ようこそ知事室へ

平成20年2月県議会における知事の提案理由説明

公開日 2008年02月22日

平成20年2月県議会における知事の提案理由説明(平成20年2月22日)

(項目)
 1県政運営に臨む基本的な考え方について
 2新年度の予算について
 3五つの基本政策について
   経済の活性化について
      産業振興計画の策定について
      ブランド化戦略の推進について
      1.5次産業の振興について
      各産業分野における主な振興策について
         まとまりのある産地づくりによる園芸農業の振興について
         森の工場づくりの推進について
         県1漁協構想の推進について
         工業の活性化について
         観光振興について
            であい博と滞在型・体験型観光の推進について
            北京オリンピック事前合宿招致・日本スポーツマスターズ2008高知大会について
         雇用のマッチングについて
   インフラの充実と有効活用について
      道路の整備について
       高知駅周辺連続立体交差事業について
       既存インフラの有効活用について
       道路特定財源の動向と対応について
   教育の充実・子育て支援について
      教育の充実について
         教育の充実について
         国の教育施策に対応した各県共通の取り組みについて
         児童虐待致死事件について
      子育て支援について
         放課後こどもプランの推進について
         認可外保育所施設への支援について
         少子化対策について
   県民の安全・安心の確保について
      南海地震への備えについて
      「犯罪のない安全安心まちづくり」について
   日本一の健康長寿県づくりについて
      地域の保健医療福祉の確保について
      医師・助産師確保対策について
      がん対策について
      肝炎対策について
      自殺対策について
      食育の推進について
      支え合いの地域づくりについて
      療養病床の再編成について
      後期高齢者医療制度について
      障害者自立支援について
基本政策に横断的にかかわる施策について
   中山間対策について
      中山間対策について  
      中山間地域における集落営農の推進について
   地球温暖化対策について
原油価格高騰に伴う支援等について 
組織改正について
   東京事務所の機能強化について
   組織改正について
議案の説明


 本日、議員の皆様のご出席をいただき、平成20年2月県議会定例会が開かれますことを厚くお礼申し上げます。

(県政運営に臨む基本的な考え方について)
 ただ今提案いたしました議案の説明に先立ちまして、平成20年度の県政運営に臨む私の基本的な考え方を申し上げ、議員の皆様並びに県民の皆様のご理解とご協力をお願いしたいと思います。

  去る11月の知事選挙におきまして県民の皆様のご支持を頂き、知事に就任して以来、2カ月半が経過しました。

  この間、県政が抱えている様々な課題についての認識を深めながら、まだまだ限られた時間ではありますが、できるだけ多くの時間をかけるよう心がけて県民の皆様との対話を行ってまいりました。

  そうした中で、あらためて多くの県民の皆様が高知の現状や将来を憂いておられること、そして、この厳しい状況を何とか克服したいとの思いを強く持たれていることを感じています。

  こうした県民の皆様の切実な思いに触れ、私自身、自らに課せられた使命の重さを再認識するとともに、将来に希望の持てる高知県づくりに向けての決意をさらに強くしているところです。

  今後、「対話と実行」との基本姿勢の下、五つの基本政策に沿った各種の施策を着実に進め、下降傾向にあった県勢をこの4年間で何としても上昇傾向に転じさせるべく全力で取り組んでまいります。

(新年度の予算について)
  特に、平成20年度は、私にとりまして県政運営に当たる実質的な初年度であり、五つの基本政策の実現に向けて、その第一歩を踏み出して足固めを行う重要な年であると考えています。

  このため、平成20年度の予算編成におきましては、中山間地域における生活を守るといった視点や地域経済への影響にもきめ細かく配慮するとの基本的な考え方の下、五つの基本政策に基づく県づくりに向けて、予算の重点化、効率化を図っています。

  また、足固めに当たる各種の計画づくりのための体制整備を行うとともに、今すぐに行えるものは、スピード感を持って実行することに心がけたところです。

  五つの基本政策に基づく施策など、新年度の主要な取り組みとしては、まず、県経済の活性化により、県勢を上昇傾向に転じさせるため、その指針となる産業別・地域別の振興計画を策定するとともに、「高知の良さ」を売り込む戦略づくりに向けての検討体制を整えることとしています。

  また、インフラの整備につきましては、1.5車線的道路整備の予算を前年度と比べて増加させるなど、地域生活の安全・安心の確保や産業振興につながるインフラの充実に努めました。

  さらに、教育に関しましては、深刻な中学校の学力問題をはじめ、いじめ・不登校等の諸問題の解決を図るため、これまでの取り組みの検証と今後の方向性の検討を十分に行うこととし、その上で本格的な対策を講じてまいります。

  加えて、今月初めに県内で起きました、児童が虐待により死に至ったという実に痛ましい事件を踏まえ、その過程を徹底して検証するとともに、児童相談所の体制の強化などを行うこととしています。

  また、県民の安全・安心を確保するため、新たに南海地震対策の条例を定めるほか、地域の自主防災組織の育成や緊急避難場所の確保に対する支援の充実などを図っています。

  日本一の長寿県づくりに向けては、各地域での保健医療計画の策定・推進に取り組むほか、地域ごとに地域保健医療福祉推進会議を立ち上げ、各地域の課題に的確に対応するための体制を整えます。

  また、過疎化・高齢化の進展により待ったなしの状況となっている中山間対策につきましては、地域住民の皆様の不安を取り除き、それぞれの地域で安心して暮らしていくことができるよう、中山間地域での「生活を守る」、さらには「産業をつくる」という二つの視点で、重点的な予算措置を行っています。また、原油価格の高騰などの緊急課題に対しましては、経営支援のための措置を各分野において講じています。

 さらに、新年度予算の全体規模は、人件費や公債費を除く県民サービスに直接かかわる部分を前年度に比べて微減にとどめた上、普通建設事業費につきましては、例年10パーセントを超える削減が続いてきた中で、新年度予算では、事業効果の早期発現のために実施する2月補正予算への前倒し分を含めて前年度比でプラスに転じさせるなど、県民サービスの確保と県経済への配慮に努めました。

  将来に希望の持てる県づくりを行う上では、これらの施策を進めていくことと併せて、厳しい状況にある県財政を、将来を見通して着実に改善していくことが必要です。

  このため、新年度予算では、歳出面で職員数の削減や職員給与の抑制、公債費負担の平準化など、歳出の効率化等に努めるとともに、歳入面では、これまでの国への働きかけが実を結び、地方交付税の特別枠創設によって地方交付税と臨時財政対策債を合わせた実質的な交付税の額が6年ぶりにプラスとなったほか、県有財産の処分などにより財源を確保しています。

  その結果、これまでお示ししておりました平成20年度の収支見通しより、さらに20億円程度の収支改善を図るとともに、県債残高も引き続き減少させるなど、先々の財政状況の好転を図りながら、今後の県勢浮揚への第一歩となる各種の施策に積極的に取り組むこととしています。

 依然として、県財政は多額の財源不足が生じている厳しい状況にはありますが、中期的に収支の均衡を達成するよう財政規律の維持に努め、県民サービスの確保と県財政の健全化をともに実現するよう知恵を総動員して取り組んでまいります。

(五つの基本政策について)
 続きまして予算に関連して、五つの基本政策に沿った取り組みについて申し上げます。

(経済の活性化について)
 第1に、経済の活性化です。

(産業振興計画の策定について)
  県経済の底上げを図り、活力を取り戻し、将来に一層の希望を持って暮らせる高知県としていくために、経済の活性化は最も重要な政策の一つと位置付けています。

  県内各地には全国に誇り得る地域資源が多くあり、また、地域おこしなどに熱く力強い思いを抱いて活動されている方々が多くおられます。これらの資源や取り組みを活用して、農林水産業や商工業、観光などの各分野の振興はもとより、農林水産業と商工業の連携による1.5次産業の振興を図ってまいりたいと考えます。

  そうした取り組みを通じて、これまでの縮小均衡の流れをプラスの方向に転じ、新たなビジネスの発掘や、生産から加工・流通・販売などそれぞれの段階での潜在的な力を引き出し、産業・雇用の維持・拡充を図るための取り組みを進めてまいります。

  そのために、産業・経済の活性化の指針として、県内の各界、各層が心を一つにして取り組んでいくことができるような産業別・地域別の振興計画を策定してまいりたいと考えています。

 この計画の策定に当たりましては、新たに地域政策を担当する副部長を配置するなど、全庁横断的な取り組み体制を整えるとともに、各地域に配置しています地域支援企画員や出先機関を中心に、市町村をはじめ関係団体のご意見や地域の皆様からの様々な知恵や発想を頂きながら進めてまいりますことで、地域の皆様と県や市町村が共通の目標を持って、共に取り組めるような計画づくりを行いたいと考えています。

(ブランド化戦略の推進について)
 また、あらためて申し上げますが、高知には全国に誇れる産物や自然・風土がたくさんあります。これらの良さを活かし、県全体の底上げを図るためには、生産から加工、流通、販売までの総合的な視野に立ち、産業の各分野の関係者が力を合わせて、取り組むことが重要です。

  このため、商品の差別化により付加価値を高め、これを全国的にアピールし、強力に売り込むことにより、消費者から認知され、信用の獲得につなげていく「高知ブランド化」戦略を、観光分野も含めて構築しなければならないと考えています。

  こうしたことから、その戦略のあり方や、これを確立するための体制を検討する部局横断的なワーキンググループを設置し、できるだけ早期にとりまとめるよう取り組んでまいります。

 また、このようなブランド化の取り組みの一つとして、首都圏で展開している県産品のアンテナショップとは別に、活動の充実強化を図るため、新たに観光PRや食文化の発信などの機能も有するアンテナショップの開設に向けて、庁内にワーキンググループを立ち上げ、民間の方のアドバイスも得ながら検討を進めてまいります。

  経済の活性化に向けては、今後とりまとめる産業振興計画やブランド化戦略に基づき、本格的な取り組みを進めてまいりますが、こうした計画・戦略の検討を行いながら、今すぐにでも着手できる施策については積極的に始めてまいります。

(1.5次産業の振興について)
  農林水産業と商工業との連携による1.5次産業の振興に向けては、まず、企業立地を促進するための工場の新増設等に対する補助制度の対象に、新たに県内企業を追加するとともに、地域資源を原材料とする製造業への支援について、従来は海洋深層水など一部の産品に限定していたものを、新年度からはこの限定を外し、県内のすべての一次産品を利用する製造業を補助の対象とするよう拡充いたします。

  また、産業振興センターと連携し、同センターに設置しています「こうち産業振興基金」を活用しながら、農林水産物などの地域資源を活用した新たな事業化に向けた新商品の開発や販路開拓などを支援してまいります。 

(各産業分野における主な振興策について)
  次に、各産業分野における主な振興策のうち農業振興に関するものについて申し上げます。

(まとまりのある産地づくりによる園芸農業の振興について)
  本県の農業は、農業者の高齢化や担い手の減少、国内外の産地間競争の激化、さらには消費・流通構造の変化などによる農産物価格の低迷など、厳しい状況が続いていますが、地域の経済や社会の基幹を支える産業として、その振興を図ることが重要です。

  このため、本県の農業産出額の75パーセントを占める園芸農業については、基幹品目において生産者が分散化することなく、生産・流通戦略を共有して高品質な農産物を安定的・計画的に供給できる「生産者のまとまり」を形成することにより、生産者と農協などの農業団体、行政の関係者が一体となって産地の力を再構築し、競争に打ち勝っていける力強い園芸産地をつくってまいります。

  また、消費者の食の安全・安心に対する関心の高まりの中で、環境保全型農業のトップランナーを目指した取り組みをさらに進め、全国の消費者により一層選ばれる産地となることによって、本県農業全体の利益の向上と農業者の所得向上を図ってまいります。

(森の工場づくりの推進について)
 次に、林業・木材産業の振興についてです。

 林業・木材産業を取り巻く環境は大変厳しい状況ではありますが、木材をめぐる国際市場の変化などにより国産材への追い風も吹き始めています。

  こうした状況を受けて、本県では、生産から加工・流通に至る一貫した木材の安定供給体制である「新生産システム」の構築に向け、森林を団地化し、高性能林業機械を導入して効率的で安定した木材生産を目指す「森の工場」づくりに取り組んでいます。

 今後さらに「森の工場」を拡大するためには、新たな事業体の参入を促していくことが必要であり、このため、森林組合とのジョイント方式や、本格的な「森の工場」へのステップとしての比較的小規模な団地での取り組みを支援することとしました。

 また、木造住宅への助成や木材の良さの普及啓発など県産材の需要拡大に向けた取り組みもさらに進めてまいります。
これらを通じ、森林資源の有効活用を進め、地域の活性化と雇用の場の確保に努めます。

(県1漁協構想の推進について)
  次に、水産業の分野において最も重要な課題となっております県1漁協構想の推進に関しましては、今年4月、県内25の漁協が集結し、組合員数7千人、販売取扱高180億円を上回る四国最大規模の高知県漁協が発足することとなりました。

  今後は、合併によるスケールメリットを最大限に活かし、漁協の経営改善を着実に進めるとともに、厳しい経営環境にある組合員の切実な要請に的確に応えていくことが期待されます。

  このため、県としては、高知県漁協が今後の流通改善の第1段階として実施する販売事業の新たな取り組みなどを積極的に支援することにより、魚価向上等を図り、付加価値の高い漁業経営が実現できますよう取り組んでまいります。

(工業の活性化について)
 また、県勢浮揚の大きな鍵を握る産業の一つである工業の活性化に向けては、まず地場産業の振興を図ることが重要と考えています。

  その上で、高知で生まれた地場企業の技術力を活かし、一次産業との連携による1.5次産業の振興や、担い手が不足している一次産業の機械化など、地域に根差した取り組みを進めることで、本県工業の活性化につなげてまいります。

  産業別・地域別の振興計画の策定に当たっても、こうした考え方の下に取り組んでまいりますが、今すぐに実行できるものとして、企業立地促進の補助制度において新たに県内企業の工場の新増設等を支援対象とするほか、産業振興センターの制度を活用しながら、積極的に支援してまいります。

  さらに、これまで行ってきました産学官による先端的技術の研究開発の成果をもとに、この4月には県内に新たな企業が設立されるなど、新しい産業の芽も育ちつつあります。

  今後とも、こうした研究開発によって得られた技術や特許などを戦略的に活用し、新しい産業の集積地づくりにも取り組んでまいります。

(観光振興について)
(であい博と滞在型・体験型観光の推進について)
 次に、観光振興についてです。
「花・人・土佐であい博」がいよいよ来月1日から開幕となります。

 これまで進めてまいりました地域でのイベントや四季ごとの特別イベント、ジャパンフラワーフェスティバル、牧野植物園開園50周年記念事業である「五台山花絵巻」などの準備にさらに万全を期し、この「であい博」を契機に滞在型・体験型観光の振興につなげてまいります。

 そのためには、まず大都市圏・県外から高知に来ていただき、高知の良さを体験していただくことが何よりも重要となります。

 県内の優れた観光資源と様々なイベントなどを組み合わせることによる優位性の確保や、大都市圏・県外をターゲットとしたテレビ番組の活用や雑誌による広報、旅行雑誌記者を対象としたモニターキャンペーンの実施、旅行会社を対象とした誘致プロモーション会議の開催などのPR活動に積極的に取り組んでまいります。

 また、季節ごとに開催する特別イベントにつきましては、内容が充実した集客力のあるものとなるよう、一層の魅力アップを図ってまいります。

 さらに、高知に来られた方々に繰り返し来ていただけるようおもてなしの徹底を図り、観光ガイドの育成に努めますとともに、ビジターセンターの設置促進や二次交通の充実などに取り組んでまいります。

 また、観光全般にかかわる基礎的な取り組みとして、おもてなし県民運動や観光案内板・誘導標識の整備などを着実に進めてまいります。
 さらには、観光コンベンション協会と連携した韓国の教育旅行視察団の誘致などにより、今後の国際観光客の受け入れ強化を図ってまいりたいと考えています。

(北京オリンピック事前合宿招致・日本スポーツマスターズ2008高知大会について)
 また、今年は8月に中国で北京オリンピックが開催されます。昨年の世界陸上大阪大会の際、本県で事前合宿を行ったポーランド、スロバキア、オーストラリアの3カ国が北京オリンピックの事前合宿についても本県で行いたいとの意向を示していたことから、これらの国を中心に高知市と連携して招致活動を本格化させてまいります。

 さらに、9月には競技志向の高いシニア世代を対象としたスポーツの祭典「日本スポーツマスターズ2008高知大会」が本県で開催されます。

 この開催に当たりましては、大会の機運を高めるための事前イベントやスポーツ教室を実施するとともに、全国から来県される選手・監督の方々を温かくお迎えし、心に残る大会となるよう準備を進めてまいります。

 こうしたことによりまして、積極的に「高知の良さ」をアピールし、評価を高め、高知を訪れる人の増加につなげてまいります。

(雇用のマッチングについて)
 県内の雇用情勢は、多くの若者が職を求めて県外に流出するなど、非常に厳しい状況にあり、産業の振興による経済の底上げを図り、雇用の場を創出していく必要があります。

 他方、魅力ある企業が県内にあることを若者が十分理解していないといった若者の求職と県内企業の求人とのミスマッチや、中山間地域などの一次産業で担い手の確保が課題となるなどの潜在的な需要がある一方で、都市部では仕事を求める人が依然として多いなどのミスマッチが生じていると見られることから、県内にある雇用の機会を若者に的確に分かりやすく伝えることで、県内での若者の就業機会を確保していきたいと考えています。

 このため、工業高校などの専門高校と産業界との連携強化を図ることにより、県内での就職を促進するほか、高校生の農林業でのインターンシップを実施し、一次産業の魅力を再発見してもらうことによって実際の就業につなげたいと考えています。

 あわせて、ニートや悩みを抱える若者への支援対策として、昨年設置した「こうち若者サポートステーション」において、農業体験やボランティア活動などを通した社会的自立への支援に取り組むとともに、教育機関や「ジョブカフェこうち」などと連携した就学や就労に向けての支援を引き続き行ってまいります。

 また、県のU・Iターン人材情報システムを活用し、新たに無料職業紹介事業に取り組むこととし、誘致企業などの人材確保を支援してまいります。

 さらに、産業振興センターと連携し、厳しい環境にある建設業の新分野への進出の取り組みや経営革新を引き続き支援するとともに、県営林を活用した雇用創出事業についても継続して実施してまいります。

(インフラの充実と有効活用について)
 第2に、インフラの充実と有効活用についてです。

(道路の整備について)
 昨年、実施しました県民世論調査では、厳しい財政状況の下でも「道路の整備を優先して進めるべき」という意見が50.6パーセントを占め、「十分整備されているので必要ない」の3.5パーセントを大きく上回っているなど、多くの県民の皆様から道路整備が求められている状況です。

 道路などのインフラにつきましては、地域の実情を踏まえて、必要性や緊急性の高い整備箇所に重点的に取り組むことにより、地域での生活の基礎となるインフラや、県民の皆様の安全・安心に直結するインフラを着実に整備するよう取り組んでまいります。

 道路整備のための予算に関しましては、国会で議論が行われているところではありますが、政府の平成20年度予算案においては、地方道路整備臨時交付金について財政力に応じた交付率の引き上げが行われる予定であることから、今回、これによって捻出される財源を活用し、道路整備の予算をその分増額することとしました。

 これにより1.5車線的道路整備の予算を対前年度比で5パーセント増やすなど、地域生活の安全・安心に直結するインフラの整備の充実を図っています。

 また、四国8の字ネットワークの整備を着実に進めるとともに、産業振興を支援する道路として国道195号や県道高知東インター線といった工業団地などへのアクセス道を整備するほか、合併市町村内の交流を支援する国道439号や国道441号などの道路整備を推進することとしています。

 さらに、身近なインフラに関する地域での様々なニーズに速やかに対応できるよう、地域生活に密着したインフラの維持修繕や道路の小規模改良に弾力的に対応しうる予算の確保にも努めています。

(高知駅周辺連続立体交差事業について)
 また、高知駅周辺の連続立体交差事業につきましては、今月26日に一つの大きな区切りである鉄道の高架切替を迎えます。

 この事業は、県と高知市が一体となって進めております高知駅周辺都市整備の一環として、昭和46年度の調査着手以来、進めてきたものです。これまで、多くの地権者の方々をはじめ県民の皆様や関係者の皆様にご協力を頂きましたことに心より感謝申し上げます。

 高架切替後も、高知駅南側の駅前広場や側道、関連街路など残された工事がありますが、引き続き高知市と連携し、土地区画整理事業や関連街路事業といった高知駅周辺の都市整備を進め、駅周辺のまちづくりだけでなく、県都の発展につなげてまいりたいと考えています。

(既存インフラの有効活用について)
 また、既存インフラの有効活用の観点から、宿毛湾港では、国の補正予算を活用し、防波堤の整備を推進するとともに、工業流通団地への企業誘致をさらに進めてまいります。

 あわせて、宿毛・佐伯間のフェリー航路の維持に向けた新たな支援策についても宿毛市など幡多地域の6市町村と連携して講じることとしております。

 他方、高知新港では、昨年は釜山航路のコンテナ貨物の取扱量が過去最高となるとともに、近年では石灰石や石炭の取扱量も増加し、施設の拡充が必要となっているため、国に対し事業費の確保を求めてまいります。

 あわせて一層の利用促進のため、釜山航路の週2便化や新たな航路の誘致などに取り組んでまいります。

 また、現在県内に2,500余りある橋梁について、予防保全の観点から、適切な維持補修を行う長寿命化に向けた修繕計画の策定を進めてまいります。

(道路特定財源の動向と対応について)
 先ほど申し上げましたとおり、道路整備に対して多くの県民の皆様からニーズがある中、道路特定財源の暫定税率は一部を除き今年の3月末までの期限となっており、その延長の是非をめぐって国会で激しく議論が行われています。

 本県のように道路整備が遅れている地方でも、また、開かずの踏み切り対策や環状道路などの整備が必要な都市部でも同様に、暫定税率を維持することは極めて重要であると考えております。

 新年度の予算は、暫定税率の維持を前提に編成しておりますが、仮に廃止された場合、軽油引取税や地方道路譲与税など県税と地方譲与税への影響だけでも37億円程度の減となります。

 これは乳幼児や重度心身障害児・者などへの県単独の医療費補助と児童手当に要する県負担の合計額をも上回る規模であり、暫定税率の廃止が、県の予算、ひいては県民サービスに重大な影響を及ぼすことは明らかです。

 こうしたことから、先月20日に、県民の皆様とともに道路整備を考える決起大会を開催したところ、予想を上回る約1,600人の県民の皆様にご参加いただき、国会議員の方々にも道路整備の推進や暫定税率の維持を要望いたしました。

 また、今月1日に開催しました高知県自治体代表者会議で、「県民の安全と安心を確保するとともに、地域に活力を与える道路整備を確実に行うために暫定税率を維持すること」を全会一致で決議しました。

 今後も暫定税率の維持に向け、県の考えを県民の皆様にご理解していただくための広報をしていくと同時に、必要な対応を図ってまいりたいと考えております。

(教育の充実・子育て支援について)
 次に、第3の教育の充実と子育て支援について申し上げます。

(教育の充実について)
(教育の充実について)
 高知の将来を担う人づくりである教育は極めて重要な課題です。

 なかでも、全国水準と大きな隔たりのある中学生の学力は、大変深刻な問題であり、今月15日に公表しました全国学力・学習状況調査の分析においても、例えば、中学3年生の段階で中学校入学当初に身に付けるべき基礎的な計算問題さえできていない生徒が非常に多いとの結果や、その背景の一つとして中学生の25パーセントの生徒が、授業以外での学習時間が30分より少なく、全く勉強していない生徒も1割以上いるなど、家庭での学習が十分に定着していないとの事実が明らかになりました。

 今後、保護者の方々も含めたすべての関係者が共通の課題意識を持って取り組んでいかなければならないと考えます。

 現在、この全国学力・学習状況調査の分析結果も踏まえ、土佐の教育改革のうち、学力向上はもちろんですが、教職員の資質・指導力の向上や、家庭・地域の教育力の再生・向上の取り組みについても、教育委員会において再検証を行っているところです。

 年度末にはこの検証結果の中間的な総括を行った上で、6月末までを目途に「学力向上・いじめ問題等対策計画」を策定することとしており、当初予算にはそのために必要な経費を計上するとともに、組織体制も整えることとしています。

 こうした検討を踏まえた上で、学力向上等のための具体的な対策を今後の補正予算において盛り込むことにより、早期に本格的な取り組みを進めてまいります。

(国の教育施策に対応した各県共通の取り組みについて)
 他方、国の教育施策に対応して、各県が共通して行う取り組みについては、本県も同様に取り組んでいく必要があるため、当初予算に関連の経費を計上しています。

 その一つとして、新年度は改正された教育基本法に基づき県の教育振興基本計画を策定することとしており、地域の方々の意見もお聞きしながら、中長期的な観点に立った高知の教育の基本的な方向性を検討してまいります。

 また、新年度から、退職教員や経験豊かな社会人等を学校の非常勤講師として配置する国の新規事業についても積極的な導入を図り、教員が子どもと向き合う時間を拡充いたします。

 さらに、いじめ、不登校、暴力行為など児童生徒の問題行動等に対応するため、現在、中学校と高等学校に配置しているスクールカウンセラーを小学校へも配置するとともに、学校の枠を越えて子どもや家庭が抱える様々な問題へ対応するため、児童相談所や福祉保健所といった関係機関とのネットワークを強化し支援を行うスクールソーシャルワーカーを新たに配置するなど教育相談体制の充実を図ってまいります。

(児童虐待致死事件について)
 今月初めに県内で起こりました児童虐待による致死事件は、極めて痛ましく残念な事件であります。お亡くなりになりました児童の悲しみ、無念に思いをいたすとき、深い悲しみを覚えますとともに、本当に悔しい思いがいたします。あらためて、お亡くなりになった藤岡和輝君のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

 今回の事件は、行政機関がかかわっていたケースでありながら、このような痛ましい事件に至ったことは痛恨の極みであり、大変重く受け止めておりますし、もっと何か適切な対応ができなかったかとの思いがあります。

 この事件を受け、まず緊急的な対応として、児童相談所、教育機関、警察などの各々の関係機関で、すべての事例の再チェックや潜在的な事案の掘り起こしを行うことといたしました。

 また、翌日には該当の小学校にスクールカウンセラーを派遣するとともに、関係機関の緊急の連絡会議を開催し、連携強化の必要性や今後の対応について協議を行い、各機関でできることを徹底して取り組むことを確認しました。

 また、一定の期間内に取り組むべきものとして、有識者などからなる検証委員会を設置し、今回の問題点を一つ一つ検証しながら再発防止のための方策をとりまとめていくこととしたほか、児童相談所の体制の拡充や関係機関との連携強化を図ることとしました。

 今後は、どのようなケースでも重大な結果が起き得る可能性があることを十分認識した対応を行い、このようなことが二度と起きることがないよう全力を挙げて取り組んでまいります。

(子育て支援について)
(放課後こどもプランの推進について)
 子育て支援の面では、保護者の仕事と子育ての両立への支援とともに、子どもたちの安全・安心な居場所づくり、さらに学習習慣の定着につながる場として、放課後児童クラブや放課後子ども教室の充実に取り組みます。

 新年度は放課後児童クラブを5カ所、放課後子ども教室を20カ所それぞれ増やすこととしており、事業を実施する市町村の要望にすべて応えてまいります。

 今後は、特に共働き世帯が多いという本県の特性を踏まえ、留守家庭の子どもたちの生活の場となる放課後児童クラブの補助制度の見直しも含め、保護者のニーズにより的確に対応できるような仕組みづくりを市町村とともに進め、県内のすべての小学校校区で、これらの開設ができますよう、積極的に取り組んでまいります。

(認可外保育所施設への支援について)
 また、保護者の保育ニーズが多様化していることから、認可保育所で担いきれていない保育サービスを補完するため、認可外保育施設の1、2歳児保育や土曜日の午後の延長保育を新たに支援することとし、待機児童の解消や仕事と家庭の両立ができる環境づくりに取り組んでまいります。

(少子化対策について)
 少子化対策は、様々な施策を組み合わせて総合的に推進していかなければなりませんが、とりわけ、すべての子どもたちを安心して育てていくための環境づくりや、地域や民間との協働による子育て支援策に取り組んでいくことが重要だと考えています。

 また、少子化対策を進めるに当たっては、行政だけでなく、事業者や県民の皆様がお互いに連携をしながら、社会全体で子どもを生み育てやすい環境をつくっていかなくてはなりません。

 そのため、今月14日には、福祉や医療、教育、産業など様々な分野の方々で構成する高知県少子化対策推進県民会議を設置いたしました。この組織を中心に本県の少子化対策を県民運動として進めていきたいと考えています。

(県民の安全・安心の確保について)
 第4に、県民の安全・安心の確保に向けた地域の防犯、防災の基礎づくりです。

(南海地震への備えについて)
 まず、南海地震への備えについてです。
 南海地震への備えのよりどころとして、検討してきました「高知県南海地震による災害に強い地域社会づくり条例」を今議会に提案しています。

 条例案には、自助・共助・公助の取り組みにより、相互の連携を推進していくことで、南海地震への備えを習慣とし、防災文化を根付かせていくという理念のほか、揺れ、津波、火災、土砂災害といった災害事象ごとに、南海地震が発生したときの行動や事前の備えなどを規定しているところです。

 今後は、条例の周知に努めるとともに、条例に基づき行動計画を策定、推進することにより、県民の皆様や事業者の方々などの備えが一層進み、条例が実効あるものとなりますよう、県としても、市町村などと連携して、全力で取り組んでまいります。

 あわせて、南海地震対策では特に共助の担い手となる自主防災組織が重要な役割を果たすこととなるため、組織率のアップや組織の活動支援をさらに進めるとともに、緊急避難場所の確保や緊急へリポートの設置、消防団の資機材整備など地域における様々な取り組みを支援するため防災総合補助金の拡充を図ることとしました。

 また、市町村立・私立の学校や幼稚園の耐震化を引き続き支援しますとともに、県有施設の耐震化につきましても若草養護学校体育館など県立高校の耐震化工事や県民文化ホール、本庁舎・議会棟の実施設計などを計画的に実施してまいります。

(「犯罪のない安全安心まちづくり」について)
 また、犯罪のない安全で安心なまちづくりは、県民生活の基本であり、さらには観光振興や産業振興などの基本でもあります。この安全で安心なまちづくりは、県民の皆様や事業者の方々、地域におけるボランティアの方々と行政が力を合わせてはじめて成し得るものです。
 
 このため、先月「犯罪のない安全安心まちづくり条例」に基づく取り組みとして、関係団体、有識者、行政機関で構成する「安全安心まちづくり推進会議」を立ち上げ、地域で子どもを見守ることなどを新年度の重点テーマとしました。

 こうしたことを踏まえ、県としましては、県民の皆様が犯罪の被害に遭わずに安全で安心して暮らすことのできる県を目指し、学校や通学路などで子どもたちを見守るスクールガードの養成や、専門的な見地から巡回・指導するスクールガード・リーダーの増員を行うなど、地域におけるボランティア活動への支援を充実してまいります。

 あわせて、重要事件に係る捜査システムの充実を図るなど、警察力の向上にも努めてまいります。

(日本一の健康長寿県づくりについて)
 第5に、日本一の健康長寿県づくりへの取り組みです。

(地域の保健医療福祉の確保について)
 県では、県民の皆様が安心して暮らすことのできる保健・医療・福祉の提供体制を整備するため、「地域でささえる県民の健康」、「県民とともにつくる良質な医療」を基本理念として、施策の基本的方針を定める「第5期保健医療計画」の今年度内の策定に向け、取り組みを進めてまいりました。

 この基本となる計画を着実に進め、保健・医療・福祉の分野でその成果を実感できるようにするためには、地域、地域の実情や特性に応じたきめ細かな取り組みが重要となります。
 このため、まず、医師不足などで厳しい状況にある地域医療をいかに確保し、守っていくかといった課題に対応するため、地域ごとの保健医療計画を順次策定し、地域生活の命綱である医療サービスの確保に取り組むこととしています。

 次に、高齢者が生きがいを持って暮らすことのできる地域づくりを進めるための「地域ケア体制整備構想」を策定し、医療と介護の連携を強化することで在宅医療と在宅介護を充実させる取り組みを進め、高齢者を地域で支える具体的な仕組みづくりを推進することにしております。

 さらには、県民の健康を増進し、健康寿命を延伸することを目指す「よさこい健康プラン21」を今年度内に策定することとしています。

 この計画では、がんを含めて死亡要因の約6割を占めます生活習慣病の予防対策を中心に取り組むこととしており、新年度から始まります特定健康診査や保健指導が円滑に実施されますよう支援するとともに、メタボリックシンドローム対策、食育の推進などを積極的に展開していくこととしています。

 今後、こうした保健・医療・福祉の施策を地域で総合的に進めていく上では、それぞれの地域の特性に応じ、予防から医療、福祉まで連携のとれたサービスが提供される仕組みをつくっていくこと、そしてそれを推進し、評価し、見直すといったいわゆるPDCAサイクルを徹底することが重要となります。

 このため、各福祉保健所に地域の保健・医療・福祉関係者と住民からなる会議を立ち上げ、各地域での年度ごとの実施計画を定め、実行し、評価していく体制を整備してまいります。

 また、この会議には地域医療や地域ケア、圏域健康づくりの各部会を設置し、それぞれの計画、構想の推進と評価を行い、必要に応じて計画の見直しを行ってまいります。

(医師・助産師確保対策について)
 また、地域における深刻な医師不足に対応するため、今後あらゆる手立てを講じていく必要がありますが、直ちに取り組めるものとして、医師養成奨学金の貸付対象者の拡大や、県内で特に不足している産科、小児科、麻酔科等を希望する臨床研修医師に対する貸付金の対象者の拡大を行うことといたします。

 さらに、本県での勤務に関心を持つ医師を対象にした地域医療に関する見学ツアーを実施するとともに、周産期救急医療を担う病院の医師の過重労働を軽減するための変則勤務制の拡充支援や、地域で安心してお産ができるよう分娩できる医療機関が少ない地域にある産科医療機関の経営安定化を図るための支援を新たに行います。

 また、助産師の確保を図るため、県内の大学での助産師養成体制が整うまでの間、県外の助産師養成所等を卒業後、助産師として県内の分娩取扱医療機関で就業する意思のある方に対する特別奨学金制度を創設することとしています。

 さらには、潜在助産師の有効活用にも取り組み、過重労働と言われている産科医師の負担軽減にもつなげていきます。

(がん対策について)
 がん対策については、県民の皆様や患者団体、医療機関、行政が連携し、予防や医療水準の向上、患者の方々への支援など様々な取り組みを総合的に推進していくため、現在県では、がん対策推進計画を策定しています。

 がん治療では早期発見、早期治療が重要であることから、多くの方々にがん検診を受けていただくため、新年度から、がん検診の受診を奨励するモデル事業を実施します。

 また、がんは初期からの緩和ケアが重要となるため、がん診療に携わる医師等に対し、緩和ケアへの理解を深めていただくための研修会を実施してまいります。あわせて、がんの終末期でも自宅で療養を受けられるようにするため、在宅医療関係者の連携が図られるよう取り組んでまいります。

(肝炎対策について)
 肝炎対策について、県では、国の新しい肝炎総合対策の一環として、現在、福祉保健所で実施している無料肝炎検査に加え、より検査を受けやすいよう新たに医療機関でも無料肝炎検査を1年限りで実施し、B型、C型肝炎ウイルスに感染している方を早期に発見して治療につなげていくこととしています。

 また、B型、C型ウイルス性肝炎に有効なインターフェロン治療に係る医療費の公費負担制度を創設し、肝硬変・肝がんへの移行の予防を図ることとしております。

(自殺対策について)
 本県は自殺による死亡率が全国でも高く、自殺による死亡者は平成10年度以降毎年200人を超えている状況にあることから、相談・支援体制の整備とうつ病の早期発見、早期治療を促進する取り組みを進めてまいります。

 具体的には、新年度からうつ病に対する診断技術の向上を図るため、身近なかかりつけ医である一般内科医師を対象とした研修事業などを実施することとします。

(食育の推進について)
 食は、豊かな人間性をはぐくみ、生きる力を身につけていくための基本となるものです。また、バランスの良い食生活を送ることは、生活習慣病の予防にもつながります。

 そのため、県では、関係の機関や団体と食育連携推進協議会を立ち上げ、子どもを中心に、ライフステージに応じた食育の推進に取り組むこととしており、新年度はその一環として食育フェアなどによって食育の重要性を啓発していくこととしています。

 子どもたちが生涯にわたって健康な生活を送ることができるようにするためには、発達段階に応じて望ましい食習慣を身につけることが重要です。このため、児童生徒に対しては、栄養教諭を中心に、生活科などの教科や学校給食の中で食育をさらに進めてまいります。

 また、乳幼児への対応としては、保護者向けの食育教材を作成し、保育所、幼稚園などで食育学習を推進します。
  さらには、福祉保健所やボランティア団体などが食事バランスガイドを活用して、地域での出前講座を実施するなどにより、食育の推進が県民運動として高まるよう取り組んでまいります。

(支え合いの地域づくりについて)
 住民の皆さんが住み慣れた地域で安心していきいきと暮らし続けていくためには、地域が主体となって支え合いの仕組みづくりに取り組むことが大切です。また、こうした取り組みを進め、地域でネットワーク化を図っていく上では、その核となる市町村社会福祉協議会の役割が重要となります。

 このため、市町村社会福祉協議会が地域の福祉活動の推進に関して中心的な役割を果たせるよう体制の強化を支援するとともに、地域の方々による一人暮らしのお年寄りの見守りや、健康づくりのための集いの場の確保といった実践活動などでリーダー的な活動をする人材の育成に取り組みます。

 また、中山間地域では、採算面で民間介護保険事業者の参入が進んでいないため、主に市町村社会福祉協議会が事業者となって介護サービスを提供していますが、事業収入が落ち込み、経営が厳しくなっている状況です。

 こうしたことから、介護サービスの実態を把握するとともに、都市部と比べて移動距離が長く時間がかかるといった中山間地域の実情が反映される制度のあり方のほか、介護サービスと地域の住民ボランティア活動との組み合わせによる地域の特性に応じた介護や見守りなどの仕組みづくりを検討してまいります。

(療養病床の再編成について)
 医療構造改革により、介護療養病床が平成23年度末で廃止されることに伴い、「地域ケア体制整備構想」では、現状の約6,800床の療養病床について、入院されている方々の医療や介護の必要性に応じて老人保健施設などへの転換を促進し、約3,100床に再編する方向で療養病床の再編計画を策定しています。

 今後、県としても、病床の転換のための施設の改修や、市町村などが行います地域でのケア体制づくりへの支援を行い、医療や介護の関係機関の方々や県民の皆様のご理解とご協力を頂きながら、現在、療養病床に入院されている方の行き場がなくなることがないよう、高齢者の方々一人ひとりの暮らしが守られる構想の実現に努めてまいります。

(後期高齢者医療制度について)
 本年の4月から、国の制度改正により、75歳以上の高齢者を対象とした後期高齢者医療制度が新たに始まります。

 今後の高齢化のさらなる進展に伴い、医療費の一層の増加が見込まれることから、現状のままでは国民にとってなくてはならない国民皆保険制度の持続可能性に疑問符が付きかねない状況にあります。

 このようなことから、国民皆保険制度を将来にわたって維持していくため、現役世代と高齢者とで共に支え合うための新たな制度として、この制度が設けられるものです。

 県としましては、この制度を運営する後期高齢者医療広域連合や市町村と連携し、制度の周知に努めるとともに、必要な助言と支援を行うなど、制度が円滑にスタートし、的確に運営されますよう取り組んでまいります。

 あわせて、所得の少ない被保険者の保険料負担の緩和を図るとともに、保険者である広域連合の財政基盤を強化するための支援を行ってまいります。

(障害者自立支援について)
 障害者自立支援のための施策におきましては、障害のある方々の地域生活での自立のため、就労の支援が特に重要となることから、これまで専任チームを中心に障害者雇用についての普及啓発をはじめ、企業に対する職場実習の受け入れや福祉施設への発注の要請などを通じて、障害者の就労支援に取り組んできたところです。

 このようなことを踏まえ、今後も、別枠による県職員採用試験の実施や臨時職員への雇用拡大といった障害者の雇用の場の確保に努めますとともに、施設への経営コンサルタントの派遣をはじめとした施設利用者の工賃アップのための支援などに取り組んでまいります。

 あわせて、現在、入所施設を利用している方々などが地域での生活へ移行するために必要なグループホームやケアホームの整備も積極的に支援してまいります。

(基本政策に横断的にかかわる施策について)
 続きまして、これらの基本政策に横断的にかかわる施策について、申し上げます。

(中山間対策について)
(中山間対策について)
 まず、中山間対策についてです。

 私は、選挙期間を通じ過疎・高齢化が進む中山間地域の現状を目の当たりにし、地域、地域の方々からお話をお聞きする中で、中山間地域への対策は待ったなしとなっていること、また、対策は総合的な視点で実効あるものにしていかなければならないことを強く感じました。

 条件不利地域の厳しい状況下で懸命に地域を守り、自然環境の維持や食糧の供給など地域を支えておられる方々に、少しでも安心して暮らしていただけるよう、また、若者が定着したり、地域のコミュニティが元気になっていきいきと暮らしていただけるよう、全力を尽くしたいとの思いを強くしています。

 こうしたことから、今回の予算編成におきましては、従来の中山間対策の体系を再編強化し、中山間地域の「生活を守る」ことと「産業をつくる」ことの二つの視点で予算の重点配分に努めました。
                     
 「生活を守る」取り組みとしては、まず中山間地域の日々の暮らしを支えるといった視点で大きな課題となっております三つのポイントへの対応を図ってまいります。

 第1は、「命の水」の確保です。近年の水枯れや過疎・高齢化による水道施設の維持管理の難しさに対応するため、新たな水源確保の取り組みへの支援や施設の整備・補修への補助などを行います。

 第2に、高齢となり車の運転が困難になったり、過疎化で便乗も難しくなっている地域の皆様の「動く手段」の確保への支援です。民間の協力も得た新たなコミュニティバスの仕組みづくりや市町村が運営するバスへの支援を行います。

 第3に、日々の生活に欠かせない「物資の購入」を維持していく仕組みへの支援です。中山間地域の生活を支える移動販売も年々経営が厳しくなっており、その維持のための仕組みづくりや地元の商店街と連携した新たな宅配システムづくりへの支援を行います。

 こうした一人ひとりの日々の暮らしを守る取り組みに加えて、共同で行う農作業や道路の維持補修などを集落で、あるいは近隣の集落同士で助け合って取り組んでいく試みを支援してまいります。

 また、地域を元気にするため、皆が集い合うきっかけづくりとなる祭りや行事、さらには外部との交流を活発にして地域の応援団をつくっていくといった取り組みも支援します。

 こうした集落全体を支えていく仕組みづくりについては、できるだけ多くの集落を支援していきたいと考えています。
 
 「生活を守る」ということで言えば、今や地域を脅かす大きな課題となっている鳥獣対策も重要です。

 特にシカによる食害は、農林業被害にとどまらず、三嶺など山岳地の自然環境にも大きな影響を及ぼしているため、市町村が行うシカ対策への支援を強化します。

 また、山岳地での囲いわなによる捕獲の試みなども実施いたします。さらに、深刻な被害が生じているサルへの対策についても新たに支援を行うこととしております。

 次に、もう一つの視点である「産業をつくる」取り組みについては、中山間地域で若い人が住み続け、子どもを育てていくためには、地域に根差した産業を育成し、一定の所得を確保できるようにすることが必要だと認識しています。

 中山間地域では、休耕田の管理の問題や様々な支え合いのサービスの維持、地域資源を活かして収入につなげることや交流、定住の促進といった、様々な取り組むべき課題があります。

 そういった課題を解決することで一定の収入につながり、新たな雇用も可能となるような仕組みをつくり上げていくことができれば、中山間地域の目指す一つの形が見えてくると思います。

 そのため、新年度は、既にそうしたビジネスづくりの芽が出てきている、いくつかの地域において、新たな雇用の受け皿となる拠点組織をつくり、野菜、加工品などの地域資源の活用やグリーンツーリズムなどの観光交流、さらには休耕田の維持管理といった地域課題に対応したサービスの提供などを組み合わせた多角的なビジネスづくりを目指したいと考えています。

 そして、その試みがしっかりとしたビジネスとしてモデルケースとなるよう、県としても外部アドバイザーによる支援をはじめハード・ソフト両面で重点的な支援を行ってまいります。

 なお、新年度に策定します産業別・地域別の振興計画は、地域の方々などと密接に連携しながら、以上のような取り組みも盛り込んだものとしてまいりたいと考えています。

(中山間地域における集落営農の推進について)
 また、中山間地域では農業の担い手の減少とともに耕作放棄地が増加し、農道や水路の維持の困難な集落が増加するなど、農業生産が低下することにより地域の活力が失われてきております。

 中山間地域を活性化していくためには、地域の基幹産業である農業で生活できる所得を確保できる仕組みをつくることが重要となります。

 これまで中山間地域で取り組んでまいりました稲作を中心とした機械の共同利用や農作業の受委託による集落営農の取り組みだけでは、地域農業の維持策にとどまっていることから、さらに収益性の高い園芸品目等を導入し、農業者の方々が力を合わせて、所得の向上を目指す「こうち型集落営農」の育成が必要だと考えています。

 新年度は、このような「こうち型集落営農」の実現に向けて、まず10カ所程度のモデル集落を選定し、集落ビジョンの策定や導入する園芸品目等の選定、営農計画の策定など集落ぐるみの取り組みを支援してまいります。

 あわせて、園芸品目等の産地化に向け、農業用機械・施設などの整備が的確に行えるよう新たな支援を行いますとともに、レンタルハウス整備事業なども組み合わせた支援強化策を実施し、モデル集落を育成してまいります。

 このように、ソフト・ハード両面から支援することにより、将来にわたって農業で生活できる集落営農の成功事例をつくり上げ、県内に波及させることで中山間地域の活性化と農業振興を図ってまいります。

(地球温暖化対策について)
 次に、地球温暖化対策につきましては、先の9月議会でCO2プラスマイナス・ゼロ宣言が決議されたことなどを踏まえ、県としても環境立県を目指して戦略的に進めてまいりたいと考えています。

 現在、県では地球温暖化対策地域推進計画の見直しを行っておりますが、その中では新たなCO2の削減目標となる数値を設けることとしています。

 この目標達成のためには、豊かな森林資源を活かした環境先進企業との協働の森づくり事業や、排出量を認証する本県独自の制度を充実させることに加え、県民一人ひとりが温暖化対策の重要性を認識し、行動につなげていただく民生部門での取り組みが重要です。

 そのため、民生部門の温暖化防止活動を推進する県民会議を立ち上げ、CO2の削減効果を目に見える形にするための仕組みの検討や、本県独自の環境マネジメントシステムによるエコオフィス活動を民間事業所へも広げるなど、県民運動としての温暖化対策を進めてまいります。

(原油価格高騰に伴う支援等について)
 次に、現下の緊急的課題である原油価格の高騰への対応について申し上げます。

 原油価格については、昨年から上昇が続いているため、ガソリン価格や石油関連製品などの値上がりといった形で事業者の経営を圧迫しています。

 こうしたことから、経営が厳しくなっております中小企業者への支援が急がれますため、県単独の制度融資の貸付限度額の増額や償還期間の延長など、条件を大幅に緩和する措置を補正予算の専決を行った上で今月初めから講じることといたしました。

 また、この条件緩和により、建築確認の厳格化に伴い深刻な影響が生じている建築関係の事業者への支援にも対応することとしています。さらに、農業制度融資では、農業施設の省エネルギー化の取り組みを支援するため、無利子の長期資金を確保するなどの対応を図ることとしております。

 他方、漁業燃油価格の急激な上昇も厳しい漁業経営にさらなる負担を強いています。漁業者の方々は低速での航行や操業の手控えなどの対策を講じておられますが、このままでは経営が成り立たなくなることも懸念されます。

 このため、緊急的な対策として、新たに県単独の利子補給と船底清掃に係る支援を行うこととしました。

 あわせて、国に対しても、本県のかつお、さばなど回遊性の魚を対象とする沿岸一本釣漁業の実情に見合った対策が、国の燃油高騰対策の中で実施されるように、引き続き要望を行ってまいります。

(組織改正について)
(東京事務所の機能強化について)
 あらためて申し上げるまでもなく、本県には様々な課題があり、これらに対しては、県として適切な手立てを講じていく必要がありますが、それと同時に、国の政策そのものを本県の抱える課題に的確に対応したものとするよう、国に対して効果的な働きかけを行っていくことが極めて重要です。

 国は地方再生戦略を打ち出すなど、地方重視の方向に政策の舵を切っている状況にありますが、一方で多岐にわたる地方の実情をつかみあぐね、実効的な政策形成につながる情報を求めてもいます。

 こうしたことは、地方発の政策を国の政策づくりに反映していく絶好の機会であり、本県の厳しい実情に応じた制度や支援策が実現できるように、国に対して積極的に提言を行い、国の政策に取り入れられるよう取り組んでいかなければなりません。

 さらには、各界でご活躍されている本県出身の方々などの知恵と活力を本県の振興に活かさせていただくため、ネットワークづくりにも取り組んでまいりたいと考えています。

 このようなことを踏まえ、新年度から東京事務所が機動的な拠点となるよう抜本的に強化することといたしました。

 具体的には、新たに特命の理事を配置し、所長とともに庁議メンバーとするなど権限の強化を図るほか、各部の副部長が東京事務所を兼務することにより各部との連携の強化を図ります。

 あわせて、県政課題を十分踏まえた情報の収集・分析や、効果的なタイミングで協議の場を設けるといった前さばきなどができるよう、副部長級の副所長を2名体制とすることや、実務に精通したチーフ級の職員を増員することにより、正職員の総数を12名から20名とする人員体制の強化を図り、積極的に活動を展開することとしております。

 理事をはじめ東京事務所には、私が直接陣頭に立って指示を与えることなどにより、機動的な対応ができるようにしたいと考えています。

(組織改正について)
 このほか、県庁組織について全体的なスリム化を進めながらも、五つの基本政策を推進するための体制の充実・強化を図ることとします。

 まず、基本政策全体にかかわるものとして、地域との「対話」については、私自身が地域にお伺いして県民の皆様との対話を積極的に行うとともに、県庁全体としても組織的に地域の情報を把握しながら適切に政策に反映していくため、地域支援企画員の役割と体制を充実し、本庁との連携を強化していくこととしています。

 また、基本政策のうち「経済の活性化」に関しては、産業振興計画を策定するため、担当の副部長やワーキンググループを新たに設け、地域の方々や地域支援企画員、出先機関の職員との連携を強化するほか、ブランド化戦略を部局横断的に検討するため、庁内の連携体制と事務局体制の充実を図ります。

 さらに、中山間地域の集落営農を推進するため、各農業振興センターの体制を整備します。
「日本一の健康長寿県づくり」では、地域での支え合いや地域ケア体制整備構想を推進していくため、チームの再編整備を図るとともに、福祉保健所の体制も強化するなど、メリハリのある組織改正を実施することといたします。

(議案の説明)
 続きまして、以上ご説明いたしました県政運営に当たりましての基本的な考え方に基づき今回提案しました議案をご説明します。

 まず予算案は、平成20年度高知県一般会計予算など36件です。 

 このうち、平成20年度の一般会計予算は、先ほど申し上げました、五つの基本政策を推進するための経費や、中山間対策に関します経費などを中心に、4,135億円余りを計上しています。

 また、平成19年度の一般会計補正予算は、統計調査費に係る訴訟和解金や国の補正予算に伴います公共事業費などを追加します一方で、国の内示額の決定に伴って、不用と見込まれる額を調整するなど、およそ82億円を減額しております。

 条例議案は、高知県公益認定等審議会条例議案など22件です。その他の議案は、高知県が当事者である和解に関する議案など10件です。
 報告議案は、平成19年度高知県一般会計補正予算の専決処分報告の1件です。

 以上をもちまして、議案提案に当たっての私からの説明を終わります。
 何とぞご審議の上、適切な議決を賜りますようお願い申し上げます。
 

 

高知県 総務部 秘書課

住所:〒780-8570 高知市丸ノ内1-2-20

電話:088-823-9151 ファックス:088-824-7745

メール:110101@ken.pref.kochi.lg.jp