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平成30年9月県議会での知事提案説明

公開日 2018年09月20日

平成30年9月県議会での知事提案説明 (9月20日)

 

1 国の動向など

2 補正予算などについて
(1)9月補正予算
(2)今後の財政収支見通し

3 豪雨被害への対応
 (公共施設等の早期復旧)
 (被災者の生活再建)
 (経済被害への対応)
 (豪雨災害対策推進本部の設置)

4 経済の活性化
(1)第3期産業振興計画の着実な推進
(2)成長の「壁」を乗り越える取り組み
 (移住促進について)
 (新規大卒者等の県内就職促進に向けた取り組みの強化)
 (新規就農者の確保策の強化)
 (漁業就業支援センターの立ち上げ)
 (働き方改革の推進)
(3)成長に向けた「メインエンジン」をさらに強化
 (Next次世代型こうち新施設園芸システム)
 (県産材の加工力強化)
 (食品分野の地産の強化)
 (輸出振興)
 (IT・コンテンツアカデミー)
(4)観光振興の取り組み
 (「志国高知 幕末維新博」第二幕開幕後の状況)
 (自然・体験型観光キャンペーン)
 (国際観光の推進)
(5)その他
 (LCC新規就航)
 (新食肉センターの整備)

5 日本一の健康長寿県づくり
(1)「健康立国宣言」
(2)壮年期の死亡率の改善
(3)地域地域で安心して住み続けられる県づくり
 (高知版地域包括ケアシステム)
(4)厳しい環境にある子どもたちへの支援
 (高知版ネウボラ)
(5)少子化対策の抜本強化

6 教育の充実
(1)学力向上に向けた取り組み
 (全国学力・学習状況調査結果及び高知市との連携)
 (高等学校における学力向上対策)
(2)教員の働き方改革
(3)教職員の不祥事防止に向けた取り組み
(4)新図書館等複合施設オーテピアの開館

7 南海トラフ地震対策

8 スポーツの振興

9 その他
(1)障害者雇用の状況について
(2)高知県立大学の蔵書の除却処理
(3)新たな管理型最終処分場の整備
(4)「第38回全国豊かな海づくり大会~高知家大会~」の開催

10 議案

 

 


 

 本日、議員の皆様のご出席をいただき、平成30年9月県議会定例会が開かれますことを厚くお礼申し上げます。
 ただ今提案いたしました議案の説明に先立ちまして、当面する県政の主要な課題についてご説明を申し上げ、議員の皆様並びに県民の皆様のご理解とご協力をお願いしたいと思っております。
 はじめに、このたびの平成30年7月豪雨、台風第21号、北海道胆振東部地震によりお亡くなりになられた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、ご遺族の皆様にお悔やみを申し上げます。また、被災された皆様に対しまして心からお見舞いを申し上げます。
 今回の7月豪雨においては、西日本を中心に広い範囲で記録的な大雨となり、本県でも、総降水量の全国上位10地点に県内6地点が入るとともに、宿毛市をはじめとする6市町村に本県では初めてとなる大雨特別警報が発表されました。
 この豪雨により、複数の地域で浸水被害が生じるとともに、山間部では土砂崩落が相次ぎ、高知自動車道の立川橋が流出したほか、道路の被災により13市町村において50もの地区が孤立いたしました。さらに、農林水産業や観光分野などにおいても経済被害が生じるなど、甚大な被害を受けました。
 こうした被害に対し、まずは被災した道路や河川などの応急対策を早急に実施し、概ね完了したところであります。今後は、県民の皆様に一日も早く日常の生活を取り戻していただけるよう、公共施設などの早期の復旧に向けた対策を迅速に実施いたしますとともに、自宅が全壊や大規模半壊といった被害に遭われた方々の生活再建に向けた支援や、農林水産業や観光分野などにおける経済被害への対応などに全力を挙げて取り組んでまいります。
 これらの対策の実施にあたっては、国の支援策に県単独事業を加えて総合的な対策を講じたいと考えており、予算の増額を要するものにつきましては今議会に必要な補正予算案を提出させていただいております。

 

1 国の動向など
 現在の我が国の経済は、先の豪雨や地震などによる影響が懸念されますものの、設備投資が堅調に推移するとともに、個人消費が持ち直すなど、緩やかな回復基調となっており、今後についても雇用や所得環境の改善が続くことが期待されております。
 こうした中、国においては各省庁による来年度予算の概算要求が先月末に締め切られ、一般会計の要求総額が過去最大の102兆7千億円余りとなったと発表されました。各省庁による要求の中には、南海トラフ海底地震津波観測網の構築や地域少子化対策重点推進交付金の拡充など、本県が訴えてきた政策が多数盛り込まれており、大きな手応えを感じているところです。今後の予算編成過程において、高齢化の進展に伴い増加を続ける社会保障費や、地方における担い手確保対策をはじめとする地方創生の充実、強化といった我が国が直面する課題について、しっかりとした議論が展開されることを期待しております。
 また、本県に関連する事業が確実に予算化され、県の取り組みの追い風となるよう、今後の予算折衝の状況を注視しつつ、引き続き全国知事会などとも連携しながら、必要に応じて政策提言を行ってまいります。

2 補正予算などについて
(1)9月補正予算
 今議会では、先ほど申し上げました7月豪雨による被害への対応のほか、経済の活性化をはじめとする基本政策などを着実に推進するため、総額280億6千万円余りの歳入歳出予算の補正並びに総額36億8千万円余りの債務負担行為の追加及び補正を含む一般会計補正予算案を提出しております。
 このうち「平成30年7月豪雨等による被害への迅速な対応」に関する事項については、国の「生活・生業再建支援パッケージ」を積極的に活用するとともに、県単独事業を加えて総合的な対策を実施してまいります。
 次に「経済の活性化」に関しては、深刻化する人手不足の克服に向けて、学生の県内就職を一層促進するよう取り組むとともに、漁業の担い手のさらなる確保に向けて漁業就業希望者を一元的に支援する体制を構築してまいります。加えて、地産外商をさらに強化するため、産学官の連携によるNext次世代型こうち新施設園芸システムの開発に本格着手してまいりますほか、県産材のさらなる販売拡大を図るため、共同乾燥施設の整備などに向けた調査を行ってまいります。さらには、来年2月からの自然・体験型観光キャンペーンの展開に向け、そのプロモーションなどを本格化してまいります。
 このほか、「日本一の健康長寿県づくり」に関して、地域包括ケアシステムの構築に向け、ICTを活用した地域医療介護情報ネットワークの整備などを進めるとともに、「南海トラフ地震対策の抜本強化・加速化」に関して、喫緊の課題である住宅の耐震化などを一段と加速してまいります。

(2)今後の財政収支見通し
 あわせまして、今議会におきましても例年の9月議会と同様に、今後6年間の中期的な財政収支の見通しについてご説明させていただくこととしております。
 県の財政運営においては、常に中期的な展望の下に財政規律を維持しながら、県民サービスの確保と県財政の健全化を同時に実現することが重要でありますことから、本年度も、昨年度の決算状況や今後の歳入の見込み、想定される大規模事業などを踏まえ、中期的な財政収支を試算いたしました。
 その結果、今後の南海トラフ地震対策や大規模事業などに必要な経費のほか、社会保障関係経費の増加を見込んでもなお、一定の財政調整的基金の残高を確保できる見通しとなっております。また、県債残高は、中期的に見ても、国の経済対策に呼応して発行額が大幅に伸び始めた平成7年度末を下回る水準を維持できる見込みとなっております。
 しかしながら、平成30年7月豪雨被害への対応などにより、臨時財政対策債を除く県債残高は8年ぶりに5千億円を上回る水準まで増加する見込みであり、今後の推移に留意していく必要があります。さらに、本県の財政運営は地方交付税制度など国の動向に大きく左右されるところでもあります。
 このため、これらの動向を注視し、引き続き事務事業のスクラップアンドビルドを徹底するなど、気を緩めることなく安定的な財政運営に努めてまいります。あわせて、一般財源総額の確保などに関し、国に対して積極的に政策提言を行ってまいります。

3 豪雨被害への対応
 次に、先ほど申し上げました豪雨被害への対応についてご説明いたします。
 今回の7月豪雨により県内でも多岐にわたり甚大な被害が発生しており、これらの被害に迅速に対応するため、大きく3つの面から早急に対策を進めてまいります。

 (公共施設等の早期復旧)
 第一の対策は、公共施設などの早期復旧に向けた対応であります。
 まず、河川に関しましては、県内の5つの河川で氾濫危険水位を超えるなど、多くの河川で異常な増水を記録し、特に安芸川では、一時は市街地が濁水に飲み込まれる恐れがある危機的な状況に陥りました。このような状況の中、県からの要請に基づいた地域の事業者の方々の迅速な対応により、市街地の水没という最悪の事態を免れることができました。その他の地域においても、関係者の皆様にご尽力をいただいたところであり、この場をお借りして心から感謝を申し上げます。
 各地域の被災箇所については、現在、復旧工事に着手できるよう設計などの準備を急いでおります。また、豪雨により大量の流木や土砂が河川に流れ込んだことから、次の豪雨に備えて緊急点検を行い、危険度に応じた優先順位を付けて、順次、撤去を行っているところです。
 次に、県が管理する国道や県道では、道路法面や路側の崩壊などにより、国道195号や県道大久保伊尾木線などの51路線85区間が通行止めとなりました。これまで、通行止めの早期解除に向けて、崩壊した土砂の撤去や仮設橋の設置などを全力で進めてきた結果、約9割にあたる46路線74区間の通行止めを解除したところです。引き続き、早期に全ての通行止めを解除できるよう、全力で復旧に取り組んでまいります。
 また、高知自動車道で発生した立川橋の流出については、道路を管理する西日本高速道路株式会社などのご尽力により、下り線を応急的に対面通行とすることによって約1週間で通行が再開されました。
 さらに、今後、関係機関と連携して、高知自動車道の早期の完全復旧に向けて取り組んでまいります。
 次に、土砂災害については、21市町村126カ所において、がけ崩れなどが確認されております。
 このため、県では、全ての土砂災害の被災箇所における二次被害の恐れについて緊急点検を実施するとともに、被災箇所以外についても、特に降水量が多かった地域において目視による斜面の確認を行い、今後注意を要する箇所については、市町村と連携して住民の皆様への注意喚起を行っているところです。さらに、被災した箇所のうち、被害の拡大の恐れが高い箇所については、砂防えん堤を設置するなどの土砂災害対策を進めてまいります。

 (被災者の生活再建)
 第二の対策は、被災者の生活再建であります。
 今回の豪雨により、県内では多くの住宅が全半壊や浸水の被害を受けました。このため、災害援護資金貸付金などを活用して、被災者の皆様の一日も早い住居の再建と生活の安定を全力で支援してまいります。

 (経済被害への対応)
 第三の対策は、経済被害への対応であります。
 まず、農業分野については、農地の流出や土砂の流入などにより、被害額は過去10年間で2番目に大きい約26億円に上っております。
 このため、まずは一日も早い営農の再開に向けて、樹木周辺の土砂を撤去するなど、果樹の保全対策を行うとともに、農地に流入した土砂を撤去するため、市町村と連携して迅速な復旧に取り組んでいるところです。
 さらに、農地の復旧や農業用機械の修復、果樹の改植などに関しては、国の補助制度を活用するとともに、本県の実情に照らして不十分な部分については、県が新たに創設する補助金を上乗せして支援することとしたいと考えております。これにより、被害に遭われた農家の皆様などの費用負担の大幅な軽減を図り、早期の営農再開をしっかりと後押ししてまいります。
 次に、林業分野については、林地崩壊などが96カ所発生し、また、法面の崩壊などにより林道の86路線216カ所が被災したほか、高性能林業機械が破損するなど、被害額は過去最大規模の約213億円となっております。
 このため、まずは県民生活や事業活動に影響のある林道27路線の応急復旧に取り組んでいるところです。引き続き、本年度中に原木生産が予定されている現場の復旧を優先的に支援するとともに、被災した高性能林業機械の代替機の導入を支援してまいります。
 次に、水産業分野については、マダイやカンパチなどの養殖業が被害を受けましたほか、漁場に大量の流木などが流入したことにより沿岸漁業の操業が制限される事態も生じました。さらに、漁港施設において防潮堤が破損するなど、水産業全体で約7億円の被害が発生しました。
 このため、被害を受けた養殖業者の皆様に、県及び日本政策金融公庫の災害関連資金の活用を呼び掛けますとともに、流木などの除去作業への支援を行っているところです。また、漁港施設については、速やかに応急工事を実施するとともに、早期の復旧に向けて水産庁や関係機関との協議を行っているところです。
 次に、観光分野についても、宿泊のキャンセルが相次ぐなど大きな経済被害が生じました。このため、本県を含む13府県を対象とした旅行者の宿泊料を支援する国の制度を活用し、観光関連事業者や他府県とも連携して、本県などを周遊する県外観光客の増加に向けて取り組んでおります。
 あわせて、旅行会社と連携した誘客プロモーションやメディアを活用した積極的な情報発信、個別のセールスの強化など、さらなる誘客対策を講じているところです。引き続き、風評被害などの影響の緩和と旅行需要の回復に全力を挙げて取り組んでまいります。

 (豪雨災害対策推進本部の設置)
 本県においては、これまで、災害の発生がほぼ確実である場合には、災害対策本部を設置し、その都度、全庁を挙げて事前の備えや被害情報の収集、応急復旧などに努めてまいりました。また、各土木事務所などにおいて、通年で復旧や改良工事などの災害対策を行ってきたところです。
 他方、近年は台風や集中豪雨が全国各地で相次ぎ、これまで異常気象と呼ばれてきたものが今や異常ではなくなりつつあります。また、豪雨による被害は、速やかに対策を講じなければダメージが蓄積し、後の豪雨の際にさらに大きな被害を招く危険をはらんでおりますが、連年の豪雨災害によりこの蓄積度合いが高まってきていることが懸念されます。
 こうしたことから、全庁を挙げた常設の「豪雨災害対策推進本部」を新たに立ち上げ、年間を通じて豪雨をはじめ暴風や高浪などの対策を実施する体制を大幅に強化することといたしました。
 今後、この会議において、平時からハード、ソフト両面での豪雨対策などを部局横断的に検討、実施するとともに、PDCAサイクルを通じて不断の検証や改善を図るほか、必要に応じて国への政策提言も行うことにより、県全体の防災や減災の能力をさらに高めてまいりたいと考えております。

4 経済の活性化
 続いて、平成30年度の県政運営の現状に関し、まず、経済の活性化についてご説明申し上げます。

(1)第3期産業振興計画の着実な推進
 産業振興計画については、現在、本年度に大幅に強化した3つの施策群、すなわち「成長に向けた「メインエンジン」をさらに強化する施策群」、「成長の「壁」を乗り越える施策群」、「成長を支える取り組みを強化する施策群」の取り組みを全力で進めているところです。これらの取り組みの上半期の状況をしっかりと検証し、より実効性の高いものへと速やかに改善も加えた上で、下半期からの取り組みにつなげてまいりたいと考えております。

(2)成長の「壁」を乗り越える取り組み
(移住促進について)

 第一に、「成長の「壁」を乗り越える」と「成長を支える取り組みを強化する」取り組みに関しては、深刻化する人手不足の克服に向け、担い手の確保、育成に関する政策群を一層強化してまいります。
 まず、移住促進の取り組みについては、移住促進・人材確保センターが核となって、市町村や関係団体と密接に連携しながらオール高知の体制で取り組んできた結果、8月末時点での本県への移住者は449組、対前年比26パーセントの増となっており、年間の目標である900組の達成に向けて一定の手応えを感じているところです。
 引き続き、県内の各産業団体が進める事業者の事業戦略の策定支援の活動などと連携しながら、移住を希望される方々の志を満たす魅力的でやりがいのある仕事を掘り起こし、UIターンを希望される都市部にお住まいの方々に、相談会などを通じて積極的に提案してまいります。あわせて、Uターンの促進に向け、県内外での広報や、都市部における本県出身者のネットワークとの連携も強化してまいります。
 また、県と高知市をはじめとする全市町村が連携して進めている二段階移住の取り組みは、本県ならではの仕組みであり、中山間地域への移住のハードルを下げるためにも非常に有効であると考えております。県といたしましても、全国規模の移住相談会において二段階移住に関する相談コーナーを設置するとともに、移住ポータルサイトで情報発信を行うなど、全国に向けて積極的にPRしてまいります。
 さらに、高知市から県内全域への移住を後押しするため、二段階目の市町村への移住に関する相談にきめ細かく対応いたしますとともに、それに伴う負担の軽減に向けた支援策の充実、強化も図ってまいります。

(新規大卒者等の県内就職促進に向けた取り組みの強化)
 次に、大学生などの新規卒業者の県内就職を促進し、若者の県内定着を促す取り組みについては、これまで、就活準備セミナーの開催や、学生や保護者への県内就職情報の提供などの取り組みを進めてまいりました。
 その結果、県外大学生のUターン就職率は、平成29年3月の卒業生については16.4パーセントとなり、5年前より2.4ポイント向上しているものの、依然として県内就職の大幅な底上げにまでは至っておりません。
 その背景には、学生に高知の企業の情報が届いていない、また情報が届いたとしても企業の持つ魅力が十分に伝わっていない、さらに、学生の就職につながりやすいとされるインターンシップを実施している企業の割合が全国と比べて大幅に低い、といった課題があります。
 このため、学生の県内就職に向け、これらの課題に対応した施策を強化したいと考えております。
 具体的には、まず、これまで実施してきたUターン就職サポートガイドの送付や大学を通じた情報発信などに加え、インターネットを利用して学生が好きな時間や場所で参加できる就職セミナーを開催いたします。あわせて、学生の企業への関心や理解を高めるために有効とされるPR動画の作成について、新たに県の支援策を設けることにより、県内企業のPRの質的、量的拡充を図ってまいりたいと考えております。
 また、県内企業を対象としたセミナーや個別相談などを通じて、インターンシップを実施する企業数の拡大を図るとともに、実施するプログラムの磨き上げの支援にも取り組んでまいります。さらに、インターンシップに関する学生のニーズと企業とのマッチングを行い、またインターンシップ終了後においても、県内企業への就職がスムーズに行われるよう、学生や企業へのフォローアップも実施してまいりたいと考えております。
 この一連の取り組みを進めるために、商工政策課内にコーディネーター2名を新たに配置するとともに、PR動画の作成やインターンシップの実施に関する専門家の知見を活用することとしたいと考えており、関連する補正予算案を今議会に提出させていただいております。
 こうした取り組みを、大学や関係機関とも連携しながら着実に進めていくことにより、学生の県内就職のさらなる拡大を図り、若者の県内定着を促進してまいります。

(新規就農者の確保策の強化)
 次に、農業分野における担い手の確保につきましては、年間新規就農者数320人を目指し、これまで産地提案型の担い手確保対策や移住促進・人材確保センターと連携した就農相談会の開催などに取り組んでまいりました。
 こうした結果、平成21年度に161人であった新規就農者数は平成28年度には過去最高の276人となり、取り組みの成果が徐々に現れてきたものの、平成29年度は265人と前年度を下回る結果となりました。このため、目標達成に向けて、もう一段、施策の強化を図ってまいります。
 具体的には、まず、優れた園芸技術を有し、就農に向けた環境が整っているなど、本県の優位性に関するPRを強化するとともに、新規就農者の営農開始時の経営負担の軽減を図ってまいりたいと考えており、関連する補正予算案を今議会に提出させていただいております。
 さらに今後は、雇用就農の受け皿となる企業の農業参入や、親元へのUターン就農に対する取り組みもさらに強化してまいります。

(漁業就業支援センターの立ち上げ)
 次に、水産業分野における漁業の担い手の確保については、都市部における就業相談会の開催や、技術の習得に向けた長期研修の実施などに取り組んでおり、近年は年間50人前後の方々が新規に就業しているところです。しかしながら、就業者のさらなる確保に向けては、支援策が多岐にわたり相談窓口や支援制度の全体像がわかりにくい、就業後から経営が安定するまでのフォローアップが不十分、といった課題に対応していくことが必要となっております。
 このため、まずは、来月中旬から漁業就業に関するワンストップ相談窓口となる「漁業就業支援センター」を水産振興部内に設置いたします。
 さらに、来年度からは、関係する市町村や漁業協同組合にも参画いただいた上で、漁業就業希望者を総合的に支援する体制を構築したいと考えております。この新たな体制の下、移住促進・人材確保センターとも連携しながら、都市部での移住相談会などにおける漁業就業希望者の積極的な掘り起こしや、技術の習得に向けた長期研修の実施、就業後のフォローアップなど、一貫した支援を行ってまいりたいと考えております。
 こうした取り組みを通じて、漁業の担い手の確保、育成に向けた取り組みをもう一段強化してまいります。

(働き方改革の推進)
 あわせて、本県産業を支える人材を確保、育成していくためには、労働条件や労働環境の改善を図る、いわゆる働き方改革の取り組みを経営と両立する形で進めていくことが重要であります。
 本年4月に開設した高知県働き方改革推進支援センターにおいては、これまでに各地域でセミナーや出張相談会を26回開催しており、先月末までに152件の相談をいただいているところであります。
 また、産業振興センターが行う事業戦略の策定と実行の支援や、商工会や商工会議所が進める経営計画の策定と実行の支援に関して、働き方改革の視点での助言を積極的に行うなどの取り組みも行っているところです。
 さらに、11月には、高知労働局、県、県内の労使団体などで構成する「高知県働き方改革推進会議」と連携して、県内における働き方改革推進の機運を醸成するため「年次有給休暇取得促進キャンペーン」を実施することとしております。
 引き続き、本県における働き方改革の推進に向けて官民協働で取り組んでまいります。

(3)成長に向けた「メインエンジン」をさらに強化
 (Next次世代型こうち新施設園芸システム)

 第二に、「成長に向けた「メインエンジン」をさらに強化する」取り組みに関しては、現在取り組んでいる新たな付加価値を生み出す仕組みの構築に加え、次なるステージを見据えて、本県産業のさらなる牽引役を作る仕掛けを強化いたします。
 まず農業分野においては、さらなる収量増加や高品質化、省力化などを目指して、環境制御技術にIoTやAI技術を融合させた進化型のシステムである、Next次世代型こうち新施設園芸システムの開発に向けた取り組みを進めております。7月には、県と大学、産業団体及び金融機関で構成する「高知県Next次世代型施設園芸農業に関する産学官連携協議会」を立ち上げたところです。
 今後は、この協議会の下、産学官が連携し、ハウス内の環境を生育に最適な状態にすることにより収量の飛躍的な増加を目指す生産システムや、出荷量や出荷時期などを予測するシステムの開発、省力化技術の研究などに本格的に取り組んでまいりたいと考えており、関連する補正予算案を今議会に提出させていただいております。
 こうした取り組みを通じて、IoTやAI技術により、農家の規模やニーズに応じて最適な栽培管理ができるシステムを構築し、産地全体への普及を図ることにより、本県園芸農業の飛躍的な発展につなげてまいります。
 また、このような研究によって新たに生み出された技術を基に、県内においてNext次世代型ハウスに装備する機器やシステムの開発を進めることなどを通じて、地産外商にもつながる施設園芸関連産業群の創出につなげてまいりたいと考えております。

(県産材の加工力強化)
 
次に、林業分野においては、A材の需要の拡大と販売促進に向けて、県産材の住宅分野における販路拡大や非住宅建築物への利用促進に取り組んでおります。
 今後、県産材のさらなる販売拡大などを図っていくためには、市場が求める乾燥度や強度などの品質が確かな日本農林規格に沿った製品、いわゆるJAS製品を安定的に供給できる体制を県内に構築していくことが極めて重要となってまいります。しかしながら、JAS製品を生産するためには新たに乾燥や強度測定を行う設備などが必要となりますが、多くの中小の製材事業体にとってはこれを単独で整備することは難しい状況にあります。
 このため、県内の中小製材事業体が地域単位で連携してこれらの設備を共同で利用する体制を整備することが有効であると考えており、まずはモデル地域を選定して、事業運営の方法や収支計画などについて関係者との協議を進めてまいります。
 さらに、こうした取り組みを県内全域に広げていくことにより、時代のニーズに合った品質の高い製材品の安定供給体制の構築を目指してまいります。

(食品分野の地産の強化)
 
次に、食品分野に関しては、本年6月に食品衛生法が改正され、2年以内に全ての食品事業者に、国際標準であるHACCPに沿った衛生管理の実施が求められることになりました。
 地産外商の拡大のためには、大手小売業者などから求められる高度な生産管理基準に対応することが重要であることから、本県においては平成28年度に高知県版HACCP認証制度を創設し、研修の開催や専門家の派遣などにより、県内の食品事業者の認証取得を支援してまいりました。
 その結果、先月末時点で既に114社が国際標準に対応する県版HACCP第2ステージ以上の認証を取得しております。
 現在、法改正も受け、県内の食品事業者を対象としたトップセミナーを開催するとともに、HACCP研修の追加開催や事業者への個別の働きかけを行うなど、取り組みを加速させているところです。
 今後も、地産外商のさらなる拡大に向け、その土台となる県版HACCP認証の取得を強力に推進してまいります。

(輸出振興)
 
次に、食料品の輸出に関しては、昨年の輸出額が前年比約3億3千万円増の10億5千万円余りとなり、第1期産業振興計画がスタートした平成21年の約20倍にまで伸びてまいりました。
 本年度は、さらなる輸出の拡大に向け、これまで培ってきた商社などとの関係を強化し、商談会の開催や展示会への出展などに取り組んでいるところです。
 主要品目であるユズ、土佐酒については、今月末から来月にかけ、アメリカやヨーロッパにおいて見本市への出展やプロモーションなどに取り組むことにより、さらなる販売拡大につなげてまいります。
 さらに、水産物については、先月はベトナム、今月は香港の見本市への出展に取り組むなど、アジアを中心に販路開拓に向けた取り組みを本格的に展開しており、ユズ、土佐酒に続く柱としてさらなる輸出額の拡大を目指してまいります。

(IT・コンテンツアカデミー)
 
次に、IT・コンテンツ関連産業の振興に関しては、企業誘致や人材育成の取り組みを進めてきた結果、立地企業数が16社となり、新規雇用者数も220人を超えるなど、一定の成果が表れてきております。
 こうした動きをより大きなものとするためには、優れた人材を多数確保することが重要でありますことから、本年度、取り組みの抜本強化を図ったところです。例えば、本年4月に新たに開講したIT・コンテンツアカデミーにおいて、プログラミングを中心とした様々な講座を開催してきたところ、これまでに1,200人を超える方々に受講いただくなど、確かな手応えを感じております。
 また、県外企業へのアンケート調査において、こうした人材育成の取り組みについてPRを行った結果、本県への立地に関心を示した企業の数が昨年度の調査の3倍以上に増加するなど、新たな誘致対象企業の掘り起こしにもつながっているところです。
 今後、より一層多くの人材を育成、確保するため、首都圏などにおいても人材育成プログラムを展開したいと考えており、関連する補正予算案を今議会に提出させていただいております。
 こうした取り組みなどを通じて、IT・コンテンツ関連産業の集積をさらに加速し、本県経済における新たな強みをつくり出してまいります。

(4)観光振興の取り組み 
 
次に、観光振興の取り組みについてご説明申し上げます。

(「志国高知 幕末維新博」第二幕開幕後の状況)
 
昨年3月から開催してまいりました「志国高知 幕末維新博」については、県内各地域の会場にこれまで250万人を超える方々にご来場いただいており、本年4月の第二幕開幕以降についても、6月末までの各会場への入館者数は、前年比18パーセント増となるなど、ご好評いただいているところです。
 しかしながら、豪雨災害や度重なる台風の影響により、この7、8月の入館者数は昨年を下回る状況となっており、来年1月のフィナーレに向け、もう一段のてこ入れが必要な状況であると考えております。
 このため、7月の豪雨災害の直後から取り組んでまいりました旅行会社へのセールス活動や宿泊割引クーポンの配布、ウェブサイトでの情報発信などの取り組みを一段と強化してまいります。
 さらに、メイン会場である坂本龍馬記念館や高知城歴史博物館をはじめ、各地域会場においても、明治維新150年に関連する企画展などを随時開催することとしております。加えて、この11月からは、ナイトタイムエコノミーの観点を取り入れ、日本三大夜城である高知城を舞台として夜間のデジタルアート展を開催するとともに、連動した企画として県内各地のイルミネーションなどを活用した夜間イベントも実施することとしております。
 このほか、県外における明治維新150年を記念した取り組みとして、来月6日に東京で全国龍馬社中と共に第30回全国龍馬ファンの集いを開催するとともに、同大会と合わせて、平成の薩長土肥連合による情報発信イベントも行うこととしております。
 こうした一連の取り組みにより、引き続き切れ目のない誘客対策を行ってまいります。

(自然・体験型観光キャンペーン)
 幕末維新博に続いて来年2月からは、自然・体験型観光キャンペーンをスタートいたします。
 このキャンペーンは、これまで磨き上げてきた食や歴史資源に加えて、もう一つの強みである豊かな自然などを前面に打ち出すことにより、本県の持てる強みを余すことなく生かそうとする取り組みであります。
 また、日本の美しい自然景観や伝統文化の体験を生かした観光は外国人にも人気がありますことから、このキャンペーンを機に本県のインバウンド観光のステージアップを図ってまいりたいと考えております。
 さらに、こうした自然体験型の観光資源はとりわけ中山間地域に多く存在していることから、このキャンペーンを中山間地域の活性化にもつなげてまいりたいと考えております。
 このキャンペーンを展開するにあたっては、それぞれの地域において、自然景観や体験メニューを生かして外貨を獲得する仕組みを整えていくことが極めて重要であります。また、他県との差別化や効果的な情報発信の手法などについても、大いに工夫を図っていく必要があります。
 このため、現在、市町村や観光関連事業者、地域地域の皆様と連携して、核となる自然景観やビュースポットの整備を進めるとともに、体験プログラムなど新たな経済効果を生み出す仕組みの創出に取り組んでいるところです。
 また、この秋からは、メディアとのタイアップやSNSの活用などにより、ターゲットに応じたきめ細かなプロモーション活動を本格化するとともに、来年上期の旅行商品化に向けたセールス活動を実施してまいります。
 加えて、来年2月から、各種の体験プログラムなどを一元的に紹介し、かつ予約も行うことができる本県ならではの機能を持つ特設ウェブサイトを開設することとしており、現在、関係者の皆様と共に準備を進めているところです。
 引き続き、キャンペーンの円滑なスタートに向け、市町村や観光事業者、地域の皆様としっかりと連携し、取り組みを加速してまいります。

(国際観光の推進)
 
次に、国際観光については、近年、外国人観光客の旅行形態が団体旅行から個人旅行型にますます移行していることや、海外から本県へのアクセス環境が整っていないことなどから、本県における外国人の延べ宿泊数の伸びが足踏み状態になってきており、誘客の取り組みをもう一段強化していく必要があります。このため、来年2月からの自然・体験型観光キャンペーンの開始に向けて、対応を強化してまいりたいと考えております。
 現在、外国人観光客の誘致拡大を図るため、重点市場の台湾、香港、シンガポール、タイの各市場において、現地の旅行業界に精通した現地法人と連携し、旅行会社やメディアとのネットワークを強化しながら、市場ニーズにあった旅行商品の販売促進に取り組んでいるところです。今後は、こうした取り組みをさらに強化するとともに、四国3県の空港と連携したチャーター便の活用による新たな周遊商品の造成、販売にも取り組んでまいります。
 さらには、自然・体験型観光キャンペーンを生かして、アメリカ、オーストラリア、中国、韓国において個人旅行者向けの旅行商品販売やプロモーション活動などを実施してまいります。
 こうした取り組みにより、外国人観光客のさらなる誘致拡大につなげてまいります。

(5)その他
 (LCC新規就航)

 このたび、本県初となるLCCの新規就航という長年の悲願が叶うこととなりました。
 今月13日に、ジェットスター・ジャパン株式会社より、「高知-成田」、「高知-関西」の2路線を12月19日からそれぞれ1日1往復就航することを正式に発表していただいたところであります。
 今般のLCCの就航により、本県から首都圏や関西圏、さらには海外へより安価に、より便利にアクセスすることが可能となり、県民の皆様の利便性が格段に向上するとともに、販路の拡大など地産外商の広がりが期待できます。
 また、成田空港や関西空港と本県が直接結ばれることから、外国人旅行者などのさらなる誘客につながり、観光振興にも大きく寄与するものと期待しております。
 今後はジェットスター・ジャパン株式会社と一体となって、需要の喚起や利用促進に取り組み、路線の定着に努めるとともに、今回のLCC就航を県勢浮揚の新しいエンジンとして、観光振興や産業振興に最大限に活用するよう取り組んでまいります。

(新食肉センターの整備)
 
畜産振興に関しては、肉用牛の増頭対策などに取り組んでおり、例えば、土佐あかうしの飼育頭数は、平成25年度の1,595頭から昨年度は約1.4倍の2,236頭と計画を上回るペースで増加するなど、生産の拡大が進んでいるところです。
 こうした中、この7月には、本県の畜産振興に不可欠な施設となる新たな食肉センターの整備に向けて、新会社の運営に関わる県やJAグループなどにより「高知県新食肉センター整備推進協議会」が立ち上げられました。同協議会において、これまで、新センターの運営を担う新会社の設立や施設の整備に向け、本格的な議論が行われてきたところであります。
 この中で、と畜、部分肉加工の料金設定や人員体制などについて関係者間の合意形成を図った上で、新センターの運営シミュレーションを精査した結果、初年度から黒字運営が可能となる見通しが改めて確認されました。
 こうした結果を踏まえて、今後、同センターの基本設計に着手したいと考えており、関連する補正予算案を今議会に提出させていただいております。
 県としましても、引き続き、協議会のメンバーとして新センターの整備に積極的に関わり、来年度の新会社設立や4年後の操業開始に向け、JAグループや市町村などと連携して取り組みを進めてまいります。

5 日本一の健康長寿県づくり
 次に、日本一の健康長寿県づくりの取り組みについてご説明申し上げます。

(1)「健康立国宣言」
 
我が国は、少子化により現役世代の減少が進む一方、さらなる高齢化の進展に伴い医療費、介護費の一層の増大が懸念されており、社会保障制度の持続可能性そのものが課題となっております。こうした中、本年7月の全国知事会議において、「健康立国宣言」が決議されました。
 この宣言は、健康寿命の延伸と暮らしの充実を通じて、人々の生活の質、いわゆるQOLの向上を図りつつ、社会保障制度の持続可能性を高めるとともに、社会に活力をもたらす健康立国の実現に向けて、地方は地方の責任を果たしていこうというものであります。私も、社会保障常任委員長として、この取りまとめに携わったところであり、今後、同宣言の実行に全力を挙げてまいりたいと考えております。
 具体的には、この宣言と同時に策定したアクションプランに基づき、各都道府県がそれぞれ行っている社会保障分野での優良事例や先進事例をお互いに学び、横展開を図ることにより、日本全体として取り組みが底上げされ、さらに深化していくことを目指してまいります。
 こうした取り組みを通じて、さらに規制緩和や恒久的な制度化などの必要性が明らかになった場合には、全国知事会として積極的に国へ政策提言を行ってまいりたいと考えております。
 また、こうした全国知事会の動きに合わせて、この秋には、県内の医療関係団体や経済団体、市町村や保険者などと共に「高知家健康会議」を新たに立ち上げたいと考えております。同会議において、関係者間のネットワークを一層強化することにより、官民協働で健康寿命の延伸などに向けた取り組みを着実に進めてまいります。

(2)壮年期の死亡率の改善
 次に、「壮年期の死亡率の改善」を図る取り組みについてご説明申し上げます。
 まず、がん検診や特定健診の受診率の向上に向けては、これまで対象者への個別通知や未受診者への再勧奨、市町村検診のセット化などに取り組んできたところです。この結果、40歳代、50歳代の肺がん検診の受診率は、目標とする50パーセントを5年連続で上回っており、その他のがん検診の受診率も年々上昇しております。また、特定健診受診率については、平成27年度の受診率が46.6パーセントとなり、5年前と比べて8.5ポイント伸びております。
 引き続き、疾病の早期発見、早期治療につなげるため、受診率向上の取り組みを進めてまいります。
 また、ヘルシー・高知家・プロジェクトとして取り組んでおります、高知家健康パスポート事業については、既に約3万人の方々にご参加いただいており、改めて県民の皆様の健康意識の高まりを実感しております。今月からは、「健診を受ける」など健康づくりの4つの行動目標をバランス良く実践され、パスポートⅢからランクアップされる方を、健康パスポートの最上位ランクとなる健康マイスターとして認定いたしております。今月1日には認定式を開催して、私から早速50人の方々に認定証をお渡ししたところです。
 あわせて、同じく今月から、日々のウォーキングなどの健康活動をポイントシールに換算できるスマートフォン向けアプリの配信も開始し、より手軽に健康パスポート事業に参加できる取り組みも始めております。引き続き、より多くの県民の皆様にご参加いただき、楽しく健康づくりに取り組んでいただけるよう努めてまいります。

(3)地域地域で安心して住み続けられる県づくり
 (高知版地域包括ケアシステム)
 次に、「地域地域で安心して住み続けられる県づくり」に関しては、本年度から「高知版地域包括ケアシステムの構築」に向け、県内の各地域において取り組みを加速しております。
 具体的には、福祉保健所に配置した地域包括ケア推進監が中心となってブロックごとに地域包括ケア推進協議体を設置するなどして、まずは各市町村や地域の関係者の皆様との協議を通じて、それぞれの地域の現状と課題の把握を進めているところです。
 こうした中、例えば訪問看護など退院後における在宅サービスの不足や、入院時から退院後の生活を見据えた多職種間の連携強化の必要性などの課題が明らかになってまいりました。今後、推進協議体におけるさらなる議論を通じて、それぞれの地域における医療、介護、福祉のネットワークの目指すべき姿を明確化し、市町村と連携してサービス資源の量的な拡充やネットワークのさらなる強化などに取り組んでまいります。
 また、地域包括ケアシステムを支える取り組みとして、医療機関や薬局、介護事業所などの間で患者の情報を共有し、適切な治療などにつなげるための新たなICTネットワークシステムの整備を進めてまいりたいと考えており、関連する補正予算案を今議会に提出させていただいております。

(4)厳しい環境にある子どもたちへの支援 
 (高知版ネウボラ)

 妊娠期から子育て期までの切れ目のない総合的な支援体制である「高知版ネウボラ」の取り組みは、「厳しい環境にある子どもたちへの支援」とともに、「少子化対策の抜本強化」にも資するものであり、本年度は、まずは、高知市といの町において重点的に同システムの構築に取り組むこととしております。この6月にはいの町、8月には高知市で第1回目のネウボラ推進会議を開催し、関係機関の職員間で管内の妊産婦や子育ての現状や課題、それぞれの機関の取り組みなどについて情報共有を行ったところです。
 今後は、実際に地域で子育て支援に携わっておられる方々にもご参画いただき、ご意見をお伺いしながら議論を重ね、子育て家庭がより身近な地域で必要な時に必要な支援が受けられるよう両市町と連携して取り組んでまいります。
 さらに、高知市及びいの町における取り組みを通じて得た知見を、来年度以降他の市町村にも横展開させることにより、県内各地域において、高知版ネウボラの取り組みを推進してまいりたいと考えております。

(5)少子化対策の抜本強化
 少子化対策については、働きながら子育てしやすい環境づくりに向けて、本年度から特に育児休暇、育児休業の取得を促進する取り組みを強化しております。
 この7月には、県内293の企業や団体の皆様により「育児休暇・育児休業の取得促進宣言」が行われ、子育てを社会全体で支えていくという力強い意志とメッセージが発信されました。その後も広がりを見せており、現在、303の企業や団体の皆様に同宣言にご賛同いただいております。
 今後は、それぞれの職場において日頃から休暇を取得しやすくする雰囲気づくりや、時間単位の年次有給休暇の導入をはじめとする休暇制度の充実など、具体的な取り組みを進めていただくことが重要となってまいります。
 県としましては、「高知家の出会い・結婚・子育て応援団」交流会の開催などを通じて、企業の先進的な取り組み事例の横展開を図るとともに、働き方改革推進支援センターとも連携して、企業や団体の職場環境の整備に向けた取り組みを支援するなど、官民協働により、仕事と子育ての両立を応援する環境づくりを推進してまいります。

6 教育の充実
 次に、教育の充実に関する取り組みについてご説明申し上げます。

(1)学力向上に向けた取り組み
(全国学力・学習状況調査結果及び高知市との連携)

 7月末に公表された本年度の全国学力・学習状況調査の結果によりますと、本県の小学生の学力は引き続き全国上位に位置しており、特に、知識の活用力を問うB問題では算数が過去最高の全国8位となるなど、大きく伸びております。また、中学生の学力についても、全国平均には届いていないものの着実に全国平均正答率とのポイント差が縮まってきており、過去最高の全国43位となりました。特に、調査が開始された平成19年度には全国平均正答率を9.1ポイント下回っていた数学Aは、その差が2ポイントにまで縮まるなど大幅に改善してまいりました。
 これらは、中学校における「教科のタテ持ち」の実施などによりチーム学校の意識が醸成され、組織的な授業改善が進んできたことや、多くの小中学校が放課後学習などに取り組んできたことの成果の表れであると考えております。
 こうした傾向を今後も維持し、さらなる改善につなげていくためには、これまでの取り組みを着実に進めることはもとより、県内の児童生徒数の約半数を抱える高知市内における取り組みを強化することが不可欠であります。
 先月28日に開催した高知市との教育に関する連携会議において、高知市教育長職務代理者から、高知市の学力の状況について、高知市と高知市以外を所管する県の3教育事務所と全国平均との差を示したグラフなどを用いて、小学校はここ数年下降傾向にあり、また、中学校は、特に数学において全国平均や県平均を大きく下回る大変厳しい状況にあるという報告がありました。このような厳しい現状について、教育長職務代理者からは、子どもたちに申し訳なく、その責任を痛感しているというお話が、また、高知市長からは、厳しい現状を高知市の教員はもとより、保護者や市民に明らかにして危機感を共有するとともに、今後、学力向上の取り組みを県と協働しながら早急に進めていきたいとのお話がありました。
 当然のことながら、高知市の子どもたちは高知県の子どもでありますことから、私もこの高知市の状況について危惧を抱くとともに、保護者の皆様や子どもたちに本当に申し訳なく思うところです。
 この連携会議において、県市がさらなる連携強化を図り、学力向上対策を加速することを合意いたしました。
 この合意を受け、早速、本年度当初より県から7名を派遣している高知市学力向上推進室の活動に、新たに県教育委員会の指導主事3名程度が加わり、全国学力・学習状況調査において課題が見られた全ての学校に対して授業改善のための集中的な訪問指導を行うことといたしました。今後、県市がより一層連携して、学力向上に向けた緊急対策にスピード感を持って取り組んでまいります。

(高等学校における学力向上対策)
 高等学校における学力向上対策については、取り組みの核となる学校支援チームが、本年4月から8月末までに延べ361回の学校訪問を行い、授業改善やカリキュラム・マネジメントの充実に向けた指導や助言を行ってきたことなどにより、国語、数学、英語の3教科の授業改善について教員の意識改革が進むとともに、学校経営計画の進捗管理を意識的に行う学校が増えてきております。
 しかしながら、授業改善の意識が他教科の担当教員にまでは広がっていないこと、また、生徒の基礎学力の定着のために不可欠である授業以外での学習時間の確保が十分でないことなどの課題が見られます。
 このため、今後、授業改善や授業外の学習時間の状況を定期的に把握するなどして進捗管理を徹底し、これらの課題に各学校が組織的に取り組むこととなるよう、指導や助言などをさらに強化してまいります。

(2)教員の働き方改革
 次に、教員の働き方改革については、各学校にその趣旨の徹底を図ってきた結果、ICTを活用した勤務時間の把握や、夏季休業期間中の学校閉校日の実施、運動部活動ガイドラインに沿った適切な活動時間や休養日の設定などに取り組む学校が増加してまいりました。あわせて、学校現場における専門スタッフや外部人材の活用を進めて業務の負担軽減と効率化を図るなど、教員が児童生徒と向き合う時間の確保や、教員の肉体的、精神的負担の軽減を図る取り組みを進めております。
 今後は、引き続き市町村教育委員会と連携し、こうした取り組みをさらに広げていくとともに、学校の組織的なマネジメントの強化や教員自身の働き方に関する意識改革を図ってまいります。
 あわせて、このたび国のモデル事業に採択されたことにより、教職員の事務負担の大幅な軽減に資する校務支援システムを、来年度から2カ年という短期間のうちに県内全ての市町村に導入することが可能となりました。同システムの導入により、小中学校の教員の働き方改革が大いに進むことを期待するものであります。

(3)教職員の不祥事防止に向けた取り組み
 教職員による不祥事の防止に向けた取り組みについては、抜本的な対策として、不祥事を発生させない職場環境をつくり上げていくことが極めて重要であると考えております。研修を通じて個々の教員の資質向上を図ることはもちろんのこと、チーム学校として、組織的なOJTを通じて人材を育成する仕組みを構築するとともに、学校がミスや問題を組織として早期に是正する力を高めていくことが重要であります。
 このため、経験豊富な教員が若年教員の全般的な育成を行う仕組みを整えるとともに、中堅教諭や管理職の人材育成やマネジメント能力の育成を図る仕組みも整えるなど、若年教員から管理職に至るまでの各段階における組織的な人材育成の仕組みを構築してまいりたいと考えております。
 今後、こうした人材育成の視点に立ったチーム学校の構築に向けて、現時点において実施可能な取り組みについては速やかに着手するとともに、学校代表者や専門家からなる検討会を設置し、より具体的な仕組みについて検討してまいります。

(4)新図書館等複合施設オーテピアの開館
 7月24日に開館いたしました新図書館等複合施設オーテピアにつきましては、開館からの来館者総数が既に20万人を突破し、1日当たりの平均来館者数が4千人を超えるなど、目標とする年間来館者数100万人に向けて順調なスタートを切りました。
 中でも、中四国最大級の規模を誇るオーテピア高知図書館は、約205万冊の収蔵能力を有し、幅広い資料や情報を取りそろえるとともに、開館日数や開館時間を従来より大幅に拡大し、セルフ予約受取コーナーも設置するなど、利用者の皆様の利便性を高めるサービスを提供しております。また、専任の司書が相談内容に応じてきめ細かく対応するなど、県民の皆様の暮らしや仕事の中で生じる様々な課題の解決を支援する機能の強化も図っているところです。
 こうした取り組みにより、開館から1カ月間の1日当たりの平均個人貸出利用者数は、昨年度の県立図書館と高知市民図書館本館を合わせた実績より3倍以上に増えており、県民の皆様の知りたい、学びたいという思いにお応えできてきているものと受け止めております。
 今後は、本年7月に策定した図書館振興計画に基づき、県立図書館として、市町村立図書館や学校図書館、大学図書館など県内各地の図書館を支援する機能を大いに強化してまいりたいと考えております。具体的には、オーテピア高知図書館の豊富な蔵書を身近な地域で借りることができるサービス拠点を県内各地に増やすなど、県民の皆様の利便性を高めるとともに、あわせて、単独では解決が難しいレファレンスへの支援や、各図書館の職員を対象とした合同研修の実施などに取り組んでまいります。
 こうした取り組みを通じて、県内の図書館ネットワークを強化するとともに、各図書館の振興を図り、ひいては県民の皆様の読書環境のさらなる向上につなげてまいりたいと考えております。
 高知みらい科学館につきましては、今月半ばには来館者数が10万人を超えたところであり、星座や宇宙に関する最新情報を紹介するプラネタリウムや、実験を行うサイエンスショーなどについて高い評価をいただいております。引き続き、県内全域の理科教育や科学文化のさらなる振興につながるよう努めてまいります。
 県立大学永国寺キャンパス、高知城歴史博物館に続いて、今回、オーテピアが開館したことに伴い、平成21年度より取り組んでまいりました高知市中心部における3つの教育文化施設の整備がついに完了することとなりました。
 今後は、この3施設が連携して、集積による相乗効果を発揮しながら、中心市街地の賑わいなどにも寄与しつつ、本県の教育や文化の発展を力強く牽引することとなるよう取り組んでまいります。

7 南海トラフ地震対策
 次に南海トラフ地震対策について、ご説明申し上げます。
 南海トラフ地震対策については、平成28年度から本年度までの3年間を計画期間とする第3期南海トラフ地震対策行動計画に基づき、「命を守る」対策や「命をつなぐ」対策などに全庁を挙げて全力で取り組んでいるところです。
 まず、「命を守る」対策に関しては、津波から命を守るための津波避難空間の整備を進めてきた結果、1,445カ所の避難路、避難場所の整備が完了したほか、津波避難タワーについても、計画総数115カ所に対して111カ所が本年度末までに完成する見込みとなっております。
 また、避難経路や避難場所の安全性を確認するための現地点検を、市町村や地域の皆様と共に実施し、昨年度末で362地区全ての点検が完了しました。現在、ブロック塀の転倒防止など安全性を確保するための対策を、市町村と連携し、積極的に進めているところです。
 さらに、住宅の耐震化については、本年度、拡充された国の補助制度も活用しながら、取り組みの加速化を図っております。
 加えて、ブロック塀の安全対策に関しては、本年6月に発生した大阪府北部を震源とする地震における人的被害の発生を受け、その必要性が改めて認識されましたことから、市町村とも連携し、学校現場や民間の方が所有するブロック塀の安全対策の取り組みを加速しているところです。
 次に、助かった「命をつなぐ」対策に関しては、避難所の確保や運営マニュアルの作成などによる避難所運営体制の強化、ヘリポートの整備などに加えて、物資配送や燃料供給、応急期機能の配置などに関する計画の策定を行うなど、対策の具体化を図ってまいりました。
 また、前方展開型の医療救護活動の強化に取り組んでおり、本年度中に県内全ての地域において、被害想定などを踏まえた医療救護活動の行動計画の策定を終える見込みとなりました。今後は、先月開催された内閣府主催の大規模医療活動訓練をはじめ様々な訓練などを通じて得られた知見も踏まえながら、地域における医療救護体制のさらなる強化に取り組んでまいります。
 他方、被災地の医療資源には限りがあることから、被災地外からの人的、物的支援を強化することは国家的な課題であります。このため、DMATの規模拡大をはじめとする医療救護体制の抜本強化に国を挙げて取り組むこととなるよう、全国知事会などとも連携して、引き続き強く訴えてまいります。
 本年度は、第3期計画の最終年度でありますことから、現在、これまでの取り組み状況も踏まえた課題の整理を行い、来年度から始まる第4期計画の策定を進めているところです。
 新たに明らかになった課題を踏まえて対策を充実、強化するとともに、復旧、復興期の「生活を立ち上げる」対策の具体化など時間軸をこれまで以上に長く捉えた視点も加えて、本年度中に第4期計画の策定を完了するよう取り組んでまいります。

8 スポーツの振興
 次に、スポーツの振興についてご説明申し上げます。
 現在、高知県スポーツ振興県民会議などを通じて関係者の皆様から幅広くご意見をいただきながら、第2期スポーツ推進計画に基づくスポーツ振興の取り組みを、PDCAサイクルを徹底しつつ、強力に推進しているところです。
 このうち、地域のスポーツ活動の拠点として本年度設置した地域スポーツハブについては、地域地域に潜在するスポーツ需要を掘り起こし、それらに見合う供給を実現することにより、地域に多様なスポーツ機会を創出するとともに、併せてスポーツを通じた地域の活性化につなげることを目指しており、現在、南国市、土佐市、土佐清水市、四万十町の4市町において取り組みを進めております。
 具体的には、行政や地域のスポーツ関係団体などで構成する委員会を開催し、まずは、イベント情報や施設の利用状況などのスポーツに関する情報の一元化や、各地域のスポーツに関するニーズの把握や課題の分析を行っているところです。
 こうした中、例えば土佐市においては、地域スポーツハブが理学療法士と連携し、学校の運動部活動への支援を行うほか、地元企業の従業員を対象にスポーツを通じた健康づくり教室を開催するなどの取り組みがスタートしました。引き続き、地域スポーツハブの活動を支援し、県内各地域において持続的にスポーツ活動が推進されるよう取り組んでまいります。
 また、競技力の向上に向けた全高知チームの取り組みも着実に広がりを見せており、これまでに、新たに柔道、卓球を加えて10競技団体が同チームを立ち上げております。各全高知チームにおいて、全国トップレベルの指導者を招いた合同練習や県内指導者を対象とした実践研修を開催するなど、質の高い取り組みが行われており、一部の競技においては、先に行われた全国高校総体や国際大会で県勢初となる優勝を果たす選手が表れるなど手応えを感じているところです。
 今後は、こうした既存の全高知チームの取り組みをさらに充実させるとともに、他の競技にも広がるよう、引き続き県体育協会と共にPDCAサイクルによる進捗管理を行い、競技団体の活動をしっかりと支援してまいります。

9 その他
(1)障害者雇用の状況について
 
公務部門における障害者雇用に関し、多数の国の行政機関や地方公共団体において、厚生労働省に報告する障害者数に対象とすべき職員以外の者を含めていたことにより、実際には法定雇用率を達成していない状況であったことが明らかになりました。
 本県においては、対象者について、「障害者手帳を所持している」と申告のあった職員に加え、知事部局と公営企業局では、所属長からの人事ヒアリングなどを基に、日常生活に支障が生じているなど手帳所持者と同等の障害があると思われる職員を含めておりました。これらの職員については、プライバシーに配慮し手帳の有無の確認などを行っておりませんでしたが、これは、厚生労働省の昨年度までの通知において、身体障害者とは「原則として」身体障害者手帳の等級が1級から6級に該当する者とされていることや、厚生労働省のガイドラインにおいて、手帳の所持の確認について、健康診断の結果などを基に個人を特定して照会することが不適切な例として挙げられるなど、プライバシーに配慮することが求められていることに鑑みたものです。
 このように、本県としては、これまでの対応も認められると認識していたものであり、「水増し」する意図があったものでは決してありません。
 しかしながら、範を示すべき立場にある県庁として、国の通知やガイドラインに基づく取扱いについて、厚生労働省や労働局といった関係機関に確認した上で、対象者とするか否かについてより厳格な判断を行うなど、なお一層適切な対応をすべきであったと反省しており、県民の皆様に深くお詫び申し上げます。
 現在、本県における障害者雇用の状況について、厚生労働省の本年度の通知やガイドラインに沿った厳格な運用に基づき改めて調査を行っているところです。国からも再度照会がなされており、結果がまとまり次第お示ししたいと考えております。この結果、法定雇用率に達していない場合には、できるだけ早期にこれを満たすことができるよう、最大限努力してまいります。
 本県といたしましては、平成19年度以降、障害者枠による職員の採用を実施するなど、障害者雇用に積極的に取り組んできたところであり、本県の目指す、「障害のある人もない人も、ともに支え合い、安心して、いきいきと暮らせる共生社会」の実現に向けて、今般の反省を踏まえ、より一層障害者雇用の推進に努めてまいります。

(2)高知県立大学の蔵書の除却処理
 
高知県立大学において、永国寺キャンパスに新たに整備した図書館への移転にあたり、約3万8千冊の蔵書の除却を決定し、最終的に焼却処分などを行っていたことが明らかになりました。
 このことに関して、先日、公立大学法人の理事長、高知県立大学の学長とお会いし、学長から一連の経緯や今後の対応などについて報告をいただいたところです。
 この中で、大学からは、「今回の除却処理は学内の規定に基づいて行った。具体的には、除却図書の選定に際しては、重複して保有している図書や、シリーズがそろっていないもの、古いパソコン関係の入門書、破損して修復が困難な資料などといった観点から除却リストを作成した上で、全教員の意見を聞きながら時間をかけて選定した。しかしながら、蔵書の再利用に関して、譲渡や売却などの意見があったにもかかわらず、結果として多くの蔵書を焼却してしまったことについて深く反省している。このため、外部の有識者などで構成する検証委員会を設置し、一連の経過を検証するとともに、これを受けて、今後蔵書の適切な管理に努めていきたい。」との趣旨のお話がありました。
 これに対し、私からは、今後とも県民の皆様への説明責任を果たす必要があることや、蔵書の活用方法については、県内の公立図書館や他の大学図書館との連携も重要であり、そのことに関して必要なことがあれば県や県教育委員会としても、しっかりと協力していきたい、といったことなどをお伝えしたところです。
 いずれにしましても、今後、高知県立大学においては、検証委員会での検証結果などを踏まえ、より適切な運営に取り組んでいただきたいと考えております。
 あわせて、県や県教育委員会といたしましても、先ほど申し上げたように、県内各図書館へのバックアップを強化し、資料の相互貸借やレファレンスへの協力などを推進することにより、県全体の図書館振興につなげてまいります。

(3)新たな管理型最終処分場の整備
 産業廃棄物の新たな管理型最終処分場の整備については、最終候補地3カ所が所在する3市町の住民の皆様、首長及び議会の皆様に、候補地が選定された過程や最終処分場の必要性、安全性などについて説明を重ねております。あわせて、エコサイクルセンターの見学会も開催し、施設の構造や埋立処分の現状などを直接ご確認いただいたところです。
 こうした取り組みと並行しまして、各候補地における施設整備上の課題などを把握するため、地権者の了解をいただいた範囲内において、地形や地質、地下水の流量や水質、周辺の道路や建物の状況などの現地調査を実施いたしました。
 その結果、進入道路の整備に伴う住民生活への影響や費用などの点で差異はあるものの、いずれの候補地も最終処分場そのものの整備にあたって対応が困難な課題はなく、施設整備に適した土地であることが改めて確認できました。
 この調査結果については、先月29日に県議会商工農林水産委員会にご報告させていただくとともに、速やかに3市町の住民の皆様、首長及び議会の皆様にご説明をさせていただいたところです。
 引き続き、最終処分場の必要性や安全性などについて丁寧な上にも丁寧な説明に努め、最終的には、今回の現地調査に基づく分析結果や、地元の皆様方の受け止めなどを総合的に勘案し、県議会のご意見を踏まえ、建設予定地を1カ所に絞り込んでまいりたいと考えております。

(4)「第38回全国豊かな海づくり大会~高知家大会~」の開催
 来月28日、「明治150年記念 第38回全国豊かな海づくり大会~高知家大会~」を開催いたします。
 この海づくり大会は、例年、天皇皇后両陛下ご臨席の下、水産資源や自然環境を守り、育てることの大切さを広く国民に訴えることなどを目的として開催されているものであります。平成最後の、また、明治150年の節目の年に、この意義深い大会を本県で開催できますことは、歴史上の縁に鑑みても大変光栄なことと受け止めております。
 この大会を通じて、カツオの一本釣りをはじめとする漁業や、美しい自然、歴史、文化、新鮮な食べ物などといった、本県の魅力を全国に発信してまいります。
 そして、何よりも、この大会を、本県の豊かな水産資源や自然環境を未来へ引き継ぐための保全活動などが県内各地で一層展開される契機としてまいりたいと考えております。
 本大会の成功に向けまして、開催県として、関係者の皆様方と連携し、万全の上にも万全を期して準備を進めてまいります。

10 議案
 続きまして、今回提案いたしました議案についてご説明申し上げます。
 まず予算案は、平成30年度高知県一般会計補正予算などの5件です。
 このうち一般会計補正予算は、先ほど申し上げました経済の活性化などの経費として、280億6千万円余りの歳入歳出予算の補正などを計上しております。
 条例議案は、高知県養護老人ホームの設備及び運営に関する基準を定める条例議案など9件であります。
 その他の議案は、高知県が当事者である和解の申立てに関する議案など10件であります。
 報告議案は、平成29年度高知県一般会計歳入歳出決算など23件であります。
 以上をもちまして、議案提出にあたっての私からの説明を終わらせていただきます。
 何とぞご審議の上、適切な議決を賜りますようお願い申し上げます。

高知県 総務部 秘書課

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