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平成27年7月31日  知事の定例記者会見

公開日 2015年07月31日

参議院選挙合区・選挙制度改革(1)
高知県知事選挙
土砂災害対策
新型交付金
企業版ふるさと納税
企業とのパートナーズ協定
参議院選挙合区・選挙制度改革(2)
南海トラフ地震対策
参議院選挙合区・選挙制度改革(3)
事業承継・人材確保センター
政府関係機関の地方移転
地方創生
新図書館、東京オリンピック

配布資料
資料1:
飛躍への挑戦!産業振興計画[PDF:2MB]

【動画】知事の定例記者会見

(知事)
 本日の配付資料は、お配りしております産業振興計画についての資料のみです。

参議院選挙合区・選挙制度改革(1)

(畑本・読売新聞記者)
 今日、幹事社からは、質問を三つ用意しており、一つ目は参院選の合区についてです。参議院選挙において、4県を2選挙区に合区する案を含めた「10増10減」案が参議院で通過をして、先日衆議院でも通過をいたしました。
 知事は7月24日に人口均衡のみを重視した案が可決されたことが残念であるということ、それから2019年に行われる参議院選挙に向けての抜本的見直しが行われることとなっていて、そこでは都道府県単位の代表が国政に参加する仕組みを希望されておりました。現段階で知事が望ましいと思われる抜本的見直し後の選挙制度、これはどのような姿が望ましいとお考えなのか。また、今回の法改正に関しての受け止めについての2点を質問します。

(知事)
 まず、望ましいと思われる選挙制度ですが、衆議院と参議院の二院制の中ですので、参議院は参議院としての特徴を活かせる選挙制度が望ましいと思います。参議院の特徴は、都道府県代表制という観点も加味したものであれば良いと考えています。
 事実上、今まで都道府県の代表としての機能も参議院は果たしてきましたが、今回の合区により、いよいよそういうことが果たせなくなるかもしれない状況になりつつあるということであり、憲法の議論が必要になってくると思います。解釈でいけるのか、それとも改正をしないといけないのか。恐らく改正しなければならないということになると思いますが、憲法も含めた本格的な議論をし、参議院の制度の見直しにつなげていけるようにしていただきたいと考えています。
 知事会としても、先日の全国知事会の中で、この問題については憲法論議も含めてしっかりと検討を重ねようではないかと議論させていただいたところであり、私もその議論の中に積極的に参画していきたいと考えています。
 一方で、いわゆる憲法の改正ということになれば、非常に時間がかかるということもありますので、その間も一定の救済措置がとられていくことも大事だと考えております。例えば比例代表制であります。部分的にでも拘束名簿式の対応を図れるようにするといった対応で、合区により候補が出ない都道府県については一定救済することも考えられると思います。あくまで暫定的な制度ということになると思いますが、当面の間の対応もぜひ考えてもらいたいと思います。
 人口比例、その1票の価値の平等、これも大変重要な概念で、ぜひ重んじていかなければならないことだと思っています。他方で、その一つの要因のみでこの国会の院の構成を決めた場合、人口の多い都会出身の議員ばかりが増え、国政のさまざまな論議が都会目線で行われることになります。政策セットがすべて都会有利なものになり、結果として、都市部へのますますの人口の集中が図られ、地方がますます衰退し、国全体の活力が失われてしまう。そういうことでいいのか、そういうことになりかねないのではないかという懸念を抱いており、この国政を論ずる視点、参議院の構成の決め方については、人口1人当たりの1票の平等性という観点のみならずの多様な観点から検討されていくべきなのではないかと思います。

高知県知事選挙

(畑本・読売新聞記者)
 2点目です。先ほど行われた6月の定例県議会で、知事が無所属での次の知事選に立候補を表明されました。4年前の選挙は、自民・公明・民主・社民の推薦を受けて無投票で当選されましたが、今回の選挙に向けて、今後政党への推薦依頼などの政治日程の方針があれば教えていただきたい。
 また、統一地方選の際に、知事が無投票ばかりということになってやや好ましくないというお考えも示されました。今回のご自身の選挙は、知事がもちろん決められることでないのは承知しておりますが、無投票になるかどうかについてどのようにお考えか、お聞かせください。

(知事)
 まず推薦という形、またその日程についても、まだ決まっておりません。これから、いろんな方にご相談しながら態度を決めさせていただきたいと考えています。
 それともう一つ、次の知事選挙の姿についてですが、今度の知事選挙は、私が県民の皆様方の審判を仰ぐ立場でありますから、その姿がどうあるべきなのかということについて、私の方からはコメントする立場にはないと思っています。私としては日々県勢浮揚に向けて全力で仕事をし、そしてまた選挙期間になれば、私の思いや考えを全力で訴えさせていただくことに尽きると思っています。

土砂災害対策

(畑本・読売新聞記者)
 幹事社から、次が最後の質問になります。昨年の8月20日に発生しましたあの広島の土砂災害から間もなく1年になりますが、高知県内も山が多い土地柄であり、土砂災害危険箇所がおおよそ1万8,000カ所あり、そのうち土砂災害警戒区域になっているものが約7,900カ所、宅地開発などに規制がかかるような特別警戒区域が82カ所、これらはいずれも3月末時点の数値ですが、比較的多い状態にあると思います。
 広島の土砂災害では、行政によるこのような警戒区域の指定が十分だったかといった課題も指摘されたわけですが、県内の土砂災害危険箇所などの指定の状況、進み具合などを、この1年間で進み方、考え方が実際に変化したかどうか。こういったところについてお伺いします。

(知事)
 土砂災害対策については、さまざまな点において取組を加速してきたと考えています。まず土砂災害警戒区域、土砂災害特別警戒区域の指定についてですが、特にこの警戒区域の指定については従前に比べてスピードを倍にすべく、平成26年度の補正予算から予算措置を大幅に拡大し、さらに27年度の当初予算は、26年度の当初予算規模を倍増させる形で指定を拡大させていただいているところです。
 平成25年度から27年度は大体年間1,000カ所ぐらいの指定でありましたが、平成28年度以降につきましては年間2,000カ所程度に拡大するようスピードアップして指定を急いでいきたいと考えているところです。平成28年度から2,000カ所にするためには、平成26、27年度に事前の調査を倍増してやらないといけませんので、既にそういう形で事前調査を倍増させていっており、結果として、平成28年度からは2,000カ所以上の指定ができていく見込みだと考えています。何とか平成31年度までにはすべての危険箇所での土砂災害警戒区域の指定を終えたいと考えているところです。それが第1点目です。
 第2点目ですが、その指定したところについて、速やかに住民の皆様方にお話をさせていただくことも大事ですが、まだ指定が終わっていないところに警戒を呼びかけることも大事ですし、そもそもそういう土砂災害警戒区域にお住まいでなく、たまたまその地域の近くにおいでになる可能性もある県民の皆様方に広くあまねく土砂災害の危険性と、どういう場所が危険なのかということを周知徹底していくことが重要だという思いで「あなたの大切なものを土砂災害から守るために」というパンフレットを全戸配布する取組を進めてきました。
 何とか夏の台風シーズンまでにということで、この6月末までに配布を全戸に終えたところであり、こういう形でとにかく啓発そして注意喚起を徹底していくことで、土砂災害から県民の皆様方の命を守りたいということであります。これが2点目。
 あとその他の点についてでありますが、特に河道閉塞等々も含め、非常に危険な大規模の山津波等が起こりかねない地域などについての図上訓練、さらに現地での避難訓練などの訓練対応も強化しています。今年度は山津波を想定した訓練を4カ所で実施をする予定であり、そのような訓練活動も強化をしていきたいです。
 さらにあともう一つは、優先順位をつけながらになりますが、一連のハード対策を進めていくことになると考えています。
 何と言いましても、区域指定を急ぎ、そして周知を行うとともに、また危険性についての周知徹底を図っていこうと考えているとこです。

新型交付金

(木田・時事通信記者)
 来年度の国の地方創生の新型交付金ですが、1,080億円で概算要求する方針ということです。このことについて、どのように評価されますか。

(知事)
 まずこの新型交付金の一番大事なことは、当初予算化することだと思います。これまでも申し上げてきたと思いますが、補正予算で措置するということと当初予算で措置するということはいろいろな意味において大きな違いがあります。我々使う側からしてみれば、当初予算ということであれば、一定今後も続いていくという安心感のもとに仕事ができるという意味において非常に意義深いこともありますし、また霞ヶ関的に見ても、その当初予算化するということになると各省それぞれ厳しく枠がはまっている、いわゆるシーリングの枠、フレームの枠があるわけでありますが、その中から財源を捻出して新しいものをつくり出すことは大変なことです。
 補正予算によって措置されるのに対して、各省間のせめぎ合いというものが非常に激しくなってくる中において、今回政府としてこの当初予算化に向けて概算要求をしていただいた。しかも各省間でしっかり財源を捻出し合うような形で当初予算化につなげていただいたということ自体は、高く評価し、このご尽力に感謝を申し上げたいと考えているところです。
 ただし、今後2点ほど。
 まず1点目、各省からそれぞれ持ち寄り、新型交付金という形でつくっていくわけですが、各省から持ち寄ったときのミシン目がそのまま残る形になってしまってはいけないのでありまして、ぜひミシン目なく、自由度高く使用できるようにしていただきたいです。自由度高くと言っても、その分野別の自由度はできるだけ低くしていただいて、機能別と言いますか、取組をしていくに当たっての隘路を解消するような、取組自体を加速するような点について、特に重点的に特徴化して使えるような交付金にしていただければと思っています。
 2点目は金額です。1,080億円という形で概算要求していただくわけで、正直霞ヶ関の中でのいろんなご尽力という点、みんなで持ち寄ったという意味においては、この金額が今の段階ではぎりぎりだったという感じを受けています。ただ、地方創生に向けて今多くの市町村、県、皆さんが意欲に燃えようとしているところでありますから、そういう意味においてはもうひと声、ふた声大きな金額が確保されれば尚良しということではないかと思っています。ぜひ秋の編成過程においてしっかりとご議論いただきたいと思いますし、場合によっては補正対応ということもあったりするのではないかと。特にいろいろな取組のスタートアップのときは、新しいエンジン、力を入れます。ぜひ、そういう時期であるということを踏まえてご対応いただければと思っています。
 ただ、まずは当初予算化に向けて歩みが始まったということについては、多くの皆さんのご尽力に感謝を申し上げたいと思います。ぜひこれが予算化されますよう、予算編成過程でいい議論が積み重ねられればと思います。

企業版ふるさと納税

(木田・時事通信記者)
 全国知事会でも話題になった企業版ふるさと納税について、知事はどのようなご意見をお持ちでしょうか。

(知事)
 これは、特に徳島の飯泉知事が全国に先駆けてご提言をしてこられたものであります。我々のような地方部のものとしてみれば、ふるさと納税的な発想が拡大していくことは、ありがたいことだと思っています。個人の場合と企業の場合では、意思決定のあり方、法的な仕組みを考えたときに、果たしてそのふるさととはどこなのかと決めることはなかなか難しいという論点はあったりしますが、全体として都市部から地方へという大きなエネルギーの流れが生まれること自体は望ましいことだと思います。ぜひ技術的諸点も含めて前向きに検討していただければありがたいと思います。

企業とのパートナーズ協定

(古宇田・日本経済新聞記者)
 今、富士通が土佐山地域で企業研修を通した地域課題の解決に向けた事業をしていると思いますが、それについてどのような期待されているか、あと今後どうなっていくか、あとそれについての意義づけ、意味合いなんか教えていただければと思います。

(知事)
 パートナーズ協定を結ばせていただいた富士通さんから、いろいろとご協力いただいている中で、土佐山アカデミーの吉富さんをはじめ、移住や土佐山地区の皆さんの大変なるお力があって、新しいプロジェクトが進んでいることは本当に素晴らしいことだと思います。
 高知県にとっても全国各地から富士通の社員の皆さんがおいでいただくことでにぎわいにもなるし、さらには今後、長く続いていく良き人間関係が地産外商などにつながっていってくれればという思いもすごくあります。また、ぜひ富士通の皆様方もこの田舎の中の田舎の良さみたいなものを改めて感じて帰っていただき仕事に生かしていただてWin-Winの関係を、このプロジェクトを通じて築いていければと思っています。場合によっては、移住につながるということも期待させていただきたいと思います。
 意義づけは、いわゆるCSR(※1)、CSV(※2)ということになると思います。企業のCSV活動において、高知県は、主要な受け皿になり得るのではないかと感じているところです。
 大きな感想として言わせていただくと、近年の企業の社会貢献活動、CSR活動からCSV活動に向けて、非常に地方を応援しようという方向観が出てきていると思っています。これは、アベノミクスの大きな成果ではないかと思っています。昔は、どちらかと言うと環境に特化した取組が多かった中、最近は地方の創生に貢献しようという企業が増えてきていると思っています。高知県は、企業の地方創生という地方に向けた目線、このご厚意を受け止めていく主体として大いに活躍をしたいと思っています。
 例えば移住促進に関係する協定を結ばせていただいたり、高知のものを使ってジュースを作っていただいたり、引っ越しに当たって高知県に優遇措置をしていただいたりなど、いろんな形で協定も結ばせていただいているところであります。地方創生、しかもCSV活動をしようとされる企業のそのエネルギーをしっかり受け得る、どんどん受け止めていける高知県を目指していきたいと考えています。今回の富士通さんの事例はその典型であり、また、この事例が有名になることで、我々の受け止めがもっと進んでいけるようになれればと思っております。
 ※1 CSR= Corporate Social Responsibility = 企業の社会的責任
 ※2 CSV= Creating Shared Value = 共通価値の創造

参議院選挙合区・選挙制度改革(2)

(池・高知新聞記者)
 先ほどの参議院選挙の選挙制度改革について、知事のイメージをもっと具体的に教えていただけたらと思います。憲法の改正も必要になるだろうというのは、具体的にどういった条文を加えるのか、現状にどういうところが足りないのか、ということを教えていただきたいのが1点と、それと1票の価値について重視はしつつも、都道府県代表ということを考えると若干二項対立的な関係にあるというふうに考えます。つまり、都道府県代表はアメリカの上院のような形で、1県2人とかそういう同じ数で割り振っていくと自ずとその1票の格差というのは大きくなるわけです。こう考えると、その憲法の改正をする際に国民投票などの手続きが当然必要になるわけで、合意形成のうえでその人口が多いところが、投票の価値を下げることになりますので、そういった合意形成の難しさもあると思います。この具体的な改正の内容とその合意形成のあり方についてのお考えをお願いします。

(知事)
 参議院議員は都道府県の代表をもって構成する。「のみをもって」と言うかどうかはまた別ですが、今の憲法にはそういう規定がありませんのでそのような趣旨の条文を入れないといけないことになると思います。他方で平等権の条項があることを考えたときも憲法改正をしないと都道府県代表ということにはならないと思いますから、そういう条項を参議院の項目の中に入れていくことが必要になってくると思います。
 その中で、都会の人にとってみれば1票の価値が、格差が広がることになり、合意形成がなかなか難しいと思いますが、そこは都会の人々の暮らしなるものは都会のみによって当然成り立っているわけではないのであり、この日本という国土全体の中で田舎という価値と共存して都市の暮らしというのがあるわけで、その点をしっかり訴えていくことで、地方部を活性化させることの大切さを訴えていくことが大事だと思います。
 実際私も東京で長いこと仕事をしていましたし、今も東京のいろんな関係者とお話をさしていただくことがありますが、正直田舎というものが理解されていると思う場合と残念ながらされていないと思う場合があると感じます。田舎の果たす役割、その意義というものをもう一度田舎自身がしっかり訴えていくってことが大事なのでしょう。
 東京圏でいろいろな人々の暮らしが成り立っています。その河川の安全というのは、上流部の国土をしっかり保全しているから果たせているのであります。また、東京圏で多くの人々が幸せに暮らしておられる。その食料というのは田舎部から来ているわけであります。もし田舎がなくて東京という都市だけだということであれば、日本の食料安全保障というのは極めて脆弱なものになりかねないわけです。また、都市の子どもたちが田舎と交流していく中で、自然、農村での暮らしという価値観などの学びを修学旅行、農村での合宿などを通じて行われているわけです。
 ぜひ都市と農山漁村というのは、田舎というのは共存共栄の関係にあり、その田舎部の価値観、考え方、さらに利害というものを国の政策形成に当たって考慮しなければならないということを国全体として考えていく必要がある。私どものような田舎の政治家はそういうことをしっかりと訴えていく必要があると思っています。今回、ある意味そういうことを訴える良いチャンスでもあると思っています。

(池・高知新聞記者)
 全国知事会で近く有識者を交えた研究会を発足させて、この新しい参院の選挙制度について、本年度末をめどに知事会として見解をまとめるとあります。先ほど知事が積極的に参画したいとおっしゃいましたけど、こういったところに参画するということでしょうか。

(知事)
 有識者会議に参画するかどうか分かりませんが、総合戦略・政権評価特別委員にそれぞれ研究会があるように、これも研究会があります。私はそこのメンバーになっていますので、飯泉知事が座長のそのメンバーとして議論に参画していきたいと思っています。

(畑本・読売新聞記者)
 合わせて合区のお話をお伺いします。合区と言いましても、高知の場合、具体的に高知と徳島が一緒に選挙を行うということですが、ご存じのとおり高知も広いし、徳島も広い、さらに産業構造、文化圏、県民性などの違いも多く、そこから1人の代表者を選ぶことへの心配とか不満という声を我々もよく聞きます。
 知事はその徳島と高知が一つの選挙区として選挙をすることになる。それについての問題点や疑問点、あるいは期待していることは何かお考えでしょうか。

(知事)
 徳島県と高知県というのはお互い県民同士いろんな交流もあって、多くの親しい関係を築いておられる方々も多い。徳島だからどうということでは決してないと思います。ただ、都道府県の境を超えた合区というやり方については我々としては残念であると思っています。徳島県と高知県、現実問題としてこれから合区になっていくわけですから、知事会の枠組みや利害もよく調整し、さらにいろんな課題についての調整がこれから求められていくことになると思います。

南海トラフ地震対策

(海路・高知新聞記者)
 南海トラフ地震対策について、南海トラフ地震対策の特別措置法で高台移転、防災集団移転とかそういう事業を使ってそういう制度設計ができたかと思いますが、現実それを利用した事例とか検討というのが具体的に進んでないということになると思います。この件に関して自治体の負担が非常に重いということで、県としても政策提言でその合算限度額の地域の実情に応じた設定というものを求めてきているかと思います。正直聞く限りではなかなか国交省も腰が重いというか、意識の隔たりが大きいかと思いますが、知事としてその意識とか意見、考え方の隔たりというのはどういう部分にあるかというところを少しお伺いしたいと思います。

(知事)
 南海トラフ地震対策特別措置法ができたことの意義というのは非常に大きいと思います。例えば、「南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画」についても南海トラフ地震を前提とした法律に基づいてつくられることとなった。しかもあの法律は、ある意味日本の危機管理、災害対策という点において画期的だと思っています。あくまでも最悪の事態を想定するということをはっきり書いてありますので、その具体計画についてもその三連動型地震を前提とした最悪のクラスの地震が起こった場合にどう対応するのかということを明示したような形で、さまざまな計画づくりが行われているということ。あの法律の意義というのは非常に大きいものがあると思っています。
 それまでは、東海地震、東南海地震、南海地震はバラバラに起こる前提となっていたので、例えば東海地震が起これば高知県の消防が静岡県に助けに行くという計画がつくられており、三連動型であれば、こんなことにはならないという準備状況でありましたから、あの法律の意義というのは非常に大きいと思っています。
 ですが、先ほど言われましたように、まだあの法律のもとにおいても幾つか論点が残っているのは確かであり、今回全国知事会を前にして、9県知事会議の中でも法律制定後、さらにはその新しい活動計画策定後においても残された論点について、しっかりと国に対して声を上げていこうという話をさせていただいたところです。
 例えばL1規模の津波で逃げ切れない場合は、高台への移転などについて特別に措置すべきではないか。事前の集団移転、まさにそれに関係することでありますが、それを行えるようにすべきではないか。
 それともう一つ、津波の対策強化地域として指定されていないゼロメートル地帯、高知も膨大な人口がおいでになるわけであり、このゼロメートル地帯対策をもう一段強化すべきではないか、さらにはコンビナート対策、民間のコンビナートの可能性がありますが、ここの震災対策しっかり進めるということは多くの皆様の命にかかわる問題であり、極めて公益的な意義のある問題であります。こういうことをどう対処していくのか、さらには災害時医療救護の問題についての対応も、一段強化しないと今のままでは対策十分とは言えないのではないかというような幾つか残された論点があると思っています。
 そういう中において、特にこの最初の三つについては、確かにお金はたくさんかかります。ゆえに補助制度をつくるということにならない点はあると思いますが、財政当局、国土交通省に今後も強く訴えていきたいと思っています。
 一つは、事前に備えることでどれだけの人命が救われるかということが一番大事なことだという点です。そして2点目、なかなかそうはいかない最大の理由というのは、お金が大変だということだと思いますが、事前に備えていた方が震災後の国の財政状況で見たときには、圧倒的に事前に備えていた方が安くつくことになります。だから、単年度主義で見るのではなくて、災害が起こった後のことも見通した何十年タームで財政的にどうあるべきなのかを考えるべきではないかと訴えていきたいと考えています。
 正直なところ、災害を防止するための事前移転という形にはなっておりません。現行の移転スキームは、事前移転のスキーム(枠組み)にプラスアルファ程度でとどまっていて、その被災地において復興のためになされたのと同じ程度のスキームにはなっていないわけです。ですが、被災するのを待ってからでないとそういうスキームにしないというのではなく、あらかじめ備えるときに、もう被災した後の状況的なスキームでもって準備をしていただくことで、あらかじめその被災するということを防ぐという形にした方がはるかに良いのではないかと。人命という点においても、またその財政負担という点においても良いのではないかということを訴えるということです。
 まだ息の長い取組が続いていくのではないでしょうか。

(海路・高知新聞記者)
 これまでのアプローチを変えるとか、新しい制度設計を求めるとか、そういったところまではまだ検討はされてないでしょうか。

(知事)
 もう一段理解を求めるべく努力していきたいと思います。国土交通省も誠意を持っていろいろと話もしていただいていますから、我々としてもしっかりと国土交通省との議論を積み重ねていきたいと思っています。枠組みとしては9県知事会議として訴えさせていただきたいと思っています。
 特別措置法は非常にいい法律ですし、非常に多くのことが進んでいます。危機管理という点においては本当にエポックメイキングな法律だと思います。「最悪に備えよ」と国があれだけ正面に打ち出したことは大したことだと思います。元主計局にいた者は、非常に勇気ある法律だと思っています。ですが、まだまだ個別に残された論点があります。だから、ここのところについては、9県で結束してしっかりと訴えを進めていくことが大事だと思っています。

参議院選挙合区・選挙制度改革(3)

(佐藤・朝日新聞記者)
 合区について、合区対象県の救済策として拘束名簿式を挙げられましたが、具体的な仕組みをイメージしておられるものがあればというのが一つ目です。もう一つはそれを実現させるためには、公職選挙法の改正が必要になるかと思いますが、実現までかなりハードルが上がる部分があるかと思います。どのようにしたら実現できるか、どのようして働きかけていきたいか、もし考えておられることがあれば教えていただきたいと思います。

(知事)
 今各党内においても、県の候補者がいなくなる、県選出の候補者がいなくなる選挙区についての救済策をと議論が訴えられていて、今日も高知新聞社で3人の幹部の方がその検討をしようみたいな話になっているというような新聞記事も出ていました。各党、そして院においての議論を重ねていただきたいと考えていますが、全て拘束名簿式に変える必要もないと思います。例えば、4県が合区だったら2県が出なくなる可能性がありますので、例えばその2人分について言えば、順位としては、今後の順位に拘束するみたいなことを、決めておくといったことはあるかもしれないと思います。
 ただ、そういう形でもって一定、何とか各県ごとに代表が出るようにということを検討していただければと思いますが、それでもなお問題は残ります。大きい政党じゃないと、そういう拘束名簿という仕組みはって言ってもなかなか大変だという問題もあったりする。だから、根本的に議論しないといけないと思います。憲法の議論というのを早期にスタートさせていくということが大事ではないかと思っています。
 知事会の中でこの点を大いに議論を重ねさせてもらいたいと思います。

事業承継・人材確保センター

(古宇田・日本経済新聞記者)
 事業承継・人材確保センターが本格的に稼働を始めましたが、今このセンターの状況というのはどんな感じなのでしょうか。

(知事)
 おおまかな数字で恐縮ですが、大体69件ぐらいのご相談をいただいていると聞いています。その内の44件が事業承継の関係で、25件が人材確保の関係、6対4ぐらいの割合で事業承継と人材確保のご相談をいただいていると伺っています。
 また、事業承継の中にはM&A関連の案件がいくつかあって、中には買い取りたいというお話も結構あると伺っています。立ち上げて事実上まだ3カ月ちょっと、一般案件の募集を始めてから1カ月弱という状況においては、かなり関心が高いと感じております。もう一つ、人材確保についての要望があるという点で、センター設立において、人材確保についても当初より想定してきて良かったと思っているところであります。マッチングしたケースも2、3件あると記憶しています。
 ただ、これから人材をどう確保してマッチングさせていくかということについては、まだまだ難しい点があるかもしれません。特に都市部においての人出不足というのは非常に強くなってきている中において、どのように人材を確保していくのかなど、まだスタートしたばかりの事業ですので、しっかりと当初の想定、仮説を検証しながら、できるだけ早く、こまめにPDCAサイクルを回して対応していきたいと思います。

政府関係機関の地方移転

(池・高知新聞記者)
 地方創生に関係して国が政府関係機関も地方に移転をしようということで、250ぐらいリストアップして、一応公募している状況だと思いますが、これに対する高知県としての検討状況をお聞きしたいのが1点。
 随分、知事会議でも議論になりましたが、250のリスト自体があまり芳しくないというか、中身がいまいちであるということで地方側も二の足を踏んでいるような状況だと思いますが、国に対して、東京に一極集中しているのを解消しようという考え方はいいと思いますけども、2割ぐらいの数値も決めてそこに向かって出していけということを全国知事会議でもおっしゃっていましたが、その方向性について知事の考えをお聞きしたいと思います。

(知事)
 政府関係機関の地方移転というのは、非常にいいことだと思います。地方の人口が増えるということ、国家公務員の皆さんの地方で働く機会もさらに増えるということ、さらに地方でその政府関係機関をコア(中心)とした産業振興、研究を進めていくような新しい可能性を展開してもらえるいい考え方だと思います。他方でおそらく政府関係機関の皆さまはものすごく抵抗すると思います。それはそんなに簡単にできませんよという話になると思います。だから、逆にここは政治主導で数値目標を設けてもらいたいと思います。何とかこの数値目標をクリアしなければならないので、この機関を引き受けてくれるところはありませんかと国の方が探して回るくらいに追い込むという方向に持っていきませんと、なかなか仕事は進まないと思います。
 そういうことで知事会でも、特に地方創生本部で議論をして、数値目標を設けようという話になり、とりあえず2割で設定をさせていただいています。
 本県も来ていただいたらいいと思われる機関があり、ぜひ具体的な検討を進めたいと思っています、例えば林業、海洋研究の分野については、政府関係機関を移転してもらいたいと考えているところです。我々としては、プランをしっかり詰めて政府に対して訴えていきたいと思います。ぜひ政治主導で、一定の数値目標を設けてやっていただくということをお願いしたいと思います。
 例えば、「国会での答弁が当たったらどうするのですか。」といった理屈が出てきます。東京にいないといけない答弁者として関係官房審議官を一人設けて、その人が全部答えるようにすればいいだけのことです。そういう議論は絶対出てくると思うし、断る理由はもう10も20も思いつくぐらいです。ですが、地方創生という意味においては非常に意義のある施策だと思うので、ぜひ進めてもらいたいです。数値目標を設けてやっていかないと駄目だと思います。

(池・高知新聞記者)
 高知県の具体的な検討状況はいかがですか。

(知事)
 先ほど申し上げた林業、海洋研究の2分野において、具体的な案を作れないものかと、今検討をしている状況です。

(池・高知新聞記者)
 あれば手を挙げますか。

(知事)
 もちろんです。

地方創生

(池・高知新聞記者)
 地方創生関係でもう1件。総合戦略に関連して、先日人口ビジョンの案を出されました。考え方としてお聞きしますが、この手の数値目標というのは余り低くすると県民がこんなに暗い将来なのかと思うし、余り大きくすると大風呂敷広げて本当に実現できるのかということで、なかなか根拠を見いだすのは難しい。また、実現も難しいので、どの程度にするのかという難しさもある中、今回のこの55万7,000人というビジョンを示すに至った経緯と知事の基本的お考えや背景を教えていただきたい。

(知事)
 地方創生というのはいろいろな要素があって、地域産業の活性化、移住促進、少子化対策、中山間対策などを総合的に講じていった結果、自然体でいくよりも遙かに地方が未来の展望が開けるという絵姿を示していかなければならないと考えました。ビジョンを掲げていくことでそれぞれの政策の展開にあたり、目標というものを掲げ、目的意識を持って政策展開が県全体として行われるようにしていかなければならないと思ったところです。
 ですから、いわゆる自然体にちょっとプラスアルファ程度のものでは駄目で、しっかりと政策が展開していかなければ達成できないと思われる程度のものにしなければならない。それがまず第一です。
 他方で、あまり荒唐無稽のものであってはいけません。だから、そういう中において、現状はどうかということで、県民の皆様の希望を調査したところです。県民の皆さま方のご希望をできる限り早く叶えるということであれば、多くの皆さんの思いがあるという話ですから、実現可能性として不可能ということにはならないのではないのかと考えたところであり、2040年までに未婚者の結婚希望はできる限り叶えられるようにする。さらには第1子を得る年齢については、平均として現状に比べて1.65歳若いという希望を持っておられる。そういうことを考えましたとき、2040年ぐらいまでに大体1歳程度の若返り、そして最終的に2050年までに1.65歳の若返りということにつなげる。結果、2040年に出生率2.07、2050年に2.27にもっていければと考えたということであります。
 それから、社会増減の問題について言えば、これはかねてから目標があって、何とか社会増減プラスマイナスゼロから、社会増減プラスにもっていきたい。そのように考えているところであります。これは今まで約500組近くの移住促進なども叶いそうだという現状を見て、一定可能と考えられた数値ですが、決して低いハードルではありません。高いハードルではありますが、可能だと思われる範囲の設定をさせていただいたということです。
 いずれにしても、今後、地方創生の取組を、大きな四つの柱のもとに進めていくにあたって、私どもの仕事の仕方について、良き指針となり、我々にとって努力を促すその源泉となるような目標とさせていただきたいと思いました。また県民の皆さま方、多くの皆さんにもご共感いただいて、「一緒にやろうじゃないか」と言っていただけるような目標にもさせていただければと考えたところであります。

新図書館、東京オリンピック

(畑本・読売新聞記者)
 教育関連で2点、それぞれ分野が異なるのですが、まず新図書館です。これ免震ゴムの問題で最大で完成が2年遅れるということで、それもそういうご判断だと思うのですけれども、一方その開館時期を延長している間にサービスの向上とか利便性を図るとか、そういったことを検討する委員会を開くということを表明されてまして、この検討委員会がどのような形でどういう内容を検討していくことになるのかということを一つお伺いしたい。
 もう一つは、本日、東京オリンピックに向けた事前合宿の招致委員会の準備会合が初会合がありまして、これから誘致していこうということで非常に結構なことなんですけども、誘致する中でどうしてもこれまでの世界陸上とか、それから北京オリンピックの際の誘致の経験から判断していくことになると思うんですが、今度の東京オリンピック、国内で大規模なものが開かれるので、ある意味、招致しなくても合宿先を探してくるような状況になる可能性すらある。大分これまでとは状況が大きく異なるのかなと思うんですね。そうした中で、県としてどういうチームに、あるいはどういう方向性で合宿に来て欲しいのかというちょっと大きめのビジョンを持って取り組んでもいいのかなと思いますが、これについて。

(知事)
 まず図書館についてですが、2年延びる判断をしたというよりも、極めて遺憾ながら最低でも1年、最長では2年ほど開館時期を延期せざるを得なくなってしまったということです。東洋ゴムの今回の一連の問題は、極めて遺憾であります。この新図書館は、本県の教育政策という点、子どもの健やかな発展を促すという意味、さらにはまちづくりという意味においても、極めて重要な施設です。できるだけ早い完成を私も願っていますし、多くの皆さんもそう思っておられると思いますが、今回の東洋ゴムの問題によって、こういうことになってしまったことは本当に残念です。
 そういう中で、できる限り早く開館できるための取組を行っていきたいと考えていますが、遅れた期間は、単に遅れてしまって残念です、で終わらせず、期間ができたことをうまく生かして少しでも内容の充実につなげられるようにしていきたい。さらに開館時のスタートアップがより順調にいくように、この期間を生かして、その分検討が重ねられたので、地域の皆さんとの連携がうまくいった、図書館としての効果が、より多く発揮されるようになったというようにしていきたいという思いであります。
 それからオリンピックについて、今、畑本さんの言われたことはおっしゃるとおりだと思います。これは、オリンピックの合宿誘致に留まらない話だと思いますが、今回は東京オリンピック、日本で行われるオリンピックですので、合宿の誘致、ホストシティ・タウン、文化プログラムなどの取組について次につながる、一過性に終わらない、これがあったから、世界といろいろなつながりができて、結果として観光振興だとか地産外商にもつながっていくようになりましたとか、高知県のいろいろな取組、よさこいなどをはじめとしたものが世界的に有名になりましたとか、そういう形につながっていくような形で仕込んでいくことができればと思っているところであります。
 そのための作戦を今後さらに練っていきたいと思っているところです。

(畑本・読売新聞記者)
 図書館の方なんですが、今、具体的こんなことを検討しているというものが、現実に何か、今の段階であるようでしたら。

(知事)
 まず1点目、まちづくりとの連携、中心市街地の活性化に資するようにしていくためには、どうあるべきなのかということです。2点目は、図書館の中身そのものの充実をどう図っていくかということですが、特に課題解決型図書館ということを掲げております。この課題解決型の図書館となるために、既に司書さんのトレーニングを強化していますが、この他にもできることの検討をより一層深めたい。
 もう一つはですね、新図書館基本構想を策定したときにはなかった要素として、産学官民連携センターがあります。新図書館はこの産学官民連携の一群の取組を支援する機能を持つ図書館という位置づけもあり得ると思います。産学官民連携によって新しいものを生みだしていくことに貢献できるような図書館はどうあるべきか、そのような議論ができればいいと思っているところです。

(海路・高知新聞記者)
 新図書館について、先ほど知事が言われたように、県市として重要な施設だということで、開館が2年遅れた場合、さまざまな影響が出てくるかと思いますが、例えば法的な責任だったりとか、そういう場合はどういうものが発生するか、ちょっと見えてこないこともあるかもしれないですが、そういうところは。

(知事)
 法律関係者の皆さんとも相談させていただきながら、しっかりと法的対応をしていきたいと思っています。

(司会)
 以上で知事会見を終わります。

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