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平成19年12月県議会における知事の提案理由説明

公開日 2007年12月12日

平成19年12月県議会における知事の提案理由説明(平成19年12月12日)

(項目)
 ・県政運営の基本姿勢について
 ・目指すべき高知の姿について
 ・5つの基本政策について
 ・経済の活性化について
 ・インフラの充実と有効活用について
 ・子育て支援・教育の充実について
 ・県民の安全・安心の確保について
 ・日本一の健康長寿県づくりについて
 ・厳しい財政状況の克服について
 ・当面の県政課題への対応について
 ・森林環境税の延長等について
 ・医師確保対策について
 ・療養病床の再編成について
 ・花・人・土佐であい博について
 ・知事の給料の減額の継続について
 ・来年度の予算編成について
 ・議案の説明


 ただいま提案しました議案の説明に先立ちまして、今後の県政運営に臨みます私の基本的な考えを申し上げ、議員の皆様並びに県民の皆様のご理解とご協力をお願いしたいと思います。

県政運営の基本姿勢について
 このたびの知事選挙におきまして、私は、全国的な景気回復の流れから取り残されている現在の高知の窮状を何とかしたい、ふるさと高知に活力を取り戻すため、私のすべてを捧げたいとの思いを訴えながら、県内の各地域を回りました。

 一月余りの限られた期間ではありましたが、過疎化や少子高齢化、地域経済の低迷に悩む中山間地域をはじめとした県内各地域の現状に触れ、改めてその厳しさを認識しましたし、それと同時に、この状況を何とか克服したいと熱意を持って活動されている多くの方々にお会いすることができました。

 今回、県民の皆様からのご支持を頂きまして、県政運営を担当させていただくこととなりました。これからの4年間、私は、県民の皆様の声に真摯に耳を傾け、県民の皆様と力を合わせながら、高知に活力を取り戻すため、全力で取り組んでいく決意です。

 これからの県政の運営に当たりまして、私の基本とするところは、「対話と実行」の県政の実現であります。

 県民の皆様との対話を通じて、地域地域の課題を正確に認識するとともに、高知の良さ、宝を再発見し、諸課題の解決と県勢の浮揚に向けて、明るく、元気で、アイデア豊かな土佐人の知恵と行動力を活かす、官民協働の県政運営を行ってまいります。

 県としては、その視線を常に県民の皆様に向け、地域の取り組みの調整役、行政の様々な支援策を分かりやすく県民の皆様にお伝えする窓口役、そして、高知の良さを県外に発信する役割、これらの役割を従来以上に発揮するよう取り組んでまいります。

 また、現在の厳しい状況を乗り越えるためには、地域の課題に日々接しておられる市町村との連携をさらに強化する必要があります。県議会の皆様とも、真剣かつ活発に政策論議を積み重ねてまいりたいと考えております。また、国に対しても、本県の実情をしっかりと主張し、かつ、理解させるよう努めてまいります。

 多くの若者が職を求めて県外に流出するなどしている現在の厳しい状況において、大切なことは、対話を通じて県民の皆様に納得の得られる政策をつくり、これを遅滞なく速やかに実行することだと信じております。

 苦しいときこそ力を合わせるべきである、こうした信念の下、私の若さとこれまでの経験を活かして、「対話と実行」の県政に邁進してまいる所存です。

目指すべき高知の姿について
 こうした基本姿勢の下、私は、若者が地域地域に住み続け、そして、安心して子どもを育み、高齢者の方々もそうした若者を安心して見守る、こうした高知県づくりを目指してまいりたいと考えております。

 高知の豊かな自然の中で、高齢者も子どもたちも、働き盛りの方々も、互いに心の絆を保ちつつ、将来に一層の希望を持って暮らせる社会、そして、また、県外の多くの方々からも、「高知にぜひ行きたい」「高知でぜひ住んでみたい」と思われるような社会、こうした高知県づくりを目指してまいります。

 ただし、厳しい財政事情の下、当面の間、できることには限りがあることも、また現実です。

 財政再建に力を尽くしつつ、将来に希望の持てる高知県づくりにむけて、一歩、一歩、着実に歩みを進め、この4年間のうちに県勢を上昇傾向に転じるべく全力で取り組んでまいります。
 
5つの基本政策について
 将来に希望の持てる高知県づくりに向けて、私は、「県民の皆様のために」との姿勢をすべての基本とし、5つの基本政策を掲げて取り組んでまいります。

 これは、第1に経済の活性化、第2にインフラの充実と有効活用、第3に子育て支援・教育の充実、第4に県民の安全・安心の確保、第5に日本一の健康長寿県づくりであります。

経済の活性化について
 第1の経済の活性化については、経済の活力を取り戻すため、高知の良さを活かし、それを日本全体に発信します。

 地理的条件などに伴う高い物流コストを跳ね返すよう、高知の良さを活かした産業振興を進めるとともに、地道な取り組みを継続することで、本県経済の底上げを図り、若者の県内就職の増加などを目指して、雇用を創出してまいります。

 具体的には、まず、高知の素晴らしい農業、水産業などの1次産品の素材を活かして、1次産業と2次、3次産業との連携強化に取り組むことで、生産から流通までのネットワークづくりや、1次産品のブランド化、競争力の向上を図ります。

 さらに、高知の豊かな森を活かし、また「環境立県」を推進していくため、間伐材の有効活用などの取り組みに加えて、「協働の森づくり」などの民間活用型の森林整備を推進します。

 また、地域の製造業の振興や企業誘致に取り組むとともに、産学連携の強みを活かした先端的な産業の集積を進めてまいります。

 観光分野では、県内各地の観光地の連携を強化し、高知を、海の恵みも山の恵みも体験できる、滞在型・体験型の観光地とすることを目指します。

 そして、このような「高知の良さ」を県外に積極的にアピールし、経済の活性化につなげていくため、県においても対外セールスに強力に取り組む体制を整備します。

インフラの充実と有効活用について
 第2に、インフラの充実と有効活用を図ってまいります。

 中山間地域などの実情を踏まえ、必要性や緊急性の高い整備箇所に重点的に取り組むことにより、地域での生活の基礎となるインフラや、県民の皆様の安全・安心に直結するインフラを優先的に整備します。

 また、「四国8の字ネットワーク」など産業振興にもつながる整備を着実に推進します。

 あわせて、本県の経済は、こうした整備を待てない状況にあることも踏まえ、今できることとして、高知新港など既存施設の有効活用策にも積極的に取り組みます。

 さらには、中心市街地の活性化、公共交通の活用策の検討などに取り組み、賑わいを創出してまいります。

子育て支援・教育の充実について
 第3に、子育て支援・教育の充実を図ってまいります。

 教育は、子どもたちの持つ可能性を最大限に伸ばすことが大切です。そのためには、基礎となる学力の定着を図ることがぜひとも必要であるとの認識の下、基礎学力が全国最下位レベルにある状況からの脱却を図ります。

 特に課題となっている中学校の学力向上に向けては、教員の質の向上や、学校・家庭・地域の連携をはじめとした学習環境づくりの推進など、集中的な支援を行います。

 また、次代を担う子どもたちが健やかに育つ環境づくりに向け、子育てに関連します情報の提供や、地域や企業と協働した子育て支援策を検討するなど、少子化対策にも力を注ぎます。

 あわせて、子どもや高齢者、障害のある方々にやさしい街づくりにも取り組みます。

県民の安全・安心の確保について
 第4に、県民の安全・安心の確保に向けて、地域の防犯、防災の基礎づくりを推進します。

 まず、南海地震への備えとしては、県民の皆様の自助・共助の取り組みもまた重要であり、県としてもそうした取り組みを積極的に支援します。

 あわせて、公共性の高い建物から、順次、耐震化を進めるとともに、津波対策として避難計画や避難路を整備するなどの対策を着実に進めます。

 また、今年度施行しました「犯罪のない安全安心まちづくり条例」に基づき、県民の方々や事業者、地域で活動する団体と行政が一体となって取り組むための推進会議を立ち上げ、安全・安心のまちづくりを県民運動として進めてまいります。

 さらには、地域での防犯、防災の基礎となる、地域住民による自主組織づくりといった地域のつながりづくりを積極的に支援します。

日本一の健康長寿県づくりについて
 第5の日本一の健康長寿県づくりに向けた取り組みとしては、まず、予防知識の普及などを積極的に推進し、県民一人ひとりが、自らの健康状態を十分把握できる仕組みづくりを進めます。

 また、地域の特性に応じたきめ細かな保健医療体制を整備するため、保健医療計画を策定し、その推進を図ってまいります。特に、地域間の医療の格差の解消と救急医療体制の整備、県内の医師・看護師不足への対応、地域で支え合う仕組みづくり、生活習慣病の予防などについて、施策の充実を図り、県民の皆様の健康づくりを支援してまいります。

厳しい財政状況の克服について
 以上の取り組みを着実に進めていくためには、厳しい財政状況を克服していくとともに、県の組織体制の強化を図っていく必要があります。

 橋本前知事が進められた16年間の県庁改革の成果を活かして、透明で効率的な行政を推進するとともに、厳しい財政事情に対処するため、あらゆる知恵を総動員して取り組んでまいります。

 財政の健全化に向け、歳出の重点化・効率化や、遊休財産の売却、公債費負担の軽減などを進めるとともに、地方交付税の確保、税収偏在の是正などのため、中央における交渉力を強化します。

 中央省庁にいた者として、本県のように中央から遠く、人口も少ない地方の実情が、国には届きにくいことを実感していましたし、中央では、地方の多様性を捉えきれずにいることへのもどかしさも感じていました。

 今、国は、地方を重視する方向に政策の舵を切ろうとしています。

 この機を逃すことのないよう、国の政策形成のツボ、勘所を押さえながら、単発的でなく、継続的にしっかりと本県の実情を理解させる取り組みを強めてまいります。

 そのため、東京事務所などの抜本強化により、中央での情報収集力、交渉力を高めるとともに、併せて、産業振興や観光振興の上でも、高知の発信力を強化します。

 また、地域の知恵を活かしていく観点から、地域支援企画員の更なる活用などにより、組織的に地域との対話を推進してまいります。

 以上、これからの県政運営に当たりましての、私の基本的な考え方を申し述べました。今後、議会でのご議論も頂きながら、これらの施策を着実に実行してまいりたいと考えます。

 議員の皆様並びに県民の皆様のご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

当面の県政課題への対応について
 続きまして、当面の県政課題について、申し上げます。

森林環境税の延長等について
 森林環境税は、これまで県民参加による森林環境の保全や、次代を担う子どもたちへの環境教育、さらには県産材の利用を拡げるPRの取り組みなど、森林に対する県民の皆様の理解の促進や森林環境の保全のために有効に活用してきましたが、今年度末で適用の期限を迎えます。

 このため、昨年度以来、県民の皆様にご意見をお聞きしてまいりましたところ、多数の方々から制度を延長することへのご支持を頂きました。

 さらには、これまでの議会でのご議論や、県民の方々と学識経験者で構成する森林環境保全基金運営委員会の検討結果を踏まえますと、県民の皆様のご理解とご協力を頂きながら、森林の荒廃をくい止め、地球温暖化を防止していくことに引き続き取り組んで行く必要があると判断いたしました。

 そこで来年度から5年間、森林環境税の期限を延長することを今回提案しています。

 また、延長にあわせまして、その使途などの見直しを行います。

 具体的には、現行の税負担額を維持した上で、整備の対象とする森林を見直し、公益的機能を増進する森づくりを一層進めるとともに、県民の方々が主体となる森林環境の保全活動を支援することを柱に、事業を実施することとしました。

 また、この税の目的に賛同して寄せられる寄附金も、新たに森林環境保全基金に積み立てることができるようにしたいと考えています。

 このうち、公益的機能を増進する森づくりについては、荒廃森林の発生予防と、二酸化炭素の吸収機能の向上の両面で大きな効果が期待される若齢林の整備に、今年度から前倒しで、取り組むこととしています。

医師確保対策について
 次に、医師確保対策についてです。
 今回の選挙の期間中、県内各地域の方々から、医師不足に関する不安の声を多くお聞きしました。地域の医療の充実を図るため、医師確保対策を着実に進めてまいる考えです。

 このため、これまで、県として取り組んできました高知大学との共同による寄附講座の開設や、医師養成のための奨学金制度などの中長期的な対策に加え、県外の医師を対象に本県で働く機会のPRや斡旋を行う「こうち医師ウエルカムネット」を充実することとし、即戦力となる医師の確保に向けた取り組みを強化してまいります。

 今後とも、医師確保に向けた本格的な対策を推進するとともに、この問題については、県レベルでの取り組みでは限界があることを踏まえ、国の責任で制度的な対策が講じられますよう、私自身、今後、国に対して強く働きかけてまいります。

療養病床の再編成について
 また、療養病床の再編成についても、しっかりとした対策を講じていく必要があると考えます。

 療養病床に入院されている方は、一人暮らしで介護なしには日常生活を営むことが困難な方が多いため、こうした方の行き場がなくならないようにすることをまず第一に考えなくてはなりません。

 そのためには、今の病院の施設をできるだけ有効に活用し、入院されている方の医療や介護の必要性に応じた施設に転換することが必要となりますが、この夏の意向調査によりますと、医療機関の多くが、まだ今後の対応を決めていない状況です。

 そうした中、今回、県内で初めて、診療所の療養病床が、老人保健施設に転換することとなりましたため、これを支援する経費を補正予算案に計上しております。

 今後とも、現在、策定しています療養病床の転換推進計画を医療機関にお示しした上で、今回のような転換事例も参考にしていただきながら、入院している方々の行き場がなくならない形での転換が図られますよう、地域の医療に携わっておられる方々などと話し合いを続けてまいります。

 また、国に対しては、これまでも転換先となる施設の面積基準の見直しなどを要望していますが、今後も、介護保険や医療保険の制度を設計している国の責任において、地方の実情を踏まえた再編成を実現するよう、転換を支援する施策の充実などを働きかけてまいります。

花・人・土佐であい博について
 次に、「花・人・土佐であい博」についてです。

 この10月、11月には、「プレ花・人・土佐であい博」として、各地域で22のイベントを実施するなど、来年3月からの「であい博」本番が県民挙げての取り組みとなりますよう、関係者の方々と県が連携をして、その機運を高めてきています。

 「であい博」では、地域ごとの優れた資源を活かしたイベントや、四季ごとに高い集客力を持つ特別イベント、さらには、牧野植物園の開園50周年記念事業の「五台山花絵巻」などを開催します。

 今後、地域や観光関係の方々と協力して、それぞれのイベントが一層魅力あるものとなるよう準備を進めるとともに、イベント同士をうまく組み合わせることなどにより、「であい博」を滞在型・体験型の観光地づくりの起爆剤とするよう、積極的に取り組んでまいります。

知事の給料の減額の継続について
 次に、知事の給料についてですが、厳しい財政状況の下、特例の条例による知事の給料の減額期間が、橋本前知事の任期中とされていましたことから、このたび、他の特別職や一般職の職員の給与を減額していることに合わせまして、今年度末まで継続することとしました。

来年度の予算編成について
 さらに、来年度の県予算の編成について申し上げます。厳しい財政状況の下ではありますが、重点化・効率化を徹底し、来年度の県予算を、県民生活の向上、県経済浮揚に資するものとしてまいりたいと考えております。

 国と地方を通じた歳出削減の政府方針に変わりがない中、国においても地方重視の風が吹いているとはいえ、決して、予断を許す状況ではありません。

 来年度予算に関しましては、こうした国の動向と各部局の予算見積りを吟味しながら、編成作業を進めてまいります。

議案の説明
 続きまして、以上ご説明いたしました当面の県政課題に基づき今回提案しました議案についてご説明します。

 まず予算案は、平成19年度高知県一般会計補正予算など6件を提案しています。

 このうち、一般会計補正予算は、職員の給与の改定と職員数の削減に伴います人件費の減額や、災害復旧費の増額のほか、先ほどご説明しました森林環境税を活用した若齢林を整備するための事業費の追加など、総額で4億5千万円余りを計上しています。

 また、条例議案は、職員の給与に関する条例及び一般職の任期付研究員の採用等に関する条例の一部を改正する条例議案など9件です。

 その他の議案は、平成20年度当せん金付証票の発売総額に関する議案など7件です。

 報告議案は、高知県が当事者である和解に関する専決処分報告の1件です。

 以上をもちまして、議案に関しましての私からの説明を終わります。

 何とぞご審議の上、適切な議決を賜りますようお願い申し上げます。 

 

 

高知県 総務部 秘書課

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