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平成28年6月県議会での知事提案説明

公開日 2016年06月08日

平成28年6月高知県議会定例会での知事提案説明 (6月8日)

1 これからの県政運営について

2 国の動向等について

3 6月補正予算について

4 南海トラフ地震対策について
(1)第3期行動計画の取り組み
(2)熊本地震の教訓を踏まえた第3期行動計画の強化
  (繰り返す大きな揺れに対する建物の耐震化について)
  (避難所の確保と運営体制の充実)
  (物資配送計画の策定)
(3)浦戸湾の三重防護
(4)防災対策の財源
(5)世界津波の日高校生サミット

5 経済の活性化について
(1)第3期産業振興計画のスタート
  (農業分野)
  (林業分野)
  (水産業分野)
  (ものづくりの振興)
  (地産外商公社)
  (輸出振興)
(2)観光振興の取り組み
  (奥四万十博)
  (志国高知 幕末維新博)
(3)拡大再生産の好循環に向けた強化策
 (ア)担い手の育成・確保と移住促進
  (担い手の育成・確保)
  (移住促進)
 (イ)地域産業クラスターの形成
 (ウ)起業や新事業展開の促進

6 日本一の健康長寿県づくりについて
(1)壮年期の死亡率の改善
(2)地域地域で安心して住み続けられる県づくり
(3)厳しい環境にある子どもたちへの支援
(4)少子化対策の抜本強化
(5)医療や介護などのサービス提供を担う人材の安定確保と産業化

7 教育の充実について
(1)チーム学校の構築
(2)厳しい環境にある子どもたちへの支援
(3)地域との連携・協働

8 その他
  (伊方発電所について)
  (四国新幹線について)

9 議案


 本日、議員の皆様のご出席をいただき、平成28年6月県議会定例会が開かれますことを厚くお礼申し上げます。


 ただ今提案いたしました議案の説明に先立ちまして、当面する県政の主要な課題についてご説明を申し上げ、議員の皆様並びに県民の皆様のご理解とご協力をお願いしたいと思っております。


 はじめに、本年4月に発生しました熊本地震によりお亡くなりになられた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、ご遺族の皆様にお悔やみを申し上げます。また、被害に遭われた皆様に心からお見舞いを申し上げます。
 本県におきましては、地震発生直後から、災害派遣医療チームや被災宅地危険度判定士を派遣するなど、被災地への人的支援を積極的に行いますとともに、被災された方々の受け入れ準備を進めてまいりました。また、県民の皆様から多くの義援金をいただくなど、県を挙げて支援に取り組んできたところであります。被災地では、いまだに多くの方が避難されておりますことから、今後も全国知事会などと連携して、一日も早い復興を応援してまいります。
 あわせて、熊本地震の教訓に学び、必要な見直しを行うなど、南海トラフ地震対策についても万全を期してまいります。

1 これからの県政運営について

 平成28年度は、私にとりまして県政運営3期目の実質的な初年度であり、2月定例会でご議論いただきましたとおり、産業振興計画、日本一の健康長寿県構想、南海トラフ地震対策行動計画の大幅な改定や、教育等の振興に関する施策の大綱の策定など、様々な施策を大幅にバージョンアップいたしました。県勢浮揚の実現に向けて、PDCAサイクルを回しながら、これらの施策に全力で取り組んでまいります。
 また、県政の運営にあたっては、「対話と実行」の基本姿勢により、県民の皆様に県の政策を分かりやすくお伝えするとともに、地域や各界の方々のお話を伺いながら、その実情を施策に反映させていくことが重要であります。
 このため、産業振興計画についてのシンポジウムを県内各地域で開催するなど、政策広報を引き続き強化するとともに、私自身が各市町村をそれぞれ1日かけてお伺いして地域の皆様の声を聞かせていただく「対話と実行行脚」と、分野ごとに絞りこんだテーマについて地域で活動されている関係者の方々と意見交換をさせていただく「対話と実行座談会」を本年度以降も開催させていただきたいと考えております。
 引き続き、県民の皆様との対話を通じて、各地域や分野の実情を学ばせていただき、賜ったお知恵を施策に反映させながら、スピード感を持って実行するよう努めてまいります。

2 国の動向等について

 今月2日、一億総活躍社会の実現を目指す「ニッポン一億総活躍プラン」と、我が国の経済財政運営の指針となります、いわゆる「骨太の方針」が閣議決定されました。
 これらのプランと方針においては、経済成長の隘路である人口減少、少子高齢化という構造的な問題に対して真正面から立ち向かう必要性が示されています。これまでに本県が国に対して政策提言を行ってまいりました、子ども・子育てへの支援や子どもの貧困対策、女性の活躍推進などの施策も盛り込まれているところであり、大いに評価をし、期待もいたしております。
 さらに、今後、現下の経済情勢に対応するための補正予算の編成などが見込まれております。
 県としましても、こうした国の動きを好機と捉え、産業振興計画や日本一の健康長寿県構想などの取り組みをさらに加速してまいりますとともに、国の施策が本県の県勢浮揚に向けた施策の大きな後押しとなりますよう、引き続き時機を捉えて、積極的な政策提言などを行ってまいります。

3 6月補正予算について

 今議会では、経済の活性化をはじめとする基本政策の着実な推進などのため、総額12億1千万円余りの一般会計補正予算案を提出しております。
 このうち、経済の活性化に関しては、来年3月からの「志国高知 幕末維新博」開幕に向けまして、地域における歴史資源の磨き上げや、その歴史資源を核として周辺の食や自然などを一体的に組み合わせた周遊コースの形成を力強く支援してまいります。さらに、農業分野では、次世代型ハウスの導入などを支援する取り組みを強化いたしますほか、水産業分野では、クロマグロの人工種苗生産技術の開発などを加速してまいります。
 このほか、本年11月に黒潮町と共に開催いたします「世界津波の日」の高校生サミットのための経費や、熊本地震の被災地に対する人的支援に要した経費などを計上しております。

4 南海トラフ地震対策について

 続いて、平成28年度の県政運営の現状に関し、まずは、南海トラフ地震対策についてご説明申し上げます。

(1)第3期行動計画の取り組み

 本年3月に、これまでの行動計画に基づく対策を総括して第3期南海トラフ地震対策行動計画を策定いたしました。特に、第2期行動計画の取り組みにより見えてきた課題については、第3期行動計画に重点的に取り組むべき課題として位置付け、全力で取り組むこととしております。
 まず、発災直後の命を守る対策の中でも最優先で取り組まなければならない課題は住宅の耐震化であります。これまで、市町村との連携の下、耐震診断の勧奨などの対策に取り組んでまいりましたが、耐震設計や改修工事は所有者の経済的な負担が重いことから、耐震化がなかなか進まないという現状があります。
 このため、費用負担を抑えながら段階的に安全性を高める耐震改修への支援制度を本年度新たに創設して、取り組みを加速させているところです。さらに熊本地震発生以降、住宅の耐震化に対する県民の皆様の関心が高まっていることから、支援制度の積極的な周知に努めております。
 次に、揺れが収まった後の安全な避難については、現在、津波から一人ひとりが確実に避難できるよう、沿岸部の19市町村508地域において避難経路の現地点検を進めているところであります。
 また、助かった命をつなぐ対策では、避難所の確保とその運営体制の充実を図るほか、道路啓開訓練の実施など、陸海空で連携した支援物資の配送ルートの確保に向けた取り組みを進めております。
 さらに、負傷者の搬送手段が著しく限られる状況の中において、より負傷者に近い場所で医療を行う前方展開型の医療救護体制を確立するため、本年度は、10市町村9地域で医療救護の行動計画の策定に取り組むとともに、県内の医師や県外から参集したDMATなどを地域の医療救護施設に搬送する仕組みについても検討してまいります。
 加えて、限られた施設や用地を効果的に活用するため、市町村の応急期機能配置計画を本年度中に全市町村で策定することとしており、南海トラフ地震対策推進地域本部において市町村との協議を進めているところです。
 このほか、最も人口が集中している高知市の長期浸水対策にも取り組んでおり、先月開催した高知市との南海トラフ地震対策連携会議において今後の進め方を確認したところであります。

(2)熊本地震の教訓を踏まえた第3期行動計画の強化

 こうした中、本年4月に発生した熊本地震においては、極めて大きな揺れが複数回続くなど東日本大震災では見られなかった事象が見受けられました。本県の南海トラフ地震対策についてさらに万全を期すため、今後、今般の地震で新たに浮き彫りになった状況を反映して施策の見直しを図っていく必要があります。このため、全庁を挙げて検討すべき課題の洗い出しを鋭意行っているところでありますが、現時点で洗い出された課題としては、大きく3つの点が挙げられます。

(繰り返す大きな揺れに対する建物の耐震化について)

 一つ目の課題は、繰り返す揺れへの対応であります。
 先ほども申し上げましたとおり、住宅の耐震化の推進を加速するとともに、助かった命をつなぐ対策として、最初の揺れにより住宅への被害が少しでも見受けられた場合は、安全性が確認されるまでは決して戻らないということを県民の皆様にしっかりと啓発していく必要があると考えております。
 また、住宅に戻ることができない多くの方は体育館などの避難所に長時間避難せざるを得なくなることが予想されることから、避難所の安全確保がより一層重要になってまいります。熊本地震においては、避難所となっている体育館の倒壊はなかったものの、天井の一部や照明などが落下した事例がありました。このため、落下物が避難者に被害を及ぼすことのないよう、大規模な避難所となる施設について目視による点検を早急に行うとともに、必要な対策を検討いたします。
 さらに、県や市町村などの災害対応の拠点となる施設や医療施設などについては、揺れの後の施設の安全性を迅速に判断する必要があります。このため、施設管理者などが判断を行うための簡易な手法と、施設が使用できない場合の対応について検討してまいります。

(避難所の確保と運営体制の充実)

 二つ目の課題は、避難所の確保と運営についてであります。
 熊本地震では、大きな揺れが続くことによる避難所の倒壊を危惧し、車中で避難生活を送る方々が多く見られたところです。
 このため、現在進めております避難所運営マニュアルの作成にあたっては、車中で避難生活を送る方々への対応など、熊本地震で見えてきた新たな課題を踏まえるとともに、介護が必要な高齢者や障害のある方などもより円滑に受け入れることができるものとなるよう、検討を重ねてまいります。あわせて、マニュアルに基づいた訓練を繰り返していただくことにより、その実効性を高めてまいります。

(物資配送計画の策定)

 三つ目の課題は、物資の配送についてであります。
 熊本地震では、配送ルートの寸断などにより支援物資が避難所まで速やかに届かないという状況が生じました。本年度、運送事業者の皆様の協力も得て物資配送計画を策定することとしておりましたが、その検討にあたっては、熊本地震で生じた様々な状況なども踏まえ、万全を期してまいりたいと考えております。
 あわせて、重要な配送ルートとなる四国8の字ネットワークの整備促進が大きな課題でありますことから、今後も国に対して効果的な政策提言を行ってまいります。
 この他にも、今後、熊本地震の検証が進む中で新たな課題や知見が明らかになることが想定されますことから、引き続き第3期行動計画の不断の見直しを行ってまいりたいと考えております。

(3)浦戸湾の三重防護

 県人口が集中し社会基盤が集積している県中央部の被害を最小化するためには、浦戸湾の地震津波対策が急務であることから、その迅速かつ確実な推進について、機会を捉えて国に政策提言を重ねてまいりました。この結果、高知港海岸の直轄海岸整備事業、いわゆる浦戸湾の三重防護が、国の平成28年度新規事業として採択されたところです。この事業は、南海トラフ地震の津波対策を推し進める上で、本県にとっての悲願であり、歴史的な事業でもあります。採択を大変うれしく思いますと同時に、国をはじめ関係者の方々に心から感謝を申し上げます。
 今後、国、県、市の連携をより密にし、スピード感を持って本事業の進捗を図ってまいります。 

(4)防災対策の財源

 これまで申し上げてきましたとおり、南海トラフ地震対策については、浦戸湾の三重防護や、熊本地震の教訓を踏まえた安全な避難所の確保、防災拠点の強化など、まだまだやるべきことが多く残されております。
 しかしながら、こうした課題への対策を着実に進めていくための財源として、これまで大いに活用させていただいた全国防災事業が昨年度で終了するとともに、緊急防災・減災事業債も本年度限りとなっております。
 南海トラフ地震の発生は刻一刻と迫っており、防災減災のための取り組みを停滞させることなく、さらに加速していくことが重要であります。このため、全国防災事業に代わる新たな制度の創設や緊急防災・減災事業債と同等の支援措置の継続について、全国知事会や9県知事会議と連携して、国に強く要望してまいります。

(5)世界津波の日高校生サミット

 昨年12月、国連総会において、毎年11月5日を「世界津波の日」とすることが決定されました。このことにより、津波の脅威に関する国際的な理解と関心が高まり、各国において津波対策が進むことが期待されております。
 この「世界津波の日」の啓発活動の一環となる高校生サミットを、本年11月25日から2日間、黒潮町において、本県及び黒潮町の主催で開催する運びとなりました。これは、黒潮町の皆様が先進的な防災の取り組みを進めてこられたことの結果でもあり、非常に誇らしいことだと考えております。
 サミット当日は、国内及び国外24カ国の高校生約300人、その他、各国の大使や関係者などを含む約500人の参加の下、次世代の防災リーダーの育成を目的に、フィールドワークや意見交換などを行う予定であります。
 サミットの開催により、防災先進県としての本県の取り組みを広く世界へ発信できるだけでなく、県民の皆様への啓発効果も期待できるものと考えております。さらには、参加される方々に本県の自然や文化などを知っていただくための好機とすることができるよう、しっかりと取り組んでまいります。

5 経済の活性化について

 次に、経済の活性化についてご説明申し上げます。

(1)第3期産業振興計画のスタート

 これまでの取り組みを土台として、今後4年間を計画期間とする第3期産業振興計画を本年3月に策定いたしました。第3期計画においては、地産と外商の取り組みをさらに強化するとともに、その流れをより力強い拡大再生産の好循環へとつなげるための施策を抜本強化したところであり、この4月から各分野の取り組みがそれぞれスタートしております。

(農業分野)

 まず、農業分野では、「地域で暮らし稼げる農業」の実現に向けて、農業生産の持続的な拡大を図るため、先進の環境制御技術を取り入れた次世代型こうち新施設園芸システムの普及を進めているところです。
 このたび、四万十町に全国トップクラスの規模と生産能力を兼ね備えた次世代施設園芸団地が完成し、来月から本格的にトマト栽培が開始される運びとなりました。これをトップモデルとして、県内各地で次世代型ハウスの整備や既存型ハウスへの環境制御機器の導入を支援する取り組みをさらに加速してまいります。
 また、中山間農業複合経営拠点については、昨年度から嶺北地域や三原村での整備を進めており、本年度からは新たに日高村などの4地域でも取り組みを開始しております。この複合経営拠点をさらに県内各地に広げるため、今月から順次、県内5カ所でセミナーを開催してまいります。

(林業分野)

 林業分野では、本県の豊富な森林資源を余すことなく活用する取り組みを進めており、本年4月には仁淀川町において、CLTパネルの原材料となるラミナの製材工場が完成し、操業を開始いたしました。
 CLTについては、本年3月と翌4月に建築基準法に基づく告示が施行されました。これにより一般的な設計方法で建築することが可能となるため、今後、全国的な普及に向けて一つの弾みがつくことが期待されます。また、本県が共同代表を務めます「CLTで地方創生を実現する首長連合」に参加する首長は、設立当初の14名から40名へと増えてまいりました。首長連合の皆様とも連携し、引き続きCLTに関する提言や全国レベルでの普及を進め、木材需要の拡大を図ってまいります。

(水産業分野)

 水産業分野では、漁業生産量の維持、拡大を図るため、養殖漁業の振興に取り組んでおります。中でもクロマグロについては、人工種苗の実用化に向けた技術開発を進めてきた結果、昨年度は卵から孵化させた約1,000尾の稚魚を海上のいけすに沖出しすることに成功したところであり、さらに本年度は沖出し1万尾を目標としております。
 他方で今後、大量生産を実現していく上では、稚魚の餌となる孵化仔魚の生産技術や中間育成技術の開発が課題として残っております。こうした課題を早期に解決するため、国立研究開発法人水産研究・教育機構が大月町に保有している研究施設を譲り受け、本年10月に県水産試験場の分場として開設することといたしました。今後、この施設を活用して技術開発の加速化を図り、人工種苗の早期の実用化につなげてまいります。

(ものづくりの振興)

 ものづくりの振興に関しては、ものづくり地産地消・外商センターを中心に、県内事業者の皆様のものづくりを一貫してサポートしてまいりました。その結果、センターの外商支援による成約額は、平成24年度は2億5千万円であったものが昨年度は40億8千万円となるなど、着実に成果が広がってきております。こうした流れを確固たるものとするため、本年度からセンターにおいて、新たに2つの取り組みを進めております。
 一つ目は、県内企業の経営ビジョンを実現するための事業戦略の策定と、その磨き上げから実行までを支援する取り組みであります。
 民間シンクタンクや金融機関にも参画していただき、各企業の支援方針などを検討する「事業戦略支援会議」を毎月開催することといたしました。先月開催した第1回会議では、まずは事業戦略の策定にいち早く意欲を示した18社を支援対象にすることを決定したところです。さらに今月下旬に開催予定の第2回会議に向けても、多くの企業から関心が寄せられております。今後、企業ごとに「事業戦略支援チーム」を立ち上げ、それぞれの企業の経営ビジョンの実現に向けて個別に支援を行ってまいります。
 二つ目は、首都圏における外商機能の強化であります。本年4月にセンターの東京営業本部を開設するとともに、外商コーディネーターを2名から4名に増員して、新たな商談先の開拓などを進めております。さらに、バイヤーを招いて展示商談会を開催するなど、新たな外商支援の取り組みも開始したところであります。今後も、県内企業の首都圏での外商活動の拠点となるよう取り組んでまいります。

(地産外商公社)

 食料品などの外商については、昨年度から地産外商公社の活動範囲を関西、中部、中国、四国、九州にまで広げるなど、態勢を充実させながら、県内事業者の皆様の活動を全力でサポートしてまいりました。その結果、昨年度に公社が仲介、あっせんした成約件数は6,555件と前年度の1.5倍となり、成約金額も1.3倍の20億7千9百万円と飛躍的に伸びてきたところであります。
 本年度は、公社の外商担当職員をさらに首都圏で1名、関西・中部地区で1名増員して総勢17名体制とするとともに、これまで培ってきた大手卸売業者とのネットワークなども活用しながら、大規模な量販店グループや高質系のスーパーを中心に、新たな販路を開拓していくこととしております。先月31日には、新規参加の27社を含む県内外61社のバイヤーと県内事業者113社が商談などを行う産地視察型商談会を高知市で開催し、延べ400件以上の商談が行われたところであります。
 このほか、本年度は、これまで特に取り組みが弱かった九州エリアにおける外商活動も積極的に展開することとしており、先月までに九州で3件の高知フェアを開催したところです。こうした取り組みを通じて、成果のさらなる上積みを目指してまいります。

(輸出振興)

 国外での外商活動については、これまでに成果のあった欧米やシンガポールなどに加えて、タイやインドネシアなどの新たな市場へ取り組みを拡大することとしております。先月には、タイで最大級の食品展示会に県内企業5社が出展し、中でもユズ果汁やウナギ加工品については強い引き合いがあるなど、手応えを感じているところであります。今後、土佐酒や水産物など、品目の拡大を図り、さらなる輸出振興に向けて取り組んでまいります。

(2)観光振興の取り組み

 観光振興に関しては、昨年の県外観光客入込数が過去2番目の408万6千人となり、3年連続で400万人を超えるとともに、外国人観光客の延べ宿泊者数も、速報値で対前年比1.8倍となる約7万人泊と過去最多を更新する見込みであります。また、本年度は外国クルーズ客船の寄港が大幅に増加する予定であり、先月までの2カ月で既に5隻が寄港して、約8千人の乗船客の方々をお迎えしたところであります。
 さらに、第3期産業振興計画の目標に掲げた435万人観光の早期実現に向けて、本年4月から「2016奥四万十博」を、来年3月からは歴史を中心とした博覧会「志国高知 幕末維新博」を開催するなど、切れ目のない展開を図ってまいります。

(奥四万十博)

 去る4月10日に開幕した「2016奥四万十博」につきましては、オープニングイベントに約2万5千人の方々にお越しいただき、ゴールデンウィーク期間中には、8カ所のサテライト会場において前年比約13パーセント増の入場者数を記録するなど、順調なスタートを切ったところです。
 今後、閉幕日の12月25日までの6カ月間、季節に合わせた地域地域の自然、歴史、食文化に触れるイベントや体験メニューなど、様々なプログラムを地域の関係者の皆様と一体となって切れ目なく実施し、多くの皆様に地域の魅力を体感していただきたいと考えております。あわせて、この博覧会を通じて広域観光のノウハウを蓄積することにより、高幡地域における持続的な観光振興につなげてまいります。

(志国高知 幕末維新博) 

 大政奉還150年にあたる平成29年、明治維新150年にあたる平成30年という全国的にも意義深い年となる2カ年間を、坂本龍馬をはじめとする偉人を数多く輩出した本県にとっての大きなチャンスと捉え、来年3月4日から「志国高知 幕末維新博」を開催することといたしました。高知城歴史博物館と坂本龍馬記念館をメイン会場とし、また、県内に20の地域会場を設けて展開することとしており、博覧会の期間中だけでなく、博覧会後の持続的な観光振興にもつなげていけるよう、現在、開幕に向けた準備を急ピッチで進めております。
 先月25日には、全ての市町村や各界を代表する多数の方々のご賛同を賜り、「志国高知幕末維新博推進協議会」が発足したところであり、官民が一体となって博覧会の成功に向けて取り組んでいくことを申し合わせました。今後、推進協議会において、県内外の専門家の方々などからも幅広くご意見をいただきながら、来月下旬を目途に、具体的なイベントや旅行会社へのプロモーション事業を盛り込んだ実施計画を取りまとめてまいります。
 あわせて、地域会場を設置する市町村におきましては、施設の展示内容や周辺の歴史資源などの磨き上げ、いわゆるリアル化を進めるとともに、その歴史資源と地域の食や自然などが一体となった周遊コース、いわゆる観光クラスターを形成するための計画策定が進められております。県としましては、新たな補助制度も設け、市町村の行うリアル化及びクラスター形成の取り組みをスピード感を持ってしっかりと支援してまいります。

(3)拡大再生産の好循環に向けた強化策

 次に、拡大再生産の好循環を実現するための取り組みについてご説明申し上げます。
 第3期産業振興計画では、「担い手の育成・確保」、「地域産業クラスターの形成」、「起業・新事業展開の促進」の3つを拡大再生産推進のための強化策として位置付け、関連する様々な施策を連携させて取り組むこととしております。

(ア)担い手の育成・確保と移住促進

 一つ目の、担い手の育成と確保については、移住施策とも連携して、取り組みを進めることとしております。

(担い手の育成・確保)

 第一次産業の担い手確保対策としては、都市部からの産地体験ツアーを今月から順次実施してまいりますほか、農業分野では、25市町村で行われている産地提案型の取り組みをさらに県内各地へ広げていくため、人材を募集する地域及び品目の掘り起こしなどを進めているところです。林業分野では、本年3月に林業学校を卒業した第1期生14人全員が県内で就職し、さらに本年度は県外出身の6人を含む20人が入校するなど、着実に新たな山の担い手の育成に取り組んでおります。水産業分野では、研修制度の充実などを図ってきた結果、数年前まで年間2人程度であった新規の長期研修生が昨年度は12人、本年度は既に8人と増えてきており、さらにアドバイザーによる支援なども強化いたします。
 産業人材を育成する土佐まるごとビジネスアカデミーにおいては、本年度からテレビ会議システムを活用して、県内各地で受講ができるサテライトプラットフォーム、通称「サテプラ」を開設いたしました。また、アプリケーション開発やデザイン分野の即戦力となる、コンテンツ産業を担う人材を育成するセミナーも今月からスタートいたします。
 事業承継・人材確保センターにおいては、昨年4月の開設から先月末までに、中核人材の確保について183件の相談をいただき、13件のマッチングが成立しました。現在も7件のマッチングを進めているところでありますが、まだまだ多くの県内事業者の皆様が事業承継や拡大再生産のための人材を必要としていることから、東京に配置したコーディネーターを中心に都市部の企業訪問を強化するなど、さらなる人材の掘り起こしに取り組んでいるところであります。

(移住促進)

 こうした担い手確保対策のベースとなる移住促進の取り組みについては、昨年度の本県への移住者が518組864人となり、第2期産業振興計画の目標とした500組を達成することができました。
 第3期産業振興計画では、平成31年度に人口の社会増減の均衡を図ることを目指して、年間移住者数1,000組という目標を掲げており、この移住者倍増との高い目標に向けて次のように施策を強化しております。
 まず、高知ファンだけでなく、全国の潜在的な移住関心層へも本県の情報を届けることができるよう、情報発信を大幅に拡大してまいります。本年度は、首都圏などのメディアを招致して、移住先としての本県の魅力や担い手を求める現場などを取材していただくことを通じて全国的なPRを行うこととしており、現在、メディア各社との協議などを進めているところです。
 次に、都市部の「志」ある方々に積極的に働きかけ、本県への人材の呼び込みを図ってまいります。本年度、具体的な人材ニーズを持つ県内の産地や事業体などを巡る体験ツアーを16回実施することとしており、今月、その第1回目を実施いたします。
 さらに、移住希望者の受け皿を広げるため、移住者向け住宅の確保を促進するとともに、「お試し滞在施設」などの拡充を図ることとしており、市町村と共に空き家や廃校などの活用を含めた有効な対策を検討しているところです。あわせて今後、高知版CCRC構想についても具体化を進めることとしております。このように、中山間地域への移住、あるいは市街地に一旦住んだ上で中山間地域へと移る二段階移住など、幅広い相談者のニーズに応じて移住プランを提案できる態勢を強化することによって、さらなる移住者数の増加につなげてまいります。

(イ)地域産業クラスターの形成

 二つ目の、地域産業クラスターの形成については、プロジェクトを立ち上げるための情報収集からクラスタープランの策定、実践までを支援する「地域産業クラスター専門コーディネーター」を先月、庁内に配置いたしました。また、県の関係部局や産業振興センターなどで構成する「地域産業クラスター化推進チーム」を同じく先月設置し、具体のプロジェクト1件ごとに課題とニーズを集約して事業化につなげていく体制が整ったところです。この体制の下、まずは、これまでの産業成長戦略や地域アクションプランの取り組みを土台とする16のクラスタープロジェクトに取り組んでおります。
 このうち、四万十町の農業プロジェクトについては、先ほど申し上げました次世代施設園芸団地を核として、来月から本格稼働することとなっております。周辺には育苗施設やバイオマスエネルギー供給施設などの関連施設も集積し、地域に大きな雇用を生み出しており、今後はさらに加工施設や直販所などの集積も目指すこととしております。
 その他のプロジェクトも、例えば、日高村のトマトプロジェクトについては、地域の農業団体や市町村の方々による「クラスター育成チーム」が設置され、クラスタープランの策定作業が始まっております。
 今後、市町村や関係団体の方々などと連携して、それぞれのプロジェクトの充実を図り、着実に推進していくとともに、新たなプロジェクトの構築にも取り組んでまいります。

(ウ)起業や新事業展開の促進 

 三つ目の、起業や新事業展開の促進については、総合的な相談窓口の設置などの支援態勢を構築するとともに、持続的に新たな挑戦が行われるよう、人材の育成や事業化プランづくりへの支援などに取り組んでおります。
 まず、県内外からの様々な相談に対応する総合相談窓口として、本年4月、県に起業推進室を設置いたしました。
 また、産学官民連携センターでは、学びの場を通じたビジネスプランの磨き上げや専門家によるサポートなどを行っているほか、土佐まるごとビジネスアカデミーの起業に関する講座が今月6日から新たにスタートしたところです。
 さらに、ものづくり地産地消・外商センターや金融機関、商工会議所、商工会などが連携し、起業などのアイデア段階から事業化後までを一貫してサポートする準備も整ったところであります。
 今後、このような取り組みについて、様々な機会を捉えて周知するとともに、「新しいことに挑戦したい」、「外商の成果が上がってきたので拡大再生産を目指したい」などといった意欲のある方々に対して、起業や新事業展開の働きかけを行い、個々の案件の事業化に向けて具体的なサポートを行ってまいります。

6 日本一の健康長寿県づくりについて

 次に、「県民の誰もが住み慣れた地域で、安心して暮らし続けることのできる高知県」を目指した、日本一の健康長寿県づくりについてご説明申し上げます。
 本年2月に策定した第3期日本一の健康長寿県構想においては、本県が抱える根本的な課題に対してより重点的かつ骨太に対策を進めるため、大きく5つの柱を設定し、それぞれの取り組みをスタートしております。

(1)壮年期の死亡率の改善

 一つ目の柱は、壮年期の死亡率の改善であります。
 県民の皆様の健康意識のさらなる醸成と行動の定着化を目指して、本年9月から「高知家健康パスポート事業」を実施することとしており、現在、事業開始に向けて、特定健診の受診や健康関連イベントへの参加などを通じて付与される特典について市町村や協賛企業と協議、調整を行うなど、準備を進めているところです。

(2)地域地域で安心して住み続けられる県づくり

 二つ目の柱は、地域地域で安心して住み続けられる県づくりであります。
 高知型福祉の拠点となるあったかふれあいセンターについては、本年度中に29市町村44カ所、サテライトも含めると250カ所以上で展開される見込みであります。第3期構想においては、従来の集いや訪問などの機能に加え、リハビリテーション専門職の派遣による介護予防サービスの提供や、認知症カフェの設置の推進などにより、住民の皆様の在宅生活を支えるための機能を強化することとしております。中でも認知症カフェは、あったかふれあいセンター以外での開催も含め、先月末時点で12市町25カ所で開設され、順調に取り組みが広がってきているところであります。

(3)厳しい環境にある子どもたちへの支援

 三つ目の柱は、厳しい環境にある子どもたちへの支援であります。
 本年3月に策定した「高知家の子どもの貧困対策推進計画」に基づき、保健、医療、福祉、教育の各機関が密に連携し、出生前から就職に至るライフステージの各段階に応じた切れ目のない支援に取り組んでおります。
 中でも、本年度からは、児童虐待を未然に防止し、子どもたちの命の安全、安心を確保するため、市町村における母子保健と児童福祉の連携を強化することとしております。まず、母子保健については、本年4月から県の保健師を南国市、香南市及び土佐市に派遣して、妊娠期から乳幼児期の母子への切れ目のない総合的な支援態勢の構築に取り組んでいるところであります。また、児童福祉については、本年4月に南国市、5月に香南市において、児童福祉部門に「児童虐待防止対策コーディネーター」が配置され、関係機関との連携調整や、民生児童委員による地域における見守り態勢の構築などが進みつつあります。まずは、これらの市における取り組みをしっかりと支援してまいりますとともに、今後、県内全域で保健と福祉の連携態勢が構築されるよう取り組みを進めてまいります。
 さらに、児童相談所においては、本年度から職員を4名増員するなど相談支援体制を大幅に強化しております。このことにより、急増している虐待通告などに迅速かつ的確な対応を図るとともに、市町村の要保護児童対策地域協議会の運営に際しても、子ども一人ひとりの状況に応じた助言を行うなど、積極的に支援をしているところであります。

(4)少子化対策の抜本強化

 四つ目の柱は、少子化対策の抜本強化であります。
 昨年の本県の合計特殊出生率は1.50となり、平成8年以来、19年ぶりに1.5台を回復いたしました。しかしながら、「高知県まち・ひと・しごと創生総合戦略」に掲げた平成31年の合計特殊出生率1.61という目標に向けては、まだ道半ばであります。
 より多くの県民の皆様の結婚、妊娠、出産、子育ての希望がより早くかなえられるよう、引き続き支援策の充実強化を図ってまいります。
 少子化対策は、県民運動として取り組むことによって、より大きな効果につながると期待されますことから、本年3月に「高知家の出会い・結婚・子育て応援団」を創設し、企業などとの協働による取り組みを進めているところです。先月末までに138の企業や団体に登録していただき、県から応援団の皆様に、具体的な取り組みの提案や、結婚、子育て支援に関する施策の情報提供などを行っております。
 結婚支援の取り組みに関しては、本年4月1日からこうち出会いサポートセンターのマッチングシステムが本格稼働いたしました。現在、400人を超える方々に会員登録をしていただき、先月末までに66件のお引き合わせが成立するなどの成果が表れてきております。
 さらに、地域の支え合いによる子育て支援の仕組みであるファミリー・サポート・センターについては、国の基準を満たさない小規模のものを「高知版ファミリー・サポート・センター」として県が独自に支援する取り組みを本年度から開始したところであり、現在、香南市において、その第1号となるセンターの開設に向けた準備が進められております。今後、県内各地にセンターの設置が広がるよう、市町村と連携しながら取り組んでまいります。

(5)医療や介護などのサービス提供を担う人材の安定確保と産業化

 五つ目の柱は、医療や介護などのサービス提供を担う人材の安定確保と産業化であります。
 介護などのサービス需要に対応する人材を安定的に確保していくため、高校生を対象とした介護職の資格取得研修や、中山間地域におけるホームヘルパー養成講座などの研修機会を拡充することとしております。中でも高校生対象の研修については、本年度は13校が参加を予定しており、先月までに5校56人が受講したところであります。
 また、離職した介護福祉士などの復職を支援する取り組みも開始しており、先月には1,300人以上を対象としたアンケート調査を実施し、ニーズの掘り起こしなどを行っております。

7 教育の充実について

 次に、教育の充実に関する取り組みについてご説明申し上げます。
 昨年度を通じて、私も参加する総合教育会議の場で、本県の教育上の諸問題について議論を積み重ね、これを踏まえて本年3月に「教育等の振興に関する施策の大綱」を策定いたしました。
 教育分野では、この大綱及び大綱の内容に沿った第2期高知県教育振興基本計画に基づき、根本的な課題解決につながると考えられる次の3つの点を中心として対策に取り組んでいるところであります。

(1)チーム学校の構築

 まず一つ目は、チーム学校の構築であります。
 個々の教員の力量だけでは十分な対応ができない問題が増加していることから、教員同士がチームを組むとともに、外部の専門家や地域の方々の力もお借りして、組織として授業力の向上や生徒指導の改善に取り組む学校づくりを進めております。現在、県内9つの中学校において、複数の教員が学年をまたがって同一教科を担当する、いわゆるタテ持ちの仕組みを導入して、ミドルリーダーの役割を担う主幹教諭が日常的に若手教員を指導する取り組みを行っております。また、教育先進県で実績を積み退職した元校長を「組織力向上エキスパート」として招へいし、9校の教職員に対して助言や研修を行う取り組みも開始しております。今後、こうした取り組みの成果を検証し、その効果を県内全域の学校に広めてまいります。
 さらに、中山間地域などの13の高等学校においては、多様な生徒の学力状況や進路希望に応じた学習支援を強化するため、インターネット学習教材を活用した学力向上の取り組みが始まっております。

(2)厳しい環境にある子どもたちへの支援

 二つ目は、厳しい環境にある子どもたちへの支援であります。
 貧困の世代間連鎖を教育の力で断ち切ることを目指して、就学前から高等学校までの各段階に応じた切れ目のない対策を講じております。
 中でも、小中学校においては、家庭における学習環境が十分でない子どもの学びをサポートするため、放課後などにおける学習支援の充実を図っており、教員OBや大学生などを学習支援員として配置している学校の数は、昨年度の89校から本年度は先月末時点で124校に増えております。これらの学校では、教員と支援員が連携しながら、子どもたち一人ひとりの学習のつまずきに丁寧に対応するなど、きめ細かな支援が行われているところです。
 また、いじめや不登校などの様々な悩みや不安を抱える子どもたちをサポートするため、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置を県内各地で拡充しております。特に心の教育センターにおいては、子どもや保護者からの相談にワンストップかつトータルで対応するため、専門性の高いスーパーバイザーなどを新たに5名配置するとともに、県内全ての児童生徒に対して電話相談カードを配布するなどして、相談窓口の周知を図ったところです。こうした結果、本年4月から先月までの来所相談件数は84件と前年より31件増加しており、取り組みの成果が出始めております。

(3)地域との連携・協働

 三つ目は、地域との連携、協働であります。
 地域ぐるみで子どもたちを見守り、育てる仕組みである学校支援地域本部の取り組みは、昨年度の43本部92校から、本年度は68本部134校へと広がってきております。これらの学校では、住民の皆様などのご協力の下、授業の補助、部活動への支援、本の読み聞かせ、登下校時の安全指導などが行われているところです。今後も、より多くの学校に地域との連携、協働の仕組みが広がり、さらに活動内容が充実されるよう取り組んでまいります。

8 その他

(伊方発電所について)

 次に、四国電力伊方発電所の再稼働の動きに関してご説明申し上げます。
 伊方発電所3号炉につきましては、工事計画や保安規定の認可などの一連の審査が終了し、現在、原子力規制委員会による使用前検査が行われているところです。こうした中、昨年8月に開催した四国電力との勉強会以降、再稼働に向けた手続きにおいて新たに完了した安全対策はないか、また、今般の熊本地震を踏まえ、中央構造線断層帯において同様の地震が発生した場合でも伊方発電所の安全性に支障はないかといった点などについて確認するため、通算17回目となる四国電力との勉強会を先月12日に開催いたしました。
 この中で、熊本地震のような揺れに対する安全性については、まずは今般と同様の地震が発生した場合でも安全上重要な機能を喪失することはないこと、さらには中央構造線断層帯が一度に動く場合の揺れをも想定して耐震対策を行っており十分な耐震性を有していること、また、こうした揺れが繰り返し起こった場合でも耐えられる設計となっていることなどを確認いたしました。あわせて、非常用外部電源の受電設備が本年3月に完成したことなど、安全対策の具体的な状況についても確認したところであります。
 そもそも原子力発電所の安全対策には終わりがなく、常に最新の知見をもって対策を講じていく必要があることから、今後も引き続き四国電力に対し、勉強会などを通じて安全対策の徹底を求めてまいります。
 県としましても、昨年度策定した「新エネルギービジョン」に基づき、再生可能エネルギーのさらなる導入を促進するなど、原子力への依存度の低減に向けた取り組みを進めてまいります。
 また、危機管理上の観点から、万が一事故が発生した場合に備えて、伊方発電所から最も近い四万十市及び梼原町と共に、屋内退避のあり方や避難所となる施設の選定などについて具体的な協議を進めてきたところであり、今月中には両市町の避難計画が策定される見込みとなっております。さらに、今後、県の広域避難計画を策定するとともに、両市町と連携して計画に基づく避難訓練を実施するなど、原子力防災対策を充実させてまいります。
 あわせて、避難の判断をするにあたって必要となる放射線量を測定するための装置であるモニタリングポストと、その測定データを共有するためのシステムについても、本年度中に整備いたします。

(四国新幹線について)

 次に、四国の新幹線整備に向けた取り組みについてご説明申し上げます。
 先月19日、県内の官民が一体となって鉄道の抜本的高速化を目指した取り組みを進める組織として、「高知県鉄道高速化促進期成同盟会」が発足しました。あわせて、四国4県が連携し、新幹線整備についてのシンポジウムを高知市で開催したところ、県内外から多くの方々にご参加いただきました。
 全国的に見ますと、新幹線は、建設中のものを含めて31都道府県に行き渡っており、もはや基礎的な交通インフラとなっております。四国だけが新幹線のいわば空白地帯となっておりますが、四国の人口規模や経済規模は近年、新幹線が整備されている他の地域と比べても遜色がない水準にあります。
 新幹線の整備が実現すれば、四国の県庁所在地間が1時間以内で結ばれ、また、本県からの3時間到達圏域が名古屋から福岡まで飛躍的に拡大しますことから、交流人口の増加などに伴う大きな経済効果が期待されます。このため、これまで以上に四国の各県とも連携して、県内外における機運の醸成を図り、その熱意を国や関係機関に届けていくなど、新幹線整備の実現に向けた取り組みを進めてまいります。

9 議案

 続きまして、今回提案いたしました議案についてご説明申し上げます。
 まず予算案は、平成28年度高知県一般会計補正予算などの2件です。
 このうち一般会計補正予算は、先ほど申し上げました経済の活性化などの経費として、12億1千万円余りの歳入歳出予算の補正などを計上しております。
 条例議案は、高知県税条例の一部を改正する条例議案など9件であります。
 その他の議案は、県有財産の取得に関する議案など5件であります。
 報告議案は、平成27年度高知県一般会計補正予算の専決処分報告など3件であります。
 以上をもちまして、議案提出にあたっての私からの説明を終わらせていただきます。
 何とぞご審議の上、適切な議決を賜りますようお願い申し上げます。

高知県 総務部 秘書課

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