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平成25年3月県議会での知事提案説明

公開日 2013年03月01日

平成25年3月高知県議会定例会での知事提案説明 (3月1日)

1 平成25年度の県政運営について
(1)県政運営と国の動向
(2)平成25年度当初予算及び平成24年度補正予算について

2 5つの基本政策に基づく県づくり
(1)県民の安全・安心の確保に向けた地域の防犯、防災の基地づくり
 ア 対策の見直しの総仕上げ
 イ 津波避難対策
 (高台移転について)
 ウ 県の応急対策活動の体制の見直し
 エ 防災教育の徹底
 オ 南海トラフ巨大地震対策特別措置法の早期制定に向けて

(2)経済の活性化
 ア 第2期産振計画の改定のポイント
 (ア) 移住促進策の抜本強化
 (イ) 外商活動の次なる展開に向けて
 (ウ) ものづくり産業の強化
 (エ) 観光振興の取り組み
 (オ) 産業人材の育成
 (カ) 一次産業の取り組み
  a 農業分野
  b 林業分野
  c 水産分野
 (キ) 再生可能エネルギーの推進

(3)日本一の健康長寿県づくり
 ア 第2期健康長寿県構想のバージョンアップ
 イ 保健・医療の分野
 (ア)各種計画の見直し
 (イ)がん、高血圧対策と子どもの頃からの生活習慣対策
 (ウ)安全・安心な出産環境づくり、医師確保対策
 ウ 福祉の分野
 (ア)地域の支え合いなど
 (イ)療育福祉センターと中央児童相談所の今後のあり方
 (ウ)ねんりんピックよさこい高知2013

(4)教育の充実と子育て支援
 ア 教育の充実
 (ア) 学力・体力向上対策
 (イ) 非行防止対策
 イ 永国寺キャンパス

(5)インフラの充実と有効活用
 ア 四国8の字ネットワークの整備
 イ 高知新港振興プラン

 (6)中山間対策について
 ア 集落活動センター
 イ 「産業をつくる」取り組み
 ウ 「生活を守る」取り組み
 エ 鳥獣被害対策

3 その他
(1)「まんが王国・土佐」ブランド化事業について
(2)航空路線新規就航(名古屋線)について
(3)高知龍馬マラソンについて

4 談合防止対策

5 議案


 本日、議員の皆様のご出席をいただき、平成25年3月県議会定例会が開かれますことを厚くお礼申し上げます。

 ただ今提案いたしました議案の説明に先立ちまして、当面する県政の主要な課題についてご説明を申し上げ、議員の皆様並びに県民の皆様のご理解とご協力をお願いしたいと思っております。

 

1 平成25年度の県政運営について

 

(1)県政運営と国の動向

 私は、2期目の県政運営にあたり、課題解決の先進県となることを本県の目指すべき方向と見定め、各種施策についての目標を明確に掲げ、困難な課題に真正面から取り組むことを旨としてまいりました。

 取り組みを進める中で、既に成果が出始めたものも見られはしますものの、多くの県民の皆様に県勢浮揚の実感を持っていただくようになるためには、より一層の取り組みの強化が必要な状況にあります。

 全国に先行した人口減少や高齢化、縮小を続ける地域経済、南海トラフ巨大地震への備えなどといった困難な課題の解決に向けて、ひるむことなく立ち向かっていくためには、まず何よりもこうした課題に真正面から取り組む真摯な姿勢が必要だと、私自身が今改めて実感しているところです。

 また、誰もが経験したことのないような課題を乗り越えていくためには、明確な成果目標を定め、それに向かって県庁組織が一体となって創造力を発揮し、常に新しい物事にチャレンジしていく積極的な姿勢を持つことが欠かせません。

 あわせて、市町村との連携や官民協働の取り組みを深化させることにより、各種の課題への取り組みにあたり、関係者が同じ方向感を共有し、一体感を持った取り組みがより進むようにしていくことも重要であります。

 こうした基本姿勢の下で、来年度も引き続き、私自身、県庁職員と共に、知恵を出し、汗をかいて、県民の皆様と共にさらなる飛躍に向けた挑戦を続けてまいります。

 昨年末に発足しました第2次安倍内閣は、「経済の再生」を最重要課題と位置付け、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略という「三本の矢」を、一体的かつ強力に実行することにより、長引くデフレや円高から脱却し、雇用と所得の拡大につながる経済成長の実現を目指しております。

 新政権の発足以降、その経済政策に対する期待感から、市場の動きは、円安・株高にシフトをいたしてきておりますが、今後、こうした流れを持続的で安定した経済成長につなげていくためには、策定が始められた成長戦略が極めて重要となってまいります。

 今後、安倍政権において、実効性のある成長戦略の策定と、その速やかな実行が図られることを心から期待するものであります。

 県としましても、産業振興計画の取り組みに、こうした国の施策の中から、本県の実情に合った有益な施策を十分に取り込むことを目指してまいります。

 あわせて、経済政策にとどまらず、新政権の今後の政策運営が、5つの基本政策を中心とする本県の県勢浮揚に向けた取り組みの大きな後押しとなることを期待しておりますし、これまで以上に国の動向を注視しながら、機を捉えた政策提言を行うなど積極的な情報発信に努めてまいりたいと考えております。

 こうした中、先の日米首脳会談におきまして、環太平洋経済連携協定、いわゆるTPPに関して、「交渉参加に際しては、全ての物品が交渉の対象とはされるものの、全ての関税撤廃を前提とはしない」ことなどを主な内容とする共同声明が発表されました。これを受け、総理は、昨日の施政方針演説において、今後、政府の責任において交渉参加の判断を行うことを表明されています。

 県としましては、TPP交渉は、農業分野にとどまらず国民生活の全般に影響を及ぼすものであることから、そのメリット・デメリットなどについて十分な精査を行い、国民の皆様の納得を得た上で、慎重な判断を行う必要がある政策課題である、との基本姿勢に変わりはありません。

 今後とも引き続き、時々の状況について、東京事務所を中心に政府関係者からの情報収集に努めますとともに、影響が心配されます業界関係者の皆様や同じ利害を有します関係県、あるいは全国知事会などとも連携を図りながら、県民生活を守るための取り組みを進めてまいります。

(2)平成25年度当初予算及び平成24年度補正予算について

 次に、本県の来年度の予算案及び3月補正予算案についてご説明申し上げます。

 今回の予算編成にあたっては、喫緊の課題である南海トラフ巨大地震対策の抜本強化をはじめとする課題解決先進県を目指した取り組みの一層の推進に向けて、国の補正予算において創設されました地域経済活性化・雇用創出臨時交付金なども活用し、限られた財源で最大限の事業を実施できるよう、知恵を絞り、工夫を徹底いたしました。

 その結果、来年度の一般会計当初予算案は、5年連続で前年度を上回る4,456億円余りと、さらなる飛躍へ向けた挑戦を行うための積極型の予算案となっております。

 また、景気の下支えに配慮するとともに、南海トラフ巨大地震対策や立ち遅れているインフラ整備のさらなる加速化を図るため、普通建設事業費につきましても、5年連続で前年度を上回り、3月補正予算案に計上しております国の経済対策分も含めた13カ月予算ベースで見ますと、平成16年度以来9年振りに1,000億円を超える1,139億円余りと、対前年度比で38パーセント増となる事業量を確保しております。

 他方、このように南海トラフ巨大地震対策などに積極的に対応しながらも、財政規律をしっかりと維持し、引き続き将来に向けて安定的な財政運営を行っていくよう努めたところであります。

 歳入面では、県税収入や地方交付税の減が見込まれていることも踏まえ、国の経済対策を活用した有利な財源の確保を図る一方、歳出面では、行政のスリム化による人件費の抑制や積極的な事務事業の見直しを行うなど歳出削減に徹底して取り組み、財源不足額の圧縮に努めました。

 特に、本年度は、予算編成にあたり課題解決先進枠を創設し、各部局の創意工夫による積極的な事業のスクラップアンドビルドを進めた結果、約10億円、計94件の事業の見直しと新たな課題に対応する施策のバージョンアップが図られたところであります。

 他方、これらの取り組みを実施してもなお生じる財源不足への対応については、今後の財政需要を見据え、昨年に引き続き退職手当債を発行することで財政調整的な基金の取り崩しを抑え、将来への備えを一定程度確保することといたしました。

 この結果、南海トラフ巨大地震対策をはじめ、直ちに講ずべき対策に積極的に対応しても、実質的な地方交付税である臨時財政対策債を除く県債残高は6億円の減少となり、県債残高の減少傾向を維持できております。さらに、来年度末の財政調整的な基金残高についても、昨年9月の財政収支の試算を20億円程度上回り、136億円程度を確保できる見通しとなっております。

 このように、当初予算及び3月補正予算の編成を通じて、国の経済対策などを最大限活用することにより、課題解決先進県を目指した取り組みを積極的に進める一方、財政の健全化に向けた後年度負担の軽減と将来への一定の備えの確保を図ることができたものと考えております。

 

2 5つの基本政策に基づく県づくり

 

 次に、来年度の施策や体制などについて、5つの基本政策に沿ってご説明申し上げます。

(1)県民の安全・安心の確保に向けた地域の防犯、防災の基地づくり

 まず、南海トラフ巨大地震対策についてご説明申し上げます。

 ア 対策の見直しの総仕上げ

 県では、昨年12月、今後進めていく対策の根幹となります県版の第2弾震度分布・津波浸水予測を公表いたしました。これを踏まえ、市町村別の人的被害や建物被害の想定について今後公表することとしており、現在取りまとめ作業を急いでいるところであります。加えて、上下水道や電力といったライフライン被害や企業活動に関わる被害などについては、国において未だ推計作業中であることから、今後の国の公表を踏まえ、県版の想定を取りまとめることとしております。これらを合わせ、来年度早々にも、本県で想定される被害の全体像をお示ししてまいります。

 また、第2期南海地震対策行動計画につきましては、現在実施しておりますパブリックコメントの結果や今議会でのご議論を反映するとともに、対策を講じることによる被害の軽減効果の検証を加えた上で、今年の6月頃までには最終の取りまとめを行うこととしております。

 この行動計画は、揺れや津波による被害を軽減させる対策や地震発生後の応急・復旧・復興のための事前準備などについて、県、市町村、事業所をはじめ県民それぞれの立場で実施すべき具体的な取り組みをまとめた南海トラフ巨大地震対策のトータルプランとなるものです。計画においては、4つの視点から南海トラフ巨大地震に備えるために必要となる対策を体系的に整理しており、その第一は、啓発活動や防災訓練などを通じた震災に強い人づくり、第二は、建築物の耐震化や津波避難施設の整備など被害を軽減するための予防対策、第三は、救助救出活動の体制整備や被災者支援などの応急対策、第四は、事業者の業務継続計画の策定などの復旧復興対策となっております。

 今後、市町村や関係機関とも連携し、まずは、津波から命を守るための避難路・避難場所の確保に全力を挙げるとともに、地震火災に対する対策、さらには、助かった命をつなぐための応急対策などについても来年度からの3年間で概ね完了させるべく全力で取り組んでまいります。

 また、河川や海岸堤防の耐震対策など時間を要するものにつきましても、できるだけ早期に効果が発揮できるよう取り組んでまいります。

 イ 津波避難対策

 先月、県より、津波避難対策のガイドラインとなります「高知県津波避難計画策定指針」の中間とりまとめを市町村にお示しいたしました。これにより、市町村や地域の皆様が策定あるいは見直しを進めております津波避難計画の内容の確認や、避難路・避難場所の見直しがさらに進むものと考えております。

 この津波避難計画につきましては、総数で500余りの計画の策定が見込まれており、そのうち、約470カ所が年度内に策定作業を終える見込みとなっております。

 津波からの避難路・避難場所の整備につきましては、新想定公表以前に比べ、現時点では、計画総数が702カ所から1,354カ所と、ほぼ倍増しておりますが、平成25年度末にはその76パーセントにあたる1,033カ所が完成する見込みとなっております。避難タワーにつきましては、現時点での計画総数117カ所に対し、平成25年度末には77パーセントにあたる90カ所が完成する見込みとなっており、引き続き、早期の完了を目指して市町村の支援を行ってまいります。

 あわせて、避難が困難な地域における避難方法の選択肢として検討を進めてまいりました津波避難シェルターにつきましては、まずは室戸市において協議が整いましたことから、来年度に実施設計を行うこととしております。

 (高台移転について)

 津波被害への抜本的な対策である高台移転については、コミュニティの維持や多額の移転費など様々な課題がありますことから、これまでも国に対して、様々な点について制度の改正を提案してまいりました。今後も、引き続き早期の制度改正を国に働きかけるとともに、高台移転を考える市町村との間で、地域の実情に即した移転の手法や活用できる事業について勉強会を開催するなど、移転の具体化に向けて取り組んでまいります。

 他方、自ら避難することの困難な方が利用されている施設が海の近くに多く存在しているという現状があります。私自身、これらの施設の津波避難対策の現状を伺ってまいりましたが、施設を利用される方々を津波から守るためには、やはり抜本的な対策として高台への移転を優先して進めていかなければならないと考えております。

 このため、今回の国の経済対策なども活用し、要援護者施設の高台移転を支援する新たな制度を創設し、先行して取り組みを進めることといたしました。

 保育所や幼稚園などについては、今年度より高台移転の検討を支援してまいりましたところ、現在、5カ所で具体的な移転先や移転候補地が決定し、さらに7カ所程度で具体化に向けた検討が見込まれております。来年度は新たに、高台移転に伴う施設整備への支援制度を創設し、具体的に施設を移転することにより、県の将来を担う子どもたちの安全確保を図ってまいります。

 また、社会福祉施設については、国に対し、高台移転の施設整備の支援の必要性を強く訴えてまいりました結果、補正予算において制度拡充が実現する運びとなりました。これを踏まえ、津波の危険性が高く、自ら避難することの困難な方が利用されている入所型施設のうち、早期に移転が可能な6つの施設について、新たに移転を支援することとしております。

 ウ 県の応急対策活動の体制の見直し

 南海トラフ巨大地震が発生した場合、県は直ちに全庁を挙げた災害対応体制を確立し、応急・復旧・復興の取り組みを進めていかなければなりません。

 そのため、従来の応急対策活動計画を見直し、すべての部署での応急対策業務を明確にする応急対策活動要領を策定いたしました。この活動要領では、発災直後から約1カ月間を時間の経過に基づき4つのフェーズに区分し、それぞれのフェーズにおいて必要となる対策の強化を図っております。まず、発災後6時間までの第1フェーズでは「地震・津波、火災から県民を守る」ための情報の収集・伝達や初動体制の確立などを、次に、72時間までの第2フェーズでは「人命を救う」ための救助活動や医療救護の実施などを、また、2週間までの第3フェーズでは「避難者の健康と生活を守る」ための心のケアや居住環境の整備などを、そして、1カ月までの第4フェーズでは「被災から復旧する」ための応急仮設住宅の建設やライフラインの回復などを業務の中心に据え、すべての部署における対応を再整理しております。

 あわせて、これらが確実に実行できるよう、災害対策本部事務局で行う業務と各部局で担う業務の実施体制を見直しますとともに、応急対策業務の少ない部署から業務の集中する部署へ職員を再配置することなどについても位置付けを行いました。

 この活動要領については、今後さらに内容の強化を図るための取り組みが重要となってまいります。このため、この活動要領に基づく応急対策業務について、部署ごとに、具体的に誰が、いつ、どこで、どのように対応するのかをより詳細に定め、その上で定めた内容を災害対策本部の図上訓練や部局ごとの訓練において実行し、問題点や改善点を抽出しながら、さらに要領を見直してまいります。今後も毎年度、こうした実践・検証・見直しのPDCAサイクルを繰り返し行っていくことにより、災害時における対応の実効性を高めてまいります。

 応急対策を実施するうえで最前線の拠点となる、総合防災拠点につきましては、来年度、拠点の運営方法のほか災害対策本部との連携や拠点における医療救護活動のあり方などについて具体的な検討を行ってまいります。この検討に併せ、室戸広域公園の屋内施設や各拠点の非常用電源設備など、広域拠点に必要不可欠となる施設や設備の整備について、早期に取り組むべきものから速やかに着手してまいります。

 こうした拠点の整備とともに、被災情報の収集、中山間地域の孤立地区への支援や速やかな救命救急活動の実施のためには、空からの輸送手段の確保が大変重要となってまいります。そのため、来年度から市町村のヘリコプター離着陸場の整備に対する補助率を引き上げるなど支援を充実してまいります。

 エ 防災教育の徹底

 学校などにおける南海トラフ巨大地震対策につきましては、いかなる状況下で地震・津波が発生しても一人の犠牲者も出すことのないよう、施設の耐震化などのハード整備に加え、防災教育に重点的に取り組んでまいります。そのために、教職員用指導資料として、防災教育の指導事項や具体的な指導方法を盛り込んだ「高知県安全教育プログラム」を今月末に策定いたします。さらに来年度からは、防災教育副読本も作成し、このプログラムに基づく指導に活用するとともに、研修会などを通じて、防災教育の取り組みを各学校に徹底してまいります。

 このような取り組みにより、本県のすべての子どもたちが地震・津波の特性を正しく理解するとともに、自分を守りきる力や地域社会において自分にできる役割を考え行動する力を身に付けることを目指してまいります。

 オ 南海トラフ巨大地震対策特別措置法の早期制定に向けて

 南海トラフ巨大地震対策を抜本的に進めていくためには、その根幹となる法制度の整備が極めて重要でありますことから、これまでも全国知事会や9県知事会議、9県議会議長会議と連携し、南海トラフ巨大地震対策特別措置法の早期制定を国に対し要請してまいりました。

 さらに、私自身が委員として参加しております中央防災会議の南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループにおいても、同法の制定が特に必要であることを提案し、昨年7月に公表された南海トラフ巨大地震対策の中間報告には、今後国において法的枠組みを検討することの必要性が盛り込まれました。

 特別措置法につきましては、昨年、法案が自由民主党・公明党の両党の議員提案により国会に提出されたものの、衆議院の解散により廃案となりましたが、新政権の下、今国会で再び提出する動きがあります。このため、年明け早々には政府に対し、また先月15日には与党に対しまして9県知事会議及び9県議会議長会議と合同で特別措置法の必要性と早期制定を強力に訴えてまいりました。今後も、引き続き関係の皆様と連携をいたしまして、早期に特別措置法が制定されますよう全力で取り組んでまいります。

 

(2)経済の活性化

 

 次に、経済の活性化についてご説明申し上げます。

 ア 第2期産振計画の改定のポイント

 県経済の活性化を進めるための大きな柱である産業振興計画につきましては、PDCAサイクルによる改善を図るとともに、新たな課題にも対応するため、5つの改定のポイントを中心に施策の大幅なバージョンアップを行うことといたしました。

 (ア) 移住促進策の抜本強化

 一つ目の改定のポイントは、地域と経済の活性化を図るため、「移住促進策の抜本強化」を図っていくことであります。

 他県との競争に打ち勝ち、本県を移住先に選んでもらえるよう、来年度、関連施策を大幅に拡充するとともに、新たに移住促進室を設置し、推進体制を強化することといたしました。そのうえで、県及び市町村の相談窓口などを通した年間の移住者数を平成27年度末に500組以上にするという新たな目標を掲げ、市町村や民間の方々とのさらなる連携強化の下、総力を挙げてこの目標達成に向けて取り組んでまいります。

 もとより、移住をするということは、お一人お一人、あるいはご家族が、住み慣れた街を離れ、新しい土地で暮らすという、人生を賭けた大きな決断を必要とするものであります。このため、移住に至る過程には様々なハードルが予測され、新たな目標の達成は、決して容易なことではありませんが、人口減少によって疲弊する本県の経済や地域の活性化を図るため、産業振興計画の新たな柱に位置付け、挑戦をしてまいります。

 目標の達成に向け、来年度は、高知県を知らない方々が高知を知り、好きになってもらうという段階から、さらに高知への移住に関心を持ち、移住に向けて主体的に行動し始め、そして最終的に移住、定住するという段階まで、全体の戦略を再構築し、それぞれのステージに必要となる施策を抜本的に強化することとしております。

 具体的には、多くの方に高知のファンになっていただくため、高知県全体をイメージできるキャッチコピーや映像を作成し、それを核として、県産品・観光・移住の各分野における統一感あるプロモーションなどにより高知県に対する関心や興味を高める取り組みを連携して進めてまいります。あわせて、インターネットを通じたタイムリーな情報発信や電車内での動画広告などといった各種のメディアを活用した情報の発信を強化してまいります。

 さらに、高知のファンになっていただいた方々に本県への移住に関心を持ってもらうため、移住希望者のニーズが高い、仕事、住む場所、趣味の3つの情報を組み合わせて検索することができる本県オリジナルの「幸せ移住パッケージ」を移住のポータルサイト「高知で暮らす。」のホームページ上で提供してまいります。

 特に、仕事に関しましては、ハローワークなどの求人情報にとどまらず、本県独自の政策展開に基づいたオリジナルな情報提供を試みてまいります。例えば、農林水産業に従事したいという方には、産業振興計画に基づく研修機会の提供や研修手当の支給、農地の情報提供などの手厚い支援策を提示し、また、新たに起業をしようという方には、新たに設けるシェアオフィスでの事業化の支援策やビジネスの立ち上がりを支援するための基金による支援策などをお示しします。さらに、地域の医療を支えたいという医師の方には、日本一の健康長寿県構想に基づく県内医療機関への就業の斡旋や医療見学ツアー、赴任される医師に対する研修修学金などの支援策をご紹介するほか、中山間地域を元気にしたいという志ある方には、「高知ふるさと応援隊」として活躍できる場を提供するなど、志を持って移住をしようという方々の思いを叶えることができる各種の支援策を生活場所、趣味情報と併せてパッケージでお示ししてまいります。

 このように、このパッケージに盛り込む情報は、本県がこれまで取り組んでまいりました産業振興計画や日本一の健康長寿県構想など5つの基本政策や、中山間対策などの土台の上に立って提供するものとしたいと考えており、本県独自の政策展開に基づくが故に、他県との差別化が図られるという点で、本県への移住を促進する上での強力なツールになるものと考えております。今後、市町村や民間の方々と連携し、地域における仕事や役割などの掘り起しを行うことにより、掲載する情報の充実を図るとともに、例えば、豊かな自然の中で子育てをしたい方や、釣りなどの趣味を中心に暮らしたい方など、届けたいターゲットに対して、専門誌などを通して積極的にアピールしてまいります。

 加えて、本県への移住に関心を持っていただいた方々に、移住を決断していただけるよう、積極的な情報提供や各種のご相談へのきめ細かな対応を行うため、県における「移住・交流コンシェルジュ」や市町村における専門相談員の充実を図るとともに、地域において、新たに「地域移住サポーター」の普及を図るなど、サポート体制を強化することとしております。

 また、こうした一連の取り組みを進める上で、市町村との連携の強化はもとより、官民協働による一体的な活動が極めて重要となりますことから、新たに、県や市町村、関係団体、NPO、有識者などで組織する協議会を設立し、移住者の受け入れ態勢づくりを進めてまいります。

 (イ) 外商活動の次なる展開に向けて

 二つ目の改定のポイントは、本県の魅力ある農林水産物や加工品を全国や海外に広げるため、「力強い第一次産業の確立と地産外商のネクストステージに向けた展開」を図っていくことであります。

 その中心であります首都圏での地産外商につきましては、新たに卸事業者や高品質系のスーパー、飲食店などの販路開拓に努めました結果、1月末までの成約件数は、昨年同時期の921件をはるかに超える1,506件となり、既に昨年度一年間の1,327件をも上回るなど、一定の成果が表れてきております。

 しかし、県勢浮揚につなげていくためには、地産外商の成果が経営に貢献していると実感していただける県内事業者の皆様をもっともっと増やしていく必要があります。このため、もう一段、外商力をアップさせ、外商活動を次なるステージへ高めてまいりたいと考えております。

 具体的には、定番商品の拡大と一件当たりの取引金額の増加を目指し、地産外商公社の外商課の体制の充実・強化を図ることにより、大口の取引先への集中した営業活動や大規模な展示・商談会への出展の拡大、さらには商談後のフォローの徹底などに努めてまいります。

 加えて、公社のプロモーション部門の体制も強化し、外商推進本部で設定する戦略品目をはじめ高知県全体の効果的かつ戦略的なセールス・プロモーション活動に取り組んでまいります。

 また、海外への外商活動につきましては、昨年、フランスで開催された食品見本市へのユズ玉の出展などで得られた成果を欧州全域へ拡大していくことを目指して、欧州数カ国において、賞味会や試食商談会を実施する欧州縦断ユズプロモーションを展開することとしております。加えて、新たに、オーストラリアやアメリカの展示商談会に出展することにより、県産品のさらなる輸出拡大に向けて取り組んでまいります。

 (ウ) ものづくり産業の強化

 三つ目の改定のポイントは、本県製造業の競争力を強化するため、「力強いものづくり産業への体質強化」を図っていくことであります。

 まず、食品や天然素材などをテーマに新たな事業化を目指して取り組んでまいりました成長分野の育成支援につきましては、事業化プランに認定いたしました新商品の本年度の売り上げが、昨年度の2億2千万円と比べ、ほぼ2倍のペースで伸びておりますほか、雇用面におきましても、これまでに38人を新たに雇用しますなど、一定の成果が出始め、その中には、さらに大きな成長を期待できるプランも現れてまいりました。こうした有望なプランに取り組む企業をトップランナーとして、生産設備増強のための設備投資や専門的な人材の育成など、さらに重点的な支援を行うことにより、全国で戦える企業に成長していただくことを目指します。

 また、この重点支援制度を周知することにより、より多くの企業がこの制度の適用を目指し、成長拡大への取り組み意欲を高めていただくことに努めてまいります。

 次に、防災関連産業の振興につきましては、南海トラフ巨大地震への備えと連動させながら、県民の皆様の安心・安全の確保と県経済の活性化を同時に実現していくため、地産・地消・外商の各ステージに応じた総合的な取り組みを進めてまいりました。

 これにより、県内企業の「防災分野のものづくり」の取り組みが活発化し、震災時に重油が漏れない安全な農業用重油タンクの開発など、地域の実情を踏まえた製品や技術の開発が広がっております。今後はこうした取り組みをより加速化していくため、有識者との情報交換や、製品開発アドバイザーの設置によるきめ細かな技術的サポートを強化し、製品や技術のさらなる磨き上げの支援を通じて、全国に通用するものづくりを推進してまいります。

 また、地産地消・外商の取り組みに弾みをつけるため、昨年12月にメイド・イン高知の防災関連製品を認定する制度を創設し、これまでに42件の製品や技術を認定してまいりました。あわせて、県内のニーズを県内製品で満たしていくことができるよう、これまでのモデル発注制度に加え、認定期間を長くするなどより受注機会を広げた新たな公的調達制度を創設し、防災関連製品13件を含む16件の製品や技術を認定したところであります。

 今後は、市町村にも同様の制度の導入についてご協力をいただくことにより、県の調達に加えて、市町村の行政機関や教育機関など、より多くの機関での公的調達による実績づくりを支援し、県内企業がその実績を活用して県外への販路を拡大していけるよう、県、市町村が一体となって、地産地消・外商の推進に取り組んでまいります。

 他方、ものづくり産業の受け皿となります工業団地の整備につきましては、現在、来年度の分譲開始に向けて香南工業団地の造成工事を進めております。来年度は、新たに、高知市との共同開発により一宮地区で工業団地の開発に着手するとともに、さらなる開発に向け引き続き適地調査に取り組んでまいります。

 また、企業立地や工場などの新増設への支援については、他県との競争力を高めるため、雇用奨励金の新設や補助限度額の引き上げを行うこととしております。

 さらには、コールセンターなどの事務系職場の誘致促進に向けても、補助率の引き上げなど支援策の抜本的な拡充を行いますとともに、特に大きな雇用を生み出す大規模なコールセンターの受け皿を確保していくために、広いフロア面積を持つなど企業ニーズに合ったオフィスビルを建設する事業者に対する支援制度も創設し、企業誘致態勢を強化してまいります。

 (エ) 観光振興の取り組み

 四つ目の改定のポイントは、400万人観光、さらにその先の435万人観光を目指して、「地域が主体となった観光振興の展開と戦略的な誘客活動の一層の推進」を図っていくことであります。

 昨年は、龍馬伝の放送に合わせて2年連続で開催した博覧会の後ということもあり、まさにこの間の本県観光の成長が試される年でありましたが、県外からの観光客は、放送前の300万人台前半の規模を大幅に上回る384万人前後となる見通しとなっております。これは、エリアキャンペーンや龍馬パスポートの取り組みを通じて、地域への誘客や周遊促進、リピーター化を積極的に進めてきたことにより、室戸ジオパークや仁淀川を訪れた観光客が増加するなど、観光客の県内各地への広がりが見られ、本県観光の底上げが着実に図られてきた結果と受け止めております。

 来年度に向けては、こうした成果をさらに大きなものとし、今後の観光振興の要となる地域観光を推進していくため、地域で活動していくリーダーの育成に向け、観光人材育成塾「とさ旅セミナー」の内容をより実践的かつ専門的なものとするとともに、地域の広域観光協議会の機能強化に向けた支援を積極的に行ってまいります。

 あわせて、幡多地域では、地域が主体となった博覧会を本年7月から半年間にわたって展開していくことが予定されており、幡多広域観光協議会を中心に、地域の事業者と地元市町村が一体となって準備を進めておられます。県としましても、こうした地域の自律的、継続的な取り組みが県内各地で展開されるよう積極的に支援してまいります。

 また、県外からのさらなる誘客に向け、2年目を迎えます「リョーマの休日」キャンペーンに引き続き取り組んでいく中で、首都圏などのマスメディアに向けた情報発信の強化に加え、近隣県に県内の週末イベントなどの情報をきめ細かく発信するなど、ターゲットを明確にした積極的かつ効果的なプロモーションを行ってまいります。

 5月からは、高知県庁や本県の観光地を舞台とし、全体の9割近くが県内ロケで撮影された、映画「県庁おもてなし課」が全国公開されます。この公開に合わせて、県庁内にあったおもてなし課のロケセットを復元し、県内ロケ地観光の拠点とするとともに、ロケ地マップの作成や各種プロモーション活動の展開を通じて、映画を追い風とした誘客や観光客の周遊促進にも取り組んでまいります。

 こうした取り組みと並行して、ジオパークの国際的なネットワークづくりや海外からのチャーター便や大型クルーズ客船の誘致などにより、国際観光を推進するとともに、プロ野球、プロサッカーのキャンプ誘致や、韓国の少年野球チームの合宿の拡大など、プロ・アマを問わず、国内外からのスポーツツーリズムを推進してまいります。

 (オ) 産業人材の育成

 五つ目の改定のポイントは、全国一学びの機会が多い県を目指して、「さらなる実践者の広がりと実践力の向上に向けた産業人材の育成強化」を図っていくことであります。

 本年度、産学官の連携により新たにスタートいたしました「土佐まるごとビジネスアカデミー」につきましては、実質600人を超える方々にご参加をいただいております。この研修を通して、スキルアップが図られたことにより、新商品の開発や、受講者同士の連携による新しい販路の開拓などが積極的に進められております。

 こうした動きをさらに加速するため、県民世論調査や受講者アンケートなどで明らかとなったニーズを踏まえ、実践者の取り組みを学ぶ現場研修や講師が地域に出向く出前講座などを新設し、人材育成策のパワーアップを図ります。あわせて、研修の受講者同士のネットワークづくりを進めていくことにより、さらなる実践者の広がりと実践力の向上に努めてまいります。

 (カ) 一次産業の取り組み

  a 農業分野

 農業分野につきましては、東京・大阪で開催しております「こうちアグリスクール」の定員を増やすとともに、JA出資型法人などが実施する研修用園芸ハウスの整備の支援を行うなど、本県で就農を希望する方の研修から営農開始までを一体的に支援する仕組みづくりに取り組んでまいります。

 あわせて、JAなど関係機関にご協力をいただき、各産地において流動化できる農地や新規就農者のニーズについて、8月を目途に、その実態把握を行うこととしております。この取り組みによって、さらなる対策の強化を検討し、課題となっております農地の流動化を進めることにより、新規就農者の一層の確保や農家の規模拡大を促進してまいりたいと考えております。

 また、平成23年度から研究開発に取り組んでおります「こうち新施設園芸システム」では、ハウス内の炭酸ガスの濃度を上げることにより、これまで促成ピーマンやパプリカで約30パーセントの増収効果が確認できております。来年度は、研究開発と並行して生産現場での実証によるデータ収集・分析を行い、早期の技術の確立と現場への普及を実現する取り組みを加速してまいります。

 さらには、花きの振興に向けまして、専門家からアドバイスをいただきながら、関東で花の商談会を開催するとともに、市場動向を産地へフィードバックしていくなど、生産・販売の両面での取り組みを強化してまいります。

  b 林業分野

 昨年度設立されました高知おおとよ製材株式会社につきましては、現在、急ピッチで施設整備が進められており、既に一部の職員を雇用し、岡山県の銘建工業株式会社で研修が始まるなど、操業に向けた準備が着々と進められております。

 県としましては、高知おおとよ製材株式会社はもとより、県内の製材工場にも安定的に原木を供給するため、増産対策の強化や集荷体制の整備など、関係者と連携を図りながらスピード感を持って取り組みを進めてまいります。

 また、本年1月には木質バイオマス発電の新会社が設立され、高知市仁井田において発電事業を開始することが正式に発表されました。さらに、宿毛市においても別の民間企業が事業化に向けた取り組みを進めております。

 これらの取り組みにより、年間16万トン余りのチップが消費され、小径木や曲がり材などの低質材の需要が飛躍的に拡大いたしますことから、高知おおとよ製材株式会社のスタートと相まって県内の豊富な森林資源をトータルで活用する体制を整えることができます。

 木質バイオマス発電事業は、経済波及効果や雇用誘発効果が非常に大きな取り組みであることから、燃料となる原木の安定供給体制の構築など事業の円滑な実施に向け、引き続き積極的に支援してまいりたいと考えております。

  c 水産分野

 水産業分野につきましては、漁業の担い手の確保に向けて、さらに取り組みを強化してまいります。具体的には、漁業就業アドバイザーを増員して漁村における求人情報の収集を強化し、その情報を一元化して就業希望者に提供するとともに、漁業や漁村の実態を知っていただくためのセミナーの開催や短期体験研修、長期研修の拡充など受け入れ態勢を強化してまいります。このことにより、多くの方の研修への参加を促し、これまで以上に幅広く漁業の担い手を確保してまいりたいと考えております。

 また、水産物の地産外商をさらに強化するため、販路の拡大とブランド化の取り組みを強化してまいりたいと考えております。

 まず、販路拡大につきましては、航空便を利用して朝どれの魚を当日中に関西や首都圏へ配送することなどにより、新たな販売先を開拓しようとする高知県漁協の取り組みを支援してまいります。次に水産物のブランド化につきましては、カツオの一本釣りに象徴される資源に優しい漁法や独特の食べ方など、生産、流通、加工、消費の各段階における本県ならではのこだわりや特徴をストーリーとして取りまとめ、それを生産者から販売業者までが統一感を持って情報発信することにより、県産魚のブランド価値の向上を図ってまいります。あわせて、県産養殖魚については、関西地区の飲食店の方々を招いての産地見学や交流会を開催するとともに、大手ポータルサイトを活用した全国的なPRを通じて、全国的な知名度の向上につなげてまいります。

 (キ) 再生可能エネルギーの推進

 昨年7月に再生可能エネルギーの固定価格買取制度が施行されて以降、本県におきましても、高知市において県内初のメガソーラーが始動するなど、大規模な太陽光発電事業が数多く進められております。このほかにも、大規模な風力発電や、先ほど申し上げました木質バイオマス発電の計画が発表されるなど、県内各地において民間事業者の再生可能エネルギーによる発電事業への取り組みが活発化しております。

 こうした中、太陽光発電事業のメリットを地域に最大限還流させる「こうち型地域還流再エネ事業スキーム」の第1弾として、先月5日、安芸市との間で基本協定を締結し、高知県・安芸市地域還流メガソーラー事業に着手いたしました。現在、プロポーザルにより発電事業に参画いただける民間企業の公募を行っているところであり、本年度内には事業のパートナーとなる民間企業を選定し、早期に事業着手できるよう取り組みを進めてまいります。

 さらに、安芸市に続く事業といたしまして、調整がつきました5カ所程度においても事業化を進めることとしております。

 こうした取り組みを県内全域に広げていくことにより、本県が持つ豊かな再生可能エネルギー資源を地域の活性化につなげてまいります。

 

(3)日本一の健康長寿県づくり

 

 次に、日本一の健康長寿県づくりについてご説明申し上げます。

 ア 第2期健康長寿県構想のバージョンアップ

 昨年、第2期と位置付けて大幅な改訂を行いました日本一の健康長寿県構想につきましては、本県の目指す姿の実現に向け、個々の取り組みの実効性をより高めるためにPDCAサイクルによる検証を行い、先月、第2期のバージョン2としてさらなる改訂を図ったところであります。

 イ 保健・医療の分野

 (ア)各種計画の見直し

 まず、保健・医療の分野についてご説明申し上げます。

 本年度は、第6期高知県保健医療計画、よさこい健康プラン21、高知県がん対策推進計画といった日本一の健康長寿県構想の基盤をなす大きな計画の改訂の年でもありました。バージョン2では、これらの検討経過も踏まえながら、課題解決に向けて、ターゲットをより明確にして取り組みを強化することとしております。

 (イ)がん、高血圧対策と子どもの頃からの生活習慣対策

 働き盛り世代の生活習慣病対策として、これまで健診を受診することによる病気の早期発見、早期治療を強く呼び掛けてまいりました結果、特定健診やがん検診の受診率の上昇などの一定の成果が表れてまいりました。

 がん対策につきましては、こうした取り組みを継続するとともに、県民世論調査において、検診の未受診の理由として、忙しい、面倒といった回答が上位を占めていることから、より一層の利便性向上対策に取り組む必要があると考えております。

 このため、来年度は、居住地以外の市町村でもがん検診が受けられる日を設けるとともに、肺がんや胃がん、大腸がん検診などの複数のがん検診を同時に受診できるようにするなど、受診機会の拡大に取り組んでまいります。

 また、来年度からスタートする第3期のよさこい健康プラン21では、大きな柱として、第一に、働き盛り世代の生活習慣病による死亡の減少を目指した高血圧対策やたばこ対策を進めること、第二に、子どもの頃からの健康的な生活習慣の定着の推進に取り組んでまいります。

 本年度実施した高知県脳卒中患者調査では、脳卒中を発症した方の7割が、高血圧の治療中であったか、実は治療が必要な方であったという結果が得られております。このため、特に医療機関の皆様にご協力をいただき、高血圧の治療中の方への降圧治療の強化や定期健診を受診した際に血圧が高いことが分かった方をしっかりと治療につなげる仕組みを構築し、脳卒中や心筋梗塞を発症させないための取り組みを進めてまいります。

 加えて、県民の皆様が、ご自身で予防に取り組むことも大変重要であることから、血圧のコントロールに有効な減塩、運動といった生活習慣の改善方法に関する啓発を強化したいと考えております。

 さらに、脳卒中や心筋梗塞のリスク要因であり、がんを発症する大きなリスク要因でもある喫煙への対策につきましては、禁煙を希望する方を禁煙治療につなげる対策の拡充や、指導や相談に関わる人材の育成に取り組むことにより、禁煙成功率の上昇を目指してまいります。

 また、平成23年の学校保健統計調査や高知県県民健康・栄養調査の結果からは、小中学生の肥満傾向児の出現率が高いことや、保護者世代の肥満割合や朝食欠食率が高いなど、生活習慣上の課題が多く見えてまいりました。

 子どもの頃から健康に関する知識を習得し、実践する力を身に付けることは、生涯にわたり健康的な生活を送るための土台となるものと考えています。

 このため、教育委員会などと連携して、来年度から段階的に小中高校生を対象とした副読本を作成し、健康教育を実施してまいります。あわせて、子どもの生活習慣は保護者から大きな影響を受けることから、市町村の保健師などを対象とした研修会を実施し、乳幼児健診や育児相談の場で保護者への保健指導の充実を図るなど、保護者世代への働きかけも強化することにより、本県の子どもたちが自ら健康的な生活を送ることができるよう取り組んでまいります。また、逆に、子どもたちへの教育が、家庭内での会話などを通じて保護者世代に好影響を与えることも期待しております。

 このように、働き盛り世代や子どもの頃からの生活習慣病予防対策を一層推進するため、来年度、新たに「よさこい健康プラン21推進室」を設置し、取り組みを強化してまいります。

 (ウ)安全・安心な出産環境づくり、医師確保対策

 安全・安心な出産環境づくりについても、来年度、新たに「周産期・母子保健推進室」を設置するとともに、各福祉保健所にも専任の職員を配置して体制の強化を図り、周産期医療体制の確保、母体管理の徹底と健やかな子どもの成長・発達への支援について、一体的に取り組んでまいります。

 周産期医療体制の確保については、分娩取扱施設の減少に対応するため、高知医療センターと高知大学医学部附属病院の産科病床の増床に向けた支援を行いますとともに、周産期医療に従事する医師の確保に引き続き取り組んでまいります。

 母体管理の徹底については、妊婦健診の検査項目の拡大など本県独自の早産防止対策に取り組み、さらなる徹底を図ってまいります。

 健やかな子どもの成長・発達への支援については、母子保健指導者の資質向上や、乳幼児健診の手引書による健診の標準化を図るほか、健診未受診児の保護者を訪問して受診勧奨などを行う市町村を支援することにより、地域の母子保健体制の底上げを図っていきたいと考えております。

 次に、医師確保対策については、奨学金の貸付や高知医療再生機構、高知地域医療支援センターによる若手医師のキャリア形成支援などの中長期的な対策と、「こうちの医療RYOMA大使」に対する医師の紹介依頼などの即効性のある対策に取り組んでまいりました。

 現在、奨学金を受給した医師については、22名が県内の医療機関で勤務しておりますし、本県と地域医療を支援する協定を締結している聖マリアンナ医科大学からは、これまでの1名に加えてさらにもう1名を本年4月より佐川町の高北病院に派遣いただけることとなりました。

 少しずつではありますが、成果が表れ始めておりますことから、来年度はこれらの取り組みをさらに充実させていくことに加えて、県内で初期臨床研修を修了した後、引き続き県内の医療機関に就業する医師に対する支援を行い、若手医師の一層の定着に取り組んでまいります。

 ウ 福祉の分野

 (ア)地域の支え合いなど

 次に、福祉の分野についてご説明申し上げます。

 地域の支え合いを再構築する上で重要となります地域福祉アクションプランは、本年度末にはほとんどの市町村において策定される予定であり、また、地域福祉の拠点でありますあったかふれあいセンターが、27市町村35カ所の拠点と114カ所のサテライトで運営されるなど、高知型福祉を推進する基盤づくりが広がってまいりました。

 来年度からは、これらの取り組みを地域の支え合いの再構築に着実につなげていくため、「こうち支え合いチャレンジプロジェクト」を進めてまいります。この中では、健康づくりや生きがいづくり、見守り・声かけなどの活動を広げることにより地域コミュニティを活性化させる取り組みや、支援を必要とする人を地域全体で見守り支え合う「小地域見守りネットワーク」の構築を官民一体となって展開してまいります。

 次に、介護保険事業支援計画に基づく特別養護老人ホームの整備については、平成24年度から26年度までの3年間で、新たに687床の整備を計画しております。このうち、本年度末までに189床が開設される見込みであり、来年度には、さらに465床の整備に着手する予定であります。

 これによりまして、現在、ご自宅で特別養護老人ホームの入所をお待ちの方々約650名の待機状態の解消に向けて、大きく前進するものと考えております。

 (イ)療育福祉センターと中央児童相談所の今後のあり方

 現在、障害のある子どもの相談は療育福祉センターが、また、児童虐待や非行問題などは中央児童相談所が、それぞれ専門的に対応しておりますが、近年、両機関に寄せられる虐待通告や発達障害の相談は増加傾向にあり、また、それらのなかには、児童虐待や非行などの問題に発達障害や知的障害が関係するケースも顕在化してきております。

 このような現状により適切に対処するためには、両機関が密接に連携し、それぞれの専門性をさらに発揮できるような体制を整備する必要があります。このため、子どもの相談窓口を中央児童相談所へ一元化するとともに、老朽化や狭隘化が課題となっております両機関の建物の一体的な整備に取り組むことといたしました。

 このことにより、児童虐待や発達障害など、子どもに関する相談支援機能を抜本的に強化してまいります。

 (ウ)ねんりんピックよさこい高知2013

 本年10月には、60歳以上の高齢者の方々の健康と福祉の祭典である「ねんりんピックよさこい高知2013」を本県で開催いたします。

 この大会を契機として、競技人口の拡大や、競技団体などの組織強化の動きなども出てきており、県としましてもこうした動きをしっかりと支援してまいります。さらに、大会終了後も老人クラブが主催するねんりんピック競技普及講習会の開催を支援するなど、継続した健康づくりが行われるよう取り組んでまいります。

 また、この大会には全国から約1万人もの選手・役員の方々が来県されますことから、宿泊や飲食などによる大きな経済効果が期待されます。

 この機会を捉え、県内の観光地を周遊するオプショナルツアーの企画や龍馬パスポートの活用などにより、本県の素晴らしい自然、文化、人、新鮮な食べ物などの魅力を感じてもらい、多くの方々に高知ファンになっていただき、再び高知を訪れていただけるよう取り組んでまいります。

 大会開催まで、あと239日です。県民一丸となった高知らしいおもてなしを実現し、参加する誰もが地域や世代を超えて喜びや感動そして健康長寿を実感できる大会とするため、開催準備に万全を期してまいります。

 

(4)教育の充実と子育て支援

 

 次に、教育の充実に関する取り組みについてご説明申し上げます。

 ア 教育の充実

 (ア) 学力・体力向上対策

 学力につきましては、昨年4月に実施されました全国学力・学習状況調査の結果からも、本県の児童生徒の学力は着実に向上しており、単元テストや学習シートといった教材の活用や、放課後や家庭での学習の充実などのこれまでの取り組みの成果が表れているものと感じております。しかしながら、基礎的な知識を活用して考え表現する力には、依然として課題が残されており、さらなる学力向上の取り組みが求められております。

 本年1月には、県内すべての公立小中学校の小学校5年生及び中学校2年生の児童生徒を対象に、本県が長年、学力向上のために必要と考えていた独自の学力定着状況調査を初めて実施いたしました。

 本調査結果からも、小中学生ともに、国語の漢字の読みや数学の基本的な関数の問題など、基礎となる学習内容の定着については改善傾向が維持されておりますが、全国調査と同様に、情報を読み解き自分の意見や考えを表現する力が十分に身についていないといった課題が見られました。

 今後、こうした課題を解決していくために、今回の調査結果を詳細に分析し、その分析結果を各学校にフィードバックすることにより個々の授業改善につなげてまいります。また、あわせて授業や家庭学習において単元テストや学習シートなどの教材をより効果的に活用していくことや、学校図書館や新聞を授業の中で生かすことなどを促進し、より質の高い授業づくりを目指してまいります。

 また、来年度からは、本調査の対象学年を小学校4年生及び中学校1年生に広げて実施することとし、国の調査と併せて、小学校4年生から中学校3年生までの全6学年で児童生徒の学力の定着状況を正確に把握するとともに、これらの調査結果を分析することにより、学力向上対策のPDCAサイクルをさらに充実させてまいります。

 次に、体力につきましては、本県独自の高知県体力・運動能力、運動習慣等調査の結果を見ますと、本県の児童生徒の体力・運動能力は、確実に上昇傾向を維持しております。

 来年度は、体力向上の基盤となる体育授業の充実を図るため、退職教員や大学教授など、その地域で活動しているスポーツ指導者を小中学校に派遣するとともに、教員の指導力の向上のための実技講習会などを充実させてまいります。

 また、家庭での運動に関する豊かな環境が、子どもたちの望ましい運動習慣につながっていくことから、親子をキーワードに家庭と連携した取り組みを進めていくこととしております。具体的には、幼児を対象に親子で体を動かす心地よさを味わえる教室や、トップアスリートを講師とする親子教室を実施し、親子で学ぶことを通じて、将来につながる望ましい運動習慣の確立を目指してまいります。

 (イ) 非行防止対策

 次に、少年の非行防止対策についてご説明申し上げます。

 本県の少年非行の現状は、少年人口1,000人当たりに占める刑法犯少年の割合、いわゆる非行率が3年連続して全国ワースト1位となるなど、憂慮すべき状況が続いており、この状況を改善するため、来年度からは、教育委員会、警察、知事部局が連携して非行防止対策を進めることとしております。

 まず、教育現場におきましては、学校の現状と課題を的確に把握し、予防と対処の両面から学校全体で組織的に対応していく必要があります。

 このため教育委員会におきましては、来年度から新たに、学校経営・学級経営を専門とするアドバイザーを6中学校に派遣するとともに、課題のある県内12の中学校に生徒指導を推進する教員を配置することとしております。また、全ての小学校に生徒指導担当教員を位置付けることといたしました。

 さらに、新たに市町村教育委員会が教員OBや警察OBなどを学校に派遣し、非行問題に対応する体制を整備することを支援してまいります。このような取り組みを進める中で、生徒指導上の課題を解決し、子どもたちが夢や志を育み、安心して過ごせる学校づくりを進めてまいります。

 あわせて、子どもたちの自尊感情や社会性、規範意識を醸成していくことも喫緊の課題です。そのためには、道徳教育の推進が重要であることから、来年度は、家庭版の道徳教育ハンドブックを作成・配布し、家庭・地域と連携した市町村ぐるみの道徳教育の推進を働きかけることにより、家族を含めた児童生徒の道徳性を高めていきたいと考えております。

 次に、警察では、非行からの立ち直り支援を行う少年サポートセンターの職員を大幅に増員することにより、児童生徒に対して今まで以上にきめ細かな学習支援などの個別指導を展開してまいります。あわせて、学校との連携をより強化し、問題行動に対する早期の支援を行ってまいります。

 さらに、来年度には、高知市も含めた関係機関によるネットワーク会議を立ち上げ、夜間に繁華街や公園に集まっている少年などに帰宅を促す「少年の見守り・声かけ」について、効果的な実施方法などの検討を行っていくこととしております。その上で、この検討内容を有識者などで構成する高知県青少年問題協議会において議論していただき、さらに実効性のある非行防止対策について具体的に検討、推進してまいります。

 イ 永国寺キャンパス

 永国寺キャンパスにつきましては、県民に開かれた「社会貢献する知の拠点」として整備することを基本に大学との協議を行い、先月、基本設計を取りまとめました。

 今後は、この基本設計に基づき、本年9月を目途に実施設計を行い、平成27年4月のオープンに向けて、建築工事に着手することとしております。

 また、オープンに合わせて、高知県立大学は、文化学部を拡充して夜間主コースを設置し、働きながら夜間や土日に受講し、4年間で学士の資格が取得できる教育研究体制を整備することとしております。あわせて、社会人教育についても、短期間のまとまった学習プログラムを提供するとともに、資格取得やスキルの向上につながるプログラムを実施するなど、高知工科大学も含め、これまで以上に充実させていくこととしております。こうした機能拡充をすることによって、高知短期大学の働きながら学ぶことができる機能や社会人教育の機能を、さらに充実させながら両大学に引き継ぐことができるものと考えます。このため、高知短期大学については発展的に解消することとし、平成27年度から学生募集を停止することとしております。

 

(5)インフラの充実と有効活用

 

 ア 四国8の字ネットワークの整備

 四国8の字ネットワークの整備につきましては、昨年12月に念願の四国横断自動車道の中土佐・四万十町中央インターチェンジ間が供用され、県西部地域における最大の難所と言われてきました久礼坂の難所が解消されることとなりました。このことは、道路利用者の負担軽減や安全・安心な「命の道」の確保はもとより本県の産業振興にもつながり、県勢の発展に大きな力になると期待しております。

 また、先月17日には高知東部自動車道の香南かがみ・香南やすインターチェンジ間の供用が開始されました。この区間には、津波浸水予想区域を通ることなく陸上自衛隊高知駐屯地から自動車道へ出入りできる緊急連絡路が設置されておりますので、南海トラフ巨大地震の発生時においても、緊急輸送道路として活用することが可能となり、災害に強い県土づくりにつながるものと考えています。

 さらに、来年度に予定されている、香南のいち・香南かがみインターチェンジ間の供用により、起終点が国道55号に直結することとなりますことから、県東部地域へのアクセスが飛躍的に向上するほか、災害時のバックアップ機能の確保や津波による浸水の拡大防止など、防災面についても高規格道路の効果が、より一層発揮されるものと期待しております。

 このように、着実に整備は進んでおりますが、県内の8の字ネットワークの整備率は49パーセントにすぎず、今後さらに「命の道」となる8の字ネットワークの整備を加速化していかなければなりません。

 事業中の区間の整備促進を図るとともに、未事業化の区間の早期事業着手に向けて、引き続き県議会や関係市町村の皆様と一体となり全力で取り組んでまいります。

 イ 高知新港振興プラン

 次に、高知新港についてご説明申し上げます。

 高知新港については、さらなる利活用を図るため、昨年12月に高知新港振興プランを策定し、本年度を含む5カ年の行動計画によりその振興に取り組むこととしているところです。

 具体的には、物流機能の強化や新たな航路誘致を進めることにより、県内企業の一層のコストダウンと利便性の向上を図るとともに、地産外商や貿易振興の拡大につなげるため、水深14メートル岸壁の早期の暫定供用に向けて取り組んでまいります。

 また、近年大型化している外国クルーズ客船の誘致については、本年4月に大型外国クルーズ客船が初寄港することをはじめ、年内には外国客船と邦船を合わせ計10回の寄港が予定されております。クルーズ客船の寄港は、多数の観光客の来高につながるとともに、本県を国内外にアピールできる絶好の機会でもあることから、国や関係団体などと連携して受け入れ態勢の充実を図りますとともに、今後さらに船会社などに対しモニターツアーをはじめとした積極的なプロモーション活動も行い、寄港数増加に努めてまいります。

 これらと併せて、防災関連産業などの企業誘致や耐震岸壁などを生かした防災拠点港としての利活用などについても同プランに基づき積極的に取り組んでまいります。

 

(6)中山間対策について

 

 次に、中山間対策についてご説明申し上げます。

 中山間対策の抜本強化を進めるため、本年度は、中山間総合対策本部を中心に、「産業をつくる」「生活を守る」の2つを政策の柱として、産業振興計画や日本一の健康長寿県構想をはじめとする5つの基本政策などを融合・連携させながら、全庁を挙げて取り組みを進めてまいりました。

 ア 集落活動センター

 集落の維持・活性化の拠点として様々な役割を果たします集落活動センターは、今月5日に開設予定の黒潮町北郷地区を含め合計6カ所となり、県内各地域に、着実に広がりを見せ始めております。既に開設された地域では、特産品の販路拡大や地域の見守り活動、ガソリンスタンドの運営など、地域の実情に応じた新たな地域ぐるみの活動が始まっております。

 しかしながら、当初の目標通り、10年間で130の地域に集落活動センターを立ち上げていくためには、さらなる支援策の充実を図るとともに、市町村や地域の皆様方に集落活動センターの趣旨や必要性を一層ご理解いただくことが大変重要となります。

 このため、来年度は、活動の拠点となる施設整備や高知ふるさと応援隊への支援の拡充を行いますほか、地域の状況に応じた情報インフラや道路などの基盤整備も含めた様々な施策を重点的に実施してまいります。

 また、取り組みの主体となっていただく地域の皆様をはじめ、各市町村や高知ふるさと応援隊の皆様に、集落活動センターの取り組みに対する支援策や具体的な取り組み事例、自立に向けた成功イメージなどを総合的なパッケージとして分かりやすくお示しするなど、集落の活性化に一歩を踏み出したいという地域の皆様の思いをもう一段後押しする取り組みに力を入れてまいります。

 イ 「産業をつくる」取り組み

 「産業をつくる」取り組みにつきましては、中山間地域で生産された農林水産物やその加工品などを外商につなげていくため、集落活動センターと連携し、地域の資源を生かした特産品づくりなどの取り組みを進めております。しかしながら、中山間地域で一定の収入を得て生活していくためには、現在の方策にもう一段広がりを持たせ、全県的な取り組みとして推進していく必要があります。

 このため、来年度は、地域産業振興監をトップとする産業振興推進地域本部の取り組みと連動させるなど、庁内の推進体制を強化し、全庁を挙げて取り組むこととしております。

 具体的には、地域の生産者グループなどによる加工品づくりなどの小規模なビジネスから、地域の中核的な事業体が主体となって多角的経営を行う拠点ビジネスに至る取り組みまで、地域地域に潜在している多くの資源を掘り起こし、育成していくような取り組みを積極的に行ってまいりたいと考えております。

 また、中山間地域の遊休施設などを活用したシェアオフィスの整備に対する市町村への支援や、そこに入居する新規創業者や企業などの事業活動に対する積極的な支援により、雇用の創出や移住の促進につなげ、中山間地域の活性化を図ってまいります。

 これらの取り組みを通じて、地域の持つ可能性を引き出し、多くの雇用や収益を生み出すような中山間の暮らしを支える産業づくりを目指してまいります。

 ウ 「生活を守る」取り組み

 「生活を守る」取り組みでは、買い物や通院などに必要な移動手段の確保に向けて、デマンドバスや乗合タクシーなどへの支援に加え、地域の交通を支えるための過疎地有償運送にも支援を行うこととしております。

 また、生活用水や日用品、移動手段の確保といった中山間地域の生活を支えるための補助金を来年度以降も継続するとともに、効率的な運用に向けて制度を見直し、地域や市町村にとってより柔軟性のある総合補助金とすることとしております。

 今後とも、市町村や関係団体と密接に連携しながら、中山間地域の皆様が安心して生活できるよう、生活環境の整備に全力で取り組んでまいります。

 エ 鳥獣被害対策

 シカやイノシシなどの鳥獣被害の対策では、これまでの捕獲を中心とした「攻め」の取り組みに加え、本年度からは、被害防除や集落環境の整備など有害鳥獣を集落に寄せ付けない「守り」の対策の強化を進めてまいりました。その結果、シカやイノシシの捕獲頭数は増加し、11の重点集落を中心に県内各地で集落ぐるみの被害対策の取り組みが進んでおりますものの、被害額は依然として高止まりしたままで推移しております。

 このため、来年度は、狩猟免許の取得経費の助成による新たな捕獲の担い手の確保、捕獲技術の向上に向けた実技研修の実施などに加え、集落ぐるみでの捕獲を促進するため、新たに被害集落へ5千個のくくりわなを配布するなど、「攻め」の対策としてわな猟による捕獲を強化し、市町村や集落の皆様と一体となって鳥獣被害の軽減を目指してまいります。

 中山間対策は、課題解決の先進県を目指す本県の大きな柱となる取り組みであります。今後とも、中山間総合対策本部を中心に、県庁の総力を挙げて取り組みを進め、全国に先駆けて中山間地域における課題解決の処方箋を見つけ出し、それを全国に向けて発信していけるように、さらなる挑戦を続けてまいります。

 

3 その他

 

(1)「まんが王国・土佐」ブランド化事業について

 次に、「まんが王国・土佐」のブランド化による地域活性化の取り組みについてご説明申し上げます。

 昨年7月に、官民協働で「まんが王国・土佐」のブランドの確立と、コンテンツ産業の振興に一体的に取り組むため、まんが王国・土佐推進協議会を設立し、県内各界の代表者の方々や、全国的に活躍されている県出身クリエイターの方々などに参画いただき、地域活性化の取り組みについて検討してまいりました。

 これまでの検討結果を踏まえ、来年度は、高知の強みであるまんがに関する対外情報発信力の強化を図るための取り組みを進めていくことといたしました。そのための仕掛けとして、今月24日には、まんがを生かした地域の活性化に取り組んでおります鳥取県と「まんが王国友好通商条約」を締結することとしております。両県が、一緒に取り組んでいくことによって、お互いの情報発信力を生かすなど相乗効果を生み出すことができるものと考えております。

 条約締結後は、首都圏でのイベント開催や、両県の高校生を対象としたまんが甲子園交流試合などの開催を予定しており、「まんが王国・土佐」の知名度の向上と併せて、観光誘客や地産外商といった経済効果につなげてまいりたいと考えております。

(2)航空路線新規就航(名古屋線)について

 平成23年3月27日以降休止されておりました高知龍馬空港と県営名古屋空港間の航空路線が、今月31日、株式会社フジドリームエアラインズにより2年ぶりに復活する運びとなりました。

 当航空路線の就航により、企業間取引などのビジネス面をはじめ、県の地産外商戦略においても、一大消費地である中京圏により積極的に打って出ることが可能となるなど、大きなプラス材料になるものと期待しております。

 さらに、人口規模が1千万人を超える名古屋を中心とした中京圏とのアクセスが直結することに合わせ、中京圏での高知フェアの開催など、あらゆる機会を活用して、高知の観光や移住などの情報を強力に発信し、本県の活性化と路線の利用促進を図ってまいりたいと考えております。

(3)高知龍馬マラソンについて

 本県最大規模の市民参加型マラソンとなる第1回の「高知龍馬マラソン」が先月24日に開催され、3,475人が晴れわたる土佐路を疾走いたしました。当日、沿道は多くの県民の皆様で埋め尽くされ、大変な賑わいでありました。マラソンに参加された方々からは、「素晴らしいコース、途切れることのない沿道からの熱い声援」「高知の人のおもてなしの心はすばらしい」「今後人気の大会になる予感」などの嬉しい声が寄せられております。改めて、応援に駆けつけてくださった県民の皆様や大会を支えてくださった地域のボランティアの方々、また、長時間の交通規制にご理解・ご協力くださった方々、大会関係者の方々、何より、参加してくださったランナーの皆様に、この場をお借りして厚くお礼を申し上げます。

 この「龍馬マラソン」が新しい高知の風物詩として、全国から多くの方々に参加していただける市民マラソンとなりますよう、今年の成果を検証し、改善すべき点を反映させながら、来年度以降も、関係団体と共に取り組んでまいります。

 

4 談合防止対策

 

 県内建設業者による談合事案への対応につきましては、これまで建設業界のコンプライアンスの確立を最重要課題として取り組んでまいりました。

 高知県建設業協会からは、本年1月に改善計画書を提出していただき、外部の有識者による倫理委員会の設置や公益通報制度の創設などの取り組みが始まっております。また、独占禁止法違反を認定された事業者においては、コンプライアンスの確立に向けた基本方針を策定され、多くの事業者が具体的な取り組みを始めております。

 他方、県におきましては、昨年2月に設置した高知県談合防止対策検討委員会より、12回にわたるご議論を経て、先月最終報告書をいただきました。現在、この最終報告書を踏まえ、また関係者のご意見も伺いながら最終の詰めを行っており、今議会中には県の具体的な談合防止対策をお示しさせていただきたいと考えております。

 昨年12月の定例会において採択されました「独占禁止法に違反した建設業者37社に対する指名停止処分の短縮等を求める請願について」への対応につきましては、本請願では「業界全体としてコンプライアンスが確立されたうえは」とされていることから、現在の建設業界の状況が、県民の皆様から安心感や信頼感を得られる状況となっているのかどうかを見極める必要がございます。

 このため、先月、高知県建設業協会や独占禁止法違反を認定された37の事業者を職員が訪問し、コンプライアンスの確立に向けた取り組みの状況を確認してまいりました。

 建設業協会におきましては、倫理委員会の設置や公益通報制度の創設といった実効性のある取り組みが始まっておりますが、さらに、今般の事案の総括を踏まえ、コンプライアンス委員会と倫理委員会との間でしっかりとキャッチボールを行うことによって、談合防止のために日常的に効果をもたらす実効性のある対策がさらに講じられ、全体としてコンプライアンス確立の動きがより確かなものとなっていく必要があると考えております。

 また、37事業者におきましては、基本方針に基づいて具体的な取り組みを始めている事業者が多いものの、社内研修などについては計画に基づきこれから実施するとする事業者もあるなど、全体としてはコンプライアンスの確立に向けて現在進行形であると受け止めております。

 他方、県も建設業協会や37事業者のこれらの取り組みを支援しつつ、あわせて県の談合防止対策について、関係者と意見交換をし検討を重ねているところであり、その検討の最終段階に入ったところであります。

 また、県経済や雇用への影響につきましては、事業者アンケートや商工会議所、金融機関などへの聞き取り調査を実施しながら、詳細な状況把握に努めているところであります。

 こうしたことから、本請願の取り扱いに関しては、コンプライアンスの状況や経済動向などを、引き続き多面的に検討するお時間をいただきたいと考えております。

 なお、賠償金の分割払いにつきましては、法令に基づき、個々の事業者の経営状況などを把握した上で、適切に対処してまいります。

 一方、国の経済対策を受け、本県の公共事業費の大幅な増加が見込まれており、今般の指名停止の影響を懸念される声もありますが、経済対策の効果を早期に県内において発現させるため、従来県内業者に発注していた工事については引き続き県内業者が円滑に受注できるよう、事務手続の簡素化や施行条件の緩和なども検討してまいりたいと考えております。

 

5 議案

 

 続きまして、今回提案いたしました議案についてご説明申し上げます。

 まず予算案は、平成25年度高知県一般会計予算など40件です。

 このうち一般会計予算は、先ほど申し上げました5つの基本政策を推進するための経費などを中心に、4,456億円余りを計上しております。

 条例議案は、高知県地域経済活性化・雇用創出臨時基金条例議案など24件であります。

 その他の議案は、包括外部監査契約の締結に関する議案など12件でございます。

 報告議案は、平成24年度高知県一般会計補正予算の専決処分報告など2件でございます。

 以上をもちまして、議案提出にあたっての私からの説明を終わらせていただきます。

 何とぞご審議の上、適切な議決を賜りますようお願い申し上げます。

 

高知県 総務部 秘書課

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