環境トピックス:平成の名水 黒尊川(その1)

公開日 2009年03月16日

環境トピックス

平成の名水 黒尊川(その1)

 平成20年6月、環境省は平成の名水百選を選定しました。水環境保全の一層の推進を図ることを目的に、「地域の生活に溶け込んでいる清澄な水や水環境のなかで、特に地域住民等による主体的かつ持続的な水環境の保全活動が行われているもの」が各地域から選ばれました。本県では、高知市内を流れる鏡川と、四万十川の支流である黒尊川が選ばれました。昭和の名水百選(旧環境庁昭和60年選定)では、四万十川本川が選ばれており、四万十川水系の水質の良さとその貴重性が平成においても評価されました。

黒尊川下流域 今も自然がそのまま残る
黒尊川下流域 今も自然がそのまま残る

水清き黒尊川

 四万十川へそそぐ支流の中でも透明度が最も高いといわれているのが黒尊川です。黒尊川は県の西部、高知県と愛媛県の県境付近にある名峰、三本杭(1226m)から発し、八面山など黒尊山地の大小の渓流を集めて、旧西土佐村(現在は四万十市)の口屋内付近で四万十川本流と合流します。サンショウウオがすむ清らかな流れは、流域に残された貴重な原生林とともに色鮮やかな景観をなしています。

黒尊川の透明度は抜群です
黒尊川の透明度は抜群です

 流域には、かつての日本の農山村風景が現在も維持されており、川と人との関わりの中で魅力ある流域文化が残されてきた地域でもあります。昨年11月21日、国の文化審議会は、黒尊川を含む四万十川流域について、「四万十川流域の文化的景観-中流域の農山村と流通・往来」として国の重要文化的景観に選定するよう文部大臣に答申しました。これを受け、平成21年2月12日、文化庁は高知県では初めて、流域5市町(梼原町、津野町、中土佐町、四万十町及び四万十市)連携では全国初めての重要文化的景観として四万十川流域を選定しました。

もっと知りたい!>>>高知の文化財(高知県文化財課)

黒尊川と里山

黒尊川と伝説

 黒尊川流域には貴重な自然や伝統的な景観のほかに、古い伝説も多く残されています。人から人へ、また世代から世代へと、話し手と聞き手の心のふれあいが生活の一部として今も多く残っています。「黒尊様」と呼ばれる大蛇伝説や、流域にある黒尊神社の霊験伝説、皿屋敷のお菊伝説など興味をそそるものばかりです。地元では、伝説を紙芝居にしたりして、次世代に残していこうといった取り組みも行われています。

黒尊神社奥の院の黒尊淵
 黒尊神社奥の院の黒尊淵

四万十川条例と黒尊川流域

 高知県では、県民、国民の共有財産である美しい四万十川を次世代に引き継いでいくため、全国でも珍しい「高知県四万十川の保全及び流域の振興に関する基本条例」、略称“四万十川条例”を平成13年4月に施行しました。条例は県民、事業者、行政、さらには旅行者までもが一体となって、清流の保全と、流域の振興を目的に、四万十川のあらゆる魅力の向上のための取り組みを行うことを呼びかけています。

もっと知りたい!>>>四万十川条例(高知県環境共生課)

黒尊川流域にはゆず畑が広がる
黒尊川流域にはゆず畑が広がる

 平成16年、高知県では四万十川条例に基づき、県が関わる公共工事等で自然環境や景観に配慮した取り組みを行うための「高知県四万十川環境配慮指針」を定めました。さらに、平成18年には、四万十川の保全、流域の振興のために重点的に必要な方策を取り組む重点地域を指定し、この地域での開発等の行為を知事の許可制とし、生態系や景観の保全に取り組んでいます。
 黒尊川流域はこの重点地域の一つ、「人と自然の共生モデル地区」として指定されました。優れた水質と多様な野生生物、また農山村の原風景が保全されていることから、これらを後世に残し伝えるために、平成18年11月には、地域住民、林野庁、四万十市、高知県による「黒尊川流域の人と自然が共生する地域づくり共同宣言(しまんと黒尊宣言)」を発表しました。流域では、森林の間伐、遊歩道の整備、流域一斉清掃、地域の歴史・文化を伝承するための活動などが行われています。今回の平成の名水百選への選定もこれらの活動が認められたものです。

こげ茶色のガードレール
こげ茶色のガードレール。
人工物の色も景観とマッチするような配慮がなされている。

連絡先

高知県 林業振興・環境部 環境研究センター
住所: 〒780-8010 高知市桟橋通6丁目7番43号
電話: 088-833-6688
ファックス: 088-833-8311
メール: 030802@ken.pref.kochi.lg.jp