行政環境からしてどうなのか。

 さらには、実際に決めたことがしっかり実行されているのか。それを検証していくことが必要だと、私は思った次第であります。

 とにかく、二度とこういう問題を起こさないためには、不断の検証というものが必要じゃないでしょうか。

(記者)
 前知事の橋本さんから引き継ぎにあたって、特に融資問題の処理とか、提訴中の民事の訴訟も含めて、一連の問題についての引き継ぎ事項の中で、何か橋本さんから伝えられた問題意識とか、言われた言葉で何か残っているものがあれば、教えてください。

(知事)
 このような事件があって、そして、このような訴訟が行われているということを伺っただけだったと思います。

(記者)
 先ほど、強制措置を出さないというお考えのところについて確認させていただければ、地方自治法上の求償であるとか損害賠償請求であるとか、そういうことは検討しないってことでしょうか。

(知事)
 まったく選択肢から排除するということではないと思うんですけども。ただ、いろいろ訴訟の経緯とかそういうものを考えたときに、おそらく強制措置というのは難しいんじゃないのかなという感触は持っています。ただ、今は断定できる段階ではないと思いますね。

(記者)
 今のところでも、難しいと考える根拠というのがあれば、教えてください。

(知事)
 やっぱり一連の訴訟というのが行われてきたわけですからね。

(記者)
 その訴訟で一定の重複部分があるということですか。

(知事)
 はい。

(記者)
 いわゆる二十数億円、公金に穴が空いているわけですけれども。補てんについては、今後どういうような考え方をされますか。

(知事)
 ひとつ区別しなければならないのは、本件については個人としてポケットマネーに入れたわけではないと。そういう問題ではなくて、行政上の対応の誤りによってこのような損失を生じさせてしまったということなんだろうと思いますので。

 そういう意味において大切なことは、引き続き債権の回収に努力をするということが一つと。そして、県民の皆様に対するおわびの気持ちという観点から県職員として何ができるのか、というような対応になってくるんじゃないかと思いますね。

(記者)
 例えば今、知事が言われた委員会とかで、検証、総括をあらためてし直すということだろうと思うんですが。具体的な金額についての補てんに向けた対応というのは、検証とか総括とかいうものが済んだ後ということですかね。並行してということなんですか。

(知事)
 並行してということもあり得ると思います。

(記者)
 求償を考える理屈で、故意または重過失ということがあると思うんですけれども。背任罪というのは法違反であって、さらに言えば、業務上横領の親戚関係に入る罪ですよね。

 それで、もう一つのいわゆる高度化資金については、県のほうが被害にあっているという認定で、一応刑事事件では確定しているんですけれども。

 一つは、だまされたという意味での過失というものが1点あるかなとも思いますし。

 もう一つは、県単の12億(円)に関しては、着服とは違うとおっしゃいますけれど、比較的横領罪に近い罪だと。自己利得がないという、形式的に利得はないということなんでしょうけども。

 その意味では、現在でも難しいという考え方ですかね。

(知事)
 そういう詰めた議論をちょっとしないといけないとは思いますね。

(記者)
 今後の検討。

(知事)
 はい。それはしないといけないと思います。そういうことは、詰めた議論をしないと結論を出すべき問題ではないと思いますから、あまり軽々なことをこの場で申し上げることは控えさせていただきたいと思います。

(記者)
 「職員の処分は?」という質問の中でも、「新たな事実がない限り」ということは。というのは、ここも今後、再処分という……。

(知事)
 当時からですよ。当時から新たな事実がどうであったかということも含めて。ですから、いろんな一連の裁判の経緯とかいうことも含め調べての上だと思いますがね。

(記者)
 新たに処分を科すということも否定はしない。

(知事)
 今の段階で「絶対にしない」とか「絶対にする」とか、言えないと思います。

(記者)
 検証のめどは、大体いつごろを。

(知事)
 多分、「当時がどうであったのか」問題というのが一つ、あります。そして、「8年たってみて、対応策がどうだったのか」問題というのがありますよね。

 この二つはやっぱり分けて、それぞれ報告してもらう必要があるんだろうと思うんですよ。後者のほうが非常に重要だと思うんですけれど、前者は前者で、やはり重要なんだろうと思います。

 ちょっと今の段階で軽々には言えませんけれども、それなりのタイミングということになるんじゃないですか。そんな1年も2年もかけてという話じゃないと思います。

 さらに言えば、2番目の問題については、1回やって終わりってことではないだろうと。

 行政って、大きな組織でいろんな人間が携わってやっていく仕事でありますから。その中で、時間がたつにつれ、よどみが出てきたりするような問題については、不断の検証をしていくという姿勢が必要じゃないのかなと思います。

(記者)
 その選択肢として、カンパなりで損害を補てんしていくという方向は、ご自身の中であるわけですね。

(知事)
 私だけではなくて、職員の中にも一部に自主的な動きがあるというふうに聞いています。

(記者)
 要するにそれは、しっかりとした自分なりの検証をして、腹に入れて、その上で決断していくというふうな。

 もう少しその時期を、1年、2年ということはないんでしょうけども、ご自身の中で、めどというか「ここまでには明らかにしたい」というものをお示ししていただければ、県民にとって非常に分かりやすいと思うんですけどもね。

(知事)
 6月から7月にかけて議会がありますよね。その段階には、一定の報告ができないといけないと思いますね。

 中間報告っていうことになるかもしれませんけれども。逆に言うと、あまり短兵急にすべき問題でもないというのもまた、これは事実だと思うんですよ。

(記者)
 では、6月議会には、中間(報告)になるかもしれないけれども、一定の検証を……。

(知事)
 そうなるんじゃないかと思うんですね。

(記者)
 外部の検証委員会っていうのは、もう来月中には設置するという。

(知事)
 できるだけ早く。

(記者)
 賠償なり求償なりを法律的にできるかできないかということの検討といいましょうか、これはもう事実関係だと思うんですけども。事務方っていうか、執行部からは報告は受けているんですか。

(知事)
 まだです。

(記者)
 カンパで一部自主的な動きがあるという話をされていましたけれど、既にそういう県の一般職の方とかでそういうふうに集めている方がいらっしゃるわけですか。

(知事)
 そういうふうに、私は聞いていますけれど。

(記者)
 それは、幹部職員とかではなくて。

(知事)
 ちょっとそこまでは聞いていませんけれど。

 もう一つ、この件について注意しなければならないと思うのは、県政改革というものをやり始めて8年たっているという、この時間の経過ですね。

 8年間たっていると。やはり8年前に実行し始めたことが今においてどうなのかってことについて、私としてもあらためて検証する良い機会ではないかというふうに思いますし。

 私自身も替わったところですし、今後の県政改革をどのように進めていくかっていうことについては、もう一度しっかり検証してもらいたいという気持ちがすごくありますよね。

 今後の県政において、二度とこういうことを起こさないということ。また、こういうことだけじゃなくて、透明で、効率的で、公平、公正な行政の確立。これはもう不断の努力が要ることだと思いますが、この機会に、そういうものをよく考えていきたいと思いますね。

(記者)
 どちらかというと橋本(前知事)さんは、橋本さんなりにいろいろお考えにはなっていたと思うんですけど、外の目には、刑事事件が確定するまではあまり積極的な総括をしてこられなかったし、刑事事件の確定した後も、民事があるからということで、どちらかというと、その間、県のほうでは、尾﨑知事が誕生されて以降も、今まで、この問題の処理については、県として思考停止してきたような感じがあるんですが。

 で、尾﨑知事のリーダーシップの中でどう対応をするんだっていう目線は、より強くなっていると思うんですけれど。その辺りのご自覚というか、ご自身の思いっていうのは、どうですか? 対応、処理について。

(知事)
 「橋本知事だから」「私だから」ってことはないんだと思いますけれど、やっぱり訴訟が続いていたというのが厳然たる事実だったと思うんですよね。

 だから、今回和解が成立したということでありまして、これを機にしっかりと検証、総括していくということが重要なことだと思います。今後のために。私自身は、それについては、しっかりとやっていきたいという思いでありまして。

 そういう形で先のコメントでも「再度、これまでの取り組みを検証することなどによって」ということ。ここについても、私自身が申し上げたこと。私自身から指示してやることとしたことでありますから。そういう意味においては、強い決意を持っているつもりであります。

 ただ、一つだけ県職員のためにも申し上げさせていただきたいのは、今までも県庁改革ということで一定の取り組みをしてきたということは、ぜひ念頭に置いていただきたいとは思いますけれどね。何もしてこなかったというわけではないんだということは。

(記者)
 ちょっと確認なんですけれども。今の段階で、知事ご自身が、刑事事件で有罪が確定した副知事と元部長に対して賠償請求するといいましょうか、法律的な判断も必要なんでしょうけども、個人の責任を問うていくということはないということですね。組織としてとらえるということですね。

(知事)
 私は、本件は個人としてとらえるべき問題じゃないと思いますけどね。法律的な問題は再度整理することは必要でしょう。

 ただ、逆に言うと、私が恐れているのは、個人の問題としてしまったときに、じゃあそれで責任を問われなかった人たちは関係ないんだということになって、組織としての対応がおざなりになってしまうこと。いわゆる、問題が矮小〔わいしょう〕化されてしまうこと。これは避けなければならないと思っています。

 今回はこの部だったかもしれません。この問題に関して言えば、このような形で当時の商工関係の部のほうで起こしたという話なのかもしれませんけれど。同種の問題が、全く別の形で、また他の部で起こるかもしれないわけですよね。

 だから、これはやはり組織としての検証、組織としての問題ととらえて再発防止策をきちっと講じていくということが、一番大切なことじゃないですかね。そのためにも、当時の組織としてどういう問題があったのかということについて、検証する視点が必要じゃないでしょうかね。

 逆に言うと、その「組織としてどうだったのか」問題についてのしっかりとした総括が今まで行われていないでしょう。それが問題だと思うんです。それが一番いけない。

(記者)
 組織の総括をしてこなかったのが一番大きな問題と。もっと早くすべきだったという思いはありますか。訴訟が進行中というのが大きいということも十分分かるんですけども。

(知事)
 県政改革はやってこられたんですよ。

(記者)
 組織としての総括っていうのは、訴訟に関係なくやるべきだったという考えもあるんですけれども。それについては、どう思いますか。

(知事)
 私が担当知事であれば、やっていたのではないかと思いますね。

(記者)
 訴訟に関係なくですか。

(知事)
 はい。

(幹事社)
 よろしいですか。どうもありがとうございました。

 

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