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平成26年6月県議会での知事提案説明

公開日 2014年06月23日

平成26年6月高知県議会定例会での知事提案説明 (6月20日)

1 国の動向等について

2 6月補正予算について

3 南海トラフ地震対策について
(1)第2期行動計画に基づく取り組み方針
(2)命を守る取り組み
(3)命をつなぐ取り組み
(4)国土強靭化基本計画

4 第2期産業振興計画の推進について
(1)高知家プロモーション・セカンドシーズンのスタートと今後の展開
(2)地産外商公社の取り組み
(3)移住促進の取り組み
(4)観光振興の取り組み
(5)ものづくりのパワーアップについて

5 日本一の健康長寿県づくりについて
(1)在宅医療の推進について
(2)少子化対策と子ども・子育て支援新制度への対応と動向について

6 女性の活躍の場の拡大について

7 教育の充実等について
(1)いじめ防止対策について
(2)県立高等学校再編振興計画について

8 インフラの充実と有効活用

9 中央地域の公共交通の再構築について

10 議案


 本日、議員の皆様のご出席をいただき、平成26年6月県議会定例会が開かれますことを厚くお礼申し上げます。

 ただ今提案いたしました議案の説明に先立ちまして、当面する県政の主要な課題についてご説明を申し上げ、議員の皆様並びに県民の皆様のご理解とご協力をお願いしたいと思っております。

 

1 国の動向等について

 今月16日に日本銀行が公表した「金融経済月報」では、我が国の景気について、設備投資が緩やかに増加し、個人消費や住宅投資が底堅く推移していることなどを踏まえ、「消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動がみられているが、基調的には緩やかな回復を続けている。」とされております。

 4月からの消費増税に伴う景気の後退が懸念されましたが、月例賃金の引き上げや一時金の増加など賃上げの動きも見られておりますことから、景気回復に向けた道筋を順調にたどっているのではないかと受け止めております。

 ただし、地域を取り巻く状況には依然として厳しい面もあります。県としましても、引き続き、産業振興計画を強力に推進するなど、県勢浮揚に向けた取り組みを進めてまいります。

 こうした中、今月下旬には、我が国の経済財政運営の指針となります「骨太方針」が策定される予定となっております。去る13日にまとめられた素案では、今後の経済財政運営の課題として、「消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動減への対応」、「動き始めた経済の好循環の更なる拡大と企業の主体的行動」、「日本の未来像に向けた制度・システム改革の実施」、「経済再生と両立する財政健全化」の4つの課題が掲げられているところであります。

 いずれも日本経済再生のために欠かせない視点であることから、着実に実行し、企業収益の拡大がさらに賃金の上昇や雇用の拡大につながり、それが消費の増加を通じてさらなる景気回復につながるという経済の好循環を実現していただきたいと思っております。

 また、今回の「骨太方針」の素案では、人口急減・超高齢化への流れを変え、望ましい未来像に向けた改革・変革を進め、50年後に1億人程度の安定した人口構造の保持を目指すことが明記されております。

 本県は、これまで、全国に先行して人口減少や高齢化が進む中、課題解決の先進県となることを目指すべき方向と見定め、地産外商戦略を柱とする産業振興計画の推進はもとより、あったかふれあいセンターなどに代表されます高知型福祉の推進、集落活動センターの普及など、その処方箋、解決策を検討し、実践してまいりました。

 本県が課題先進県として真正面から取り組んできた課題が、国全体の課題としても認識されるようになったところであり、我々と同様の取り組みが全国的にも試みられていくこととなるのではないかと思われます。

 今後とも、引き続き、時機を捉えた政策提言や本県の培ってきたノウハウなどを積極的に情報発信することを通じて、国全体の取り組みが本県にとっても有利に働くよう、そして、時代の流れを味方につけることとなるよう取り組んでまいりたいと考えております。

 

2 6月補正予算について

 今議会では、「南海トラフ地震対策のさらなる充実強化・加速化」、「日本一の健康長寿県づくり」、「教育の充実と子育て支援」、「少子化対策の抜本強化と女性の活躍の場の拡大」の4つの柱に基づき、総額4億3千万円余りの補正予算案を提出しております。

 第一の柱である「南海トラフ地震対策のさらなる充実強化・加速化」に関しては、地震発生直後の被害をさらに軽減させるため、沿岸市町村の津波避難計画の点検を実施するとともに、保育所などの高台移転等に関する支援策を強化してまいります。さらには、本年度より本格的に着手することとしております応急期初期の対策に関しまして、まずは、市町村の避難所確保対策や広域避難の検討を支援してまいります。

 第二の柱である「日本一の健康長寿県づくり」に関しては、がん診療における医療環境の充実を図るため、高知医療センターの行う放射線治療用機器の整備を支援してまいります。

 第三の柱である「教育の充実と子育て支援」に関しては、母子及び寡婦福祉法が改正されたことを受け、現在の福祉資金制度の貸付対象を父子家庭にまで拡大することにより、ひとり親家庭に対する支援を強化いたします。

 第四の柱である「少子化対策の抜本強化と女性の活躍の場の拡大」に関しては、企業における女性登用の促進のため、女性のためのキャリアアップ研修などを実施してまいります。

 

3 南海トラフ地震対策について

 続いて、平成26年度の県政運営の現状に関し、まずは、南海トラフ地震対策についてご説明申し上げます。

 

(1)第2期行動計画に基づく取り組み方針

 現在、第2期南海トラフ地震対策行動計画に基づく対策を、PDCAサイクルにより不断の見直しを行いながら全速力で進めているところであります。

 中でも、地震発生直後の命を守る対策に最優先で取り組んでまいりました結果、避難路・避難場所や津波避難タワーの整備は着実に進んでおり、県内各地でいざという時に避難できる場所の確保が図られてきているところであります。

 しかし、当然のことながら、まだまだ多くのやるべき対策が残されております。本年度は、引き続き、地震発生直後の命を守る対策を進めながら、併せて、避難所の確保対策など、応急期における命をつなぐための対策についても、本格化させてまいります。

 これによりまして、地震発生直後から応急期の初期段階までの対策を平成27年度末までに概ね完成させることを目指し、取り組みのさらなる加速化を図ってまいります。

 

(2)命を守る取り組み

(ア)津波避難対策について

 まず、地震発生直後の命を守る対策としまして、特に津波からの避難につきましては、「南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法」に基づき、去る3月28日には、本県のすべての市町村が南海トラフ地震防災対策推進地域に指定されるとともに、沿岸の19市町村すべてが南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域に指定されました。

 このことにより、国による財政支援の下、国と地方が一体となった、津波対策の加速化が期待されるところです。

 現在、ハード面では、1,445カ所の避難路・避難場所及び115カ所の津波避難タワーの完成を目指して整備が進められており、ソフト面では、沿岸の19市町村の508地区すべての地域で津波避難計画が策定されるなど、津波から逃げる場所の確保とそこに逃げるための対策が進みつつあります。今後は、整備された避難路や避難場所に困難な条件の下でも実際に逃げることができるのかについて、計画の点検や実際の避難訓練などを通じて、さらに検証を重ねていく必要があります。

 このため、避難が困難な地域が存在していないか、夜間時の避難に支障がないか、避難に際して配慮が必要な要配慮者の方であっても速やかに避難できるかについて確認するため、まずは図上点検を行い、この結果を、今後行う現地点検の目安として活用することといたしました。この図上点検におきましては、東日本大震災での避難の実態を踏まえた移動速度を基に、昼間や夜間、また歩行が困難な同行者がいる場合など、複数の移動パターンについて、安全かつ確実に津波から避難することができるのか検証することとしております。

(イ)保育所・幼稚園等の高台移転への支援制度の拡充について

 また、保育所や幼稚園などの高台移転につきましては、本年度、移転の条件の整いました土佐清水市など3つの市町の保育所に対し支援を行うこととしております。さらに、こうした先行事例が具体的に見え始めたことから、室戸市など他の市町村の施設においても新たに移転の検討が始まるなど、施設整備に対する支援制度の創設を契機として、高台移転への取り組みの意識が着実に高まってきております。

 しかしながら、移転に際しては大きな資金負担が伴うことや、移転可能な適地がないことなどにより、高台移転に踏み切れないといった声もお伺いしております。

 このため、現行の補助基準額を大きく引き上げ、移転に係る資金負担の軽減を図るとともに、現地での高層化も新たに補助対象に加えることにより、幼い子どもたちの命を守る取り組みを加速してまいりたいと考えております。

(ウ)火災対策について

 大規模な火災から安全に避難するための地震火災対策につきましては、本年4月に、地震火災の専門家などを委員とする「地震火災対策検討会」を立ち上げ、市街地での出火や延焼を防止する対策の検討に着手いたしました。

 この検討会では、県内の大規模火災の危険性が高い地域を抽出するほか、木造住宅が密集している地域をモデルとして選定し、延焼シミュレーションや道路閉塞などの危険性について具体的な評価と対策の検討を行うこととしております。本年度末までには、市町村が地震火災対策を進めるための指針として取りまとめを行ってまいります。

(3)命をつなぐ取り組み

 県民の早期の救助救出や被災者の支援、輸送手段の確保などの応急期の対策も、被災した県民の皆様の命に関わる、いわば助かった命をつないでいくための重要な取り組みであります。

 こうした応急期の初期の対策を進めるにあたっては、例えば、避難所をどこにどれだけ確保するか、そこでどのように生活を維持していくのか、地域ごとに避難所の過不足が発生した場合の広域的な調整をどう行うかといった事を事前に決めておく必要があります。また、地域において応急救助機関はどこで活動するのか、そうした地域での活動を支える防災拠点の役割や運営体制はどうあるべきか、多くの負傷者に対してどのように医療救護活動を行うのか、さらに、応急活動を行うために必要な道路の啓開活動はどのように行うのかなど、今取り組んでいかなければならない多くの課題があります。

(ア)避難所確保対策等の支援

 こうした応急期の初期段階までの対策の中で、まず重要となりますのは、避難所確保の取り組みであります。

 現段階では、最大クラスの地震が発生した際には、県全体で約12万人分の避難所が不足することが想定されております。このため、指定避難所の耐震化や新たな避難所の指定に取り組むことに加え、住まいの近くでの避難生活が可能となるよう、本年度から自治会が所有する集会所の耐震化も補助することにより、避難所確保の取り組みを進めております。

 他方で、多数の避難者の発生が想定される市町村におきましては、当該市町村内の避難所だけでは受け入れが困難であることから、市町村の圏域を越えた、いわゆる広域避難も併せて検討する必要があります。

 このため、県内を4ブロックに分けた上で、まずは幡多ブロックにおいて具体的な検討や協議を行っておりますが、この中で、現在の被害想定では各市町村の地域ごとには避難者数を算定していないため、避難所ごとの収容能力の過不足が分からないという課題が明らかになったところであります。そのため、広域避難の具体的な検討を行う基礎データとして、各市町村における地域ごとの避難者数を算定した上で、避難所ごとの収容者数の過不足を把握することとしております。

 今後、このデータを基に、広域避難の考え方を整理し、平成27年度中には各ブロック内での避難者の受け入れなどに関する合意が図られるよう取り組みを進めてまいります。

 また、地震発生後の応急活動に必要となる避難所のほか、医療救護所、応急救助機関の活動拠点、物資の集積拠点、応急仮設住宅用地などについて、事前に、発災後の時間経過に応じた機能の配置や用地・施設の利用競合を調整しておくことにより、応急活動を円滑に行うことが可能となります。

 このため、応急期における様々な機能の配置計画を策定するガイドラインを作成し、市町村を支援してまいります。

(イ)その他の応急期対策

 次に、応急期の医療救護活動につきましては、昨年度設置した「南海トラフ地震における応急期対策のあり方に関する懇談会」から、発災直後からの時間経過を追いながら、関係機関が連携した対応ができるよう検討してはどうかとのご提案があったことを受け、現在、医療機関の被害想定が異なる3つの地域をモデルとして、検討を行っているところであります。

 また、地震発生後に全国からの応援物資や部隊の受け入れを迅速に行えるようにするためには、事前に道路啓開計画を策定しておくことが極めて重要であります。本年度は、国土交通省、自衛隊、建設業協会、警察本部などをメンバーとした協議会を立ち上げ、啓開計画の検討を進めることとしており、来月に予定しております第1回協議会に向けて、啓開日数算定のための条件整理や啓開日数短縮のための対策について、国や関係機関と協議を進めているところであります。

(ウ)地域本部

 こうした「命を守る」対策と「命をつなぐ」対策を、より具体的かつ着実に進めていくためには、各地域においてそれぞれの実情に合った対策を考えていく必要があります。

 そのため、市町村の皆様とともに地域に根差した対策を進めることができるよう、本年度から南海トラフ地震対策推進地域本部を、安芸、中央東、中央西、須崎、幡多の5つの地域に設置し、合計17人の防災専任職員を配置しております。

 現在、この地域本部では、発災後に速やかに活動が行えるよう市町村や応急救助機関などと協議を重ねながら、津波被害が想定される沿岸地域や土砂災害が想定される中山間地域など、それぞれの地域の実情の把握や課題の洗い出しを行っております。

 さらに、今後は、津波避難計画の点検や見直し、総合防災拠点の運営方法の検討、地域ごとの道路啓開計画の策定や防災訓練などに積極的に関わり、市町村や自主防災組織など地域の皆様と共に防災対策を進めてまいります。

(4)国土強靭化基本計画

 昨年12月に、「強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靭化基本法」が施行され、大規模自然災害に備えた国土の全域にわたる強靭な国づくりを目指すこととなりました。

 国土強靭化施策について検討を行う国の「ナショナル・レジリエンス懇談会」に、私もこれまで委員として参加し、事前の防災・減災対策に国と地方が役割分担をしながら連携して施策を進めることの重要性や、防災・減災対応に関しマンパワー不足が懸念される地方公共団体への支援の重要性などについて意見を強く申し上げてまいりました。

 その結果、こうした意見も反映された形で、今月3日に国土強靱化基本計画が閣議決定され、今後は、この基本計画に沿って、「国土強靭化地域計画」の策定が地方に求められることとなります。

 国においては、全国で地域計画の策定を促進するために、まずは、モデルとなる実施団体を選定することとしており、本県がすでに南海トラフ地震に対する脆弱性を洗い出し行動計画を進めていることや、高知市と連携して強靭化に取り組んでいる点が評価され、今回、県と高知市がモデル調査の第一次実施団体に選定されたところであります。

 今後は、専門家等による助言など国の支援も受けながら、地域計画の策定に取り組み、本県の検討過程や結果を全国に発信することとなります。新たに国との役割分担や近隣県との連携・協力のあり方の検討が行われることとなるなど、地域計画策定に取り組むことは非常に有意義であると考えられます。今後、近隣県と協調しつつ積極的に計画策定に取り組んでまいりたいと考えております。

4 第2期産業振興計画の推進について

 次に、産業振興計画についてご説明申し上げます。

 第2期計画の取り組み期間も、本年度を含め残り2年となります。このため、今年度は、各産業分野で掲げた数値目標をこれまで以上に強く意識し、その達成に向け、それぞれの施策が十分な成果を挙げ、かつ、目標の達成に繋がっているのかといった視点できめ細かく点検・検証し、必要な対策を講じてまいります。

 今月3日に開催いたしました四国地方産業競争力協議会では、昨年度に策定した「四国産業競争力強化戦略」に基づき、四国が連携して取り組みを進める11のプロジェクトについて、事業計画をご確認いただきました。また、この協議会の終了後に、各県知事と四国経済連合会の代表が記者会見を行い、四国の力を結集して取り組んでいくことをアピールしたところであります。

 各県が単独では乗り越えられない壁を乗り越えるべく、4県が連携して挑戦をしていくとともに、こうした挑戦によりまして、今後、本県の産業振興計画の取り組み自体をさらに強化してまいります。

 また、本年度は、「高知家」の下で統一的に展開する地産地消・地産外商、観光振興、移住促進の各政策と「高知家」プロモーションとをしっかり連動させることに加えて、各分野の施策も相互に連携させることにより、県産品の販売拡大、観光客の増加、移住者の増加といった具体的な成果につなげてまいります。

(1)高知家プロモーション・セカンドシーズンのスタートと今後の展開

 昨年6月にスタートいたしました「高知家」プロモーションにおきましては、本県の一番の魅力である家族のような温かさを、「高知県は、ひとつの大家族やき。高知家」のコンセプトコピーの下、全国に発信してまいりました。

 その結果、昨年度の「高知家」特設サイトのアクセス数は、目標の1.3倍となる90万8千件に達しますとともに、「高知家」ファミリー募金では、本年3月末時点でお配りしたピンバッジが8万5千個以上に上るなど、「高知家」プロモーションの取り組みが県内外に広がりを見せており、本県の認知度の向上につながっていると感じております。

 2年目となります本年度は、高知県の良いものや自然あふれる場所、そして素晴らしい人たちがいることをより具体的に知っていただくことを狙いとして、「おすそわけ」というテーマを掲げてプロモーションを展開することといたしました。

 まずは、4月に「高知県のええもん、ぜーんぶおすそわけやき。高知家」という新たなスローガンを発表し、本年度のプロモーション活動のスタートを切りました。東京で行った記者発表などがテレビや雑誌などのメディアに取り上げられたことにより、広告換算効果は、発表後の6日間だけで約3億2,700万円に上り、昨年6月に「高知家」プロモーションがスタートした直後の1週間の数値を上回るなど、順調な滑り出しができたのではないかと考えております。引き続き、大都市圏の電車内への広告や動画の公開など、「高知家」を切れ目なく打ち出してまいります。加えて、地元ならではの情報も含め、高知の食文化や、自然、風土などについて、食や観光、移住などと関連付けながら様々なメディアを通じて強力に発信してまいります。

 また、「高知家」プロモーションを県産品の認知度向上や販売拡大といった具体的な成果につなげていくため、先月、「高知家統一セールスキャンペーン推進本部」を設置し、「高知家」プロモーションの下、高知家の食卓キャンペーンとも連動して重点的に売り込んでいく品目を選定いたしました。 第1弾として、土佐茶やニラ、宗田節、土佐和紙、海洋深層水関連商品の5品目を選定し、それぞれ販売目標などを具体的に設定したところであります。今後、首都圏のマスメディアなどに向けて魅力的な話題を提供いたしますとともに、関係団体と連携して、官民協働でのセールス活動に取り組んでまいります。さらに、旬の時期などを考慮しながら、品目を追加して取り組みを広げていきたいと考えております。

(2)地産外商公社の取り組み

 地産外商公社におきましては、昨年度、外商部門やプロモーション部門の体制を強化し、これまでに蓄積した経験を基に工夫を重ねつつ、県内事業者の方々の地産外商活動を全力で支援してまいりました。

 その結果、公社が仲介・あっせんした成約件数及び金額は、平成23年度に1,327件、3億4千百万円であったものが、平成24年度は2,603件、7億6千8百万円に、さらに昨年度は3,333件、12億3千5百万円となりました。加えて、まるごと高知の昨年度1年間の売り上げも、4億2千万円余りと、オープン以来初めて4億円を突破するなど県内の事業者の方々との官民協働による外商活動の成果が大きく伸びてまいりました。

 また、プロモーション業務を専任で行うプロモーション戦略局を設置し、メディアに対して、これまで以上に積極的な情報提供・企画提案を実施した結果、テレビ・新聞・雑誌などに本県や本県産品が多く取り上げられ、広告換算効果は平成24年度の22億円余りから昨年度は68億円余りと大幅に増加いたしました。こうした成果は、民間事業者の方々と公社の各部門の積極的な活動と、相互の連携が相乗効果をもたらしたものと考えております。

 本年度は、これまでの取り組みに加え、外商部門では、大手卸売業者主催の展示商談会や社内商談会への出展を強化するなど、大口の取引につながりやすい卸売業の方々との関係をさらに深め、より多くの成約を目指してまいります。また、まるごと高知では、「高知家」プロモーションとしっかりと連動しつつ、新しいヒット商品の掘り起こしや、魅力ある店づくりに全力で取り組んでまいります。

 また、こうした公社の取り組みに加え、地産外商戦略をもう一段上のレベルまで押し上げるため、6次産業化と地産外商の推進にご協力いただける企業との間でパートナー協定を締結し、相互に連携することで、県内の食品加工事業者や農林漁業者が取り組む、全国で通用する商品づくりや販路拡大などの活動を支援してまいります。

 今月の16日には、第一弾として、旭食品株式会社との間で協定を締結いたしました。今後は、パートナー企業と県内事業者との連携をしっかりと支援することで、6次産業化や地産外商の取り組みをより一層加速してまいりますとともに、引き続き、新たなパートナー企業の確保にも取り組んでまいります。

(3)移住促進の取り組み

 昨年度、抜本強化いたしました移住促進の取り組みにつきましては、官民協働、市町村との連携協調により全力で取り組んでまいりました結果、県の移住ホームページへのアクセス数は、前年度に比べ39パーセント増の約34万3千件、県への新規移住相談者数は36パーセント増の1,076人、移住実績は123パーセント増の270組468人と、前年度を大きく上回る成果となりました。

 こうした成果をさらに大きなものとするために、本年度、3つの観点から移住促進策を強化し、それぞれの取り組みを進めているところであります。

 一つ目の、地域や企業などで活躍していただける「人財」を誘致する取り組みについては、この4月から、まるごと高知に、移住・交流コンシェルジュによる本県への移住相談窓口を開設するとともに、この移住・交流コンシェルジュが、東京事務所と連携して企業を訪問するなど、本県への「人財」誘致に向けた積極的な情報発信に努めております。

 さらに、本年度、都市部からの「人財」誘致の実現に向け、全国で事業を展開している複数の人材ビジネス事業者と連携に関する取り決めを交わしたところであります。現在、この人材ビジネス事業者には、ホテルの営業推進担当のマネージャーや総務・人事に精通した管理責任者といった県内の「人財」ニーズを情報提供し、具体的なマッチングに取り組んでいただいております。今後とも、市町村や民間の皆様のご協力もいただきながら、全庁挙げて「人財」ニーズを掘り起こし、マッチングを実現することで、地域や経済の活性化につなげてまいります。

 二つ目の、移住者向け住宅の確保を促進する取り組みについては、市町村が中間保有した空き家の改修に対する補助事業に、5月末現在で20件の申請が提出されるなど、順調なスタートとなっており、今後とも、市町村に事業の活用を促してまいります。

 三つ目の、民間の移住支援団体などの全県的なネットワーク形成の取り組みにつきましても、この4月に、5つの民間団体が発起人となって「高知家移住促進プロジェクト」が立ち上がり、先月19日には、第1回目のキックオフミーティングが開催されるなどしております。今後、官民協働のパートナーとして力をあわせ、移住促進に取り組んでまいります。

 

(4)観光振興の取り組み

 次に、観光振興の取り組みについてご説明申し上げます。

 平成25年の県外観光客入込数は407万人となり、また、観光客の県内での総消費額も前年比10パーセント増の1,102億円となりました。

 本年度は、400万人観光の定着とさらなる飛躍を図ってまいりますため、「食」を前面に出した観光キャンペーン「リョーマの休日~高知家の食卓~」を推進し、高知家プロモーションとの連携の下、取り組みを加速してまいります。

 また、既にご利用いただいている方が7万6千人を超えた「龍馬パスポート」については、この4月から、より多くの宿泊や地域の体験を促す「龍馬パスポートⅡ」としてリニューアルいたしました。今後も積極的にパスポートをPRし、さらなる周遊促進とリピーターの拡大につなげてまいります。

 地域観光の推進につきましては、東部地域では、来年4月に開幕する「高知県東部地域博覧会」に向けて、様々なイベントや体験プログラム作りなどの準備が進められており、この秋からはプレイベントも始まります。私自身、東部地域を訪問させていただく中で、世界認定を受けた室戸ジオパークの雄大さや豊かな食材、人々の温かいおもてなしの心など、東部地域の持つポテンシャルを改めて実感したところであります。

 この博覧会の開催を通じて、東部地域において持続的に旅行商品を生み出す仕組みが強化されますことで、県全体の観光の底上げにもつながるものと考えており、県としても引き続き積極的に支援してまいります。

 また、国際観光につきましては、日本を訪れる外国人観光客が大幅に増加しつつありますこの機を捉え、本年度から新たに、本県の豊かな自然の恵みを生かした様々な体験や、温かいおもてなしなどによる精神的満足度の高い観光商品の提供に取り組んでおります。現在、各国のニーズの把握はもとより、本県の認知度向上と誘客に向けて、首都圏や台湾での商談会や香港の旅行博への参加など、国内外の旅行会社に対するアプローチを精力的に行っております。

 今後、旅行会社や県内在住の外国人留学生の意見もいただきながら、モデルルートの造成を進め、モニターツアーを実施するなど、本格的にセールス活動を展開してまいりたいと考えております。

(5)ものづくりのパワーアップについて

 次に、高知発のものづくりに関する取り組みについてご説明いたします。

 これまで産業振興計画の推進を通じて、ものづくりの地産地消の取り組み、防災関連産業の振興、あるいは外商支援などに取り組んでまいりました。

 こうした取り組みの結果、例えば、防災関連産業では、平成24年度に約6千万円であった防災関連産業交流会の認定製品の売り上げが、平成25年度には10億円を超えることとなりました。また、産業振興センターの外商支援に関わる売り上げも平成24年度の2億5千万円余りから平成25年度には16億円余りとなるなど、着実に成果が表れ始めております。

 しかしながら、本県経済のさらなる活性化を果たしていくためには、現在売れている商品の売り上げをさらに伸ばしていくことに加え、新たな高知発のものづくりを強力に進めていく必要があります。

 このため、産業振興センターの「ものづくり地産地消センター」と「外商支援部」を統合して、新たに「ものづくり地産地消・外商センター」を本年度設置いたしました。

 同センターでは、従前に比べて支援体制と機能を大幅に拡充しており、ものづくりの地産地消から外商までの取り組みを一連のものとして強力に支援することとしております。

 具体的には、同センターでは、まず、総合相談窓口を設置してあらゆるものづくりに関する問い合わせにワンストップで対応することとし、次に、事業化プランの作成から販売、設備投資といった、ものづくりの各段階で生じる課題に、専任の担当者が一貫して寄り添いサポートすることとしております。さらに、全国に通用する製品や会社づくりをサポートする専門的なアドバイスを実施するとともに、徹底した外商支援も行うこととしております。

 「ものづくり地産地消・外商センター」は、今月開所し活動を本格化しており、4月からこれまでの間に、既に500社を超える事業者を直接訪問し、新たなものづくりに取り組む企業の発掘に努めております。訪問した企業の中には、新たな商品開発に意欲を示される方や、全国的な視点からアドバイスを希望される方なども多く、新たな高知発のものづくりに手ごたえを感じているところであります。

 こうした取り組みを行うものづくり地産地消・外商センターを中心に、関係機関と一体となって、高知発のものづくりを強力に進めてまいります。

5 日本一の健康長寿県づくりについて

 次に、日本一の健康長寿県づくりの取り組みについてご説明申し上げます。

 日本一の健康長寿県構想につきましては、これまでの取り組みから見えてきた成果や課題をPDCAサイクルによって検証を行い、本年2月に第2期のバージョン3として改訂し、保健・医療・福祉の各分野で取り組みを進めているところであります。

(1)在宅医療の推進について

 在宅医療の推進につきましては、高齢者人口の増加に伴い、これからますます需要が増していくことが想定されていることから、在宅医療に不可欠な訪問看護サービスの提供体制の整備を進めていく必要があります。

 このため、本年度は、特に、提供体制が十分でない中山間地域などの需要に対応することができるよう、医師会や訪問看護ステーション連絡協議会などのご協力の下、訪問看護師の派遣にかかる相談や調整を行う体制を整えますとともに、不採算となる経費への支援などに取り組んでおります。

 徐々にではありますが、相談件数や助成件数も増えており、今後は、関係機関や県民の皆様へ積極的に周知を行いますことで、この取り組みが浸透していくよう努めてまいります。

(2)少子化対策と子ども・子育て支援新制度への対応と動向について

 少子高齢化などに起因する人口減少の問題は、このまま推移いたしますと、21世紀の半ばには、国全体の経済規模の縮小に止まらず、今の子どもたちに耐え難いような社会保障負担を生じさせる事態をも引き起こしかねず、今、対策を講じなければ、我が国の将来に国家的な危機をも招きかねない深刻な問題となっているところであります。

 私は昨年来、全国知事会次世代育成支援対策プロジェクトチームのリーダーとして、全国知事会を代表し、直ちに少子化対策を国策の中心に据えて、抜本的な対策の強化に取り組むことが不可欠であることを、国に対し強く訴えてまいりました。

 また、その際には、結婚、妊娠・出産、子育て、仕事と育児の両立といったライフステージに応じた総合的な対策を講じる必要があること、さらには、少子化に至る要因は地域によって大きく異なり、その実情を踏まえたきめ細かな対策が求められることなどを重ねて要請してまいりました。

 このたび、人口減少の問題を克服するために、少子化対策を抜本強化する必要性が国の「骨太方針」に盛り込まれる方向でありますなど、政府としても、この問題に本格的に取り組む姿勢を示しております。

 こうした中、来月、佐賀県で開催されます全国知事会議では、地方が主役となった実効性のある少子化対策の進め方などについて、財源確保の問題を含めて議論することが予定されており、プロジェクトチームのリーダーとして、具体的な政策をパッケージの形で盛り込んだ政策提言をとりまとめてまいりたいと考えております。

 あわせて、本県としましても、少子化対策の抜本強化に向けた取り組みを進めることとしており、例えば、この7月には、県民の皆様の出会いから子育てまでのライフステージに応じた相談をワンストップで受け付ける「出会い・結婚・子育て応援コーナー」を新たに開設することとしております。これによりまして、相談された方を状況に応じた最適な支援窓口へとつなぐほか、結婚を希望する方への総合的な支援を行ってまいります。

 子育て支援の取り組みでは、来年4月から開始予定の子ども・子育て支援新制度への円滑な移行に向けまして、県としましても、市町村が地域の実情に応じた取り組みを円滑に進められるよう支援していくことが必要であり、今月16日に第3回高知県子ども・子育て支援会議を開催し、活発な議論をいただいたところです。

 今後とも、子どもを持つことを希望する皆様が安心して子育てのできる環境整備を図るため、支援計画の策定などに向けました取り組みを加速してまいります。

6 女性の活躍の場の拡大について

 次に、女性の活躍の場の拡大についてご説明申し上げます。

 国の経済再生の取り組みにおいては、少子化と生産年齢人口の減少が進む中で、女性の活躍の場の拡大が柱の一つとして位置付けられており、今月、改定が予定されている国の成長戦略に、女性の就労促進策などを盛り込むことが議論されております。

 このような中、全国に先行して人口の自然減や高齢化が進行している本県においては、県勢浮揚に向けて、潜在的な女性の労働力や培われたキャリアを生かし、女性の活躍促進を積極的に図っていくことは極めて重要であります。

 県では、これまで保育サービスの充実やワーク・ライフ・バランスの推進など、子育てをしながら働き続けられる環境を整備するための支援に取り組んでまいりました。

 しかしながら、県民世論調査によりますと、出産などによって退職された女性の再就職に向けた支援策がない、勤務時間が長時間かつ固定的であるため家庭と仕事の両立が困難といった声も多く、女性が働き続けていくための課題を改めて認識したところであります。

 こうした状況を受け、本年度から、働くことを希望する女性への就労支援と、女性がキャリアを積み重ねながら能力を十分発揮するための支援の、2つの取り組みを強力に進めることといたしました。

 一つ目の、働くことを希望する女性への就労支援については、出産を機に退職した女性を正規雇用した企業への補助金制度を創設するとともに、今月28日に、こうち男女共同参画センター「ソーレ」内に「高知家の女性しごと応援室」を設置し、きめ細かな面談や情報提供、求人側と求職者のニーズに応じた研修などを実施することとしております。

 二つ目の、女性がキャリアを積み重ねながら能力を十分発揮するための支援策については、国の交付金などを活用しまして、経営者を対象とした女性登用の意義などを認識してもらうための意識啓発セミナーを実施するとともに、働く女性を対象としてキャリア形成や育児休業からの職場復帰などに役立つ研修を開催するなど、女性の登用促進に向けた取り組みを新たに進めてまいります。

 さらに、こうした取り組みが十分な効果を発揮するためには、社会全体で女性の活躍を応援する気運を醸成することが重要であります。来月24日には、全国の先頭を切って、「輝く女性応援会議」の地域版が本県で開催されることとなったところであり、これを契機にさらなる気運醸成を図ってまいります。

7 教育の充実等について

 次に、教育の充実に関する取り組みについてご説明申し上げます。

(1)いじめ防止対策について

 いじめの防止対策につきましては、昨年9月の「いじめ防止対策推進法」の施行を受け、県民総ぐるみでいじめ問題の解決を図るための指針となる「高知県いじめ防止基本方針」を本年3月に策定いたしました。

 今後は、この基本方針に沿って、子どもたちの自尊感情を育む教育の推進や相談体制の充実、地域で子どもの育ちを支援する体制づくりなど、いじめの防止のための対策を着実に進めるとともに、重大事態が発生した場合の適切な対処を図ってまいります。

 こうした取り組みにあたっては、平素から関係機関が情報共有し、一丸となって取り組む体制を構築しておくことが必要であります。このため、県の知事部局と教育委員会、警察本部、市町村、学校、保護者などで構成する「高知県いじめ問題対策連絡協議会」を設置し、相互の情報共有を図りながら、連携した取り組みを進めていくことといたしました。

 あわせて、県立学校においていじめにより児童生徒の生命、心身や財産に重大な被害が生じた疑いがあるなど、いわゆる重大な事態が発生した場合に調査を行う「高知県いじめ問題調査委員会」を教育委員会に設置することとしております。

 さらに、県立学校又は私立学校から報告を受けた重大事態の調査の結果について、必要に応じて再調査を行う「高知県いじめ問題再調査委員会」を、独立性、専門性を確保するために知事部局に設置することとし、これらの設置に必要な条例議案を今議会に提案しております。

 こうした調査結果を踏まえ、適切な対処を行うとともに、同様の事態が発生することのないように、未然防止や早期発見に向けた措置を講じてまいります。

 加えて、市町村におけるいじめ防止対策を推進するため、市町村の実情やニーズを踏まえながら、必要な情報提供や助言などの支援を行ってまいります。こうした取り組みを着実に進めていくことにより、子どもたちがいじめで傷つき、命を絶つといった痛ましい事件が起こることのないよう、全力で取り組んでまいります。

(2)県立高等学校再編振興計画について

 教育委員会では、現在、今後10年間の県立高等学校のあり方と方向性を示す県立高等学校再編振興計画の策定に向けまして、協議を重ねているところであります。

 本年1月に、再編振興の基本的な考え方について一定の整理をした上で、高知南高校と高知西高校、須崎高校と須崎工業高校を統合するといった具体的な内容を盛り込んだ実施計画のたたき台を作成いたしました。

 このたたき台の内容につきましては、当該学校関係者の方々などから、反対や疑問も含め様々なご意見をいただいているところであります。そのため、高知南中・高校、高知西高校など各学校関係者や県内の教育関係者の方々に出席いただいて5月から順次開催いたしました教育委員協議会において、より具体的で分かりやすい資料をお示ししながら丁寧な説明と意見交換を重ねているところであります。

 今後も、引き続きご意見をいただきながら、県としての考え方を整理してまいります。その後、県民の皆様からも幅広くご意見をお伺いし、県立高等学校の再編振興計画を取りまとめていくこととしております。

8 インフラの充実と有効活用

 次に、インフラの充実と有効活用について、ご説明申し上げます。

 先月23日、高知新港において、かねてから整備を進めておりました水深12メートルのメインバースと、隣接する水深11メートルの耐震強化岸壁の供用が開始され、翌日には、石炭を積んだ貨物船が寄港し、関係者の皆様によります記念式典が開催されたところであります。

 これまで、既存の岸壁では、貨物船や客船などの利用の増加に伴い岸壁が混雑し、国内の鉄鋼産業やセメント産業に不可欠な本県の石灰石の積み出しなどにおいて、沖待ちなどによるコストアップや取引の機会損失が発生しておりました。このたびの供用開始によって、これらの問題が解消される結果、荷主企業の一層のコストダウンや利便性が向上し、さらなる利用の拡大が期待できます。

 また、これまでは岸壁の長さが不足し寄港が難しかった8万トンを超える大型外国客船の受け入れが可能となりますことから、観光面でも大きく寄与できると考えております。

 さらに、最大級の地震でも被害を最小限に留めることができる耐震強化岸壁が供用されたことで、南海トラフ地震など巨大災害の際には、防災拠点港として復旧・復興における重要な役割を担うことが可能となりました。今月1日には、高知県総合防災訓練の一環として、フェリー型の貨物船や海上保安部、海上自衛隊などによる救援物資の受け入れ、医療救護などの訓練を行ったところであります。

 今後は、大型化する外国クルーズ客船の誘致や、本年度から整備を行う高台企業用地への企業誘致などにより、さらなる利用促進に取り組みますとともに、防波堤の延伸整備や粘り強い構造への改良を進め、県内産業の振興と併せて、県民の安心・安全にも寄与してまいります。

9 中央地域の公共交通の再構築について

 次に、中央地域の公共交通の再構築について、ご説明申し上げます。

 中央地域の公共交通のあり方に関しましては、交通事業者を取り巻く経営環境が厳しさを増す中、土佐電気鉄道株式会社から継続的な協議機関の設置要請があったことを受けまして、昨年9月に行政や金融機関、土佐電気鉄道株式会社及び高知県交通株式会社などで構成される検討会を設置いたしました。検討会では、弁護士や公認会計士など専門家を交え、「持続可能な公共交通スキーム」の構築に向けまして精力的に議論を重ねてきたところであります。

 検討会での議論が進む中で、土佐電鉄及び高知県交通の非常に厳しい経営状況が明らかになるとともに、本年4月初旬には両社の経営陣から単独での公共交通事業の継続は困難であるとの見解が示されたところであります。これを契機としまして、検討会においても両社の統合を見据えた議論が加速してまいりました。

 その結果、去る4月28日に開催されました第6回検討会においては、地域経済や社会への影響を最小限に食い止めながら、将来にわたって持続可能な公共交通システムを構築していくためには、土佐電ドリームサービス株式会社を加えた3社について共同で会社分割を行って新会社を設立し、私的整理の手法により経営再建を目指すことが望ましいとの再構築スキーム案が提案されるに至りました。その提案の中で、関係自治体に対しては、新会社に対する10億円の出資とバス路線維持のための補助制度の見直しが、取引金融機関に対しては、およそ26億円から28億円の債権放棄がそれぞれ要請されたところであります。

 県民の公共交通手段を維持・確保すべき立場にある県としましては、実態を踏まえたこの提案を重く受け止めております。

 中央地域における路線バスや路面電車の現状を見てみますと、年間およそ1,000万人という大変多くの県民の皆様に利用され、県民生活の中で、なくてはならない存在となっておりますことから、その公益的な役割は極めて大きいと考えております。このような現状を踏まえましても、バスや電車の運行がストップし、県民生活に深刻な影響を及ぼすような事態は絶対に避けなくてはなりません。

 さらに、今後の人口減少や高齢化の進展を踏まえますと、高齢者など交通弱者の交通手段やコンパクトシティ化の基盤として、今後、公共交通が果たす公益的な役割は、より一層大きくなると考えております。そのため、中央地域における公共交通を将来にわたっても持続可能なものとしていかなくてはなりません。

 県としましては、このような基本的な認識の下で、検討会から要請のありました出資について、丁寧に検討を重ねてまいりました。その結果、中央地域の公共交通を担う両社が経営危機にある中で、県民の日常生活に直結する極めて公益性の高い交通手段を守り、「将来にわたって持続可能な公共交通スキーム」を構築するため、県としても、関係自治体とともに出資という形で積極的に関与していく必要があると判断し、その旨を今月2日の検討会の場で表明いたしました。

 今後、土佐電鉄、高知県交通の両社は、今月27日の株主総会において統合に関する議案を諮ると伺っております。

 県としましては、株主総会でのご判断を踏まえ、新会社への出資に関する対応を最終的に決定し、改めて本議会にお諮りしたいと考えております。

 また、検討会から併せて要請のありましたバス路線維持のための補助制度の見直しにつきましては、まずは、新会社において路線ごとの収支採算性を把握し、収支改善に向けた対策を徹底していただくことが必要であると考えております。その上で、県民生活に必要な、公益性が高い路線は守るとの考えの下、県と市町村との負担のあり方なども含め、補助制度の見直しについて検討してまいりたいと考えております。

10 議案

 続きまして、今回提案いたしました議案についてご説明申し上げます。

 まず予算案は、平成26年度高知県一般会計補正予算などの2件です。

 このうち一般会計補正予算案は、先ほど申し上げました南海トラフ地震対策のさらなる充実強化・加速化などの経費として、4億3千万円余りの歳入歳出予算の補正などを計上しております。

 条例議案は、高知県いじめ防止対策推進法施行条例議案など13件でございます。

 その他の議案は、権利の放棄に関する議案など4件でございます。

 報告議案は、平成25年度高知県一般会計補正予算の専決処分報告など3件でございます。

 以上をもちまして、議案提出にあたっての私からの説明を終わらせていただきます。

 何とぞご審議の上、適切な議決を賜りますようお願い申し上げます。

 

高知県 総務部 秘書課

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