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知事講話 (平成22年4月2日)

公開日 2010年04月07日

〔平成22年4月2日(金曜日) 正庁ホール〕

  平成22年度が昨日からいよいよ始まりました。これに合わせまして、今年度の県政運営にあたっての方針について皆様方にお話をさせていただきたいと、このように思います。引き続き、繰り返しとなることもたくさんありますけれども、私が繰り返して申し上げることほど、私としては重要だと思っていることでございます。ぜひとも、皆様方ちょっと我慢をして話を聞いていただきたい、そのように思います。

(挑戦の年)

 今年度「挑戦の年」と位置付けたわけであります。去年は「実行元年」でありました。なぜ実行元年だったかは、皆さんもうお分かりだと思いますが、産業振興計画をはじめといたしまして、新たに何をすべきなのかという計画を打ち立て、そしてそれを初めて実行していくと、そういう年であったから実行元年だったわけであります。言葉で言えば簡単な話でありますけれども、本当の意味で実行していくということは大変なことであります。計画を作る、しかしそれを本当に実行していくということとなれば、単にもちろん机上の空論ではいきません。

講話する尾﨑知事 多くの関係者の皆さん、県庁の中どころか民間の皆様、多くの方々と一緒になって手を携えて物事を実行していかなければならないわけであります。人間関係の問題も出てきますでしょう、想定外の問題も多々出てきますでしょう。PDCAサイクルを回していきながら本気で実行するんだという意気込みで、この実行元年を過ごしていただいたわけでございます。私は概ね皆さんよくやっていただいたと、そのように思っております。この実行元年、本当に大変であられたことと思いますけれど、皆さんよくやっていただいた。本当にこの場をお借りして心より御礼申し上げたいと思います。本当にどうもありがとうございました。

 そして今年度は「挑戦の年」と位置付けております。挑戦をしていくという年。なぜ挑戦なのか。今「龍馬伝」をはじめとして一種、高知のブームが起こりつつあるという状況。いろいろな形で追い風が吹いてきています。しかしながら、この追い風、1年後には必ず止むでしょう。もう一つ、この追い風、もう10年、20年来ないかもしれないというような千載一遇のチャンスであります。これを生かし切ることができなければ後世の人たちから「あの時、何をしよったんや」ということを言われるのは間違いがございません。今この時が、高知県にとって高知県史にとって極めて重要だと思うから、だからこの時、あえて積極的に前に出ていって、後世に繋がっていくような礎を築いていかなければならない。そのためには果敢に挑戦をする。追い風が吹いておってもそれで安心をするのではなくて、あえて前に出ていくような、そういう姿勢が必要であると、そういう思いから「挑戦の年」と位置付けさせていただいたわけです。

 何よりもこの挑戦していきたいと思っているのは、この私であります。私が一番挑戦をしなければなりません。県庁の皆さんもぜひ一緒に挑戦をしていただきたいと、そのように思います。そしてそういう中で県民の皆様の中に、私たちも一緒に挑戦をしてやっていこうじゃないか。そういう大きな流れが出てくることを、私は期待をいたしております。誰よりもこの私が汗をかいてまいります。皆さんもぜひ大いに汗をかいていただきたい。そうすることで県民の皆様全体に長年にわたる閉塞感から希望が見えてきた、やる気が湧いてきた。そういうふうになってこそ、次世代に繋がる成果を上げていけるのだと、私は思っております。ぜひとも県庁の皆様方、実行元年に引き続いて、この実行元年の成果を土台としていただきながら今年度に臨んでいただきたいと思います。

(人口減少と高齢化への対応)

 高知県は人口減少と高齢化に、すさまじい人口減少と高齢化に悩み続けてまいりました。考えてみればこのことが明確にデータ上も意識されるようになってきたのは近年のことかもしれません。しかし過去のデータをひも解いてみますれば、いろいろな指標が、例えば有効求人倍率もしかり、市町村別のGDPデータの推移もしかり、平成12年ぐらいごろから、高知県はずっと停滞を続けてきているということを見てとることができます。日本全体ではそうではありませんでした。平成12年から19年にかけては、いざなぎ景気を超えるかという好景気だと言われた時代であります。

 それにも関わらず高知県は浮揚することができなかった。四国の他県は一定浮揚することができておりました。高知県だけ浮揚することができなかった。約10年間にわたって景気が低迷し続ける状況が続いてまいりました。こういう状況がどういう影響をもたらしたか。経済的に苦しいというだけではありません。何よりも心配なのは県民の皆様方、お一人お一人の中にずっしりと鉛のように重い閉塞感、これが行き渡ってしまったことではないのかなと、私は思っております。

 これを打破しないといけません。人口減少と高齢化の課題、この課題、毎年例えば推計してみれば名目GDPを1パーセントぐらい押し下げるぐらいのとてつもない逆風であります。すさまじい縮み効果が高知県を襲ってきているわけです。ゼロパーセント成長を達成するということは、他の県でいけば1パーセント成長を達成するぐらいのことなのかもしれません。それぐらい高知県において上に上がっていくということは大変なことであります。しかしそれを何とかやり遂げていかなければならない。

 どのようにしてこれを達成するのか。その点については産業振興計画で、例えば地産外商戦略を打ち立てたように、今や明らかになっているはずであります。何をすべきかは見えてきました。これをいかに実行していくか。そして1年実行していった成果を、土台を踏まえて具体の成果に繋げていくか。それが今年度問われていることだと、そのように思います。

 人口減少と高齢化、いずれ全国にも行き渡っていくでしょう。多くの県が少しずつこの点を意識するようになってきているなと。知事会で他の知事さんと議論をさせていただいておっても、いろいろな論調を読んでおってもじわじわと実感をいたしております。はや山陰の県、九州の一部の県、東北の一部の県、明確にこのことを意識し始めた対応も始まってきているんではないのかなと思っています。

 ただ、まだまだ全国規模での対応ではございません。国全体がこういう状況に対してどう対応していくかについて、私はまだまだ明確な対応策は示せているとは思えない。内需主導の経済回復を図らなければならないなどという施策、方針が公に語られるに至っては、私はこの人口減少、高齢化の本当のデメリットというものがまだ国全体の課題として、共通認識されているわけではないなと、そのように思っています。

 要するに、我々にはこのすさまじい逆風に立ち向かっていかんとする我々にはお手本はないのであります。我々自身で自ら対応策、打開策を見出していって、道を切り開いていかなければなりません。ただ逆の見方をすれば、真っ先に人口減少、高齢化社会に突入した本県だからこそ、真っ先に突入したからこそ、真っ先にこの課題を克服することができれば、後に続いてくる県にとっては、高知県ほど希望のある県はないということになるんだと、私は思っています。

 多くの県がこの高知が経験してきたこと、そして高知がこのように乗り越えたということを真似するようになるでしょう。真っ先に克服することで日本の中でも最も希望ある県になりたい。私はそのように思っています。そうすることが真の意味での高知県の発展であり、高知県の希望であり、そして人々、一人ひとりが希望の持てる社会づくりに繋がっていくのだと考えております。ある意味、日本史の中においても歴史的な使命を我々は果たさんとしているのではないかというふうに思います。お手本はない。自らで切り開いていく。ある意味、やりがいのあることではありませんか。ぜひ皆々さまと共に手を携えて、この難局に向かっていきたいと、そのように思います。

(経済対策)

 当面の県政課題について、もう皆様お分かりのことと思いますけれども、改めて特にポイントとなる点につきまして、五つの基本政策に沿ってお話をさせていただきたいと、そのように思います。

 第1は経済対策であります。緊急経済対策、こちら、切れ目なく間断なく実施をしていかなければなりません。ただ昨年度と違って緊急経済対策のありようについては若干気を付けないといけないところがあるのではないかと考えております。足元の経済指標、高知県非常に厳しいわけではございますが、全国ではやや持ち直しの動きがみられます。高知県においてもそういう動きが一部に見られるようになってまいりました。全国のマイナスを、影響を、特に遅れて受けるきらいの強い高知県でありますから、最も気の抜けない県になるんだろうと思いますけれども、これからは一方的にアクセルを踏んでいるというだけではいけないかもしれません。ブレーキを踏まないといけないタイミングというのを見極めないといけない時期も、今年はくるかもしれません。ぜひとも足元の経済指標、こちらにそれぞれの職場の中で大いに意を払っていただきたいと、そのように思います。統計というのは新聞に出てくるだけのものではございません。統計課の方でいろいろな研究もしてもらっております。先行指数、一致指数、遅行指数、これらをじっくりと見ていきながら、いつ、どの段階で緊急経済対策を加速をし、減速をし、また加速をする中、きめの細かさが今年は求められてきているんではないかと、そのように思っているところでございます。それが第1。

(産業振興計画の加速化)

 そして経済対策の第2はいうまでもありません。産業振興計画の加速化ということであります。地産外商、これをしっかりと成し遂げていけるだけの強い経済体質づくりに今年度もまい進をしていかなければなりません。去年1年間、多くの皆様方の徹底した努力によって、一定程度、ある意味想定を超えた形で成果の出てきた部分もあるというふうに思っています。リーディングプロジェクトとして位置付けた「土佐、龍馬であい博」、想定を超えるお客さまに来ていただくようになりました。ここまでとは正直思ってなかったところがございます。たくさんお客さんが来てくれて本当に良かった。また地産外商の機会につきましても、今年すでにいろいろな形ではありますけれども、65件の外商機会を持つことができた。おかげですでに140件を超える成約、これを地産外商公社の方で作り出すこともできた。

 こういうことも一定、想定を超えたスピードで物事は進んでいるということではないかと思います。担い手対策もしかり、いろいろな点において成果は出てきている。そのように思います。しかしながら気を付けなければならないのは、これらの出てきている成果。先ほど来申し上げている一種の龍馬ブーム、高知ブームに乗っているからこそ成し遂げられたという側面が大きいものが多い。この点は大いに気を付けていかなければなりません。

 もちろん足元、いろいろこういういい動きが出てきていることは喜ばしいことでありまして、そこは素直に喜んだらいいと思いますが、ただここで出てきている成果をブームが止んだ後においても、次に繋がっていけるような自立的な動きに繋げるということを常に意識して対応をしていく必要があります。高知産品フェアをホテル全店舗でやってもらった。素晴らしいことです。PR効果はあるでしょう。しかし来年はやってくれない可能性が高いわけです。それでも来年やってもらえるようにするためにはどうするのか。1回1回のフェアでいい成績を収め、そのフェアを主催してくれた人たちとしっかりとした人間関係、人脈を作り、しかも県庁のものとだけとせず、民間の皆様方がそういう人間関係を作れるようにしていく。そうすることで、来年度以降も、今度はブームは関係なく、そのクオリティーの高さでもってして、また外商機会を我々に与えてくれることとなるでしょう。このようなことを常に意識して、今の追い風を本当に単に追い風ではなくて、内燃機関のものとして、自分たちの自発的な動きとして繋げていくためにはどうすればいいか。この点を特に意識をしていただきたいと、そのように思います。

 そしてもう1点は、いろいろな広がりが県民の皆様の中にも出てきたというふうに思います。しかしながらまだまだ足りません。いろいろな若い人たちの新しいアイデア、やる気、これをもっともっとこの高知県の産業振興の全体に繋げていけるようにするためにはどうすればいいのか。そういうことをぜひとも意識をしていただきたいと、そのように思います。

 産業振興計画の大きな柱は先ほど申し上げたブームが終わった後の対応。ポスト「龍馬伝」ということ。これも大きな改定の柱でありますが、もう一つの大きな改定の柱は、地域におられる多くの皆さんのやる気とアイデアというものをいかに形にしていくか。多くの人々とともに仕事ができるようにして、これらのアイデアを形にできるようにするか。そのために県庁が何ができるかということを主眼として改定をしているわけです。

 ステップアッププランというものも作りました。人材育成の多様なメニューというものも準備をいたしました。全ての狙いは先ほど申し上げたところにあります。この点をぜひとも意識をしていただきたいと思います。そのためには職員一人一人の方々が産業振興計画の狙うとこは何で、具体的な事業とは何なのかということを、県民の皆さんお一人お一人に説明ができなければなりません。ちなみに産業振興推進部本部に属しておられる職員の皆さんは、今申し上げたことは当然のことであります。しかしながら、ぜひそうではない皆さん方にもこの点をお願いしたいと思います。産業振興推進本部に入ってはいないかもしれません。しかしながら、産業振興計画の基本論ぐらいは、例えば近所の方から問い合わせがあったときには一定お答えができるように。こういうことをやろうとしてますよ、こんなようなメニューがあるらしいですよ、詳しくはここに聞いてください、パンフレットってこんなのもありますよくらいのことはぜひ言えるようにしておいてもらいたいと、そのように思います。ぜひまだ読んだことのない人は、簡易版のパンフレットをぜひ読んでいただきたいなと、そのように思います。少なくても連絡先ぐらいは分かるようにしておいていただきたいなと、そのように思う次第です。

 産業振興計画について3点目。他県との競争を意識しなければなりません。この点については、特に観光の分野において、長崎といいウィンウィンの関係を築きながらもいい意味での競争をしてきたと、そのように思っております。他の県もいろんな形で産業振興に取り組もうとし始めております。今、時代の流れは単純なマクロ経済政策、それによって対応していこうという流れではありません。規制緩和とか公共事業対策であるとか、そのような形だけで何とかなるという形にはなってない。むしろ個々、個別のミクロ政策をいかに積み上げていくことで経済振興を図っていくかということに主眼が置かれているように、私には思えてなりません。それに呼応したいろいろな地域の動きというものが出てきております。

 愛媛県においても本県の産業振興計画に似てるんじゃないかとも思うところもありますけれども、いろいろな計画を立てて対応を図ろうとしてきております。いろんな県がそれぞれの努力をしている。我々が売り込みを始めたから、だから売り込みが図れるというほど世の中は甘くはないでしょう。他の県もやっている。その他の県の1歩も2歩も先を行っていかなければなりません。普通であってはいけません。オーソドックスな対策をとっていくことも重要ですが、その上でさらに他の県の1歩も2歩も先にいく対策をとっていかなければならないのであります。挑戦の年ということを申し上げました。挑戦の年であるということは、普通ではいけないということであります。他の県よりもすごいと思われることをぜひ意識していかなければなりません。

 今年1年もいろいろな行事がありますでしょう。何々甲子園、何々祭り、毎年の行事がいろいろあるでしょう。追い風が吹いているこの年において通年と同じやり方でいいのか。例えば、そういうことをぜひ意識をしてもらいたいと思います。1歩前をいかなければならない。そういうことを考えたときに、単なる営業活動を積み重ねてるというだけでいいのか。他の県がやってないことをやってなければ駄目なんじゃないか。我々高知県は他の県が経験したことのない10年間もの停滞期間を経験した県であります。発射台がそもそも低いんです。だからこそ余計突き抜けたことをやらなければならない。その点はぜひ意識をしていただきたいと、そのように思います。

(教育改革)

 教育改革について。緊急プランを作ったのが平成20年度、そして教育振興基本計画を作ったのが平成21年度でありました。平成22年度よりいよいよ国語対策も含めて、フルラインナップで政策が実行されていくこととなります。

 今年はいよいよ具体の成果を示していかなければならない年だと、そのように思っております。具体的に授業を変え、具体的に放課後を変えるということがぜひとも重要であります。私はある意味、施策が一定出そろったのではないかと。相当努力をしていただきました。国語対策などについても、短期・中長期、それぞれ課題を分けていきながら、今できることはすぐに。中期的にやるべきことについても、今から取り組もう、それぐらいの勢いでやってくださったのではないかと思っています。

 放課後の学び場づくりについても、急ピッチで取り組みを進めてくださいました。いろんな取り組みを進めてくれたと私は思っております。しかしながら、施策が出そろった今こそ気を抜いてはいけないと私は思っています。インプットとアウトプットの話は後でもう一度申し上げたいというふうに思いますけれども、投入量が最大限になったときこそ気を付けなければなりません。政策の投入量が十分なレベルに達したであろうということをもって、満足してしまうということがあってはならないということであります。具体的に意図した効果を本当に一つ一つの授業で生かされているんだろうか。放課後の宿題に本当になっているんだろうか。できなかった子どもの補習がしっかりできてるだろうか。このことを確認をしていかなければならないのだと思うわけです。

 土佐の教育改革を10年やってまいりました。土佐の教育改革10年をやってくる過程で学力向上、これを正面から課題と見据えてやっていこうじゃないかという土台ができ上がった。これは土佐の教育改革の大きな成果であったというふうに思っております。しかしながら、具体的な学力向上に結びついたか。そこはまだまだでありました。それを今やろうとしているわけです。ただ一つ過去の反省を踏まえて対応するとすれば、本当にとろうとした施策が教室まで行き届いたか。放課後まで行き届いたか。そこの詰めが甘かったというところにあるんではないかと私は思っております。そういう意味においては、そこの詰めがしっかりできるかどうかという点、今からこそが土佐の教育改革で果たし得なかった課題を達成する、できるかどうか、その正念場となる時期だと思うわけでございます。

 この教育改革の点についても、ぜひとも県庁職員の皆様方、大いに意識をしていただきたいというふうに思います。皆様方もまたお父様でありお母様であられ、また地域のリーダーであられる方もたくさんいらっしゃるのではないかと、そのように思います。教育改革として、具体的にどのようなことをやろうとしているのか。これをぜひ勉強していただいて、近所の皆さんにもお話をしていただきたいと思います。決して教育委員会事務局だけの課題ではありません。県庁全体の課題として意識しての対応をぜひともお願いを申し上げたいと思います。

 教育改革については、本当に嬉しい話がありました。体力テスト、改善率は全国1番だった。やればできるという勇気を私たちに与えてくれたというふうに思っております。この流れをより広げていきたい。深みのあるものにしていきたいと、そのように思います。ぜひとも頑張っていただきたい、そのように思います。一緒に頑張ってまいりましょう。

(日本一の健康長寿県構想)

 日本一の健康長寿県構想、こちらをいよいよ打ち出しました。日本一の健康長寿県構想、それぞれの施策をそれぞれ実施をしてきたわけでございますけれども、いよいよ構想として体系化した形での対応を図ることとなりました。この日本一の健康長寿県構想、1本1本の施策、一定実績を挙げてきたものもあります。あったかふれあいセンターもある。それから医師確保の新しい仕組みも出来上がってきました。医療センターについても難しい交渉を乗り切ることができたと、そのように思っています。

 日本一の健康長寿県構想として、あえて全体像をまとめあげた、その狙いというものをぜひ意識していただきたいと思います。いわずもがなであります。それぞれの施策はそれぞれに大いに影響を与えるという側面が非常に強いのが、この医療、社会福祉政策ではないかと思うからです。福祉の充実は医療の充実にも繋がっていく。福祉の充実は子育て支援にも繋がり、ひいては経済対策やそして教育にも影響を及ぼしていく。生活に密着した課題に関わるだけに相互の連関というものが非常に大きいものであります。ぜひそれぞれの仕事をされるにあたっては、その全体像ということを意識した対応、これをしっかりと図っていただきたいと、そのように思います。

(インフラの整備)

 インフラ整備の促進について。今年は正念場となる年ではないかというふうに思っています。国においても必ずしも公共事業というもの、インフラ整備というものについて、ポジティブな評価がなされている時代ではございません。むしろネガティブな評価をされているところも多いのではないか、そのように思います。

 すでに公共事業にしても、インフラ整備にしても、十分な量以上、行き届いた、そういう県もありますでしょう。そういう県はいいんです。でも本県、何度も申し上げておりますが、道路の整備率全国最下位、鉄道路網の整備率は全国、こちらも最下位なのに道路の整備率全国最下位。1人当たりの水害被害額、全国1番。図抜けて高い1番、なのに河川の整備率全国最下位。そういう状況にある県でございます。長年にわたってインフラ整備が遅れてしまった。私たちの払った税金がすでにもう十分だと思っている人たちの地域に投入されて、私たちの所に回ってこなかったという側面もあるでしょう。私たちもこのインフラ整備の重要性ということを訴えていく、この取り組みをもっともっと強化をしていかなければなりません。

 正直申し上げて私はこれは地域のエゴではないと思っています。そうではない。必要なインフラ整備を進めていくということ。無駄なことをやってはいけませんが、必要なインフラ整備を、その効果を享受できるということは、日本国民共通の権利だと、私は思っております。特に少子高齢化が進む県であればあるほど、人口減少が進む県であればあるほど、機械力に頼らなければならない。人工構造物に頼らざるを得ない、そういう点も出てくるわけであります。そういう意味においてもインフラ整備は本県においてぜひとも必要であります。

 この点をいかに都会の皆さんにも分かってもらえるような論理の展開を図っていくかどうか。ここが非常に重要であります。私たちはインフラ整備が必要だというだけでは、地域のエゴだと受け取られかねないわけであります。そうではない。これはこういう理由で必要なのだということをいかに全国レベルで通用するような理屈を作っていくことができるかどうか、ここ正念場です。今年度の戦いを乗り切ることができれば、本県後々に至るまでインフラ整備、一定程度進むことができる。その礎を作れるでしょう。ぜひとも、土木部の皆様方はじめ関係部局の皆様方、その点に意を用いて頑張っていただきたいと、そのように思います。

(南海地震対策)

 安全・安心の確保について。南海地震対策をはじめ、この数年間において、さまざまな対策、計画が作られてまいりました。その計画が本当にうまく回るかどうかについて、例えば防災訓練などについても、どんどんと実践的な形での防災訓練が図られるようになってきたと、私は思っております。うまくPDCAを回してくださいました。ただ、先日のNHKのテレビでもやっておりましたけれども、危機管理部も一緒に監修をして作られたものであるそうでございますけれども、特に南海地震をはじめとする災害、通常の人々の想像を絶するほどの大被害をもたらしかねないものでございます。

 今後30年の間に60パーセントの確率でやってくる、この南海地震への対応。ハード・ソフトの両面において、着実に対応を進めていかなければなりません。一定時間は限られております。予算も限られております。そういう中で対応策をどう図っていくか。優先順位付けというものを意識して、まずやっておかなければならないこと。これを着実に進めていく。そういう姿勢がぜひとも必要であろうかと、そのように思う次第です。

 南海地震対策をはじめとして危機管理部の方々だけではありません。産業振興の関係の方、福祉の関係の方、教育の関係の方はじめすべての関係部局の皆様方が、あのNHKの番組でやっておった津波の映像など、ぜひともあれをリアルなものとして実感をしていただいて、どういう対応策を自分たちの中でとっていくべきか。意識をしていただきたいと、そのように思っております。

(職務に臨むにあたっての姿勢)

 改めて以上の県政課題を推進していくにあたって、重きを置いてもらいたい。職務に臨むにあたっての姿勢についてお話をさせていただきたいと思っています。去年、私これを申し上げた時は、皆さんぜひこれを意識してもらいたいということを強く申し上げてきたことでありましたが、今年度はもう多くの皆さんがそのように仕事をしてくれていると、そういう前提の下でお話をさせていただきたいと、そのように思います。

(アウトカム重視)

 まず第1にアウトカム重視の姿勢でもって日々の仕事をしていただいたというふうに思います。政策の投入量が増えたから、インプットが増えたから、もしくは政策をやったという実績が一定重なったから、いわゆるアウトプットが増えたからというだけで終わってしまっては絶対にいけません。行政の自己満足にこれは過ぎないのであります。具体的にどのような成果を県民の皆様方の元にもたらすことができたのかということをぜひとも意識した取り組みをやっていただきたい、そのように思います。 

 アウトカム重視の姿勢でもって日々の仕事をこなしていただきたいと思います。そのためには不断のPDCAサイクルを回していくことが重要です。産業振興計画を1年に1回、大幅な形で改定をいたしたというのもございますけれども、実際にはその前に日々仕事をしている中で、常にこのPDCAを意識していっていただいて、執行の段階で微妙なさじ加減を変えたり、アクセルとブレーキの踏みどころを変えていったり、そういう対応をぜひとも図っていただくように、そのことを強くお願いを申し上げたいと思います。

 このアウトカム重視という点について一つだけ申し上げたいと思います。もう多くの方はお分かりだと思いますが、あえて申し上げたいと思いますけれども、特に、比較的若い職員の皆様方の中に、私自身が霞ヶ関で仕事をしておった経験、反省から申し上げたいと思うことでございますけれども、ここのところを間違ってもらっては困るというところがございます。というのは、仕事は部長室をクリアすればいいんだとか、知事室をクリアすればいいんだとか、それでは済まないということです。知事室に説明に入った。知事室で了解をもらった。ああ良かったねと、それが目的ではありません。逆に言えば、仕事をなぜやるのかという理由を挙げるときに、知事に言われたからこの仕事をしますであるとか、部長に言われたからこの仕事をしますでありますとか、そういうことだけではいけないのです。なぜ仕事をするかというと、それは県民の皆様のために、こういうことをしなければならないからだという公務の要請があるから仕事をしているのであります。

 私はいろいろな行政で仕事をしていた時に、特に忙しくなればなるほど、相手が怖い上司であればあるほど、とにかくその会議をクリアすることを是として、それを目的として仕事をしてしまったという反省を持っております。ただ年を追えば追うほど、段々仕事の先にある世の中というものが見えてくるようになってくる。その時にペーパー上、何とか上司を言いくるめられればそれでいいという姿勢について、大いに反省をした経験を持っております。

 今日ここで接しておられる皆様方は、幹部職員の皆様でいらっしゃる。そういうことは敢えて申し上げることはないかと思いますけれども、ぜひとも県庁一丸として会議室の先にある公務の要請というもの、世の中の叫びというもの、ぜひとも意識をした仕事をしていただきたいと思います。そうであれば、なぜ仕事をするのか。知事に言われたからだとか、部長に言われたからだとか、課長に言われたからだとか、そういうような理由ではないということが分かっていただけるはずだというふうに思います。世の中のために、こういうことをやらないといけないから、こういう仕事をするですということかと思います。その点、強く意識するように部下職員の皆様をご指導を賜りたいと、そのように思います。そういう姿勢であれば、おのずとアウトカム重視の仕事ができるようになります。ぜひともその点を徹底していただきたいと、そのように思っております。

(県民の皆様への説明責任)

 それに関連しまして大きな2点目になりますけれども、県民の皆様への説明責任ということを深く意識をしていただきたいと、そのように思います。官民協働型でなければならない。今のような高知県においては官民協働でなければ県政は成り立ってまいりません。民間のことは民間で、官は官でという姿勢でもって対応できるほど、今の状況は甘くはない。民間の皆さんの自助努力を官がしっかりバックアップ申し上げる。そういう姿勢でなければならない。しかしながら、それを真に達成するためには、県民の皆様方に官として何をしようとしているかということをしっかりとご説明をしておくことが大前提となるわけでございます。分かりやすい形で何ゆえに、誰が、どのようなことを、いつまでにしようとしているかということがきちっと説明できるということがぜひとも重要であります。

 是非とももう一度、この説明責任を果たすというときに、自分の言ってることがいわゆる役人言葉になってはいないか。決まりがそうなっているからそうなんですとか。そういうことになってはしないか。そういうことを思いをいたしていただいて、なぜなのか、どのようにやろうとしているのか、そういうことをしっかりご理解賜うように説明をすると、そういう姿勢をぜひとも重視をしていただきたいと、そのように思います。ぜひともお願いいたします。いろいろな広報ツール、多様なツールをそろえて今、県の広報も取り組まんとしているところです。戦略的な広報、意義のある広報、真に県民の皆様の腹に落ちる広報、これを心がけて頑張っていただきたいと思います。

(職務上の安全装置)

 最後になりますけれども、仕事の量、スピード共に大幅に増加をいたしております。仕事の量も大幅に増えている。仕事のスピードも大幅に増しています。今年度、平成22年度予算の提案理由説明を作っている時に本当に思いました。平成20年度当初予算を作っている時、私はできるだけ議会に詳しく県のやろうとしていることを説明したいと思った。まずしっかり説明して、一定の高い発射台から議論を始めることが県議会での議論も充実をさせ、いい審議に繋がり、誤りのなき県政に繋がっていく。そういう思いからであります。

 平成22年度の提案理由説明を平成20年度の提案理由説明と同じぐらいの密度で書こうとすると、原稿が約2時間分ぐらいになりそうだった。20年度の時は1時間ぐらいでありました。私はその時思いました。正直、量にしても2倍ぐらいになっている。しかもスピードも大幅にアップをいたしております。「実行元年」皆さんが一生懸命頑張ってくださったことの裏返しでもあると、そのように思っております。あえて逆を申し上げるようですけれども、量が増えスピードが上がった段階においては、安全装置というものを徹底して働かせていかなければなりません。安全装置を働かせていくということであります。部下職員の皆様方の心身共の健康、これに大いに意を払っていただく。ある意味、良い意味でのワークシェアを図っていただくなどという指導もぜひお願いしたいと思います。それができるチーフ制という組織になっているのが高知県庁の良さではないかとも思っておるところです。ぜひともその点に意を用いていただきたいというふうに思います。

 また、コンプライアンスを受け持つ組織、そちらにおきましてはぜひとも従前以上にそのチェック体制を強化していただきたいと思います。そして何よりここにおられる幹部職員の皆様お一人おひとりが、その点を強く意識してください。そのためにその課の所掌事務というものについて、できる限りの把握度を高めていっていただきたいと、そのように思います。課の課長であり、課の組織に乗っかってゆったりとしてればいいと言えるほど、今、高知県庁はのんきな仕事をしているわけではありません。課長さんお一人おひとりがしっかりと課の所属の仕事内容というのを把握できるようにしておく。その上でどれだけ部下職員の皆さんに口を出すかは、それぞれのリーダーシップのスタイルであります。ただ、しっかり把握するということをぜひお願いしたいと思います。量と質が増えている今において、最大の安全装置は上司が部下の仕事をしっかりと把握しているということだと、私は思っております。ぜひともその点をお願いしたいと、そのように思う次第です。

(おわりに)

 本当に昨年度、実行元年1年間、皆さん頑張っていただきました。本当に心より感謝を申し上げたいと思います。今年度果敢に挑戦をする年、この追い風を生かして、「あの年に高知県は変わり始めた」と、そう言ってもらえる年となるよう頑張ってまいりたいと考えております。誰よりも私自身、汗をかいてまいります。皆様方もぜひ一緒に私と共に汗をかいていただきたいと思います。県民の皆様と共に手を携えて、この高知県を、人口減少と高齢化というものを真っ先に克服した日本の中でも希望のある県にするように頑張っていこうではありませんか。ぜひとも皆様方のご努力、奮起をお願い申し上げて、私からのお話とさせていただきます。

 どうもご静聴ありがとうございました。

高知県 総務部 秘書課

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