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平成30年12月県議会での知事提案説明

公開日 2018年12月06日

平成30年12月県議会での知事提案説明 (12月6日)

1 国の動向など

2 12月補正について

3 経済の活性化
 (1)第3期産業振興計画の着実な推進
 (2)成長の「壁」を乗り越える取り組み
  (移住促進について)
  (新規大卒者等の県内就職促進に向けた取り組みの強化)
 (3)成長に向けた「メインエンジン」をさらに強化
  (Next次世代型こうち新施設園芸システム)
  (木材需要の抜本的な拡大に向けた取り組みの強化)
  (水産業分野における地産の強化)
  (食品分野の地産外商の強化)
  (食料品の輸出の強化)
  (ものづくりの地産外商支援)
  (IT・コンテンツ関連産業の振興など)
 (4)観光振興の取り組み
  (「志国高知 幕末維新博」の状況)
  (自然・体験型観光キャンペーンの準備)
 (5)その他
  (ルネサス高知工場の承継)
  (香南工業用水道の再編)

4 日本一の健康長寿県づくり
 (1)地域包括ケアシステムの構築
  (地域医療介護情報ネットワークシステム)
  (介護医療院)
 (2)高知家健康会議
 (3)「健康立国宣言」

5 教育の充実
 (1)小中学校における学力向上対策
  (高知市との連携)
  (教科のタテ持ちの推進など)
 (2)高等学校における学力向上対策
 (3)高等学校再編振興計画後期実施計画

6 南海トラフ地震対策など
 (1)第3期計画の総括
 (2)南海トラフ沿いの異常な現象への防災対応
 (3)豪雨災害対策推進本部

7 インフラの充実と有効活用

8 スポーツの振興

9 その他
 (1)新たな管理型最終処分場の整備
 (2)障害者雇用について
 (3)「第38回全国豊かな海づくり大会~高知家大会~」

10 議案

 

 


 

 本日、議員の皆様のご出席をいただき、平成30年12月県議会定例会が開かれますことを厚くお礼申し上げます。
 ただ今提案いたしました議案の説明に先立ちまして、当面する県政の主要な課題についてご説明を申し上げ、議員の皆様並びに県民の皆様のご理解とご協力をお願いしたいと思っております。

 

1 国の動向など
 現在の我が国の経済は、平成30年7月豪雨や北海道胆振東部地震などの災害の影響が見られたものの、雇用や所得環境の改善が続く中、各種政策の効果もあって、先行きにおいては、緩やかな回復が続くことが期待されております。
 こうした中、安倍総理は、全世代型の社会保障制度へ大きく転換するとともに、財政健全化も確実に進めるため、法律で定められたとおり、来年10月に消費税率を10パーセントに引き上げる方針を明らかにしました。これを踏まえ、政府は、あらゆる施策を総動員し、経済に影響を及ぼさないよう対応する方針を示したところです。また、近年多発している自然災害から国民の生命、財産を守るため、3年間で国土強靱化対策などを集中的に実施することも打ち出し、現在、本年度第2次補正予算案の編成作業を進めています。
 本県においても、国の施策に呼応し、しっかりと一連の経済対策を実行するとともに、集中的に国土強靱化を図るとの国の方針を生かし、南海トラフ地震対策や豪雨対策などに必要なインフラ整備などをより一層加速させてまいります。その際には、事業の平準化や先々の安定的な財政運営といった視点も大切でありますことから、こうした点も踏まえ予算編成を行ってまいります。

2 12月補正について
 今議会では、経済の活性化をはじめとする基本政策などを着実に推進するため、総額28億8千万円余りの歳入歳出予算の補正並びに総額95億6千万円余りの債務負担行為の追加及び補正を含む一般会計補正予算案を提出しております。
 第一に「経済の活性化」に関しては、牧野植物園の貴重な資源を生かした施設の磨き上げを加速してまいりますほか、来年2月末に完成予定の高知新港客船ターミナルの供用開始に向けて準備を進めてまいります。
 第二に「日本一の健康長寿県づくり」に関しては、高知版地域包括ケアシステムの構築に向け、ICTを活用した地域医療介護情報ネットワークの整備を進めてまいります。
 第三に「教育の充実と子育て支援」に関しては、公立小中学校などの空調の設置率が全国と比べて低いことから、国の助成制度に呼応して、県としても新たに助成制度を創設し、早期設置を強力に後押ししてまいります。
 第四に「南海トラフ地震対策の抜本強化・加速化」に関しては、住宅耐震化に関する県民の機運の高まりを逃すことなく、国の新たな補助制度も生かして取り組みを一層加速してまいります。
 さらに、平成30年7月豪雨やその後の台風第24号などによる被害に対しまして、県民の皆様に一日も早く日常の生活を取り戻していただけるよう、公共施設の早期復旧に向けた対策などを全力で実行してまいります。

3 経済の活性化
 続いて、県政運営の現状に関し、まず、経済の活性化についてご説明申し上げます。
(1)第3期産業振興計画の着実な推進
 第3期産業振興計画に関しては、本年度に大幅に強化した3つの施策群、すなわち「成長に向けた「メインエンジン」をさらに強化する施策群」、「成長の「壁」を乗り越える施策群」、「成長を支える取り組みを強化する施策群」について、より実効性の高いものへと改善を図りながら、全力で実行しているところです。
 あわせて、来年度は第3期計画の最終年度となりますことから、各々の目標を達成するために一段と強化すべき施策はないか検討を重ねるとともに、本県経済の発展を先々にわたり確実ならしめるために、今後5年、10年を視野に入れて何に取り組むべきなのかといった視点で議論を深め、来年度のバージョンアップにつなげてまいりたいと考えております。

(2)成長の「壁」を乗り越える取り組み
 (移住促進について)
 第一に、「成長の「壁」を乗り越える」と「成長を支える取り組みを強化する」施策群に関し、まず、移住促進の取り組みについては、10月末時点での本県への移住者は577組、対前年比23パーセントの増となっており、本年度の目標である年間移住者900組の達成に向けて順調に推移しております。これは、オール高知の体制である移住促進・人材確保センターが中心となって、地域地域の様々な仕事の掘り起こしに努めてきたことに加え、市町村の相談員のノウハウの蓄積や移住希望者へのフォローの充実など、市町村の受入態勢が充実してきたことによる成果であると考えております。
 しかしながら、先々にわたり本県の発展を成し遂げていくためには、地域の活性化や産業振興の担い手となって活躍していただける志を持った都市部人材の移住をさらに進め、平成31年度の目標である年間1,000組の達成とその定常化を確実ならしめることが必要であります。
 現在、県内各地では、担い手の不足により、事業の拡大や継続を断念せざるを得ないケースも多く見受けられます。このため、引き続き、民間団体や市町村と連携しながら、地域の様々な人材ニーズをしっかりと掘り起こすとともに、移住希望者の属性や志向を踏まえつつ、こうした人材ニーズを都市部の移住希望者に向けて戦略的に情報発信してまいります。

 (新規大卒者等の県内就職促進に向けた取り組みの強化)
 次に、大学生などの新規卒業者の県内就職を促進する取り組みについてご説明申し上げます。
 本県において、学生の県内就職の大幅な底上げを図るためには、高知の企業の情報が学生に届いていない、また、情報が届いたとしても企業の持つ魅力が十分に伝わっていない、さらに、学生の就職につながりやすいとされるインターンシップを実施している企業の割合が全国と比べて大幅に低い、という3つの課題を抜本的に解決する必要があります。
 このため、先の補正予算を活用して、企業の学生に向けたPRを質、量ともに強化するとともに、インターンシップ実施企業の拡大を図るといった一連の取り組みを加速しているところです。
 具体的には、本年10月から庁内にコーディネーターを配置し、100を超える企業などと面談して、インターンシップの実施状況やニーズの把握に努めております。また、先月には県内企業を対象に、インターンシップの実施やPR動画の作成を支援するセミナーも開催するなど、専門家の知見を活用しながら、県内企業がその魅力を学生へしっかりと伝えることができるよう支援を行っているところです。
 加えて、これまで就職支援協定を締結した17大学の皆様と連携して、本県出身の学生や保護者への情報提供を行うとともに、来年1月から開催するウェブ版就職活動セミナーへの学生の参加を促してまいりたいと考えております。
 引き続き、学生の県内就職の一層の促進に向けて、企業によるPRやインターンシップのさらなる拡充に取り組むとともに、学生の企業に対する関心や理解を高めるための交流の場づくりなどについて検討を進めてまいります。

(3)成長に向けた「メインエンジン」をさらに強化
 (Next次世代型こうち新施設園芸システム)
 第二に、「成長に向けた「メインエンジン」をさらに強化する」施策群に関しては、これから先の5年、10年に向けて、新たな付加価値の創出や市場の拡大に向けた取り組みを進めております。
 まず、農業分野においては、さらなる収量増加や高品質化、省力化などを目指して、次世代型こうち新施設園芸システムにAIやIoTなどの最先端の技術を融合させたNext次世代型こうち新施設園芸システムの開発に取り組み始めたところです。
 本プロジェクトについては、本年10月、国が産学官の連携による地域の優れた取り組みを重点的に支援する「地方大学・地域産業創生交付金」の交付対象事業に採択され、本年度から5年間で約29億円の交付を受ける見込みとなりました。
 先月26日には、県と大学、産業団体及び金融機関で構成する「高知県Next次世代型施設園芸農業に関する産学官連携協議会」において、本格的に本プロジェクトをスタートさせ、最先端の研究開発に取り組むために必要な実証用ハウスや作物の生育状況を観測する機器などの整備に着手したところです。
 今後は、これらを活用し、作物の生育状態に応じた最適な環境制御により一層の収量増加を目指す生産システムや、特定の機能性成分などを強化した品種や栽培技術の開発、出荷量や出荷時期などを予測するシステムや省力化技術の開発などに取り組み、これらを産地全体に普及させることにより、本県園芸農業の飛躍的な発展を目指してまいります。
 あわせて、一連の取り組みを通じて創出される全国初の技術を多種多様なシステムや新製品の開発につなげ、国内外への地産外商の拡大にまで発展させてまいりたいと考えております。こうした取り組みを通じて、本県に園芸農業を核とした新たな一大関連産業群が形成されることを目指してまいります。

 (木材需要の抜本的な拡大に向けた取り組みの強化)
 次に、林業分野においては、林業や木材産業の成長産業化を目指し、木材需要の抜本的な拡大に向けた取り組みを進めております。
 今後、木材需要の一層の拡大を図るためには、木造住宅だけでなく、非住宅建築物の木造化や木質化の普及に向けた取り組みをさらに促進することが重要となってまいります。しかしながら、こうした取り組みを進めるにあたっては、施主の方々に国産材を使うことのメリットが十分に浸透していないことや、非住宅木造建築物の設計ができる建築士が少ないなどといった課題があります。
 このため、まず県内においては、本年4月に設置しましたTOSAZAIセンターにおける営業機能をもう一段強化したいと考えているところです。具体的には、TOSAZAIセンターと全国レベルの木造建築の専門家が連携し、経済同友会の会員企業をはじめ非住宅建築物の施主となる方々に対して、事例紹介や技術面での提案を行うなど、より積極的な提案型の営業活動を行ってまいります。
 あわせて、県内の建築士などを対象とした木造建築に関する情報提供や勉強会を実施し、非住宅木造建築物の設計と施主への提案ができる人材の育成に努めてまいりたいと考えております。
 また、全国的な民間需要の喚起に向け、本年10月に本県と経済同友会、土佐経済同友会の協働プロジェクトとして、中高層木造建築や内装の木質化に関するシンポジウムを東京で開催しました。さらに、全国知事会におきましても、東京都知事と私を正副のリーダーとする国産材活用プロジェクトチームが発足するなど、全国的にも木材のさらなる活用に向けた機運が生まれつつあります。
 今後、経済同友会や全国知事会をはじめ、関係団体の皆様などとも連携し、全国的な木材需要の拡大に取り組み、県産材のさらなる販売拡大にもつなげてまいりたいと考えております。

 (水産業分野における地産の強化)
 次に、水産業分野においては、漁業者の高齢化や担い手不足に歯止めをかけるため、効率的な漁業生産体制への転換を目指して、新たに漁業への企業誘致やIoT化の推進などに取り組んでいるところです。
 まず、漁業への企業誘致については、地域における雇用創出を目指し漁協などとも連携して取り組んでおり、これまでにも、地元企業が定置網漁業に参入したことにより、新たな雇用が創出されるとともに生産量が増大した事例が生まれてきております。引き続き、地元の方々との合意の下、漁場の海底地形などの調査を行い、その結果を基に県内外の企業に対する積極的な営業活動に取り組んでまいります。
 また、漁業のIoT化の推進に関しては、釣り漁業における操業の確実性を向上させるため、黒潮牧場に魚群探知機を設置するなど高機能化を図るとともに、水温をはじめとするデータを活用した漁場予測システムを新たに開発するなど、本県水産業の技術革新を推進したいと考えており、現在、具体策について検討を重ねているところです。
 こうした取り組みを通じて、引き続き「若者が住んで稼げる元気な漁村」の実現を目指してまいります。

 (食品分野の地産外商の強化)
 次に、食品分野においては、地産の強化策として、食品に関わる産学官の関係者が継続的に交流し、学び合う場となる「食のプラットホーム事業」を昨年度スタートさせ、これまでに275の県内事業者の方々に商品の開発や改良に関するセミナーなどへ参加いただいたところです。
 また、同事業の新たな取り組みとして本年度からスタートした商品づくりワーキングにおいては、16の事業者が専門家や地産外商公社の支援を受けながら、実際の商品開発に取り組んでおります。
 今後、こうした商品開発への支援をさらに充実させていく必要があると考えており、商品づくりワーキングの拡充や工業技術センターによる技術支援の強化などについて、現在、検討を進めているところです。
 あわせて、国内における外商の強化については、地産外商公社がその活動範囲を着実に広げ、県産品の販路開拓や販売拡大に精力的に取り組んでおります。本年度は、中部地区において一連の地産外商活動を強化しているところであり、公社職員の新たな配置や県公認アンテナショップのオープンに続いて、本県産品の販路開拓に向けて10月に開催した展示商談会が好評を博すなど、順調なスタートが切られております。

 (食料品の輸出の強化)
 このように、地産外商公社を中心とした取り組みを通じて、国内向けの外商の範囲は着実に広がってきたものの、中長期的には人口減少に伴い国内マーケット全体の縮小が見込まれる中、本県の第一次産業や食品産業のさらなる発展を目指すためには、海外への地産外商の取り組みをこれまで以上に強化することが重要であります。
 食料品の輸出に関しては、昨年の輸出額が10億5千万円余りとなり、第1期産業振興計画がスタートした平成21年の約20倍にまで伸びてまいりました。現在、さらなる飛躍を目指して、基幹品目であるユズ、土佐酒に加えて、水産物における取り組みを強化しているところです。
 これまで、アジアを中心に見本市への出展など販路開拓に取り組んできた結果、本年10月には宿毛市の事業者が、高知新港からの定期航路を利用して、ベトナム向けに養殖のブリやマダイ、天然魚12種類の輸出を開始するといった成果も出始めております。
 今後、こうした流れを加速させ、さらなる輸出の成果につなげていくためには、販路開拓の取り組みを一層強化していく必要があります。これまでの取り組みに加え、来年7月に予定されている宿毛市の大型水産加工施設の本格稼働に併せて、市場規模が大きく需要の拡大が期待されるアメリカや中国に向けた水産物の輸出を強化してまいります。
 さらに、県産品全体の輸出額の大幅な拡大を目指すための体制のあり方などについても検討を進めてまいります。

 (ものづくりの地産外商支援)
 次に、ものづくりの分野に関しては、国内においては、首都圏などにおける見本市への出展や商談会の開催などを通じて、地産外商の拡大に取り組んでまいりました。また海外においても、これまで、防災関連の製品や技術を中心に、本県と同様に自然災害の多い東南アジアや台湾の行政部門へのトップセールスをはじめ、各地で開催される見本市への出展などに取り組んでまいりました。
 その結果、ものづくり地産地消・外商センターの営業サポートによる10月までの受注実績は36億9千万円余りとなり、対前年比で15.6パーセント、約5億円増加し、このうち海外分は5億8千万円余りとなり、対前年比で22.6パーセント、約1億円増加するなど順調に伸びてきております。
 今後、ものづくり分野のさらなる飛躍を成し遂げるためには、国内にとどまらず、経済成長が期待される東南アジアをはじめとした海外への販路拡大が一層重要となってまいります。このため、先月には、タイ王国工業省産業振興局と産業連携に関する覚書を締結し、同時に高知県工業会とタイ下請業振興協会の間においても覚書が締結され、官民協働で同国との連携強化を図りました。
 さらに、これまでの取り組みを土台として、海外企業などとのネットワークの深化や、取引ノウハウを有する国内の商社とのマッチングの強化などについても具体策の検討を進めているところです。
 引き続き、県内のものづくり企業の海外展開をしっかりと後押しさせていただき、さらなる輸出の拡大を目指してまいります。

 (IT・コンテンツ関連産業の振興など)
 IT・コンテンツ関連産業の振興は、本県の新たな強みをつくり出すとともに、様々な産業を飛躍的に発展させていくための基盤となる重要な取り組みであります。
 これまで、首都圏からの企業誘致やIT・コンテンツアカデミーによる人材育成などの取り組みを一体的に推進してきた結果、先月末までの累計で立地企業数が18社、新規雇用者数も約240人となるなど、IT・コンテンツ関連産業の集積が着実に進みつつあります。
 また、現場のニーズに対応した機械の開発やIoT技術の導入などにより、県内の各産業分野などの様々な課題解決を図るとともに、開発された機械やIoTシステムなどの地産外商を促進する「課題解決型の産業創出」の取り組みに関しては、第一次産業や中山間地域などの様々な課題から44件のニーズを抽出し、うち31件は製品完成や実証実験の段階にまで進んでおります。
 今後は、IoTやAIなどのデジタル技術の導入を、第一次産業をはじめ、ものづくり産業や食品産業、観光産業、さらには福祉や医療、防災などあらゆる分野に拡大し、技術革新による生産性の向上や高付加価値化、新たな市場や価値の創造につなげてまいりたいと考えております。
 このため、来年度に向けて、最先端のデジタル技術を有する企業への誘致活動の強化や、こうした企業が求める人材を意図的に増やすことを目的とするIT・コンテンツアカデミーのさらなる充実強化について、検討を進めてまいります。
 引き続き、企業集積が人材の集積を促進し、人材の集積がさらなる企業集積を生むといった好循環の実現に向けて、全力で取り組んでまいります。

(4)観光振興の取り組み
 次に、観光振興の取り組みについてご説明申し上げます。
 (「志国高知 幕末維新博」の状況)
 昨年3月から開催してまいりました「志国高知 幕末維新博」も、閉幕まで残すところ2カ月を切りました。第一幕開幕と同時にオープンした高知城歴史博物館、第二幕開幕と同時にリニューアルオープンした坂本龍馬記念館、さらに県内22の地域会場などには、第一幕の開幕からこれまでに300万人を超える方々にご来場いただき、大変ご好評をいただいているところです。
 これまで約1年9カ月間の幕末維新博を通じて、県内各地の会場などにおいて、それぞれ展示機能の充実が図られるとともに、様々な企画展やイベントが開催され、本県の強みである歴史資源の磨き上げが飛躍的に進んだものと考えております。
 来年1月31日の閉幕に向けては、先月からナイトタイムエコノミーの観点を取り入れた「高知 光のフェスタ」を開催し、日本三大夜城である高知城における「チームラボ 高知城 光の祭」をはじめ、県内各地においてイルミネーションなどを活用した夜間イベントを一体的に実施しております。加えて、県内の各地域会場において切れ目のない企画展を開催するなど、幕末維新博の終盤の盛り上げを創出しているところです。
 これまでの取り組みを通じて底上げを図ってきた本県の歴史観光につきまして、今後、本県の強みであります食や自然と合わせて、幕末維新博終了後も引き続き磨き上げを継続するとともに、積極的な情報発信やセールス活動に取り組んでまいります。

 (自然・体験型観光キャンペーンの準備)
 幕末維新博から引き続いて展開する自然・体験型観光キャンペーンについては、現在、来年2月のスタートに向けて準備を本格化しております。
 本年10月の第3回準備委員会におきまして、キャンペーンの名称を「リョーマの休日~自然&体験キャンペーン~」とし、来年2月1日にJR高知駅前のこうち旅広場におきましてオープニングイベントを行うことなどが決定されたところです。
 このキャンペーンは、これまで磨き上げてきた食や歴史資源に加えて、自然景観、体験などを前面に打ち出すことにより、本県の観光面での強みを余すことなく生かそうとする取り組みであります。引き続き、市町村や観光事業者、地域の皆様としっかりと連携して、自然体験型観光の取り組みを地域地域において加速することにより、県外観光客入込数435万人の定常化という目標の達成を目指してまいりたいと考えております。
 また、自然体験型観光の資源は中山間地域に多く存在することから、このキャンペーンの取り組みは、中山間対策にも直結するものと考えております。本キャンペーンのスタートに向けて、専門家や民間企業などの有する知見やノウハウを導入するとともに、土佐の観光創生塾などを通じて人材の育成を図ることにより、地域地域において、その持てる資源や魅力に新たな付加価値を付け、外貨を稼ぐことができるレベルまで磨き上げを行う一連の取り組みを加速してまいります。
 さらには、宿泊施設が少ない地域での住宅宿泊事業、いわゆる民泊サービスなどを活用した宿泊の受け皿づくりについても、検討を深めてまいりたいと考えております。

(5)その他
 (ルネサス高知工場の承継)
 次に、ルネサス高知工場の承継に関してご説明申し上げます。
 本年5月末にルネサスセミコンダクタマニュファクチュアリング株式会社の高知工場が閉鎖された後、地域における雇用の場の創出に向けて、ルネサスエレクトロニクス株式会社や香南市とも協力し、譲渡先の確保に向けて全力で取り組んでまいりました。
 こうした中、県と香南市による誘致活動がきっかけとなり、本年9月にはルネサス社と丸三産業株式会社において譲渡契約が締結されました。また、10月には県の立ち会いの下、丸三産業と香南市との間で進出協定の締結が行われ、現在、同社により操業開始に向けた準備が進められているところです。
 今回の進出にあたり、これまでの間、ご尽力をいただきました丸三産業、ルネサス社、香南市をはじめとする関係者の皆様方に改めて感謝を申し上げます。また、県議会議員の皆様にも、県民の貴重な声を関係者に届ける活動を展開していただいたところであり、心より感謝を申し上げます。
 今回の進出により、香南市において再び100名規模の雇用が創出されることとなり、地域経済の活性化に大いに寄与するものと期待をしているところです。県としましても、旧ルネサス高知工場の閉鎖に伴い県外の工場へ配置転換になった方々や未だ再就職先が決まっていない方々に対し、関係機関と連携して今回の事案をお伝えするなど、再就職に向けた支援をしっかりと行ってまいりたいと考えております。

 (香南工業用水道の再編)
 県の香南工業用水道事業が、長年にわたり、ごく一部のみの稼働にとどまってきたとの積年の課題について、このたびの丸三産業株式会社の進出を機に、一定の解決を図りたいと考えております。
 これまで旧ルネサス高知工場には、香南市の工業用水道から給水が行われておりましたが、同市の水源の給水能力では、丸三産業が必要とする日量4,000立方メートルを安定的に確保できないといった根本的な制約があります。このため、今般、県と香南市で協議を行い、同じ地域内にある県の香南工業用水道の水源も活用して、安定的な給水を確保することといたしました。
 また、給水のルートに関しては、給水コスト削減の観点とともに、一元的な給水を望む企業のニーズを踏まえ、当面は香南市の配管をメインルートとして使用したいと考えております。一方、同市の設備は県のものより古く、配管の耐震対策が行われていないため、万が一に備え、県の配管もバックアップ用として活用するとともに、比較的新しく耐震化もされている県の配管へ給水機能を段階的に移行させてまいりたいと考えております。今議会においては、県の香南工業用水道から給水を開始するために必要な施設整備に関する補正予算案を提出させていただいております。
 今後、こうした対応を行っていくにあたっては、次の3つの理由により、県と香南市の工業用水道事業を統合した上で、県が主体となって事業を行うことが適当であると考えております。
 一点目は、企業への安定的な給水の確保であります。今後、県と市にまたがる複数の水源を活用し、迅速かつ柔軟に対応していくためには、両者の事業を一元化し、責任の所在を明確にしておくことが必要であります。その際には、専門の技術職員を有する県に一元化することが適当であると考えております。
 二点目は、給水コストの削減であります。両工業用水道事業を統合することにより、人件費などの共通経費の削減が可能となります。さらに、香南市が単独で工業用水道事業の運営を継続する場合は、将来的に設備の更新や配管の耐震化に多額の費用が発生することとなりますが、先ほど申し上げましたように、最終的に県の配管を活用することにより、これらの費用が不要となります。
 三点目に、事業の統合を行わず、県の香南工業用水道から市の工業用水道に給水を行うことは卸売りに当たり、そもそも法律上認められていないという問題もあります。
 こうしたことから、地元関係者のご理解もいただきながら、これまで香南市と協議を進めてきた結果、このたび、統合に向けた手続きを進めていくことについて合意に至ったところです。
 この両工業用水道事業の統合によりまして、丸三産業に対し、責任を持って、技術面、費用面で安定的な給水を確保できることに加え、県全体として、次の3つのメリットが生じることとなるものと考えております。
 まず、県としましては、平成14年度の完成以来、長らく活用の見通しが立っていなかった香南工業用水道を本格的に稼働させることが可能となります。
 また、香南市としましては、工業用水道事業を県へ移管することに伴い、将来発生する設備の更新や配管の耐震化に要する多額の費用が不要となります。
 加えて、香南工業用水道の本格的な活用に向けた目途が立ったことから、川谷刈谷工場用地の分譲において、同用水の大量使用という条件を大幅に緩和することが可能となり、企業誘致の促進と新たな雇用の創出につながるものと期待されます。
 以上のように、今回の工業用水道事業の統合は、県、香南市、企業誘致のいずれにとりましても大いにメリットがあるところであり、いわば「三方良し」と言えるものではないかと考えているところです。
 今後は、一連の取り組みを通じまして、丸三産業の工場への安定的な給水を図るとともに、川谷刈谷工場用地への早期の企業誘致を実現し、さらなる雇用の創出や経済波及効果の発現につなげてまいります。

4 日本一の健康長寿県づくり
 次に、日本一の健康長寿県づくりの取り組みについてご説明申し上げます。
(1)地域包括ケアシステムの構築
 まず、「地域地域で安心して住み続けられる県づくり」の実現に向けては、本年度から県内の各地域において、医療、介護、福祉のサービスが連携し、切れ目のないサービス提供を可能とする「高知版地域包括ケアシステムの構築」の取り組みを加速しております。
 具体的には、各福祉保健所に配置している地域包括ケア推進監を中心に、市町村や関係者の皆様と、それぞれの地域におけるネットワークづくりに向けて協議を進めているところです。
 この中において、入院時から退院後の生活を見据えた支援が十分でないことや、在宅生活を支える訪問看護や介護のサービスが不足していることなど、地域ごとの課題について関係者が認識を共有してきているところであり、今後、入退院から在宅生活への円滑な移行や在宅サービスの量的、質的拡充のさらなる加速化などに向けて、具体的な議論を深めてまいります。

 (地域医療介護情報ネットワークシステム)
 また、この地域包括ケアシステムを支える取り組みとして、高知県医師会や医療機関により構成される協議会において、病院や薬局、介護事業所などが保有する医療や介護の情報をICTを通じて共有する「地域医療介護情報ネットワークシステム」の構築を進めているところです。これにより、患者の治療内容などの情報を関係機関が共有し、効果的な治療はもとより、重複検査や医薬品の重複投薬の防止につながることが期待されます。
 さらに、同ネットワークシステムと、在宅患者の日々の状態を関係者間でリアルタイムに情報共有する「高知家@ライン」との連携を図ることにより、各地域における医療、介護、福祉の情報が切れ目なくつながるネットワークが広がり、高知版地域包括ケアシステムの構築が大いに加速するものと考えております。
 今議会においては、同ネットワークシステムの整備を推進するための補正予算案を提出させていただいているところです。

 (介護医療院)
 本年4月に、慢性期の医療や介護ニーズに対応するための介護医療院が制度化されたところであり、これにより療養病床の移行先の選択肢が広がるとともに、高齢者の生活の質、いわゆるQOLの向上にもつながるものと期待されております。これまでに3医療機関などが介護医療院に転換し、さらに複数の医療機関においても転換の検討が進められているところです。
 引き続き、セミナーの開催などを通じて参考となる先行事例を紹介するとともに、転換を機に行う耐震化などに県独自で上乗せ支援を行うなど、介護医療院への円滑な転換を支援してまいります。
 以上のような一連の取り組みを通じて、支援の必要な高齢者の皆様を、本人の意向に沿った、QOL上最もふさわしいサービスにつなぐことができる高知版地域包括ケアシステムの構築を進めてまいります。

(2)高知家健康会議
 先月、官民協働で健康寿命の延伸を図るとともに、高知版地域包括ケアシステムの構築に取り組んでいくことを目的として、「高知家健康会議2018」を開催しました。この会議の趣旨に賛同いただいた県内の医療関係団体や経済団体、行政機関など幅広い分野から約250名の方々のご参画を得たところです。
 第1回目となる今回の会議においては、日本医師会の横倉会長より、持続可能な社会保障制度を構築するための健康づくりの重要性などについてご講演いただくとともに、県内企業による健康経営の優良事例が発表され、今後の取り組みを進める上で大いに参考となる有意義な機会をもつことができました。
 引き続き、同会議を定期的に開催することを通じて、本県の抱える課題を関係者間で共有するとともに、県内外の先進的な事例を学び合い、官民一丸となって、日本一の健康長寿県構想の取り組みを推進してまいります。

(3)「健康立国宣言」
 また、本年7月の全国知事会議で決議された「健康立国宣言」に基づき、私が委員長を務める全国知事会社会保障常任委員会を中心に、持続可能な社会保障制度の構築に向けた取り組みが精力的に進められております。
 具体的には、まず、全都道府県が参画する勉強会を立ち上げ、社会保障制度に造詣の深い有識者からご意見を伺い、持続可能な制度構築のために必要な施策の方向性などについて議論や検討を行っているところです。
 あわせて、各都道府県の先進事例や優良事例をお互いに学び合い、横展開を図るとともにそれぞれ深化させていく取り組みを、全国知事会を挙げて組織的に進めていくこととしております。先月までに「重症化予防」、「医薬品の適正使用」、「仕事と子育ての両立支援」、「地域医療構想の実現」など21のカテゴリーからなるワーキングチームを立ち上げ、順次、活動を開始するとともに、これまでの活動から見えてきた方向性や、横展開を進める上での課題などについて中間取りまとめを行い、国などに対して提言活動を行いました。
 本県においてもワーキングチームで情報共有される他県の優良事例からしっかりと学び、取り入れていくことにより、重症化予防などの取り組みをさらに深化させてまいりたいと考えております。

5 教育の充実
 次に、教育の充実に関する取り組みについてご説明申し上げます。
(1)小中学校における学力向上対策
 (高知市との連携)
 小中学校における学力向上対策に関しては、今後、県内の児童生徒の約半数を抱える高知市内における取り組みを強化することが不可欠であります。同市の全国学力・学習状況調査の結果において、小学校は、ここ数年下降傾向にあり、また、中学校は、特に数学について全国平均や県平均を大きく下回る大変厳しい状況にあることを踏まえ、本年度当初から、県市が連携を強めて、高知市内の小中学校に対する訪問指導体制を強化しております。
 さらに、本年8月に開催した県と高知市との教育に関する連携会議において、高知市長から、高知市の厳しい現状を学校はもとより保護者とも共有しながら学力向上対策をさらに進めていきたいとのお話を伺ったところです。
 このことを受けて、本年4月より県から7名の指導主事を派遣している高知市学力向上推進室の活動に、10月から新たに県教育委員会の指導主事3名を加え、特に課題の見られる学校への訪問指導を強化しております。これにより、本年4月から10月末までの間に延べ1,185回の学校訪問が行われ、数学の授業や教科会に対して指導助言が実施されるなど、授業改善を徹底する取り組みが進んできております。この訪問指導に関して、学校現場からは「新学習指導要領に基づく授業づくりへの理解が深まり、授業改善や教科会の充実につながっている」といった声を伺っており、訪問を要請する声も多く上がってきております。このため、現在、県と高知市との連携によるさらなる取り組みの拡充について検討を進めているところです。

 (教科のタテ持ちの推進など)
 また、県全体の取り組みに関しては、複数の教員が学年をまたがり同じ教科を担当する「教科のタテ持ち」を実施する中学校が31校となり、同じ教科の教員が少ない学校において教科の枠を越えて教科間連携に取り組む中学校も11校となるなど、定期的な教科会などを通じて教員同士が学び合い、組織的に授業改善を行う取り組みも広がってきております。
 今後は、これらの取り組みを県内の市町村立中学校103校全てに展開するとともに、小学校においても、若年教員を育成するためのメンター制度の導入をはじめOJTの推進に資する新たな取り組みを始めるなど、不断に授業改善を図る仕組みを県全体において構築してまいりたいと考えております。

(2)高等学校における学力向上対策
 次に、高等学校における学力向上対策に関しては、本年度に設置した学校支援チームが10月末までに延べ655回の学校訪問を行うなど、授業改善やカリキュラム・マネジメントの充実に向けた指導、助言に取り組んでおります。
 こうした取り組みを通じて、教員の授業改善に対する意識改革が着実に進むとともに、9月に実施した3教科の学力定着把握検査において、進学や就職に支障を及ぼすレベルの学力とされているD3層の生徒の割合が過去最少となり、国立大学への合格レベルとされるA層の生徒の割合が過去最多となるなど、各学校の学力向上に向けた取り組みの成果が表れ始めております。
 一方で、授業改善の取り組みが学校全体にまでは広がっておらず、また、生徒の多様な進路希望への対応の充実も求められております。
 このため、学校支援チームによる訪問指導のさらなる充実を図り、授業改善や学力定着把握検査によるPDCAを徹底することに加え、生徒の多様な進路を支援する取り組みへの助言を強化するなど、各学校の課題解決につながる取り組みをさらに進めてまいりたいと考えております。

(3)高等学校再編振興計画後期実施計画
 次に、県立高等学校再編振興計画の後期実施計画についてご説明申し上げます。
 高等学校は、地域における教育の重要な拠点であるとともに、住民の皆様の生活にも関わる大切な施設であり、とりわけ中山間地域においては、地域唯一の後期中等教育機関として、その存在意義はより大きなものがあります。さらには、中山間振興の核ともなり得ることから、地理的条件や学校の規模に影響されることなく、可能な限りその機能の維持、拡充を図っていくことが重要であります。
 このため、少子化の進行に伴い、一層の生徒数の減少が見込まれる中、地理的条件や学校規模に影響されない充実した教育環境の実現をいかにして図っていくのか、また、地域と連携した魅力ある学校づくりをどのように進めていくのか、さらに、近い将来に起こりうる南海トラフ地震に備えて、いかに安心安全な教育環境の整備を図っていくのかなどといった視点から、教育委員会協議会において18回の議論を重ね、現在、今後5年間で実施すべき施策について、最終的な取りまとめを行っているところです。
 今後は、中山間地域の小規模な高等学校においても、生徒が希望する進路を実現できる学習環境の整備に向けて、遠隔教育システムなどのICTを活用した教育環境の充実に取り組んでまいります。
 また、地域外からも生徒を呼び込み、地域の活性化にもつなげることができるよう、各学校の教育内容や部活動の充実を図るとともに、それぞれの学校においてより一層の特色づくりを図る取り組みも進めてまいります。さらには、地元の市町村や企業などと連携しながら、地域課題の解決に生徒が主体的に取り組む「探究的な学び」を推進するなど、地域の将来を支える人材の育成を進めてまいります。
 加えて、安芸中学校・高等学校と安芸桜ケ丘高等学校については、南海トラフ地震に備えるとともに、適正規模を維持しながら教育活動の充実を図るために統合を行うこととし、東部地域の活力ある拠点校として整備してまいります。
 さらに、清水高等学校については、地震による津波被害から確実に生徒や教職員を守るために、高台への移転を進めることとしております。
 同計画に基づき、こうした取り組みを着実に実行していくことにより、県立高等学校のさらなる振興を図ってまいりたいと考えております。

6 南海トラフ地震対策など
 次に南海トラフ地震対策及び豪雨災害対策についてご説明申し上げます。
(1)第3期計画の総括
 南海トラフ地震対策に関しては、平成28年度から本年度までの3年間を計画期間とする「第3期南海トラフ地震対策行動計画」に基づき、「命を守る」、「命をつなぐ」、「生活を立ち上げる」対策にそれぞれ取り組んでまいりました。
 こうした取り組みの結果、揺れや津波から命を守るための避難空間の整備や公共施設の耐震化が概ね完了するとともに、助かった命をつなぐための迅速な応急活動に向けた体制の充実や避難所の確保などが着実に進んでまいりました。今後は、それぞれの対策に関し、次のステージに向けてさらに対策を着実に進めていくとともに、これまで取り組みを行ってきたが故に見えてきた新たな課題に対応していく必要があると考えております。
 例えば、「命を守る」対策に関しては、避難路、避難場所については、計画していた1,445カ所の整備が完了し、津波避難タワーについても計画総数115カ所に対して111カ所が完成するなど、津波避難空間の確保は着実に進んでまいりましたが、他方で、津波避難経路の現地点検の結果、老朽住宅やブロック塀の倒壊により避難経路をふさぐ恐れがあるなどの課題が明らかとなったことから、今後は、市町村と連携してその安全対策を加速する必要があると考えております。また、住宅の耐震化については、計画期間中の目標である4,500棟は達成する見込みとなったものの、依然として耐震化が必要な住宅が数多く残っておりますことから、所有者に対する啓発など住宅の耐震化の取り組みを進めていくことが引き続き必要です。
 次に、「命をつなぐ」対策に関しては、道路啓開計画について実効性を高めるための改定を行ったほか、物資配送や燃料確保、医療救護などの応急活動に必要な各種計画を策定しました。このうち、応急期機能配置計画については全市町村で策定が完了し、個々の市町村で確保できなかった応急活動の拠点などの機能については県内の各圏域内で機能を補完する広域調整を行ったところです。しかし、それでもなお、避難所や応急仮設住宅の建設用地、災害廃棄物の仮置場については、計画における必要な量を確保する見通しが立たないことから、民地の活用も含め、対策のさらなる強化を図っていかなければならないと考えております。
 また、「生活を立ち上げる」対策に関しては、事業者の業務継続計画について、講演会やセミナーの開催、個別支援などにより策定率が向上し、様々な産業分野において事業の継続性が高まったものの、迅速な復旧、復興を実現するためには各分野においてさらなる事前対策が必要であります。
 第4期計画においては、こうした第3期計画の総括を進める中で見えてきた課題に対する対応を確実に盛り込むことに加え、対策の時間軸をこれまで以上に長く捉えた取り組みを充実強化してまいります。

(2)南海トラフ沿いの異常な現象への防災対応
 次に、南海トラフ沿いで異常な現象が観測された場合に臨時に発表される「南海トラフ地震に関連する情報」への対応については、本年3月に設置された国の中央防災会議のワーキンググループにおいて、臨時情報が発表された場合に住民や企業がとるべき防災対応の方向性や具体的な取り組みに関して議論が進められてきました。私も委員として積極的に議論に参加してきたところであり、今後、年内を目途に取りまとめが行われることになっております。
 こうした中、本県においては、この臨時情報がいつ発表されても対応できるように、当面の対応方針について市町村と協議を進めてきたところです。
 これまでに3回の会議を行い、県内で統一的に行う防災対応として、家具の固定や物資の備蓄を呼び掛けるとともに、避難に時間を要する避難行動要支援者のための避難所を開設することなどを取り決めました。
 今後は、避難所の開設や運営に係る市町村の負担を軽減するための県の支援内容について検討を進めるほか、県民の皆様に臨時情報について正しく知っていただくための啓発や広報の方法などについて、関係者と協議を重ねてまいります。
 県としましては、この臨時情報を防災対応に生かし、一人でも多くの県民の皆様の命を守ることができるよう、国における議論の動向を注視しつつ、市町村と連携しながら、必要な取り組みを進めてまいります。

(3)豪雨災害対策推進本部
 豪雨をはじめ暴風や高浪などの災害対策に関しては、本年9月から「豪雨災害対策推進本部」を新たに設置し、平時から部局横断的にハード、ソフト両面で対策を推進していくこととしております。
 まず、先の7月豪雨やその後の台風によってもたらされた多岐にわたる甚大な被害に関しては、第一に公共施設などの早期復旧、第二に被災者の生活再建、第三に経済被害への対応といった3つの点について、先の補正予算も活用して迅速に対応を進めております。
 また、今後の豪雨などに備えてインフラ整備が必要な箇所や、土砂や流木の撤去を要する危険な箇所を洗い出すとともに、豪雨の際は防災行政無線の音声が聞こえづらいといった課題を踏まえ、情報伝達手段の多重化などについて検討を進めております。あわせて、国に対して中小河川の治水対策の強化などについて政策提言を行うなど、国を巻き込む視点も持って取り組んできたところです。
 引き続き、全庁を挙げて取り組むべき対策について知恵を絞り、県全体の豪雨への防災・減災能力を高めてまいります。

7 インフラの充実と有効活用
 次に、インフラの充実と有効活用についてご説明申し上げます。
 先月、四国8の字ネットワークを構成する片坂バイパスが開通し、これまで本県を東西に分断してきた焼坂、久礼坂、片坂という3つの交通の難所が全て解消するという歴史的な日を迎えることができました。このバイパスは、県中央部と西部とのアクセスをさらに向上させ、地産外商や観光振興の推進に大いに寄与するとともに、南海トラフ地震をはじめとする災害時には円滑な救援活動や物資輸送を可能とする「命の道」としての役割を果たすことが期待されるところです。
 今後につきましても、2020年度までに中村宿毛道路や高知南国道路の全線開通が予定されるなど、四国8の字ネットワークの完成に向けて、一歩一歩着実に前進をしております。
 引き続き、災害に強い高速道路ネットワークの整備が推進されるよう、全国高速道路建設協議会の会長として、高速道路のミッシングリンクを抱える他県の知事とも連携し、国などに対して積極的に政策提言を行ってまいります。
 また、先月、西日本高速道路株式会社から、7月豪雨により流失した高知自動車道立川橋を来年の夏休み前までに復旧させ、大豊から新宮間の対面通行を解消するとの発表がなされました。県としましても、復旧工事が円滑に進められるよう同社や関係機関と連携し、全力で取り組んでまいります。

8 スポーツの振興
 次に、スポーツの振興についてご説明申し上げます。
 第2期スポーツ推進計画に基づくスポーツ振興の取り組みにつきましては、関係者の皆様から幅広いご意見をいただきながら、PDCAサイクルを徹底し、着実に推進しております。
 特に、競技力の向上に関しては、現在10競技団体において全高知チームの活動が行われており、全国トップレベルの指導者の下、質の高い強化練習が実施されているところです。先に行われた国民体育大会においては、ラグビーの少年男子が県勢で初めての勝利を挙げるなど、全高知チームの取り組みが成果につながったものも見受けられます。
 しかしながら、男女総合得点で競う天皇杯において本年度も最下位となり、これで5年連続最下位という大変厳しい結果となったところです。この厳しい現状について、関係者の皆様と改めて危機感を共有させていただくとともに、本県の取り組みに何が足りないのか詳細に分析し、競技力向上の施策をさらに加速してまいりたいと考えております。
 このため、県と県体育協会、各競技団体の3者により、全高知チームの強化計画に沿った取り組みを再度検証し、来年の国体に向けた短期的な対策と、それ以後の中期的な対策を明確化して、それぞれの目標に沿ったPDCAサイクルをもう一段強化してまいります。
 また、現在、春野総合運動公園で整備を進めているスポーツ医科学拠点において、それぞれの競技に応じた科学的、合理的な練習方法を提供できるよう、競技ごとの年間計画の策定や専門家によるサポートチームの編成などについて検討を進めているところです。
 全高知チームの取り組みなどが着実な成果につながり、本県の競技力がさらなる高みに到達できるよう、引き続き県体育協会と共に競技団体を全力で支援してまいります。

9 その他
(1)新たな管理型最終処分場の整備
 産業廃棄物の新たな管理型最終処分場の整備については、本年2月1日に、須崎市神田、香南市香我美町上分、佐川町加茂の3カ所が最終候補地として選定されて以降、県として、丁寧な上にも丁寧に誠意を持って対応するとの考えの下、住民説明会やエコサイクルセンターの見学会を重ねて開催し、説明を続けてまいりました。
 こうした説明と並行して、各候補地及び周辺における施設整備上の課題などを把握するため、現地調査を実施し、その結果も県議会や3市町の皆様にご説明させていただきました。
 また、説明会資料と併せてアンケート用紙を3地区の各戸にお配りさせていただき、説明会にご参加いただけていない方々についても、ご理解を深めていただけますよう取り組んできたところです。
 さらに加えて、皆様から頂戴したご意見やご質問に関する県の考えを改めて質疑応答集として整理し、各戸にお配りさせていただきました。
 こうした一連の説明を通じて、住民の皆様には、最終処分場の必要性そのものについては概ねご理解をいただけたのではないかと考えておりますが、他方で、地震による水漏れや土砂災害への心配をはじめとする様々な不安の声や、ご自身の地域には施設を造ってほしくないといった声もいただいてきたところであり、こうした住民の皆様のご意見には3市町間で大きな差があるとは言い難い状況です。
 他方、地元への説明を重ねる中で、住民の皆様の心配の声やご意見は、自然災害への不安や施設整備による生活環境への影響といったことに論点が絞られてまいりました。加えて、施設整備に合わせた周辺の環境整備に関し、より具体的なご質問やご意見も多くいただくようになりました。
 こうした状況の下、今後、県として、住民の皆様の声にしっかりとお答えしていくためには、ボーリング調査や設計などの過程を通じて、個別の対策について検討を深め、詳細かつ具体的にご説明をさせていただくことが必要となります。しかし、これには地権者の承諾や相当の費用を要することから、現段階において候補地を1カ所に絞り込ませていただき、次のより詳細な検討の段階に進ませていただくことが適当ではないか、と考えるに至ったところです。
 これまで申し上げてきましたとおり、候補地の絞り込みにあたっては、まずは、現地調査の結果に基づき、科学的かつ合理的に検証を行うことが重要であると考えております。このため、現地で行った地形や地質に関する調査、水に関する調査、候補地周辺に関する調査の結果と、南海トラフ地震による津波の影響に関する評価を合わせた4点の項目について、科学的かつ合理的な視点から検討をいたしました。
 1点目の地形や地質に関しては、住民の皆様からも土砂災害などについて多くの心配の声をいただいたところです。現地調査の結果によれば、須崎市神田及び香南市香我美町上分の候補地及び周辺において、小規模ではあるものの土石流など自然災害の痕跡が確認されておりますが、こうした自然災害の痕跡については、施設の設計を行う際の検討によって対応することが可能であると考えております。
 佐川町加茂は、石灰岩採掘跡の平坦地であり、自然災害の痕跡は確認されていないものの、周辺では小規模な洞穴が2カ所確認されておりますことから、候補地の地下に空洞がないとは言い切れませんが、万が一空洞が確認された場合においても、構造物に対する支持力を十分に確保する工法により対応することが可能であると考えております。
 2点目の水に関する調査に関しては、住民の皆様からも処分場からの水漏れによる下流への影響などについて多くの心配の声をいただいたところです。現地調査の結果からは、3カ所ともに周辺流域への地下水の大きな流動は確認されず、特段の課題は見受けられませんでした。また、処分場の整備にあたっては、処理水を一切外へ出さない設備を完備し、国の基準を超える遮水構造とするとともに、南海トラフ地震で想定されている最大震度を超える地震にも耐えられる施設とするなど、万全の対策を取ってまいります。
 3点目の候補地周辺に関する調査に関しては、住民の皆様から生活への影響を不安視する声を多くいただきました。この点、既存道路を利用して進入道路を整備する案では、工事用車両などの通行に伴う沿道の住家や農業用ハウスへの粉じんや騒音の影響、交通安全上の懸念、拡幅工事に伴う住家の移転など、3カ所それぞれにおいて住民の皆様の生活に少なからず影響を及ぼす恐れがあります。
 一方、進入道路を新設する案では、既存道路を利用する整備案と比べると住民の皆様の生活に及ぼす影響は小さいと考えられますものの、須崎市神田においては農業用ハウスの移転が必要となりますし、また、香南市香我美町上分は整備するトンネルの入口周辺に住家があるといった状況にあります。この点、佐川町加茂は沿道に住家などのないルートとなるため、そうした影響は最も小さいものと考えられます。
 4点目の南海トラフ地震による津波の影響に関しては、高知市中心部から処分場へ通行することを想定した場合、須崎市神田は経路の一部が津波による長期浸水エリアとなっており、一定期間アクセスが困難となります。香南市香我美町上分は、経路の一部が長期浸水エリアとなっておりますものの、迂回することによりアクセスは可能であります。佐川町加茂は、内陸部を通行するため、浸水の影響を受けることなくアクセスが可能であります。
 このような現地調査の結果などを総合的に勘案しますと、県としては、施設整備による地域の皆様の生活への影響が最も小さく、地震による津波の影響を受けることがないと考えられる佐川町加茂において進入道路を新設する案が、科学的かつ合理的な視点からも、また住民の皆様の不安の声に鑑みても、最も有力ではないかと考えているところです。
 つきましては、本議会において、この絞り込みの考え方について、より丁寧にご説明させていただいた上で、議員の皆様のご意見を踏まえ、県として候補地を1カ所に絞り込みたいと考えております。
 1カ所に絞り込みを行った後は、その地域の実情に応じた個別具体的な対応を含めてお話し合いをさせていただき、より多くの皆様にご理解を深めていただけますよう、一段と丁寧に取り組んでまいります。

(2)障害者雇用について
 先の9月定例会でご説明させていただいたとおり、障害者雇用に関し、本県の知事部局と公営企業局において、法定雇用率を達成していない状況であることが明らかとなりました。その要因としては、国への障害者雇用状況の報告にあたり、国の通知やガイドラインの確認が不十分であったこと、人事申告があった後の障害者手帳所持の状況確認がずさんであったこと、対象者かどうかを医学的に不十分な知識によって判断していたこと、の3点が挙げられます。
 さらに申し上げれば、庁内に向けて、適切な運用を行うための明確な基準が示されてこなかったことに原因があるものと考えております。
 これまでの対応は、法定雇用率を満たすために障害者雇用の対象となる職員の数を意図的に「水増し」しようとしたものでは決してありませんが、法定雇用率を達成していると誤認してきたことにより、その分、障害者の方々の就業の機会を失わせる結果となってしまいました。改めて、範を示すべき立場にある県として、深く反省しております。
 県庁組織として、責任の所在を明らかにしけじめを付けた上で、早期に法定雇用率を達成していく必要がある、と考えております。このため、障害者雇用に係る行政運営上の明確な基準が庁内に向けて示されるべきであったのに、そうされてこなかったことなどについて、このたび、私を含む関係者の処分を行うことといたしました。
 また、これまで不十分であった運用の基準については、既に、本年8月の関連調査時に、国の通知やガイドラインに沿ったより厳格なものを示したところです。
 今後、この厳格な基準に基づいて法定雇用率を早期に満たすことができるよう、最大限努力しなくてはならないと考えております。まずは、正職員の障害者枠採用試験を追加で実施することとしました。その際には、受験年齢の上限を34歳から39歳に引き上げるとともに、身体障害者の方に加え、知的障害者及び精神障害者の方にも広く門戸を開くこととし、一昨日から募集を開始いたしました。
 今後とも、障害者手帳の有無に関わらず、障害のある職員が働きやすい環境づくりに努め、より一層障害者の雇用の推進に努めてまいります。

(3)「第38回全国豊かな海づくり大会~高知家大会~」
 本年10月、天皇皇后両陛下の御臨席を賜り、「明治150年記念 第38回全国豊かな海づくり大会~高知家大会~」を開催いたしました。明治150年という節目の年に、平成最後の三大行幸啓となる大会を本県で開催できましたことは、歴史上の縁に鑑みても大変光栄なことであり、多くの県民の皆様にとりましても大変喜ばしく、感慨深い機会となったのではないかと感じております。
 3日間の行幸啓を通じまして、約7万人もの県民の皆様方が天皇皇后両陛下を奉迎されました。両陛下におかれましては、沿道や御訪問先において、何度も繰り返しお手振りをなされるなど、県民に大変親しく接してくださいました。私としましても、天皇皇后両陛下が国民一人ひとりをとても大切になされておられますことに改めて深く感じ入り、大変感銘を受けたところです。
 本大会の行事中、高知市文化プラザかるぽーとで開催された式典においては、県内の児童生徒や若手漁業者の皆様により「海づくり八策」が力強く発信されるとともに、土佐市宇佐しおかぜ公園においては、県内の代表的な漁法を紹介する海上歓迎パレードや、イサキやイシダイの稚魚の放流などが行われました。
 これらの行事に関しまして、天皇皇后両陛下から「とっても立派な行事で、本当にいい行事だった」との大変有り難いお言葉があったと侍従の方より伺ったところであります。
 改めて、このたびの行幸啓に関し、県民を代表いたしまして、天皇皇后両陛下に心から厚く御礼を申し上げます。
 また本大会の開催にあたり、ご協力いただきました県内漁業者の皆様、準備をされた実行委員会の皆様、国や関係機関の皆様、さらには数多くの県民の皆様に改めて心より御礼申し上げます。
 本大会の開催を契機として、森、川、海のつながりを意識しながら自然環境を守り育てる気持ちや行動の大切さを、次の世代へしっかりと伝えてまいります。あわせて、本県の豊かな水産資源や自然環境を未来へ引き継いでいくための保全活動をなお一層推進してまいります。

10 議案
 続きまして、今回提案いたしました議案についてご説明申し上げます。
 まず予算案は、平成30年度高知県一般会計補正予算などの8件です。
 このうち一般会計補正予算は、先ほど申し上げました経済の活性化などの経費として、28億8千万円余りの歳入歳出予算の補正などを計上しております。
 条例議案は、高知県住宅宿泊事業法に基づく住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例議案など7件であります。
 その他の議案は、平成31年度当せん金付証票の発売総額に関する議案など11件であります。
 以上をもちまして、議案提出にあたっての私からの説明を終わらせていただきます。
 何とぞご審議の上、適切な議決を賜りますようお願い申し上げます。

 

高知県 総務部 秘書課

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