資料2-1 障害のある人もない人も共に安心して豊かに暮らせる高知県づくり条例について 〈制定の趣旨〉 「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(以下、障害者差別解消法という。)」の規定等を踏まえつつ、「県の責務や県民及び事業者の役割」「相談体制の構築や紛争解決の仕組みの整備」「障害を理由とする差別の解消の推進に関し県が実施する施策」等について定め、障害を理由とする差別の解消を一層推進し、 障害のある人もない人も安心して豊かに暮らせる共生社会の実現に向けて取り組むため、条例を制定するもの。 (参考) (1)全国の状況:39都道府県で条例を制定済 (2)改正障害者差別解消法(令和3年6月4日公布)の施行により、令和6年4月からの民間事業者による合理的配慮の提供の義務化。 障害を理由とする差別 「不当な差別的取扱い」と「合理的配慮の不提供」 障害者差別解消法(H28.4.1施行) 不当な差別的取扱いは、行政機関等 禁止、事業者 禁止 合理的配慮の提供は、行政機関等 義務、事業者 法改正(令和6年4月施行)により、努力義務から義務に変更 (不当な差別的取扱いの例) ・介助者の同伴をサービスの利用の条件とする (合理的配慮の提供の例) ・聴覚障害のある人への説明に、筆談やタブレットを使用する 条例の構成 前文 第1章 総則(目的、定義、基本理念、県、県民、事業者等の責務) 第2章 障害を理由とする差別の禁止 第3章 障害を理由とする差別を解消するための体制 第1節、相談体制 第2節、紛争解決を図るための体制 第4章 共生社会の実現に向けた施策 第5章 雑則 第1章 総則(目的、定義、基本理念、県の責務、県民・事業者の役割等) 目的(第1条) 障害を理由とする差別の解消の推進についての基本理念を定め、県の責務、県民及び事業者の役割等を明らかにするとともに、県が実施する施策の基本となる事項を定めることで、障害を理由とする差別の解消を図り、全ての県民が、障害の有無にかかわらず、安心して豊かに暮らせる共生社会を実現することを目的とする。 基本理念(第3条) 障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有する個人として尊重されることを前提としつつ、(1)から(5)を基本理念として、県、市町村、県民及び事業者が一体となって行わなければならない。 (1)活動機会の確保(2)地域社会での共生(3)意思疎通・情報取得手段の確保(4)障害及び障害のある人への理解(5)年齢や性別等による困難な状況への配慮 県の責務(第4条)、市町村等との連携等(第5条) ・障害を理由とする差別の解消の推進及び共生社会の実現に向けた施策の策定と実施 ・国、市町村、県民及び事業者との連携 県民の役割(第6条) ・障害及び障害のある人についての理解 ・県又は市町村が実施する施策への協力 事業者の役割(第7条) ・県又は市町村が実施する施策への協力 ・理解を深めるための研修やその他の取組 第2章 障害を理由とする差別の禁止 不当な差別的取扱いの禁止(第9条) 何人も、障害を理由とする不当な差別的取扱いをすることにより、障害のある人の権利利益を侵害してはならない。 合理的配慮(第10条) 行政機関等及び事業者は、障害のある人から社会的障壁の除去を必要としている意思表明があった場合に、その実施に伴う負担が過重でないときは、社会的障壁の除去の実施について合理的な配慮をしなければならない。 事例の分析・公表 (第11条) 不当な差別的取扱いや合理的配慮の提供に関する事例の分析・公表 第3章 障害を理由とする差別を解消するための体制 相談体制(第12条、第13条) 相談対応(第12条) ・相談に応じ、必要な助言や情報提供を行う。 ・相談に係る当事者間の必要な調整を行う。 ・市町村等が応じる相談に関し、情報提供や必要な援助を行う。 相談員の設置(第13条) 障害のある人や事業者等からの相談対応や県民や事業者への理解促進を図るため、相談員を配置 図の説明 相談者(障害のある人・ご家族、事業者)が市町村の相談窓口や県の相談員に相談し、助言・話し合いにより解決を図る。 ※お住まいの市町村で相談を受け付けることを基本とする。相談者が県への相談を望む場合は、柔軟に対応。 紛争解決を図るための体制(第14条~第19条) あっせんの申立て(第14条)、事実の調査(第15条)、あっせん(第16条)、勧告・公表(第17条・18条)の順に行う。 障害を理由とする差別の解消のための調整委員会(第19条) ・紛争事案の解決のための助言又はあっせんについて調査審議をするため、附属機関として委員会を設置。 ・10名以内で組織(障害のある人、学識経験者等) 第4章 共生社会の実現に向けた施策 普及啓発、教育における理解の促進等、文化芸術活動等への参加の機会の充実、雇用及び就労の促進、意思疎通及び情報取得等の保障の推進、人材の育成及び確保 第5章 雑則 条例の施行について必要な事項は、規則で定める。(あっせん申立書の様式、調整委員会の運営等) 附則 令和6年4月1日から施行