平成18年度研究報告 第32号 平成19年3月

公開日 2009年12月24日


1 丸太を利用した簡易木製構造物の開発

【山崎敏彦 沖公友 盛田貴雄 山下実 東博文】

木材の土木分野での利用拡大を図るため、各種木製構造物の実用化を検討し、実施施工を行った。木材の接合として多く用いられるボルト接合については、高含水率の生材を用いボルト接合1面せん断及び2面せん断試験を行った結果、構造設計を行う上では調整係数を用いた計算を必ず用いなければならない。丸太併用法枠工における横材の劣化状況をタイプ別にを調査した結果、劣化進行した順番はスギ皮付き材(原木)、ヒノキ皮付き材(原木)、スギ皮無し材(丸棒)、ヒノキ皮無し材(丸棒)で、樹皮のある原木の方が劣化の進行が早いことが認められた。


2 木質系資源から高密度炭の製造と還元用コークスへの利用

【市原孝志 今西隆男 堀沢栄 坂輪光弘】

 未利用な木質バイオマス資源を還元溶融方式ゴミ溶融炉で使用されているコークスの代替材として、有効利用を図ることを目的に、おが屑の成型に伴う木材の主成分の変化と成型特性及び成型炭の炭素化条件の検討を行った。おが屑を200℃、700 kgf/cm2で10分間、加熱圧縮して成型すると、主成分のセルロースとヘミセルロースが減少することから、成型要因の一つは加熱処理に伴う低分子化であると考えられる。また、セルロースは単体でも成型が可能であり、木質材料の加熱圧縮に伴う変形固化に大きく関与していることが示唆された。おが屑成型物を炭素化温度800℃以上、昇温速度0.3℃/分の条件で炭素化した成型炭は、コークス代替品としての利用が期待できる。


3 森林生態系を重視した公共事業の導入手法調査

【深田英久 宮田弘明 藤本浩平 今西隆男 中川良介 倉内俊男 宇久真司 松岡良昭 山崎敏彦 野地清美 東博文 梶原規弘 松本圓藏 黒瀬敏浩 正木幹人 伊東祐道】

 四万十川森林計画区において、平成8年度から17年度までの10年間にわたってモニタリング等の調査を実施した。森林資源、森林環境、森林生物の3分野について継続的なデータ収集と計測、経年変化の比較を行うことにより、長期的に森林環境を評価するための基礎データを蓄積するとともに、期間内の変化を示した。また公共事業のうち間伐事業に着目し、間伐が森林環境や森林生態系に与える影響を明らかにするとともに、森林生態系を重視した間伐事業の実施手法等を示した。


4 海洋深層水を利用したシイタケ菌床栽培

【今西隆男 市原孝志 森山洋憲 隅田隆 浜渦貴資】

 菌床シイタケの高品質化により地域産業の活性化を図ることを目的に、海洋深層水原水及び脱塩水の子実体に与える効果を検討した。菌床培地への原水10%、脱塩水50%までの添加で収量や一般成分、糖類には試験区間の差はみられなかったが、無機成分が増加する傾向がみられた。海洋深層水原水を培地水分の5%添加することで無機成分に富んだシイタケを栽培することが期待できる。


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