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知事の定例記者会見(平成20年7月1日)

公開日 2008年07月10日

知事の定例記者会見(7月議会関係、原油高騰対策、教育改革ほか)

平成20年7月1日(火曜日) 9時から(第二応接室)

目次

 


 

議会提出予定議案 (補正予算)
(知事)
 県議会7月定例会を7月7日に招集することといたしました。提出いたします議案は、一般会計の補正予算など予算議案が5件、条例その他議案が13件、報告議案が3件の、合わせて21件であります。

 そのうち、まず一般会計の補正予算では、主なものといたしまして、学力の向上やいじめ、不登校対策などの教育関係に係るものがございます。教育関係の施策に関しましては、当初予算の編成の時点で、これまでの取り組みの徹底的な検証と、今後の方向性の十分な検討を踏まえた上で、本格的な取り組みを進めていくこととしておりましたが、教育委員会とともに検証を進めてまいりました結果、近々、教育委員会におきまして、学力向上・いじめ問題等対策計画が取りまとめられることとなりましたことから、計画の実現に向け、早急に行うべき施策を計上いたしております。この点については、あとで詳しくご説明したいと思います。

 また、先の議会や今年度から行っております「対話と実行」座談会などでご指摘いただきました課題のうち、緊急に対応すべきものとして、深刻な問題になっております原油価格の高騰対策、また、抜本的なシカ対策を講じるために必要な経費など、総額で5億2000万円あまりを計上いたしております。この原油高騰対策につきましても、あとで詳しくご説明したいと思います。

 併せて特別会計の補正予算では、現在検討を進めております産業振興計画の中で大きな柱の一つとなります1.5次産業の振興などを支援する仕組みとして、こうち農商工連携基金を産業振興センターに創設するために必要となる当センターへの貸付金21億円などを計上いたしておるところでございます。

 産業振興計画を作って、どのようなやり方をしていくのかをこれから詰めていくわけでありますが、しかしながら、今すぐにできることには、このような形で速やかに対応していく、そういうふうにしてまいりたいと考えております。
 
 この点、農商工連携ファンドという国の仕組みがございまして、この仕組みにつきまして、本県からも真っ先に東京事務所などを活用して手を挙げていったわけでありますが、本県は全国で第一番目に指定されるグループに入っておるところでありまして、速やかな対応を、これによって実施していくということであります。

議会提出予定議案(条例その他議案ほか)
 条例その他議案でございますけれども、地方税法等の改正により、いわゆるふるさと納税制度が創設されたことに伴いまして、ふるさと高知県を応援したいという思いのもとに贈られる寄附金を有効に活用するため、新たに設置をいたします、こうちふるさと寄附金基金条例議案などの条例議案を9件。県有財産・権利の放棄に関する議案など、その他議案4件の合わせて13件を提案いたします。

 なお、今年3月に住民訴訟の和解が成立した協業組合モード・アバンセに対する融資事件については、多額の債権が未回収のまま残らざるを得ない状況となっておりますことから、県庁全体として県民の皆さまにお詫びの気持ちを示す趣旨で幹部職員が中心となって始めておりますカンパの取り組みと併せ、私も知事として給料を減額する条例議案を提案することとしております。

 また、報告議案といたしましては、平成19年度高知県一般会計補正予算の専決処分報告など3件を提案することとしております。

 以上が7月定例県議会への提出予定議案でございますが、併せまして、本県県政の懸案となっております県立女子大改革の問題、芸陽病院の問題、これらにつきましても、7月県議会に県としての具体的な考え方というものを提示させていただき、県議会で十分にご議論をいただきたいと考えております。

 女子大の問題につきましては、昨年の6月、9月の議会でそれぞれ議場の議決が真っ二つに割れ、最終的に否決されるということがございました。

 私はこれまで多くの関係者の方々から、いろいろな考え方を伺い、そして複雑な連立方程式でございましたけれど、考えに考え抜いて、我々としての答えを導き出したつもりであります。今度は、県議会の皆さま方からの意見をしっかりと賜らなければなりません。7月の議会で我々の具体的な考え方をお示しすること、そして徹底したご議論をいただくこと、それを踏まえまして、最終的には9月の議会に予算案として提示させていただきたいと考えています。

環境先進県としての取り組み 1
 なお、今回の議会の開会日は、気候変動対策を主要テーマとしました主要国首脳会議、北海道洞爺湖サミットの開会日にも当たるわけでございます。7月7日でございます。県といたしましても、環境対策に最も全国で熱心に取り組んでいる環境対策先進県として、当日全庁で夜8時から消灯を行うことといたしました。今回のことを契機に、本県における温暖化防止に向けた官民を上げての取り組みの充実に繋げてまいりたいと考えております。

原油高騰対策
 続きまして、原油高騰対策についてご説明をして、その後、教育についてご説明をしたいと考えております。

 改めて申すまでもございませんけれども、原油価格の高騰につきましては、県民生活はもとより、本県の基幹産業であります農林水産業をはじめ、産業界の各方面に多大な影響をもたらしているところであります。

 このため、7月の補正予算では、省エネにつながる園芸ハウスの施設設備に対する県単独の支援制度の創設を緊急対策として提案することといたしました。「対話と実行」座談会におきましても、本当にこの問題については悲鳴のような声が上がっておったわけであります。

 園芸ハウス、高知県の園芸、本県の持つ強みの最たるもののひとつでありますが、これがこの原油高騰によって足下から崩れていく、そういうことであっては絶対にいけない。国も今、原油高騰対策でさまざまな対策をしようとしているところでございますけれども、まず県としては、その国の支援策が固まるのを待つのではなくて、緊急な対策を講じていきたいと考え、今回補正予算として提案をさせていただくことといたしました。

 また、漁業関係でございますが、当初予算で、県単独の支援制度として運転資金への利子補給や船底清掃への補助などを計上いたしました。この速やかな執行に努めてまいりたいと考えておりますし、また先週には国の緊急対策に急激な動きがございました。これに合わせまして、私からも水産庁長官に実現可能なプランについての提言、活動も行ってまいったところであります。

 このほか、中小企業に対する支援策といたしましては、現在県の制度融資に関して据置期間、償還期間の延長や貸付限度額の増額などをメインとする、緊急支援措置を9月末までの間、実施することといたしておりますけれども、今後、期間の延長を含め、融資枠の増額などについても検討して、それを実現してまいりたいと考えております。

 さらに、土木工事における工事材料の設計単価につきまして、年2回の改定を行っていますけれども、本年度は燃料油について7月に臨時の改定を行うほか、鋼材にかかる単価については、当分の間、毎月見直しを行うこととしております。さらに、鋼材類や燃料油の価格に著しい変動が生じた場合に、請負代金額の変更請求ができる、いわゆる単品スライド条項を適用することといたします。

 県といたしましては、こうしたさまざまな取り組みを行ってまいりたいと考えているところでございます。国といたしましても、新たな緊急支援措置が検討されている状況であります。こうした情報もしっかりとつかんで、活用できるものは積極的に活用することと合わせ、また国に対しても実現可能な提言というものを行ってまいりたいというふうに考えております。

 とにかく県として、今できることについては速やかに実施をするということでありまして、この点については、我々としても真剣に取り組んでいきたいと考えております。7月の補正予算に具体的に提示をいたします。       

教育改革 1
 続きまして、教育の関係でございます。お手元にも資料をお配りいたしておりますけれども、繰り返しになりますが、本議会では、教育に関する本格的な対策を講じていくための補正予算を提案をいたしております。

 これまでも申し上げてまいりましたが、教育は、子どもたちの可能性を最大限に伸ばしていくということが最も大切なことであろうと思います。そのためには、基礎となる学力の定着を図ることがぜひとも必要であります。

 しかし、残念ながら、昨年の全国学力・学習状況調査の結果におきまして、本県の深刻な学力の状況が明らかとなったところであります。このため私自身、「基礎学力の全国最下位レベルからの脱却」ということを公約に掲げて選挙を戦ってまいりましたし、就任当初から、人づくりである教育が高知県の将来のために最も重要であるということも申し上げてまいりました。

 2月の記者会見において公表させていただきましたように、全国学力・学習状況調査の結果について、詳細に分析をいたしました。その際、2x+3y=9(をyについて解く)、これを解けない生徒がかなりの数、3-5×(-6)(を計算する)、この問題も解けない子どもが中学校3年段階においてたくさんいるということもお話しさせていただいたわけでございますが、このことの意味するところは、かなりの数の子どもたちが中学校3年間にわたって、例えば数学を全く理解できないでいるという状況にあるということを指し示しているわけであります。

 2月の記者会見でも申し上げましたけれども、本当に基礎的な学力を付けてあげるということは大人の責務であります。3年間、授業が全く分からないまま学校に行く、これは子どもたちが可哀想であります。

 また、それだけではございませんけれども、不登校問題の一つの原因にもなっていると考えられるところであります。この点について、何としても学力を向上させるという、この問題に正面から取り組んでいかなければならないというふうに思います。
 
 こうしたことから、まだ検証期間中でありました今年度の当初予算編成の時点では、教育予算は暫定的なものとして、「どこに課題があるのか」「何をしなければならないのか」、こういう点につきまして取り組みの検証と今後の方向性の検討を、教育委員会ともかなりの時間を取りながら徹底的に議論をしてきたところでございます。

 これを踏まえ、今年の5月には、教育委員会で計画の中間的なとりまとめを公表し、教育関係者等の意見も反映した上で、まずは子どもたちがこれからの社会を生き抜いていけるための学力をしっかりと身に付ける。

 そして、いじめや不登校で悩んでいる子どもたちの心に寄りそうこと。この2つの取り組みが急務であるとの考えに至り、学力向上・いじめ問題等対策計画を取りまとめることとなったわけであります。

 この計画につきましては、明後日の3日、教育委員会での議決を経て公表となりますので、詳細につきましては、4日に教育長が別途行います記者会見で説明をされるわけでありますが、この中では、この高知県の教育レベルというものを、大きくアップさせていくための本格的なスタートの時は今であるという考え方のもとに、まずは全国的な教育水準を目標として、この4年間に緊急に取り組むべき内容を示させていただいております。

 お手元に配らせていただいています、こちら〔「学ぶ力を育み 心に寄りそう 緊急プラン」~学力向上・いじめ問題等対策計画の概要~ [PDFファイル/139KB]〕がその骨子でございます。

  補正予算に計上した関係する項目について、お手元にお示しさせていただいておるところであります。「学ぶ力を育み 心に寄りそう 緊急プラン」ということで提唱させていただいております。

  ことは緊急を要するプランであるという考えであります。二つの大きな目標があります。基礎学力全国最下位レベルからの脱却、このために子どもたちが、これからの社会を生き抜いていけるための学力をしっかりと身に付けていくということが一つ。

  そしてもう一つ、児童生徒が落ち着いて、そして安心して学べる環境づくりを行っていかなければなりません。いじめや不登校などで悩んでいる子どもたちの心に寄りそう。この二つが大きな目標であります。7月補正予算に具体的に提示をいたすものについて、その概略をご説明いたしたいと思いますけれども、この緊急プラン、必要と考えられるのは5つの改革であるというふうに考えております。

 一つは「学校・学級の改革」であります。そして「教員の指導力の改革」であります。そして「幼児教育の改革」、「心の教育の改革」、そして「放課後の改革」が必要であると考えております。この教育の問題、一つには学校の改革を図っていかなければなりません。

  そしてもう一つ、この教育の問題は、地域の問題、家庭の問題ともまたとらえていく必要がある。そのためには、放課後の改革をしなければなりません。そして就学前の子どもたちのありよう、この幼児教育についても考えていかなければなりませんし、そして心の教育、この点についても、より一層の力を入れていかなければならないと考えておるところであります。

 「学校・学級の改革」につきましては、大きく言って2つの柱でなっております。一つには全ての小中学校で学力の全体的な底上げを図っていかなければなりません。

  そのために、各学校において学校改善プランというものを策定し、着実な実施を図ることといたしますが、さらに加えて、特に問題のある数学・算数につきましては、今までの教え方で留めるのではなくて、学習内容の細かい単位、これを単元と言いますけれども、学習内容を細かい単位ごとに、学力の把握状況をテストしていく。きめ細かく、把握状況をこまめ、こまめにチェックしていく。1年生の初期段階で分からなかったことが、中学校3年生になって、そのままで分からないという状況を排するためには、中学校1年生の1学期で、習った段階でしっかりと身に付けさせていくという、この仕組みが必要であります。

  そのために、単元ごとに細かく確認をしていく。このような仕組みを作っていきたい。これが全ての学校で行うことであります。このテストなどについても、それぞれの先生方も、今、非常に多忙な中にあるという、そういう状況も踏まえて、場合によっては教育委員会で単元テストを作成し、全学校に配布していく。教育委員会も受け身の姿勢ではなくて、前向きに展開していく。

  そういう仕組みを取っていきたいと考えております。また、特に課題を有する学校に対しては集中的・重点的な支援を行ってまいりたいと思っております。学力向上を専従する班。学力向上専従班というものを、特に課題となる学校には設置することといたしたいと考えております。

 もう一つ、「教員の指導力改革」でございます。若くして採用される先生方、その力を十分に発揮していただきたいと思います。そのために学校で、各先生方のOn the Job Training〔OJT〕 というものを重視してまいりたいと考えております。

  それとともに新規採用教員の質の向上というものも図ってまいりたいというふうに考えております。採用枠の拡大など、県外も視野に入れた拡大というものを考えていかなければならないと考えております。ただ、先生方は、いろいろ生活指導などということも含めて、非常に多忙であるということもまた現実であります。この現実を無視してはなりません。

  そういうことから、担任の先生だけに全てを押しつけるという態勢であってもいけない、そのように思います。そういうことから、先ほど申し上げましたような学力向上専従班を設けるなどという形で、学校の組織全体として、先生方が組織的にプレーすることで子どもたちを育んでいく。そういう態勢を作っていきたいと考える次第であります。

 そして、「幼児教育の改革」ということでございますけれども、この点はまず、保育者の資質の向上ということもありますが、もう一つは若い親御さんたちが子どもさんとともに育っていかれる、その支援というものを重視したいと考えております。

  もう一つ、保育所としての機能、そして幼稚園の機能。すなわち、長時間保育をするという機能と幼児教育を充実させるという機能、この両方を併せ持った認定こども園の制度。この制度について、県内における普及を図ってまいりたいと考えております。

  これは共働き世帯が多い本県において、保育の機能を充実したいという思いとともに、併せてその保育の場において教育を充実したい。この両方のニーズに応えるためのものでございます。この点については、特に積極的な財政支援も行ってまいりたいと考えておるところでございます。

 「心の教育改革」についてでございます。児童虐待、いじめ対応、このことについてガイドラインの作成をし、教員一人一人のレベルアップを図ってまいりたいと考えております。

  昨日、(高知県児童虐待死亡事例)検証委員会から報告書を提示していただきました。大篠小学校のあの本当にやるせない不幸な事件に対応していくために、検証委員会の報告書で提示された内容をできる限りスピード感を持って実施をしてまいりたいと考えております。また、その実施状況についても、厳しく今後もチェックをしていただきたいと考えておる次第でございます。

  その中で学校の問題もございます。例えば虐待を受けているかどうか、この確認をする。服を着た、着衣の上から見えている手と足だけを見て、本当に虐待を受けていなかった、暴力を受けていなかったということが判断できたのか。小さなお子さんでありますので、人権にも配慮しながらということではありましょうが、やはりそこはもう少し踏み込んだ、例えばその着衣の下、服の下がどうなのかということも確認すべきだったのではないでしょうか。

  そのようなことを考えた時に、そのような対応を図っていくためのガイドライン。初歩的なことでありますが、実践的な内容のガイドラインを作り、一人一人の教師の目、耳、これをしっかりと際立たせていく。子どもたちの変化に最も気づきやすいのは学校である。そのためにも、このような教職員用のガイドライン作成などをはじめとした対応をしっかり図ってまいりたいと考えております。併せて心の教育センターの教育相談体制の強化も図ってまいりたいと考えております。

 「放課後の改革」でございます。学校と地域と家庭によって、子どもは育てていくべきものだと私は思います。しかしながら皆さまご存じのとおり、本県においては母子家庭の比率が高いです。さらに共働きの比率が高い。そういう状況にあります。

  子どもたちが放課後学ぶ場、子どもたちの放課後の「学びの場」というものを公的にも準備をしていかなければならないのではないかという結論に至りました。このことは併せて、共働き世帯の親御さんたちにとっても安心して子どもを預かってくれる場があるのであれば、安心してまた外で働けるという意味において、両方に効果があることではないのかなと考えております。お母さん方にとっても働きながら子育てができる。子どもたちにとっても、お父さん、お母さんが帰ってこられるまでの間、この「学びの場」において、安心して友達と一緒に学び、そして遊ぶことができる。そういう場を具体的に作っていくことが必要だと考えております。

  全ての小学校で、放課後の「学びの場」を提供することといたします。また、中学校につきましても、重点校におきまして「学びの場」を設置いたしたいと考えております。

  その「学びの場」におきましては、まだ全て完全にというわけにはいきませんけれども、最終的には完全にそうなることを目指しまして、そこの場で予習復習とか家庭学習、この指導を行う担当者を配置することといたしたいと考えております。「学びの場」を提供する。そこで子どもたちが勉強する。それを支援する。そういう態勢を作っていきたいと考えているところでございます。

 以上、5つの改革を緊急的に実施する。そのために補正予算に具体的な施策を計上してまいりたいと考えております。
  そしてもう一つでございますが、世の中は動いていくわけでありまして、状況というのは時々刻々と変化していくわけであります。1回緊急プランを作ったら二度と変えないということであってはいけない。実施状況に応じて不断の検証、改革を図ってまいりたいというふうに考えております。物事が進むということもありますでしょう。またやってみたところ、実際には本当のニーズにマッチしていないという、これはできるだけそういうことがないようにしなければなりませんが、人がやることですからどうしてもそういうことが出てくるかもしれません。それであれば速やかに直すということであります。不断の検証、改革を行ってまいりたいというふうに考えております。

  「学ぶ力を育み 心に寄りそう 緊急プラン」を緊急に提示させていただき、7月議会で関連予算のご審議をいただきたいと考えております。

 私からは以上であります。

(田中:高知放送記者)
 では、質問をお願いします。

教育改革 2
(本田:高知新聞記者)
 今回出された緊急プランですけれども、今まで10年間やってきた「土佐の教育改革」というものがありましたけれども、そことの大きな違いというか、新しい視点というのはどこだと考えていますか。

(知事)
 一つには学校・学級改革にいたしましても、放課後改革にいたしましても、私はこれは具体策を提示しているということではないのかなというふうに考えております。そして、その具体策につきましても、例えば学力専従班を設ける、この専従班にふさわしい指導力を持った教員というものを研修とかいう形で一時的に配置するということではなくて、学校に常駐させる形で配置したいというふうに考えています。本格的に踏み込んだ対応策を取っているということではないかと、一つは思います。もう一つは、放課後ということに着目したことが大きいのではないかと私は考えております。学校の問題、地域の問題、家庭の問題、この全てが絡み合って現在の教育の状況に至っておるわけでございます。いじめ、不登校の問題も、これは放課後のあり方によって導き出されてくるところもあるのではないかと考えられるわけであります。そういうことを考えた時に、放課後、子どもたちの居場所をしっかりと作っていかなければいけない。「学びの場」というものを作っていかなければならない。これを具体的な形で提示する。「学びの場」というものを本格的に作ることといたしました。こういうものをやるにあたっては、国の制度も十分に活用してまいりますけれども、例えば小学校では全ての小学校で設置する。中学校につきましても、特に重点的な課題のある学校に対しては設置をするという形で、私は実効性のある具体案を踏み込んで策定してやると考えております。
 もう一つは幼児教育を、これは従来よりはるかに重点化しています。

(矢野:高知新聞記者)
 県教委が、学力問題、いじめ対策計画の目標に、4年間で学力テストの結果を参考指標として全国水準に上げる、いじめ・不登校、暴力行為についても発生件数、発生率を全国水準まで改善するという目標を具体的に上げているんですけども、その県教委の思いというのは知事の思いと共通すると考えていいんでしょうか。

(知事)
 基礎学力を全国最下位レベルから脱却をしたいというのが、まず私の思いですね。で、順位が最終的にどうしたこうしたという問題では本当はないんですよね。先ほど申し上げた基礎的な、2x+3y=9、この問題がしっかり解けるようになること。もっと大切なことは、こういう基礎的な学力が身に付くことによって、しっかりとものを考えていく。

  抽象的な思考であるとか、ものを考えるために必要な基礎的な知識であるとかいうことが身に付いていくことが大切なんだというふうに私は思いますが、ただそれを具体的に測る手法に、この学力テストがなるんだろうなと思います。ただ、学力テストの成績だけを上げればいいなんていうのは本末転倒であります。その点は間違わないようにしたいと考えています。

(矢野:高知新聞記者)
 4年間というのは、教育長の任期であるとか、知事の任期であるとか、そういう節目として考えられたと? 

(知事)
 まず責任の持てる範囲ということで、その期間ということではないでしょうか。できるだけ早くしたいですけどね。

(岡林:高知新聞記者)
 同じ質問になりますけれど、先ほど知事がおっしゃいましたけど、いわゆる選挙公約として、学力向上対策というのを掲げて知事に当選された。それから教育長が新たになられたわけですけれど、その任期は4年間と。この4年間の中で、今回の対策を県民市民から見た時に、どういうことをお示しになられるのかなというところに着眼点があるとしたら、やはりその目標のところだと思うんですよ。この4年間で、基礎学力のレベルを全国水準に上げていく、それから、生徒指導上の問題についても全国レベルまで改善させるということは、これは知事のお考え、それからもちろん教育委員会の考え、その両者のお考えが合致した形で、今回の対策計画、目標設定をなされたというふうに考えてよろしいですか。

(知事)
 議論をして、考えが一致したということですね。

(岡林:高知新聞記者) 
 先ほどおっしゃられましたけれど、教育委員会は独立した機関であるということは当然ございましょうけれども、今回この予算の中で、全体の資料の中にもそれが出ていますので、流れとしてはその目標に基づいた五つの改革の方向性があって、それぞれの予算計上が行われたという風に理解させていただいたわけですけれども、それはよろしいですか。

(知事)
 もちろん。ただ、こういう目標を一旦掲げますと、それを先ほど申し上げたように、4年間と言ったから4年間絶対に変えないというのもまたいけないと思うんです。状況の変化に応じてこういうものは変えていかないといけないんですよ。だから、実施状況に応じた不断の検証、よくいうPDCAサイクルというやつですよね。これを徹底していかないといけないと思います。

  ただ、目標のみならず、実際には各施策を実施していく、この中身、これが果たしてどうなのかということは不断の検証が必要だと思うんです。実際これがうまくいく学校もあるんでしょうけど、うまくいかない学校が出てきた時に、じゃあ、うまくいかない学校についてどうしていくのかということ、これはもう考えていかないといけない。

  さっきも言いましたが、言い訳するわけではありませんけれど、それは人の頭で考えることです。どうしても一定の限界が出てくることもあります。ですから、それについては速やかに対応していくという姿勢。これがものすごく大切じゃないのかなというふうに考えています。

(岡林:高知新聞記者)
 これまでの流れの中で、「土佐の教育改革」とかを進められてきた中で、学力向上対策等を取ってみたときに、この4年間で数値目標的な要素でお示しになられたというのは、恐らく知事になられて、それから教育長が替わられた大きな変化であるというふうに受け止めておりますけれども、そうした思いも当然あるわけですよね。

(知事)
 もちろんそうですね。

(岡林:高知新聞記者)
 「土佐の教育改革」を総括して評価していく流れの中で、具体的に数値の目標設定をしなくてはいけないと、そういうお考えも、これに反映されているというふうに理解してよろしいですね。

(知事)
そうですね。独立した機関である教育委員会と私との間の話によって考えが一致したということであります。

県立女子大学の改革
(半田:高知新聞記者)
 県立大学の再編の問題ですけれど、何らかの予算を提出して議論を求めるというのが通常のスタイルじゃないかと思うんですが、7月に考え方だけを示して、予算は9月ということですけれど、その辺は何かお考えがあってのことですか。

(知事)
 先ほど少し申し上げましたけれど、去年6月と9月と2回にわたって(県議会で)徹底して議論が行われてきた問題であります。関係者の方々のご意見をよくよく聞きながら考えを取りまとめていきたいという話も今までさせていただいて、いろんな方のお話も伺ってきたところであります。県議会の皆さま方も徹底して議論をされてきた、まさに本件については関係者だと私は考えておるわけでございまして、その関係者のご意見はしっかり聞かなければならんというふうに思っています。

  もう一つは、7月にたくさんの議案がある中で、やや審議日数が短いということもあります。そういうことを考えた時に、次回の議会でしっかりお考えを伺い、そして9月に提示するということかと思います。しかしながら、具体的にはもう予算も出せるぐらいの詰めた議論を、我々からは提示をさせてもらいたいというふうに考えております。

  漠然とした抽象論で対応しようと考えているわけではありません。かなり厳しいご議論が行われることと思います。ですが、私としても、前回、あるいは去年の6月、9月の時に議論されたこととはまた別な要素というものも考えなければならんということも織り込んで考えたところでございまして、そのような新たな考えに基づく新たなプランというものを具体的に提示したいと考えております。

(半田:高知新聞記者)
 去年も大きな要素になったんですけど、総事業費の見通しですよね。去年は60億というような数字が出て、財政的にも議論の的になったのですが、その辺の見通しは当然持ってらっしゃるんですか。

(知事)
 そうですね。一つには徹底した財政再建というものと両立させていかなければならないわけでありまして、徹底的に経費を削減するためにはどうすればいいかということを考えています。従前よりも削減できるプランということでやっていきたいと考えています。

(半田:高知新聞記者)
 文化学部を残した場合の大枠の総事業費というのは、明らかにされないんですか。

(知事)
 議会はもうじきですけれども、最終の詰めの段階で、ちょっと数字がまだ若干前後しますので、その点については議会の場で明らかにしていきたいと思います。

  とにかく前回、去年の9月に提示した段階、その後、私も就任させていただいて以降、いろいろご意見も伺って考えてまいりましたけれど、とにかく当時から比べて、私は特にこの次の5点をよくよく考えていかなければならないのではないかと思ったところであります。

  一つには、人口減少下にある中で、本県の高等教育機関のあり方をどう考えていくのか。これをそういう総体的な視野で考えなければならないというふうに思います。県立大学と公立大学法人化に向けて検討を進めております高知工科大学の連携における大学運営を考える必要があるというふうに考えたことが一つであります。

  そしてもう一つ、若者の問題、これも考えていかなければなりません。県内高校生の進学希望が非常に多い。その反面で教育の場が非常に少ない、社会科学系学部の整備というものは若者の県外流出防止のためにも、また若者の選択肢を広げていくというためにも必要なことだというふうに考えております。

 そして3番目でありますけれども、県内産業の振興のためには、社会人教育を充実していく必要があると考えております。経営能力のある人材の養成が必要であって、そのためには社会科学系の学部を設置して、社会人教育を充実していくということが必要ではないかというのが3番目の考えであります。

  そして4番目でございます。高齢化社会や地球環境保護の観点からも、高知市が進めておりますコンパクトシティの考え方、中心市街地活性化の考え方、この点につきましても、これは県と高知市両方にとって重要であるという考えであります。この上からも永国寺キャンパスというものの有効活用を図る必要があろうと考えております。

  そして5番目、極めて厳しい財政状況の中で、財政再建と県民サービスの確保、これを両立していくためには徹底した財政負担の軽減が必要であるという考えでございます。

  そういうことから、今回の県立大学の改革ということについては、3つのキャンパス、それぞれの地の利を生かした教育の場の設置を行っていきたいと考えています。池キャンパスは「健康長寿県づくりに資するキャンパス」、永国寺キャンパスは「社会貢献する知の拠点キャンパス」、香美市の(高知工科大学の)キャンパスは「工学、産業振興のキャンパス」、そういうふうにそれぞれのキャンパスを有効に、その地の利を生かしていきたい、そのように考えているところであります。以上です。

(中田:高知民報記者)
 女子大学ですが、永国寺の存続という形で出されてきていますけれども、図書館とのリンクというのは、過去にはそういう議論もいくつかありましたけれども、そういう可能性はありますか。

(知事)
 図書館については、今、永国寺でということは考えておりません。

(岡林:高知新聞記者)
 また関連ですが、以前、執行部と議会との関係の中で、女子大学さんとの話し合いをしっかりしなさいという、当時の委員長の調整であったりとか、委員会の調整みたいな形があって、一旦その議案については審議をしないと、とにかく女子大学ともうちょっと論議を深めなさいといった話が、かつてありました。

  そうした流れの中で、県立大学改革のありようというものが問われてきたと思うんですけど、今回、事務レベルでは大学側に一定の方向性はご提示になられているだろうと思うんですけど、例えば、7月定例会が開会する前であったりとか、委員会とか質問戦が始まる前後であったりとか、女子大学といわゆるトップ会談のようなレベルで今回の議会に諮る件についてお話し合いをしようというようなことは思ってらっしゃいませんでしょうか。

(知事)
 私はもうすでに学長と話しをしています。

(岡林:高知新聞記者)
 学長とはもうお話をされている。

(知事)
 もちろん。学長来られていましたよ。その関係者の方々と一連のお話をさせていただく中で、学長ともお話しをしましたよ。

(岡林:高知新聞記者)
 それはいつごろの話ですか。

(知事)
 2月か、3月ですね。

(岡林:高知新聞記者)
 新たな今の現状を踏まえたお話、詳細なお話でしたか。

(知事)
 それはもうそこで話したことを踏まえて、副知事、担当部長からも密な話をしていますね。
 それと、女子大と話をするということですけれど、もう一つ大切なのは女子大を活用しておられる関係者の方々と話をしっかりするということが、またこれは事実上、女子大とよく話をするということにも繋がりますよね。

  女子大は何のためにあるのか。教育のためにあるわけですね。その教育の関係の方々と話しをするということが、実は本当は大切なことではないですか。両方やっています。

(岡林:高知新聞記者)
 具体的にご提示をされて話をされているということですか。

(知事)
 2月、3月の段階はまだどういう方向性で話をしますかね、という話ですね。

(岡林:高知新聞記者)
 恐らく今後、より具体的な話になりますよね。

(知事)
 だから、具体的な話はもうすでに提示しているもので、私自身も事実上、話をしているようなものです。直接会わなければならんというところに、どれほどこだわるかということですけどね。

(岡林:高知新聞記者)
 今まで最終段階になった時に、さまざまな問題というのが生じたのは、そこにあったと思うので、そういった政治的な意味合いも含めたトップ会談みたいなものをきちんとした形で、むしろこれは県民、市民にオープンに事前の段階も含めて公開して、話し合いの状況を公開していくということは、一つの大きなポイントだろうとは思っているんですけれど、そうした公開の場で、きちんとしたお話をするということも設定はされないのかなとちょっと思いました。

(知事)
 はい。ポイントと考えられることがたくさんありますので、今ご提言いただいた話も踏まえて検討してみたいと思います。


児童虐待対策
(田中:高知放送記者)
 児童虐待とかいじめを見抜くガイドラインの作成というのは非常に大事だと思うんですけども、なかなか服の上からは判断できない・・・。

(知事)
 一つの例ですけどね。

(田中:高知放送記者)
 服の上から判断できない、着衣の下までという具体例を先ほど出されましたけれども、もし今の段階で具体的にここまでは踏み込んで確認するというものが、一つ方向性として決まっているならば教えていただきたいのですが。

(知事)
 一つには、気づきのポイントですよね。これをしっかりとガイドラインの中には書き込んでいくことが必要だと思います。どういう行動、どういう様子、それが虐待の結果である可能性があるとか、そういうことをきめ細かく書いていくことじゃないですか。外見の中からも、うかがい知れるものがあるので、まず気づくかどうかということがまず一つですよね。

 もう1点あります。気づいた後、的確にどう行動するかです。学校の中で関係者につないでいく。そして、関係機関との連携であります。児童相談所もそうですけど。そのような形での連携を図っていくこと。まず気づくこと、そして、組織的に対応するように、関係者にしっかりつないでいくこと。多くの数の先生方がいらっしゃいますので、皆さん一人一人がそれをしっかりできるようになることが大切なわけですよね。

  これをあまねく広く県内に徹底していくということは大変なことです。ですけれども、やらなければなりません。そのために、具体的な内容を含んだガイドラインというのを作っていこう。そして周知徹底したい。そう思っています。

環境先進県としての取り組み 2(内保:共同通信記者)
 予算とは関係ないことなんですけど、先ほど冒頭で、知事が(北海道洞爺湖)サミットに関連して、環境先進県の高知県としての決意表明みたいなお話をされたんですけれども、東京なんかでは大企業にCO2削減を義務づける条例が可決したりとか、他の自治体ではコンビニエンスストアやガソリンスタンドの深夜営業を自粛するような取り組みも動いています。環境先進県、高知として、そのような取り組みはどのように受け止めているのか。それと、高知県に関しても、そういう思いがあるのかどうか。この2点をお聞かせいただきたいのですが。

(知事)
 いろんなことをこれから考えていかなければなりませんし、第二次環境基本計画についても、今まさに活発に議論中でありますから、その中にいろいろ盛り込んでいきたいと思いますが、ただ、高知が環境で全国にどこにもひけを取らないというか、むしろ最も強みを持っているところは何かと言えば、CO2の吸収をする能力がどこに比しても高い。出す方と吸収する方と、両方を比べた時に、ネットベース〔純量〕で最も高いというところじゃないかなと思います。それぞれの強みを生かしていかなければならない。

  それから環境だけじゃない、その他の状況もありますので、例えば経済の状況はどうかとか。例えば経済の振興を図っていくことも、また非常に重要な要素になってくるわけですから、両方にらむということだと思いますけれども。私は今、例えばコンビニの深夜営業自粛とかという方向より、むしろ本県が何によってCO2吸収ということに最も貢献できるのかということを考えた対応を、全面に打ち出していきたいなと思いますけれども。

(谷脇企画監(広報担当))
 よろしいでしょうか。
 それでは、これで終了させていただきます。ご協力ありがとうございました。

−以上−

 

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