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平成29年6月県議会での知事提案説明

公開日 2017年06月23日

平成29年6月県議会での知事提案説明 (6月23日)

1 ペギー葉山先生ご逝去

2 県政運営と国の動向など

3 6月補正について

4 経済の活性化
 (1)第3期産業振興計画の着実な推進
 (2)地産外商の強化
  (地産外商公社)
  (輸出振興)
  (事業戦略策定などの支援)
 (3)拡大再生産の好循環へ向けた取り組み
  (移住促進)
  (隈研吾先生の林業大学校校長就任)
  (地域産業クラスターの形成)
  (食肉センターの整備)
  (起業・新事業展開の促進)
  (生産性向上のためのIoT技術の導入・機械化などの推進)
 (4)観光振興の取り組み
  (志国高知 幕末維新博)
  (日本遺産の認定「森林鉄道から日本一のゆずロードへ」)
  (高知カツオ県民会議)

5 日本一の健康長寿県づくり
 (1)高知家健康パスポート
 (2)高知版ネウボラ
 (3)子ども食堂
 (4)少子化対策の取り組み

6 教育の充実
 (1)チーム学校の構築
 (2)厳しい環境にある子どもたちへの支援
 (3)学校と地域との連携・協働

7 南海トラフ地震対策
 (1)「命を守る」対策
  (住宅の耐震化)
 (2)「命をつなぐ」対策
  (地域地域に支援物資を届けるためのルートの確保)
  (物資配送計画)
  (燃料確保計画)
 (3)大規模地震対策特別措置法の見直しについて

8 インフラの充実と有効活用

9 スポーツの振興
  (スポーツ振興に関する政策推進体制の構築)
  (ラグビーワールドカップ2019のチームキャンプ誘致について)

10 その他
  (全羅南道前知事の韓国首相就任)
  (新たな最終処分場の整備)
  (大川村議会維持へ向けた取り組み)

11 議案

 

 

1 ペギー葉山先生ご逝去

 去る4月12日、名誉高知県人でありますペギー葉山先生がお亡くなりになりました。
 昨日、東京で執り行われましたお別れの会に私も参列させていただき、謹んで哀悼の意を表してまいりました。
 ペギー葉山先生は、「南国土佐を後にして」や「学生時代」、「ドレミの歌」、「かあさんの歌」など数々の名曲を世に送り出され、また、子ども向けテレビ番組にも出演され、その明るい歌声と温厚な人柄から、幅広い世代の方々から親しまれた、日本を代表する歌手であられました。
 他方、歌謡界の第一人者でありながら、常に優しく、気さくな方でもあられ、私自身もその人となりに大変感銘を受けてまいりました。残念ながら、昨年10月の四万十町でのチャリティーコンサートが先生とご一緒させていただいた最後の機会となりましたが、その折の明るく輝くような歌声が今も私の心の中で響き渡っております。
 本県を第二の故郷と思っていただいた先生には、昭和49年から名誉高知県人として本県の観光振興などにご貢献いただくとともに、よさこい全国大会では第1回から長きにわたり審査員長を務めていただくなど、本県のよさこいの発展にも多大なご尽力を賜りました。
 まさに、先生は、本県にとって大恩人であります。先生のご功績に対しまして深く敬意を表し、心より感謝申し上げます。
 県民の皆様と共に、こうした先生のご功績を称え、先生を追悼させていただきたいと考えており、このため本年秋に追悼式典を執り行わせていただきたいと考えております。

 

2 県政運営と国の動向など

 私にとりまして、平成29年度は、知事に就任して10年目を迎えるまさに節目の年となります。
 産業振興計画などの各種の施策も第3期計画の2年目を迎え、この第3期より新たに挑戦を始めた施策もいよいよ本格的な実行段階に入ってまいります。本年度の取り組み如何がそれぞれの計画で掲げた目標を達成できるかどうかに大きく関わってくるものと認識しており、私自身先頭に立って、引き続き、県勢浮揚に向けて全力で取り組む覚悟であります。

 今月9日に閣議決定されました我が国の経済財政運営の指針となる、いわゆる「骨太の方針」では、「人材への投資による生産性向上」を改革の中心に据え、中長期的課題を克服することとされております。こうした国の方針は、地産の強化、外商の推進、人材の確保などを柱とした産業振興計画をはじめとする本県の取り組みと軌を一にするものであり、大きな後押しになるものと期待しております。引き続き、国に対して機を捉えた政策提言を行ってまいります。

 

3 6月補正について

 今議会では、経済の活性化をはじめとする基本政策などの着実な推進のため、総額3億8千万円余りの一般会計補正予算案を提出しております。
 第一に「経済の活性化」に関しては、高知県産業振興センターに設置した「こうち産業振興基金」の運用期間終了に伴い、新たな基金を造成いたしますほか、産業振興計画の目標に掲げた年間移住者数1,000組の達成及び定常化に向けて、移住相談と人材確保を総合的に行う新たな一般社団法人を設立するための経費などを計上しております。
 第二に「教育の充実」に関しては、教員が子どもたちと向き合う時間を確保するため、学校現場において多忙化解消に向けた取り組みを推進してまいります。
 このほか、「高知家健康づくり支援薬局」の周知や機能の拡充、現在運航を休止している消防防災ヘリコプター「りょうま」のエンジン交換、新たに確認された坂本龍馬直筆の書簡の購入、ペギー葉山先生の追悼式典の開催などに要する経費を計上しております。

 

4 経済の活性化

 続いて、平成29年度の県政運営の現状に関し、まず、経済の活性化についてご説明申し上げます。

(1)第3期産業振興計画の着実な推進

 昨年度の有効求人倍率は、統計史上初めて年間を通して1倍を超えました。
 また、産業振興計画に取り組む前の平成20年度と直近の平成26年度を比較すると、県内総生産は、名目値で3.4パーセント、実質値で4.0パーセント増加しており、一人当たりの県民所得の伸びは国の3.4パーセントを大きく上回る11.0パーセントの増となっております。
 このように、本県の経済は、人口減少下にあっても今や拡大する方向へと転換しつつあるものと考えております。こうした流れを一過性のものとせず、本県経済の活性化の傾向を確固たるものとするため、第3期計画の2年目となる本年度は、「地産」、「外商」、「拡大再生産」の各施策をもう一段強化して全力で進めているところであります。

(2)地産外商の強化

 まず、地産外商の取り組みについてご説明申し上げます。

(地産外商公社)
 国内における外商については、平成27年度から地産外商公社の活動範囲を関東から中部、関西、中四国、九州にまで広げ、また、昨年度より公社の外商担当職員を2名増員して17名体制で県内事業者の皆様の営業活動をサポートしてまいりました。
 その結果、昨年度の公社の活動を契機とした成約件数は、一昨年度の約1.2倍となる8,112件、成約金額は、約1.4倍となる28億4千8百万円と大きく伸びたところであります。
 引き続き、本年度も、全国規模での外商活動を展開するとともに、特に外食チェーンなどの業務筋に対する外商機会をさらに拡大していきたいと考えております。
 先月下旬には、高知市において、過去最高となる県外バイヤー87社と県内事業者108社による高知県産品商談会を開催し、バイヤーの方々から「効率的に中身の濃い商談を行うことができた」などといった声をいただきました。今後、しっかりとフォローを行い、成約の上積みを目指してまいります。

(輸出振興)
 第3期計画において重点的に推進することとしている輸出振興については、平成27年の食料品の輸出額が約4億4千万円と、産業振興計画をスタートさせた平成21年の約8.6倍に達するなど、着実に伸びてまいりました。本年度は、これまでに培ったノウハウを生かして、さらに取り組みを本格化させてまいります。
 まず、食料品については、先月末にタイで開催された同国最大級の国際食品見本市に出展し、水産物を扱う企業など4社と共に本県産品の売り込みを行ったところであります。また、先月から今月にかけて中国や台湾のバイヤーを本県に招へいし、県内事業者延べ29社との商談の場を設けました。さらに、来月下旬には、シンガポールやアメリカのバイヤーも招へいすることとしております。引き続き、食料品の輸出拡大に向けて、商談機会の確保などに取り組んでまいります。
 防災関連製品などの輸出については、これまでに台湾において公共工事で活用される機械製品について輸出の成果が出てきております。このため、台湾において、本年4月に設置した現地オフィスや貿易推進統括アドバイザーを活用し、防災分野を所管する官公庁などに対する外商活動をさらに強化しているところであります。さらに、今後、タイやベトナムなどにおいても相手国政府への売り込みを行うなど、東南アジアへの外商を本格化させてまいります。加えて、国際協力機構や日本貿易振興機構などとの連携を強化し、政府開発援助、いわゆるODAを活用した輸出に向けても取り組んでおり、今月20日には、本県が支援を行った案件が初めて国際協力機構の調査事業に採択されたところです。引き続き、防災関連製品などの輸出拡大に向けて、積極的に取り組みを進めてまいります。

(事業戦略策定などの支援)
 それぞれの事業体の持続的な成長、発展に向けては、経営ビジョンと目標を明確にし、その達成に向けた資源の効果的な活用方策を具体的に定めるとともに、必要となる人材の育成や施設整備、資金調達方法などを明らかにした、自社の事業戦略を策定した上で経営を行っていくことが重要であります。そして、こうした良き事業戦略が県内に広まっていくことを通じて、本県の産業全体の底上げが行われていくものと考えております。
 こうしたことから、ものづくりの分野では、産業振興センターを中心に、事業戦略の策定からその実行までを一貫して支援してまいりました。これまでに61社が事業戦略の策定に着手し、そのうち29社が策定を終え、新たに39社が着手しようとしており、この取り組みも着実な広がりを見せております。
 本年度からは、さらに他の分野においても、この事業戦略策定支援の取り組みを行ってまいります。
 まず、商店街など地域の事業者に対する支援も行うこととしており、地域ごとに、商工会や商工会議所、県の地域本部をメンバーとする地域連絡会議を設け、経営計画の策定支援を行うとともに、事業展開をサポートする中で直面する課題への解決策を協議することとしています。既に、全ての地域でこの地域連絡会議を立ち上げたところであり、併せて、この地域連絡会議の取り組みを全県的に支援する連絡会議も、商工会連合会や産業振興センター、金融機関などの参画を得て設立いたしました。
 次に、農業分野については、16地区に広がりを見せております中山間農業複合経営拠点の取り組みを効果的に進めるため、来月18日の「複合経営拠点推進フォーラム」を皮切りに、県や市町村、JAなどからなる協議会において、経営コンサルタントも活用しながら、それぞれの拠点に応じた事業戦略づくりをサポートすることとしております。あわせて、各拠点が求める人材の確保や育成といった組織体制の強化についても支援を行ってまいります。
 また、林業分野については、製材事業体を対象として、事業戦略の有効性についての講習会を開催するとともに、意欲のある事業体に対して、経営コンサルタントによる事業戦略づくりの支援を行うこととしております。その実践にあたっては、木材協会などとも連携し、着実に成果へつなげてまいります。
 こうした事業戦略の策定、実行支援に併せて、移住施策とも連動した担い手の確保や生産性向上、販路開拓などに向けた支援も行っていくことにより、各事業体の成長、さらには、本県経済の底上げを図ってまいりたいと考えております。

(3)拡大再生産の好循環へ向けた取り組み

 次に、拡大再生産の好循環を実現するための取り組みについてご説明申し上げます。

(移住促進)
 拡大再生産に向けた施策の第一の柱である担い手の確保について、まず、移住促進については、これまで官民協働、市町村政との連携協調の下、様々な施策を強化して取り組んできた結果、昨年度の本県への移住者は683組1,037人となり、目標である650組を上回ることができました。今後、第3期計画の最終的な目標である年間移住者数1,000組の達成と定常化を目指して、これまでの取り組みを一段と強化する必要があると考えております。
 具体的には、第一に、官民が一層協働して地域地域に潜在化している人材ニーズを掘り起こし、顕在化させる必要があること、第二に、マッチングをより効果的に行えるようにするため、商工業や農林漁業、福祉など、各産業分野の人材ニーズを一元的に集約するとともに、暮らしに関する情報なども併せて効果的に発信していく体制を整える必要があること、第三に、これらの取り組みのエンジンとなる移住相談や人材確保を担うスタッフのスキルをさらに高めていく必要があること、という3つの視点に沿って取り組みを強化していきたいと考えております。
 このため、これらの強化策を担う一般社団法人を官民協働によって新たに立ち上げ、10月を目途に業務を開始できるよう準備を進めたいと考えており、関連する補正予算案を今議会に提出させていただいております。
 新たな法人の運営には、県に加えて、全ての市町村、不動産団体など各分野の関係団体、さらには民間の移住支援団体の皆様にも参画していただくことを予定しております。
 この新しい法人において、例えば、後継者不足により事業の継続や拡大に躊躇しておられる事業者の皆様の人材ニーズを掘り起こし、移住プロセスを通じて担い手を確保するなどといった取り組みを行い、人口減少下においても地域地域の活力の維持や発展をもたらすべく努めてまいりたいと考えております。

(隈研吾先生の林業大学校校長就任)
 第一次産業の担い手の確保については、産地提案型の人材確保や研修機会の確保、充実などの取り組みを進めているところです。
 こうした中、来年度、新たなスタートを切る県立林業大学校の初代校長に世界的な建築家である隈研吾先生にご就任いただけることとなりました。
 今後、教育の方向性やカリキュラムに対して隈先生から様々なご助言をいただくこととなっております。「21世紀は木の世紀になる」と考える隈先生の下で、林業を生涯の仕事として志す若者達を育ててまいりたいと考えております。

(地域産業クラスターの形成)
 
拡大再生産に向けた施策の第二の柱である地域産業クラスターの形成については、現在、19のプロジェクトの取り組みを進めているところです。
 例えば、日高村のトマトプロジェクトに関しては、オムライス街道の取り組みのほか、有名シェフとの連携によって開発された新たなメニューの提供が始まりました。現在、建設が進んでいる新規参入企業の次世代型ハウスでは、9月ごろからミニトマトの栽培が開始され、10月には新たな選果場が整備されるなど、トマトの生産を核とした産業の集積が進んでおります。
 また、安芸市のナスプロジェクトに関しては、今月落成した次世代型ハウスにおいて、9月上旬からナスの出荷が始まる見込みであり、これにあわせて、ナスを使った加工品などの検討も進められております。
 さらに、南国市の還元野菜プロジェクトにおいては、次世代型ハウスで電解水素水を活用して生産された野菜の出荷が開始され、今後、直販所などにおける還元野菜の販売やレストランとタイアップしたメニューの開発などが本格化してまいります。
 加えて、宿毛市、大月町の養殖ビジネス高度化プロジェクトに関しては、宿毛湾港工業流通団地に水産加工施設の整備が計画されており、関連する補正予算案を今議会に提出させていただいているところです。
 今後とも、19のクラスタープロジェクトにおいて、核となる第一次産業の生産拡大を図る取り組みに加えて、加工や販売、観光といった第二次、第三次産業の集積を進めてまいりますとともに、新たなクラスタープロジェクトの掘り起こしにも努めてまいります。

(食肉センターの整備)
 
こうした中、畜産振興の分野でも、中山間地域などに多様な雇用の場を創出するため、畜舎などの生産施設を核とした畜産クラスターの形成に取り組んできたところであり、これまでに、嶺北地域では土佐あかうし、四万十町では四万十ポークを中心とする取り組みが着実に進められております。
 さらに、本年度、梼原町で肉用牛の生産基盤の強化などを目指すプロジェクトが本格的に立ち上がったところであり、この取り組みを積極的に支援するために、関連する補正予算案を今議会に提出させていただいております。
 こうした畜産クラスターの形成も含めた畜産振興を図る上で、食肉センターは、生産の拡大と高付加価値化、地産外商の推進、県民への安全安心な食肉の供給といった取り組みを維持し、さらには、好循環を生み出し拡大再生産につなげていく施設として必要不可欠であると考えております。
 こうした中、現在の「高知県広域食肉センター」は、関係者の皆様のご努力により運営されておりますものの、近年の施設の老朽化やと畜頭数の減少などにより、厳しい経営状況が続いております。
 このため、昨年11月に「高知県新食肉センター整備検討会」を設置し、今後の整備計画などについて検討を重ねているところです。先月19日の第4回検討会では、新センターの経営安定化と収益増加を図るため、現在の施設で行っていると畜に加えてセリ、部分肉加工、集荷、販売といった新たな機能を持つ、畜産振興の中核的施設に拡張する案をお示しいたしました。関係者の皆様からは、新たな取り組みへの協力の意向や、「施設整備に行政負担が必要である」といったご意見をいただいたところです。
 今後、新施設の規模や機能、運営体制などについてさらに協議を重ね、本年8月を目途に意見の取りまとめを行いたいと考えております。

(起業・新事業展開の促進)
 
拡大再生産に向けた施策の第三の柱である起業や新事業展開の促進については、本年度から、起業に関心がある方々と支援機関などをつなぐこうち起業サロンの取り組みと、ビジネスの学びや大学などとの連携を進める産学官民連携センターの取り組みを一体的に進めているところです。
 今月30日からこうち起業サロンを常設化することとしており、同サロンにおいて、起業や新規事業の立ち上げなどに豊富な経験のある専任の起業コンシェルジュを新たに配置し、対面やオンラインによる事業相談に常に対応できる体制を整えてまいります。これにより、起業などに挑戦する皆様をおのおのの状況に応じた支援プログラムへ的確に誘導するなど、事業化に向けた取り組みをタイムリーにサポートしてまいります。
 さらに、土佐まるごとビジネスアカデミーに関しては、新事業展開につながる企業などの事業戦略づくりを学びの面からも支えることができるよう、経営戦略や起業に関する講義内容を充実するとともに、テレビ会議方式やネット受講による学びの機会を拡大し、地域地域でより受講しやすい仕組みとしました。
 こうした取り組みを通じて、起業や新事業展開にチャレンジする方々の着実な広がりや、具体的な起業や事業化の進展を図ってまいります。

(生産性向上のためのIoT技術の導入・機械化などの推進)
 
さらに、県内に新たな事業を意図的に創出し続けることを可能とする仕組みを創り上げていくことにもチャレンジしてまいりたいと考えております。例えば、新たなIoTシステムや機械を開発し、本県の第一次産業に関する課題解決を図るとともに、これにより開発された技術や製品を地産外商につなげていくなどといった取り組みをより強化していきたいと考えております。
 このため、本年度は、第1期産業振興計画から推進してきた「ものづくりの地産地消」や、昨年度立ち上げた「高知県IoT推進ラボ研究会」の取り組みをもう一段強力に推進してまいります。
 具体的には、まず、庁内に第一次産業の各分野ごとに官民協働によるプロジェクトチームを設置いたします。このチームにおいて、生産から流通までの全ての過程を俯瞰し、ボトルネックの解決策につながる現場のニーズを体系的に抽出した上で、これらのニーズに応える解決方策の概略を仕様書として取りまとめることとしています。そして、この仕様書に基づく具体的な解決策を県内企業から公募した上で、第一次産業の現場のニーズとのマッチングを行い、新たなIoTシステムや機械などの開発につなげてまいります。さらに、新たに開発されるIoTシステムや機械などの県内外への販路開拓を、県を挙げて支援してまいります。
 こうした一連の取り組みをさらに防災や福祉などの分野にも広げていくことにより、高知発の新たな事業、ひいては産業の創出につなげてまいります。

(4)観光振興の取り組み

次に、観光振興の取り組みについてご説明申し上げます。

(志国高知 幕末維新博)
 
本県観光は、過去2番目に多い約424万人を記録した昨年を含め、4年連続で県外観光客入込数が400万人を超えるなど、新たなステージを迎えたと感じております。
 こうした中、本年3月4日には、「志国高知 幕末維新博」が開幕し、そのオープニングイベントには約1万8千人もの方々にお越しいただきました。
 メイン会場の高知城歴史博物館には、一昨日までに、開幕から約8万7千人と目標の2倍を超える多くの方々に入館いただきました。また、県内20の地域会場においても、合計約27万5千人と目標を上回る方々にお越しいただいており、メイン、サブ会場と合わせた来場者数はトータルで約51万2千人を超えるなど、順調なスタートを切ることができたものと考えております。
 今後、地域会場への誘客をさらに強化するため、食や自然、体験を組み合わせた周遊コースの情報発信の強化や企画展の開催など、地域会場の魅力と発信力をより高める取り組みを進めてまいります。
 また、現在の勢いを秋に向けて持続し、強化していく取り組みを進めることも重要であると考えております。本年10月には大政奉還150年の節目を迎えますことから、幕末維新博への全国的な関心が一層高まりますよう、土佐の志士たちの大政奉還につながる功績や足跡を前面に押し出したプロモーションを展開してまいります。
 さらに、来年は、明治維新から150年を迎え、全国的に明治維新に関連した事業が展開され、西郷隆盛を主人公とした大河ドラマも放送されます。こうした機を捉え、「平成の薩長土肥連合」のメンバーである鹿児島県、山口県、佐賀県との連携や全国龍馬社中とのタイアップを積極的に図り、より広がりを持ったプロモーションの展開を図るなどして、幕末維新博の第二幕に向けた盛り上げにつなげてまいります。 

 こうした中、長幕戦争など慶応2年の出来事を記した貴重な書簡とされながらその所在が不明であった坂本龍馬直筆の書簡が、このたび新たに発見されました。これは歴史研究の面でも、また、観光振興の観点からも大変意義深いことであると感じており、今議会にこの書簡を購入するための補正予算案を提出させていただいております。こうした坂本龍馬の貴重な資料を収集し、業績を顕彰した上でしっかりと後世に引き継いでいくことは、高知県としての使命であると考えているところであり、今後とも、坂本龍馬の資料の収集、研究、展示などに努めてまいる所存であります。

(日本遺産の認定「森林鉄道から日本一のゆずロードへ」)
 
中芸5町村が連携して文化庁に申請しておりました魚梁瀬森林鉄道を中心とする「森林鉄道から日本一のゆずロードへ」の取り組みが日本遺産に認定されました。関係者の皆様のご努力に対して心から敬意を表しますとともに、本県の観光振興の大きな追い風になるものと大変うれしく感じております。
 今後、中芸5町村において、地域の観光資源の磨き上げや旅行商品の造成などに取り組まれるとお聞きしています。県としましても、地域の皆様と連携して、商品造成などに取り組むとともに、当地域の魅力を国内外へ積極的に情報発信してまいります。

(高知カツオ県民会議)
 
本県にとってカツオは、漁業だけでなく、観光や食文化の面でも極めて重要な資源の一つでありますものの、その漁獲量は長期的に減少してきており、資源状況の悪化が懸念されております。これまで、国際的な資源管理措置を構築するよう国に対して政策提言を行ってまいりましたが、関係国の利害対立や科学的根拠の不足などから大きな進展は見られておりません。
 こうした中、この4月に、カツオ資源の現状に危機感を抱く県民有志の皆様が中心となって「高知に、そして日本にカツオを取り戻す」ことを目的に「高知カツオ県民会議」が設立されました。私も同会議の会長に就任させていただいたところであり、今後、県としましても、同会議とも歩調を合わせて、資源保護の機運を盛り上げていくとともに、国の資源調査にも積極的に参画するなど、国の国際交渉を力強く後押ししてまいります。

 

5 日本一の健康長寿県づくり

 次に、日本一の健康長寿県づくりの取り組みについてご説明申し上げます。

(1)高知家健康パスポート

 壮年期の死亡率の改善を図る取り組みの一つである高知家健康パスポート事業については、新たにランクアップの仕組みを導入し、本年4月から「高知家健康パスポートⅡ」の交付を開始いたしました。現在、県で把握しているだけでも約1万3千人の皆様がパスポートⅠを取得され、特定健診の受診や健康関連イベントへの参加などを通じて、健康づくりに取り組んでおられます。また、パスポートⅡも早速600人を超える方々が取得され、より継続的に、かつ楽しみながら健康づくりに取り組んでおられます。
 引き続き、高知家健康パスポート事業が健康づくりの県民運動として盛り上がりますよう取り組んでまいります。

(2)高知版ネウボラ

 厳しい環境にある子どもたちへの支援については、妊娠期からの総合相談窓口としての役割を担う子育て世代包括支援センターと、親子を対象に交流機会や子育てに関するサービスを提供する地域子育て支援センター、さらには、保育所、あったかふれあいセンターなどを包括して「高知版ネウボラ」と位置づけ、県内各地で展開されるよう取り組みを進めております。
 そのうち、子育て世代包括支援センターについては、現在12市町村に設置されているところですが、さらなる拡大を目指して関係者との協議を行っているところです。
 また、地域子育て支援センターについては、本年度、新たに高知市、室戸市、中芸地域の3カ所で開所され、合計48カ所となるなど、県内各地に取り組みが広がりつつあります。
 今後は、これらのセンターのさらなる設置と併せて、職員研修の実施や助産師などの専門職員によるバックアップなどにより支援の質の向上にも取り組んでまいります。
 また、子どもが少ない地域において、地域子育て支援センターによる出張広場の実施や保育所などにおける保護者への支援の強化、あったかふれあいセンターの機能拡充を進めるなど、妊娠期から子育て期までの切れ目のない総合的な支援体制を県内各地で構築してまいります。

(3)子ども食堂

 子ども食堂につきましては、小学校区単位に1カ所以上設置されるよう、開設の立ち上げ段階から、活動を継続、充実していく段階まで、事業者の皆様に寄り添いながら支援を行っております。
 まず、立ち上げ段階に関しては、立ち上げに必要な経費への支援と併せ、本年4月から高知県社会福祉協議会にコーディネーターを2名配置し、子ども食堂の開設運営の手引書の作成や開設準備講座などの取り組みを開始いたしました。
 次に、活動の継続、充実への支援に関しては、子ども食堂の運営に必要な経費への支援を現在7カ所に対して行っているところであり、また、関係者間での情報共有や交流を図るため、来月、本年度第1回目のネットワーク会議を開催いたします。
 加えて、一定の要件を満たした子ども食堂の取り組みについて県が広く紹介する仕組みを設け、現在7団体の子ども食堂の活動や開催状況などをホームページで紹介しております。
 また、子ども食堂の取り組みを支援するための基金をこの3月に設置し、趣旨に賛同していただける皆様からのご寄附を募っております。県のホームページでの協力依頼に加えて、各種団体の会合や県人会などにおいても積極的にPRを行っており、一昨日までに11件のご寄附と数多くのお問い合わせをいただいているところです。
 今後も、こうした取り組みの輪を広げていくことにより、子どもたちが安心して過ごすことができる居場所の拡大を目指してまいります。

(4)少子化対策の取り組み

 先般公表された昨年の人口動態調査において、本県の合計特殊出生率は1.47となり、平成27年の1.51を下回る残念な結果となりました。
 県としましては、これまで、結婚、妊娠、出産、子育てといったライフステージの各段階に応じた対策を強化し、官民協働で少子化対策が展開されるよう取り組みを進めてきたところです。その結果、結婚支援に関しては、先月末時点で、出会いのマッチングシステムの登録者数が852人、お引き合わせ成立数が466件、そのうち交際成立数が196組となるとともに、県の支援を通じた成婚数がトータルで134組に達するなど、一定の成果が表れてまいりました。また、「高知家の出会い・結婚・子育て応援団」についても、先月末時点における登録団体数が296となるなど、取り組みが広がってきております。しかしながら、まだまだ少子化に歯止めがかかっていない状況であり、今後、さらに対策を強化していくことが必要だと考えております。
 まずは、本年2月にバージョンアップした日本一の健康長寿県構想に基づき、こうち出会いサポートセンターの充実や「高知家の出会い・結婚・子育て応援団」の登録数の増加を図るなどの取り組みを進めてまいります。
 こうした取り組みに加え、今回の人口動態調査の結果を詳細に分析し、地産外商の強化や移住促進などを通じた若者の定着、出生率が高い傾向にある中山間地域の若者の増加に向けた施策などと合わせ、一連の少子化対策の取り組みをもう一段強化してまいります。
 また、全国知事会次世代育成支援対策プロジェクトチームのリーダーとして、国に対して、若者の労働環境の改善や仕事と子育ての両立に向けた施策の充実など、少子化対策のさらなる強化について訴えてまいります。

 

6 教育の充実

 次に、教育の充実に関する取り組みについてご説明申し上げます。
 子どもたちの知、徳、体をしっかりと育む取り組みの実効性を高めるため、本年3月に「教育等の振興に関する施策の大綱」の改訂を行いました。そして、本年度第1回の総合教育会議において、それぞれの取り組みについて効果的なスタートが切れているのか確認したところです。

(1)チーム学校の構築

 この大綱で定めた取り組みのうち、まず、第一の柱である「チーム学校の構築」に関しては、中学校において、複数の教員が学年をまたがり同一教科を担当する、いわゆるタテ持ちの実践校を19校に倍増し、定期的な教科会などを通じて日々の指導方法の工夫や改善につなげているところです。
 また、学校内に同一教科の教員が少ない小規模中学校においても、5つのブロックで近隣校の教員が連携して定期的に授業研究を行う取り組みを進めるとともに、11校が教科の枠を超えたチームを組み、定期的なチーム会などによる授業改善を進めております。さらに、数学担当教員の授業力向上に向けて、高い専門性と指導力を備えた県外の人材を招へいし、31の対象校に対して指導を行っていただいており、現場から高い評価を得ております。
 高等学校においては、高校生として身に付けるべき基礎学力やコミュニケーション力の育成に取り組んでおりますものの、残念ながら、これらの力を十分に身に付けられないまま卒業している生徒も見られます。
 この4月から、生徒一人ひとりの多様な学力や進路の希望にきめ細かく対応するため、全ての県立高校において基礎学力や社会性の定着を柱とする進路支援プログラムの実践に取り組んでおります。特に、全ての生徒が3年間を通じて基礎的な学力をしっかりと身に付けられるよう、個々の生徒の学力に応じた指導内容を教科会などで協議しながら、授業改善につなげる取り組みを進めているところです。
 しかしながら、本県の高等学校における基礎的な学力の定着状況は大変厳しい現状にあり、まだまだ取り組みは十分ではないものと考えております。一人ひとりの生徒に、少なくとも社会の一員として最低限必要とされる基礎的な学力をしっかりと身に付けさせて、社会に送り出していくことは高等学校の責務であります。このため、今後さらに課題を掘り下げて分析し、教科会を通じた授業改善や、多様な生徒の学力に応じた指導方法の確立など、実効性のある取り組みの強化を図ってまいります。

(2)厳しい環境にある子どもたちへの支援

 第二の柱である「厳しい環境にある子どもたちへの支援」については、不登校や暴力行為など生徒指導上の問題を抱える児童生徒をチーム学校として支援するための新たな取り組みを今年度から始めました。
 具体的には、校内支援会を定期的に開催して、個々の状況に応じた手だてを講じた上で、学年単位や学級単位で日々の見守りや状況把握を行い、その検証を行うなどといった組織的な取り組みをスタートさせたところです。
 この新たな取り組みを全ての公立学校に周知徹底するため、4月には、全市町村の教育長や、校長をはじめとする管理職員に直接説明を行った上で、全ての公立学校の生徒指導担当教員を集めた研修会を開催するとともに、全教職員に対してリーフレットを配布するなどいたしました。さらに、重点支援校に位置付けた小学校10校に対しては、心の教育センターのスクールカウンセラーと指導主事によるチームを定期的に派遣して、校内支援会で具体的なアドバイスも行っております。

(3)学校と地域との連携・協働

 第三の柱である「学校と地域との連携・協働」については、学校の様々な活動を地域の方々に支援していただく学校支援地域本部の設置校を大幅に増やすよう努めてまいりました。この結果、現在、県内公立小中学校の6割を超える188校において同本部が設置され、学習支援や登下校の安全指導などの活動を行っているところです。未設置校については、現在、各校の設置計画の策定を支援しているところであり、来年度は8割以上の学校での設置を目指してまいります。
 あわせて、現在の「学校支援地域本部」を、学校と地域とがパートナーとなって子どもたちの見守り活動や学習支援などを協働で行う「高知県版地域学校協働本部」へと発展させる取り組みも進めてまいります。本年度はモデル校7校において、民生児童委員の参画による見守りの仕組みづくりや、学校と地域の協議の場の設置などに取り組んでおります。今後、活動の中で蓄積したノウハウを他に広めていくことなどを通じて、地域学校協働本部の取り組みを県内全域に広げてまいります。

 

7 南海トラフ地震対策

 次に南海トラフ地震対策について、ご説明申し上げます。
 第3期南海トラフ地震対策行動計画の2年目となります本年度は、平成30年度の目標達成に向けて、引き続き「命を守る」対策を徹底してまいりますとともに、対策の時間軸を先に伸ばし、これまで以上に応急期の「命をつなぐ」対策を掘り下げてまいります。

(1)「命を守る」対策

(住宅の耐震化)
 
「命を守る」対策の中でも、特に急ぐ必要があるのが住宅の耐震化であります。
 住宅の耐震化が十分に行われなければ、住宅の倒壊によって多くの命が失われるだけでなく、火災の発生や津波からの逃げ遅れ、救急搬送の阻害など複合的な災害を招くこととなりかねません。このため、これまで、住宅の耐震化を南海トラフ地震対策の最優先課題の一つとして取り組みを進めてまいりました。その結果、昨年度の実績件数は、耐震診断が3,386棟、耐震改修が1,227棟と、いずれも過去最高であった一昨年度を大きく上回りました。
 しかしながら、本県には耐震性不足の住宅がまだまだ数多く残されており、加えて、市町村によって進捗に差があることから、取り組みのさらなる加速が必要であると考えております。
 本年度は、できるだけ簡易に耐震改修を行いたいというニーズに応えるため、耐震診断を省略して設計から始める仕組みの普及を進めており、既に9市町村で導入されております。また、県内の住宅の約半数が集中する高知市では、耐震改修に対する補助金額が上乗せされることとなりました。
 今後も、取り組みのさらなる加速を図ってまいりますとともに、国に対して、住宅の耐震対策の抜本強化を粘り強く訴え、これらの取り組みに必要となる財源の確保などに努めてまいります。

(2)「命をつなぐ」対策

 地震による揺れや津波から命が守られた後の応急期は、助かった「命をつなぐ」ために極めて重要な期間でありますことから、様々な応急期対策について、その後の速やかな復旧、復興も念頭に置きながら検討をさらに深め、順次、具体化していかなければならないと考えております。
 本年度は、必要な物資や要員を避難所や医療の現場などへ確実に届けることができますよう、さまざまな応急期の対策の中でも特に道路啓開や物資の配送、燃料の確保といった取り組みを重点的に進めてまいります。

(地域地域に支援物資を届けるためのルートの確保)
 
第一に、早期の道路啓開については、平成27年度に策定した高知県道路啓開計画の実効性を高めるための取り組みを着実に推進してまいります。
 具体的には、昨年度から3つの地域で取り組んでまいりました情報伝達に関する図上訓練を残る全地域で実施するとともに、実際の啓開作業を想定した実働訓練も実施してまいります。
 また、各市町村の応急期機能配置計画に定められた応急救助機関の活動拠点や医療救護所に至るルートなど、早期に道路啓開が必要な箇所について、啓開ルートの選定や啓開日数の算定を行ってまいります。
 さらに、課題の一つである重機不足の解消に向け、重機を保有するリース会社などの事業者から保有台数や保管場所などを聞き取りし、発災後、優先的に啓開作業に重機を割り当てる仕組みづくりを検討してまいります。
 これらの取り組みを通じて見えてきた課題を踏まえて、さらに道路啓開計画の見直しを行うことにより、その実効性を高めてまいります。

(物資配送計画)
 
第二に、物資配送計画については、熊本地震の教訓も踏まえ、昨年度、支援物資を避難所まで届けるための基本方針を策定したところです。
 本年度は、この基本方針に従って、県内7カ所の総合防災拠点内の物資拠点ごとに、具体的な運営体制や施設内のレイアウト、市町村の物資拠点までの経路などを定めた配送マニュアルを策定することとしております。まずは、春野総合運動公園を先行モデルとして、関係市町村や民間事業者をメンバーとするワーキンググループを立ち上げ、現地での検討を開始したところです。
 今後、先行モデルの取り組みも参考にしながら全ての拠点の配送マニュアルを策定し、避難所まで支援物資が確実に届く仕組みを構築してまいります。

(燃料確保計画)
 
第三に、燃料の確保対策については、平成27年3月に、国が「南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画」を策定し、燃料供給などの具体的な活動内容を示しましたことを受け、発災後の救助救出、道路啓開、物資配送、医療救護などの活動に必要な燃料や、災害対策活動の中枢を担う重要施設で必要となる燃料、県内の給油施設などから供給可能な燃料について調査を実施してまいりました。
 さらに、来月には、庁内に燃料確保計画の策定に向けた検討チームを設置し、調査結果を分析した上で燃料の確保に関する課題について協議を行い、応急救助機関の車両や道路啓開に要する重機などへの燃料供給に係る対策や、重要施設や給油施設における対策などを定めた燃料確保計画を本年度内に取りまとめることにしております。

(3)大規模地震対策特別措置法の見直しについて

 昨年9月、大規模地震対策特別措置法に基づく防災対応のあり方について検討するワーキンググループが中央防災会議の下に設置され、私も委員として議論に参加してまいりました。現在、南海トラフ沿いの地域における地震予測の可能性や、東海地震のみが発生し、その後に連動して南海トラフ地震が発生する危険性が高まった場合などにおける防災対応のあり方について議論が進められております。
 南海トラフ地震による被害の軽減を目指して、国、地方を通じて適切な体制、仕組みが構築されることとなるよう、引き続き地域の実情も訴えながら、しっかりと議論に参画してまいります。

 

8 インフラの充実と有効活用

 次に、インフラの充実と有効活用の取り組みについてご説明申し上げます。
 道路や港湾などのインフラは、県民生活の安全安心や産業振興などに大きく寄与することから、その整備促進に向けて、これまでも国に対して積極的な提言活動を行ってまいりました。
 その結果、本年度、四国8の字ネットワークを構成する佐賀大方道路が新たに事業着手されるとともに、浦戸湾の地震津波対策である三重防護についても、先月、第二ラインとなる国直轄の海岸堤防工事が着手されたところです。
 今月、インフラの整備について部局横断的な進捗管理を行う「高知県社会資本整備推進本部」を設置いたしました。この本部会議を通じて、それぞれのインフラの整備計画や完成時期、事業効果などに関する情報を庁内で共有することにより、一層効果的で戦略的なインフラの整備や施策の展開につなげてまいります。

 

9 スポーツの振興

 次に、スポーツの振興についてご説明申し上げます。

(スポーツ振興に関する政策推進体制の構築)
 
本年4月から、学校体育以外のスポーツに関連する業務を文化生活スポーツ部に一元化し、「競技力の向上」、「生涯スポーツの推進」、「スポーツツーリズムの振興」の3つの柱に、これらに横断的に関わる「障害者スポーツの充実」、「2020年オリンピック・パラリンピック東京大会を通じたスポーツの振興」、「スポーツ推進のための環境整備」の3つの柱を加えた6つの柱を掲げて、スポーツ振興の取り組みを本格的にスタートしたところです。
 スポーツの振興は、競技力の向上はもとより、スポーツイベントなどを通じた交流人口の拡大や日常的な運動習慣の確立による健康の増進など、幅広い分野で効果が期待されるものであります。このため、庁内が一体となって部局横断的にスポーツの振興に取り組んでいくため、「高知県スポーツ振興推進本部」を新たに設置し、今月2日に第1回の本部会議を開催いたしました。
 さらに、産学官民が連携して本県のスポーツ振興を強力に推進していくため、「高知県スポーツ振興県民会議」を立ち上げ、今月14日に第1回の会議を開催したところであります。
 このような体制の下、本年度は、現在の高知県スポーツ推進計画に基づく取り組みを着実に推進するとともに、併せて、来年度以降の施策の抜本強化について検討してまいります。
 具体的には、まず、先ほど申し上げた6つの柱に基づき、指導者の育成や受け入れ、スポーツ強化校の指定、高知龍馬マラソンなどのスポーツイベントの開催、プロ、アマチュアのスポーツチームのキャンプや大会の誘致、スポーツ施設、設備の整備などの具体的な施策を、推進本部や県民会議でPDCAサイクルを徹底しながら推進してまいります。
 同時に、県民会議において産学官民の関係者のご意見をいただきながら、本県のスポーツ振興策の抜本強化に向けた検討を重ね、次年度以降の新たな推進計画の策定につなげてまいります。

(ラグビーワールドカップ2019のチームキャンプ誘致について)
 
2019年に我が国で開催されますラグビーワールドカップの事前キャンプについては、世界のトップ選手と接する貴重な機会となるとともに、キャンプ終了後も文化やスポーツの交流が継続する効果も期待されますことから、積極的に誘致を進めているところであります。
 先月には、私自らトンガ王国を訪問し、ラグビー協会のトップを務められるアキリシ・ポヒヴァ首相やシャオシ・ソヴァレニ副首相など関係者の皆様にお会いしてまいりました。本県における事前キャンプについて要請したところ、その実現に手応えを感じたところであります。
 今後、各自治体の誘致活動や出場国のキャンプ地選定の動きが本格化してくることが予想されるところであり、本県としても誘致の実現に向けた取り組みをさらに強化してまいります。

 

10 その他

(全羅南道前知事の韓国首相就任)
 
先月31日、本県と姉妹交流協定を締結しております韓国全羅南道の李洛淵前知事が韓国新政権の国務総理に就任されました。
 新しい政権のスタートに合わせ、政府特使が李国務総理と会談するにあたり、全羅南道と姉妹交流関係にある本県として日韓関係の発展を少しでも後押ししたいという思いから、訪問団の一員として韓国を訪問してまいりました。また、全羅南道と本県の今後の具体的な交流について、李前知事の職務代行者である金甲燮知事権限代行をはじめとする関係者との協議も行ってまいりました。
 さらに、今回、県内の商工、観光、農業、林業の各分野の企業や団体の皆様も共に訪韓され、ビジネス交流を含む民間交流を展開されたところです。引き続き、県内関係者の皆様とともに、全羅南道との絆を生かしながら韓国との交流を進めてまいります。

(新たな最終処分場の整備)
 
次に、産業廃棄物の新たな管理型最終処分場の整備についてご説明申し上げます。
 本年度は、新たな施設の候補地を選定することとしており、今月13日には「新たな管理型最終処分場候補地選定委員会」の第1回委員会を開催いたしました。委員会では、産業廃棄物の排出量が多いエリアの利用者の利便性を考慮し、選定エリアを高知市中心部から自動車で概ね1時間圏内であって、法規制や防災面などを考慮した区域とし、候補地の公募も実施することなどが決定されました。
 今後、委員会において、客観的かつ透明性のあるプロセスにより選定が進められることとなります。最終的には、議会のご意見もお伺いしながら、地元の合意を得た上で、県において建設予定地を決定したいと考えております。

(大川村議会維持へ向けた取り組み)
 
大川村においては、これまでの大川村プロジェクトの取り組みなどを通じ、例えば、20代などの若い世代の流入が見られるとともに、5年ごとの人口減少率の改善幅が県内で1位となるなど、村の振興に向けて着実な成果が見られるようになってまいりました。
 こうした中、先日の村議会において、和田大川村長から、村議会の維持を目的とする勉強を行うとともに、想定外を想定して、村民総会の勉強も始めることについて、表明がありました。
 大川村長の思いは、あくまで、村議会の維持と村の活性化にあり、県も同様の思いであります。このため、「大川村議会維持対策検討会議」を村と県で設置し、村議会の維持に向けた課題の解決策を検討するとともに、平成26年6月より行っている大川村プロジェクトを大胆に加速していくことといたしました。昨日、第1回の会議を開催し、「村議会の維持が大前提である」、「大川村の活性化を中山間地域活性化のモデルケースとする」との思いを改めて関係者間で共有したところです。今後、村議会維持に向けた検討を深めるとともに、強化した大川村プロジェクトをスピード感を持って実行し、さらには、必要に応じて国に対する政策提言も行ってまいります。

 

11 議案

 続きまして、今回提案いたしました議案についてご説明申し上げます。
 まず予算案は、平成29年度高知県一般会計補正予算などの3件です。
 このうち一般会計補正予算は、先ほど申し上げました経済の活性化などの経費として、3億8千万円余りの歳入歳出予算の補正などを計上しております。
 条例議案は、高知県個人情報保護条例の一部を改正する条例議案など12件であります。
 その他の議案は、高吾地域拠点校校舎新築主体工事請負契約の締結に関する議案など2件であります。
 報告議案は、平成28年度高知県一般会計補正予算の専決処分報告など2件であります。

 以上をもちまして、議案提出にあたっての私からの説明を終わらせていただきます。
 何とぞご審議の上、適切な議決を賜りますようお願い申し上げます。

高知県 総務部 秘書課

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