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平成25年6月県議会での知事提案説明

公開日 2013年06月14日

平成25年6月高知県議会定例会での知事提案説明 (6月14日)

1 国の動向等について
(1)国の経済政策について
(2)TPPについて

2 6月補正予算について

3 南海トラフ地震対策について
(1)県版南海トラフ地震による被害想定
(2)南海トラフ地震対策行動計画の作成
(3)災害時の医療のあり方
(4)国の動き
 (ア)南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループの最終報告
 (イ)南海トラフ地震対策特別措置法の制定

4 職員給与の減額とその財源の活用について

5 第2期産業振興計画の推進について
(1)飛躍への挑戦に向けた2つの方針
(2)移住促進の取り組み
(3)地産外商公社の取り組み成果と今後の展開
(4)観光振興の取り組み
(5)CLT普及の取り組み

6 日本一の健康長寿県づくりの取り組みについて
(1)よさこい健康プラン21推進室及び周産期・母子保健推進室の取り組み状況
(2)子ども・子育て会議と子育て同盟について
(3)少年非行問題に関する取り組みについて

7 教育の充実等について

8 インフラの充実と有効活用
(1)コンプライアンスの徹底
(2)県内の建設業について
(3)四国8の字ネットワークの整備について

9 中山間対策の取り組み

10 土佐電気鉄道株式会社の調査状況

11 議案


 本日、議員の皆様のご出席をいただき、平成25年6月県議会定例会が開かれますことを厚くお礼申し上げます。

 ただ今提案いたしました議案の説明に先立ちまして、当面する県政の主要な課題についてご説明を申し上げ、議員の皆様並びに県民の皆様のご理解とご協力をお願いしたいと思っております。

 

1 国の動向等について

 

(1)国の経済政策について

 安倍政権は、昨年末の発足以降、長引くデフレからの早期脱却と低迷する我が国経済の再生に向けて、矢継ぎ早に政策を打ち出し、着実に実行しております。

 いわゆるアベノミクスの「第1の矢」では、日本銀行が、年率2パーセントの物価安定目標の達成に向けて、これまでとは次元の異なる大胆な金融緩和を進めております。また、機動的な財政政策である「第2の矢」では、本年2月に成立しました13兆円を超える補正予算に基づき、日本経済の活性化に向けた緊急経済対策を実施しているところであります。

 本県におきましても、この緊急経済対策を積極的に取り込みました結果、人口1人当たりの社会資本総合整備事業の配分額が全国1位となるなど、県経済への好影響が今後大いに期待できるのではないかと受け止めております。

 また、先月15日、国の平成25年度予算が成立いたしました。平成24年度補正予算と合わせた15カ月予算が、切れ目なく実行され、年度を通じて、需要の創出が行われるものと考えております。

 そして、本日、我が国の経済財政運営の指針となります、いわゆる「骨太方針」と、「成長戦略」が閣議決定され、アベノミクスの「第3の矢」が放たれることになります。

 個人消費の伸びや輸出の増などにより、内閣府の発表では、本年1月から3月期の国内総生産について、年率に換算して4.1パーセントのプラス成長が見込まれているところであります。

 また、今月11日には、日本銀行が6カ月連続して景気判断を上方修正するなど、株価や円相場の乱高下、長期金利上昇の懸念といったことはあるものの、景気回復の兆しが見え始めております。

 真の意味での経済再生を果たすためには、民間主導の持続的な経済成長を軌道に乗せ、企業の設備投資を増やす、そして、それを新たな雇用の創出や賃上げにつなげ、さらなる消費拡大へと至る循環を生み出す、そうした好循環を持続させる仕組みがしっかりと機能する環境を作り出していく必要があります。

 アベノミクスの「第3の矢」により、民間投資を喚起する成長戦略が速やかに実行されることを心から期待するものであります。

 県としましても、本県の実情に合った有益な施策を産業振興計画をはじめとする取り組みに積極的に生かしていくことが重要であります。この成長戦略を最大限に活用し、さらなる加速を図ってまいりたいと考えております。

 あわせまして、成長戦略には今後詳細な制度設計が行われるものもありますことから、これまで以上に、国の動向を注視していくとともに、引き続き、機を捉えた政策提言などを行い、本県の実情に合った制度となりますよう働きかけてまいります。

(2)TPPについて

 本年3月に安倍総理が交渉参加を表明されました、環太平洋経済連携協定、いわゆるTPPにつきましては、来月に開催されるマレーシアでの交渉会合から、日本が交渉に参加する見通しとなっております。

 県としましては、交渉への参加表明以降、農林水産大臣や、与野党の責任者に、「TPP協定交渉においては、重要5品目の関税など国益を必ず守るという姿勢で臨み、守ることができないのであれば、脱退も辞さないものとすること」と強く訴えてまいりましたし、また、先日開催されました四国知事会議におきましても、同様の緊急提言を採択したところであります。

 政府におきましては、こうした声をしっかりと受け止め、交渉に臨んでいただくことを切に願っております。

 今後とも、TPPへの参加による大きな影響が心配されます業界関係者の皆様や、同じ利害を有します関係県などと連携しながら、県民生活を守るための取り組みを積極的に進めてまいりたいと考えております。

 

2 6月補正予算について

 

 今議会では、「南海トラフ地震対策のさらなる充実強化・加速化」、「産業振興計画の推進」、「教育の充実と子育て支援」の3つの柱に基づき、総額3億4千万円余りの補正予算案を提出しております。

 第一の柱である「南海トラフ地震対策のさらなる充実強化・加速化」に関しては、先日公表いたしました県版の被害想定及び南海トラフ地震対策行動計画を踏まえまして、住宅倒壊などによる人的被害の大幅な軽減を図るため、住宅の耐震化率100パーセントを目指して、合理的な低コスト工法の普及や、簡易ながらも命を守ることができる部分的な耐震対策の検討などを進めてまいります。

 第二の柱である「産業振興計画の推進」に関しては、森林資源の高付加価値化に向けた取り組みといたしまして、新たな建築部材として注目されているCLTの普及に向けた取り組みを全国に先駆けて推進してまいります。

 第三の柱である「教育の充実と子育て支援」に関しては、県立学校の全ての普通教室に計画的に空調設備を整備することにより、教育環境の充実を図るとともに、認可外保育施設における保育従事者の保育士資格取得を支援することにより、子どもを安心して育てることができる環境の整備を進めてまいります。

 

3 南海トラフ地震対策について

 

 次に、南海トラフ地震対策についてご説明申し上げます。

(1)県版南海トラフ地震による被害想定

 先月15日に、今後の本県における南海トラフ地震対策を進めていくための前提となる県版の被害想定を公表いたしました。この中では、可能性は極めて低いながらも最大クラスの地震・津波が発生した場合、建物の全壊または焼失棟数は約16万棟、死者数は約4万2千人、負傷者数は約3万6千人と想定されるなど、非常に厳しい結果が示されております。しかしながら、防災・減災対策をしっかりと講じることによりまして、例えば、想定される死者数を約1,800人にまで軽減することが可能であるなど、事前の対策が有効であることも併せて示されているところです。

 また、地震対策を加速化させるためには、地域地域におけるより具体的な対策を講じる必要がありますことから、今回の想定では、建物・人的被害や経済被害を県内市町村ごとに推計いたしました。これにより、それぞれの市町村あるいは市町村間において、避難所の数や設置場所の再検討、被災者の受け入れなどの対策がこれまで以上に具体的に進むものと考えております。

(2)南海トラフ地震対策行動計画の作成

 こうした被害想定や東日本大震災の教訓を踏まえ、このほど、県をはじめ、市町村、事業所、県民それぞれの立場で実施すべき地震対策のトータルプランであります行動計画の抜本的な見直しを行いました。

 第2期となるこの計画の名称につきましては、規模の異なる2つの地震を前提において対策に幅を持たせたことや、県民の皆様にも県外からの支援が期待できないことがあり得るほどの広い範囲に災害をもたらす地震であるとの意識を持っていただきたいことから、従来の「南海地震対策行動計画」との名称を「南海トラフ地震対策行動計画」に改めることといたしました。

 見直しにあたりましては、発生直後から時間の経過ごとに起きる困難な事象を想定したシナリオを整理し、必要な対策を一つ一つ詳細に検討した結果、対策の数は従来の111項目から183項目へと大幅に増えており、津波や火災への対策、発生直後の応急対策などの充実強化を図ることができたと考えております。

 対策の具体的な内容につきましては、まず、最初に襲ってくる強い揺れから身を守るための対策といたしまして、住宅や学校、医療施設、社会福祉施設などの建築物の耐震化を進めるとともに、家具の転倒防止など室内の安全確保も進めてまいります。

 中でも、住宅の耐震化につきましては、耐震化率を100パーセントにすることによって、建物の倒壊による死者数が約10分の1まで軽減されると想定されることから、さらに加速化させる必要があります。こうしたことから、「津波で流されるので耐震化しても無駄である」「高齢なのでお金をかけてまでやりたくない」といった声があることも踏まえまして、もう一歩踏み込んだ対策を前倒しで進めてまいりたいと考えております。

 新たな取り組みとしまして、住宅耐震改修の必要性や実情を理解してもらうための住宅所有者向けの講習会や、低コストの工法の普及のための事業者向けの講習会を開催いたしますとともに、耐震改修を積極的に増やしていくため、県内全域の防災訓練などにおきまして耐震診断士による出前相談会を開催いたします。また、今すぐ住宅全体の耐震化を行うことが困難な方々がおられることも考慮しまして、部分的な耐震対策の検討も早急に進めてまいります。具体的には、他県で採用されている事例も調査した上で、建物が倒壊しても命だけは守る空間を確保することができるか、津波浸水域などにおいて短時間で脱出ができるかといった安全面も十分に検証しつつ、簡易ながらも命を守ることができる工法や制度を検討してまいります。

 次に、揺れの後の津波や火災の対策としまして、津波避難空間や防波堤の整備、堤防の耐震化、さらには燃料タンクの安全対策などを進めてまいります。

 中でも、地震発生後、全員が迅速に避難をすれば、津波による死者数を約6分の1まで軽減できることが想定されることから、津波からの早期避難を可能とする取り組みをさらに強力に進めていきたいと考えております。

 具体的には、従来から全速力で取り組んでおります津波避難空間の整備につきましては、本年度末までに、現時点における避難路・避難場所の計画総数1,437カ所に対して72パーセントにあたる1,033カ所、津波避難タワーの計画総数117カ所に対して77パーセントにあたる90カ所の整備を完了させる予定であります。今後、できるだけ早期に、整備率を100パーセントまで引き上げることを目指して、引き続き市町村を全力で支援してまいります。

 あわせまして、迅速に逃げるという意識のさらなる浸透を図るため、様々な媒体を通じて早期避難に関する意識の啓発を徹底するとともに、避難にあたって適切な行動が取れるよう、市町村による避難訓練や、こうち防災備えちょき隊による地域防災活動のサポートなどを進めてまいります。

 助かった命をつないでいく応急対策としまして、自衛隊などの応急救助機関や支援物資を県外から円滑に受け入れることができるよう、総合防災拠点の整備を進めるほか、孤立集落対策の推進などにも取り組んでまいります。さらに、最大クラスの地震・津波が発生した場合、被災地域が広範囲にわたることから、県外からの支援物資も期待できず、保管場所などの課題がある備蓄だけでは十分な対応ができないことも予想されるところであります。そのため、例えば、避難所での井戸水の活用など、一定期間地域で自活できる態勢をあらかじめ整えておくことも必要だと考えており、避難所の再選定に併せまして、備蓄や自活態勢のあり方についても市町村と幅広く検討を行っていきたいと思っております。

 このような地震発生直後から応急期までの一連の対策を講ずることによって、想定される被害が3年後にどう軽減されるかという減災効果を定量的にお示ししたことによりまして、県民の皆様にも目標を持って、ご家庭での自助や地域での共助に取り組んでいただけるものと考えております。

 今後は、県庁全体で行動計画に基づく対策を全力で進めてまいりますとともに、PDCAサイクルによりまして、どれだけの減災効果を発揮することができたか、いわば、対策のアウトカムを常に意識しながら不断の見直しを重ねてまいります。

 加えて、地震が発生した場合、直ちに全庁を挙げて迅速な災害対応を行うため、これまでの応急対策活動計画を大幅に見直し、より実践的な「南海トラフ地震応急対策活動要領」を新たに策定いたしました。今後この要領に基づき、体制の整備や訓練を積み重ね、問題点や課題について検証していくことにより、災害に対する県庁組織の即応力の向上を図ってまいります。

(3)災害時の医療のあり方

 先ほど申し上げましたとおり、このたびの被害想定において、最大3万6千人もの負傷者の発生が予想されております。

 災害時には、高知県災害時医療救護計画に基づき、地域の医療救護所や救護病院、災害拠点病院が中心となり、医療救護を行うこととなりますが、非常に多くの負傷者が発生した場合には、これらの医療機関だけでは十分な医療救護を行えないことも予想されるところであり、このほかの医療機関の災害医療への参画も欠かせません。

 このため、災害時における死傷者数を軽減させる取り組みの強化とともに、医療機関の医療救護態勢の強化のための取り組みが大変重要だと考えております。

 県としましては、これまでも、病院などの耐震化、非常時の通信手段や電源の確保などに対する支援を行うことにより、医療機関の災害対策の強化を図ってまいりました。また、本年3月には、災害への備えとして優先的に取り組むべき事前対策や医療機能の維持・早期復興のための業務継続計画、いわゆるBCPの策定手順を紹介した医療機関災害対策指針を取りまとめたところであります。

 さらに、医療機関の皆様に、この医療機関災害対策指針を活用した災害対策を進めていただくために、先月、説明会を県内各地で開催するとともに、事前の備えの見直しに関する災害医療の専門家による助言・指導や、各医療機関の防災計画に基づく施設、設備、備品などの整備に対する支援もスタートさせたところであります。このような医療機関の災害対応力のさらなる向上に向けたハード・ソフトの両面からの支援により、災害時における医療救護態勢の充実を図ってまいります。

 今後は、新たな被害想定を踏まえまして、最前線における医療救護活動の手法や総合防災拠点の医療機能のあり方など、医療救護態勢の見直しが必要となりますことから、災害医療の専門家の方をはじめとする多くの皆様からのご意見をお聞きしながら、高知県災害時医療救護計画のさらなる見直しを行ってまいります。

(4)国の動き

(ア)南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループの最終報告

 国におきましては、先月28日、「南海トラフ巨大地震対策について」の最終報告を公表いたしました。

 この最終報告により、これまで別々に進められてきた東海地震、東南海・南海地震への備えが一本化され、国として南海トラフ地震に備えていくという姿勢が示されたことは、大変意義深いと考えております。

 最大クラスの地震が発生すれば、揺れや津波により甚大な被害が発生するばかりでなく、復興までの期間の長期化に伴い、グローバル市場において経済基盤を喪失するなど、国としての存立に関わる問題となりかねません。

 このような国難とも言える事態への対応については、これを国策の中心に据えて進めていく必要があります。このため、この最終報告書を取りまとめた中央防災会議の「南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ」において、私は委員として、特別措置法の早期制定を強く訴えてまいりました。また、保育所や幼稚園、社会福祉施設など、自らの力で避難することが困難な方々が利用する施設の高台移転の必要性などについて提案するとともに、従来の発想を転換し、外部からの支援が得られるまでの間、被災地域において一定自活できるようにするための対策の必要性も強く訴えてきたところであります。

 今回の最終報告は、これまで訴えてまいりましたこれらの項目が盛り込まれたものとなっており、本県にとって十分評価ができるものであります。今後、国においては、この最終報告を基に、予防、応急、復旧・復興のマスタープランを策定し、施策や制度の具体化が図られるものと考えております。

 また、国土強靭化担当大臣の下で開催されておりますナショナル・レジリエンス懇談会におきましても、これまで、委員として国土の強靭化に向けた事前対策の重要性を訴えるとともに、地震・津波に備えるための財政措置の継続や災害医療体制の充実などの政策提言も積極的に行ってまいりました。

 県としましては、引き続き、こうした積極的な提言を継続することによりまして、施策や制度の早期の具体化を目指しますとともに、具体化された施策などを十分に活用し、さらなる対策を進めてまいりたいと考えております。

(イ)南海トラフ地震対策特別措置法の制定

 また、今月6日には、自由民主党と公明党の両党の議員提案により、念願の「南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法案」が国会に提出されました。

 県選出の国会議員の皆様方におかれましては、本法案の策定にあたり大変なリーダーシップを発揮されました。また、南海地震対策再検討特別委員会の委員の方々をはじめとします県議会議員の皆様にも多大なご尽力を賜りました。この場をお借りして、心から感謝申し上げます。

 この法案には、これまで本県が提案してまいりました、津波避難施設などの整備に対する財政支援や、災害時要援護者施設の高台移転に関する特例措置などが盛り込まれており、法案が成立すれば、津波から命を守る対策が大幅にスピードアップいたします。

 国難ともいえる甚大な被害が想定される南海トラフ地震に備えるためには、様々な対策の推進に国を挙げて取り組むことが極めて重要であるとの認識の下、昨年来、本県の呼び掛けにより9県知事会議を結成し、9県議会議長会議の皆様と連携させていただきながら、特別措置法の早期制定に向けて、具体的な提言や折衝を行ってきたことが実を結んだものでもあり、私自身も大変嬉しく思っております。

 今後は、9県知事会議などと一層連携を強めながら、特別措置法の早期成立を働きかけてまいります。

 

4 職員給与の減額とその財源の活用について

 

 次に、職員の給与減額措置に関する国からの要請とその対応についてご説明申し上げます。

 地方公務員の給与は、地方が自主的に決定するものであり、地方との十分な協議を経ないまま、また、国をはるかに上回るこれまでの地方の行財政改革の努力を適切に評価することなく、地方財政計画の中で地方公務員の給与費を一方的に削減した今回の国の対応は、地方自治の本旨に鑑みても、大いに問題であると考えております。

 本県におきましても、平成17年度に財政危機の回避を目的に職員の給与減額措置を行って以降、これまでの給与減額の累計額は約109億円となっており、また、職員数についても、ピーク時から比べますと28.5パーセントも削減しております。このような努力により、給与カット前の平成16年度と比べて、平成25年度の人件費総額は219億円縮減しているところであります。こうした、国に先んじて取り組んでまいりました行財政改革の実績が適切に評価されないことは、極めて遺憾であると考えております。

 本県としましては、今回のような一方的な措置を二度と取ることがないよう全国知事会と共に国に対して強く抗議する一方、地方交付税の減額の財政運営への影響や職員の負担などについて総合的に考慮する必要があることから、慎重に対応を検討してまいりました。

 今回の国からの要請が遺憾であるということに変わりはありませんが、南海トラフ地震により、全国で最も厳しい状況に置かれることが予想される本県は、その対策のため必要となる財政負担が他県と比べても極めて大きく、今回の国からの要請の背景にある防災・減災事業のための財源確保の必要性については理解できるところであります。本県の財政の安定を確保し、最重要課題である南海トラフ地震対策を推進していくためには、懸命に職務に励んでいる職員にとって厳しい内容であり、大変心苦しく思いますが、給与の減額措置を実施せざるを得ないと最終的に判断をいたしました。

 今回の職員給与の減額措置により生じる貴重な財源につきましては、本県の最重要課題である南海トラフ地震対策のうち、とりわけ最優先に取り組む必要があります、本県の将来を担う子どもたちの安全・安心を確保するための対策、具体的には、保育所や幼稚園の高台移転の加速化などに活用してまいります。職員や県民の皆様にその活用状況などが明らかとなるよう、新たに「高知県職員等こころざし特例基金」を創設して全額積み立てることとし、関係する条例議案を給与の特例減額条例とともに提案しております。

 民間給与への影響を危惧する声も聞かれますが、今回の対応は、東日本大震災を受けて、国全体として、防災・減災事業などに積極的に取り組むため、必要な財源を確保するための公務員に限っての臨時的かつ特例の措置であり、この財源を活用して南海トラフ地震対策に取り組むことを丁寧に説明してまいりたいと考えております。

 

5 第2期産業振興計画の推進について

 

 次に、産業振興計画についてご説明申し上げます。

(1)飛躍への挑戦に向けた2つの方針

 産業振興計画につきましては、官民一体となって推進してきた結果、長年減少傾向にあった各産業分野の産出額などが増加に転じ、有効求人数は対前年同月比で43カ月連続プラスとなるなど、計画スタート当初の厳しい局面から脱し、一部に明るい兆しも見え始めてまいりました。

 この手応えをさらに確かなものにしていくため、本年度は、次の2つの方針に基づき、飛躍への挑戦をさらに続けてまいります。

 一つ目の方針は、各産業分野で掲げた数値目標を達成するため、計画の取り組み状況の検証をさらに徹底していくことであります。

 第2期計画の取り組みも2年目に入り、平成27年度末の目標の達成に向けた折り返しの年となることから、各施策がどこまで進んでいるのか、その道筋は正しいのか、施策の投入量は足りているのか、新しい仕組みは必要ないのかといった視点で点検・検証し、必要な対策を講じてまいります。

 二つ目の方針は、さらなる官民協働、市町村との連携協調を図っていくことであります。

 積極的な広報や、県民の皆様、産業団体の方々との対話を通して、産業振興の取り組みや、目指す方向を丁寧に説明させていただくことにより、官民協働のさらなる推進を図ってまいります。

 県内4カ所で開催いたしましたシンポジウムには、昨年度を大きく上回る、延べ800人を超える方々にご参加をいただき、産業振興の取り組みへの機運の高まりを感じたところであります。

 また、産業に関わる全ての方を対象としたビジネス研修であります土佐まるごとビジネスアカデミーにつきましては、出前講座や現場研修を新設するなど、カリキュラムの一層の充実を行い、本県産業を担う人材の育成とさらなる実践者の広がりにつなげてまいります。

 こうしたさらなる官民協働による取り組みを進めていくためにも、今まで以上に、県と市町村が現状や課題を共有し、連携協調して取り組みを進めていくことが重要であります。

 このため、先月から、県と市町村の職員が共に学び合う場として「土佐まるごと立志塾」を開催しております。この研修を通して、行政職員の政策立案力や現場対応力などを高めるとともに、県と市町村の職員のネットワークのさらなる拡充を図ってまいります。

(2)移住促進の取り組み

 次に、各分野における取り組み状況についてご説明申し上げます。

 本年度、抜本強化を図った移住促進策を進めるにあたっては、より多くの皆様方にご協力をいただくことが必要となりますことから、この4月に関係団体、行政関係者、有識者などで構成する「高知県移住推進協議会」を立ち上げ、官民一体となって推進する体制を整えたところであります。

 今後、官民を挙げた移住促進の取り組みとして、本県への移住を希望される方々に対する具体的なサポートやサービスなどについて議論を深め、実践へとつなげてまいります。

 あわせまして、移住希望者に寄り添ったサポートを行う体制の整備も、市町村と連携して進めているところであります。

 具体的には、先月から、県の総合相談窓口である「移住・交流コンシェルジュ」を2名増員し、6名体制へと拡充いたしました。今後は、県内の各地域を訪問し、市町村と連携しながら地域ならではの仕事や役割、生活などの情報収集に努め、移住希望者へ新鮮な情報をお届けしてまいります。あわせて、移住希望者や、既に移住された方々の不安や心配事に、身近で親身になって相談に乗っていただく「地域移住サポーター」の委嘱を市町村ごとに進めてまいります。

 また、こうした体制面の充実とともに、全国の多くの皆様に高知ファンになっていただき、さらに移住に関心を持っていただくためのプロモーションも積極的に展開しているところであります。

 先月全国公開されました映画「県庁おもてなし課」は、美しい自然、街並み、人情といった本県の多くの魅力を、全国の皆様に存分に感じていただき、高知ファンになっていただく絶好の機会となりました。

 この機を逃すことなく、本県の知名度をさらに高めるため、今月4日に「高知県は、ひとつの大家族やき。高知家」という高知県のコンセプトコピーを発表いたしました。

 この「高知家」の発表に合わせて、インターネット上に特設サイトを開設し、本県の出身で日本を代表する女優、広末涼子さんに「高知家」の自慢の娘として出演いただき、「高知家」を強く印象付ける動画を配信しております。特設サイトの開設以降、約一週間ではございますが、6月13日現在で27万件ものアクセスをいただくことができました。

 「高知家」は、本県を一つの大きな家族に見立てたものであり、本県の一番の魅力である人、高知県人の家族のような温かさを、家族の笑顔、幸せ、絆やだんらんというイメージとともに、全国にアピールしてまいります。

 この統一的なコンセプトコピーの下、県産品につきましては、「家族のために心を込めた「高知家の食卓」を味わってみませんか」、また、観光につきましては、「心の通う家族のような「高知家」を訪れてみませんか」といったPRを行い、高知への関心を高めていただいた上で、最終的には「こんな「高知家」の家族になりませんか」といったPRを行うことにより、本県への移住を促してまいりたいと考えております。

 また、こうした一連の積極的なプロモーションによりまして、本県への移住に関心を持っていただいた皆様に、移住に向けた行動を起こしていただけるよう、移住相談会の開催や体験ツアーを実施してまいります。

 今月下旬には、本年度、2回目となる移住相談会を東京と大阪で開催し、さらに来月には移住体験ツアーも実施するなど、「高知家」で盛り上がる機運を逃がさぬ積極的な取り組みを展開してまいります。

(3)地産外商公社の取り組み成果と今後の展開

 地産外商公社の外商部門につきましては、日々の地道な営業活動はもとより、首都圏の大規模な展示商談会への出展、まるごと高知を活用した商談会の開催、さらには量販店などのバイヤーの方々の本県への招へいなど、着実に一歩一歩取り組みを進めてまいりました。その結果、平成23年度に1,327件、金額で申しますと3億4千万円であった成約が、昨年度は2,603件、7億7千万円の成約にまで大きく伸びたところであります。まさに官民協働による取り組みが実を結びつつあると実感しております。

 本年度は、この勢いを加速させ、新規取引先の拡大や県内事業者との連携をさらに強化するため、外商部門を5名から7名へと2名増員し、卸事業者や量販店といったターゲットごとに担当制を敷いて活動を展開しております。これまで培ってきた人脈、経験をベースとして、プロモーション部門とも一層連携して、さらに深く、広く外商活動を展開し、成約金額のさらなるアップに向けて取り組んでまいります。

(4)観光振興の取り組み

 次に、観光振興の取り組みについてご説明申し上げます。

 平成24年の県外観光客の入込客数は384万人、観光客の総消費額は前年と比較して約5パーセント増の1千億円となりました。また、先月のゴールデンウィーク期間中の入込客数についても対前年比6パーセント増となるなど、大河ドラマによる龍馬ブームが落ち着いた中でも、観光地としての本県の認知度は着実に上がっているものと感じております。

 こうした中、今後、400万人観光、さらにその先の、「龍馬伝」の放送された年と同じ435万人観光を実現していくためには、次の3つの点をしっかりと進めていくことが重要であると考えております。

 一点目は、地域が主体となって観光資源の発掘や磨き上げを行い、満足度の高い観光商品を作り上げていくことであります。二点目は、作り上げた観光商品を広く県外に向けて効果的にPRしていくことであります。三点目は、高知へ来ていただいた方に再び訪れていただくためのおもてなしの取り組みであります。

 まず、地域主体の観光商品づくりについては、地域で観光に取り組むリーダーを育成するとともに、地域観光の推進主体となる広域観光組織の機能強化に向けた支援も行っております。

 こうした中、いよいよ来月から半年間にわたって、地域主体の博覧会の第一弾となる「楽しまんと!はた博」が、幡多地域で開催されます。海・川・山の大自然を体感していただく様々な体験プログラムや、豊かな食を生かしたイベントなどに、地域の皆様が一体となって取り組まれるものであり、県としましても、成功に向けて全力で支援してまいります。

 次に、効果的な観光商品のPRについては、首都圏のマスメディアを活用した全国への情報発信や、ターゲットを明確にした効果的なプロモーション活動により、本県の認知度の向上や誘客を図ってまいります。

 先ほど申し上げました映画「県庁おもてなし課」は、既に全国で50万人を超える多くの皆様にご覧いただいております。映画をきっかけに一人でも多くの皆様に本県を訪れていただき、魅力を感じていただけますよう、全国の主要な映画館へのロケ地マップの配布や、県庁内へのロケセットの再現などを行っております。

 こうした取り組みにより高知に来ていただいた皆様に、再度高知を訪れたいと思っていただけますよう、おもてなしタクシーやおもてなしトイレなどの受け入れ態勢の充実を図るとともに、龍馬パスポートによるリピーターの獲得や観光客の周遊促進にも力を入れてまいります。

 このように、地域が主体となって観光商品をつくり、その観光商品を効果的にPRし、リピーターとなっていただくためのおもてなしに取り組む、こうした3つの取り組みをしっかりと連動して進めていくことにより、本県観光のさらなる飛躍を目指してまいります。

(5)CLT普及の取り組み

 減少傾向にある国産木材の需要の拡大を図ることは、林業・木材産業にとって重要な課題の一つとなっております。

 こうした中、板材を並べて交互に重ね合わせたパネルでありますCLTを建築部材として使用する建築工法は、既に欧米などで急速に普及しており、我が国においても注目が集まっております。

 CLTが用いられた建築物には大量の木材が必要とされることから、CLTの普及は木材の大きな需要喚起につながると考え、国に対しまして政策提言を行ってまいりました結果、国の産業競争力会議においても、林業分野の需要拡大につながる重要な取り組みの一つとして推進する方針が示されているところであります。

 他方で、CLTの普及に向けては、関係する法令などの整備、日本の気候や風土に合った設計・施工方法の確立、技術者の育成などの課題があり、今後これらの課題を一つ一つクリアしていかなくてはなりません。

 こうしたことから、まずは、本県が全国のトップランナーとなって、CLTについて全国へ情報発信をするとともに、国に対して関係法令の整備を働きかけるなど、CLTの普及を進めてまいります。あわせて、全国に先行してCLT工法に必要となる技術の習得・蓄積を行うとともに、関係者による人的ネットワークの強化を図ってまいります。その第一歩といたしまして、7月には関係者の参画をいただき、産学官が連携したCLT推進のための協議会を立ち上げますとともに、同協議会が行いますCLTの普及や研究、担い手の養成などに対しまして、支援をしてまいります。

 さらに、こうした取り組みを通じて確立した先進県としてのポジションを生かしつつ、全国屈指の企業支援策などにより、本県へのCLTパネル工場の設置を目指してまいります。

 

6 日本一の健康長寿県づくりの取り組みについて

 

 次に、日本一の健康長寿県づくりの取り組みについてご説明申し上げます。

 日本一の健康長寿県構想については、本年2月に、これまでの取り組みから見えてきた成果や課題を検証した上でバージョンアップを図り、保健・医療・福祉の各分野で取り組みを加速させているところであります。

(1)よさこい健康プラン21推進室及び周産期・母子保健推進室の取り組み状況

 保健の分野では、本年度、母子保健の一層の推進を図るため「周産期・母子保健推進室」を設置するとともに、各福祉保健所には専任職員を配置して体制を強化いたしました。4月からは、妊婦健診において新たな検査項目を導入し、早産の兆候の早期発見に努め、母体管理の徹底に取り組んでいるところであります。

 また、生涯を通じた県民の健康づくりを強力に推進するため、「よさこい健康プラン21推進室」を設置し、活動をスタートさせております。主な取り組みといたしまして、教育委員会と連携し、副読本などを活用した学校での健康教育の充実を図るとともに、地域の団体や人材を活用した出前授業を開催いたしますなど、保護者世代の健康意識の向上に向けた取り組みなどを通じて、子どもの頃からの健康的な生活習慣の定着を図ってまいります。

(2)子ども・子育て会議と子育て同盟について

 福祉分野における、次代を担う子どもたちを守り育てる環境づくりに向けた取り組みについて、ご説明申し上げます。

 この3月、政府から公表されました地域別の将来推計人口によりますと、これまでにも増して少子化が著しく進行することが見込まれるなどしており、子どもを産み育てやすい環境の整備は、県政の重要課題だと認識しております。

 私としましても、現在、国が設置した「子ども・子育て会議」の全国知事会の代表委員として、多様な地域の実情にも柔軟な対応ができる子育て支援制度の構築に向けて、積極的に議論に参加しているところであります。

 今後ともこうした会議や、少子化に危機感を持つ10県知事で結成をいたしました「子育て同盟」の活動などを通じまして、国に対して、実効性のある支援策を政策提言いたしますとともに、本県独自の施策を積極的に推進することなどによりまして、少子化対策の取り組みの強化を図ってまいります。

(3)少年非行問題に関する取り組みについて

 少年非行の防止対策につきましては、これまでも、教育委員会、警察本部、知事部局のそれぞれにおいて取り組みを進めてまいりました。しかしながら、昨年、本県において刑法犯で摘発された少年・少女は、709人と昭和24年以降において最少とはなったものの、非行率で見ますと全国ワースト2位と依然として厳しい状況が続いており、こうした状況の抜本的な改善に向けまして、全庁を挙げた取り組みを推進することが喫緊の課題となっております。

 このため、今回、少年非行の問題に携わる関係機関が連携して、これまでの取り組みの経緯なども踏まえ、現状を検証・分析することを通じて、その背景にあります要因などの洗い出しを行いました結果、早急な対応を必要とする7つの課題が明らかになりました。県におきましては、課題ごとの解決に必要となる56の対策や今後の達成すべき成果目標などを主な内容とします抜本強化策を取りまとめ、「『高知家』の子ども見守りプラン」として、今月10日の日本一の健康長寿県構想推進会議において決定をいたしました。

 見守りプランの中では、例えば、不適切な養育環境を非行へとつながる要因の一つとして挙げております。子どもが生まれる前の妊娠期や出産・育児期から養育上の支援を必要とする家庭を早期に把握し、早い段階から適切な支援が行える体制を整備する必要があります。このため、健康診査や相談事業などの様々な機会を捉えて、養育上の支援が必要な家庭の把握に努め、行政や民生・児童委員などが連携した地域の支え合いの力を活用して、こうした家庭に対する効果的な支援につながる取り組みを強化してまいります。

 今後は、この抜本強化策に基づく取り組みを推進するとともに、PDCAサイクルを回しながら、施策のバージョンアップを図るなど、県民挙げてのより効果的で総合的な少年非行の防止対策とすべく不断の見直しを行ってまいります。

 

7 教育の充実等について

 

 次に、教育の充実に関する取り組みについてご説明申し上げます。

 教育委員会では、本県教育のさらなるステップアップを図るため、2年目を迎えました高知県教育振興基本計画重点プランに基づきまして、取り組みを展開しております。

 まず、学力につきましては、小学校は全国上位に、中学校は全国平均まで引き上げることを目標に定め、取り組みを進めております。

 本年度からは、児童生徒の思考力や表現力を高めることを目指して、新たに、学校図書館活動の充実や新聞を活用した授業で児童生徒の読む力や書く力を育成することばの力育成プロジェクトの取り組みをスタートさせております。

 また、高知県独自の学力定着状況調査については、より早い段階から学力の定着状況を確認するため、昨年度に対象とした小学校5年生と中学校2年生に、本年度は小学校4年生と中学校1年生も加えて実施いたします。この調査結果を詳細に把握・分析し、学力向上対策のPDCAサイクルを徹底することにより、それぞれの学校でのさらなる学習指導の充実や指導方法の改善を図ってまいります。

 次に、平成20年度に、小中学校ともに全国最低水準にありました児童生徒の体力につきましては、体力アップのためのアクションプランに基づく授業改善などの取り組みにより、概ね上昇傾向を示しております。

 具体的に申し上げますと、本年3月に公表されました平成24年度の全国体力・運動能力、運動習慣等調査において、中学校2年生の体力合計点は平成22年度の記録をやや下回りましたものの、小学校5年生は、過去4回の調査で最も高い記録となりました。

 しかしながら、全国平均にはまだ達しておらず、体力アップのためには、さらなる取り組みが必要となってきております。

 このため、本年度からは新たに、地域で活動しているスポーツ指導者などの協力を得て、学校における体育授業やクラブ活動などを充実させる取り組みや、学校ごとのニーズに応じたきめ細かな研修の実施など、アクションプランに基づく取り組みを充実しております。あわせまして、先ほど申し上げましたよさこい健康プラン21に沿って、新たに学校・家庭・地域が連携した取り組みも進めることにより、体力向上の基礎となる健康的な生活習慣の定着を図ってまいります。

 

8 インフラの充実と有効活用

 

(1)コンプライアンスの徹底

 県内の建設業界におきましては、今回の独占禁止法違反の事案を受け、県民の皆様方からの信頼を回復するため、二度とこうした事案が起こらないよう、コンプライアンスの徹底に引き続き取り組んでいくことが求められております。

 これまで、建設業協会では、外部の視点から協会活動のチェックを行うための倫理委員会の設置、法令違反行為の芽が育たないようにするための公益通報制度の創設、日常の事業活動の中で生じた疑問に応じられる相談窓口の設置など、新たな対策が講じられてまいりました。

 個々の事業者においても、コンプライアンス徹底のための基本方針を策定し、経営者としてコンプライアンスの徹底を宣言するとともに、コンプライアンスの担当部署や相談窓口の設置、社内研修の実施などに取り組まれております。

 今後は、これらの取り組みが十分に機能し続けるよう検証と改善を図っていただきながら、業界が一丸となって、本県建設業界全体の信頼回復に、引き続き努力していただきたいと考えております。

 県におきましては、これまで事業者や関係団体と連携を図りながら、公正な競争基盤の確立に向け、事業者ごとのコンプライアンス基本方針の策定や建設業協会の法令遵守の取り組みなどの支援を行ってまいりました。加えて、本年2月には、高知県談合防止対策検討委員会からご提言をいただき、議会でもご審議をいただきながら、談合が行われにくい入札制度への見直しや指名停止基準の見直しによるペナルティの強化などに取り組むとともに、総合評価方式における新たな加算方式の検討も行っているところです。このほか、低入札価格調査制度における調査基準価格につきましては、工事の品質確保の観点から行われた国の調査基準価格の改正を踏まえ、本県でも引き上げを行いますとともに、今回の影響も含めた調査基準価格のあり方について検討を行うこととしております。

 今後は、こうした談合防止対策の効果を談合防止対策検討委員会で検証していただき、必要に応じて改善を図りながら、より実効性のある対策となるよう取り組んでまいります。

(2)県内の建設業について

 他方、県内の建設業の事業者数は、中長期的に減少傾向にある公共事業費と比較して、緩やかな減少にとどまっております。

 また、建設業における若年労働者の割合は、労働条件の悪化などから、平成12年国勢調査では27.5パーセントであったものが、平成22年調査では17.8パーセントにまで激減しております。このままでは、工事現場の技術・技能を円滑に承継していくことができず、ひいては、道路などの社会資本の品質面などに影響を及ぼすことや、災害発生時の対応力が低下するといったことが懸念されます。

 こうしたことから、建設業の将来を見据え、最新の施工技術の普及支援などの取り組みを進めてまいりますとともに、経営の安定化やマンパワー確保のための方策などについても検討を進めてまいりたいと考えております。

(3)四国8の字ネットワークの整備について

 国の平成25年度予算の補助事業において、阿南安芸自動車道の北川道路が新規事業箇所として採択されました。

 あわせて、阿南安芸自動車道の徳島県牟岐から北川村安倉間については、国と県が協力してルートなどの調査に着手することとなりました。

 このたびの事業化は、県東部地域の安全・安心を確保するための命の道の整備を目指して、関係者の皆様が熱心に取り組んだことが実を結んだものであり、今後の四国8の字ネットワークの整備に向け、大きな弾みとなるものであります。皆様のご尽力に感謝申し上げますとともに、県としまして、その整備にしっかりと取り組んでいく決意であります。

 また、四国横断自動車道の黒潮町佐賀から四万十市間につきましても、事業化に向けてルートや構造検討などの調査を進めることが示されました。

 特に、この区間では、南海トラフ地震による津波への備えを進めるために、ルートやインターチェンジ位置を早期に決定し、地域の防災計画の実効性を高めることが重要であります。今後は、調査の進展に合わせ、早期の事業化に必要な手続きなどを着実に進めてまいります。

 このほか、奈半利安田道路をはじめ、宿毛市から愛媛県愛南町間などの未事業化区間の早期事業化や、事業実施中の区間の1日も早い供用を目指し、引き続き四国8の字ネットワークの整備の加速化に取り組んでまいります。

 

9 中山間対策の取り組み

 

 次に、中山間対策についてご説明申し上げます。

 中山間対策につきましては、昨年度から取り組みを抜本強化し、集落活動センターの立ち上げをはじめとした様々な取り組みを積み重ねてまいりました。

 本年度は、昨年度の経験を踏まえ、多くの住民の皆様に取り組みの成果を実感していただけますよう、中山間対策の本格的な展開を図っていく年にしてまいりたいと考えております。

 中山間対策の核として取り組んでおります集落活動センターは、本年度に入り、安田町の中山地区、香南市の西川地区、そして四万十市の大宮地区の3カ所で開設され、それぞれの地域の課題や住民のニーズに応じた取り組みがスタートしております。

 こうした集落活動センターの取り組みをより充実させるとともに、さらに多くの地域に広げていくため、県では、あらゆる分野の施策を融合し、全庁を挙げて取り組みを支援していくこととしております。

 あわせて、センターに対する支援策や具体的な取り組み事例、自立に向けた成功イメージなどを総合的に取りまとめた「集落活動センター支援ハンドブック」を作成したところであります。今後、集落活動センターの立ち上げを検討されている地域はもとより、立ち上げをためらわれている地域におきましても、このハンドブックを十分に活用しながら、集落活動センターの取り組みを積極的に推進してまいります。

 

10 土佐電気鉄道株式会社の調査状況

 

 土佐電気鉄道株式会社に係る一連の問題につきましては、4月に同社から報告を受けましたものの、事実関係の調査範囲が限定的であり、評価に至る際の根拠についても十分に言及されていないことなどから、同社に対して外部の視点を入れた追加調査を要請いたしました。

 現在、外部の専門家や有識者などにより構成される外部調査委員会において、一連の問題の原因究明などを行うため、中立の立場で事実関係の調査や検証が行われているところであります。

 最終報告の取りまとめには一定の時間が必要になるとお聞きしておりますことから、県としましては、調査の状況を見守りますとともに、最終報告を待って、改めて皆様に県としての対応方針をご説明させていただきたいと考えております。

 

11 議案

 

 続きまして、今回提案いたしました議案についてご説明申し上げます。

 まず予算案は、平成25年度高知県一般会計補正予算の1件です。

 一般会計補正予算案は、先ほど申し上げました南海トラフ地震対策のさらなる充実強化・加速化などの経費として、3億4千万円余りを計上しております。

 条例議案は、高知県税条例の一部を改正する条例議案など10件でございます。

 その他の議案は、県有財産の処分に関する議案など2件でございます。

 以上をもちまして、議案提出にあたっての私からの説明を終わらせていただきます。

 何とぞご審議の上、適切な議決を賜りますようお願い申し上げます。

 

高知県 総務部 秘書課

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