環境トピックス:地球温暖化

公開日 2014年02月27日

環境トピックス

地球温暖化

1.はじめに

 2013年は、全国各地で猛暑が続き、非常に暑い1年となりました。総務省消防庁によると、2013年の6月~9月の熱中症による救急搬送者が5万8729人となり、前年同期(4万5701人)比で28.5%増加しました。さらに、8月12日には、高知県四万十市江川崎で国内観測史上最高気温41.0℃を記録しました。これまでの最高は、2007年8月に埼玉県熊谷市と岐阜県多治見市で観測された40.9℃でした。

図1 高知市の平均気温の変化(参考:高知地方気象台)
 図1 高知市の平均気温の変化(参考:高知地方気象台)

 図1は、高知市の1886年~2012年までの年平均気温の変化を表したものです。短期的には変動を繰り返しながらも、長期的には100年あたり約1.45℃の割合で上昇しており、温暖化による気温上昇が見られます。
(参考:高知地方気象台)

 また、2013年は雨が降らない日が続き、「四国のいのち」と呼ばれる早明浦ダムの貯水率が25.8%になり、4年2ヵ月ぶりに高知県大川村の旧役場庁舎が姿を現しました。
(写真は平成20年8月撮影)
写真1 早明浦ダム旧大川村役場
写真1 早明浦ダム旧大川村役場

 温暖化による影響は、海水面の上昇や異常気象の増加、さらには生態系への変化などにも及ぶとされています。今年は、京都議定書の削減目標値である「-6%」を達成した節目の年となりました。これから改めて、地球温暖化問題の重要性を再認識するとともに、新たな削減目標に向かって私たちに何ができるかを考えていきましょう。

2.地球温暖化のメカニズム

 地球の気温は、太陽からの日射エネルギーと日射により暖められた地表から放出される熱放射(赤外線)、それと大気による熱の吸収、放射のバランスによって決められています。大気による熱の吸収・放射に関与しているのが、温室効果ガスです。温室効果ガスとは、温室効果をもたらす気体の総称です。地表から放射された赤外線を吸収し、再び地表へ再放出することで地球の気温を一定に保っています。温室効果がなくなると、地球の地表面の平均気温は-19℃になると言われており、本来、温室効果ガスはなくてはならないものなのです。(参考:理科年表シリーズ 平成25・26年環境年表)
 しかし、産業革命後とりわけ20世紀後半から石油や石炭などの化石燃料が大量に使われるようになり、温室効果ガスの1つである二酸化炭素が急増しました。これにより、温室効果が強まり、地球温暖化が引き起こされました。

図2 地球温暖化の仕組み(概念図)
図2 地球温暖化の仕組み(概念図)

 人間活動によって増加した主な温室効果ガスには、二酸化炭素、メタン、一酸化炭素、フロンガスなどがあります。温室効果ガスは、種類が異なれば同じ量であっても温室効果の影響度が異なるため、地球温暖化係数を定め、合算できるようにルール化しています。地球温暖化係数とは、言わば「温室効果の強さ」のことで、二酸化炭素を基準(=1)とした時の各物質の温暖化をもたらす程度を表しています。
 表1は、京都議定書で地球温暖化に寄与するとして定められている温室効果ガスです。地球温暖化係数で比べると、二酸化炭素は6物質の中で一番小さく、温室効果が弱いとされています。

表1 京都議定書対象温室効果ガス
表1 京都議定書対象温室効果ガス

 ではなぜ、二酸化炭素は温室効果が最も弱いのに、温暖化の一番の原因とされているのでしょうか?
 これは、人為起源の温室効果ガスの中で、二酸化炭素が最も多く排出されているからです。下の図は、2004年の温室効果ガス別排出量の内訳を表したものです。二酸化炭素は、総排出量の約8割を占めており、他の温室効果ガスと比べて、いかに排出量が多いのか一目瞭然です。

図3 2004年の人為起源温室効果ガス総排出量に占めるガス別排出量の内訳
図3 2004年の人為起源温室効果ガス総排出量に占める
ガス別排出量の内訳(参考:IPCC第4次評価報告書)

3.日本の京都議定書目標達成状況

 京都議定書は、1997年に地球温暖化の原因となる温室効果ガスについて、先進国における削減率を1990年を基準として各国別に定め、共同で約束期間内(2008年度~2012年度)に目標値を達成することを定めたものです。(日本は-6%)
 2013年の11月に開催された第19回気候変動枠組み条約締結国会議(COP19)で日本は、2008年度~2012年度の温室効果ガス平均排出量は、森林における吸収分や排出量取引などの 「*京都メカニズム」分を差し引くと1990年比の8.2%減少となり、義務を達成したと説明しました。さらに、2020年までの新目標として「2005年比3.8%減少」を表明しました。

図4 日本の温室効果ガス排出量 (参考:環境省)
図4 日本の温室効果ガス排出量 (参考:環境省)

* 京都メカニズム…次の場合、他国での温室効果ガスの排出量削減を自国での削減に換算できる仕組み
(1)【クリーン開発メカニズム】 先進国が途上国で削減事業をして、削減分を自国での削減に換算する
(2)【共同実施】 他の先進国で削減事業に協力し、成果の一部を自国での削減に換算する
(3)【排出量取引】 京都議定書での目標以上に削減できた先進国から、余剰枠などを買う

4.地球温暖化に関する最新の科学報告書

 2013年9月27日に気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が地球温暖化に関する世界最高峰の科学報告書であるIPCC第5次評価報告書の第1作業部会報告書を公表しました。このIPCC報告書は、温暖化に関する最新の報告をまとめる場であり、国際的にもっとも信頼のある知見として認められ、各国の国際交渉や政策の基礎となっています。今回の報告書で注目すべきポイントとしては、以下の内容があります。

【1】地球温暖化の原因
・人間活動によって地球温暖化が起こっている可能性は、極めて高い(95%以上)
【2】海水温の上昇と氷の融解
・温暖化の影響から海水温が上昇しており、北極域の海氷が溶けている
・21世紀半ばまでに9月の北極域で海氷がほぼなくなる可能性が高い
【3】気温及び海水面の上昇
・今世紀末に地球の平均気温が最大4.8℃、海面水位82cm上昇する恐れがある
【4】海洋の酸性化
・大気中の二酸化炭素の増加に伴い、海洋の二酸化炭素吸収が起こり、海洋の酸性化が進行する

 これらの見解は、地球温暖化のさらなる進行を指し示すものであり、世界的な対策の強化が急がれます。
 2014年3月には、IPCC第38回総会が日本の横浜で開催されます。この総会では、地球温暖化による自然や人間活動への影響、さらには食糧や健康被害などについても議論される予定です。

気象庁 IPCC第5次評価報告書(日本語訳)
http://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/ipcc/ar5/

5.高知県の取り組み

 本県でも、地球温暖化対策に関する取組方針として「高知県地球温暖化対策実行計画」を策定しています。この計画は、高知県の地域特性、地場産業等の強みを活かした地球温暖化対策を推進していくもので、「部門別削減対策」、「二酸化炭素吸収源対策」、「再生可能エネルギーの導入」、「共通的・基礎的な対策」の各分野で効果的な削減対策を進めています。

若葉【主な取り組み】
・森林環境税(全国初)

・CO2木づかい固定量認証制度
・森林吸収取引モデル事業(オフセット・クレジット)
・パーク&ライド事業の取組
・フロン対策
・太陽光、風力、木質バイオマスなどの新エネルギーの導入

▼詳しくはこちらへ
 高知県新エネルギー推進課 「高知県地球温暖化対策実行計画」
 
http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/030901/ondanka-keikaku.html

連絡先

高知県 林業振興・環境部 環境研究センター
住所: 〒780-8010 高知市桟橋通6丁目7番43号
電話: 088-833-6688
ファックス: 088-833-8311
メール: 030802@ken.pref.kochi.lg.jp