廃棄物焼却炉について

公開日 2012年07月30日

更新日 2014年03月16日

廃棄物焼却炉について

 廃棄物の処理において、焼却は主要な処理方法のひとつです。
 たとえば一般廃棄物では、75%程度が焼却によって処理されています。
 近年、科学技術の発達に伴い、ダイオキシン問題がクローズアップされ、その主要な発生源のひとつである廃棄物焼却炉の規制が強化されてきました。
 廃棄物の焼却処理に関して、少し考えてみましょう。

焼却処理について

 我が国における廃棄物処理においては、汚物の衛生的な処理の観点から焼却処分が広く行われてきました。
 しかし、廃棄物焼却炉においてダイオキシン類の発生が確認され、一部に小型焼却炉の使用停止や、コンポスト等の焼却以外の処理方法の検討が行われています。
 一方、感染性廃棄物の安全な処理や、最終処分場の不足に対応するための廃棄物の減量化などの観点から、焼却処分は新たな評価を受けており、今後も可燃性ごみの大半が焼却処理される状況は続くと思われます。

野外焼却はやめましょう

 焼却設備を用いずに廃棄物を焼却する、いわゆる「野外焼却」が各地で問題になっていますが、野外焼却は、煤煙、悪臭、ダイオキシンの発生など、周辺に様々な被害を及ぼします。
 廃棄物処理法では、「焼却の際には焼却設備を用いて焼却すること」と定められています。
 また、ドラム缶等の不十分な設備による焼却も禁止されていますので、焼却にあたっては適正な設備で処理するようにしましょう。

一定規模以上の廃棄物焼却炉には許可が必要です

 廃棄物の適正処理を確保するため、自己処分である場合、処分業である場合を問わず、一定規模(表1)以上の廃棄物の焼却炉は、高知県又は、高知市の許可が必要となります。
 なお、処理能力はメーカーのカタログ値とは異なる場合がありますので、不明な場合は環境対策課や最寄りの福祉保健所にご相談ください。

表1 設置許可が必要な施設 

施 設 の 種 類  該当する施設の能力又は規模
(いずれかに該当するもの) 
一般廃棄物焼却施設  処理能力200kg/時間以上
火格子面積2m2以上 
産業廃棄物焼却施設 
1 汚泥焼却施設  処理能力5m3/日を超えるもの
処理能力200kg/時間以上
火格子面積2m2以上 
2 廃油焼却施設  処理能力1m3/日を超えるもの
処理能力200kg/時間以上
火格子面積2m2以上 
3 廃プラスチック類焼却施設  処理能力100kg/日以上
火格子面積2m2以上 
4 その他の焼却施設
(木くず等) 
処理能力200kg/時間以上
火格子面積2m2以上 

環境を守るために、高度な設備と十分な管理が必要です

煤煙などの飛散を防止し、ダイオキシンの発生を抑止するために、施設や維持管理に対する様々な基準が設けられています。
 表1に該当する施設に対する基準の例を挙げると、
○ 800度以上で燃焼を行う
○ 排ガスの温度及び、一酸化炭素濃度を連続的に測定記録する
○ 排ガス中のダイオキシン濃度を年1回以上測定記録する
 等があります。廃棄物の焼却にあたっては、法令を遵守し、周辺に迷惑をかけることのないようにしましょう。

ダイオキシンをごぞんじですか

ダイオキシンとはどんなもの?

 ダイオキシン類とは、一つの物の名前ではなく、ポリ塩化ジベンゾーパラージオキシン(PCDD)類とポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)類およびPCBの一部(コプラナーPCB)をまとめてこう呼んでいます。
全部あわせると200種類をこえます。

 


どんな性質があるのでしょうか?

 ダイオキシンは、無色無臭の固体で、ほとんど水には溶けませんが脂肪などには溶けやすくなっています。又、化学物質や、酸・アルカリとは容易に反応せず安定した性質を持っています。
 一方、太陽からの紫外線により徐々に分解します。
 また、多量の暴露では、生殖機能、甲状腺機能及び免疫機能への影響があることが動物実験で報告されています。しかし、人に対しても同じような影響があるかどうかはよくわかっていません。

ダイオキシンはどこで発生するのでしょうか?

 ダイオキシンは、塩素を含む物質を燃やせば発生します。例えば、家庭から出る生ゴミにも食塩などの形で塩素が含まれているので、塩化ビニルなどのプラスチック製品に限らず、物を燃やせば量の多少にかかわらず常に発生の可能性があり、その発生源は広範囲にわたっています。
 また、機能の不十分な炉で焼却する場合、または低い温度での焼却や不完全燃焼などによって多く発生することが分かっています。廃棄物の野焼きをしたり、焼却炉の中が低温であればよく発生します。
 排出源は、ゴミの焼却、金属精錬、紙などの塩素漂白工程など、様々なところから発生しており、日本では1年間で約5千数百グラム(毒性で換算した値)排出されているとの試算があります。
 また、ダイオキシンは自然界でも発生することが知られており、森林火災、火山活動などでも発生しています。  なお、何種類かのダイオキシンはかなり以前から環境中に存在していたという報告があり、少なくとも1800年代には環境中に存していたことが明らかになっています。

表2 ダイオキシン発生源 (単位:グラム-TEQ)

発 生 源 

排 出 量 

一般廃棄物焼却施設 

   4300

産業廃棄物焼却施設 

547~707

金 属 精 錬   

    250

潤 滑 油     

     20

たばこの煙     

     16

そ の 他     

      4

合   計  5140~5300

ダイオキシンの抑制は?

ダイオキシンは様々な課程で発生しますが、次のような対策を行えば、実際上問題のないレベルまで低下させることができます。
  • 十分な空気を供給し高温で燃焼させる。
  • 燃焼ガスを速やかに冷却する。
  • 高度な排ガス処理を行う。
  • 火おこし、火落としの不完全燃焼が起こらないようにする。
  • 分別、再資源化等によりゴミの量を減らす。

この記事に関するお問い合わせ

高知県 林業振興・環境部 環境対策課

所在地: 環境対策課 :〒780-8570 高知県高知市丸ノ内1丁目7番52号(西庁舎5階)
電話: 計画推進・一般廃棄物 担当 088-821-4590
新処分場 担当 088-821-4595
産業廃棄物 担当 088-821-4523
環境・再生利用 担当 088-821-4524
ファックス: 088-821-4520(環境対策課)
メール: 030801@ken.pref.kochi.lg.jp
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