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知事の定例記者会見(平成20年9月18日)

公開日 2008年09月30日

知事の定例記者会見(9月議会関係ほか)

平成20年9月18日(木曜日) 9時から9時40分まで(第二応接室)

目次

 


 

議会提出予定議案
(知事)
 それでは冒頭、私からご説明申し上げます。
 
 県議会9月定例会を9月24日に招集することといたしました。提出いたします議案は、一般会計の補正予算などの予算議案が4件、条例その他議案が19件、報告議案が20件の合わせて43件でございます。

 そのうち、一般会計の補正予算では、県民の皆さまに深刻な影響を与えております原油価格高騰への対策や公立小中学校、県立学校の耐震化、それから平成22年から放映が予定されています大河ドラマ「龍馬伝」への対応、県立高知女子大学の池キャンパス整備など、緊急に取り組むべき施策を中心に計上することといたしております。

 以下、主要項目について4本の柱により整理をさせていただいております。

 まず第1の柱でございますけれども、「5つの基本政策に基づく県づくり」ということでございます。

 この関係でいきますと、1点目として7月議会にお示しをしました基本的な方向性を踏まえた県立大学の整備費を計上することといたしております。

 2点目としましては、「まとまりのある園芸産地」の育成に取り組むことといたしております。この事業は、現在取り組んでおります産業振興計画の策定に向けた関係者の方々との協議の中で、早急に推進すべき施策として合意に至ったものでございます。

 高い技術力を持つ、県内の篤農家の方々の協力を得て、各農家の方々の技術力の向上を図るとともに、お互いに支え合う産地の育成に努めてまいります。

 産業振興計画に基づく施策については、来年度予算への反映に向けて検討を進めておりますが、この事業につきましては前倒しを行い、先行的に予算化を図ろうとするものでございます。

 今年の秋から栽培が本格化します園芸品目に対応することができます。予算化の時期を半年早めることで、取り組みの開始時期を1年早めることが可能となるわけでございます。

 農産物価格の低迷とか、後継者不足などの厳しい状況がある上に、燃油や生産資材の価格が高騰している中、大消費地から遠いというハンディを抱えます本県農業がコスト高にも的確に対応できるよう、高品質で高収量の生産技術を県内全域に広める仕組みづくりを進め、競争力のある産地づくりを進めてまいりたいと考えております。

 なお、この事業は結果といたしまして、2本目の柱である原油高騰対策の取り組みとして位置づけることのできるものともなると考えております。

 3点目の「日本一の健康長寿県づくり」に関わる施策といたしましては、国の制度や補助金を活用しました障害者自立支援や遠隔医療、また県立大学整備を通じまして、福祉・医療政策の充実を図ってまいります。

 障害者自立支援法に関連いたしまして、さまざまな基金などを設けて国はソフト・ハードのさまざまな支援策を講じることといたしております。これにつきましても早急に、間断なく対策を講じていくことで障害者の皆さま方のご労苦に報いていきたい。そういう思いでございます。

 2本目の柱の「原油価格高騰対策」でございますけれども、この課題での漁業者の方への支援としましては、既に国の緊急支援策が示されております。

 この支援策は、漁業者の方々のグループが、燃油使用量の1割削減に取り組む場合に、燃油費の増加分の9割を支援するというものでありますけれども、この支援策を積極的に受け入れることが、漁業の分野における対策の中心だと考えております。

 本県の漁業の多くは、広い海の中で水産資源を追跡しながら操業しているという形態になっておりますが、その資源の分布状況は年によって大きく変わるため、それにより燃油の使用量も変動するといった状況にあります。

 このため、国に対しまして、本県漁業の実情への配慮を強く求めておりましたところ、100点満点とは言いませんけれども、燃油使用量の基準年の設定方法が弾力的に取り扱われることとなるなど、本県漁業でも使用が可能な対策となったと考えております。

 ただ、国の支援策を受ける前提として、計画を作成することが必要でありますけれども、関係者の方々から、この作業が漁業者の方々の負担となっているというご指摘を多々いただいております。

 このため、早速県の職員が出向いて行って、漁協の方々とも一緒になって計画づくりの後押しをさせていただいているところでございます。この機を逃さないという観点から、県職員自身が前に出て行って、この補助事業を使えるものにしていくと、そういう努力をしていきたいと考えております。

 また、こうした取り組みに併せまして、今回の補正予算では、沿岸漁船については船底清掃費への補助の拡充。近海かつお・まぐろ漁船等につきましては、省エネ効果の高い船底塗装に対する補助の新設を行うこととしております。これによりまして、燃費の向上を図ることとなり、国の支援策の受け入れを促進できる素地が整うものとも考えております。

 また、中小企業の事業者の方々に対する県制度融資での支援策といたしましては、こちらは融資の保証料に対して一定の補助を行うという制度でございますけれども、今年2月から今月末までの緊急支援措置として講じておりました据え置き期間の延長や借り換え要件の緩和などの措置。こちらにつきましては本年度末まで延長するとともに、これに対応して融資枠の拡大を図ることとしております。

 次に農業に関しましては、7月補正予算で燃油使用量軽減のため、園芸ハウスの内張りの多層化などに対する1億円の県単独の補助金を計上させていただきましたが、今回さらに国において、原油価格高騰に対応するための施設園芸省エネルギー化推進緊急対策が取りまとめられました。国の強い農業づくり交付金がこのために活用できるということとなりました。これを踏まえまして、必要な県の予算を計上することといたしております。

 3本目の柱といたしましては「南海地震対策」、こちらの対応をしていきたいと考えております。

 近年国内外で大地震が多発化している状況を踏まえまして、県有建築物の耐震化実施計画に基づき、安芸総合庁舎整備のため基本設計を実施するほか、県立学校につきましては計画の前倒しを図り、耐震診断、耐震補強設計を進めることとしております。併せて、市町村が行う公立小中学校の耐震診断に対する補助制度も拡充することとしております。

 また、県内の木造住宅の耐震改修費等に対する補助金を当初予算に計上しておりましたが、県民の方々からの要望が多く、予算額に不足を生じる見込みとなりましたため、所要の予算措置を図ることといたしました。

 最後の4番目の柱は「観光対策」ということでございますが、大河ドラマ「龍馬伝」を生かした観光振興策の推進ということでございます。関係者の方々の協力を得て、全県的な取り組みとして、より大きな成果を上げていくためには、一刻も早く推進体制などを整え、助走期間も十分確保した上で明確な目標を掲げ、一丸となって取り組むことが不可欠であると考えております。

 既に先月末に県内の観光関係の実務者の方々を中心に、事業推進準備会を立ち上げるなど準備作業を進めておりますけれども、今回の補正予算によりまして、推進体制の一層の拡充を図るとともに、旅行商品の開発に繋げていくためには、どのような点を改善すべきかといったことの検討などに全力で取り組んでまいりたいと考えております。

 県外の大手の観光業者の皆さま方がしっかりと旅行商品化できる。そのような高知向けの旅行商品がたくさん生まれるようにするためには、どのような点を改善しなければならないかということを、早め早めに勉強をしていきたいと考えております。

 そして、その勉強の成果を生かして、21年度当初より、その具体的な対策を実施していく。そういうことを図っていかなければならないと考えております。

 私はそういう点についての足元からの検討がもう一度なければ、高知県、今300万人の観光県でございますけれども、さらに一層の飛躍は難しいと考えております。

 マイカーなどを通じた個人の旅行客中心の観光地であります。それから団体もそう、また都会からのいわゆるパックツアーを利用されたお客さんもそう、またそれができるようになればインターネットを通じた旅行客の申し込みにも対応できる県になると考えております。そういう県として飛躍するためには、何が必要なのかということの勉強を、今からしておかなければ間に合わない。そういう思いでございます。

 以上が予算の関係でございますけれども、次に予算以外の議案といたしまして、条例その他議案では、高知県行政手続条例の一部を改正する条例議案や、高知工科大学の公立大学法人化に向けた法人の定款に関する議案など、合わせて19件を提案いたします。また、報告議案としまして、平成19年度高知県一般会計歳入歳出決算など20件を提案することとしています。

 以上が県議会9月定例会の提出予定議案でございます。なお、昨年6月に制定されました地方公共団体の財政の健全化に関する法律に基づきまして、平成19年度決算にかかる健全化判断比率等の指標を、今回議会にご報告させていただくこととしております。

 各指標のうち、実質公債費比率と将来負担比率については、早期健全化基準を下回るとともに、実質赤字比率、連結実質赤字比率、資金不足比率については、実質赤字がないため該当がない結果となっており、いずれも財政の健全性を示すものとなっております。

 しかしながら、今後とも本県の財政を大きく左右する地方交付税などに関する国の動向には十分注意しなければなりませんし、19年度決算のみをもって財政が完全に大丈夫だと言えるものではございません。今後、先々3年後も4年後も5年後も見通した上で、本当に財政の健全性を将来にもわたって維持できるかどうか。この点の方がむしろ重要だと考えております。先々の動向に十分注意をいたしていきながら、引き続き県民サービスの確保と財政健全化の両立に取り組んでまいりたいと考えております。

 以上が議案等に関します私からの冒頭の説明でございます。


(内保:共同通信記者)
 それでは各社さん、質問をお願いします。

県政改革の取組
(半田:高知新聞記者)
 議案とは直接関係ないんですけれども、この前、県政改革の検証委員会の報告書がまとまりまして、内容も報告は受けてらっしゃると思うんですけど、尾﨑知事のもと、これからの県庁組織、どういう方向性を目指していこうと、現段階で考えていらっしゃるのか。そのあたり、知事のお考えをお聞きしたいのですが。

(知事)
 検証委員会の報告書、最終案という段階ですが、私も拝見させていただきました。
 
 本当に夜遅くまでの議論、これを何度もしていただいたということでございますが、今回報告書を見させていただいて、要するに個々人の職員の問題として矮小化していくということではなくて、組織的な対応をしっかりと図っていくことでもって、組織としての健全性を図っていくべきなんだというご指摘でございます。これは私自身、そういう観点からの検証が必要ではないかなと思っていただけに、ある意味、我が意を得たり、そういう思いでございます。

 他方、具体的な対応ぶり、仕組みづくりなどについては、いろいろと宿題をいただいておるわけでございます。大きな宿題をいただいたと思っております。この宿題をしっかりとこなしていかなければなりません。

 スピード感をもって対応していきたいと考えておるわけでございますが、そういう中で、今後おそらく県政改革本部とか、そういうものを県庁内に設置して対応を図っていきたいと考えています。

 具体的な対応策としてどのようなことを行っていくかということは、これからその県政改革本部において全庁的な議論を行っていく中で、具体策は決めていきたいと思っていますが、私は今回の報告書も読ませていただき、また約9ヶ月間県政運営を担当させていただく中で、大きく3つの方向性、これを大切にしていかなければならないというふうに思っています。

 第一は、県政を敢えて外の目に触れさせる努力。これが絶対的に必要ではないかと考えております。県民から見える県庁、そうでなければならないのではないかというふうに考えております。
 
 モード・アバンセ事件について、これは非常に深刻な反省をしなければならないわけですけれども、二度とこうしたことを起こさない。そのような組織を作っていかなければなりません。

 検証委員会報告書においても指摘していただいたように、情報公開のいわばルール化。さらには情報の組織的共有化。そしてもう一つ、意思決定システムにおける多層的なチェック機能の強化。こういうことを図っていくとともに、敢えて外の目に触れさせる努力という観点から、外部の専門家の登用とか、こういうことについてもよくよく考えていかなければならないのではないかという思いでございます。

 県民から見える県庁。県民から見える県政というものを目指していくことが大きな第一の柱であります。

 そして2番目ですけれども、私はこの不正防止を図るための組織づくりということを考えるにあたって、必ずこの点に留意しておかなければならないと考えています。それは組織の萎縮を防ぐということです。

 これは検証委員会の報告書の中でも、職員の萎縮を防ぐということをご指摘いただいていますけれども、正直なところ、現在の高知県の抱えるさまざまな課題というものに鑑みました時に、今職員が萎縮をしている場合ではありません。真に官民協働型の県政、これを実現していかなければなりません。

 実際のところ、さまざまな課題に対応していくためには、また県勢の浮揚を図っていくためには、主力はやはり民間の活力です。その民間の活力をどうやって県庁として後押ししていくかということを考えていかなければならない時に、県庁職員が外部とのやり取りについて萎縮しているということではいけない。

 私はむしろ県庁というのは、県民と対話する。しっかりと対話をする県庁でなくてはならないと、そのように考えております。

 県民の皆さまと県庁と、全体としてしっかりと対話をしていくということによりまして、その実情というものが身に染みて分かる。身に染みて分かれば、何とかしなければならないという気持ちになる。そういう気持ちになってこそ、初めて県民本位の県政、県民目線の県政だと言えるのではないかというふうに思います。

 県民本位の県政、県民目線の県政、これが単に掛け声だけでは駄目なのであって、やはりそういうものを真に実現するためには県民の皆さまとちゃんと対話をしていく県庁でなくてはならないと、そのように思っています。

 不正の防止を図るために、外との接触を一切断つとか、むしろ外との接触を避けるようになるとか、対話を避けるようになるとかということであっては、私は本末転倒だと思います。

 物の例えですけれども、交通事故を絶対起こさないようにするために車に乗らない。それが一番いいわけですね。絶対起こらないわけです。だけど、それでは仕事はできないわけで、大切なことは車にしっかり乗るけれど、絶対に事故を起こさないという体制をつくるにはどうすればいいのか。これを考えていかなければならんのではないかと思っています。

 また、県民との対話、官民協調、これは今、県勢浮揚のためにまさに求められているところではないかと考えています。
 
 また併せて、これは報告書の中に敢えて触れられていることではございませんけれども、この報告書を私自身、勉強させていただいていて、また9ヶ月間の過去の体験からしてもつくづく今感じていることでございますけれども、やはり県庁は鎖国をしてはいけないのであって、観光振興についても地域再生についても農業振興についても、県外でもいろんな取り組みが行われています。

 そのような県外で、どのような取り組みが行われているかということをしっかりと把握して、地域間競争というものを意識しながら、その中で高知県の行く末を考えていくような、県外にも目を向けていくような、そういう県庁であってもらいたいというふうに考えています。

 高知県もまた日本の一員であり、世界の動きの中の一員であります。その動向を無視してはいけない。地域間競争というものを意識した全国的な、世界的な視野というものを持って仕事をしていくことが必要であろうと考えております。

 私は今回の報告書を踏まえまして、まず第一に県民から見える、見ることのできる県政、県庁、これを作っていくということが第一。もう一つは県民としっかりと対話をしていくという県庁をつくることが第二であります。そして第三番目に、県外にも目を向ける県庁。これであるべきだというふうに考えています。

 以上の大きな三つの方向性のもとで、今後県政、県庁のあり方、組織改革、この点についていろいろ議論を重ねていきたいと、そのように思っているところでございます。

(半田:高知新聞記者)
 今言われた県政改革本部ですね。

(知事)
 仮称ですけどね。

(半田:高知新聞記者)
 責任者はどなたで?

(知事)
 私自身が就任をします。今後は、本当に産業振興計画の策定過程を通じても思いますけれども、県民の皆さまといろいろと対話、諸議論を重ねていくシーンというのは増えてきます。

 そういう中で萎縮しては絶対いけません。他方で接触が増えるから、増えて段々不透明になって、また同じような事件を起こすようであっても絶対にいけません。

 不正の防止を図ると同時に萎縮はしない。この両立をどう図っていくか。これが大きな課題ではないかと思います。

県民参加と情報公開のあり方
(半田:高知新聞記者)
 それと関係するかどうかちょっと微妙なところなんですけれど、行政手続条例ですね。前(知事)県政(時代)から県民参加促進条例ですか、その策定の構想がありまして、ただパブリックコメントはこの行政手続き条例の方に入ってくるということで、促進条例の方は、知事は7月議会でもお答えになりましたけれども、今どういうふうにお考えになっていますか。

(知事)
 まず、このパブリックコメントの制度というのをしっかりと定着させることが第一だと思いますけども。「県民参加促進条例というものを制定させていただきますから、いろいろなテクニカルな内容も含むような議論を、さぁどうぞ」と単に提示するだけで本当にいいのか。本当に、結果として一般の人全てに分かりやすくお示ししているつもりが、ほんの一部の方の意見しか結果として聞けないことになってしまうのではないか。そういうこともよくよく考慮してやっていかなければいけません。

 本当の意味で県民の県政参加というのが実現されるためには、どうあるべきかということをしっかりと検討しておかないと、器だけ作っても中身がないということではいけないというふうに思うんですよね。まずは、パブリックコメントの制度というものをどういうふうに定着させていくか。まずこれに全力を上げていきたいと思います。

 先ほど、外から見える県政という話をさせていただいた時に、情報公開のルール化というお話も申し上げました。
 
 ただ、この点においても、すごく考慮していかなければいけないと思いますのは、情報公開をするにあたって、やはりいかに分かりやすく情報公開をするかということも大切だと思うんです。

 全ての書類を県庁のポータルサイトに公開していますと言っても、外から見ておられる方が、何が起こっているかを知らなければ、敢えて意識して探さなければたどり着けないというのでは駄目であって、一般に漠然と県政はどんなことをしているんだろうと思っている方々でも、今県庁の動きはどうなっているかということが分かるように、特定の問題意識を持っていなくても、漠然と県政とはどう動いているかということが思っておられる方に対しても、県の動きがお分かりいただけるような、そういう形での情報公開じゃないといけないと思うんです。

 ですから、ここらあたりも非常に外から見える県庁、県民から見える県庁というものを目指していくにあたっては、情報公開についても単に公開していますよということじゃなくて、いかに分かりやすく公開していくとかと。こういうことについても一層の工夫が求められるのではないかというふうに、私は思います。

学力向上対策
(塚地:高知新聞記者)
 先月末に、全国学力テストの結果が公表されました。それを受けての直後の県議会ということになるのですが、時間はなかったと思うのですが、補正予算にこれからのさらなる予算というものは、どう盛り込んでいかれるのかなというところをお聞かせいただきたいですが。

(知事)
 今から非常事態宣言をするどころか、私は着任早々、非常事態宣言をしたつもりです。

 ただ、教育の問題は本当に深遠なところがありますので、いかに緊急プランとはいえ、それなりにしっかりと、いろいろな状況を踏まえて、例えば家庭環境とか地域の環境とか、そういう背景も含めて検討した上で対策を講じるべきだということで、一定の時間はいただきました。

 ただ、この7月の補正予算において、学力向上・いじめ問題等対策計画を緊急プランという形で計上させていただいたわけです。これは9月から実施をされておりますので、まずはその実施状況というのを見守っていきたいというふうに思いますが、従来より申し上げておりますように1回プランを定めたら絶対に変えないということはしません。状況の変化に応じて随時変更すべきは変更します。

 ですから、この2学期やってみて、果たして現場での浸透状況とか実行状況とか、本当にうまくいってるんだろうか、どうだろうかということを謙虚に反省してみるということは必要ではないかと思います。

 教育委員会にまずはその点はご検討いただかなければならないと思いますが、そういう中で、必要だと思われるものは随時補正予算で対応を図らせていただきたいというふうに思います。

(塚地:高知新聞記者)
 結果に関しての感想とかは?

(知事)
 今年の4月の結果についても、また非常に残念な結果だったというふうに思います。

 実は今年の4月に行われた結果については、まだ中身をしっかり勉強しているわけではございません。いわば数値的な結果だけを知っています。

 去年の結果については、従来より申し上げていますように、本当に基礎の基礎となるような問題ができていないことに、私は愕然といたしましたし、子どもが可哀想だというふうに思っています。もう一回、この20年4月の結果というものを分析してから最終的にコメントは申し上げたいというふうに思いますけれども、ただ、今年も、去年の結果とほぼ同様の結果となったということで、言えることは1回だけの偶然ではなかったと。

 やはり前回の結果というのは、本県の実情というものを表していたのではないかということですね。ある一面についてですけどもね。

学力テストの結果の公表 1
(塚地:高知新聞記者)
 都道府県によっては、知事が市町村別の結果公表を公言してはばからない方々もおられるのですが、知事はその点、どのようにお考えですか。

(知事)
 基本の基本は市町村において、できれば公表されることが望ましいのではないかと思いますが、ただ今の制度のもとでは、やはり市町村ごとの判断に委ねざるを得ないだろうというふうに思っています。

 そこはもう、本来は教育について住民の皆さまに(対して)も、責任を持っておられる市町村教委が、それぞれ適切なご判断をいただきたいというふうに思います。教育の振興のためにはどうあるべきかということをよくご判断いただきたいと思います。

 これ、公表しますといいこともあります。一つには住民の皆さまに自分たちの(市町村の児童生徒の)今の基礎学力の程度とか、あとは生活状況などについてはどういう状況にあるのかということが、いわば客観視されることとなり、より問題意識が高まるということはありますでしょう。

 ただ、懸念されますのは、近隣に比べて点数を上げることだけが自己目的化してしまう。これはよくないと思うんですよね。そういう過度の競争をあおる懸念というのは、なきにしもあらずです。いわゆる本題から外れた競争をあおるという、そういう懸念はあります。

 そしてもう一つは前提条件として、例えば県とか国が、一括して市町村の分の公表をしないという前提条件で各市町村が参加をしておられるわけですよ。やはり、これはルールの問題だというふうには思うんです。

 ただ、その上で市町村が自主的に公表することは何ら妨げられておりません。私は、市町村は自主的に公表するというのが、本来の最も望ましい姿ではないかというふうに思いますけれども、ただ強制はできないと思っています。市町村のご判断というのが大切ですね。

アメリカの金融危機と本県経済への影響
(岡村:高知新聞記者)
 知事、アメリカのリーマンブラザースやAIGとかの問題は、ヨーロッパにも影響が出ているんですけれど、アメリカやヨーロッパのことだからと言っては済まされないような感じもするんですけれど、この金融証券危機というのは、知事の目から見たら将来的に日本の地方に影響はきそうな感覚はするんですか?

(知事)
 そこをよく見極めていかないといけないというふうに思います。

 今、日本経済が晒されている危機というのは三つ。

 一つは、これは全世界的なことだと思いますけれども、燃油の高騰とか資材の高騰という、いわゆるコストプッシュ型のインフレですよね。ディマンドプル型だと、需要は増えるからインフレになる。これはまだ健全な姿ですけれど、コストが上がることによるインフレ、所得が減るのに価格が上がる、これは所得を減らす方向にいきますから、これが苦しいというのが第一であると思います。

 もう一つはこれに伴うところの、日本経済を牽引してきた輸出というものが鈍化してしまうという。牽引者が衰えてしまうという第二の問題がありますが、これに加えて(第三の問題)、経済の血液である金融不安というのが一緒に加わってくるということになると、なかなか大変なんだろうというふうに思います。

 高知県の経済というのを見た時に、一つには、コストプッシュ型のインフレというのは、これは間違いなく今、高知県を直撃しています。大変な逆風になっています。

 2番目の牽引者としての輸出が衰えてきている問題について言えば、本県の場合は、輸出依存型の地方経済ではありませんので、ややこれについての影響はまだ完全には波及しきってきていないし、間接的なものであろうかと。これが逆に言うと、過去の景気回復局面でしっかり本県経済が浮揚しなかった1つの原因でもあるんでしょうけれども。ただ、この金融的な問題ということになりますと、これはもう日本全国あまねく広く影響してくるわけです。

 ですので、これは対応をものすごく注視しなければならないと思います。ただ1つだけ、過去の金融不安と大きく違うところ、これは各金融機関が持っている不良債権とか、日本国内の企業に対して過度の貸付であるとか、担保価値のないものをもとにした融資とか、そういうことがあって不良債権が現在激増しているという状況では、今のところ必ずしもないのではないか。金融資産のバランスシートの中でどちらかというと、いわゆる金融商品系、外貨建て証券とか、もしくは証券、セキュリタイゼーション〔有価証券を利用して金融資産を流動化させること〕ですね。そういうものに伴って損失が生じるということでありますから、バランスシートの全てが傷んでしまうという状況にまでは至らないという意味においては、何か起こったとしても、傷は浅くて済むのではないかなというふうには思っています。

 しかしながら、大切なことは、とにかく98年の当時の金融危機というものは全国的な問題となってしまって、しかも対応が後手後手に遅れてしまった結果、傷を大きくしましたですよね。その轍を踏まないこと、これが大切なんじゃないのかなというふうに思います。

 ですから国の金融当局、財政当局もそうですけれども、財政再建も重要ですが、やるべき時にはとにかく小出しにしないで、やるべきことをしっかりやっていくということでもって、傷を小さくできるし、結果として財政負担も小さくできるしというようなことじゃないかと思うんですよね。

 そこらあたりは本当にタイミングのよい、しかも実効性のある対策というものをどう打つべきなのかということをよくよく慎重に見ていっていただきたいというふうに思いますけどもね。

 今回のリーマンの問題を踏まえてというわけではないですが、県内の中小企業さんなんかの資金繰り問題も非常に深刻なわけですよね。でありますから、今回はこの制度融資にかかる対応も延長させていただくことといたしました。県としても、金融的な問題、こちらにも目を配って講ずべき対策は講じていかなければならん、そういう思いでございます。おっしゃるとおり、これからしばらく本当によく見ていかないといけないというふうに思いますよ。


学力テストの結果の公表 2

(水谷:時事通信記者)
 先ほどの学力テストの話に戻るのですが、市町村教委に強制はできないと。ただ、市町村教委に公表を要請するようなお考えは?

(知事)
 一律に要請する云々かんぬんという問題じゃないんじゃないですか。

 私が申し上げたような観点だと思いますよ。これは制度設計の段階で、そういうことはしないという前提で実際に行われて。これはあまり有名な話じゃないですけれど、全国学力テスト実施要領というのがあって、そこでは市町村別に一律には公表したりはしないという前提でやっているんですよね。だからそこはルールはルール、フェアプレーということじゃないですか。

 だけどただ、先ほど申し上げましたように、私は市町村の皆さま方が自主的に判断されて公表される姿というのが本来は望ましいと思います。

(岡林:高知新聞記者)
 同じ観点で、自主的に公表すべきといった時に、じゃあ何を指しているのか。つまり、いろんなデータがありますよね。市町村ごとの教科の点数を公表すべきだと思ってらっしゃるのか。もしくは市町村にはいろんな学校がありますよね。その各学校ごとのデータも出した方がいいと思っていらっしゃるのか、自主的とおっしゃっているのは、何を指していらっしゃるんでしょう。

(知事)
 私は、学校ごとかどうかというのは、それはPTAの皆さん方、お父さん、お母さんのお気持ちというのもよく踏まえていかないといけないと思うのです。

 本県の場合、自治体に1個しか学校がないという所がたくさんありますよね。だから、町村ごとに発表するということは、学校ごとに発表するということになってしまう自治体もあるんだろうと思いますけれど、私はただ、どちらかと言いますと学校ごとというよりも、市町村ごと単位ということじゃないかと思うんですよね。

 教委がそれぞれ所管する範囲ごと。結局、そのエリアにおいて教育というのはどうなっているんだろうかということを住民の皆さんにしっかり説明するということが大切ではないでしょうか。

 ただ、その上でなおPTAの皆さんからもものすごく強く要請があって、うちの学校はどうなんだろうというようなお話がある時には、今度は学校別ということになるのかもしれませんけど。

 これは本当にメリット、デメリットがありますので、競争をあおってどうのこうのというような問題だけではない。ただし、客観的な位置づけは知らなければならんと私は思っていますから。

 高知県だってそうでしょう。衝撃を受けたわけじゃないですか。けれど、これは全国との位置づけの中で、初めて分かったことですよね。全国的な位置づけの中で、県内がどういう位置づけにあるかということをそれぞれの、市町村はしっかりと住民の皆さんは把握されたいと思っておられる方が多いのではないのかなというふうに思います。基本は市町村単位ですね。

(岡林:高知新聞記者)
 ただ、そうしたものを公表した場合に、知事もおっしゃっていらっしゃるように、子どもたちの学力低下のベースにあるのは、本県の抱える各市町村の社会構造にあると、私は思っています。それは、経済状況であったり、親の生活状況であったり、それから産業経済の状況であったり、子育てをしていく社会環境そのものが整ってなかったりとか、そうした種々の問題が複雑に絡んできている問題だろうと思います。

 ということは、市町村が実際に公表したと。じゃあそれからどうするのかということが問われてくることになってくると思うんです。当然、そうなってきた時に、県として市町村に対してどういう、あくまでもこれは行政的な施策です。教育的な施策ではなくて、行政的に社会構造そのものに対してどう向き合っていくか。そうしたものはすぐに問われてくる問題ではないかと思うんですけれど。

 今回、目標を一定掲げられて、4年間でこういう形でやっていきますという方向性は教育委員会の方針に示されたと思います。その後、観点の中で抜け落ちているところが、じゃあ行政としてベースにある社会構造をどう捉えて、どう考えていくのかと。つまりそれは知事自身がお考えになっていく分野に入ってくると思うんですけれど、そこの分野についての具体的な言及というものが、まだ現段階ではないように思うんですけれど、そうしたことも踏まえてお考えになっていくということが、さっきの市町村の公表というものを自主的に判断するというバックボーンにあるかないかということ。個人的な見解でも結構なんですけれど。

(知事)
 分かりました。社会構造の問題ということに、これは本当に関係しているでしょう。ただ、社会構造の問題に起因しているからと言って、問題を抽象化し過ぎて漠然と手の付けようのないものにしてしまうのもいけないことだと私は思っています。

 皆さんもそういう思いでいらっしゃると思いますけど、やはり対策としては具体的なものでなければならない。社会構造の問題があるから基礎学力が低いんだよねと。じゃあ仕方ないね、それじゃあいきませんよね。

 社会構造の問題があるなら、それに対して対応できるものは何なのかということを具体的に考えてやっていかなければ、それは子どもが実際に良い教育を受けられるようにしなければいけないわけですから、具体的に。だから、今回の対策なんかについても、放課後改革ということを非常に大切に掲げさせていただいているし、社会構造が大変、家庭環境が大変、そういう状況の中で、じゃあ放課後に子どもたちがどうするか。

 そこにしっかりと友達と学び合える場というのを作っていきたい。学びの場というのを全小学校で設置をする。中学校についても一部設置をするという話をさせていただいておるわけです。これは社会構造を踏まえた具体的な対策だと、私は思っています。

 市町村ごとにという話になった時に、市町村ごとに抱える社会構造に違いがあるのなら、それならうちの市は、県が全県でやろうとしていることではまだ足りないと。もっとやらないといけないのではないかということを考えられるようになるのではないでしょうか。

 うちの市は、大体県が全県的にやろうとしていることでいいのではないか。だけど、(別の)うちの市はもっと課題があるんだ。それよりもっと深刻なんだと。だったら、もっと対策を講じないといけないということになるんじゃないですか。

(岡林:高知新聞記者)
 それは、市町村が独自に取り組むべきもの?

(知事)
 それは取り組むべきことだし、その時にこれは市町村だけでは駄目だと。県としてももっとバックアップをというような話があった時には、そういうのをしっかりとバックアップしていくというのが県の役割じゃないでしょうかね。

 先ほどもご質問がありましたけれど、とにかくこの9月から実施していく。やはり2学期が終わったぐらいの段階でちょっと一回、反省と言いますか検証をしてみないといけないと思うわけですね。遊離していないか、机上の空論になっていないかとか。それを踏まえてまた対応をとっていく。その次は21年当初ということになるでしょう。

 変えなくてもいいということになるかもしれませんし、変えなければいけないということになるかもしれないし、ということじゃないでしょうか。
 
 ただ、知事としては、教育委員会事務局、教育委員会にそういうことをやってみたらどうかということを、予算編成の過程で申し上げるということなんでしょうけれど。私はそう思っています。

原油高騰対策
(岡村:高知新聞記者)
 原油高ですけれど、知事にとっては、一次産業を中心として、産業振興をやっていこうというところで、いきなり正念場と言いましょうか、苦境の渦中なわけですが。産業振興をしなくてはいけないけれど、今の燃油対策もしなくてはいけない、過酷な状況なんですけれど。

 先ほど、98年の金融危機の時に、公的資金の投入がちょっと遅れて大変なことになったということだったと思うんですけれど、当初予算で漁業の燃油対策を一部入れて、7月も補正を入れて、今回も補正を入れたんですけど、今までの燃油対策、支援の効果がどれだけあったのかということがひとつポイントだと思うんですね。

 効果というものを検証して、それから次に打っていく策も見なければいけない。知事の頭の中では、今支えなきゃいけない、バタバタいってしまうかもしれない一次産業。今後、この農業の燃油危機と言いましょうか、それに対して何かもっと大きな政策を打っていくような腹づもりというか、お考えはありますか。

(知事)
 正直なところ、県の対策だけでは身の丈の限界というものが出てきますから、国をどうやって引っ張り出してくるかということが、ものすごく重要だと思います。

 まず、漁業について言えば、国の対策についても、前の要件は全然使えませんでしたので、今回の要件はまだまだ厳しいところはありますけど、使えるものになったという点において改善があります。

 これを今とにかく生かし切るということが重要だと思います。ペーパーワーク上のいろんな障害があるなら、もう県の職員が出て行ってでも、それをクリアして、とにかく今使っていくことで、今の危機をしのぐということが重要。これは漁業の話ですね。

 農業の話についても、県の身の丈からいくと7月の補正が精一杯でありました。しかしながら、国の対策を待っていては、実際に対策を講ずることのできる定植期に間に合わないわけですよね。

 だから、とにかく実効性のあるものにするためには、県単独ででも、まずは対策を講じるということで、7月に急いで対策を講じたわけです。そうしていると今回、国がしばらく経って追いついてきましたね。

 もし7月に講じてなかったら、8月もしくは9月に定植期を迎える作物については使えなかったわけですよね。だから少しでも何とかしなければという思いで7月にやったわけです。今後9月以降、国の対策が今度やってくることになりました。今度は縦横に生かし切るということじゃないでしょうか。この間も農水省にも行ってきましたけれども、そういう形で対応をとっていくということだと思います。

 この危機の克服の仕方については、2つの方向性を考えておかなければいけないと思います。

 まずは緊急的な対応としてのもの。例えば漁業なんかは燃油を9割補填という話ですね。こういうような対策というのが1つありますが、もう一つは構造強化。

 この危機、原油が1バレル200ドルまでいくんじゃないかと心配していましたが、今90ドルまで下がってきました。この燃油が下がってしまった後になって見れば、ビフォア・アフターで比べれば随分、高知県は競争力が強くなったねと言えるようにしておく。これが大切じゃないかと思っていますから、両方に資するような対策というのをできる限り講じていくということではないでしょうか。

 とにかくおっしゃるとおりですよ。一次産業が強みで、これでもって打って出んとする矢先に、天から降って湧いたような災厄が襲ってきているわけです。だから、これに対しては出来る限りの対策を間断なく、それこそタイミングを逃さず、それから小出しにして全て意味なしみたいなことにならないように、県としてはできる限りの体力でやるし、国を引っ張り込んでくる、そういうことをやろうとしています。


学力テストの結果の公表 3

(塚地:高知新聞記者)
 確認なんですけども、学テの結果公表ですが、知事の中では、公表に関して、メリットもある、懸念もあると先ほどおっしゃられて、でも市町村が自主的に公表するのが望ましいと。

(知事)
 と思いますよ。だけど、強制はできませんね。

(塚地:高知新聞記者)
 ということは、論理的に考えると、メリットの方がやはり大きいというふうに知事自身受け止めてらっしゃるということですか。

(知事)
 と思いますね。何より最大のデメリットは、やはりそういう(市町村ごとの一律公表はしないという)前提で実施したじゃないかと。それは大きいですよ。どうしてそういうルールを定めたのかというところは、いろいろ議論があったんでしょうかね。

 なぜ私が、市町村がそれぞれ自主的に公表されるべきではないですかと言うかと。私もルールは守らなければならないと思います。

 だけど、住民の皆さまはどうでしょうか。知りたいと思っておられるんじゃないでしょうか。そのお気持ちを十分踏まえた対応をしていただくのが一番望ましいというふうに私は思います。それこそ、住民目線に立った時には、そういうことじゃないでしょうかね。

 ただ、ルールは守りますので、強制はできないと思っています。

(谷脇企画監(広報担当))
 よろしいでしょうか。
 それではこれで終了させていただきます。

(知事)
どうもありがとうございました。

 

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