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知事の定例記者会見(平成24年5月10日)

公開日 2012年05月14日

知事の定例記者会見(【高知県版第1弾】南海トラフの巨大地震による津波浸水予測)

平成24年5月10日(木曜日) 9時30分から10時10分  第一応接室

津波浸水予測の概要説明
記者との質疑

配布資料
 1 【高知県版第1弾】南海トラフの巨大地震による津波浸水予測 [PDFファイル/116KB]
 2 【高知県版第1弾】南海トラフの巨大地震による津波浸水予測 公表後の県の対応 [PDFファイル/1.78MB]
 3 津波浸水予測図 [PDFファイル/47.63MB]
 4 各部局の南海地震対策取り組み方針 [PDFファイル/309KB]


津波浸水予測の概要説明

(知事)会見する尾﨑知事
 皆さま、朝早くからお集まりいただきまして誠にありがとうございます。今回、高知県版の津波浸水予測を推計いたしましたので発表させていただきたいと考えております。
 今回、発表いたしました浸水予測図は、お手元にありますこのA3の資料に掲げられておるものですが、3月31日に国が新しいシミュレーションを行って出した津波想定高、さらには揺れの予測のモデルに基づいて、それだけの津波が来れば実際県内でどれだけ浸水するであろうかということを推計したものです。
 3月31日の国の推計に基づいたものであり、50メートルメッシュの推計です。さらには津波防潮施設などが機能しないという前提で作った推計図であり、3月31日の国の推計に基づいた最悪レベルの予測とみなせるものです。

 今回の第一弾の発表は、今後1日でも早く津波避難対策を進めていくために、できるだけ早くという思いで、本日発表をさせていただきました。
 今後は、第二弾の津波浸水予測を秋頃にもう1回発表させていただきたいと考えております。第二弾は、まず第一に、国が今後発表するであろう10メートルメッシュの推計に基づいたものにいたします。さらには、津波の到達時間についての様々な時間的な問題、どれぐらいの時間で津波が到達するかということでありますとか、防潮機能が機能すればどうなるかとか、さらには、河川の遡上高はどうなるであろうかとか、よりきめの細かい点を反映し、さらに加えまして、過去に実際起きました津波の痕跡も一定程度反映した形で発表させていただきたいと考えておるところです。

 今後、県として今回発表しました津波浸水予測に対応して、津波避難対策、そして、揺れに対する対策を全速力で進めていきたいと考えておるところです。
 考え方として言えば、今回発表した津波の浸水予測図はあくまで最悪レベルの予測図でありますが、他方でこういうことも起こり得るという思いで対応を進めていかなければならないと、また、こういう状況になったとしても県民の皆さまの命は守るんだということで今後の対策を進めていきたいと考えておるところです。

 (資料2 【高知県版第1弾】南海トラフの巨大地震による津波浸水予測 公表後の県の対応を示しながら)こちらの資料の下にも、今後の県の対応というところで書いてありますけども、今後の津波避難対策は、最悪のケースにおいても県民の皆さまの命を確実に守ることを基本として進めていくこととし、今回の津波浸水予測に基づいて避難場所の確保や再選定作業を早急に進めていきたいと考えているところです。
 ちなみに、第一弾と第二弾の推計結果に差異が出る可能性は当然あります。推計結果に差異が出た場合は、この津波浸水予測図をもう一度見直して、一定避難対応の見直しを行うことも当然あり得ることだと考えておるところです。ただ、とにかく急がなければなりませんので、今回、推計を発表いたしまして対応を進めたいと考えています。

 海岸とか河川堤防等の大規模なハード施設につきましては、こちらにもありますように、発生頻度の高い津波に対して備えるものとして整備するという対応を図りたいと考えています。最悪レベルの津波に対して備える堤防を作ることはいろんな意味において非現実的であります。
 また、日常生活にもものすごく不便なものになってしまう可能性があるということです。山よりも高いような堤防を作らないといけないとか、そうなると日常生活に支障が出てくることもありますでしょうし、作るための時間もものすごくかかることになるでしょう。こちらについては、発生頻度の高い津波に対して備えるものとして整備するという方針でいきたいと考えています。
 ただ、それであっても、最大クラスの津波に対して粘り強い構造を発揮する。避難時間を稼ぐといった機能も持ったものとして整備するように、今後取り組みを進めたいと考えているところです。

 県としての今後の対応について、資料を二つお示しさせていただいております。こちらが県としての対応です。そして、こちらは、県がこれから国に対して訴えていこうと考えておるものです。

 (資料2 【高知県版第1弾】南海トラフの巨大地震による津波浸水予測 公表後の県の対応を示しながら)まず、こちらの県の対応について、このあと、南海地震対策推進本部会議を開催します。そのあと、市町村の皆さんとの話し合いの機会を本日中に持つことといたしておるところですが、その場において今後の県の対応について、まず基本方針、そして具体の点についてお話させていただきたいと思っています。
 基本方針といたしましては、今年度の上半期を目処に揺れ対策を含めた避難場所や避難経路の設定見直しを進めたいと考えております。その際、避難方法の選択肢を増やす取り組みを同時並行的に進めていくことが極めて重要だと考えています。設定見直しが完了した箇所から、選択した避難施設の整備を速やかに進めたいと考えているところです。

 これをより具体的に申しますと、第一に、迅速な情報の共有を図るということです。本日、南海地震対策推進本部会議を開催します。また、本日、副市町村長さん達にお集まりいただいて、今回の新しい浸水予測図の説明会、さらに今後の対応方針、どういうふうに対応していくのか、この対応方針についての説明会を開かせていただきたいと考えております。また、11日より県の方から赴き、各市町村との協議を開始いたしまして、5月末までに各市町村との間でより具体的な、より突っ込んだ協議をさせていただきたいと考えております。

 2番目でありますが、津波避難場所の設定見直し作業の実施です。県としては、避難方法の選択肢を増やす取り組みを大急ぎで進めていかなければならないと考えています。そして、選択肢を市町村や地域に提示していきます。さらに、市町村が行われる取り組みについて、「こうち防災備えちょき隊」の皆さんとともに全面的に、人的そして財政的にサポートするという取り組みを進めたいと考えています。
 津波避難計画の策定や見直しを地域の皆さまと一緒に行うため、まず、地元代表者の皆さんへの説明会を市町村と県が一緒に開催し、6月末までに概ね終えたいと考えています。そのうえで9月末を目指して、避難場所や避難経路の設定見直しをできれば地域の皆さまと一緒に進めさせていただきたいと考えています。繰り返しますが、「こうち防災備えちょき隊」、さらには、県職員が一緒になってこの設定見直しについていろいろ知恵出しをしていく、汗をかくという取り組みを進めたいと思っています。

 さらには、今年の秋に発表いたします第二弾の想定を受けて再点検を行い、年度末を目指して津波避難計画を最終的に仕上げていくことができればと考えているところです。
 市町村におかれましては、市町村の津波避難計画の見直し、各地域での避難計画の見直しを受け、年度末を目指して全体としての避難場所・避難経路の設定見直しと修正を行っていただきたいと考えておるところです。
 年度途中でありましても、避難場所・避難経路の設定が随時出来上がれば速やかに揺れ対策を含めた避難施設の整備に着手していきたいと思っています。既にもう作っている施設もたくさんありますけれども、その施設の再見直しが必要なところは、その整備にも着手しなければならないと考えているところです。

 県の諸計画の見直し、そして、国への働きかけも同時に従来のスケジュールどおり行っていきたいと考えています。
 命を守るための選択肢をできるだけたくさん持っておくことが非常に重要だと考えておるところです。まず第一に、津波発生時の適切な避難先を確保するために、自然地形の高台という選択肢もあろうかと思いますが、もう一つ、避難対象地域から一定距離が離れた広場を避難場所として指定するというやり方もあろうかと思います。

 23年度までに整備済みの避難場所・避難路が、279箇所あります。平成24年度に整備予定のものが既に152箇所あり、これらにつきましても、さらに一定見直しが必要なものについては、追加的に見直しを行っていき、さらには、追加的な指定をしていくことになろうかと思います。
 また、津波避難ビルの指定をさらに進めていくことも必要です。逆に1回指定したものを解除しないといけないというケースも出てくるかもしれません。さらなる津波避難ビルの指定を行っていきます。

 そしてもう一つ、津波避難タワーや津波避難シェルターなど、技術的な検討を要するものもあります。選択肢を増やす観点から津波避難タワーについては、設計方法の標準化を行っていく。さらに、津波避難シェルターについては、技術検討委員会での検討を行っていくと。それぞれ5月着手、4月着手と書いてありますが、速やかにこちらについて技術的な積み上げを行っていって、選択肢として提示できるものに仕立て上げていきたいと考えているところです。

 さらにもう一つ。事前復興の観点からの対策を行っていくことも重要だと思っておりまして、高台への集団移転や現位置での高層化、こちらにつきましても選択肢としてもっておくことが必要かと思っているところです。
 ただ、これにつきましては、膨大な財政負担なども伴うこともあります。さらには、いろいろ時間的にもかかるだろうと思われるところもあります。今の制度では、なかなかこれではうまくいかないところがあると思っていまして、国に対してこれ(高台への集団移転)が速やかに進むような後押しをする制度を設けてくれるように政策提言をしていきます。現在、どういう政策提言をしていくか、庁内高台ワーキンググループで検討を行っている状況です。

 津波避難計画の策定見直しにあたっての支援といたしまして、きめ細やかな情報提供、相談を行っていくために、県としても防災備えちょき隊の皆さんと一緒に取り組みを行っていきます。
 さらに、市町村の財政的な支援ということですが、津波避難対策推進事業費補助金があり、3分の2の補助率でもって津波避難計画づくりを支援するための補助金です。こういうものも使っていただきながら、さらには、皆さまご存知のとおり緊急防災・減災事業債を活用いたしまして、市町村負担ゼロで施設整備を行うことのできる25年度までの制度となっていますが、こちらの制度も使っていただきながら、様々な施設整備を速やかに行っていただきたいと考えております。

 (資料4 各部局の南海地震対策取り組み方針を示しながら)ちなみに、こういう紙をお手元にお配りさせていただいておるところですが、従前より申し上げておりますように、南海地震対策の取り組みは、本当に県民生活全般に関わる広範囲にわたるものであるわけでして、そういう観点からも全庁挙げての取り組みが必要だと考えてきました。
 そういうことで今回、このあとの南海地震対策推進本部会議で詳しく協議いたしますけれども、こういうかたちで各部それぞれが今回の浸水予測を受けて、今後どのような対策をとっていくかについて、この3枚の紙に掲げさせていただいております。また、こちらもご参照いただければと思います。
 例えば、地域福祉部において福祉避難所の指定促進や機能強化のためにどのように対応していくか、おおまかな方針や、全体としての対応策をまとめさせていただいておりますので、また、是非こちらをご覧いただきたいと思います。

 国に対して、南海トラフ超巨大地震対策を進めていくため、いろんな対応を図っていただかなければならず、そのための政策提言を引き続き行っていきたいと考えております。
 何と言いましても、特別措置法を作っての対応策が極めて重要だと思っています。超巨大地震・津波に対応した対策の枠組みの創設、さらには財政支援制度の創設、さらには、超巨大地震・津波に対応した大綱・要領の策定、この3本柱を内容とした特別措置法が是非とも必要だと考えておるところです。
 事前復興の観点からも、高台移転や現地の高層化をしっかりと現実的に進めることができるような、そういう制度の創設が是非とも必要だと考えています。新しい津波避難のための選択肢を整備していく後押しを是非してもらいたいと思っております。

 そして、もう一つ。特に西側の方の予知・観測体制が非常に脆弱です。こちらについても早期に予知・観測体制の充実を図ることが必要だということを強く訴えていきたいと考えておるところです。

 県といたしまして、今後、新しい津波浸水予測図に基づいて、全庁挙げて全力でこの津波避難対策、そして揺れ対策を今後進めていきます。スケジュールをしっかり定めて、このスケジュールに則ったかたちで取り組みを進めていきたいと思っておりますし、また、市町村ともしっかりと連携して取り組みを進めていきたいと考えております。
 その際、我々といたしましても、「こうち防災備えちょき隊」の皆さまと共に、県職員が、現地に入らせていただいて、地域の皆さんと共に、そして、市町村職員の皆さんと共に津波避難対策に全力をもって取り組んでいきたいと考えておるところです。
 今後、様々な課題などが実際には出てくる場合もありますでしょう。その課題などに対しても一緒に知恵を絞って取り組みを進めるという姿勢が非常に重要だと思っておるところです。


記者との質疑

(福井:テレビ高知記者)
 今回の新予測なんですけれども、高知にとってどういった意味をもたらすものなのか。また、その新予測を通じて、県民と沿岸19市町村の自治体に対してどういったメッセージを伝えていきたいとお考えなのか、お願いします。

(知事)会見する尾﨑知事
 まず、今回の津波浸水予測図は、3月31日の国の推計に基づいて我々として計算したものですが、あくまで最悪の条件下で最悪の事態が発生した場合の最悪レベルの予測だとお考えいただきたいと考えております。
 そういうものでありますから、ある意味、冷静に受け止めていただくことが非常に重要だと思っていますが、他方で、こういうことも理論的には起こり得るんだということで、今後の津波対策を進めていくことが非常に重要だと考えています。

 特に、県民の皆さまの命を守る津波からの避難対策につきましては、こういう最悪の事態を十分念頭において進めていくという姿勢で取り組んでいきたいと考えておるところです。
 今日すぐに各市町村の皆さまとの協議を開始することとしておりますように、この津波避難対策は、地域の皆さんと密接に連携して進めていくことが極めて重要だと考えておりまして、従前以上に地域の皆さんと県とが連携させていただいて、この対策を進めていきたいと考えておるところです。

 逆に言いますと、津波浸水の予測図が無いと、実際のところ、どういうふうに対応をとっていいかというのが今一つわからないところもあったんだと思っています。これが出たことで、それぞれの地域でどういうふうに対策を進めていけばいいのか、具体的に歩みを進めることが出来るようになったとも言えるんじゃないかと思っておりまして、今回出たこの想定に基づいて、地域の皆さんと協議をして、具体的な施設整備などを速やかに進めていきたいと考えています。

(大山:高知新聞記者)
 今回の想定を見られて、その高さに対する知事の率直な印象をお伺いします。また、なるべく早く(想定を)出したいという思いはわかるんですが、この時期に出されたのは、予算的だったり制度的な関係でこの時期に出したというような部分があるのかということと。もう一点、今回、最大(レベルの)推計に基づいて逃げる対策をとられるということですけど、100年に1回(程度の頻度で発生が見込まれるような最大レベルではない規模)の津波に対しても逃げる対策をとらないといけないと思うんですが、その辺りとの兼ね合いをどうとっていかれるのかということを教えてください。

(知事)
 まず、最後のほうからお答えさせていただくと、最大クラス、300年(に1回程度で発生が見込まれる)クラス、100年(に1回程度で発生が見込まれる)クラスなど、様々なレベルの津波が考えられるんだろうと思うんですけれども、基本的には、この最大クラスの津波からも人の命を守るような避難施設の整備を進めていくことが、大基本方針だと思っています。

 ただ、最大クラスの津波避難対策というのは、300年に一度とか、100年に一度の津波にも対応できるようなものにしておくことが大事だと思っていまして、大は小を兼ねるというようなかたちで取り組みを進めていきたいと考えているところです。
 次に、この時期に何故出したのかということですが、確かに、今後の国の政策提言などを考えると、この時期がよいだろうという考えもあるんですが、何と言いましても、津波避難対策を一刻も早く行っていきたいということです。

 県民の皆さまから「最大津波高30メートルと言われても、一体どこがどのようになるのかという具体像がわからなければ、具体的な対策の進めようがない」という声がたくさん上がってきていました。我々としても、まさに同じ思いであり、「具体的に対策を踏み出せるようにするためにも、この津波浸水予測図を出さなくてはならない」「できるだけ早く出すことが重要だ」という思いで、今回、出させていただいたということです。

 最後に、これ(今回想定した津波浸水高)についての受け止めということですが、先ほども申し上げましたけれども、非常に浸水域が広がり浸水深も非常に高くなったという意味において、非常に厳しい結果だと思っております。他方で、これは、あくまで最悪の条件が重なった最悪レベルでの予測です。県民の皆さまにはこの点を冷静に受け止めていただきたいと考えております。
 ただ、こういうことも理論的には起こり得るんだということを念頭におきまして、今後の避難対策を講じていくことが大事だと思っています。
 人の命を守る対策、特に避難対策につきましては、この予測図をもとに今後鋭意進めていくという方針で行っていきたいと考えています。

(小坂:毎日新聞記者)
 役場機能の問題なんですけども、沿岸19市町村のうち、新たに4つ加わって計11市町村の本庁舎が浸水域に入ってくるということで、実際に災害が起きた時に、防災拠点として機能しないのではという危惧があるんですが、その辺りの対策というのは、今後(行っていくのですか)。

(知事)
 市町村の皆さんと役場機能をどう維持し続けるかという問題をよくよく話し合うことが非常に重要だと思います。他方で、地域によっては、(役場が)避難場所として非常に期待される場所にあるということもあろうかと思います。そういう点をよくよく考慮して、その役場機能をどうするかを考えていくことが重要かと思っています。

 ちなみに、県の施設でも、既に少し設計の見直しを行った事例がありまして、例えば、あき総合病院も、病院がずっと機能し続けるために必要な電源装置などを全部上に上げたりしています。仮に1階が浸水したとしても病院機能は生き続けるように設計の見直しをしました。それから、安芸総合庁舎も、1回工事を止めて、津波が来たとしても建物として生き残るという構造を目指して再設計のうえ、下部の補強をしたところです。

 津波の浸水域の中にあって、あえて津波避難施設として機能するようにするという考え方もあるでしょうし、そうありながらも同時に防災センターとしての役割をしっかり果たせるようにしていくという考え方もあるでしょうし、それぞれの地形によってそこは大いに変わってくるんじゃないかと思いますので、そういう点も、よく市町村の皆さんと話し合いをさせていただくことが重要かと思っております。

(中丸:NHK高知記者)
 先ほど、第一弾と第二弾の推計結果に差異があった場合は、避難場所の再整備を行うとか津波対策に万全を期するとおっしゃったんですけども、第一弾と第二弾とでは、50メートルメッシュと10メートルメッシュということで、メッシュが全然違うので当然差異は出てくると思うんですが、第二弾が出るのは秋ということなんですけど、まだいつか決っていませんけど、国の10メートルメッシュが出ると思うんですが、50(メートルメッシュ)と10(メートルメッシュ)では地形効果とか全然違いますので、差異が出た場合に混乱する住民の方もいるんじゃないかなと(考えます)。少し違う二つの指針が出てくるということになると思うんですけど、国のほうが出た場合に知事としてはどういうふうに(対応するつもりですか)。

(知事)
 (対応は)二つあります。
 一つは、そんなに大きな差異は出ないだろうと思っています。基本的に50メートルメッシュで推計しても10メートルメッシュで推計しても、それほど大きなズレにはならないんじゃないのかと予測しておるところです。他方で、さっきも申し上げたように、6月末までにいろいろ説明をしていくとか、9月末を目指していろいろ見直しを進めていく時に、ここの地域については、かなり変わってしまったなという所については、情報を十分反映して皆さんと避難計画の見直しを行うと。そういうきめ細かな対応を図らせていただきたいと思っているところです。

 秋に出す予測は、10メートルメッシュに変わるから、より精緻になるという側面もあるだろうとは思いますが、到達時間がどうなるだろうかとかいう問題をより詳細に考慮するということとか、いろんな構造物がどういうふうに機能するかというようなことを考慮するとか、川の遡上の問題をよりきめ細かく推計するとか、動体的な動きをより正確に把握するような予測にしたいと思っているところです。そういう意味では、10メートルのメッシュが出ただけで、すぐ対応できるというよりも、よりきめ細かな計算を積み上げていく必要があると思っています。
 秋に出た予測をいわば確定版として最終的な対応を図っていくことになります。それまで必要な情報を十分織り込んで計算を積み重ねていきたいと思っているところです。

(角田:産経新聞記者)
 黒潮町は、深刻な数字が出ているんですけども、この数字に対する率直な感想をちょっと(聞かせてください)。

(知事)
 確かに、非常に厳しい数字だと思っています。だからこそ、早く実際の浸水状況がどうなるかを把握して、対応策を練っていく必要があるんだろうと考えています。
 前回の推計の時は、黒潮町34.4メートルでした。これだけだと、ちょっと対応の取りようがなかなか難しかったわけですけど、今回、こういう(津波浸水予測図という)かたちで見ていただければ、大体どの山なら大丈夫ということが一定おわかりいただけるような状況になってきているんじゃないかと思います。
 黒潮町長さんも真剣にこの問題に、取り組んでおられるわけでして、県としっかり連携して二人三脚で対応を進めていくようにしていくことになると思います。

(角田:産経新聞記者)
 内陸部の方も20メートルを超えるという具体的な数字が出ていることから、やっぱり不安に思うなと言われても、どうしても不安に思って(しまうのではないでしょうか)。

(知事)
 現実問題として津波が来たらそうなり得るということで、これは自然の脅威ですから、これ自体を無いことにしましょうとは当然できないわけであり、この大変な脅威に対して敢然と立ち向かっていくことが非常に重要だと思います。
 そういう非常に厳しい条件になる所があるからこそ、(資料1 南海トラフの巨大地震による津波浸水予測を示しながら)こういうかたちで色んな選択肢を設けておいて、地形によって最適なものを選んでいく取り組みが非常に重要だと思っているんです。単に避難場所を山の上に作っていくだけでは対応できないところもやはり出てくるんだろうと思います。

 だから、事前にやはり高台に移っておこうとか。ただ、高台に移ったとしても、仕事は海のそばでやるということも出てこられるでしょう。そういう場合においては、高台に集団移転したとしても、津波の避難シェルターだとか高い避難ビルだとかをしっかり設けておくことが重要なケースも出てくるんだろうと思います。
 多様な選択肢の中から、現実的な視点でより具体的に、その選択肢を選んでいって、とにかく、こういう津波が来ても命だけは助かるような対応をとれるように取り組みを進めていきたいと思っています。

(植村:高知放送記者)
 黒潮町は言うに及ばず市町村の大きなテーマで、財政負担の課題がかなりあると思うんですけども、ここ(財政支援策)の中で、緊急防災・減災事業債をベースにした新たな財政支援のスキームというのが書いていますけども、それをもうちょっと具体的に(教えていただけますか)。

(知事)
 新たな財政支援スキームというのは、市町村負担が0%になるという24年度から新たに始めた制度のことを言っております。

(大山:高知新聞記者)
 大規模なハード整備については、100年なりある程度短い周期、間隔で起こる地震を想定して整備されるということで、多分、その部分に関しても、今後、財政支援などを求めていくことになると思うんですが、その想定する地震については、例えば、昭和にするとか宝永にするとか、そういうのは多分まだ具体的に決められてないと思うんですが、それはいつぐらいまでに、どのように設定するかというような方針は(ありますか)。

(知事)
 それは実際、地形ごとに津波の設計をする時に計算をしていくことになるんじゃないのかと思っています。その地域の堤防をどうするかは、この地域においてはどういう高さの堤防にするのがいいだろうかということを具体的に計算していく中で決まっていくんじゃないかと思います。そこのところはおっしゃるとおり、まだまだ技術検討を積み上げなければいけない側面があるんだろうと思います。

 ただ、堤防が地震で崩れると、全く機能しなくなる。それともう一つは、例えば、津波の引き波で流されて倒れると、次の第二波には全く機能しなくなってしまうということが起こります。
 実際に揺れや液状化にも強くて崩れ去らなくて、かつ、津波が来たとしても、押し波と引き波の両方に対して崩れ去らないという堤防であれば、その堤防の高さ分、そのパワーを減殺することができますし、あわせて到達時間を遅くするという効果を持つことができるようになります。できるだけそういう粘り強い構造で津波に対して減殺機能を発揮し続けるような堤防の整備をすることが非常に重要じゃないかと思っています。
 まだ今の段階で、どの地震ということをはっきり言える状況にはないと思います。

(大山:高知新聞記者)
 少し関連する部分なんですけど、やはり県民の中で、次の南海地震はどんなものなのか、県民に聞くとどこでも上がる声だと思うんですけど、そこに対する答えととして、次がどんなものなのか、ある程度具体的に県民が備える部分に対する答えというようなものは、今後示されていくようなお考えはあるんでしょうか。

(知事)
 現在の科学的な知見で、次の地震がどういうものかということをはっきり言えるかということじゃないでしょうか。
 やはり、あくまで人の命については最悪の状況に備えることで対応していくのが重要だという考えを示しているところです。
 それぞれの津波によって、発生頻度の高さやこの時にはどうなるかとかいうことについても一定考慮していくほうが、津波避難計画を作る時に非常に現実的だという場合も出てくるんだろうと思いますので、この秋に出す想定の時は、過去の津波では(例えば)慶長の時はどうだったといったような痕跡を一定お示しすることを考えているところです。

 これまでにボーリング調査を100箇所くらい行っています。それから、この寺の石段の何段目まで来たとか、いろんな古文書の洗い出しの結果に基づいて、過去どうだったということが大分わかってきつつありますので、秋には、その部分についてもあわせてお示しするようにしたいと思っています。

(西森:高知さんさんテレビ記者)
 先ほど第一弾の発表と第二弾の発表が、国の10メートルメッシュが出たとしても、差異はないでしょうか。

(知事)
 地域への説明は、これ(今回の津波浸水予測)に基づいて行っていくんですけど、ただ、いつになるのかわからないんですけど、仮に10メートルメッシュの想定が出た時、仮に大きく差異が出るような所については、その10メートルメッシュも根拠に入れて説明するということです。

 あくまでベースはこれです。ただ、プラスマイナスαがあるかもしれない。それは10メートルメッシュの推計なども見て、プラスマイナスαをしたほうがいいなと明らかに思われるところは、そういう説明をしていくということです。
 あくまで、秋にもう1回出すものを確定版とさせていただきたいと考えています。それまでは、あくまで第一弾プラスマイナスαで説明をするといった感じです。

(西森:高知さんさんテレビ記者)
 津波の到達時間というのが、結構、避難路とかの検討に非常に大事だと思うんですけども、多分6月末までの地元の人への説明会の中で、それをかなり参考にされると思うんですけども、9月以降に出されるものが大きく変わる可能性というのは、あまりなさそうだと(お考えですか)。

(知事)
 避難計画を考えていくうえで、津波の到達時間をどう考えるかというのが非常に大きなことになってくるんだろうと思います。
 ただ、結局は、その到達時間が何分などというのも、どこまで正確に見渡せるかということです。だから、やっぱり最悪のことを考えれば、この場所ではこういう津波に対して速やかに逃げるとしたらどこだという考え方になるんじゃないかと思うんです。この津波浸水予測図でも相当の対応は図れるようになるんじゃないかと思っているところです。

 あくまで、それでも見直しを要することが出てくれば、第二弾に基づいて見直すという発想です。
 今年の秋までずっと一切対策を取らないのかということにはならないと思います。とにかく、とれる対策を今から進めていくということです。

(松井:高知新聞記者)
 今回、県民の皆さんが地図を見た時に、自分の職場とか家がどれくらい浸水するんだろうという情報が、まず一番知りたいんじゃないかと思うんですけれども、これは地図を見ても何となくざっくりはわかるけれども、2メートルから3メートルなのか、4メートルから5メートルなのかという、色分けが非常に小さく、見づらいという意見もあります。ホームページで拡大すれば見られるんですけれども。高齢者の皆さん一人ひとりにまで周知をすべきだと考えているのでしょうか。それには、ネットとかどういうメディアで(周知していきたいと考えているでしょうか)。

(知事)
 そうですね。私なんかでも正直、虫眼鏡を使って見るぐらいになります。ご指摘のとおりだと思うので、見やすい方法を考え、皆さんにわかるようにさせていただきたいと思います。

(松井:高知新聞記者)
 それと、県民の約半数を占める高知市で、かなり浸水域と深さが広がりましたけども、このことに対しては(どうお考えでしょうか)。

(知事)
 特に高知市民の皆さんと接していて、皆さんが思われたのは、高知市全域が14メートルとか15メートルという津波に襲われるんだろうかというような感想をもたれた方が非常に多かったと思います。
 これ(資料2 津波浸水予測図の12ページを示しながら)を見ていただくと、地震が起こって沈降した後、こういうかたちで浸水していくということです。その後、津波も来てこういうかたちで浸水することを示したものですが、、例えば、潮江だったら3メートルくらいまで浸水する、より厳しいところで4メートルくらい浸水するという図になっているんだと思います。逆に言いますと、例えば、3階以上の建物だったら緊急避難場所として機能するとか。ただ、ちょっと流速のこととかもう一段検討を深めないといけないと思うんですけど。そういうふうに考えられるようになってくると思うんです。例えば、津波避難場所を考えていくにあたって、これだけの高さであれば十分機能すると、この図を見ていただいたら一定わかっていただけるようになるんじゃないかと思うわけです。

 是非そういうかたちで具体の対策として、津波避難タワーや津波避難ビルをたくさん指定していくことが必要になってくると思いますので、それに対する対策をこの図を見て進めていきたいと思っているところです。

(中丸:NHK高知記者)
 例えば、一般の人から問い合わせがあったりしたら、自分の家がどうなんだとか、この地区どうなんだというと、よく見えない、わからないという方が多分いると思うので、そういう人には問い合わせのたびに答えるのか、その辺りはいかがですか。

(知事)
 (問い合わせがあれば)答えます。
 最後に、今回ちょっと心配していますのは、前回にも申し上げたことなんですけども、津波の高さが非常にクローズアップされている中で、むしろ低い津波についての関心が薄れてしまうということをむしろ怖れているところでして、特に沿岸部では、低い津波であっても流速が速ければ非常に破壊力が大きいということです。

 是非、津波の高さが3メートルで低いから大丈夫ということではなくて、とにかく大きな揺れを感じたら避難するという態勢を作っていく。そのためにも、まず揺れが起こったら、それに対し、家が崩れないとか、その耐震化をしっかり進めておくとか、避難路がふさがれないようにブロック塀の対策を進めておくとか、そういうことが重要だと思っております。いろんな意味においてこの対策自体大変なこともありますけど、県全体として市町村の皆さんと、地域の皆さんと連携して取り組みを大いに進めていきたいと考えていますので、どうぞよろしくお願いいたします。

(司会)
 それでは、以上で記者会見を終了します。

 

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