高知県図書館振興計画 【平成30年度~10ヶ年】 高知県教育委員会 はじめに 図書館は、図書や雑誌、新聞、視聴覚資料のほか、情報のデジタル化の進展に伴って、データベースや電子書籍といったデジタル資料等も提供するようになりました。また、インターネットの活用により、図書館に行かなくても利用できる図書館サービスも増えてきています。 図書館で必要な情報を幅広く、迅速に得られるようになり、読書や生涯学習、調査研究の調べものなどで活用することや暮らしや仕事で生じる課題を解決するなど、図書館は、「地域を支える情報拠点」として位置づけられ、「地域や住民に役立つ図書館」として認識されつつあります。 平成30年7月、全国で初めて、オーテピア高知図書館が、高知県立図書館と高知市民図書館本館との合築による図書館として開館します。 オーテピア高知図書館は、本県の読書・情報環境の改善に寄与し、県民や市民の暮らしや仕事の中で生じる様々な課題の解決に役立つよう、「オーテピア高知図書館サービス計画」(平成29年1月策定)の中で、課題解決支援サービスや市町村立図書館等への支援の充実・強化を図ることとしています。 本計画は、オーテピア高知図書館の県立図書館機能として整理した「市町村立図書館等への支援」等に、県の新たな取組を加え、県内全域の図書館振興に取り組むにあたっての基本理念や中長期的に目指す姿、取組の方向性等を明らかにし、県と市町村がベクトルを合わせて各取組を進め、本県の読書・情報環境の改善につなげることを目的に策定したものです。 本県の図書館振興は、市町村の図書館の振興がなくてはあり得ません。本計画の取組を着実に進めることにより、本県の全ての図書館が、「生涯にわたって地域で学び続けることのできる読書・情報環境を提供する図書館」として、県民にとって欠かせない存在となるよう取り組んでまいります。   最後になりましたが、本計画の策定にあたり、高知県図書館振興計画策定検討委員会の委員の方々をはじめ、県民の皆様から貴重なご意見、ご提言をいただきましたことに対し、深く感謝いたします。 平成30年7月 高知県教育長          高知県図書館振興計画  目次 はじめに 第1章  計画策定にあたって・・・1ページ 1 計画策定の趣旨・目的 (1)図書館の役割 (2)県と市町村の役割 (3)高知県図書館振興計画策定の経緯 (4)図書館振興計画の策定の目的 2 計画期間 第2章 本県の市町村立図書館等の現状と課題・・・3ページ 1 本県の市町村立図書館等の現状と課題 (1)【人材(ヒト)】の現状と課題 (2)【本・情報(モノ)】の現状と課題 (3)【施設(ハコ)】の現状と課題 (4)本県の公立図書館と全国との比較 (5)本県の市町村立図書館と全国との比較 2 市町村事例・・・16ページ (1)事例1[津野町立図書館] (2)事例2[越知町立本の森図書館] (3)事例3[本山町立本山さくら図書室] (4)事例4[日高村立図書館 ~ほしのおか~] (5)事例5[梼原町立図書館] 3 市町村へのアンケート結果・・・21ページ 4 オーテピア高知図書館の開館・・・25ページ 第3章 図書館振興計画の基本理念・目指す姿・取組の方向性等・・・26ページ 1 基本理念 2 本県の図書館の目指す姿 3 取組の方向性(取組方針) 4 図書館振興計画で県と市町村の果たす役割 5 図書館振興計画の全体像 第4章 目指す姿・取組の方向性を踏まえたサービス・・・32ページ 1 県が行うサービス・取組 (1) 県立図書館による取組 (2) 市町村への取組(県による市町村立図書館等に対する取組) 2 市町村立図書館等が行うサービス・取組 (1) サービス計画に基づく12の支援を最大限に活かすための市町村の取組 (2) サービス計画を補強する取組 (3) さらに市町村立図書館等を充実するため市町村自らが主体的に行うべき取組 第5章 計画の点検・評価・改善・・・44ページ 第6章 成果目標及び参考指標・・・46ページ 資料編・・・47ページ 第1章 計画策定にあたって・・・1ページ                (1)図書館の役割 図書館は、住民の身近な場所にあって、資料の収集・保存・提供を通して、読書や調査研究等を支援し、「知る権利」や「学ぶ権利」を保障する基盤施設として重要な役割を果たしてきました。 現在では、こうした教育機関としての役割にとどまらず、暮らしや仕事の中で生じる様々な課題の解決などに役立ち、地域の活性化や産業振興にもつながる情報拠点としての役割も求められており、地域の課題や住民のニーズに対応した図書館サービスの充実を図る必要があります。 (2)県と市町村の役割 図書館サービスを、県民が身近な場所で受けられるようにするため、各市町村立図書館とそれを支える県立図書館は重要な役割を担っています。 図書館に関しては、法令等において、県や市町村に対し、図書館の設置や運営の充実について努力義務が定められ、更に、県は市町村に対し、必要な指導・助言等を行うことが定められています。 ○教育基本法(平成18年法律第120号) 第12条第2項 国及び地方公共団体は、図書館、博物館、公民館その他の社会教育施設の設置、学校の施設の利用、学習の機会及び情報の提供その他の適当な方法によって社会教育の振興に努めなければならない。 ○文字・活字文化振興法(平成17年法律第91号)  第7条 市町村は、図書館奉仕に対する住民の需要に対応できるようにするため、必要な数の公立図書館を設置し、及び適切に配置するよう努めるものとする。      2 国及び地方公共団体は、公立図書館が住民に対して適切な図書館奉仕を提供することができるよう、司書の充実等の人的体制の整備、図書館資料の充実、情報化の推進等の物的条件の整備その他の公立図書館の運営の改善及び向上のために必要な施策を講ずるものとする。 ○図書館の設置及び運営上の望ましい基準(平成24年12月文部科学省告示第172号) <県の役割> ・都道府県立図書館の拡充に努め、住民に対して適切な図書館サービスを行う。 ・当該都道府県内の図書館サービスの全体的な進展を図る観点に立って、市町村に対して市町村立図書館の設置及び運営に関する必要な指導・助言等を行う。 <市町村の役割> ・住民に対して適切な図書館サービスを行うことができるよう、市町村立図書館及び分館等の設置に努めるとともに、必要に応じ移動図書館の活用を行う。 ・市町村立図書館と公民館図書室等との連携を推進することにより、当該市町村の全域サービス網の整備に努める。 (3)高知県図書館振興計画策定の経緯 本県では、平成23年3月に高知県立図書館と高知市立市民図書館本館との合築により整備する新たな図書館の役割や機能等をとりまとめた「新図書館基本構想」が策定されましたが、その「あとがき」に、新図書館基本構想検討委員会から県に対して下記の記述が盛り込まれました。 県は、この要望を受け、新たな図書館(オーテピア高知図書館)と一体となって、県内の読書・情報環境を改善するため、高知県図書館振興計画(以下「図書館振興計画」という。)を策定することとしました。   なお、県と高知市は、平成29年1月に「オーテピア高知図書館サービス計画」(以下「サービス計画」という。)を策定し、サービスの提供体制の構築等に取り組んでいます。   (4)図書館振興計画の策定の目的 図書館振興計画は、上記の経緯を踏まえ、サービス計画の中でオーテピア高知図書館の県立図書館機能として整理した※「市町村立図書館等への支援」等を進め、更に県の新たな取組も加えて、県内の図書館振興に向けた基本理念や目指す姿、取組の方向性を明らかにし、県と市町村とでベクトルを合わせて、本県の読書・情報環境の改善等につなげることを目的に策定するものです。 ※オーテピア高知図書館は、県立図書館と高知市立市民図書館本館で構成しており、サービス計画には、共同で実施するサービスと、それぞれが独自に実施するサービスがあります。 ※図書館振興計画では、県立図書館機能として行うサービスを対象とし、本計画中の「オーテピア高知図書館」の表記は、県立図書館のことを指します。 計画期間は、平成30年度からの10年間とします。 なお、2年ごとに、計画の進捗状況、成果、課題等の点検を行い、必要に応じて施策等の追加や修正を行います。また、策定から5年を目安に中間検証を実施します。 第2章 本県の市町村立図書館等の現状と課題         県内の市町村における公立図書館の設置率は、平成28年4月時点で67.6%(23/34)となっています。平成25年以降に2町で公立図書館が新設され、1市1町で分館も設置されていますが、設置のない自治体数は11町村と全体の約3割を占め、特に中山間地域では、設置が進んでいない状況です。 ここでは、図書館に不可欠な3つの構成要素〔人材(ヒト)、本・情報(モノ)、施設(ハコ)〕の観点から、県内各市町村立図書館の現状をより正確に把握するため、人口規模区分別に5段階に分け、全国平均と比較し、現状と課題を明らかにしました。 まず、区分した段階及び図書館等の設置状況については次のとおりです。 高知県における人口規模区分及び図書館等の設置状況 区分A30万人以上35万人未満、図書館設置自治体数高知県1/1、全国17/17 区分B3万人以上5万人未満、図書館設置自治体数高知県3/3、全国189/241 区分C2万人以上3万人未満、図書館設置自治体数高知県5/5、全国142/159 区分D1万人以上2万人未満、図書館設置自治体数高知県6/6、全国215/293 区分E1万人未満、図書館設置自治体数高知県8/19、全国179/490 ※自治体数(市区町村(政令指定都市を除く))平成27年1月1日時点 ※高知県人口区分平成27年国勢調査 ※人口区分Bの中に人口4万人以上4万5千人未満の自治体は含めていない。 ※以下、各グラフにおけるA、B、C、D、Eの表示は、この区分表のとおり。 (1)【人材(ヒト)】の現状と課題 ○人口規模別専任職員数(全国との比較) ○専任の図書館職員数 県内公立図書館の総職員数(県立図書館職員数含む)は、平成22年度と平成28年度を比べると大きく増加していますが、専任の職員数は指定管理・委託等の増加に伴い減少しています。全国との人口規模別比較でも、1館当たりの専任職員数は、高知市を除いて全国平均を下回っています。 このため、専門的な図書館職員を計画的に育成し、資質向上を図ることが難しくなっている状況が見られます。 ○司書又は司書補配置図書館(29館/38館) ○人口規模別専任司書数(全国との比較) 県内の市町村立図書館(分館を含む38館)のうち、司書又は司書補が配置されていない図書館が9館あります。また、1館あたりの専任司書数も高知市を除いて、全国平均を下回っており、利用者の多様なニーズを踏まえたサービスを提供することが難しい状況です。 ○レファレンス・サービス受付件数 (自治体当たりの件数/全国との比較) 図書館の基本的なサービスである※レファレンス・サービス受付件数は、専任職員や、司書又は司書補が十分に配置できていないことなどから、人口1万人から2万人の自治体を除いて、全国平均を下回っている状況です。 ※レファレンス・サービス:利用者の問合せに図書館資料(図書や雑誌、新聞、データベースなど)を案内したり、図書館資料に基づいて回答するサービスのこと。 現状と課題1 専任の職員数は減少しており、22市町村で一館当たりの専任職員数が全国平均を下回っています。 専任職員の配置に努めるととともに、専任職員の確保が難しい小規模な図書館などにおいては、職員の資質向上やボランティアによる支援が大きな力になることから、今後も引き続き、体系的研修や個別研修等を実施し、人材の育成を図る取組を強化することが必要です。 また、市町村には研修等に職員等が参加しやすい環境の整備や図書館の運営や業務改善等の中核となる職員を育成していくことが必要です。 (2)【本・情報(モノ)】の現状と課題 ○県立図書館及び市町村立図書館の資料費(【日本図書館協会『日本の図書館』2010・2016年版】より) 高知県立図書館資料費 (H22:3,064万円)【40位】→(H28:8,881万円)【5位】 県内市町村立図書館資料費 (H22:11,925万円)【47位】→(H28:16,404万円)【42位】 ○県立図書館物流便によるサービスの充実 平成28年度より開館日は毎日発送 ○移動図書館車の所有 県内市町村立図書館(38館)のうち5館が所有 ○人口規模別図書館蔵書冊数(全国との比較) ○人口規模別図書購入冊数(全国との比較) 県立図書館及び市町村立図書館とも、資料費の総額を平成22年度と平成28年度で比べると増加していますが、人口規模別に蔵書冊数、購入冊数を全国平均と比較すると、高知市を除き全国平均を下回っています。特に、人口2万人から3万人の自治体においては、全国平均の半数程度に留まっています。 ○視聴覚資料の所有 県内市町村立図書館(38館)のうち29館が所有 ○人口規模別雑誌購入種数(全国との比較) ○人口規模別雑誌新聞費 ○人口規模別視聴覚資料費(全国との比較) 人口規模別に雑誌購入種数及び雑誌新聞費を全国平均と比較すると、人口3万人から5万人の自治体では全国平均並みとなっています。一方、視聴覚資料費については、いずれも全国平均を大幅に下回っています。 ※貸出冊数:年度の実績(貸出冊数《県立+市町村立図書館》)÷県内総人口《1月1日時点》【日本の図書館/日本図書館協会】 本県民の一人当たりの貸出冊数は、近年、全国平均よりほぼ1.5冊以上下回る値で推移しています。 現状と課題2 貸出冊数の推移では、全国平均に届かない状況が続いています。県立図書館及び高知市民図書館はオーテピア高知図書館開館に向け資料費を増額し、資料等を充実させていますが、他の市町村立図書館等も増額はしているものの全国と比較するとまだまだ低く、十分とはいえない状況です。 県立図書館は、資料や物流サービスを充実させ、市町村支援の強化を行っていますが、市町村立図書館等が、それらのサービスを十分に活用できる体制を整備することにより、県民が等しくサービスを受けられるよう取り組むことが必要です。 (3)【施設(ハコ)】の現状と課題 ○人口規模別図書館設置自治体数(全国との比較) ○人口規模別図書館延べ床面積(全国との比較) 図書館は、人口規模の小さな自治体(人口1万人未満)で設置が進んでいません。また、既に設置されている図書館も、延床面積が全区分において全国平均を下回るなど、十分な環境ではないことが伺えます。   地域の図書館は、子どもにとって学校以外で本と出会い、親しむことができる場所であることから、地域の子ども読書活動の中核となる役割を果たすことが求められます。 読書することが好きで、平日・授業以外で10分以上読書をする小・中学生は全国と比較 しても高い水準にあるなど、本県の子どもたちには、読書への親しみが育まれており、引き続き、地域の図書館など、子どもの読書環境の充実に取り組んでいくことが求められています。 図書館情報システム及び情報発信の状況 ※図書館情報システム:図書館において貸出返却、予約、蔵書検索等のサービスや、蔵書管理、統計処理等の業務を行うためのシステムのこと。 ※OPAC:『Online Public Access Catalog』の略称。利用者がコンピュータで蔵書検索を行うことができる目録。 OPACをインターネット上に公開(Web-OPAC)すると、図書館外からも蔵書検索ができるほか、複数の図書館の蔵書検索を一度に行う横断検索が可能になる。 図書館情報システムは概ね導入されてますが、インターネットを活用したサービスの提供や住民への情報発信の点では遅れが見られます。また、ホームページのコンテンツに関しても十分ではありません。 現状と課題3 県内の市町村における図書館の設置率は、平成29年5月時点で67.6パーセントであり、今後も、読書環境や情報拠点機能の地域間格差を解消していくための取組が必要です。 図書館サービスを提供する拠点として、公民館施設集落活動センタ-などの活用、複合施設として図書館を設置するなど、地域のニーズや意見などを踏まえ、それぞれの市町村の状況に応じて図書館施設や読書環境の姿を考えることが必要です。 (4)本県の公立図書館と全国との比較 (5)本県の市町村立図書館と全国との比較 ○我が国ではこれまで、公立図書館の全国基準として、昭和62年に日本図書館協会が「公立図書館の任務と目標」を作成したほか、文部科学省において「公立図書館の設置及び運営に関する基準」(平成13年からは「公立図書館の設置及び運営上の望ましい基準」、平成24年からは「図書館の設置及び運営上の望ましい基準」)を定めて公表していますが、*環境の急激な変化と図書館の多様性のため全国基準の作成は困難であることから、平成24年の改訂から数値基準を設定していません。         *出典【図書館情報学用語辞典】   ○こうしたことを踏まえ、本計画においてもあるべき図書館としての一律の数値基準は定めませんが、本県の市町村立図書館の振興に向けた取組を進めるため、その設置、運営に関して必要とされるサービス、資料、職員、施設等について、全国における現在位置を目安として整理します。 ○次ページ以降は、【延床面積】【蔵書冊数】【開架冊数】【資料費】【人口1人年間貸出点数】【専任職員数】について、日本図書館協会が発行する「日本の図書館2016」で公表された全国の市町村立図書館のデータを元に人口段階別に算出した「全国平均値」に対する県内の市町村立図書館の現在位置を表したものです。 ○市町村の現状を踏まえ、県は市町村とともに協議を進め、市町村は、計画的に現在位置を向上させるための取組を県とともに進めることに努め、計画期間が満了するまでに、すべての市町村が段階的に全国平均を超えることを目指します。 16ページ 県内では、地域の状況に合わせて創意工夫したサービスや、関係機関・団体との連携による取組等が見られます。また、地域住民の要望等に応え、様々な補助金や起債を活用するなどして、新たに図書館の建設を行った町村もあります。 そうした図書館の中から5つの事例を紹介します。 事例1 【津野町立図書館】 概要 人口:5,738人(H28.4推計)  ●新設。設置にあたっては住民を含めた図書館検討委員会を設けたほか、市立図書館長経験者をアドバイザーに迎え、購入資料や什器等の選定等を行った。 ●『公立図書館の任務と目標』(日本図書館協会)を念頭に、開館から5年で計5万冊の蔵書を整備することを目標とし、司書(臨時職員)も両館に配置した。 かわうそ館 設立年月 平成25年5月 専有延床面積 369㎡ 施設の特徴 旧保育所をコンバージョン 職員構成 図書館職員2名(司書2)、生涯学習課職員1名(専任) 蔵書冊数 40,831冊 資料費 9,832千円(1人あたり1,713円) 虎太郎館 設立年月日 平成26年4月 専有延床面積 175㎡ 施設の特徴 役場西庁舎を改修 職員構成 図書館職員1名(司書1名)、生涯学習課職員(兼任) 蔵書冊数 40,831冊 資料費 9,832千円(1人あたり1,713円) 個人貸出冊数 25,446冊(1人あたり4.4冊) 団体貸出冊数 4,238冊 統計:『日本の図書館』(2016) サービスの特色・主な取組  ■地域の特色や目指すサービスの方向性に沿った資料収集 ・医療健康関連資料(かわうそ館)/郷土資料(虎太郎館)を重点的に収集 ■積極的なアウトリーチ・サービス、地域連携 ・高齢者サロンや学校等への軽バンによる配本 ・出張おはなし会やストーリーテリング学校訪問の実施 ・読み聞かせボランティア勉強会の定期実施 ■職員の育成 ・県外の先進図書館への視察研修 ・県立図書館の勉強会(ストーリーテリング、ブックトーク)等への参加 ■居心地のよい空間づくり ・カフェスペースでのドリップコーヒーの提供(セルフサービス) 課題 ・町全域(特に山間部)へのサービス展開 ・働く世代の利用促進 ・医療健康コーナーの活用 事例2 【越知町立本の森図書館】 概要 人口:5,730人(H28.4推計) ●新設。全国の学校図書館の整備・活用促進に多くの実績を持つ赤木かん子氏をアドバイザーに迎える。配架方法や什器類の選定など、従来の型に捉われない明るく洗練された図書館となっている。 設立年月 平成25年7月 専有延床面積 453.6㎡ 施設の特徴 旧図書室を改装 職員構成 図書館職員2名(司書1)、社会教育係職員1名(兼任) 蔵書冊数 9,500冊 資料費 2,100千円(1人あたり366円) 個人貸出冊数 16,723冊(1人あたり2.4冊) 団体貸出冊数 1,780冊 統計::『日本の図書館』(2016) サービスの特色・主な取組  ■アウトリーチサービス ・病院や介護施設が多い町の特徴を踏まえ、入院患者に対して希望する図書を届ける配本サービスや施設への出張図書館(読み聞かせや図書コーナーの設置等)を実施 ■子どもの読書活動のハブとなることを目指した取組み ・多忙で来館が難しい中学生のために、学校図書室で町立図書館の本を受取・返却することを可能にする(プライバシーに配慮し、本は梱包して貸出) ・「町が所有する図書はすべての子どものもの」という観点から、図書館・学校・幼保の蔵書を一元的に所蔵登録し、相互活用する取組みを図書館主導で開始 ・小中学校図書館支援員+担当教諭との連絡会を毎月実施 ■地域との連携 ・地域おこし協力隊や横倉山自然博物館、公民館等との連携      課題 ・町民へのPR 事例3 【本山町立本山さくら図書室】 概要 人口:3,501人(H28.4推計)  ●公民館図書室。職員が常駐しておらず施錠されている事も多かったが、読書活動支援員の配置(H21~)を契機に、蔵書の整理や県立図書館の協力貸出の活用を進め、利用を大きく伸ばした。(貸出冊数H20:585冊→H22:5,136冊)。 施設建設年 昭和47年 専有延床面積 約50㎡ 職員構成 図書室職員2名(臨時1パート1) 社会教育班職員1名(兼任) 蔵書冊数 約6,588冊(登録済み資料) 資料費 (H29)360千円(1人あたり103円) 個人貸出冊数 8,665冊(1人あたり2.5冊) 団体貸出冊数 3,431冊 来館者数 3,880人 利用時間 火~金10:00~17:30(12:00~13:00休)、土日祝13:00~17:30 統計:県立図書館調査 サービスの特色・主な取組  ■常駐職員の配置 ・土日祝日も含めて開館時間には職員を常駐させることで、貸出やリクエストへのきめ細かい対応を実施。 ・利用者とのコミュニケーションの中から読み取ったニーズを基に、県の協力貸出や移動図書館からの選書を実施する ■Iターン・Uターンの利用者の獲得 ・日常的に図書館を利用していたIターン・Uターン者の獲得、口コミによる利用の広がり ・地域とのつながりの場としての図書室 ■基本的なサービスの徹底 ・利用者への声かけ、レファレンスやリクエストへの丁寧な対応、図書の展示、書架整理など、「一度来館した人にリピーターになってもらう」ことを目標に基本に忠実なサービスを行うことで、図書室に対する期待感・信頼感を生み出す 課題  ・資料費が少なく、協力貸出への依存度が大きい  ・施設の老朽化、狭隘化 【事例4】 【日高村立図書館 ~ほしのおか~】 概要  人口:5,141人(H29.4現在) ●建替え。旧保育園舎を利用していた施設の老朽化、住民からの強い要望等を受け、新図書館を建設。住民の交通の利便性や延床面積の確保を考慮し、旧図書館と同じ敷地に建設する。 ●蔵書冊数は5万冊を目標とする。 設立年月 平成28年7月 延床面積 661.5㎡(内 図書室364.5㎡,多目的ホール70㎡,テラス63㎡ 他) 施設の特徴 木造平屋建て(県産材使用)、イベント等にも利用可能なテラスを設置 蔵書冊数 30,396冊 資料費 4,527千円((1人あたり924円) 職員数 3名(司書1名) 個人貸出冊数 14,461冊(1人あたり3.0冊) 団体貸出冊数 2,566冊 総工費 280,996千円(「平成27年度高知県木造公共施設等整備事業補助金」活用) 新図書館建設の経過 平成10年2月 旧日下保育園舎を利用し、日高村立図書館コスモス文庫開館 新図書館建設の要望書が提出される 平成26年4月 図書館建設検討委員会発足 同 12月 建設準備のため仮設図書館へ移転 平成27年4月 図書館建設委員会発足 8月 新図書館工事開始 平成28年5月 新図書館竣工     7月 新図書館開館 新図書館の基本理念  ○人が育つ図書館 一人ひとりが自ら学び、知り、成長していく ○だれでも使える図書館 みんなが等しくサービスが利用できる ○知りたいに応える図書館 図書館に来れば知りたい情報が手に入る ○暮らしに寄り添う図書館 困りごと解決をする窓口的な機能 ○日高を記憶し、伝える図書館 日高の文化・歴史・行政資料の収集 【事例5】 【梼原町立図書館】 概要 人口:3,608人(H27.10現在)   ●新設。隈研吾氏の設計による町内6つ目の施設。地域コミュニティの中核として機能する集いの場として位置づけている。 設立年月 平成30年5月 延床面積 1858.29㎡(敷地面積3087.85㎡,建築面積1165.05㎡) 施設の特徴 高齢者福祉施設との複合施設 蔵書冊数 開架3万冊(予定) リベラルアーツから一般文芸書までバリエーションを工夫 雑誌や地域資料も積極的に収集 資料費 10,920千円(1人あたり3,027円) 職員数 8名(司書3名) 図書館建設に係る総工費 1,450,520千円(過疎債1,267,200千円、基金(夢未来)183,320千円) 図書館建設の経過  第六次梼原町総合振興計画における目指す社会 (1)自信あふれる梼原人を育てる教育の確立した社会 (2)人の尊厳が守られ「絆」を大切にする社会を平成32年度までにつくる。 社会の変化に対応した知識の共有と生涯学習の拠点として「図書館」を建設 図書館の基本理念と目指す姿  梼原町には家庭から地域まで支え合い生きる「絆」の文化が今も残っている。さらにその「絆」を大切にするため、コミュニケーションや交流を重視して「人と接することで安心感が生まれ、心のケアに繋がる、心の診療所」となるような図書館を思い描いている。図書館に集う人々が、多くの古典、良書を含む多様な書物に親しむことにより、真の教養を身に付け、自由闊達な雰囲気の中で、自律的に精神を養うことができる場所をつくる。 3 市町村へのアンケート結果 市町村立図書館(図書室)の振興に関する調査結果(H29.8月生涯学習課実施) 問1 貴市町村では図書館の振興・整備に関する計画がありますか。 計画あり 26% 計画なし 56% 検討中 18% 9市町村から計画があると回答を得た。うち、3市町村は新館建築にあたり策定した基本構想、整備・サービス計画である。その他は、市町村(子ども)読書活動推進計画を図書館の振興・整備計画に位置付けているとの回答であった。 問2 計画がある、または検討中の場合、どのような図書館を目指したいと考えていますか。計画がない場合は、地域にどのような図書館があれば望ましいと考えますか。(複数回答可) 回答のあった市町村数:32/34 1 興味・関心のある事柄の理解・学習に役立つ図書や情報がある 27 2 仕事に役立つ図書や情報がある 21 3 健康や医療・介護などに役立つ図書や情報がある 23 4 子育てに役立つ図書や情報がある 26 5 防災に役立つ情報がある 23 6 趣味や余暇を楽しむための図書がある 23 7 地域の行政・文化・歴史産業等について知ることができる 25 8 子どもが読書に楽しむことができる 29 9 子どもの学習に役立つ 27 10 講演会や映画会など、文化的な楽しみを得られる 15 11 図書館から遠い地域の住民や、病院や介護施設に入院・入所している人が利用できる 17 12 障害のある人が利用しやすい 19 13 電子書籍など先進的なサービスが利用できる 8 14 地域の交流・集いの場としての機能がある 17 15 ボランティアなどで住民が活動できる 15 16 地域公民館等の施設を利用した複合型図書館 8 17 学校図書館を拡充し、地域図書館と融合させた図書館 6 18 複数の自治体で設置する広域図書館 0 19 地域活性化の拠点となる図書館 17 20 その他 2 ※その他 ・レファレンスサービスの充実 ・子ども、高齢者、障害者、ひとり親等への支援機関と連携し、日常的な居場所としての機能の充実と人材配置 目指す図書館像は、子どもが読書に親しむことのできる図書館が最も多く、次いで、興味・関心のある事柄、子どもの学習、子育てに役立つ図書館が多くなっている。 一方、半数の市町村において、図書館が地域の交流の場や地域活性化の拠点となること、来館が困難な方の利用がしやすいことを目指している。 複数の自治体で図書館を設置することは考えられていない。 問3 目指す図書館を実現するために実施していること(実施予定又は必要だと思うこと)は何ですか。(複数回答可) ※実施市町村数:24/34 ※実施のない市町村数:10/34 1 専任の司書や職員の配置・増員 7 2 分館やサービスポイントの設置・拡充 3 3 移動図書館の運行 5 4 新刊書や幅広い分野の図書の充実 14 5 インターネット予約や宅配サービスなど、来館しなくても利用できるサービスの拡充 2 6 開館時間の延長 5 7 休館日の変更や削減 2 8 おはなし会や講演会などのイベントの充実 13 9 閲覧室や自習スペースの拡充 3 10 地域の保育所や小中学校に対するサービスの充実 18 11 障害のある方へのサービスの充実(施設バリアフリー化を含む) 5 12 電子書籍など新しいメディアの導入・充実 0 13 居心地の良い空間づくり 7 14 その他 1 ※その他・Wi-Fi環境の整備 目指す図書館の実現に向け、保育所や学校への図書の貸出や読み聞かせなど7割の市町村で取組が行われている一方、現在、何も実施していない市町村が3割(10/34)ある。                  【実施を予定していること】 実施有り+予定有り 6/34 実施有り+予定無し 18/34 実施無し+予定有り 3/34 実施無し+予定無し 7/34 1 専任の司書や職員の配置・蔵置 4 2 分館やサービスポイントの設置・拡充 0 3 移動図書館の運行 0 4 新刊書や幅広い分野の図書の充実 1 5 インターネット予約や宅配サービスなど、来館しなくても利用できるサービスの充実 1 6 開館時間の延長 3 7 休館日の変更や削減 1 8 おはなし会や講演会などのイベントの充実 3 9 閲覧室や自習スペースの拡充 3 10 地域の保育所や小中学校に対するサービスの充実 2 11 障害のある方へのサービスの充実(施設のバリアフリー化を含む) 3 12 電子書籍など新しいメディアの導入・充実 1 13 居心地の良い空間づくり 4 14 その他 0 目指す図書館の実現に向け、今後、取組を充実させようとしている市町村は3割弱にとどまっており、現在、何も実施しておらず、今後も充実を予定していない市町村が2割(7/34)ある。 【必要だと思うこと】 実施有り+予定有り+必要なこと有り:5/34 実施無し+予定無し+必要なこと有り:7/34 1 専任の司書や職員の配置・増員 22 2 分館やサービスポイントの設置・拡充 8 3 移動図書館の運行 8 4 新刊書や幅広い分野の図書の充実 16 5 インターネット予約や宅配サービスなど、来館しなくても利用できるサービスの充実 13 6 開館時間の延長 7 7 休館日の変更や削減 8 8 おはなし会や講演会などのイベントの充実 12 9 閲覧室や自習スペースの拡充 15 10 地域の保育所や小中学校に対するサービスの充実 10 11 障害のある方へサービスの充実(施設のバリアフリー化を含む) 16 12 電子書籍など新しいメディアの導入・充実 8 13 居心地の良い空間づくり 17 14 その他 1 ※その他 ・司書、ボランティア、住民の活動を支え、住民の要望や実情をキャッチして政策提案できる行政の職員 目指す図書館の充実のため専任の司書や職員の配置・増員が必要だと考える市町村が最も多く、次いで、居心地の良い空間づくり、幅広い分野の図書の充実、施設のバリアフリー化が続いている。 問4 目指したい図書館を実現するうえで、課題となることは何ですか。(自由記述) 【人材(ヒト)】 ・図書館司書(専任・常勤)の配置等の人員の充実《13》 ・図書館業務の管理運営体制 ・図書館職員のレベルアップ(知識・技能・人格形成)とその時間確保《2》 ・イベント等の企画・運営のできるボランティア ・開館日数が多く、事業等を行う際に職員配置がぎりぎりになる。 【本・情報(モノ)】 ・市町村図書館ならではの特徴・魅力(蔵書・分野・地域資料等)づくり ・資料の充実 ・無線LAN Wi-Fiの設置 ・館内、館外活動の促進と地域と連携したPR活動 ・図書館サービスの利用者及び連携機関への周知 ・他市町村の蔵書数、図書館面積など比較対象データが必要 【施設(ハコ)】 ・現在、開架・閉架ともに満杯状態。図書の収納場所の確保 ・施設の改善(狭い、老朽化、バリアフリーになっていない、本を十分に配架できない)《6》 ・開館時間(早朝、夕方以降にも開館ニーズ) ・現在、各地区に図書室を配置。新庁舎建設予定、統合し図書館として活動できるよう検討中 ・「いい場所・居場所・好きな場所・ちょっと寄り道してみませんか?」がコンセプト。住民に親しまれ、気軽に立ち寄れる居場所づくりを目指している。 【その他の視点】 ・資料費(図書費)等の予算の確保《13》 ・職員のオーバーワークを防ぐためにはどうするか。 ・すべての市民の立場に立ったサービス展開の検討 ・サービスを円滑に展開するための体制の確立 ・図書館を通じて、児童の学力向上に繋げるための具体策が必要 ・市の中心施設としての認知度(活用することでの魅力度)アップが必要。 ・町としての振興策や計画についての開かれた議論 ・図書館の認知度を上げ、利用者数を増加させる取組が必要。 ・障害者差別解消法への配慮 専任の常勤司書の配置等、図書館職員の充実、資料費等の予算確保、施設の改善について、多くの市町村で課題ととらえている。 問5 平成30年夏に開館予定のオーテピア高知図書館に期待することは何ですか。(複数回答可) ※期待すること有り:32/33 《高知市を除く》 1 巡回訪問や依頼訪問等による支援 22 2 レファレンスへの協力 21 3 研修への協力 18 4 企画展示の実施への協力 13 5 物流便による資料の配送 27 6 広報紙等への市町村立図書館の案内・情報の掲載 8 7 その他 2 ※その他 ・オーテピアへのツアー ・県下の隅々に本を届ける方策、人員確保、市町村の実状に沿ったサービス オーテピア高知図書館には、物流サービスの充実や巡回・依頼訪問等による支援を多くの市町村が期待している。 問6 図書館振興に関して、県に望むことは何ですか。(複数回答可) ※望むこと有り:32/34 1 資料の充実への支援 25 2 図書館建設への支援 11 3 人材のあっせん 10 4 図書館情報システム導入への支援 9 5 県内全域で利用できる電子書籍サービスの提供 10 6 共同資料保存庫の設置 9 7 その他 4 ※その他 ・図書館システムグレードアップ、読書通帳システム導入に伴う補助金等による支援 ・幅広い図書の充実 ・空白地域に人材育成のための雇用、研修の補助、専任の職員がやりがいのある仕事ができる体制をつくることで住民の図書館への関心は必然的に伸びる。すると、互いに育ち合う関係がはじまる。はじまっていない地域へ県から提供し、市町村を後押ししてほしい。 多くの市町村が図書館資料を充実するための支援を県に望んでいる。 25ページ 4 オーテピア高知図書館の開館 オーテピア高知図書館は、地域を支える情報拠点として、「これからの高知を生きる人たちに力と喜びをもたらす図書館」の基本理念のもと、本県の読書・情報環境の改善のため、様々なサービス・取組を進めます。 施設の概要 ◆施設の充実 ○延床面積⇛17,763.57㎡ ○駐車場⇛100台(1階ピロティ40台、地下機械式60台(周辺民間駐車場も併せて活用) ◆利用スタイルにあわせた様々な施設の利活用 ○開館日時⇛火~金曜日:午前9時~午後8時 火日祝日:午前9時~午後6時(ただし、7、8月の土曜日は午後8時まで) ○閲覧室、学習室等 ⇛閲覧席等:閲覧席615席、学習室96席 ⇛グループ室(5室)、静寂読書室(4室)、研究個室(9室)、対面音訳室(3室) ○ホール等⇛ホール120席(机なし200席)、研究室90席、集会室72席 ○セルフ式予約受取コーナー⇛窓口を通さずに,予約資料の受取が可能 サービス・取組の概要 1 豊富な図書館資料・情報の提供 ◆ポピュラーな本から専門書まで、多様で充実した図書をワンストップで提供 ○開架冊数⇛約34万冊 ○新聞、雑誌の収集・提供⇛2,000タイトル以上を目標に収集 (雑誌:専門分野(ビジネス・医療等)を拡充,新聞:一般紙や業界紙を充実) 2 課題解決支援サービスの充実・強化 ◆役立つ図書館として、県民の暮らしや仕事の中での様々な課題解決を専任司書が支援 ○関係資料の収集・提供⇛専用スペースを設け、新鮮で役立つ資料・情報を整備、充実 オンライン・データベースを拡充 ○サービスの提供⇛専用カウンターで、担当司書が対応 アウトリーチ・サービスを展開、強化 ○レフェラル・サービス⇛連携する専門機関を拡充し、相談に応じてきめ細かく対応(相談内容に応じて専門機関の窓口や専門家を紹介   3 市町村立図書館等への支援の充実・強化 ◆それぞれの地域で読書ができ、役立つ情報が得られる環境を整備 ○物流サービス⇛開館日は毎日発送 ○連携したサービス・取組⇛企画展示等の支援 ⇛市町村立図書館等が行う課題解決支援サービスを支援 4 関係機関等と連携・協力した取組の充実・強化 ◆図書館の集客力を活かし、県民にPR・啓発する場として利活用 ◆高知みらい科学館の企画事業、講座等とタイアップし、サービスを提供 ◆中心市街地の活性化への寄与、図書館の持つ資源を活かし、賑わいを創出 26ページ 第3章 図書館振興計画の基本理念・目指す姿・取組の方向性等            1 基本理念           【基本理念】 住民が生涯にわたり地域で学び続けることのできる読書・情報環境を提供する図書館 図書館は、学生や研究者、一部の読書家や文化人だけが利用する施設ではなく、乳幼児から高齢者まで、すべての住民が気軽に、日常的に利用することができる施設です。利用を通じて、住民が生涯にわたって地域で学び続けることにより、生活や仕事の困りごとの解決や教養・生活・仕事の水準の向上、ひいては地域文化の創造や経済・産業の水準を高めることにつながります。 〈図書館の利用により得られること〉 1 日常生活または仕事のために必要な情報・知識を得る。 2 関心のある分野について学習する。 3 政治的、社会的な問題などに対する様々な思想・見解に接し、自分の考えを決める糧にする。 4 自らの住む地域における行政・教育・文化・産業等の課題解決に役立つ資料に接し、情報を得る。 5 生活にくつろぎとうるおいをもたらし、各自の趣味を伸ばす。 6 読書習慣を培い、本を読む楽しさを知り、想像力を豊かにする。 7 図書館が開催する講演会・読書会・観賞会・展示会などに参加し、文化的な生活を楽しむ。 8 図書館での人との出会い、語りあい、交流が行われることが、地域文化の創造に貢献する。 このような図書館の重要な責務を果たすため、図書館では常に新しく十分な量の図書・雑誌・その他の資料にアクセスでき、利用しやすい環境で活発に資料が貸出されることが必要です。 また、様々な問合わせに対応できる専門的能力を持った図書館職員が配置されなければなりません。 さらに、少子高齢化や地域の過疎化といった社会環境が大きく変化するなか、図書館には社会教育施設、文化施設としての役割に加え、交流の場としての機能や、その地域ならではの資料の充実など、地域コミュニティの核として地域の振興や発展に貢献する役割も求められます。 県及び市町村は、適切な分担のもとに相互に連携・協力しつつ、県立図書館や市町村立図書館等と基本理念を共有し、図書館等がその役割と機能を果たせるよう継続的な環境整備に努め、これまで以上に住民に必要とされ、地域の発展に欠かせない存在となることを目指します。 2 本県の図書館の目指す姿 基本理念の実現に向け、これからの本県の図書館の目指す姿を、次の4つに整理します 目指す姿1 住民が読みたい本があり、学び、集う、日常的に利用する魅力ある図書館 ○住民の読みたい本があり、生活に潤いと楽しみを与え、生活を豊かにします。 ○住民の多様な生涯学習活動を支援する図書、雑誌、新聞等の資料を収集し、提供します。 ○地域の歴史や文化、産業等に関する資料を収集し、提供します。 ○住民が読書の楽しさを発見し、様々なことを学び、多くの人が集う、日常的に利用される図書館を目指します。 目指す姿2 住民の生活や仕事、日常的な課題や困りごとの解決に役立つ図書館 ○家庭や日常生活、仕事に役立ち、日常的な課題や困りごとの解決に役立つ図書や雑誌等を収集し、提供します。 ○地域の課題を解決するために考え、話し合うことに役立つ図書や雑誌等を収集し、提供します。 ○こうしたことに役立つ図書や雑誌、データベース等、多様な資料の提供や、図書館職員がレファレンス・サービスを通じて必要な情報を提供し、地域の交流、地域の活性化の場となる図書館を目指します。 目指す姿3 子どもの成長を支える図書館 ○子どもたちの「生きる力」を育むため、保育所・幼稚園や学校等と連携して、子どもたちの考える力と豊かな感性や情操を尊重しつつ、幅広く知識や好奇心を伸ばし、読書習慣や情報を使いこなす力の習得を支援します。 ○心豊かで、たくましく、学ぶ意欲にあふれ、郷土に誇りを持ち、明日の高知県や日本を担う子どもたちを育む図書館を目指します。 ○家庭環境の多様化や地域社会が変化する中、心身の調和のとれた発達や親子の育ちを支える人間関係の構築など、家庭教育の担う役割を支援します。 目指す姿4 オーテピア高知図書館や他の図書館等と多元的なネットワークでつながる図書館 ○国立国会図書館-オーテピア高知図書館-市町村立図書館からなる階層的なネットワークや市町村立図書館間の広域ネットワーク、学校図書館、大学図書館等との館種を超えた協力・連携など、多元的なネットワークを構築します。 ○ネットワークでつながった図書館が協力することで、住民に相互の資料を提供し、また、情報交換や合同研修の実施を通じてお互いのサービスを高め合います。 3 取組の方向性(取組方針) 目指す姿を達成するために、次の5つを取組方針とし、県と市町村及び県立図書館と市町村立図書館等は方向性を合わせて取組を推進します。 取組方針1 貸出サービス・情報提供環境を充実します。 (県の取組) ○オーテピア高知図書館が行う物流サービスの周知を図るとともに、県内どこからでもオーテピア高知図書館にアクセスできる環境を整えます。 ○市町村立図書館等を補完する資料の収集・提供 県立図書館は、市町村立図書館等の資料を補完するため、専門的な資料等を収集し、提供します。 ○横断検索システムの拡充 県立図書館は、市町村立図書館等で相互貸借が活発に行われ、また、利用者の利便性の向上を目的として、横断検索システムの参加館を増やすための取組を行います。 (市町村立図書館等の取組) ○資料や人との出会いの場の提供 住民が必要とする資料を積極的に購入・提供することで、常に資料と人の新たな出会いが生まれる図書館づくりに努めます。 ○住民の課題解決に向けた支援 情報検索の専門的知識や技術を活用して、住民が必要としている資料・情報を提供するレファレンス・サービスを実施します。サービスに対応できる司書を配置し、住民の要求に的確に応えられるよう努めます。 ○住民のニーズの把握及び広報・企画の充実・強化 図書館のサービス・取組等への関心を高め、より多くの方に図書館を利用してもらうために住民のニーズを把握し、広報・企画の充実・強化に努めます。また、良い取組を市町村立図書館等が互いに紹介し合い、参考にしたり取り入れたりすることで、高め合うよう努めます。 取組方針2 子どもの読書環境を充実します (県の取組) ○学校図書館への支援 県立図書館は、市町村立図書館等と連携し、学校図書館への資料の貸出やレファレンス協力などの支援を行います。 (市町村立図書館等の取組) ○子どもたちの成長段階に応じた関わり 乳幼児・児童・青少年を対象にした資料を充実し、読書プログラム(読書会、読み聞かせ、絵本講座、講演会、映写会等)の実施や学校との連携強化(授業支援、学校図書館支援、読書推進、学習支援等)に努めます。 また、地域にある身近な図書館として、家庭や地域における読書活動推進のために関係機関と連携し、子どもの読書活動推進の中心的な役割を果たすよう努めます。 取組方針3 図書館利用に障害のある住民に配慮します (県の取組) ○誰もが支障なく利用できるサービスの充実 県立図書館は、バリアフリー図書や外国語資料等の収集・提供、障害等により外出が困難な方を対象とした宅配貸出、電子書籍サービスの実施等、誰もが利用しやすい図書館サービスの充実に努めます。 (市町村立図書館等の取組) ○すべての人に応じたサービスの提供 障害者や高齢者、外国人など、誰もが利用しやすいように施設・サービスの両面においてバリアフリー化に努めます。また、遠隔地居住者、入院患者など図書館来館が困難な住民やこれまで図書館を利用していなかった住民に対しては、新たなサービスポイントの設置や関連機関との協力を行い、誰もが図書館を利用できる環境を整えるよう努めます。 取組方針4 市町村立図書館等はサービスを充実させるために県立図書館の支援を活用します (県の取組) ○サービス計画の確実な実施 県立図書館は、サービス計画で示した市町村立図書館等を支援するための取組を確実に実施します。 ○県立図書館による協力貸出 県立図書館は、市町村立図書館等の資料を補完するため、専門的な資料等を収集し、協力貸出を行います。 (市町村立図書館等の取組) ○県立図書館が実施するサービスの活用及び住民への提供 県立図書館が実施するサービスを活用できる体制を整え、住民に提供するサービスの充実を図るよう努めます。 取組方針5 PDCAサイクルによる取組を進めます (県の役割) ○全国と比較した数値による現状把握及び市町村図書館取組状況表(仮称)を活用した支援 全国平均に照らした各市町村立図書館の置かれた客観的な状況を示します。 県が各市町村の取組状況を整理した市町村取組状況表(仮称)をもとに、現状・課題・対応をともに考え、市町村立図書館等の取組を支援します。 ○PDCAサイクルによる進捗管理 市町村立図書館等のサービス・取組に対する点検・評価及び県内市町村立図書館の現在位置並びに成果目標の達成状況については、官学民の委員で構成する「高知県図書館振興協議会(仮称)」を設置し、2年ごとに、その進捗状況や課題を点検し、策定から5年を目安に中間検証を行い、PDCAサイクルにより計画を推進します。 (市町村立図書館等の取組) ○PDCAサイクルの導入 県が作成する市町村立図書館取組状況表(仮称)を活用し、進捗状況や課題を検証し、PDCAサイクルにより図書館等の振興に努めます。 4 図書館振興計画で県と市町村の果たす役割 (県の役割) ○オーテピア高知図書館には、「地域を支える情報拠点」として、県民の仕事や暮らしに役立ち、併せて県民の読書・情報環境を充実・向上させることが求められています。このため、サービス計画を基に関係機関と協力・連携しながら、サービスの充実・強化に取り組みます。 ○また、県内の図書館の利用拡大に向け、遠方からでも市町村立図書館等を通じて県立図書館の本を利用できることや、専門図書、データベースが利用できることなど、サービスを周知します。併せて、県民がそれぞれの地域で、読書し、必要な情報が得られる環境を整えるため、市町村立図書館等の充実・強化に向けた支援を行います。 ○本県の図書館振興は、市町村の図書館の振興がなくてはあり得ません。県は、サービス計画の中で県立図書館機能として整理した取組や新たな取組も加えた図書館振興策を実施することで、市町村立図書館等への支援機能が最大限に果たされ、県と市町村が連動した取組となるよう進めます。 (市町村の役割) ○図書館の専任職員数や専任司書数など「人材(ヒト)」、蔵書冊数や資料費など「本・情報(モノ)」、図書館設置率など「施設(ハコ)」のいずれにおいても、全国平均を下回っている市町村が多く、地域の実状に合わせた環境整備に取り組む必要があります。 ○市町村へのアンケート結果では、「どのような図書館を目指したいか、または、地域にどのような図書館があることが望ましいか」との問いに対し、ほとんどの市町村から、「子どもが読書に親しむことのできる図書館」、「地域の交流の場」、「地域活性化の拠点」といった回答が寄せられました。多くの市町村において、地域における図書館の重要性が認識されていると認められる一方、目指す図書館の実現に向け、今後、取組を充実させようとしている市町村は、3割弱にとどまっています。市町村において今後の図書館等の運営やサービスについて検討していくことが必要です。 (県と市町村の役割) ○県や市町村には、教育基本法や文字・活字文化振興法等において、図書館の設置や運営の充実に関する努力義務が課せられています。住民のニーズに応えるためには、読書・情報環境の客観的な状況を把握し、県と市町村とが課題と目標を共有し、図書館振興計画に基づく取組をともに進めていく必要があります。 5 図書館振興計画の全体像 32ページ 第4章 目指す姿・取組の方向性を踏まえたサービス 1 県が行うサービス・取組 (1)県立図書館による取組 ○オーテピア高知図書館では、平成29年度からの5年間におけるサービスなどの基本的な考え方と具体的な方策を明らかにしたサービス計画を策定しています。 ○オーテピア高知図書館が本県全体の読書環境・情報環境の改善のために大きく寄与できるよう、各市町村の読書環境の現状に応じて、物流サービスによる協力貸出や、移動図書館の運用、電子書籍サービスなどサービス計画で県立図書館機能として整理したサービス・取組等を着実に進めます。 「オーテピア高知図書館サービス計画」の詳細については、下記アドレスを参照 (http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/312201/2017020200240.html) (2)市町村への取組 ○本県の公立図書館は、平成30年2月現在、11町村で設置されておらず、市町村立図書館設置率は67.6%と全国平均の75.9%を下回り、特に中山間地域において設置が進んでいない状況があります。公立図書館のない町村では、公民館などに併設した図書室がその機能を補っていますが職員の配置や蔵書量などの面では、十分な読書環境とは言えない状況も見られます。読書の重要性や読書環境の充実の必要性は理解しているものの、人口規模や財政事情等から、取組を進めづらい面があるようです。 ○図書館の設置など読書環境の改善に関しては、それぞれの市町村の責任において、地域のニーズや意見などを踏まえて検討がなされ、住む場所に関わらず、住民に必要な読書・情報環境が等しく確保されるよう、目指す姿について議論を深めることが重要です。 ○県は、市町村長や教育長、図書館行政所管課に対して、全国平均に照らした各市町村図書館の客観的な状況や、図書館整備に必要な財源も含め県内外の図書館の整備事例等、情報提供を行います。併せて、県内全域で図書館活性化の気運を醸成するため、図書館情報の発信等の取組を進めます。 ○なお、県が大きな投資により整備したオーテピア高知図書館の機能を最大限に活かし、県内の隅々までその効果を行き渡らせるには、オーテピア高知図書館からのサービスを受ける市町村立図書館等が、市町村規模に応じた最低限の蔵書冊数を確保することや専任職員を配置することを通じ、住民が集まり、活用できる魅力ある図書館となることが必要です。こうしたことから、本計画の検討経過の中で、オーテピア高知図書館がサービスを開始する時期に合わせ、期間を定め、県から市町村立図書館等に物的・人的な財政支援をすべきであるとの意見もありました。 〈県による市町村立図書館等に対する取組〉 1 サービス計画に基づく(12)の取組 ・巡回訪問や依頼訪問等による支援 県の東部・中央・西部各ブロックの担当司書を配置し、市町村立図書館等への巡回訪問や依頼訪問等により相談等の支援 ・レファレンスへの協力 市町村立図書館では解決が難しいレファレンスへの支援 ・研修の実施 市町村立図書館職員を対象に、個別テーマに応じた研修や県立図書館に受入れて行う研修を実施 ・企画展示 企画展示の支援、オーテピア高知図書館と開催時期を合わせた企画展示の働きかけ ・課題解決支援サービスの実施 市町村立図書館等が行う課題解決支援サービスに対する専門機関紹介や出張講座の共同実施等の支援 ・行政支援サービスの実施 市町村立図書館等が行う行政支援サービスに対する関連図書の協力貸出、職員研修、レファレンス協力等 ・市町村のニーズに応える資料の収集・提供 協力貸出用の資料を収集・提供 ・情報提供の工夫 協力貸出用のテーマに応じたブックリストの作成・提供 ・相互貸借の活性化 図書館情報システム未導入の市町村立図書館等の所蔵情報収集、県内図書館横断検索システムの拡充 ・物流便による資料の配送 開館日の協力貸出、相互貸借資料の送料負担 ・アウトリーチサービスの実施 出前図書館等を通じた図書館の活用に向けた「提案」及びサービスの「周知」 ・広報誌への掲載等 市町村立図書館を通して受けられる図書館サービスの情報発信・周知 2 サービス計画を補強する新たな取組 ○すぐに取り組むこと (1)物流サービスの周知、拠点の設置拡大支援 ・オーテピア高知図書館が行うサービスの周知を充実するとともに、図書館未設置の市町村を中心に「拠点」(図書館以外でも可能)の設置拡大を図り、県内どこからでも、オーテピア高知図書館の蔵書にアクセスできる環境を整備する。 (2)市町村立図書館の「現在位置」や「取組状況表(仮称)」を活用した市町村教育長等との協議 ・全国平均と照らした客観的な状況を示した「現在位置」や取組状況を評価した「取組状況表」、また、市町村立図書館の「目指す姿」の検討例などを市町村教育長や図書館行政所管課に提示し、協議を重ねることで、当該市町村の首長部局とも連携した図書館振興策の検討を促す。 ・図書館未設置の市町村には、整備に必要な財源も含め県内外の図書館の整備事例等の情報提供を行う。 ○検討を深めていくこと (3)「高知県図書館振興協議会(仮称)」におけるそれぞれの市町村立図書館の目指す姿と必要な支援策の検討 ・官学民で構成する「高知県図書館振興協議会(仮称)」を新設、①②について継続的に検討する ①市町村の教育長や図書館行政所管課との協議を踏まえた検討 ・市町村における図書館振興策の取組状況について ・「目指す姿」としてモデルとなる市町村の取組について ・財源も含めた必要となる支援策の導入について ②現在位置や成果目標の達成状況、参考指標の推移等のPDCAサイクルに基づく進捗管理 「目指す姿」検討の方向性 ■市町村の以降(現段階の把握) 〈アンケート(H29.8実施:34市町村)〉※抜粋 Q:目指す(望ましい)図書館像 →子どもが読書に親しむことができる図書館(29/34)、興味・関心のある事柄(27/34)、子育てに役立つ図書館(26/34)が多い一方、半数の市町村は、図書館が地域の交流の場や地域活性化の拠点となることを目指している。 →7割の市町村(25/34)は、目指す図書館の実現に向けた取組の充実を予定していない。 〈教育長への聞き取り(H30.4実施:13市町村)〉※抜粋 Q:図書館の振興について →地域をつくる核となる場としての「集いの場」機能が重要 →地域活性化に向けた取組に図書館を活用する予定 →学校教育と図書館の連携が必要 →首長部局への働きかけが必要。教育委員会のみでは振興に係る予算確保ができない。 等 ■検討例 例1:基幹図書館を中心とした圏域単位でのサービスの充実 圏域事に基幹的な役割を担う図書館を設定し、市町村図書館の図書の相互貸借や、分担収集(各図書館間で選書が重ならないように協議)に取り組むことにより蔵書確保など圏域単位でのサービス向上を図る。 例2:地域活性化など役割を明確にした図書館の充実 首長部局とも連携し、基幹産業の振興、子育て環境の充実、郷土の歴史・文化の振興など、地域活性化のビジョンや戦略に沿った図書の収集やレファレンス力の向上を図り、地域の課題解決につなげる。(一般的な図書は物流サービスで補完) 例3:地域の多様な交流の場への図書館機能の付加 集落活動センターなど地域の多様な交流の場を物流サービスの拠点に設定し図書館機能を付加することにより、地域の課題解決力の向上につなげる(当該地域のおける図書館等の充実への気運醸成も期待) 2 市町村立図書館等が行うサービス・取組 県は、前述のとおり、オーテピア高知図書館のサービス計画で県立図書館機能として整理した12の取組により市町村支援を行い、さらに当計画を補強する新たな取組も加えて、市町村立図書館等の振興を図ります。これを実効あるものとするためには、市町村が県からの支援をしっかりと受け止め、その効果を図書館サービスとして充実させ、住民に還元していく取組を着実に進めることが必要です。そして、県も市町村も本計画の進捗度・達成状況・点検・評価を踏まえ、協議を重ね見直しを行います。 ○市町村は、住民が豊かな生活を実現するため、地域に密着した図書館サービスを展開する責務を担い、住民が生涯にわたり地域で学び続けられるよう図書館サービスの充実に努めます。図書館が設置されていない町村は、県立図書館の支援等を積極的に活用しながら、段階的に環境の整備に努めます。 ○市町村は、この計画を着実に実行していくために、全国平均に照らした各市町村立図書館の置かれた客観的な状況を確認し、図書館が行う取組に関し、県が各市町村の取組状況を評価し作成する市町村図書館取組状況表(仮称)をもとに、現状・課題・対応を県と共に考え、PDCAのサイクルにより取組を推進することに努めます。 ○市町村取組状況表(仮称)は、それぞれの市町村ごとの図書館の体制やサービス水準等の現状と取組状況を明確にし、市町村行政や図書館関係者等で読書・情報環境の改善のための議論等を深めるためのものとします。 (1)サービス計画に基づく12の支援(□部分)を最大限に活かすための市町村の取組 ①人的支援(サービス計画P29 4 連携・支援及び図書館の活用(1)市町村立図書館等への支援) (ア)巡回訪問や依頼訪問等による支援 (県立図書館が行うサービス) ・県の東部、中央、西部の各ブロックの担当司書を配置し、市町村立図書館等への巡回訪問や依頼訪問等により、運営やサービスの充実に向けた相談等の支援を行います。 (市町村立図書館が行う取組) ・専任の司書を配置することにより、継続的にサービスの水準を維持できる体制の整備に努めます。 ・正規職員を配置することにより、図書館職員が主体的に提案や決定を行うことができる体制の整備に努めます。 ・研修への派遣や新たなサービスに取り組むことが可能な職員数の確保に努めます。 (図書館未設置町村(公民館図書室を有する町村)が行う取組) ・図書室等へ専任の職員を配置することにより、蔵書や利用者情報を適切に管理し、常にサービスの提供を行うことができる体制の整備に努めます。 ・サービスの状況を分析するための基礎資料となる各種統計の把握に努めます。 (イ)レファレンスへの協力 (県立図書館が行うサービス) ・市町村立図書館では解決が難しいレファレンスへの支援を行います。 (市町村立図書館が行う取組) ・レファレンスを積極的に行うことにより、サービスの認知度を高めることに努めます。 ・日常的なレファレンスに対応するためのレファレンス・ツールの整備に努めます。 ・県内外で実施される研修を受講するよう努めます。   (図書館未設置町村(公民館図書室を有する町村)が行う取組) ・基礎的な※レファレンス・ブックの整備に努めます。 ※レファレンス・ブック:あるテーマに関する情報を容易に調べられるようまとめた図書。参考図書。 ・レファレンス・サービスの周知に努めます。 ・基本的な※レファレンス・インタビュー等が行える職員の配置に努めます。 ※レファレンス・インタビュー:利用者からの問い合わせの曖昧な点などを明確にするために行われる利用者と図書館職員とのやりとり。 (ウ)研修の実施 (県立図書館が行うサービス) ・市町村立図書館の職員に対して、高知県図書館職員研修や個別テーマに応じた研修等を実施し、人材の育成を図ります。 ・市町村立図書館等の職員を県立図書館に受け入れて行う研修を実施します。 (市町村立図書館が行う取組) ・司書を継続的に配置し、知識や経験の蓄積に努めます。 ・研修に参加しやすい人員体制の整備に努めます。 ・県外で実施される専門的研修を受講し、館の運営や業務改善等の中核となる職員の育成に努めます。 ・課題解決型サービス等、市町村立図書館では事例の少ない業務の習得に県立図書館での受入研修の活用に努めます。 ・受講した研修内容等を活用し、自治体内のボランティアや学校等に対する研修、講座の実施に努めます。 (図書館未設置町村(公民館図書室を有する町村)が行う取組) ・職員が研修に参加しやすい体制の整備に努めます。 ・職員を継続的に配置し、経験の蓄積に努めます。 (エ)企画展示 (県立図書館が行うサービス) ・市町村立図書館等における企画展示の実施を支援するため、テーマに応じた資料の貸出や※ブックリストの提供等を一括して行います。 ・当館と開催時期を合わせた企画展示の実施を働きかけます。 ※ブックリスト:あるテーマに関する資料の情報のリスト (市町村立図書館が行う取組) ・企画展示等のサービスを展開できる人員体制の整備に努めます。 ・地域の特性や課題、利用者のニーズ等を分析し、新たなサービスの実施について検討に努めます。 ・住民の課題解決に資する資料の収集と更新に努めます。 ・首長部局や関係機関との連携強化に努めます。 (オ)課題解決支援サービスの実施 (県立図書館が行うサービス) ・市町村立図書館等において課題解決支援サービスに取り組むことができるよう、専門機関の紹介や出張講座の共同実施等の支援を行います。   (市町村立図書館が行う取組) ・課題解決支援サービスを展開できる人員体制の整備に努めます。 ・地域の特性や課題、利用者のニーズ等を分析し、新たなサービスの実施について検討に努めます。 ・住民の課題解決に資する資料の収集と更新に努めます。 ・首長部局や関係機関との連携強化に努めます。 (カ)行政支援サービスの実施 (県立図書館が行うサービス) ・市町村立図書館等において行政支援サービスを行えるよう、関連図書の協力貸出に加えて、市町村立図書館等の職員に対する研修、レファレンスへの協力等の支援をします。 (市町村立図書館が行う取組) ・行政支援サービスを展開できる人員体制の整備に努めます。 ・地域の政策課題の解決に資する資料の収集と更新に努めます。 ・首長部局や関係機関との連携強化に努めます。 ②物的支援(サービス計画P30 4 連携・支援及び図書館の活用(1)市町村立図書館等への支援) (ア)市町村のニーズに応える資料の収集・提供 (県立図書館が行うサービス) ・※協力貸出用の資料を収集し、提供します。 ※協力貸出:県立図書館が市町村立図書館等に対して行う資料の貸出 (市町村立図書館が行う取組) ・資料収集方針・選定基準・除籍基準の策定に努めます。 ・市町村立図書館として所蔵すべき資料の収集に努めます。 ・行政資料も含め地域資料の網羅的な収集・保存に努めます。 ・リクエストや協力貸出資料の利用状況から地域のニーズを把握し、住民が日常的に利用したくなる魅力ある蔵書の整備に努めます。 ・学校図書館だけでは足りない図書を収集・提供し、子どもたちの学びを支えることに努めます。 (図書館未設置町村(公民館図書室を有する町村)が行う取組) ・ベストセラーや話題の本のリクエストに対応できる資料費の確保に努めます。 ・新聞や雑誌の購入・提供に努めます。 ・行政資料も含めた地域資料の収集・保存に努めます。 (イ)情報提供の工夫 (県立図書館が行うサービス) ・協力貸出用の活性化のため、テーマに応じたブックリストを作成し、提供します。 (市町村立図書館が行う取組) ・図書の展示や広報等、住民と資料をつなぐための積極的な取組の実施に努めます。 ・WEB-OPACを公開することにより、住民の利便性の向上や県内図書館間の相互協力ネットワークの構築に努めます。 (図書館未設置町村(公民館図書室を有する町村)が行う取組) ・図書の展示や広報等、住民と資料をつなぐための積極的な取組の実施に努めます。 (ウ)※相互貸借の活性化 (県立図書館が行うサービス) ・図書館情報システム未導入の市町村立図書館等の所蔵情報を収集し、県内図書館横断検索システムで所蔵状況の検索ができるようにします。 ※相互貸借:図書館の間でお互いに所蔵してない資料の貸し借りを行うこと (市町村立図書館が行う取組) ・図書館情報システムの導入に努めます。 ・WEB-OPACを公開することにより、住民の利便性の向上や県内図書館間の相互協力ネットワークの構築に努めます。 (図書館未設置町村(公民館図書室を有する町村)が行う取組) ・簡易な図書館システム等を導入し、蔵書管理の電子化に努めます。 ・分類や目録等の基本的な資料組織化業務を行える職員の配置に努めます。 (エ)物流便による資料の配送 (県立図書館が行うサービス) ・休館日を除き、毎日、協力貸出や相互貸借の資料を当館の負担で、市町村に配送します。 (市町村立図書館が行う取組) ・住民に対しサービスの周知を行い、協力貸出・相互貸借を積極的に活用します。 ・市町村立図書館として所蔵すべき資料の収集に努めます。   (図書館未設置町村(公民館図書室を有する町村)が行う取組) ・住民に対しサービスの周知を行い、協力貸出・相互貸借の積極的な活用に努めます。 ・基本的なレファレンス・インタビューや蔵書検索、借受資料の管理が行える職員の配置に努めます。 ③アウトリーチ(サービス計画P30 4 連携・支援及び図書館の活用(1)市町村立図書館等への支援) (ア)※アウトリーチ・サービスの実施 (県立図書館が行うサービス) ・出前図書館等を通して、市町村市町村立図書館職員等と一緒に外に出て、積極的に図書館の活用に向けた「提案」や、サービスの「周知」を行います。 ※アウトリーチサービス:図書館の館内でサービスを提供するだけでなく、図書館の外に出向いて積極的にサービスを提供すること。   (市町村立図書館が行う取組) ・首長部局や関係機関等と連携した出前図書館等を企画・実施し、サービスの周知や新たな利用者の掘り起こしに努めます。 ・アウトリーチ・サービスを実施できる職員体制の整備に努めます。 ・移動図書館の運行により、学校等の団体や遠隔地の住民へのサービスを行う体制の整備に努めます。   ・分館やサービスポイントを設置し、遠隔地の住民へのサービスを行う体制の整備に努めます。  (図書館未設置町村(公民館図書室を有する町村)が行う取組) ・学校や公民館等の公的施設へのサービスポイントの設置や配本の実施、他部署が実施しているサービスとの連携等、住民と図書館サービスを結びつける取組が実施できる体制の整備に努めます。  ・住民が利用しやすい場所への図書室の設置や利用したくなる環境の整備に努めます。 ④PR(サービス計画P30 4 連携・支援及び図書館の活用(1)市町村立図書館等への支援) (ア)広報誌への掲載等 (県立図書館が行うサービス) ・市町村立図書館を通して受けられる図書館サービスの情報を市町村の発行する広報誌に掲載するなど、周知を図ります。 (市町村立図書館が行う取組) ・紙媒体による広報に加え、ホームページを開設・充実し、サービス内容等について広く住民への広報に努めます。 ・ブログや※SNS等を活用し、タイムリーな情報発信や広報に努めます。 ※SNS:フェイスブックなどの人とのつながり、それを活用できる情報サービスのこと   (図書館未設置町村(公民館図書室を有する町村)が行う取組) ・自治体広報誌等を活用し、図書室の利用案内や、県立図書館の物流サービス等について住民に広報し、利用促進に努めます。 (2)サービス計画を補強する取組 (ア)高知県図書館振興協議会(仮称)の設置 ・官学民で構成する「高知県図書館振興協議会(仮称)」を新設し、①②について継続的に支援します。 ①市町村の教育長や図書館行政所管課との協議を踏まえた検討 ・市町村における図書館行政所管課との協議を踏まえた検討 ・「あるべき姿」としてモデルとなる市町村の取組について ・財源も含めた必要となる支援策の導入について ②現在位置や成果目標の達成状況、参考指標の推移等のPDCAサイクルに基づく進捗管理 (市町村立図書館が行う取組) ・全国平均に照らした各市町村立図書館の置かれた客観的な状況を確認し、県が各市町村の取組状況を評価し作成する市町村図書館取組状況表(仮称)をもとに、現状・課題・対応を県とともに考え、PDCAサイクルに基づき取組を推進することに努めます。 (図書館未設置町村(公民館図書室を有する町村)が行う取組) ・全国平均に照らした各町村の図書室等の置かれた客観的な状況を確認し、県が各町村の取組状況を評価し作成する市町村図書館取組状況表(仮称)をもとに、現状・課題・対応を県とともに考え、PDCAサイクルに基づき取組を推進することに努めます。 (イ)県内市町村立図書館の現在位置の作成 ・全国平均に照らした県内市町村立図書館の現在位置を作成し、図書館未設置の市町村を含む全ての市町村が段階的に全国平均を超えられるよう、市町村とともに協議を重ね、図書館サービスの充実や将来的な図書館設置の可能性など図書館振興に向けた検討を促します。 (市町村立図書館が行う取組) ・全国平均に照らした各市町村立図書館の置かれた状況を確認し、各項目の位置が段階的に全国平均を超えられるよう、県と共に取組を進めることに努めます。   (図書館未設置町村(公民館図書室を有する町村)が行う取組) ・全国平均に照らした各町村の図書室等の置かれた状況を確認し、各項目の位置が段階的に全国平均を超えられるよう、県と共に取組を進めることに努めます。 (ウ)取組状況表(仮称)の作成 ・各市町村立図書館等の取組状況を評価した市町村図書館取組状況表(仮称)を作成します。 (市町村立図書館が行う取組) ・県が作成した市町村図書館取組状況表(仮称)をもとに、現状・課題・対応を県と共に考え、課題解決に向け取り組むよう努めます。 (図書館未設置町村(公民館図書室を有する町村)が行う取組) ・県が作成した取組状況表(仮称)をもとに、現状・課題・対応を県と共に考え、課題解決に向け取り組んでいくよう努めます。 (エ)横断検索システムの改善 ・市町村立図書館間の相互貸借が活発に行われるように、横断検索システムの参加館を増やすための取組を行い、横断検索システムの改善に努めます。 (市町村立図書館が行う取組) ・相互貸借を利用して、住民の資料要求等に確実に応え、住民の期待の添えるようにするため、県立図書館が作成する横断検索システムに参加できるよう努めます。 (オ)ブックリスト等の作成及び研修の実施 ・市町村立図書館が揃えるべき図書や雑誌等のブックリスト等を作成します。 ・ブックリスト等の活用及び選書等に関する研修会を実施します。 (市町村立図書館が行う取組) ・県立図書館が作成した市町村立図書館等で揃えるべきブックリストを参考に購入するよう努めます。また、その活用や選書等に関する研修会に参加できる体制の整備に努めます。 (図書館未設置町村(公民館図書室を有する町村)が行う取組) ・県立図書館が作成した市町村立図書館等で揃えるべきブックリストを参考に購入するよう努めます。また、その活用や選書等に関する研修会に参加できる体制の整備に努めます。 (3)さらに市町村立図書館等を充実するために市町村自らが主体的に行うべき取組 ①図書館を支える人材づくり ○市町村で行う図書館職員等のスキルアップ(図書館同士、行政との人事交流) 図書館職員のスキルアップのためには、人事交流が積極的に行われる必要があります。社会教育施設職員としての資質を高めるために、他の図書館を経験する人事交流だけではなく、学校や社会教育施設、教育委員会事務局、首長部局などとの人事交流など、幅広いキャリアアップについての検討に努めます。 ○図書館ボランティアの育成と活用 市町村立図書館等は、本の読み聞かせの活動等、自らの学習成果を生かして活動する「生涯学習型」の図書館ボランティアの養成と活用について検討に努めます。 図書館ボランティアは、図書館職員と地域住民の間にあって、より住民に近い位置で活動し、生の住民のニーズに接しやすいという特性を認識し、図書館運営のパートナーとして力を活用することにより地域に根ざした図書館の実現に努めます。 ②子どもの読書活動への支援 ○児童図書など読書環境の整備 子どもたちとの本との出会いを応援するため、児童書コーナーを充実させるなど幼児から青少年向けの図書の収集に努めるほか、子どもたちを図書館に誘うための催しなどを積極的に展開することが重要です。 さらに、より多く子どもと本を結びつける効果をもたらすために、子どもと接する機会の多い保育士や教員向けに、読み聞かせ等の知識や技術などを習得できる講座の実施に努めます。 ○学校図書館の活性化支援(学校司書との連携、学校との連携)・保育所との連携 子どもの読書環境を確保し、図書館利用を促進するためには、公共図書館と学校図書館との連携は不可欠であり、学校図書館は、子どもが気軽に利用でき、自分にあった本を薦めてくれる人がいるなど、魅力ある場所であることが大切です。子どもの豊かな心と感性を育む読書センターとしての機能と、学習に対する興味や関心を呼び起こし、自主的・主体的な学びを支援する学習・情報センターとしての機能を充実させていくため、市町村立図書館は、学校図書館の要望に応じて学校を訪問するなど、学校図書館担当職員とともに運営やサービスの充実に向けた支援を行うことに努めます。 また、平成32年度より全面実施される新学習指導要領の内容を踏まえ、必要となる図書館資料等の整備について、学校図書館と連携し、書籍等の整備に努めます。 ③これからの図書館運営に求められる視点 ○図書館の評価(外部評価・目標値の設定・PDCAの導入) 図書館を運営するにあたり,日常的な活動の中での利用者との対話、懇談会、アンケート、意見箱の設置などにより利用者のニーズを把握し、その意見や提案を生かしていくことに努めます。 また、図書館の運営について第三者による評価を取り入れるとともに、その情報を積極的に住民に提供し、評価結果に基づく目標値の設定や運営改善に必要な措置を講ずるよう努めます。 ④県や県立図書館に対する提言 ○県や県立図書館が行う市町村立図書館等への支援に対し、市町村立図書館等は連携し、市町村立図書館等の振興のために、真に必要な施策や要望項目を取りまとめ、県や県立図書館に対して提言するよう努めます。また、要望するだけではなく、他の図書館の良い取組を互いに紹介し合い、参考にし、さらに工夫を取り入れることにより、相互に高め合うことに努めます。 44ページ 第5章 計画の点検・評価・改善                県内の図書館が、目指す図書館像を実現していくためには、住民の要望に応え、社会の変化に柔軟に対応しながら、常に成長・発展していく必要があります。 このため、サービス・取組の実施状況を定期的に把握し、点検・評価を行い、この点検・評価を通じて明らかになった課題等については、図書館サービスなどの改善や新たなサービス・取組の展開に役立てます。 本計画のうち、オーテピア高知図書館サービス計画部分に対する点検・評価については、図書館法第14条に基づき、館長の諮問に応じ、意見を述べる機関として設置される高知県立図書館協議会及び高知市立市民図書館協議会のほか、図書館の専門家等による第三者機関で定期的に行いながら、PDCAサイクルにより進捗管理を行うこととなっています。 また、官学民で構成する「高知県図書館振興協議会(仮称)」を設置し、サービス計画を補強する新たな取組を通じた市町村との協議を踏まえ、市町村立図書館のあるべき姿と必要な県の支援策について継続的に検討するとともに、PDCAサイクルにより、市町村立図書館の現在位置や成果目標の達成状況について2年ごとに進捗管理を行います。   (本計画推進のための主要事項の実施時期等) 項目:本計画の進捗管理、実施時期:2年ごと、県教育委員会図書館行政主管課:◎、県立図書館:○ 項目:本計画の中間検証、実施時期:策定から5年、県教育委員会図書館行政主管課:◎、県立図書館:○ 項目:市町村との連携・協働体制の構築、実施時期:通年、県教育委員会図書館行政主管課:◎、県立図書館:○ 項目:市町村図書館取組状況表(仮称)の作成、実施時期:毎年度、県教育委員会図書館行政主管課:○、県立図書館:◎ 項目:県内市町村立図書館の現在位置の作成、実施時期:毎年度、県教育委員会図書館行政主管課:◎、県立図書館:○ 項目:市町村立図書館等の職員対象の研修の実施・育成、実施時期:毎年度、県立図書館:◎ 項目:各市町村立図書館協議会等への参加。実施時期:毎年度、県教育委員会図書館行政主管課:○、県立図書館:○ ◎:主、○:副 46ページ 第6章 成果目標及び参考指標                本計画の実施にあたり、サービス・取組の効果等を検証・評価するために、次のとおり、成果目標及び参考指標を設定します。なお、計画が満了する10年後の到達目標については、サービス計画及び第三次高知県子ども読書活動推進計画の進捗状況も踏まえて、中間検証を経て設定することとします。 (1)成果目標 目標①:市町村立図書館の年間入館者数※高知市立市民図書館を除く H27 586,387人 H29 - 2022年目標 640,000人 目標②:市町村立図書館の年間個人貸出冊数※高知市立市民図書館を除く〔公共図書館調査表2017〕 H27 106.5万冊 H29 - 2022目標 120万冊  目標③:県民一人当たりの年間貸出冊数(冊)〔日本の図書館:日本図書館協会調査〕 H27 3.85《5.49》 H29 - 2022年目標 4.2 目標④:人口段階別の蔵書冊数が全国平均の1/2を超えている市町村の割合(%) H27 - H29 76.5 2022年目標 100 目標⑤:人口段階別の年間貸出冊数が全国平均の1/2を超えている市町村の割合(%) H27 - H29 69.6 2022年目標 100 目標⑥:協力貸出(物流サービスなどを通じてオーテピア高知図書館から市町村立図書館等へ配送した)点数 H27 26,345 H29 - 2022年目標 29,000 (2)参考指標 指標①:年に1回以上図書館を利用する大人の割合(%)〔県民世論調査〕 H27 - H29 - 指標②:人口段階別の市町村立図書館登録者数が全国平均の1/2を超えている市町村の割合(%) H27 43.5 H29 - 指標③:小中学生が昼休、放課後、休日に学校図書館や地域図書館を利用する割合 (%)〔全国学力・学習状況調査〕 小 H27 68.5《69.1》 H29 65.7《67.2》 中 H27 46.3《42.7》 H29 44.3《41.9》 指標④:学校図書館との連携・交流をしている割合(%)〔学校図書館の現状に関する調査〕 小 H27 82.3《82.2》 H29 - 中 H27 56.7《57.5》 H29 - 高 H27 55.9《51.1》 H29 - 特支 50.0《36.6》 H27 - 中 H27 57.9《52.2》 H29 54.6《51.4》 指標⑤:児童・生徒が家や図書館で普段(月~金)に全く読書をしない割合(%)〔全国学力・学習状況調査〕〔学習状況アンケート・県教育委員会〕 小 H27 16.3《19.9》 H29 18.5《20.5》 47ページ 資料編 1 高知県図書館振興計画策定検討委員会委員名簿         ・・・p47 2 高知県図書館振興計画策定検討委員会における検討の経緯    ・・・p48 3 図書館法                          ・・・p49 4 文字・活字文化振興法 ・・・p52 5 オーテピア高知図書館サービス計画 市町村立図書館等への支援(県立図書館機能)  ・・・p54 6 市町村立図書館等一覧                    ・・・p56 1 高知県図書館振興計画策定検討委員名簿 1 氏名:岩井 拓史 所属等:土佐清水市立中央公民館館長補佐(元土佐清水市立市民図書館主任・司書) 区分:図書館関係者 備考・高知県子ども読書活動推進協議会委員 2 氏名:片岡 卓宏 所属等:(財)高知県身体障害者連合会会長 区分:社会教育関係者 備考:・新図書館基本構想検討委員会委員 3 【委員長】氏名:加藤 勉 所属等:高知大学特任シニアプロフェッサー 区分学識経験者 備考・新図書館基本構想検討委員会委員   ・高知県立図書館協議会・高知市立市民図書館協議会会長 4 氏名:齋藤 明彦 所属等:元鳥取県元気づくり総本部理事監兼東部振興監、元鳥取県立図書館長 区分:学識経験者(全国的視点) 備考:・新図書館基本構想検討委員会委員    ・新図書館サービス検討委員会委員    ・図書館運営特別アドバイザー 5 氏名:貞岡 美樹 所属等:フリーアナウンサー、絵本セラピスト(元高知県社会教育委員) 区分等:家庭教育関係者 6 【副委員長】氏名:篠森 敬三 所属等:高知工科大学教授 附属情報図書館館長 区分:学識経験者 備考:・新図書館基本構想検討委員会委員    ・高知県立図書館協議会・高知市立市民図書館協議会副会 ・新図書館サービス検討委員会委員 7 氏名:嶋田 学 所属等:岡山県瀬戸内市立図書館長、元大阪府豊中市立図書館司書、元滋賀県旧永源寺町図書館準備室、元瀬戸内市民図書館準備室長 区分:学識経験者(全国的視点) 8 氏名:竹林 貞治郎(~H29年度) 所属等:高知県立図書館長 区分:図書館関係者 氏名:渡辺 憲弘(H30年度~) 所属等:高知県立図書館長 区分:図書館関係者 9 氏名:筒井 秀一 所属等:高知市立自由民権記念館長 区分:社会教育関係者 備考:・元高知市立市民図書館長 10 氏名:野島 利和(~H29年度) 所属等:高知県保幼小中高PTA連合体連絡協議会 区分:家庭教育関係者 氏名:竹中 利文(H30年度~) 所属等:高知県保幼小中高PTA連合体連絡協議会 区分:家庭教育関係者 11 氏名:山中 昌範 所属等:大川村教育長 区分:行政 12 氏名:吉村 美恵子(~H28年度) 所属等:高知市初月小学校校長 区分:学校関係者 備考:・高知県子ども読書活動推進協議会委員 ・高知県学校図書館協議会会長 ・高知県立図書館協議会・高知市立市民図書館協議会委員 氏名:近澤 玲子(H29年度~) 所属:高知市第四小学校校長 区分:学校関係者 備考:・高知県学校図書館協議会会長 ・高知県立図書館協議会 ・高知市立市民図書館協議会委員 2 高知県図書館振興計画策定検討委員会における検討の経緯 H29.3.24(金)第1回 検討委員会 ・計画策定の必要性(経緯)について   ・今後の進め方及びスケジュールについて H29.6.15(木)第2回 検討委員会 ・県内公立図書館の現状と課題について H29.8.31(木)第3回 検討委員会 ・市町村立図書館等へのアンケート結果について ・計画の方向性について H30.3.28(水)第4回 検討委員会 ・計画素案について H30.5.10(木)第5回 検討委員会 ・計画素案について H30.5.13(日)~6.11(月)パブリックコメント H30.5.23(火)教育委員検討会 H30.6.12(火)第6回 検討委員会 ・計画案について H30.6.13(水)教育委員検討会 H30.7.2(月)H30.6月県議会報告 H30.7.20(金)7月定例教育委員会付議、策定 3 図書館法 (昭和二十五年四月三十日法律第百十八号) (最終改正:平成一一年一二月二二日法律第一六〇号) 第一章 総則 (この法律の目的) 第一条 この法律は、社会教育法(昭和二十四年法律第二百七号)の精神に基き、図書館の設置及び運営に関して必要な事項を定め、その健全な発達を図り、もつて国民の教育と文化の発展に寄与することを目的とする。 (定義) 第二条 この法律において「図書館」とは、図書、記録その他必要な資料を収集し、整理し、保存して、一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーション等に資することを目的とする施設で、地方公共団体、日本赤十字社又は民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の法人が設置するもの(学校に附属する図書館又は図書室を除く。)をいう。 2 前項の図書館のうち、地方公共団体の設置する図書館を公立図書館といい、日本赤十字社又は民法第三十四条の法人の設置する図書館を私立図書館という。 (図書館奉仕) 第三条 図書館は、図書館奉仕のため、土地の事情及び一般公衆の希望にそい、更に学校教育を援助し得るように留意し、おおむね左の各号に掲げる事項の実施に努めなければならない。 一 郷土資料、地方行政資料、美術品、レコード、フイルムの収集にも十分留意して、図書、記録、視覚聴覚教育の資料その他必要な資料(以下「図書館資料」という。)を収集し、一般公衆の利用に供すること。 二 図書館資料の分類排列を適切にし、及びその目録を整備すること。 三 図書館の職員が図書館資料について十分な知識を持ち、その利用のための相談に応ずるようにすること。 四 他の図書館、国立国会図書館、地方公共団体の議会に附置する図書室及び学校に附属する図書館又は図書室と緊密に連絡し、協力し、図書館資料の相互貸借を行うこと。 五 分館、閲覧所、配本所等を設置し、及び自動車文庫、貸出文庫の巡回を行うこと。 六 読書会、研究会、鑑賞会、映写会、資料展示会等を主催し、及びその奨励を行うこと。 七 時事に関する情報及び参考資料を紹介し、及び提供すること。 八 学校、博物館、公民館、研究所等と緊密に連絡し、協力すること。 (司書及び司書補) 第四条 図書館に置かれる専門的職員を司書及び司書補と称する。 2 司書は、図書館の専門的事務に従事する。 3 司書補は、司書の職務を助ける。 (司書及び司書補の資格) 第五条 左の各号の一に該当する者は、司書となる資格を有する。 一 大学又は高等専門学校を卒業した者で第六条の規定による司書の講習を修了したもの 二 大学を卒業した者で大学において図書館に関する科目を履修したもの 三 三年以上司書補(国立国会図書館又は大学若しくは高等専門学校の附属図書館の職員で司書補に相当するものを含む。)として勤務した経験を有する者で第六条の規定による司書の講習を修了したもの 2 次の各号のいずれかに該当する者は、司書補となる資格を有する。 一 司書の資格を有する者 二 高等学校若しくは中等教育学校を卒業した者又は高等専門学校第三学年を修了した者で第六条の規定による司書補の講習を修了したもの (司書及び司書補の講習) 第六条 司書及び司書補の講習は、大学が、文部科学大臣の委嘱を受けて行う。 2 司書及び司書補の講習に関し、履修すべき科目、単位その他必要な事項は、文部科学省令で定める。ただし、その履修すべき単位数は、十五単位を下ることができない。 第七条 削除 (協力の依頼) 第八条 都道府県の教育委員会は、当該都道府県内の図書館奉仕を促進するために、市(特別区を含む。以下同じ。)町村の教育委員会に対し、総合目録の作製、貸出文庫の巡回、図書館資料の相互貸借等に関して協力を求めることができる。 (公の出版物の収集) 第九条 政府は、都道府県の設置する図書館に対し、官報その他一般公衆に対するこう報の用に供せられる印刷局発行の刊行物を二部提供するものとする。 2 国及び地方公共団体の機関は、公立図書館の求めに応じ、これに対して、それぞれの発行する刊行物その他の資料を無償で提供することができる。 第二章 公立図書館 (設置) 第十条 公立図書館の設置に関する事項は、当該図書館を設置する地方公共団体の条例で定めなければならない。 第十一条 削除 第十二条 削除 (職員) 第十三条 公立図書館に館長並びに当該図書館を設置する地方公共団体の教育委員会が必要と認める専門的職員、事務職員及び技術職員を置く。 2 館長は、館務を掌理し、所属職員を監督して、図書館奉仕の機能の達成に努めなければならない。 (図書館協議会) 第十四条 公立図書館に図書館協議会を置くことができる。 2 図書館協議会は、図書館の運営に関し館長の諮問に応ずるとともに、図書館の行う図書館奉仕につき、館長に対して意見を述べる機関とする。 第十五条 図書館協議会の委員は、学校教育及び社会教育の関係者並びに学識経験のある者の中から、教育委員会が任命する。 第十六条 図書館協議会の設置、その委員の定数、任期その他必要な事項については、当該図書館を設置する地方公共団体の条例で定めなければならない。 (入館料等) 第十七条 公立図書館は、入館料その他図書館資料の利用に対するいかなる対価をも徴収してはならない。 (公立図書館の基準) 第十八条 文部科学大臣は、図書館の健全な発達を図るために、公立図書館の設置及び運営上望ましい基準を定め、これを教育委員会に提示するとともに一般公衆に対して示すものとする。 第十九条 削除 (図書館の補助) 第二十条 国は、図書館を設置する地方公共団体に対し、予算の範囲内において、図書館の施設、設備に要する経費その他必要な経費の一部を補助することができる。 2 前項の補助金の交付に関し必要な事項は、政令で定める。 第二十一条 削除 第二十二条 削除 第二十三条 国は、第二十条の規定による補助金の交付をした場合において、左の各号の一に該当するときは、当該年度におけるその後の補助金の交付をやめるとともに、既に交付した当該年度の補助金を返還させなければならない。 一 図書館がこの法律の規定に違反したとき。 二 地方公共団体が補助金の交付の条件に違反したとき。 三 地方公共団体が虚偽の方法で補助金の交付を受けたとき。 第三章 私立図書館 第二十四条 削除 (都道府県の教育委員会との関係) 第二十五条 都道府県の教育委員会は、私立図書館に対し、指導資料の作製及び調査研究のために必要な報告を求めることができる。 2 都道府県の教育委員会は、私立図書館に対し、その求めに応じて、私立図書館の設置及び運営に関して、専門的、技術的の指導又は助言を与えることができる。 (国及び地方公共団体との関係) 第二十六条 国及び地方公共団体は、私立図書館の事業に干渉を加え、又は図書館を設置する法人に対し、補助金を交付してはならない。 第二十七条 国及び地方公共団体は、私立図書館に対し、その求めに応じて、必要な物資の確保につき、援助を与えることができる。 (入館料等) 第二十八条 私立図書館は、入館料その他図書館資料の利用に対する対価を徴収することができる。 (図書館同種施設) 第二十九条 図書館と同種の施設は、何人もこれを設置することができる。 2 第二十五条第二項の規定は、前項の施設について準用する。 4 文字・活字文化振興法                     (平成十七年法律第九十一号) (目的) 第一条 この法律は、文字・活字文化が、人類が長い歴史の中で蓄積してきた知識及び知恵の継承及び向上、豊かな人間性の涵かん 養並びに健全な民主主義の発達に欠くことのできないものであることにかんがみ、文字・活字文化の振興に関する基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、文字・活字文化の振興に関する必要な事項を定めることにより、我が国における文字・活字文化の振興に関する施策の総合的な推進を図り、もって知的で心豊かな国民生活及び活力ある社会の実現に寄与することを目的とする。 (定義) 第二条 この法律において「文字・活字文化」とは、活字その他の文字を用いて表現されたもの(以下この条において「文章」という。)を読み、及び書くことを中心として行われる精神的な活動、出版活動その他の文章を人に提供するための活動並びに出版物その他のこれらの活動の文化的所産をいう。 (基本理念) 第三条 文字・活字文化の振興に関する施策の推進は、すべての国民が、その自主性を尊重されつつ、生涯にわたり、地域、学校、家庭その他の様々な場において、居住する地域、身体的な条件その他の要因にかかわらず、等しく豊かな文字・活字文化の恵沢を享受できる環境を整備することを旨として、行われなければならない。 2 文字・活字文化の振興に当たっては、国語が日本文化の基盤であることに十分配慮されなければならない。 3 学校教育においては、すべての国民が文字・活字文化の恵沢を享受することができるようにするため、その教育の課程の全体を通じて、読む力及び書く力並びにこれらの力を基礎とする言語に関する能力(以下「言語力」という。)の涵養に十分配慮されなければならない。 (国の責務) 第四条 国は、前条の基本理念(次条において「基本理念」という。)にのっとり、文字・活字文化の振興に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。 (地方公共団体の責務) 第五条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、国との連携を図りつつ、その地域の実情を踏まえ、文字・活字文化の振興に関する施策を策定し、及び実施する責務を有する。 (関係機関等との連携強化) 第六条 国及び地方公共団体は、文字・活字文化の振興に関する施策が円滑に実施されるよう、図書館、教育機関その他の関係機関及び民間団体との連携の強化その他必要な体制の整備に努めるものとする。 (地域における文字・活字文化の振興) 第七条 市町村は、図書館奉仕に対する住民の需要に適切に対応できるようにするため、必要な数の公立図書館を設置し、及び適切に配置するよう努めるものとする。 2 国及び地方公共団体は、公立図書館が住民に対して適切な図書館奉仕を提供することができるよう、司書の充実等の人的体制の整備、図書館資料の充実、情報化の推進等の物的条件の整備その他の公立図書館の運営の改善及び向上のために必要な施策を講ずるものとする。 3 国及び地方公共団体は、大学その他の教育機関が行う図書館の一般公衆への開放、文字・活字文化に係る公開講座の開設その他の地域における文字・活字文化の振興に貢献する活動を促進するため、必要な施策を講ずるよう努めるものとする。 4 前三項に定めるもののほか、国及び地方公共団体は、地域における文字・活字文化の振興を図るため、文字・活字文化の振興に資する活動を行う民間団体の支援その他の必要な施策を講ずるものとする。 (学校教育における言語力の涵養) 第八条 国及び地方公共団体は、学校教育において言語力の涵養が十分に図られるよう、効果的な手法の普及その他の教育方法の改善のために必要な施策を講ずるとともに、教育職員の養成及び研修の内容の充実その他のその資質の向上のために必要な施策を講ずるものとする。 2 国及び地方公共団体は、学校教育における言語力の涵養に資する環境の整備充実を図るため、司書教諭及び学校図書館に関する業務を担当するその他の職員の充実等の人的体制の整備、学校図書館の図書館資料の充実及び情報化の推進等の物的条件の整備等に関し必要な施策を講ずるものとする。 (文字・活字文化の国際交流) 第九条 国は、できる限り多様な国の文字・活字文化が国民に提供されるようにするとともに我が国の文字・活字文化の海外への発信を促進するため、我が国においてその文化が広く知られていない外国の出版物の日本語への翻訳の支援、日本語の出版物の外国語への翻訳の支援その他の文字・活字文化の国際交流を促進するために必要な施策を講ずるものとする。 (学術的出版物の普及) 第十条 国は、学術的出版物の普及が一般に困難であることにかんがみ、学術研究の成果についての出版の支援その他の必要な施策を講ずるものとする。 (文字・活字文化の日) 第十一条 国民の間に広く文字・活字文化についての関心と理解を深めるようにするため、文字・活字文化の日を設ける。 2 文字・活字文化の日は、十月二十七日とする。 3 国及び地方公共団体は、文字・活字文化の日には、その趣旨にふさわしい行事が実施されるよう努めるものとする。 (財政上の措置等) 第十二条 国及び地方公共団体は、文字・活字文化の振興に関する施策を実施するため必要な財政上の措置その他の措置を講ずるよう努めるものとする。 附 則 この法律は、公布の日から施行する。 5 オーテピア高知図書館サービス計画 市町村立図書館等への支援(県立図書館機能) 県民がそれぞれの地域で、読書し、役立つ情報が得られる環境を整えます。 東部・中央・西部の各ブロックの担当職員を配置し、各市町村立図書館等の状況に応じた支援を行うほか、物流サービスの充実や、移動図書館の運行等により、市町村立図書館等と連携・協力して、県内全域の読書環境と情報環境の充実に努めます。 あわせて、住む場所に関わらず、県民が等しく、必要な図書館サービスが受けられるよう、遠方からでも市町村立図書館等を通して県立図書館の本を利用できることや、一般的には購入が難しい専門図書やデータベース(※1)が利用できることなど、サービスについて周知を図ります。 〈具体的に強化する主なサービス・取組〉 サービス・取組内容等 (人的支援) 巡回訪問や依頼訪問等による支援 県の東部や中央、西部の各ブロックの担当司書を配置し、市町村立図書館等への巡回訪問や依頼訪問等により、運営やサービスの充実に向けた相談等の支援を行います。 レファレンス(※2)への協力 市町村立図書館等では解決が難しいレファレンスへの支援を行います。 研修の実施 市町村立図書館の職員等に対して、高知県図書館職員研修や個別テーマに応じた研修を実施し、人材の育成を図ります。 市町村立図書館等の職員を県立図書館に受け入れて行う研修を実施します。 企画展示 市町村立図書館等における企画展示の実施を支援するため、テーマに応じた資料の貸出しやブックリスト(※3)の提供等、一括して行います。 当館と開催時期を合わせた企画展示の実施を働きかけます。 課題解決支援サービスの実施 市町村立図書館等において課題解決支援サービスに取り組むことができるよう、専門機関の紹介や出張講座の共同実施等を支援します。 行政支援サービス 市町村立図書館等において行政支援サービスが行えるよう、関連図書の協力貸出(※4)に加えて、市町村立図書館等の職員に対する研修、レファレンスの強直等の支援をします。 (物的支援) 市町村のニーズに応える資料の収集・提供 協力貸出用の資料を収集し、提供します。 情報提供の工夫 協力貸出の活性化のため、テーマに応じたブックリストを作成し、提供します。 相互貸借(※5)の活性化 図書館情報システム未導入の市町村立図書館等の所蔵情報を研修し、県内図書館横断検索システムで所蔵状況の検索ができるようにします。 物流便による資料の配送 休館日を除き、毎日、協力貸出や相互貸借の資料を当館の負担で、市町村に配送します。 (アウトリーチ) アウトリーチ・サービス(※6)の実施 出前図書館等を通して、市町村立図書館職員等と一緒に外へ出て、積極的に図書館の活用に向けた「提案」や、サービスの「周知」を行います。 (PR) 広報誌への掲載等 市町村立図書館を通して受けられる図書館サービスの情報を市町村の発行する広報誌に掲載するなど、周知を図ります。 ※1 データベース・・・特定の情報を編集や加工、蓄積して、コンピュータによる検索等を容易にできるようにしたもの。 ※2 レファレンス・・・利用者の問い合わせに図書館資料(図書や雑誌、新聞、データベースなど)を案内したり、図書館資料に基づいて回答すること。 ※3 ブックリスト・・・あるテーマに関する資料の情報をリストにまとめたもの ※4 協力貸出・・・県立図書館が市町村立図書館等に対して行う資料の貸出しのこと。 ※5 相互貸借・・・図書館の間で、お互いに所蔵していない資料の貸し借りを行うこと。 ※6 アウトリーチ・サービス・・・図書館の館内でサービスを提供するだけでなく、図書館の外に出向いて積極的にサービスを提供すること。 県内図書館等一覧 1 図書館名 室戸市立市民図書館 所在地 室戸市室津2404-5 電話番号 0887-22-0161 開館時間 火~日曜日:午前10時~午後6時 休館日 月曜日、祝祭日、月末日、特別整理期間、年末年始(12月27日~1月5日) 2 図書館名 安芸市民図書館 所在地 安芸市矢ノ丸3-12-29 電話番号 0887-35-5638 開館時間 平日:午前9時30分~午後7時、休日:午前9時30分~午後5時※7・8月は午後7時まで 休館日 火曜日、第3木曜日、祝日、特別整理期間、年末年始(12月29日~1月3日) 3 図書館名 東洋町立図書館 所在地 安芸郡東洋町大字野根丙1795 電話番号 0887-28-1674 開館時間 平日:8時30分~17時15分 休館日 土・日曜日、祝日、年末年始 4 図書館名 田野町立図書館 所在地 安芸郡田野町1456-42 電話番号 0887-38-2511 開館時間 午前9時30分~午後6時 休館日 月曜日、祝日、年末年始 5 図書館名 芸西村立図書館 所在地 安芸郡芸西村和食甲1262 電話番号 0887-33-2959 開館時間 午前9時~午後6時 休館日 年末年始(12月28日~1月4日) 6 図書館名 香美市香我美図書館 所在地 香南市香我美町徳王子2220-1 電話番号 0887-55-0022 開館時間 午前10時~午後6時 休館日 月曜日、第2木曜日、国民の祝日、年末年始(12月27日~1月4日) 7 図書館名 香南市野市図書館 所在地 香南市野市町西野594 電話番号 0887-56-3434 開館時間 午前10時~午後6時 休館日 月曜日、第2木曜日、国民の祝日、年末年始(12月28日~1月3日) 8 図書館名 香美市立図書館 所在地 香美市土佐山田町東本町2-1-20 電話番号 0887-53-0301 開館時間 午前9時~午後5時 休館日 月曜日(月曜日が祝日の場合は翌平日) 9 図書館名 南国市立図書館 所在地 南国市篠原1801-5 電話番号 088-863-0469 開館時間 平日:10時~18時、休日:10時~17時 休館日 月曜日、祝日、月末最終日、年末年始、資料整理期間 10 図書館名 土佐町立図書館 所在地 土佐郡土佐町田井1488-1 電話番号 0887-82-1800 開館時間 午前10時~午後6時 休館日 火曜日、年末年始 11 図書館名 いの町立図書館 所在地 吾川郡いの町元町41番地 電話番号 088-850-4360 開館時間 午前9時30分~午後6時 休館日 月曜日、国民の祝日、館内整理日、年末年始(12月29日~1月3日)、特別整理期間 12 図書館名 土佐市立市民図書館 所在地 土佐市高岡町甲2177 電話番号 088-852-3333 開館時間 火、金、土、日曜日:午前9時~午後5時、火、木曜日:午前9時~午後6時 休館日 月曜日、祝日、館内整理日(月末金曜日)、年末年始(12月29日~1月3日)、特別整理期間 13 図書館名 須崎市立図書館 所在地 須崎市西古市宮6-15 電話番号 0889-42-2141 開館時間 午前8時30分~午後5時15分 休館日 月曜日、国民の祝日、蔵書期間(3月中旬予定)、年末年始(12月29日~1月3日) 14 図書館名 日高村立図書館「ほしのおか」 所在地 高岡郡日高村本郷192 電話番号 0889-20-1533 開館時間 午前10時~午後6時 休館日 月曜日、祝日、最終日曜日、年末年始、蔵書点検期間 15 図書館名 佐川町立図書館 所在地 高岡郡佐川町乙1862-1 電話番号 0889-20-0202 開館時間 午前9時30分~午後5時30分 休館日 月曜日、祝日、蔵書整理日(月に1回)、年末年始 16 図書館名 越知町本の森図書館 所在地 越知町越知甲1948 電話番号 0889-26-2433 開館時間 平日:午前11時~午後6時、休日、祝日:午前11時~午後5時 休館日 月曜日、年末年始、資料整理期間 17 図書館名 津野町立図書館かわうそ館 所在地 津野町姫野々433-2 電話番号 0889-55-3001 開館時間 午前10時~午後6時 休館日 火曜日、第4金曜日、祝日、年末年始、特別整理期間 18 図書館名 津野町立図書館虎太郎館 所在地 津野町力石2870 電話番号 0889-62-3555 開館時間 午前10時~午後6時 休館日 火曜日、第4金曜日、祝日、年末年始、特別整理期間 19 図書館名 梼原町立図書館 所在地 高岡郡梼原1212-2 電話番号 0889-65-1900 開館時間 午前10時~午後9時 休館日 火曜日、月末金曜日 20 図書館名 四万十町立図書館 所在地 高岡郡四万十町茂串町9-20 電話番号 0880-22-5000 開館時間 火~土曜日:午前9時30分~午後6時、日曜日:午前9時~午後5時 休館日 月曜日、祝日、年末年始、特別整理期間 21 図書館名 四万十市立図書館 所在地 四万十市中村大橋通4-10 電話番号 0880-35-2923 開館時間 午前9時~午後7時 休館日 館内整理日(月末金曜日)、年末年始、蔵書点検期間 22 図書館 土佐清水市立市民図書館 所在地 土佐清水市幸町4-19 電話番号 0880-82-4151 開館時間 平日:午前10時~午後6時(5~10月は午後7時まで)、休日:午前10時~午後6時 休館日 月末金曜日、祝日、年末年始、資料整理期間 23 図書館名 宿毛市立坂本図書館 所在地 宿毛市中央2-7-14 電話番号 0880-63-2654 開館時間 平日:平日10時~午後6時30分、休日:午前10時~午後6時 休館日 月曜日、月末金曜日、年末年始、蔵書点検期間 24 図書館名 黒潮町立佐賀図書館 所在地 幡多郡黒潮町佐賀1080-1 電話番号 0880-55-3150 開館時間 平日:平日10時~午後6時、休日:午前10時~午後5時 ※午後1~2時 閉館 休館日 木曜日、祝祭日(休館日に当たる場合はその翌日も)、館内整理日(月末金曜日)、年末年始(12月28日~1月4日)特別整理期間中(1月末あたりで5日程度) 25 図書館名 黒潮町立大方図書館 所在地 幡多郡黒潮町入野6931-3 電話番号 0880-43-2110 開館時間 平日:午前10時~午後6時、休日:午前10時~午後5時 休館日 木曜日、祝祭日(休館日に当たる場合はその翌日も)、館内整理日(月末金曜日)、年末年始(12月28日~1月4日)特別整理期間中(1月末あたりで5日程度) 26 図書館名 大月町立図書館 所在地 幡多郡大月町弘見2084 電話番号 0880-73-0049 開館時間 午前9時~午後5時 休館日 年末年始、祝日及び振替休日 私立 図書館名 認定NPO法人高知こどもの図書館 所在地 高知市永国寺町6-16 電話番号 088-820-8250 開館時間 午前10時~午後6時 休館日 火曜日、木曜日、年末年始 高知オーテピア図書館 所在地 高知市追手筋2-1-1 電話番号 088-823-4946 開館時間 火~金曜日:午前9~午後8時※子ども読書室は午後5時まで 休日:午前9時~午後6時 休館日 月曜日、第3金曜日※ともに、祝日の場合は開館、年末年始(12月29日~1月4日)