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平成28年12月2日 知事の記者発表

公開日 2016年12月02日

平成28年12月補正予算(案)の概要
地方財政(1)
和食ダム建設事業での再掘削
今回の補正予算(案)
牧野植物園の磨き上げ(1)・スポーツツーリズムの推進
牧野植物園の磨き上げ(2)
TPP(環太平洋経済連携協定)
牧野植物園の磨き上げ(3)
森林環境税
高齢ドライバーによる交通事故
自然保護基金条例
新中高一貫教育校
地方財政(2)
国民健康保険
合区問題
「世界津波の日」高校生サミット

配布資料
資料1 平成28年度 12月補正予算(案)の概要
資料2 まるごと高知レポート No.24(201604-201609)

【動画】平成28年12月高知県議会定例会提出予定案件概要

【動画】記者との質疑応答

平成28年12月補正予算(案)の概要

(知事)
 県議会12月定例会を12月8日に招集いたします。今回提出する議案は、平成28年度一般会計補正予算など予算議案が8件、条例その他の議案が15件、合計23件となっております。
 12月補正予算案の概要について、私からご説明いたします。
(資料1「平成28年度 12月補正予算(案)の概要」により説明)
(資料の1ページを示しながら)
 大きく言いますと3つの柱になっておりまして、一つ目が5つの基本政策の加速を図るということであります。経済の活性化のために、牧野植物園の磨き上げ、さらにはスポーツツーリズム関連施設の整備等の取組をいたしますとともに、日本一の健康長寿県構想について、高知家健康パスポート事業を来年4月からバージョンアップするための関連経費を計上しています。
 また、二つ目として国の経済対策に応じた公共事業を追加しております。これは南海トラフ地震対策などを中心に事業の進捗を促進していこうとしているものでございまして、総額105億円となっております。国の経済対策に積極的に呼応いたしまして、特に防災・減災対策に関連する公共事業について加速して取組を進めたいと考えております。
 そして、三つ目は、その他こちらにありますような関連経費を計上いたしております。
 補正額は約109億円となっておりまして、12月補正予算としては比較的大型の予算ということになります。これは国の経済対策において、公共事業が追加をされますなど、例年になく大型の補正予算であったということが理由の一つ。そしてもう一つは、特に本県などでは全国防災事業が平成27年度で終了する中において、財源の不足が懸念されていたところであり、南海トラフ地震対策を加速しなければならない中、この補正予算に積極的に呼応して、財源獲得を目指したところです。
(資料の2ページを示しながら)
 結果としてこちらにありますように、普通建設事業費は12月補正後予算で1,178億円ということになります。若干額の増減はありますけれども、ほぼ例年ベースの普通建設事業費を確保し、引き続き南海トラフ地震対策を加速していこうとしているものであります。
 県債残高については、若干増額することとなりますけれども、将来負担比率も全国最低レベルでありまして、直ちに財政の健全性を脅かすものではないと考えています。しかしながら、本県は財政基盤が強い県ではありません。今後の動向についてはしっかり注視をしながら、的確にアクセルとブレーキを踏み分けていくということが大事だと考えております。
(資料の4ページを示しながら)
 主要な事業について、それぞれご説明させていただきます。まず、県立牧野植物園は、現在入園者数が15万人程度と、ピークに比べて減少しておりますけれども、14万人前後でほぼ安定している状況です。高知県観光の、また教育施設としても4番バッターとも言える施設であり、このポテンシャルを一層生かすことができないものかということについて、有識者の皆さまや地元の代表者の皆さまで構成する検討委員会を設置して、ご議論をいただいてまいりました。
 この11月に第1期構想の素案についてご協議いただきまして、今後の課題も含め、構想をとりまとめていただいたところです。今後、観光振興に貢献していくために、牧野先生の書かれた植物図などのお宝をしっかり生かしていこうだとか、立体地形を生かしてより魅力的な園地の配置を目指していこうといったこと。さらには研究型植物園であることを観光の側面でも生かしていけるのではないか、研究産業化の貢献、先ほども申し上げました研究型の植物園であるこの取組について、より一層強化をしていくことができないものかといったこと。オープンイノベーションも推進できるような体制をつくれないか、さらに、こういったことなども相まって教育への貢献のための取組というのも一層充実させられないか。この教育への貢献という観点からは体験学習の場というのが、こういう植物園などにおいて、非常に重要であり、そういう場を設けられないか。こうしたことについて議論などを行っていただいたところでありまして、こちらにありますように、ファミリー園の整備や研究棟、展示館の充実ができないかということ。そして先ほど申し上げた体験学習の場としてのスタディ園の整備などができないのかということをご検討いただきました。併せて、関連のソフト事業、さらに今後の検討課題などについてもご議論いただいたところです。
 この基本構想の素案を議会にご説明し、また県民の皆さまからもご意見をいただきながら、さらに構想の磨き上げを行っていきたいと考えておりますが、少なくともこのファミリー園とスタディ園につきましては、今後本格的に、スピード感を持って着手をしていく必要があるだろうということで、今回、測量調査等委託料を12月補正予算でお願いしております。
(資料の5ページを示しながら)
 今後、こういう形で工事を進めていきますと、平成30年の秋にはスタディ園、ファミリー園の供用開始ができるのではないか。さらに、現在の検討状況のもとで展示館、研究棟の整備をしていけば、32年度ぐらい、東京オリンピック・パラリンピックの前には展示開始できるのではないかという構想を持っています。配置などについては、こちらにありますような構想イメージを持っているところです。
(資料の6ページを示しながら)
 そして、こちら2番目の項目でありますが、1次産業の生産性向上への支援といたしまして、産地パワーアップ事業費補助金や高性能林業機械を購入するための経費などについて国の補正を生かした予算見積を行っているところです。
(資料の7ページを示しながら)
 さらには中山間関係につきましても、国の補正予算を生かした一連の事業を計上させていただいております。
(資料の8ページを示しながら)
 スポーツツーリズムの推進を図っていくという観点から、必要な整備を進めていきたいと考えているところですが、例えば西南大規模公園においては、人工芝のサッカー場を2面設置しまして、今後はサッカーを生かしたスポーツツーリズムを進めてまいります。
 併せまして、須崎市の浦ノ内湾でありますけれども、ここは内海であって比較的静穏度が高い、かつ非常に海の水がきれいということでありまして、特にオープンウォータースイミングやカヌーなどについて非常に優れた地形だと専門家の方々からもご評価をいただいているところです。この地形をうまく生かしてスポーツツーリズムの展開ができないか、須崎市の皆さま、また関係者の皆さまと協議を進めさせていただいてきたところであります。坂内と大島地区においてカヌーコースやオープンウォータースイミングのコースなどを造っていくことができないか、そして、できればリオ五輪日本代表の平井選手などのお力もお借りしていきながら、例えば世界大会の開催でありますとか、関係のスポーツ合宿の誘致でありますとか、そういう一連の取組を進めていきたいと考えているところでございます。
 そのために、まず来年の「すさきオープンウォータースイミング大会2017」に海外のオリンピアン等も招致しようという構想があるわけですけれども、これに間に合うように、必要な関連施設の整備を始めるための実施設計等に必要な経費を計上させていただいております。
(資料の9ページを示しながら)
 高知家健康パスポートについては、現段階で6,500人を超える皆さま方に取得をいただいているところですけれども、この健康パスポートについても龍馬パスポートと同じように、ステップアップシステムを設けていくことにより、健康習慣の定着を県民全体に広げていけるように取り組んでいきたいと考えています。
 健康パスポート1、これは現在のパスポートでありますが、健診を受ける、イベントに参加する、楽しく動く、それぞれ健康づくりの取組のうち2色で3枚のシール相当の取組をしていただければ、この健康パスポートを取得していただくことができます。ある意味、健康づくりに1歩踏み出す取組です。パスポート1を取得いただいた後に、特に健診を受けることを必須として、さらに2色以上で40枚相当の取組をしていただく。例えば、健診は10枚相当、そして運動の継続により30枚相当、これは大体週1回6ヵ月間運動を続けた運動量に相当すると換算されるわけですが、それを取得していただければ、こちらのパスポート2に移行していただけます。さらに同様にしまして、シールを3色必須で60枚相当集めていただければ、パスポート3に移っていただくことができる。このようにランクアップするに従って特典も増え、楽しみながら健康習慣の定着を図っていただく、このようなランクアップシステムを、この高知家健康パスポートにも導入したいと考えています。
 市町村における健診のスケジュールなどもありまして、年度当初からスタートした方がよいということから、今回の12月補正予算で、健康パスポートのランクアップシステムを実現するための経費を計上しております。
(資料の10ページを示しながら)
 そして、こちらが先ほど申し上げました国の経済対策に応じた公共事業の追加関連の一群の事業内容であります。道路事業、8の字関連事業もあります。そして、もう一つ、非常に大事なこととして、橋梁の耐震対策があります。私どもは道路啓開計画を作っておりますけれども、橋梁の耐震化がなされるかどうかが、早期の啓開にとって極めて重要です。こちらについて、今回の経済対策を生かして早急に耐震対策を進めていきたいと考えております。法面対策しかり、さらにはこちらの一群の老朽化対策しかりであります。
(資料の11ページを示しながら)
 また、併せて国の三重防護事業につきまして、まだまだ本当にスタートという段階でありますけれども、今回の補正予算も出させていただきながら事業の進捗を図っていく取組を行い、また関連の造林事業等についても行っていく予定です。
(資料の12ページを示しながら)
 砂防事業、都市計画事業、そして耕地事業等については資料のとおりです。あと、その他については、(資料の13ページ以降の)主な事業の概要にそれぞれ記載させていただいておりますので、ご覧いただければと思います。
 以上が平成28年度12月補正予算についてのご説明ということになります。


 併せて、お手元に「まるごと高知REPORT」をお配りさせていただいておりますので、ご覧いだきたいと思います。こちらは今まで四半期に一回発表させていただいておりましたが、今年度から上半期、下半期の年2回発表ということにさせていただいております。今回お配りしているものは2016年度の上半期の成果についてまとめたものです。
 1ページをご覧いただきますと、こちらにありますように地産外商公社によります、いわゆる営業支援活動でありますが、成約件数は2,774件、去年は上半期で1,450件でありましたから、去年を上回るペースで地産外商の取組については、進んでいるのかなと考えております。
 3番目のアンテナショップの運営ですが、こちらも全体としては順調です。物販については対前年度比11%アップという状況でありますけれども、飲食は対前年度比8%ダウンということで、若干減じているという状況にあります。
 そして4番目、高知県情報の発信ということでありますが、広告効果については、去年上半期は44.7億円、今年は18.1億円ということであります。若干少ないですが、これはイベントなどによって大きく上下しますので、年間を通じていけば、特にこれから幕末維新博に向けて露出を強化していくことを予定しているところですから、何とかこの年間目標の60億円を達成できるように取り組んでまいりたいと考えているところです。
 それぞれ個別の項目については10ページ以降に詳細を書いてありますのでご覧いただければと思います。
 冒頭、私からは以上です。

 

地方財政(1)

(木田・時事通信記者)
 今後の財政運営に関連して、1点お伺いします。
 地方財政計画の歳出が実態よりも過大だとして財務省が総務省に見直しを求めていますが、この点に関して知事のお考えをお聞かせいただければと思います。

(知事)
 毎年そのような議論が出てくるんですけれども、そんなに地方が楽なわけがないのでありまして、例えば行革努力にしても、そして財政再建努力にしても、国に先行して大幅に取組を進めてきている中において、ある意味削るものは削って、それぞれ対応してきているわけです。
 ですからある時点のときどきの状況だけを見るのではなく、長期的な動向もしっかり踏まえていきながら、実情を踏まえた議論をぜひしていただきたいと考えています。

 

和食ダム建設事業での再掘削

(大野・高知新聞記者)
 和食ダム建設事業ですが、再掘削が必要であるということが判明して、工事の一部の費用を次年度以降に先送りするための債務負担行為と理解しているんですけれども、工事がこういうことになりますと遅れが生じると思いますが、現時点での見込みであるとか、それから発生した再掘削が必要であるということ、それ事態にどう対応するかという姿勢の部分をお伺いします。

(知事)
 このひび割れ(岩盤の割れ目)が見つかった部分について、その下の部分まで掘り込んでいって、そこを側面としてダムの堤体を造っていくという形での工事を進めていかないといけなくなります。側面をさらに掘り込んでいく作業が必要になってくることから、そのための諸準備や段取りをしっかり行っていくための経費等が必要になってきますので、少し時間がかかるんではないかと懸念しております。できる限り早く完成をさせたいですが、他方で安全第一ということもまた大事ですから、今の段階ではっきりしたことは言えませんけれども、3年から4年ぐらい時間がかかってしまうのではないかなと心配しているところです。
 安全第一ということはしっかり確保していきながら、できるだけ早く対応していきたいと考えております。

 

今回の補正予算(案)

(小島・NHK記者)
 今回の全般の話ですけども、109億円ということで比較的大きい金額ですが、26年9月補正で188億円と、12月のレベルとしてはそこそこの大きさの規模ということですけれども、名付けるとしたら防災積極型だとか、どういう攻め方をした補正の組み方なのかというのは、もしお考えがあれば教えてください。全体的な話としてですが。

(知事)
 ひと言でいうと、そのとおりです。「防災積極型」だと思っています。
 今年度少し心配された点、そしてまた全国知事会でもこの点は訴えてまいりましたが、全国防災事業がなくなりました。そして、緊急防災・減災事業債についても、今年度限りという状況になっていて、27年度から29年度にかけて1兆円ぐらい防災関係の財源が失われてしまうのではないかということが懸念されてきたわけです。
 それに対して、防災・減災事業債については、今一生懸命その存続をということを全国知事会でも訴えてきているところです。全国防災については、既になくなってしまいました。結果として、例えば河川堤防の整備などについて急減速せざるを得ないということが懸念をされていたところでした。また、防災・減災対策事業が加速する局面にある中、財源が少し足りなくなってしまうのではないかということも心配していたところです。
 少し懸念をしていたところに、今回こういう形で経済対策、さらには防災・減災のための対策ということで一連の補正予算が組まれることとなりました。
 これは本当に我々にとっては非常に重要なチャンスだということで、これを生かしきろうと努力をしてきたということだと思っています。結果として、こういう形での予算編成になったと考えているところです。

 

牧野植物園の磨き上げ(1)・スポーツツーリズムの推進

(小島・NHK記者)
 一方で牧野植物園の磨き上げ、海洋スポーツ会場という、またこれも特色ある部分を、調査費用、額的には少ないんですけども、これは高知の魅力をどういうふうな形に持っていくのかというところのアイデアから進んでいっているのか、これもちょっと総合的な視点からお話を伺いたいと思います。

(知事)
 高知が持っている強みを生かして、さらなる交流人口の拡大につなげるための取組をもっと増やしていこうということです。牧野植物園にしても、もう一段強みを生かせないのかということについて、ずっと検討を進めてきました。そして、一定アイデアも出る中で、検討委員会を設置して、今回こういう形で構想もまとめていただいたというところです。これをぜひ実現をしていきたい、できる限り早く対応をしていきたいということで、今回の補正に出させていただいたものです。
 また、スポーツツーリズムについても、私も対話と実行行脚で浦ノ内湾に行って、市長さんと一緒にカヌーを漕いだりしたんですけれど、これだけ内海で静穏でかつ水のきれいなところは全国的にも珍しいだろうと思われます。これをぜひ、スイミング(オープンウォータースイミング、トライアスロン)やカヌー関係のスポーツツーリズムに生かすことができればスポーツ振興や競技力向上といった教育面でもいいでしょうし、経済効果も大きいだろうと思います。これを生かしきれないかということについても、ここ数年ずっと検討してきたわけですが、今回須崎市とも協議が相成ってきた。さらに、こちらにありますように、もしかしたら、世界の名だたる選手をお呼びした大会も開けるかもしれないという状況になりましたので、このチャンスを生かそうということで今回予算見積を計上したということです。
 高知は自然豊かであるということが魅力だと思っており、我々にとっての強みだと思っております。これを生かしきって交流人口の拡大につなげるような事業を積極的に展開していこうとしたものということです。

(小島・NHK記者)
 ドラゴンカヌー大会というものが行われていますが、例えばそれの規模を大きくするだとかそういうのもあるんですか。

(知事)
 ドラゴンカヌーの大会ということもありますでしょうし、例えばオリンピック、パラリンピック級の選手の皆さまに来ていただくような、そういう世界的な大会なども開けるようにしていきたいと考えているところです。
 教育面の効果も大きいと思います。両方をにらんでの取組につなげていければと思っています。

 

牧野植物園の磨き上げ(2)

(高田・日本経済新聞記者)
 牧野に関してですけど、牧野植物園は先日の企業との共同研究とか、提携もありますけど、非常に素材として注目されているところで、今回の再整備ですね、「稼ぐ」という、企業と連携して、そういう視点みたいな部分とか、どの程度盛り込めるのか、あるいはその辺の期待ですよね。稼げる植物園という考え方は。

(知事)
 おっしゃるとおりだと思います。オープンイノベーションという言葉にそこが集約されていると思うんですけれども、牧野植物園は歴代の園長先生の大変なご尽力、またスタッフの皆さんの大変なご尽力で素晴らしい資料を蓄積してきているし、研究成果も蓄積をしてきているところです。皆さま方のご努力によって、ここを産業化にも貢献していくような形でもう一段ステップアップをしていくべき時期に、いよいよ辿り着こうとしているところだと思っています。
 そのためには、例えば今の研究棟は極めて狭隘(きょうあい)で、かつ建物も古い。もう一段、研究環境というのを充実させることで、さらに人材も集めて、さらにオープンイノベーションにもより一層対応できるようにして、結果を出すという形につなげていくことができればと思っております。
 そういうことも考えまして、今回新たに園地の整備だけではなくて、研究棟の整備も行っていこうと考えたところです。ただ、それに併せて、もう一つはここにありますようなすばらしい資料等があって、これが観光資源としても大変有用なものだと思っていますので、そういうものも展示できるような機能も併せ持たせることができればと考えています。

(高田・日本経済新聞記者)
 研究棟に企業を呼び込むようなことも考えているのでしょうか。

(知事)
 まだ、そこまではないです。ただ、研究関係の充実はぜひ図っていきたいと思っています。

 

TPP(環太平洋経済連携協定)

(田北・共同通信記者)
 予算とはちょっと関係ないんですけども、先月のアメリカ大統領選で、トランプ氏が次期大統領候補として選ばれました。政権がどのような運営になるかまだ分からないところもある中で、1月の就任直後にTPPの脱退を通告すると表明しています。知事は、それに対してどう受けとめていますかということと、TPPに関して、高知県の今の状況を見て、現状の評価というか、期待もしくは不安などあれば、教えていただければと思います。

(知事)
 三つあります。一つは、今の段階でまだ読み切れないところがあるのではないかと思っています。今、大統領は、全力でスタッフの陣容を固めておられるわけですけれども、固まれば固まるほど、さらに政権の引き継ぎが行われれば行われるほど、多様な情報が分析され、大統領のところにも入っていくということになるでしょう。そういう中において、もう一段また別途のご判断というのが出てくるかもしれない。今の段階では、必ずしも確定的なことは、すべての事項について言い難いところはあるのではないのかというのが第一です。
 とは言いながらも、大統領選挙の期間を通じて、非常に強くこの点を主張されておられましたので、やはり今のままではすまないということになるのかもしれません。そういう中において、マルチラテラル(多国間)な自由貿易体制の維持ということが地球規模で極めて大事だと思っておりまして、ぜひバイラテラル(2国間)な形での自由貿易体制、さらにはリージョナル(地域・地方)な形での自由貿易体制、こういうものの維持ということになってしまわないようにと願っているところです。
 歴史の教えるところ、リージョナリズム(地域主義)がはびこっていく中において、地域ごとの対立が激しくなって、それが大きな大戦を招いたでありますとか、バイラテラル(2国間)の動きが強くなることによって自由貿易全体が阻害をされたでありますとか、様々な問題が起こっています。ご案内のように、世界の貿易量というのは近年だんだん伸びが小さくなってきています。そういう中で、むしろこのマルチラテラル(多国間)な自由貿易体制というのを世界規模で維持するということが大事なのではないのかと思います。やはりその点はしっかりと日本国全体のためにも、地球のためにも、世界のためにもぜひ守っていただけるようにしていただきたいと思っています。これが二つ目です。
 そして三つ目ですけども、そういう世界的な自由貿易体制を守っていくことが、日本全体の国益には沿うと思っています。しかしながら、高知という視点で見たときに、中山間地域が多く、高齢化が進んでいて、条件不利地域の多いこの高知のようなところが、そのメリットだけではなくて大きなデメリットを被る可能性というのもやっぱりあるわけです。そういう地域については、国全体でのメリットはしっかり享受しつつも、こういう条件不利地域でデメリットを大いに被るかもしれないところについてのしっかりとしたセーフティネット、しっかりとしたフォローアップを行っていただきたいと思っています。
 この点は今までも強く言ってきました。TPP対策に伴って、特に中山間地域の農業の維持・発展にもつながっていくような対策は、しっかりときめ細かくしてもらいたいということを言ってきたところですが、この点はこれからもしっかりお願いをしたいと思っています。

(田北・共同通信記者)
 今のこの国会での衆院も通過いたしましたけれども、TPPの議論というのは十分だと考えていますか。

(知事)
 そうですね。ぜひもう一段、中山間対策をはじめとして、議論が深まっていくことを望みたいと思います。国会審議はお互いがあっての話でしょうし、いろいろな議論をしていく中で、必ずしも議論の行方が定まった方向に行くとも限らないでしょうけれども、ぜひまだ期間がありますので、中山間対策などについての議論を深めていただければと思います。

 

牧野植物園の磨き上げ(3)

(柴山・毎日新聞記者)
 牧野植物園のことなんですが、先ほどから産業化とかですね、応用研究のところにかなり重点もあるのかなと思うんですが、生薬標本の収集なんかのように基礎的な研究があの施設の魅力かなと思っているんですが、

(知事)
 そうです。

(柴山・毎日新聞記者)
 そのあたりでも今後やっぱり予算的に拡充していくというような理解でいいんでしょうか。

(知事)
 ええ、こういう基礎研究あってこその応用研究だと思いますので、基礎研究の部分について、今これから量的にそれを縮小してというつもりは全くないです。基礎研究はしっかりやっていきながら、加えて、応用研究としての成果が出せるようなものにもさらに発展させていきたいと考えているところです。

(柴山・毎日新聞記者)
 ということは、やっぱり研究棟なんかが充実していくっていうのは、ある程度当然今までどおり基礎的な部分にも注力してということでしょうか。

(知事)
 そうです。それはもう間違いないことだと思います。正直ものすごく古いですからね。あの建物に行ったことありますか。

(柴山・毎日新聞記者)
 あります。

(知事)
 昭和30年代後半に建てたものなのですが、私も行って思ったんですけれど、成果を求めていくためにも、さらにさっき高田記者(日本経済新聞社)さんが言われたように、今の時代の研究は、いろんな皆さんと連携してオープンであって初めて成果が出るようなところがあるとしたとき、そういうことのできるような施設の整備がなければ、結果は出せないんじゃないのかなと思っています。それに併せて、また、そういう施設を通じて人材の育成と誘致を図っていくということもまた大事になってくるでしょうし、ぜひそういう形につなげていければ、そういう好循環を生み出せればと思っています。

 

森林環境税

(木田・時事通信記者)
 予算と直接関係ないことで恐縮なのですが、今日の午前中に、自民党税制調査会の幹部会で導入を検討している森林環境税について、来年に結論を得る方向で一致しました。森林環境税について、国に求めることなどがありましたら、お考えをお聞かせ願えればと思います。

(知事)
 森林環境税の使途として、いろいろ対象は考えられるんでしょうが、ぜひ森林の整備ということも視野に入れていただきたいというのが一つです。もう一つは本県も含め、各地方自治体で森林環境税を導入し、取組を進めていますから、国においては、こうした地方の取組との整合性を図っていただければと思います。

 

高齢ドライバーによる交通事故

(小島・NHK記者)
 高齢ドライバーによる事故が全国で相次いでおります。一方で、車というのは地方社会、こういった高知県でも欠かせないものであると思うんですけども、まず、そういった事故が相次いでいる現状についてどう思われるのかというのと、一方でそのドライバーの年齢なりとか、また検査を増やしていくというような方法もありますけれども、そういうのはどういった施策がいいのかというのは、知事としてお考えあれば教えてください。

(知事)
 確か運転免許制度の中で、少し高齢ドライバー対応というのは強化されることになっていますよね。やはりそういう形で、高齢ドライバーの皆様方の安全、また歩行者を含め、交通安全の観点からの対応の強化というのはやはり必要な方向なんだろうと思います。ただ、おっしゃるとおりで、他方で車がないと暮らせないという地域が多いところにおいて、いかにこの公共交通といいますか、公共的な交通システムを充実させていくかということは非常に大きな課題だと思います。本県も中山間対策の中で、公共的な交通システムの整備については力を入れてきて、地域のコミュニティバスやタクシーに乗り合ってやっていこうなどという仕組みが広がってきているところなんですけれども、ただ、もう一段、しっかり考えなければならないところだと思います。

 

自然保護基金条例

(大野・高知新聞記者)
 確認のようなことですけども、自然保護基金条例のところですけれども、これ土佐清水市さんからの県有地、基金によって取得した県有地について無償譲渡の申し出があり、これに県としてアクションプランにもあるということで後押しする、対応するということに関連しての一部改正という理解でよろしいですか。

(知事)
 そうです、そういうことです。

(大野・高知新聞記者)
 県としても後押しするということですか。

(知事)
 地域アクションプランとして一緒に竜串地域の振興について取組を進めてきていて、土佐清水市として、キャンプ場を中心とした地域における交流人口拠点というのをつくりたいというお話がありました。その事業について県としても公益性を認めて、土佐清水市に対して無償譲渡をするという決断をさせていただいたということです。
 竜串における交流人口拠点の整備についての公益性ということについて言えば、一つは、我々もう既にあの足摺海洋館を整備する取組を進めています。竜串において、ぜひ整合的に取組が進められればなというふうに思っているのが一つ。もっと言えば、室戸ジオパークもそうですけど、県の東西、どちらかというと、高知市からできるだけ離れたところにしっかりと拠点があることで、そこまで多くの人に行っていただくことで、その途中途中において全体として経済効果を波及できればという考え方で取組を進めてきました。竜串だとか室戸岬だとか足摺とか、そういうところは大事だと思っていまして、遠いからこそ交流人口をしっかりと引きつけていけるような拠点づくりが大事だと思っています。そもそもそういうことで足摺海洋館の整備がスタートしているんですけれども、それをもっとしっかり相まって大きな効果をもたらせるようにと考えたということです。

 

新中高一貫教育校

(大野・高知新聞記者)
 もう1点、すいません。県立高校の条例ないしその請負契約のところなんですけれども、順次統合校の工事というのは進んでいる中で、本体といいましょうか、新しい新築する校舎の工事であるとか、それから教育委員会において、その二つの統合について校名が決定したということを受けたこの条例案というのが出ていますが、知事として、いよいよさらに具体化というか、進めていくというようなところですけれども、教育委員会の話ではあるんですけれども、何というか、どんな学校にしたいかとかですね、どのようにその周囲の理解を得て新しい学校をつくっていくかというところ、改めてお伺いします。

(知事)
 新しく今度、西高校と南中高とが一緒になって新しい学校ができていくということになります。今回、校名について、「高知国際」という名前で決定をするという決定が教育委員会においてなされたわけです。国際バカロレア、これを目指した学校をつくっていこうとしているところです。正直なところ、この国際バカロレアを目指した学校をつくるということは、これからもいろいろな関係者の皆様の大変な努力があって成し遂げられることだろうと思います。しっかり準備を進めていかないといけません。
 そして、この国際バカロレアの取組をしっかり成し遂げて、この高知の地から世界に羽ばたく人材をたくさん育成できていけるようにぜひしていきたいものだと思っています。ぜひ高知の若者たちに世界に羽ばたいていっていただきたいと思いますし、さらに言えば、この高知の地にあって、世界を相手にいろんな仕事をしていくような人材も育ってくれればと思っているところです。
 高知にいて世界を相手に地産外商をする人材、高知にいて世界を相手に様々な形での交流展開を図っていく人材、高知にいて世界に発信をする人材、そしてまた、本当に世界に羽ばたいて世界規模での活躍をされる人材、高知はたくさんそういう先人を輩出してきた県でありますから、そういう教育をこの高知の地においてしっかり根づかせていくことができればと思っています。
 多くの関係者の皆様方のお力を賜りながら、それぞれの学校のOBの皆様方、保護者の皆様方のお力も賜りながら、こういう学校づくりができればと考えているところです。

 

地方財政(2)

(中田・高知民報記者)
 財政の冒頭の話とちょっと被りますけども、交付税の削減の話とか国保の話とか繰り返し、地方創生という一方で、議論がいつも出てくると。これは何でかなというのをすごく思うんですけども、どうでしょう。

(知事)
 財務省は、地方の方が財政は楽じゃないかと思っていて、その様な主張をします。その論拠として、例えば債権の発行額について地方の方がどちらかというと健全性が高いと言うわけです。ただ、これはもともと起債制限があるからそうなるだけのことです。
 最近、言い出しているのは、基金の残高が地方の方が積み上がっているではないかということです。平成20年度あたりと対比して、そのときに比べたら増えているじゃないかという言い方をしますけど、高知の基金の推移を見ていただいたらお分かりいただけると思いますけれど、三位一体改革のこともあって、20年度ぐらいはどんどん下がっていました。結果として、その後だんだん戻ってきていて、今は増減それぞれ一進一退しているはずです。ある一部だけ切り取って財政が良いとか悪いとかと議論するのではなく、ロングスパンでしっかり見て、その中において地方というのが全体として、特に高齢化の進展などによって財政基盤も弱ってきている中において、いかに四苦八苦して財政の健全性を維持し、そういう状況を何とかしようと努力しているかという全体像を見ていただきたいと思います。
 ただ、司司(つかさつかさ)の議論ですから、財務省というのはどちらかというとそういう厳しいことを言う方向で切り込んでいくのが役目でしょうから、それが今度、総務省は地方の立場でもしっかり議論をし、最終的に両者の議論があって、内閣全体として最終的に総合的な判断を、我々地方の役割というのを的確に判断、適切に評価した判断をしていただければと思っています。

(中田・高知民報記者)
 今回も押し返せるというか、それなりのひどいことにはならないだろうと。

(知事)
 押し返してもらいたいものだと思っています。全国知事会でも皆で前回総務大臣にもお願いをしてきたところですけど。今回、一部繰越が使えないとか、前年度の編成時に比べて財政状況がやや厳しいというところがあったりしていて、そういうところは少し最終的には影響してくるかもしれませんが、ただ、いずれにしても、地方の財政は楽だ、地方の財政状況は歳出面・歳入面双方から見て楽なので、ゆえにもって大幅に削減しても構わないなどというようなことは事実に反するということです。

 

国民健康保険

(木田・時事通信記者)
 先ほどの質問にも関連してなんですけど、消費税率10%引き上げ延期の影響で、国民健康保健の都道府県単位化に伴って、来年度以降予定されている国の財政支援が減額される案が取りざたされていますが、この点に関しての受けとめをお願いします。

(知事)
 正直なところ、これは非常によろしくないですね。国民健康保険の財政運営の都道府県単位化にあたって、この財政支援があるのでお引き受けしますよという約束だったはずなんです。それが後になって、その約束を反故にするような形にされてしまうというのは非常に良くない。全国知事会の中でも議論されましたし、また、その中でも多くの知事がこの点について懸念を示していたところでありますけれども、やっぱり都道府県が財政運営の責任主体になることは大変なことなんです。けれども、知事会としても、知事たちとしても、今の状況からしてやむを得ないということで引き受けようとしているわけで誠意を尽くして対応しているわけですから、国の方もしっかり約束を守ってもらいたいと思います。

 

合区問題

(木田・時事通信記者)
 11月に全国市長会と全国町村会が合区解消に向けた決議を採択しましたが、この点についてのご所感をお願いします。

(知事)
 非常に心強いと思っています。3年後までに何としても解消しないといけないと思っていますから、ぜひしっかりお願いしたいと思います。

 

「世界津波の日」高校生サミット

(田北・共同通信記者)
 津波サミットのご感想をお聞かせください。

(知事)
 「世界津波の日」高校生サミットには感動しました。私は全体写真の撮影のところから出席させていただきましたけれども、驚いたのは、全部で30カ国の高校生が集まっているのですが、子どもたちがもう既にみんな相当仲良くなっているんですよね。1日ちょっとしか経ってないのに、軽々と国境の壁を越えてお互い交流している。若い人の力というのは大したものだなと思いました。高校生たちに自由に議論してもらって、力強い感性、若い力でもって、今後の津波防災をはじめとした防災・減災を担っていっていただきたいなと思いましたし、また、こういう交流が本当の意味での世界の平和につながるんだろうなと思いました。
 あの後の交流会もすごかったですね。よさこいとか踊り出したら、みんなが踊り出したり、さらによさこいが終わってからも、それぞれみんなステージに上がって仲良く踊っていたりして、改めて若い人の力というのはすごいなと思いました。こういう力をいろんな方面で生かせるようにしていかないといけないなと。さらに言うと、国際交流という観点からも若い時代からの交流は大事なんだなということをつくづく思ったところでありました。
 ですから、ぜひ来年度以降についても、こういう高校生の皆様方が防災・減災の取組などについていろんな人と交流していきながら学んでいけるような場をつくっていきたいと思いました。今回の「世界津波の日」高校生サミットの取組を1回きりに終わらせないで、ぜひそのレガシーをしっかり残していけることができればと思います。より多くの若き津波防災大使を残していけるように、ぜひ我々も取り組んでいきたいなと思ったところです。
 黒潮町の皆さん、さらには政府関係者の皆さん、多くの関係者の皆さん、それから自由民主党の二階先生にもおいでいただきましたけれども、皆さんにご尽力賜ったことに心から感謝を申し上げたいと思います。特に大西町長をはじめ黒潮町の皆さんのご尽力には心から敬意を表したいと思いますし、また感謝を申し上げたいと思います。また、何といっても来てくれた子どもたちに本当に感謝をしています。

(田北・共同通信記者)
 何か来年度以降もまた機会があればということですけど、また高知県が主導してというようなことをお考えですか。

(知事)
 世界津波サミットということではないでしょうけれども、高知の子どもたちがお互いに、津波をはじめとする防災・減災について語り合うような場を、また、外国の人たちとも交流しながらそういうことを語り合っていけるような場を、ぜひ作れないものかと思っています。

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