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平成30年6月県議会での知事提案説明

公開日 2018年06月22日

平成30年6月県議会での知事提案説明 (6月22日)

1 県政運営と国の動向など

2 6月補正について

3 経済の活性化
(1)第3期産業振興計画の着実な推進
(2)成長の「壁」を乗り越える取り組み
   (働き方改革推進支援センター)
   (移住促進について)
(3)成長に向けた「メインエンジン」をさらに強化
  ア 継続的に新たな付加価値を生み出す仕組みの構築
   (次世代型こうち新施設園芸システム)
   (A材の需要拡大と販売促進)
   (課題解決型の産業創出の推進)
   (IT・コンテンツアカデミー)
   (防災関連産業の振興)
  イ 交易の範囲のさらなる拡大
   (地産外商公社)
   (輸出振興)
   (ものづくり地産地消・外商センター)
(4)成長を支える取り組み
   (起業や新事業展開の促進)
   (地域産業クラスターの形成)
   (事業戦略の策定と実行の支援)
(5)観光振興の取り組み
   (「志国高知 幕末維新博」第二幕)
   (ポスト幕末維新博)
(6)その他(新食肉センターの整備)

4 日本一の健康長寿県づくり
(1)壮年期の死亡率の改善
(2)地域地域で安心して住み続けられる県づくり
   (高知版地域包括ケアシステム)
   (総合診療専門医の養成)
(3)厳しい環境にある子どもたちへの支援
(4)少子化対策の抜本強化
(5)医療や介護などのサービス提供を担う人材の安定確保と産業化

5 教育の充実
(1)チーム学校の構築
  ア 小中学校における授業改善のさらなる充実
  イ 高等学校における学校支援チームの取り組み
(2)厳しい環境にある子どもたちへの支援
(3)県立高等学校再編振興計画
(4)新図書館等複合施設オーテピアの開館

6 南海トラフ地震対策
(1)第3期行動計画の総括について
(2)前方展開型の医療救護活動
(3)南海トラフ地震に関する新たな防災対応について

7 スポーツの振興

8 その他
(1)太平洋島嶼国・日本地方自治体ネットワーク
(2)ルネサス高知工場
(3)都市計画道路はりまや町一宮線はりまや工区
(4)新たな管理型最終処分場の整備

9 議案


 

 本日、議員の皆様のご出席をいただき、平成30年6月県議会定例会が開かれますことを厚くお礼申し上げます。 

 ただ今提案いたしました議案の説明に先立ちまして、当面する県政の主要な課題についてご説明を申し上げ、議員の皆様並びに県民の皆様のご理解とご協力をお願いしたいと思っております。

 はじめに、今月18日に発生しました大阪府北部を震源とする地震によりお亡くなりになられた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、ご遺族の皆様にお悔やみを申し上げます。また、被害に遭われた皆様に心からお見舞いを申し上げます。

 本県におきましては、国などとも連携し、被災地からの要請に応じた対応を行うよう準備を整えているところです。また、今回の地震を教訓に、県内の学校施設における安全対策の状況を改めて点検するなどの対応を行っております。

 引き続き危機感を持って、南海トラフ地震対策などに万全を期してまいります。

 

1 県政運営と国の動向など

 平成30年度は、第3期の産業振興計画や日本一の健康長寿県構想などの取り組みの折り返しの年となり、この第3期計画などで定めた目標の達成の成否に関わる大変重要な年となります。
 さらには、これまでの取り組みにより見え始めた明るい兆しを一過性のものに終わらせるのか、それとも、先々においてもこの歩みを確固たるものとすることができるのか、まさに正念場となる年であります。
 県勢浮揚の実現に向けて、これまで以上に成果に徹底的にこだわり、スピード感を持って施策を実行するよう努めてまいります。
 県が先月公表しました人口推計によれば、本県人口は本年5月1日時点で約70万8千人と、71万人を割り込む結果となりました。本県の合計特殊出生率は昭和50年代から2.0を下回る状態が続き、これに戦後ほぼ一貫した人口流出が加わった結果、本県の現在の人口構成は、高齢者の人口が若者の2倍以上多いという状況となっております。このため、当面の間、人口減少が続くこと自体は避けられない情勢であります。
 しかしながら、そうした中においても、少しでも人口減少を食い止めるとともに、できるだけ早い時期に人口構成を若返らせ、将来的には人口増加に転じることができるよう、「高知県まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定いたしました。これまで、総合戦略に定めた4つの施策群、すなわち「地産外商により雇用を創出する」、「若者の県外流出の防止と県外からの移住者の増加を図る」、「特に出生率が高い傾向にある中山間地域の若者の増加を図る」、「若い世代の結婚、妊娠・出産、子育ての希望をかなえる」を全力で推進する中、それぞれの施策群において、課題はあるものの、一定成果も見えてきたところです。
 一つ目の「地産外商により雇用を創出する」については、生産年齢人口が減少を続ける中でも、一人当たり県民所得や労働生産性、現金給与総額といった各種経済指標が全国を大きく上回るペースで伸びるとともに、雇用者の数は雇用保険の被保険者数で見ましてもこの10年間で約1万8千人増加するなどしております。
二つ目の「若者の県外流出の防止と県外からの移住者の増加を図る」については、平成23年度に120組であった本県への移住者数が、平成29年度には816組1,198人まで増加しており、また、三つ目の「特に出生率が高い傾向にある中山間地域の若者の増加を図る」については、集落活動センターが5月末で28市町村47カ所まで広がり、同センターを設置している集落の一部では人口や世帯数が増加するなどの効果も出てきております。
 そして、四つ目の「若い世代の結婚、妊娠・出産、子育ての希望をかなえる」については、本県は先般公表された昨年の出生数が全国の都道府県で唯一前年より増加した県となり、その結果、合計特殊出生率は前年の1.47から1.56と、平成8年以来21年ぶりとなる水準にまで回復しました。
 このように、将来的な人口の若返りと人口増へ向けた明るい兆しが見え始めた一方で、本県人口の社会減は、以前の景気回復期と比べれば半分程度まで改善したとはいえ、いまだ約1,600人となっております。また、一人当たりの県民所得は全国を上回る伸びを示しているものの、絶対水準では全国の8割強にとどまっていることや、完全雇用状態を背景とする人手不足が深刻化していることなど、乗り越えるべき課題がまだまだ多くあります。
 引き続き、4つの施策群を担う産業振興計画、日本一の健康長寿県構想、中山間対策などの主要政策に全力で取り組み、力強い好循環を生み出していくことにより、人口減少の負のスパイラルの克服を目指してまいります。
 こうした中、今月15日、我が国の経済財政運営の指針となる、いわゆる「骨太の方針」や、地方創生の基本方針となる「まち・ひと・しごと創生基本方針」などが閣議決定されました。
 「骨太の方針」においては、少子高齢化が進む中、持続的な成長経路の実現に向けて潜在成長率を引き上げるため、一人ひとりの人材の質を高める「人づくり革命」と、成長戦略の核となる「生産性革命」に最優先で取り組むとともに、働き方改革を推進していくことが盛り込まれております。また、こうした一連の取り組みを進めていくことを通じて、我が国の社会保障制度を全世代型の制度へと大きく転換していくこととしております。
 さらに、「まち・ひと・しごと創生基本方針」においては、地域へのUIJターンにより、6年間で6万人の起業者や就業者を創出するといった「わくわく地方生活実現政策パッケージ」などを策定し、地方創生を大胆に実行することとしております。
 これらの方針は、人口減少の負のスパイラルの克服を目指す本県の取り組みと方向性を一にするものでありますことから、こうした国の動きも活用し、本県における経済の活性化や日本一の健康長寿県づくりなどの取り組みをさらに加速させてまいります。また、国の施策が本県の取り組みのより大きな後押しとなるよう、時機を捉えた積極的な政策提言を行ってまいります。

 

2 6月補正について

 今議会では、経済の活性化をはじめとする基本政策などの着実な推進のため、総額5億1千万円余りの歳入歳出予算の補正並びに総額30億3千万円余りの債務負担行為の追加及び補正を含む一般会計補正予算案を提出しております。
 このうち「経済の活性化」に関しては、来年2月からの自然・体験型観光キャンペーンの展開に向け、自然景観などを生かして経済効果を生み出す新たな取り組みを支援してまいります。さらに、地産外商強化の一環として、名古屋に拠点を設ける取り組みに対して助成を行いますほか、高知市における新たな食肉センターの整備に向け、県とJAグループなどで構成する新組織が実施する地質調査などの取り組みを支援してまいります。
 このほか、「インフラの充実と有効活用」に関しては、まちづくり協議会や専門家、高知市のご意見を踏まえ、都市計画道路はりまや町一宮線のはりまや工区の工事を再開するための経費を計上しております。

 

3 経済の活性化

 続いて、平成30年度の県政運営の現状に関し、まず、経済の活性化についてご説明申し上げます。

(1)第3期産業振興計画の着実な推進
 平成21年度からスタートした産業振興計画は、本年度で10年目を迎えました。この間、各分野で地産外商が大きく進み、生産年齢人口が減少を続ける中においても各分野の産出額などの多くは上昇傾向を示しております。産業振興計画に取り組む前後7年間の県内実質GDPを比較してみましても、平成13年度から平成20年度が7.3パーセントのマイナス成長であるのに対し、平成20年度から平成27年度は4.3パーセントのプラス成長に転じております。
 こうしたことから、本県経済は今や人口減少下においても拡大する経済へと構造を転じつつあるものと捉えており、この流れをより確かなものにしていくことが重要であると考えております。このため、本年度は、完全雇用状況下における持続的な拡大再生産の創出に向け、「成長の「壁」を乗り越える」、「成長に向けた「メインエンジン」をさらに強化する」、「成長を支える取り組みを強化する」という3つの施策群をそれぞれ大幅に強化し、全力で実行しているところです。
 第3期計画で目指す目標を達成するためには、3年目となります本年度の取り組みが特に重要となりますことから、これまで以上にPDCAサイクルを徹底し、事業の着実な実施と、きめ細かな検証による不断の見直しを行ってまいります。

(2)成長の「壁」を乗り越える取り組み
 続いて、各施策群の実行状況について、まず第一に「成長の「壁」を乗り越える」施策群についてご説明申し上げます。
 これまでの地産外商の取り組みを拡大再生産の好循環につなげるためにも、現在の人手不足の深刻化という壁を乗り越えていくことが重要となります。
 このため、設備投資や新技術の導入による省力化に関する支援策を強化するとともに、企業の雇用環境の改善や、県外から人材を確保するための移住促進など、各産業分野の担い手の育成や確保に向けた取り組みを力強く進めているところです。

 (働き方改革推進支援センター)
 人手不足を解消するため、また、必要な人材を確保するためにも、雇用環境の改善を図る、いわゆる働き方改革を進める必要があります。
 このため、本年4月には、国からの委託も活用し、産業振興センター内に「高知県働き方改革推進支援センター」を設置しました。センターにおいては、他県より手厚い7名体制の下、企業の相談にワンストップで対応するとともに、企業訪問や地域における相談会などを積極的に実施しているところです。また、働き方改革の取り組みについては経営と両立する形で進めていくことが重要でありますことから、各産業分野で進めております事業戦略の策定と実行の支援と合わせて、個々の企業の状況に応じたサポートを行ってまいります。

 (移住促進について)
 移住促進の取り組みについては、昨年10月から本格稼働した高知県移住促進・人材確保センターの取り組みを中心として、官民協働、市町村との連携協調の下、様々な施策を強化して取り組んでまいりました。その結果、昨年度の本県への移住者数は前年度比で19パーセント増となる816組1,198人となり、目標の800組を上回ることができました。
 しかしながら、人口の社会増減の均衡に向け、年間移住者数1,000組の達成とその定常化を目指すためには、これまでの取り組みを一段と強化する必要があります。
 このため、移住を希望される方の志を満たす魅力的でやりがいのある仕事を、市町村や関係団体とも連携して、地域地域において数多く掘り起こし、都市部の人材に積極的に提案することができるよう努めているところです。
 さらに、都市部における相談会について、ターゲットに応じて内容などを工夫して集客力を高めるとともに、来月から大阪事務所内にセンターの専任スタッフを新たに配置し、関西圏における相談体制を充実するなど、人材ニーズと都市部の人材とのマッチング機能を強化してまいります。
 あわせて、空き家のさらなる掘り起こしに向け、先月には地域の専門家グループと市町村が連携する仕組みを新たに立ち上げたところです。また、高知市を中心に全市町村が連携して行うこととされている二段階移住の取り組みについても、さらに加速してまいりたいと考えております。
 こうした取り組みと併せて、本県への移住者などの傾向やニーズを詳細に分析し、専門家のご助言もいただきながら、移住戦略のさらなるバージョンアップを図ってまいります。

(3)成長に向けた「メインエンジン」をさらに強化
 第二に「成長に向けた「メインエンジン」をさらに強化する」施策群についてご説明申し上げます。
 本県経済の持続的な発展を成し遂げていくためには、人手不足などのボトルネックの解消だけでは不十分であり、成長の牽引役となるメインエンジンそのものを強化し、地産外商をさらに加速していくことが重要となります。
 このため、継続的に新たな付加価値を生み出していく仕組みを意図的に構築するとともに、生み出された付加価値を生かして、交易の範囲を国内外にさらに拡大していく取り組みを各分野において推進してまいります。

 ア 継続的に新たな付加価値を生み出す仕組みの構築
 (次世代型こうち新施設園芸システム)

 まず、継続的に新たな付加価値を生み出す取り組みのうち、農業分野については、これまで次世代型こうち新施設園芸システムの県内の各産地への普及に努めてきた結果、次世代型ハウスの整備はこの3年間で143棟、32.6ヘクタールにまで拡大し、ナスやピーマンなど主要な7品目における環境制御技術の導入率は35パーセントまで伸びてきております。
 本年度は、生産現場で見えてきた課題を生産者と共に解決するため、4月に「次世代型こうち新施設園芸システム推進協議会」を設立し、関係者間で情報共有を図るとともに、高度な環境制御技術やマネジメント研修の実施などに取り組んでいるところです。
 また、さらなる収量増加や高品質化、省力化などを目指して、環境制御技術にIoTやAI技術を融合させた進化型のシステム、すなわち、Next次世代型こうち新施設園芸システムの開発にも着手したいと考えております。来月には、県と高知大学、高知工科大学、産業団体、金融機関で構成する推進組織を立ち上げ、3つのプロジェクトチームを設置し、さらなる生産性の向上や高付加価値化に関する研究、技術開発などを行っていくこととしております。
 さらに、こうした取り組みにより創出された本県発の新たな技術が、農業関連のみならず様々な分野における新システム、新製品の開発につながり、国内外への外商拡大にまで発展していくことを目指してまいります。

 (A材の需要拡大と販売促進)
 林業分野においては、新たな付加価値を生み出す取り組みとして、これまでのCLT普及の取り組みに加え、建築用製材品を主体とするいわゆるA材の需要拡大と販売促進の取り組みを大幅に強化したところです。本年4月には外商の拠点となるTOSAZAIセンターを設置したところであり、これまでに各地で展示会を開催するとともに、県産材を活用していただける新たな工務店の掘り起こしを行うなど、積極的に販路開拓に取り組んでおります。
 今後、販路開拓と併せて商品ラインナップの充実を図ることとしており、A材の高付加価値化に向けた内装材などの開発につきましても、関係者と協議を進めております。あわせて、品質の高い乾燥材の生産拡大などを図るため、新たな仕組みづくりを進めることとしています。

 (課題解決型の産業創出の推進)
 また、各産業分野を横断する取り組みとして、IoT技術の導入などにより第一次産業の生産性向上などを図る「課題解決型の産業創出」に取り組んでおります。高知県IoT推進ラボ研究会などの取り組みを通じて、養殖現場の作業効率化や木材の伐採現場における作業員の安否確認など39件のニーズを抽出し、うち22件は製品開発や実証実験の段階まで進んでいるところです。
 今月12日には、東京大学大学院情報学環との間で、IoTに係る技術交流などに関する連携協定を全国の自治体として初めて締結いたしました。この協定に基づき、IoT技術を通じた産業振興や地域の課題解決に資する研究などが、本県を実証実験のフィールドとして実施されることになります。世界最先端の知恵と連携し、研究の成果と、第一次産業の生産性向上をはじめとするニーズとのマッチングを進めることにより、課題解決型の産業創出を加速してまいりたいと考えております。

 (IT・コンテンツアカデミー)
 本県経済の新たな強みをつくり出す取り組みである、IT・コンテンツ産業の振興に関しては、これまで企業誘致や人材育成などの取り組みを進めてきた結果、立地企業数が16社となり、新規雇用者数も200人を超えるなどの成果が表れてきております。
 こうした流れをより力強いものとするため、人材育成の取り組みを抜本的に充実強化することとし、本年度からIT・コンテンツアカデミーを開設しているところです。
 4月中旬から7月末までの15週連続で開催する公開講座やアプリ開発人材育成講座などには、定員を上回る申し込みがあり、これまでに約600人の方々にご参加いただくなど、好調な滑り出しができたと感じております。
 引き続き、人材育成の充実強化を図り、関連企業とのマッチングを進めてまいりたいと考えております。あわせて、こうした本県の取り組みについて、首都圏などの企業に対して積極的に情報発信を行い、本県への企業立地をさらに促進してまいります。

 (防災関連産業の振興)
 次に、過去多くの自然災害に見舞われてきた本県だからこそ生まれてきた防災関連産業については、昨年度の登録製品の売上げが約60億円となり、前年度比で28パーセント、約13億円増加するなど、本県の新たな産業群として着実に成長してきております。
 本年度は、これまでの取り組みに加え、国内における防災関連製品の市場規模や見通しを把握するための調査を行い、本県の防災関連産業の振興を一層加速するための新たな戦略を策定してまいります。

 イ 交易の範囲のさらなる拡大
 (地産外商公社)

 次に、交易の範囲の拡大に関して、まず、国内における外商については、平成27年度から地産外商公社の活動範囲を関東から中部、関西、中四国、九州にまで広げるとともに、県内事業者の皆様の営業活動をサポートする体制をさらに充実させてまいりました。また、公社では、外食チェーンなど業務筋への積極的なアプローチや、独立した小売業者が参画するボランタリーチェーンとの関係強化など、これまで培ってきた経験やノウハウを生かした効果的な外商活動を展開しております。
 その結果、公社の活動を契機とした昨年度の成約金額は、前年度の約1.2倍となる35億4千百万円と大きく伸びてきたところであります。
 この流れをさらに加速していくため、首都圏、関西に次ぐ商圏規模を有する中部地区において外商機能を強化することとし、本年4月から新たに公社の担当職員1名を名古屋に配置いたしました。加えて、9月に名古屋市内に開業する大型商業施設内に本県の中部地区における地産外商の拠点を設けたいと考えており、この拠点機能を担う地域商社の店舗の開設を支援するための補正予算案を今議会に提出しております。
 こうした取り組みを通じて、中部地区における外商成果のさらなる上積みを図るとともに、併せて、県内の各地域商社の主体的な活動を今後とも支援することにより、民間主導型の地産外商の拡大に向けて取り組んでまいります。

 (輸出振興)
 また、輸出の振興に関しては、これまでの取り組みにより、平成28年のユズ、土佐酒、水産物を中心とした食料品の輸出額が約7億2千万円となり、平成21年の約14倍にまで伸びてまいりました。
 本年度は、シンガポールやアメリカなどの有望市場において、これまで培ってきた商社などとのネットワークを強化し、さらなる販路拡大や新たな品目の掘り起こしに取り組んでいるところです。
 今後、こうした有望市場での取り組みを加速するとともに、インドネシアをはじめとする新たな市場の開拓を進めてまいります。あわせて、現地の商社や飲食店などとも連携して海外展開の拠点となる機能をさらに強化するなど、輸出の拡大に向けて力強く取り組んでまいります。

 (ものづくり地産地消・外商センター)
 さらに、ものづくりの分野につきましては、ものづくり地産地消・外商センター東京営業本部を中心として県内事業者の営業サポートを行った結果、昨年度の成約金額は約58億円となり、前年度比で14パーセント、約7億円増加いたしました。
 引き続き、首都圏などで開催される見本市への出展や商談会の開催などを通じて外商の拡大に取り組んでまいります。
 あわせて、防災関連産業については、県内事業者からの提案によって市場のニーズを創り出す、いわゆる「価値提案型」の商品開発や営業活動を強化していくことにより、外商の拡大を図ってまいります。

(4)成長を支える取り組み
 第三に「成長を支える取り組みをさらに強化する」施策群についてご説明申し上げます。
 第三の施策群においては、本県産業の持続的な成長を支えるため、起業や新事業展開の促進、多様な仕事を地域地域に創出させる地域産業クラスターの形成、さらには各事業体の事業戦略づくりの支援などに取り組んでいるところです。

 (起業や新事業展開の促進)
 地域の持続的な発展をもたらすためには、継続的に新たな挑戦が行われる環境をつくることが重要であることから、起業や新事業展開の促進に向けて、起業コンシェルジュによる相談や起業支援プログラムの実施などに取り組んでおります。
 これまでの取り組みにより、起業コンシェルジュによる個別相談は延べ200件を超えるとともに、体系的な起業支援プログラムであるこうちスタートアップパークに延べ300人を超える方々にご参加いただくなど、起業に対する関心は着実に高まってきております。
 本年度は、事業化のノウハウを学びながら、作り上げた試作品を実際の商品やサービスへと磨き上げていくことができるよう、支援プログラムをステップアップ型へと強化したところです。
 こうした取り組みに加えて、資金面での起業支援策を強化するとともに、起業に関心がある都市圏在住者を対象としたセミナーを開催することなどにより、本県での起業をさらに促進してまいります。

 (地域産業クラスターの形成)
 多様な仕事を地域地域に創出させる地域産業クラスターについては、本年3月に南国市で新たに立ち上がったニラプロジェクトを加えた20のプロジェクトを展開しているところです。
 例えば、仁淀川町の県内野菜を活用したカット野菜事業クラスターにおいては、核となる企業の新工場が本年3月に完成し、生産と販売のさらなる拡大が見込まれるほか、新たな野菜加工品の開発も進められております。
 また、宿毛・大月養殖ビジネス高度化プロジェクトにおいては、中核施設となる県内最大級の水産加工施設の建設工事が始まりました。来年7月の稼働に向け、施設整備はもとより、HACCP認証の取得支援などソフト面での支援もしっかりと行ってまいります。
 引き続き、20のプロジェクトの取り組みを加速させるとともに、新たなクラスタープロジェクトの掘り起こしにも努めてまいります。

 (事業戦略の策定と実行の支援)
 それぞれの事業体における事業戦略は、人材育成や新技術の導入促進、国内外の外商の拡大など、様々な取り組みの土台となる重要なものであります。
 このため、第3期計画から事業戦略の策定と実行の支援に取り組んでおり、本年度はこうした取り組みを全ての産業分野に広げ、各地域において展開しているところです。
 まず、ものづくりの分野については、産業振興センターの一貫した支援により、117社が事業戦略の策定に着手し、うち93社が策定を終え、さらに21社が着手を予定しております。先月開催した事業戦略普及啓発セミナーには94社、約240人の方々にご参加いただくなど、県内事業者の皆様の事業戦略に対する関心が広がってきていると感じております。
 また、商店街など地域の事業者が作成する経営計画については、地域の商工会や商工会議所などの支援により、昨年度487社が策定いたしました。本年度からは各地域の取り組みをサポートする経営支援コーディネーターやスーパーバイザーを高知県商工会連合会に配置するとともに、金融機関などとも連携し、計画の策定と実行の支援をさらに強化してまいります。
 第一次産業分野のうち、農業分野については、中山間農業複合経営拠点の事業戦略づくりの支援に取り組んでおり、昨年度は10地区の拠点において策定を終え、本年度は新たに取り組む4地区を含む10地区において事業戦略の策定を支援することとしております。また、今月には「アグリ事業戦略サポートセンター」を立ち上げたところであり、専門家と関係機関が一体となって、事業戦略の策定から実行までを一元的にサポートしてまいります。
 林業分野については、昨年度に事業戦略を策定した2事業体に対して、その実践に向けたフォローアップを行うとともに、新たに事業戦略の策定に取り組む3事業体を支援することとしております。
 また、本年度から新たに食品分野と水産分野において事業戦略の策定と実行の支援に取り組んでおります。このうち食品分野については、今月、産学官の食品関係者が参画する食のプラットホームにおいて事業戦略セミナーを開催するなど、具体的な取り組みをスタートさせており、今後は、専門家や関係機関などによるサポートや、スキルアップのための実践講座の開催などを通じて、事業戦略の策定と実行を支援してまいります。水産分野については、漁業経営体の事業戦略の策定に向けて、関係者との協議を進めているところです。
 引き続き、事業体の持続的な成長を支えるため、働き方改革の取り組みとも連携し、事業戦略の策定と実行を全力で支援してまいります。

(5)観光振興の取り組み
 次に、観光振興の取り組みについてご説明申し上げます。

 (「志国高知 幕末維新博」第二幕)
 去る4月21日に、「志国高知 幕末維新博」第二幕が開幕するとともに、メイン会場であります坂本龍馬記念館がグランドオープンいたしました。
 開幕直後に迎えたゴールデンウィーク期間中の幕末維新博会場への来場者数は、トータルで対前年比20パーセント増となるなど、順調に第二幕のスタートを切ることができたものと受け止めております。これから夏の観光シーズンを迎えるにあたり、引き続き、明治維新150年を捉えた積極的なプロモーション活動を進めてまいります。
 幕末維新博第二幕の開催期間中を通じて、歴史観光の基盤づくりと観光クラスターの磨き上げにしっかりと取り組み、先々に至るまでの高知県観光の財産として根付かせていけるよう努めてまいりたいと考えております。

 (ポスト幕末維新博)
 また、来年2月以降は、これまで取り組んできました歴史や食を生かした観光を引き続き推進しながら、本県のもう一つの強みである自然をより前面に出した自然・体験型観光キャンペーンを展開してまいります。
 このキャンペーンを通じて、本県の誇る自然景観のビュースポット、体験型や滞在型の観光施設などの整備を行うとともに、豊かな自然をフィールドとするアクティビティに加えて、自然景観のガイドツアー、地域の生活や文化に触れる体験など、子どもから高齢者まで幅広い層の方に楽しんでいただける体験プログラムを磨き上げ、売り出してまいりたいと考えております。
 これらの観光資源は、とりわけ中山間地域に豊富に存在しており、このキャンペーンの推進は、中山間地域の振興や活性化に直結するものであります。
 自然・体験型観光に専門性を有する民間企業などの知見やノウハウを積極的に活用しながら、ポテンシャルのある資源を発掘し、磨き上げ、さらには新たな経済効果を生み出す仕組みを作るといった一連の取り組みを、地域地域において加速してまいりたいと考えており、今議会に関連する補正予算案を提出しているところです。
 8月には有識者や観光事業者などで構成する準備委員会を立ち上げ、キャンペーンに関する具体的な検討を行ってまいりたいと考えております。
 引き続き、市町村や観光事業者の皆様としっかりと連携しながら、本県の強みである自然を生かした新たな観光資源を県内各地域に創出させるよう努めてまいります。

(6)その他(新食肉センターの整備)
 新たな食肉センターの整備については、本年2月に、県やJAグループなどをメンバーとするワーキンググループを立ち上げ、新センターの運営を担う新会社の設立や施設整備に向けて議論を重ねてまいりました。
 新会社の運営収支について、事業者や専門家の意見も踏まえながら試算を行ったところ、セリや部分肉加工、卸売までを一体で行うなど、バリューチェーン全体の利益を取り込むことにより、初年度から概ね黒字運営が可能となる見通しが立ったところです。
 これを受け、新センターの整備に向けた具体的な議論を本格化させるため、新会社の運営に関わる県やJAグループなどにより、新会社設立に向けた準備業務の実施主体となる協議会を立ち上げることといたしました。
 協議会では、まずは具体的な事業計画について関係者間で合意形成を図り、その詳細な内容を運営シミュレーションに反映することと併せて、施設整備の基礎となる地質調査を実施することとしており、その成果を早期に基本設計の着手や新会社の設立につなげていきたいと考えております。
 こうした今後の新食肉センターの整備の進め方について、今月20日に開催されたワーキンググループの会合において合意が得られましたことから、今議会に関連する補正予算案を提出させていただいております。
 県としましても、引き続き、協議会のメンバーとして新センターの整備に積極的に関わり、4年後の操業開始に向け、JAグループや市町村などと連携して取り組んでまいります。

 

4 日本一の健康長寿県づくり

 次に、日本一の健康長寿県づくりの取り組みについてご説明申し上げます。

(1)壮年期の死亡率の改善
 まず、一つ目の柱であります「壮年期の死亡率の改善」を図る取り組みのうち、高知家健康パスポート事業については、本年4月から新たに健康パスポートⅢの交付を開始いたしました。このパスポートⅢを取得するためには、健康に関する学習や運動を継続して行うことが必要でありますが、既に先月末時点で1,100人を超える方々が取得されるなどしており、県民の皆様の健康意識の高まりを感じているところです。
 本年9月には日々の健康活動をポイントに換算できるスマートフォン向けアプリを配信することとしております。引き続き、県民の皆様が楽しみながら継続して健康づくりに取り組んでいただけますよう、健康パスポートのさらなる普及に努めてまいります。

(2)地域地域で安心して住み続けられる県づくり
 (高知版地域包括ケアシステム)

 二つ目の柱であります「地域地域で安心して住み続けられる県づくり」の実現に向けては、医療、介護、福祉などのサービスを切れ目のないネットワークでつなぐ高知版地域包括ケアシステムの構築に取り組んでおります。
 具体的には、高知型福祉の拠点となるあったかふれあいセンターの整備や、訪問看護体制の拡充など、これまで注力してきた各々のサービス資源の充実強化に取り組むとともに、これらのサービス間の連携を強固なものとし、全体としてネットワーク化していくことを目指しております。
 このため、市町村や地域の関係者が連携する「地域包括ケア推進協議体」を今後3年間で県内14ブロックに設置し、支援が必要な高齢者を把握するための仕組みづくりや、不足するサービスの確保策の検討などを行うこととしたいと考えております。この4月には県内5カ所に配置した地域包括ケア推進監が中心となって関係者との協議を始めたところです。
 さらに、各サービスの接続部を担うゲートキーパーの機能が重要であることから、かかりつけ医となる総合診療専門医の養成や、地域包括支援センターの機能強化などを進めております。
 こうした取り組みにより、支援が必要な高齢者の皆様を、それぞれのQOLを高めるために最もふさわしいサービスにつなぐことのできる体制の整備に努めてまいります。

 (総合診療専門医の養成)
 総合診療専門医の養成については、本年4月から「高知家総合診療専門研修プログラム」を開始し、5人の若手医師にご参加いただいております。
 この研修プログラムでは、総合診療専門医を目指す若手医師が県内の三次医療を担う病院や中山間地域の診療所などにおいて3年間研修を行うこととしております。4月に開催した研修プログラムの開講式には、県内各地の医療関係者や医学生など約90人の方々にご参加いただいたところであり、関係者の関心の高さを感じました。
 引き続き、総合診療専門医を目指す医師を確保できるよう、研修環境の充実や医学生などへのPRに努めてまいります。

(3)厳しい環境にある子どもたちへの支援
 三つ目の柱であります「厳しい環境にある子どもたちへの支援」については、子どもたちの発達や成長の段階に応じた取り組みを進めているところです。
 中でも、妊娠期から子育て期までについては、市町村の子育て世代包括支援センターを起点として、地域子育て支援センター、保育所や幼稚園などの関係機関、さらには民生委員や児童委員の方々などがしっかりとネットワークでつながり、養育不安などを抱える家庭への支援や、子どもの見守りなどの支援を切れ目なく行う「高知版ネウボラ」の取り組みを進めていくこととしております。
 本年度は、重点支援の対象となる高知市といの町において、支援施策の現状分析や課題抽出を具体的に進めており、今月にはネウボラ推進会議を開催して関係機関と効果的な連携方法や支援のあり方などについて協議することとしております。
 今後、こうした支援システムが県内各地域に広がるよう、市町村と一体となって取り組んでまいります。

(4)少子化対策の抜本強化
 四つ目の柱であります「少子化対策の抜本強化」については、先ほど申し上げましたとおり、昨年の合計特殊出生率が1.56となるなど、これまでの一連の施策の効果が一定表れつつあります。この基調をさらに力強いものとするため、「高知県まち・ひと・しごと創生総合戦略」に掲げた目標である平成31年の合計特殊出生率1.61の達成に向けて、引き続き、ライフステージの各段階に応じた対策をしっかりと進めてまいります。
 来月20日には、働きながら子育てしやすい環境づくりに向けたフォーラムを開催し、「高知家の出会い・結婚・子育て応援団」の皆様に「育児休暇・育児休業の取得促進宣言」を行っていただくこととしております。これまでに100を超える企業や団体の皆様にご賛同いただいており、仕事と子育ての両立を応援する機運の醸成を図ってまいりたいと考えております。

(5)医療や介護などのサービス提供を担う人材の安定確保と産業化
 五つ目の柱であります「医療や介護などのサービス提供を担う人材の安定確保と産業化」については、本年度から介護事業所認証評価制度を本格導入いたしました。この制度は職員の人材育成や処遇改善、労働環境などについて、県が定める基準を満たした事業所を認証するものであり、今月には、初めて8法人61事業所を認証したところです。
 今後、テーマ別セミナーの開催や個別コンサルティングの実施などを通じて、より多くの事業所の認証取得を促すことにより、働きやすい職場環境の整備を進め、安定的に介護人材が確保されるよう取り組んでまいります。

 

5 教育の充実

次に、教育の充実に関する取り組みについてご説明申し上げます。

(1)チーム学校の構築
 ア 小中学校における授業改善のさらなる充実

 まず、チーム学校の構築については、中学校において、複数の教員が学年をまたがり同じ教科を担当する「教科のタテ持ち」の実践校をこれまでの19校から本年度は実施可能な31校全てに拡大したところであり、教科会の定期的な開催などを通じて指導方法の工夫や改善を図っております。また、小規模校においても教科の枠を越えたチームで授業改善を進めるなど、全ての中学校において教員同士が学び合う仕組みが構築されるよう徹底しているところです。
 加えて、本年度、高知市に新設された学力向上推進室においては、県から派遣した7名の指導主事や市のスーパーバイザーなどからなるチームを編成し、先月末までに、延べ245回の学校訪問を行うなど、徹底した授業改善に取り組んでおります。あわせて、県市の運営会議を毎月開催し、各校の取り組みの状況を確認しているところです。

 イ 高等学校における学校支援チームの取り組み
 高等学校に関しては、全ての生徒の基礎学力の定着や向上に向け、本年度から「学校支援チーム」を設置し、教員の指導力向上や授業改善などに向けた取り組みを強化しているところです。
 先月からは、アドバイザーや指導主事が支援対象である30校全てを訪問し、各教科の授業参観や研究協議を通じて、授業改善に向けた指導などを行っております。あわせて、管理職に対しても、学校経営計画の進捗管理やカリキュラム・マネジメントの強化のための助言を行うなど、学力向上に向けた組織的な体制づくりを支援しているところです。

(2)厳しい環境にある子どもたちへの支援
 次に、「厳しい環境にある子どもたちへの支援」については、不登校やいじめに対し、より早い段階からより効果的に学校が対応できるよう、チーム学校による取り組みの徹底を図っております。
 具体的には、各学校において、出席状況や友人関係の変化などの兆しが見られる児童生徒を早期に把握し、校内支援会でしっかりと情報を共有して適切な支援につなげる一連の取り組みを徹底してまいります。また、特に厳しい状況にある児童生徒に対しては、個別支援シートを活用するなどして、切れ目のない支援が行われるよう努めてまいります。
 こうしたことについて、4月には、全市町村の教育長や全ての学校長に対し周知徹底を図るとともに、先月には、全校の生徒指導担当教員を集めた研修会において、校内支援会の充実に向けた研究協議を行ったところです。
 加えて、心の教育センターのスクールカウンセラーや指導主事による助言指導を充実させるなど、校内支援体制の一層の強化を図ってまいります。

(3)県立高等学校再編振興計画
 次に、「県立高等学校再編振興計画」の後期実施計画については、先月末に各校のあり方の方向性を示す中間取りまとめが行われました。これを受け、現在、各校においてそれぞれの特色を生かした振興策の検討を進めているところです。
 高等学校は、地域における子どもたちの教育の重要な拠点であるとともに、住民の皆様の生活にも関わる大切な施設であります。特に中山間地域においては、地域唯一の存在としてその存在意義はより大きなものがあり、さらには、中山間振興の核ともなり得ることから、少子化の中にあっても可能な限りその機能の維持、拡充を図ることが重要だと考えております。このため、各校の教育力の向上とともに、地域の振興にもつながるよう、それぞれの特色と地域資源を組み合わせた各校の振興策を、地域産業振興監も加わり検討しているところです。
 また、ICTを活用した遠隔教育システムなどによる学習指導体制を確保することにより、地元の高校において、本人の希望に沿った進路の選択や学び直しができる環境を整備するなど、地域における教育の充実を図ってまいりたいと考えております。
 今後、学校関係者をはじめ広く県民の皆様からのご意見もいただきながら、本年中に後期実施計画の取りまとめを行ってまいります。

(4)新図書館等複合施設オーテピアの開館
 県と高知市が共同で整備を行ってまいりました新図書館等複合施設「オーテピア」がいよいよ来月24日に開館いたします。
 オーテピアに関しては、高知市の中心市街地に位置する立地条件を生かして、人々が集う交流の場や情報発信の拠点とするとともに、本県の教育や文化の発展、経済の活性化を支える施設にしてまいりたいと考えております。
 具体的には、全国初の県と市の合築による「オーテピア図書館」におきましては、中四国最大規模の約205万冊の収蔵能力を有する「知」の拠点として、文芸書から各種専門書、雑誌に至るまで幅広い資料や情報を取りそろえ、県民の皆様の「知りたい、学びたい」という思いにしっかりとお応えしてまいります。また、専任の司書が相談内容に応じてきめ細かく対応するほか、図書館の情報発信力や集客力を生かして、専門機関と連携して企画展示や相談会を行うなど、暮らしや仕事の中で生じる様々な課題の解決を支援してまいります。あわせて、市町村立図書館などへの支援機能を充実強化し、県内全ての地域の読書環境や情報環境の向上を図ってまいりたいと考えております。
 また、「高知みらい科学館」におきましては、宇宙や天文に関わる幅広いトピックスを紹介するプラネタリウムや、様々な科学体験が可能な展示ゾーンなどを通じて、本県の次代を担う子どもたちの理科や科学への興味、関心を高める取り組みを積極的に行ってまいります。県としましても、県内全域の理科教育や科学文化のさらなる振興につながるよう、設置者である高知市とも連携してその企画運営に携わってまいります。
 さらに、「高知声と点字の図書館」におきましては、読書や情報へのアクセスに障害のある方々への情報提供の役割をしっかりと担うとともに、県の拠点として県内全域に積極的にサービスを展開してまいります。

 

6 南海トラフ地震対策

 次に南海トラフ地震対策について、ご説明申し上げます。

(1)第3期行動計画の総括について
 本年度は、第3期南海トラフ地震対策行動計画の最終年度でありますことから、掲げてきた目標の達成に向けて、「命を守る」、「命をつなぐ」対策について、より積極的に取り組みを進めてまいりますとともに、「生活を立ち上げる」対策についても、順次具体化を図ってまいります。
 あわせて、浦戸湾の地震津波対策である三重防護や「命の道」となる四国8の字ネットワークなど、南海トラフ地震対策にも資するインフラ整備を進めてまいります。
 また、来年度から始まる第4期行動計画の策定にあたっては、本年度中に第3期行動計画の取り組みを総括し、明らかになった課題とその対策を反映させるとともに、各取り組みを再度定量的に分析して、目標値の再設定を行いたいと考えております。加えて、対策の時間軸をこれまで以上に長く捉え、復旧復興期を含め必要となる取り組みを検討するなど、さらなるバージョンアップを図ってまいります。

(2)前方展開型の医療救護活動
 こうした取り組みを進める中、「命をつなぐ」対策の一環として、災害時における医療救護体制の抜本強化を図ることが大きな課題となっております。
 南海トラフ地震発災時には、全国で最大62万3千人もの負傷者が発生する一方で、医療施設の被災や、電気や水道などのライフラインの寸断などにより、被災地内での医療機能が著しく低下することが予想されるところです。このような極めて厳しい状況に対応するためには、より負傷者に近い場所で医療救護活動を展開する機能や、被災地外からの支援機能など、災害時の医療救護体制を抜本的に強化する必要があります。
 このため、本県では前方展開型の医療救護活動の強化に積極的に取り組んできたところです。その結果、本年度中に県内全ての地域において、地域の被害想定などを踏まえた医療救護の行動計画の策定を終える見込みとなるなど、県内での発災時に備えた総力戦の体制づくりは着実に進展しております。
 他方、被災地の医療資源には限りがあることから、発災時には被災地外からの支援が不可欠となります。しかしながら、南海トラフ地震の発災時に派遣が可能なDMATの数は現在のところ全国で約570チームにとどまっており、試算によるとさらに2,200を超えるチームの養成が必要と見込まれる状況にあります。
 このため、今月開催された国土強靱化推進本部において、国家的課題として、早急にDMATの規模を拡大し、被災地外から早期かつ大量、継続的に投入できる態勢を構築する必要があることを、安倍総理をはじめ出席者の皆様に強く訴えさせていただいたところです。
 国を挙げて災害時の医療救護体制が抜本強化されることとなるよう、全国知事会などとも連携して、引き続き強く訴えてまいります。

(3)南海トラフ地震に関する新たな防災対応について
 国においては、昨年11月から、南海トラフ沿いで異常な現象が観測され、大規模な地震との関連について調査を開始した場合や、地震発生の可能性が相対的に高まっていると評価した場合には、これらを臨時的に「南海トラフ地震に関連する情報」として発表することとしております。
 これらの臨時情報は、南海トラフの東側で大規模な地震が発生し、西側が連動しなかった場合や、想定される大規模地震と比べて一回り小さいマグニチュード7クラスの地震が南海トラフ沿いで発生した場合などに発出されるものであります。
 県としましては、たとえ空振りの可能性があるとしても、一人でも多くの県民の皆様の命を守るために、国から臨時情報が発表された場合には、同情報を活用して具体的な行動を起こすことが必要だと考えております。
 このため、臨時情報が出た場合における避難の呼びかけや避難者の受け入れなどの対応について、先月、市町村の皆様と意見交換を行ったところです。その際には、市町村間で対応が異なることへの懸念や、避難が長期化した場合における人的、財政的な負担の大きさなどについてご意見をお伺いしました。引き続き市町村の皆様と協議を行い、県としての統一的な対応指針や市町村への支援策について、早期に取りまとめを行ってまいりたいと考えております。
 また、国は、南海トラフ沿いの異常な現象への防災対応を検討するためのワーキンググループを本年4月に設置し、本県などをモデル地区として人命の安全を確保するための対応などについて検討を行い、国としてのガイドラインを策定することとしております。
 このワーキンググループには、私自身も委員として参加しておりますことから、臨時情報を活用して国民の生命を守るといった視点が今後の検討に反映されますよう、本県の実情も踏まえてしっかりと訴えてまいります。

 

7 スポーツの振興

 次に、スポーツの振興についてご説明申し上げます。
 本年3月に第2期高知県スポーツ推進計画を策定し、計画に掲げた「スポーツ参加の拡大」など3つの柱からなる施策について、順次取り組みを進めているところです。
 一つ目の柱であります「スポーツ参加の拡大」については、持続可能な地域スポーツ活動を推進するため、総合型地域スポーツクラブなどを核とする地域スポーツハブの構築を進めております。まずは、4市町において、地域のスポーツクラブが中心となり、行政や地域のスポーツ関係団体によるネットワークづくりや意見交換を行っているところです。
 二つ目の柱であります「競技力の向上」については、競技ごとに、小学生から一般までの県内の有望選手を集めた常設の全高知チームを立ち上げ、戦略的に育成、強化を図ることとしております。本年2月に立ち上げたソフトボールとレスリングに続いて、4月には剣道やカヌー、サッカーなどを新たに加え、現在、8競技団体が全高知チームを立ち上げ、全国トップレベルの指導者を招いた合同練習や県内指導者を対象とする実践研修などの活動を行っております。今後は、県体育協会と共にPDCAサイクルによる進捗管理を徹底し、全高知チームの活動を全力で支援してまいります。
 三つ目の柱であります「スポーツを通じた活力ある県づくり」については、プロやアマチュアスポーツの合宿誘致などのほか、自然環境を生かしたスポーツツーリズムに取り組んでおり、今月3日には仁淀川流域6市町村を自転車で走る「GREAT EARTH 高知仁淀ブルーライド」が新たに開催されたところです。引き続き、来年2月からの自然・体験型観光キャンペーンと連動させ、スポーツを通じた経済や地域の活性化に取り組んでまいります。
 2020年オリンピック・パラリンピック東京大会などを契機としたスポーツの振興については、本年4月にチェコ共和国、シンガポールと事前合宿の実施に向けた覚書を締結しました。また、先月にはラグビーワールドカップ2019に出場するトンガ代表チームから、本県で事前キャンプを行うとの決定通知書をいただいたところです。
 本県で事前キャンプを行う選手をサポートしていくことと併せて、県民のスポーツ参加や競技力の向上にもつなげるとともに、大会終了後も各国との交流が継続していくよう、様々な取り組みを進めてまいります。

 

8 その他

(1)太平洋島嶼国・日本地方自治体ネットワーク
 太平洋島嶼国は、歴史的に親日的な国家群であると同時に、エネルギーなどの重要な資源の海上輸送路でもあることから、国際社会における日本の重要なパートナーとなっております。
 また、地方においてもそれぞれの国や地域と交流を進めており、本県においては日本人で初めてミクロネシアに定住した本県出身の森小弁氏をご縁として、これまで同国との友好関係を築いてきたところです。
 こうした中、日本各地と島嶼国との絆をより強固なものとし、実のある交流を拡大していくため、本県からの呼びかけが契機となり、先月、日本の14自治体と島嶼国の16の国や地域との間で「太平洋島嶼国・日本地方自治体ネットワーク」が、各国首脳らによる「太平洋・島サミット」の開催に合わせて設立されました。
 今後は、それぞれの地域の特色を生かして、幅広い分野で島嶼国との交流を進め、自治体ネットワーク全体として国際交流をさらに推進してまいりたいと考えております。

(2)ルネサス高知工場
 ルネサスエレクトロニクス株式会社の子会社であるルネサスセミコンダクタマニュファクチュアリング株式会社の高知工場に関しては、平成27年12月に高知工場の閉鎖を伴う集約方針が発表されて以来、従業員の皆様の雇用の維持を第一に、ルネサス社や香南市とも協力し、承継企業の確保に最大限努めてまいりました。
 しかしながら、結果として承継先の確保には至らず、先月末をもって高知工場が閉鎖されたことは誠に残念でなりません。
 今後、まず優先してなすべきことは、従業員の皆様の雇用を確保することであります。高知工場においては、協力会社2社を含め約330人の方々が働いておられましたが、今回の閉鎖に伴い約160人の方々は県外の工場へ配置転換となり、県内での再就職を希望する約130人のうち約90人の方々は、まだ再就職先が決まっておりません。
 このため、今月1日には、高知労働局、県、香南市などの関係機関による「ルネサス高知工場雇用対策連絡会議」を開催し、関係機関が一体となって再就職を支援していくことを改めて確認いたしました。現在、ハローワークや移住促進・人材確保センター、ジョブカフェこうちなどが連携して、企業とのマッチングなど従業員の皆様の再就職支援を全力で行っているところであり、しっかりと雇用を確保できるよう努力してまいります。
 あわせて、今回の閉鎖が地元経済に与える影響を少しでも緩和するため、また、やむを得ず県外へ配置転換になられた方々が希望に応じて再び高知で働くことができる選択肢を広げるため、早期に承継企業を確保することが引き続き重要であると考えております。
 県においては、これまで360社を超える企業にアプローチするとともに、48社を直接訪問し、8社による工場見学に結び付けてまいりました。また、ルネサス社も国内外の約200社に接触し、県からの紹介を含む30社以上と具体的な交渉を重ねてこられたと伺っております。
 残念ながら現段階において、承継企業の決定には至っておりませんが、先月末に県庁を訪れたルネサス社の幹部からは、今後も譲渡、承継先の企業の確保を目指していくことを明記した社長名の文書が提出されるとともに、強い決意を伺ったところです。
 県としましても、引き続きルネサス社と連携しつつ、専門家のアドバイスをいただきながら、対象業種をさらに拡げてアプローチを行うなど、承継企業の早期確保に向けて全力で取り組んでまいります。

(3)都市計画道路はりまや町一宮線はりまや工区
 都市計画道路はりまや町一宮線のはりまや工区につきましては、新堀川の水辺空間が大切であるという声の高まりなど、様々なご意見が寄せられてきたことから、平成23年から工事を中断して、シオマネキの生息調査や交通量調査などを実施し、中断前の期間を含め約10年間にわたりデータを蓄積してまいりました。
 その上で、昨年度には有識者や地域住民の方々などで構成するまちづくり協議会を立ち上げ、5回の会議を開催するとともに、パブリックコメントを2回実施し、整備のあり方について議論を重ねてまいりました。
 そして本年2月には、「希少動植物が生息する自然環境や新堀川界隈に残る史跡などと調和を図り、安全で安心できる道路整備を進めるためには、「新たな道路計画案」が相応しい」との提言を協議会からいただきました。
 また4月には、高知市長から「子どもたちの安全確保のため、「新たな道路計画案」により早期に整備を進めていただきたい」とのご意見をいただいたところです。
 県としましては、こうした協議会からの提言や高知市の意見を踏まえ、協議の過程を今一度確認するとともに、整備計画などについてさらに検討を深めてまいりました。
 その結果、現在の状況、すなわち歩道が狭く通学児童など歩行者の安全が損なわれており、また、交通渋滞が発生して周辺の狭隘な生活道路に通過車両が入り込んでいるという不便で危険な状況を解消することは不可欠であり、さらに周辺では複数棟のマンションが建設されており近々にも歩行者と車の増加が見込まれることを踏まえれば、対応を急ぐ必要があると考え、工事を再開して歩道の拡幅と4車線整備を進めることを決断いたしました。
 他方で、工事を進めるにしても、新堀川の自然環境とその歴史的価値をできる限り保存することは大事なことであると考えたところです。
 新堀川の自然環境については、この約10年間の調査により、既に整備済の区間において、現在もシオマネキなどの希少動植物が生息していることが確認されております。さらに、新堀川を覆っている駐車場を試験的に撤去した区間において、今まで見られなかった希少動植物の生息が確認されたところであり、水面に日が当たることによって希少動植物の生息環境が改善することが明らかになりました。こうしたことを踏まえ、今後は、駐車場の撤去や横堀公園を掘り込むことによって日の当たる面積を現在よりも約20パーセント拡大し、シオマネキなどの希少動植物が今以上に生息するよう水辺環境の改善を図ってまいります。
 歴史的価値のある新堀川の石垣については、極力現在の位置で保存するとともに、工事に伴いやむを得ず一部移設する箇所についても、元の位置を記録に残すなどして、復元できるようにいたします。また、既にコンクリートに改変している区間については昔ながらの石垣に復元するとともに、新堀川沿いの市道を「歴史の道」として整備し、江戸期の風景を再現してまいります。
 このように、工事再開にあたっては、歩行者の安全確保を最優先にするとともに、希少動植物と史跡などに十分に配慮し、全体として調和の取れた道路整備を進めてまいりたいと考えております。
 今後、都市計画道路の整備とともに、新堀川の水辺を生かしたまちづくりについて、高知市と連携して取り組んでまいります。

(4)新たな管理型最終処分場の整備
 産業廃棄物の新たな管理型最終処分場の整備については、本年2月、有識者などで構成される「新たな管理型最終処分場候補地選定委員会」において、須崎市神田、香南市香我美町上分、佐川町加茂の3カ所が最終候補地として選定されました。
 その後、3市町の住民の皆様、首長及び議会の皆様に、候補地が選定された過程や最終処分場の必要性、安全性などについて説明を重ねているところです。あわせて、これまでに、佐川町加茂地区の皆様、須崎市議会及び佐川町議会の議員の皆様を対象としてエコサイクルセンターの見学会を開催し、施設の構造や埋立処分の現状などを直接ご確認いただきました。
 現在、3カ所の候補地の中で科学的に最適な場所はどこかという視点で検討を行うため、地権者のご了解をいただいた範囲において、各候補地の詳細な現地調査を実施しているところです。
 県としましては、まだ説明会にご参加いただけていない地域の方々はもとより、できるだけ多くの皆様に施設の必要性や安全性を知っていただくため、引き続き、丁寧な上にも丁寧に説明を重ねてまいります。

 

9 議案

 続きまして、今回提案いたしました議案についてご説明申し上げます。
 まず予算案は、平成30年度高知県一般会計補正予算などの4件です。
 このうち一般会計補正予算は、先ほど申し上げました経済の活性化などの経費として、5億1千万円余りの歳入歳出予算の補正などを計上しております。
 条例議案は、職員の給与に関する条例の一部を改正する条例議案など4件です。
 その他の議案は、高知県が当事者である訴えの提起に関する議案など10件です。このうち7件は、高須浄化センターの整備工事の施行を日本下水道事業団に委託するための契約について、追認の議決を求めようとするものであります。これらの契約は、予定価格5億円以上の工事の完成を目的とするものであり、本来であれば締結にあたり議会の議決が必要なものでございました。しかしながら、形式が委託契約であったことから、議決の対象外と誤認してしまったところです。
 一連の工事に関しては、予算議案の審議や決算報告を通じて内容を議会にご説明させていただいてはおりましたものの、契約の締結に際して議決が不可欠な契約議案を議会に提出することなく、議決を受けないまま工事を施行しましたことは、あってはならないことであり、深く反省しております。県議会の皆様、県民の皆様に心よりお詫び申し上げますとともに、二度とこうした誤りが起こらないよう再発防止に努めてまいります。
 議決事項以外の報告議案は、平成29年度高知県一般会計補正予算の専決処分報告など3件であります。
 以上をもちまして、議案提出にあたっての私からの説明を終わらせていただきます。
 何とぞご審議の上、適切な議決を賜りますようお願い申し上げます。

高知県 総務部 秘書課

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