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第5回高知県産業振興計画検討委員会 終了後の記者会見

公開日 2009年02月28日

第5回高知県産業振興計画検討委員会 終了後の記者会見

<産業振興計画最終取りまとめ> 平成21年2月17日(火曜日) サンライズホテル

目次

<資料> 「変わろう・変えよう・産業とくらし ~高知県産業振興計画~ [PDFファイル/2.97MB]


 (受田浩之:産業振興計画検討委員会委員長)
 それでは、産業振興計画検討委員会の委員長の立場から、一言コメントをさせていただきます。

記者会見を行う受田委員長 昨年6月6日の第1回検討委員会の開催以来、11月の中間取りまとめを経まして、本日、産業振興計画の最終取りまとめ案を皆さまにお示しすることができました。

 産業に関するすべての分野の振興策を、連携の視点を持ちながらトータルでまとめ上げるというミッションを、8カ月という短い期間で、このような非常に具体性のある、県民の皆さまにも納得していただける計画として取りまとめることができましたのは、ひとえに、関係者の皆さま方の努力の賜でございます。あらためまして、計画策定に関わっていただいた全ての皆さまにこの場をお借りしまして、深く御礼を申し上げます。

 さて、本計画策定の大きな特徴は、産業成長戦略とともに、地域のアクションプランの策定に多くの県民の皆さまを巻き込んで、徹底したボトムアップによる議論の積み上げを行った点にあると思います。知事や県庁がトップダウンで作成した計画とは根本的に異なり、県民の皆さまのやる気とプライドが可視化された、まさに魂のこもった内容になっているものと確信をしております。

 一方、本計画策定が始まりました6月以降、これまでに世界経済は大混乱に陥っております。また、原油価格におきましても、この1年余りの間に、大幅な上昇と下落が生じ、特に農業や漁業の分野では、経営努力で吸収できる限度を大幅に超えた燃油の高騰によりまして、生産意欲の減退にもつながるといった由々しき事態を経験いたしました。

 正直申しまして、検討委員会が立ち上がったときに予想もしなかった、こうした世界的な激動は、本県の産業振興計画の策定に際しましても、中長期的な趨勢を見通していくことの重要性をあらためて指摘してくれたものと考えております。そのことを踏まえ、本計画策定においても、有識者の委員から、様々な角度のアドバイスをいただき、将来的な経済動向を踏まえた中長期的な視点からの高知県産業振興のあり方にも議論が及んだことは、特筆に値するものと考えております。

 計画策定が一定の区切りを迎えましたので、これからはこの計画の実行に向けて、高知県が一丸となって、ギアチェンジをしていかなければなりません。「この高知の苦しい状況を何とか打破したい」と切望する県民の皆さまの熱い思いと、実行の羅針盤としての本計画が結びつくことによりまして、初めて希望の光が広がっていくものと考えております。

 そうした意味からも、県におきましては、県民の皆さまの実践的な行動を促し、その行動を通じて一日も早く、効果を実感していただけますよう、具体的な政策の実現のために、徹底して取り組んでいただきたいと思います。中間取りまとめに対するパブリックコメントが118件、400項目も寄せられましたことは、この産業振興計画に対する県民の関心の高さを反映しております。この高い関心を、決して一過性に終わらせることなく、さらに増幅させられるように、引き続いて計画の周知を徹底的に行っていただきたいと強く希望いたします。来年度以降、計画のローリングをされる中で、さらに多くの県民を巻き込むことによりまして、計画の実効性がより高まっていくことを期待しております。

 最後にあたりまして、我々、検討委員会の委員一同、この計画の実践者として、全力で取り組んでまいります所存でございますが、さらに県民のお一人、お一人が、本計画の実践の一翼を担うという自覚をお持ちいただき、是非積極的に関わっていただきますよう、お願いを申し上げまして、私からのコメントとさせていただきます。どうもありがとうございました。

(司会)
 続きまして、知事からご説明申し上げます。

(尾﨑知事)  
 
それでは、本日、高知県産業振興計画の最終取りまとめがなされましたことを受けまして、私の方から記者会見をさせていただきたいと思います。この産業振興計画でございますけれども、私は知事に当選させていただいて以来、下降傾向にある県勢を何とか上昇傾向に転じなければならないということを申し上げてまいりました。 いろいろと経済の状況について勉強してまいりました。残念ながら景気がいいとか悪いとかいう状況を越えた抜本的な体質の弱体化、それが高知県の今の経済を覆っている、そのように考えております。

 根本的に体質を強化するような課題に正面から取り組んでいかなければ、高知県の県勢の浮揚というものはあり得ない、そういう思いでございます。根本に立ち返った検討、そしてまた実体経済のありようをしっかりと踏まえた検討、これを行っていただく必要があるとの観点から、敢えてもう一度産業のありようを根本から考えていただきたい、そのようなものとしてこのトータルプラン、産業振興計画の策定をお願いしてまいったところでございます。

 昨年の6月以降、受田委員長をはじめとして、検討委員会の先生方には多大なるご尽力を賜りました。11月4日に中間取りまとめをさせていただき、またそれ以降、本格化した地域アクションプランの策定過程におきましては、市町村長様方はじめ地域の住民の皆さま方にもいろいろご尽力を賜りまして、この計画策定にご参画をいただきました。従来になく多くの県民の皆さま方にご参画をいただいて、この計画、本日の最終取りまとめに至ったと、そのように考えておる次第でございます。

  この産業振興計画を着実に実施していくために、21年度当初予算案におきましても85億円にのぼります予算の措置をいたしました。また今後、いろいろな基金の活用なども含めまして、適宜適切な予算措置も図ってまいりたいと考えておるわけでございます。5W1Hをはっきりさせて、そして予算措置もはっきりとした形に組み上げていくこと。それが一定程度、この計画に沿って成し遂げられたのではないかと考えております。

  先ほどの検討委員会の中でのご議論もございましたけれども、この計画は作って終わりの計画ではございません。実際に実行する計画でございます。そういう意味におきましては、今日最終取りまとめ案がまとめられましたが、こちらはある意味始まりであります。これからが実行の段階に入って、まずこれから議会でご議論いただいて、その上で3月末に取りまとめましたら、この実行段階に新たに21年度から入っていくということだと考えております。

 お手元に資料をお配りさせていただいていますが、こちらに基づきまして若干概要をご説明させていただきたいと思います。
 
資料を示して説明をする知事 まず、1ページ目をご覧いただきたいと思いますけれども、産業振興計画の全体像ということでございます。

 根本的な発想は強みをいかに活かすかという発想であります。弱みを補うのではなくて、強みを活かし切るという発想で作ってあります。ないものねだりをするのではなくて、自分たちが持っている強みをいかに活かし切っていくか、それが根本的な発想だというふうに考えております。

 しかしながら当然、弱みと機会と脅威、これを踏まえてどのような方向を導きだしていくかということをしっかり分析していかなければなりません。そういう意味において、SWOT分析〔スウォットぶんせき。組織のビジョンや戦略を企画立案するために、様々な要素を強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)の四つに分類し、問題点を整理して現状を分析する手法〕におきまして、今回改革のための基本的な方向として、「足下を固め、活力ある県外市場へ打って出る」、そして「産業間連携を強化」する、そして「足腰を強め新分野へ挑戦」をする、これを基本的な大きな方向、大戦略としているわけでございます。

(資料の9ページを示しながら)このSWOT分析の流れにつきましては、こちらに書かせていただいていますので、後でご覧いただきたいと思いますけれども、端的な、いわゆる地産外商戦略と言われるものについて申し上げさせていただければ、安全でおいしい食、多様な一次産品という強みを持っておりますけれども、しかしながらいろいろな脅威がございます。

 他方、機会がございます。 足下には弱みがございます。何よりも、全国より15年先駆けて人口が減り始め、県内消費はどんどん縮小し続けています。この傾向は今後も続くことが予想されております。そういう中で、強みを活かすなどして、外に打って出ていかなければなりません。

 そういう過程におきましては、高付加価値化ということが絶対的に必要でございます。なぜ高付加価値化が必要なのか。それは非常に高い物流コストを吸収しなければならない、ロットの小ささを補わなければならない。そして、高付加価値化をしていくためには産業間の連携を強化していくことがぜひとも必要、そういう形になってまいります。

 こういう形でSWOT分析に基づきまして、3つの戦略、方向性というものを明らかにさせていただいたわけであります。

(資料の2ページを示しながら)まず1番目、「足下を固め、活力ある県外市場に打って出る」ということでございます。

 この現状、人口の問題などについては従前より申し上げているとおりであります。 目指すべき方向、取り組みの柱でございますが、地産地消を徹底する、地産外商を推進する。さらにこれも地産外商の流れになるわけですが、海外販路の開拓ということに挑戦していかなければなりません。

 その際、大切なことはまず地域資源の洗い出しをしていくということでございます。限られた地域のみで流通している産品というものもあります。さらに言えば、今まで活用されていなかった地域資源というものもあります。これらをあらためて掘り出していくということが必要となってまいります。

 そして非常に大切な過程として、商品づくり、加工、ブラッシュアップの過程、ここは非常に重要だと考えています。この過程におきまして、第一の柱は地産地消でものづくりをするということです。付加価値を生み出す過程、こちらをいかに県内で行っていくかということによって、所得を県内に落としていくか。これが一つの大きな課題であります。

  マッチングなどの様々な施策を取ってまいります。

 もう一つ、商品づくりにおいて、逆にいうと今までこれができていなかったから、県の施策はなかなかうまくいかなかったということではないかと思いますけれども、マーケットイン〔消費者のニーズを最優先して、商品・サービスを企画・開発する手法〕の商品づくりということを進めていくことがぜひとも必要だと考えています。

 アドバイザーを派遣するということもございます。これはプロのバイヤーさんもいればデザイナーさんもいる、いろんな流通に詳しい方、そういう方々にお願い、委嘱をしていきたいと考えているところです。

 そしてもう一つはテストマーケティングという手段、これがぜひとも必要であります。アンテナショップ、さらにeコマース〔インターネットなどのネットワークを通じて物品の売買を行うこと。電子商取引〕、これらを含めましてこのテストマーケティングの場を提供するという施策も取っていきたいと考えています。

 販路の開拓という観点からいきますと、これは地産地消のものと地産外商のもので、少し戦略が変わってくるわけでございますが、地産地消系統につきましては、地域の直販所の強化を図っていく施策。そして、もう一つが大消費地である高知市と生産地とのパイプを強化していく施策が必要だと考えています。

  市町村のアンテナショップづくりを支援します。

 あともう一つ、既にご協力いただいておりますが、「おいしい風土こうちサポーターズ」の皆さん、県内量販店の皆さま方にご協力を賜って、多くの消費者に接することができる地域の産物の売り場というものを確保していきたい、そのように考えているところでございます。

 県外向けということでは、一つには東京、首都圏を中心に新たなセールス拠点の設置をいたします。このセールス拠点につきましては、単に物販を行うものだけではありません。むしろ大切なことは、販路の開拓を行っていく機能を持つことであります。

 中食〔なかしょく。市販の弁当やおかずなど、家庭や職場へ持ち帰って食べられる状態に調理された食品〕、外食などへの外商機能、こちらを持たせる。これが大きな主眼となると考えています。

 また観光情報、食文化をこの物販と併せて行っていく機能が必要であります。

 そしてもう一つ、テストマーケティングの機能、これもぜひとも重要だと考えています。 ポータルサイト等の活用ということも非常に重きを置いていきたいと考えています。これは実際、すぐできることとして、昨年の12月には楽天市場、こちらにおきまして、高知県のポータルサイトを作らせていただきました。12月、1月にかけて月の売上高は2億円から3億円にかけて推移をしています。このサイトを作る前と作る後を比べますと、10%を超える売上の増ということだそうでございます。詳しくは県庁のホームページの、私のページにあります政策トピックスというところで中身についてはご説明させていただきたいというふうに考えております。

  あともう一つ、いろいろな商談会の機会などもございます。この商談会の機会につきましても、昨年の秋以来、地産外商戦略を進めていくということで、高知県は積極的に県外事務所を活用いたしまして斡旋などを行ってまいりました。大阪で行いました商談会、昨年度の秋でございますけれども、こちらにおきましても、一番成約率が高かった県は高知県だと。これも政策トピックスで詳しくご説明したいと思っています。

 地産外商、今まですでにやれることで取り組んできた感触からいきましたら、やればできると、そのような印象を私どもは持っております。高知県、県外においては最近静かになっておりましたけれども、再び高知県が、新たにデビューをはじめたという印象を持っております。この地産外商を徹底して進めてまいります。

 そしてもう一つ、中間取りまとめから最終取りまとめに向けての大きな変更点ということでございますが、輸出というものに力を注いでまいりたいというふうに考えています。従来高知県が持っておりました予算規模の約10倍の予算をこちらに投入していきたいと考えております。 何が特徴かと言いますと、今までは上海事務所、シンガポール事務所をはじめとして、国外の事務所が中心となって、輸出促進を図っておりました。残念ながら県内において、この輸出促進の取り組みをしっかりコーディネートしていく役というのがなかったのではないかという反省をいたしております。

  そういうことから、今回、国別そして分野別にコーディネーターを雇っていきたい。中国なら中国に強い人、シンガポールならシンガポールに強い人という形でコーディネーターを4名程度配置いたしまして、国別、分野別の輸出戦略、これを県内企業を巻き込んでいきながら練っていく。そしてこれがしっかりと国外事務所と連携しながら、最終的には現地エージェントとの成約を得て輸出に繋げていく。こういう取り組みを行っていきたいと考えています。 残念ながら高知県の輸出というのは、全国最下位レベルという状況でございます。一足飛びにこの輸出が進んでいくとも思いません。しかしながら手法を今から固めていかなければなりません。10年後をにらんだ戦略であります。今、すぐ売れるものも出てくると思いますけども、より多くこれを育てていきたい、そのように考えている次第であります。

  (資料の3ページを示しながら)もう一つ、2番目の大きな柱としまして産業間連携の強化ということでございます。 これは二つに分かれます。先ほど申し上げました高付加価値化の推進という観点であります。強みのある一次産業から他産業に波及をさせていくことで、経済全体の底上げを図るという観点が一つ。

 もう一つはSWOT分析から見えてくることでございますけども、物流コスト、時間、ロットの問題を克服するためには、いわゆる高単価の商品を売っていかなければ、なかなか勝負には勝ち得ません。そういう観点からいきましても、この高付加価値化の推進ということがぜひとも必要だというふうに考えております。高付加価値化の推進を図っていくに当たりまして、地域の加工資源を基にした食品加工業、こちらにつきましては、このようなフローでサポートをしてまいりたいと、そのように考えておる次第でございます。

 もう一つ、今回大いに重きを置いた点でございますけれども、産業技術人材育成、こちらに力を注ぐことといたしました。従来の予算の10倍の規模にいたしております。要するに加工商品の開発を行っていくにいたしましても、何にいたしましても、いろいろな技術がブレイクスルーになる部分がたくさんございます。その技術支援を、工業技術センターを中心といたしまして、アドバイスをしていく、そのような仕組みづくりということでございます。

 例えば人材育成研修、従来9コースでありましたものを今回は14コース、400名まで研修人数を増やすことといたしました。また特に食品加工分野については、技術支援による支援強化というのを図っていくことといたしております。こういう形で産業技術人材育成事業を上手に活用いただきたい、そのように考えている次第でございます。

 (資料の4ページを示しながら)産業間連携の強化と言いましたときに、すそ野の広い観光産業を戦略的に展開するということはぜひとも重要でございます。いろいろな観光については課題がございます。1人当たりの観光消費額が伸びないという問題、そしてもう一つは日帰り観光地になってしまっているという問題。

 もう一つは射程が狭く、近隣地頼みの入り込みになっている。 すなわちこれはマイカー観光地になっているということと表裏一体であります。こういう問題に対してどのように対応していくのかということでありますけれども、一つは基本の基本として、滞在型・体験型観光の推進ということで、観光地のブラッシュアップを行ってまいりたいと考えております。地味なことのようでございますが、これが基本の基本だというふうに思っています。

 20年度、花・人・土佐であい博において県内で(イベントを)74カ所行ってまいりました。それぞれについて、しっかりとPDCAのチェックをかけております。これに基づきまして、ステップアップを図っていくという地道な取り組みを行ってまいります。

 併せて、その際、大変に意識していかなければならないこととして、地域の土産物づくり、こういうものをしっかり行っていく、連携をしていくことで、1人当たりの観光消費額の拡大を目指したいと考えています。一つ一つを磨き上げて、そしてそれをしっかりと数珠繋ぎで繋いでいくということ、広域観光圏構想というものがございますけれども、こちらにしっかりと対応していくこと、これをしっかり活かしていくことが重要だと思っています。 実際、四万十・足摺エリアにおきましては、すでに広域の観光を進めていくための組織というのができあがり、圏域内2泊3日の周遊ルートづくり、そして、これを地元から県外へ観光商品として売っていく。そういう取り組みが進んでいます。

 新しい観光資源という観点から世界ジオパーク、これを活かしたい、こういう取り組みも県内で進んでいます。室戸が先行しておりますけれども、併せて四国カルスト地域におきましても協議会が立ち上がり、こういう動きが出てきているということであります。

  二次交通の確保も本県観光産業の振興にとっては極めて重要なことであります。当たり前のことを言っておるではないかということを言われますけれども、当たり前のことが一体何年できなかったのかということではないかと私は思っています。今回に限っては何としてもこれをやり遂げなければなりません。龍馬伝ゆかりの地などを加えた周遊バスの運行体系の確保、そしてもう一つはタクシー業界と連携した観光ガイドタクシーの推進を行っていきたいと思っています。すでに幕末維新をテーマとしたタクシープランの提案などが出てきております。こういう機会を活かしまして二次交通を確保する、こうすることによりまして、四国以外の、もっと言えば航空機やJRでおいでになったお客さま方、こういう方々もしっかりと楽しんでいただけるような観光地にしていきたいと考えている次第であります。

 土佐・龍馬であい博の機会をしっかりと活かしていかなければなりません。この土佐・龍馬であい博に向けてそれぞれ各観光地の磨き上げというのを行っていくわけでありますが、一つの大きな特徴といたしまして、高知県の駅前を中心としましてコンシェルジュ機能というのを強化をしていきたいというふうに考えています。

 テーマ館を設けるというのが一つでありますが、もう一つは情報発信館、いわゆる観光コンシェルジュ機能を持った新たな施設というのを設けていく必要があろうかというふうに考えています。 要するに高知県の今の観光地情報、いろんな雑誌にいたしましても、インターネットにいたしましても、密度が濃いと言えるか。どちらかというと有名な観光地だけが紹介をされているという状況ではなかろうかというふうに思います。よりきめ細かな情報発信を行っていくことで、もう1歩足を伸ばしていただく。もう1コインお金を使っていただく。そういうことに誘導していきたいという狙いがあるものが、このコンシェルジュの機能でございます。

 そしてもう一つ、今回龍馬伝に合わせましてサテライト会場を県内に設けることといたしております。それぞれの地域におきましてサテライト会場を設ける。例えば安芸の地域に設けることといたします。よりきめ細かなコンシェルジュ機能を発揮してもらいたい。この中央のコンシェルジュからサテライト会場に向けては、いろんな公共交通機関を使っていただくことになろうかと思います。例えばくろしお鉄道などがそうであります。サテライト会場からそれぞれの地域の観光施設に向けて、ここが非常に重要ですが、周遊バスや観光タクシーなどの二次交通で結んでいこうとするものであります。こういう形におきまして、この「龍馬伝」の放送をとらえて観光ビッグ・バンを果たしたい、そのように考えております。

 (資料の5ページを示しながら)3番目の大きな柱でございますが、「足腰を強め新分野へ挑戦」をしていくということでございます。 今のままいきますと一次産業、10年後は強みが強みでなくなってしまうのではないかという危機感を持っています。生産地の足腰の強化を図っていく、すなわちまとまりのある産地づくり。お互いに教え合う、こういうほ場を170箇所作ってまいります。これは端的に言ってヘクタール当たりの収量を上げていくことに繋がる、所得の向上に具体的に繋がっていく施策でございます。

  併せて安全・安心を確立していく。IPM〔病害虫の防除に関し、生物的防除、化学的防除、物理的防除等、利用可能なすべての防除技術を利用し、経済性を考慮しつつ、適切な手段を総合的に講じる防除手法。総合的病害虫管理〕については、日本に誇る技術を持っています。これをもっと増やしていけないか。

 さらにはもう一つには有機農業の支援なんていうのもできないものか。そういうことを考えていきたいと思うわけです。 林業の現場におきましても、「森の工場」の要件を緩和する代わりに、対象地域を大幅に拡大していくことで生産システムの効率化を図っていく。 そして、水産業におきましても「土佐の魚」の付加価値向上策をしっかり取っていきたいと考えています。

 その上でもう一つ、担い手の育成・確保を図っていくために非常に重要な仕事があると考えています。今、事業者であられる方の事業継続の支援をするということもございますけれども、新規就業促進、これに向けた支援ということがぜひとも必要かというふうに考えておる次第でございます。 先ほども申し上げました、ある意味、機会ととらえていいのかもしれませんけども、今多くの失業者が出てきていらっしゃいます。また団塊の世代の皆さま方の退職の時期にもなっているわけでございます。そういう方々に、ぜひとも高知県にも来ていただいて一次産業の担い手になっていただきたい、こういう新規就業、雇用を促していきたいと考えています。

 移住コンシェルジュ制度というものを設けまして、一元的に移住情報を管理いたします。 そしてもう一つ、非常に大切なことといたしまして、この一次産業の技術の習得が非常に難しいということも踏まえた形で、まずしっかりと相談をする体制を作る。体験をするためにクラインガルテン、いわゆる滞在型農園、こういうものも作っていきたいと考えています。その上で、農業を行っていくためにぜひとも必要な技術の習得、これにしっかりとした対策を取ってまいります。

  例えば研修手当、従来月10万円でありました。残念ながら中途半端でこれでは暮らせないという意見がたくさんございました。実際に暮らせるレベルに引き上げる。15万円まで持っていきたいと思っています。 もう一つ、技術を教えてくださる方、今までは篤志でやっていただいていました。実際月5万円の報償費をお支払いして、多くの方にご参画をいただき、教え手になっていただきたい。そのように考えている次第でございます。

 そしてもう一つ、農業を行うにあたっても資本が必要であります。土地と家の問題があります。こういうことの斡旋を行っていくことに加え、何よりも初期投資に対しての一定の融資がぜひとも対応が必要であります。レンタルハウス整備事業の見直しということで、従来に比べまして大幅に要件を緩和しまして強化をいたしまして、このレンタルハウス整備事業というものを進めていきます。

 例えば船でありましたら漁船のリースに対する融資を行うとか、そういう対策も行っていきたい。いわゆる初期資本に対する対応策というのをしっかり講じるということでございます。 こういう対策を農業、林業、水産業で行っていきたい。

 もう一つありますね。JA出資型法人の設立を強力に後押しするということもございます。サラリーマンとして農業に就業していただくということも考えられないかということでございます。担い手の確保を図っていきたいということでございます。

 (資料の6ページを示しながら)そしてもう一つ、中山間地域の産業づくりというのを従来以上に力を入れて行っていきたいと考えています。この中山間地域の産業づくり、熟度が一定程度固まってきたものが今回地域アクションプランに盛り込まれてきているわけでございますけれども、新たな地域アクションプランを作っていくことも、また重要なことでございます。 小さなビジネスから拠点ビジネス、新たなビジネスへと、段階に応じて、特に地域企画支援員、さらにその上にいます地域産業振興監、こちらを通じましてこの支援を引き続き行ってまいりたいと、そのように考えている次第でございます。

 新産業の創出、新たな成長分野の育成、地域の素材を活かした新規展開ということでございますが、こちらはテーマ別研究会方式というのを取っていきたいというふうに考えています。県が研究会自体をまず設置いたしまして、それに参加をいただきます企業プレイヤーを公募いたします。

  いわゆる大企業の方々は、もうご自身でいろいろマーケットリサーチとかそういうことをやっていると思いますが、本県の大きな特徴として、産業集積が十分働いていないという問題があります。産業集積が働いていないということは、いろいろな大規模な企業マーケットリサーチとか、新たな研究開発とか、そういうことを自前でなし得る力のない企業さんが多いということを意味しています。

 そういうものをできれば、まず公の器の中で、初期段階でやっていただくような仕組みづくりができないか。それを例えば(資料の6ページ下段のフロー図を示しながら)こういう形でやっていく。それを経て、事業化プランを作られた各企業者の皆さま方に対しては、ソフト・ハードの支援、さらには従来もありますけれども、こうち産業振興基金などを使いまして、事業拡大以降につきましては、今度はこういう形の補助金を使った支援を行っていきたい、そのように考えております。

 (資料の7ページを示しながら)最後は地域アクションプランでございますけれども、220を超える地域アクションプランの策定をいただいております。先ほど検討委員会の中のご議論でもございましたけれども、決して金太郎飴の地域アクションプランではございません。地域、地域の特長を活かしたアクションプランだというふうに思っています。

 それぞれ事案ごとに熟度に応じてA・B・Cというランク分けをさせていただいておりますけれども、Aにつきましてはでき得る限り速やかに事業化に向けて持っていきたい。B・Cにつきましては、今後、検討過程をさらに加えていくことで熟度を上げていくという取り組みを行っていきたいというふうに思っております。

 その過程において、先ほど来申し上げておりますが、商品加工の点で、いろんなアドバイザーの派遣とかというソフトの施策についてお話をさせていただきます。熟度を高めていくという取り組みの過程においても、ソフトの支援策をお使いいただきたいと思っています。

 それぞれのプランの振興について、地域産業振興監、こちらがバックアップしていく体制を取りたいと、そのように考えている次第でございます。

 最後にまとめになりますけど、中間取りまとめから最終取りまとめに向けて、どのような形でバージョンアップが行われたかということを再度まとめて申し上げさせていただきます。

 地域アクションプランができたということが第一であります。県内7ブロック、計221件の取り組み、こちらにつきまして地域アクションプランとして取りまとめが行われました。

 そしてポイントの2でございますけれども、それぞれの施策について、5W1Hを明確化いたしております。今回、産業振興計画、産業成長戦略に記載されておる措置につきましては、すべて予算措置がなされております。総計85億円ということになります。

 ポイントの3でございますけれども、追加もしくは大幅に強化した主な施策といたしまして、一つは地産外商戦略の問題。従来に比べて熟度を徹底して高めました。さらに地産外商戦略会議でさらなる練りこみを行っていただいております。そして担い手確保に非常に力を置いたこと。先ほど申し上げましたクラインガルテン、こういうものを使って、さらには研修と社会資本の整備、家、土地の斡旋などを含めたワンパッケージでの担い手確保策をしっかり取っていくということ。これは大幅に強化した施策でございます。

 そしてもう一つ、輸出促進の施策。これも大幅に強化をいたしました。産業技術人材の育成、こちらにつきましても大幅に強化をいたしました。これらも従前の10倍の予算を計上いたしております。

 そして観光分野におきまして、それぞれ一層詰めた検討を行ったということでございます。

 以上が産業振興計画の最終取りまとめ案の概略についてのご説明ということになります。21年度当初予算からこのアクションプランにつきまして、予算計上されているわけでございます。新たな組織機構の改編も踏まえまして、4月以降はまずそれぞれの職員、最初のころは研修、研修ということを繰り返していかないといけない。私自身もこの産業振興計画に向けての思いというのをしっかりと話しさせていただきたいというふうに思っているわけでございます。

 それを経て、4月の中旬から下旬にかけて実際の具体的な取り組みがスタートしていく、そのように思っている次第でございます。以上です。

(司会)
 それでは質問に移りたいと思います。

(記者)
 民間企業なり県民の方の盛り上がりというのが肝心になってくると思うんですけど、ちょっと県民の方に呼びかけたりということをおっしゃっていただけますか。

(尾﨑知事)  
 高知県においてこのような産業振興計画というものを取りまとめさせていただきましたけれども、我々県庁自身がこの計画に従って誰よりも汗をかいていきたいと思っています。その汗をかいていくための体制づくりと、そして予算措置もしっかりと行ってまいりました。
記者の質問に答える知事  我々が誰よりも汗をかいてまいりますけれども、あくまで経済、これは民間の方々が主役ということになるわけでございます。ぜひ民間の方々におかれましても、官民協働型で、この産業振興に向けて奮起をしていただきたい、そのように思っています。

  従前より、中間とりまとめ以降、私もさんざんいろんな所で講演をやりまして、もう20回以上、講演をやらせていただいて、この産業振興計画中間とりまとめのご説明をさせていただきましたが、そういう過程で感じることというのは、なかなかこういうものは、ある意味、情報量が多すぎるということもあるのではないのかなと思いますが、伝わりにくいというところがあるのかなと思っております。

 従前以上に広報のあり方を工夫しますとともに、また私自身、さらに関係職員も地域地域に出張っていって、この産業振興計画というものをご説明していく、そういう機会を持っていきたい、また意見交換もさせていただきたい、そのように思っています。

  ちなみに、この広報という観点からいきますと、先ほど来申し上げていますが、ホームページの政策トピックスのページ、ここにおきましてそれぞれどういうことをやろうとしているのかということについて、ご説明をしていく、そういう機会も設けていきたいなと、そのように思っているところです。

(記者)
 職員の研修ということが出ましたけれども、もう少し具体的には、どういうものでどういうことをするのでしょうか。

(尾﨑知事)
 新部局長、新課長さんたち、それから産業振興監もそうだというふうに思いますけれども、産業振興計画の狙いとするところは何なのかと、産業振興計画のさらに具体の中身というのはどういうことなのかということを、私自身の言葉で伝えていきたいと、そのように思っているところです。そういうことで意識合わせを行っていきたいと思っています。

  それともう一つ、この産業振興計画そのものを実現していくために、ぜひとも必要なことは、やはりマーケットインの発想が非常に重要であるということが一つ。そしてもう一つが目標を達成するためには何をしないといけないのかという発想で考えるということ、これが二つ目。 この二つが非常に大きいというふうに思っています。

 今あるところから、例えば5%伸ばす、10%伸ばすという発想で済むものもありますけれども、ただそれではどうしても現状を打破することはできないということもたくさんあるというふうに思っているところであります。そういう発想でものを考えてもらいたいということを、私は関係職員の皆さんにお話をしっかりさせていただきたい、そのように思っています。

 もう、この振興計画の策定の過程でそのような話はさんざんさせていただきましたけれどもね。また新しい担当者の皆さんにもそういうことが徹底されるようにしていきたい、そういう趣旨です。私自身が直接語りかけるのが一番いいのかなと、そのように思っています。

(記者)
 民間をこれから巻き込んでいくことになりますけれども、巻き込み方が、従来ですと「この指止まれ」で事業に手を上げた人だけに支援するというやり方ですが、そうでない支援もあると思います。巻き込み方でこれから工夫されていくことというのはありますでしょうか。
(尾﨑知事)
 すでに相当工夫しているつもりですけれどね。地域アクションプランなんていうのは、かなりの方々に地域、地域でご参画いただいて作らせていただいておりますから、そういう意味において多くの方々をすでに巻き込んでいるつもりでございますが、巻き込み方の工夫といたしまして非常に重要なことが広報を徹底していくということが2番目。

もう一つ、3番目、ワンストップでどういうことをやろうとしているかが分かるようにしていく体制づくりというのがぜひとも必要だと思っています。産業振興計画というのを例えば「『さんSUN高知』で見たけども、あれは一体どういうことなんですか、我々にはどういうことが関係あるんですか」という問い合わせを受けたときに、今ワンストップで答えられる部署というのはなかなか今の段階ではないと思うんですよね。それを確実にやれるようにするのが地域産業振興監だと思います。そういう受けられる機能を持たせるというのがポイントだと思っています。

 そしてもう一つが、改訂をするということです。毎年改訂をするということを申し上げました。1回計画を作ったら4年間二度と変えないということではなくて、毎年度改訂をするというふうに申し上げました。特に地域アクションプランなんかにつきましては、「隣りの地域でこういうことをやってうまくいったらしい。じゃあ我々はちょっと内容を変えて自分たちのアクションプランを作っていこうじゃないか」、そういう気運が出てくることを非常に期待をいたしております。

 この取り組み自体がそういうものを促していきたいというものなんですけどもね。これがさらに熟度を上げていくと、その改訂した新しい産業振興計画の中で、この地域アクションプランに盛り込まれることになるんだ、そういう仕組みを作ることで県民の皆さま方の盛り上がりを作っていきたい、そのように思っています。

(記者)
 地域アクションプランで、最初のころは、地域によって取り組みとかやる気に非常に温度差があるという話をよく聞きました。現在もそういうふうな温度差というのを感じられるのか、もし感じられた場合はそれについてどのような対策を練っていくというお考えでしょうか。

(尾﨑知事)
 やる気の差というのは確かにありましたけれど、ただ最終的にすべての地域において、相当数のアクションプランが策定されましたから、今やる気の差の問題ではないと思っています。熟度の差はあると思います。いつの段階から取り組まれていたかということがありますので。さらにたまたま何年か前に構想を温めていたものがたくさんあったところと、今回の機会で初めて考えはじめたところと、そういう差はあると思うんですよね。

  今回はっきりと熟度をA・B・Cとランク分けをさせていただいていますけれども、逆にいうと今後は熟度に応じた支援策、特に熟度が低い時はその計画策定、ソフト面においての支援策なんていうものに重きをおいていく。熟度の高いものについてはハードというものも加えていかなければいけないとか、そういった熟度に応じた支援策を取っていくことが大事だと思います。

(記者)
 基本的なことなんですが、目標年度は平成23年度末になりますよね。今年も実質スタートしているとはいえ、基本的には来年度からですから、2年間ということもありますけれど、実質は3年間とみていいですか。

(尾﨑知事)
 23年度末というのが一つのメルクマール〔指標〕になると思いますね。

以上
 

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