第3回「対話と実行座談会」(中山間地域における農業振興について)

公開日 2015年10月22日

更新日 2015年10月22日

平成26年度 第3回「対話と実行座談会」

日時:平成27年3月18日(水曜日)15時00分から17時00分まで
場所:高知会館
出席者:中山間で先進的に農業活動されている方4名     

座談会要旨

1.知事あいさつ
2.参加者の取組状況について
3.意見交換
4.知事まとめ

 


開会

(司会)
 ただいまから平成26年度第3回対話と実行座談会を開催します。
 

1.知事のあいさつ

(知事)
 本日は、大変ご多忙の中、お集まりいただきまして本当にどうもありがとうございます。また、傍聴席にも多くの皆さんにおいでいただき、感謝を申し上げます。
 今日は、中山間地域における農業振興をどうしていくのかということについて、お話をさせていただきたいと考えています。今、地方創生と盛んに言われていますが、そういった中において本県としましても、いかにこの中山間の振興が大事かと、いろいろ訴えています。例えば、集落活動センターをはじめとする小さな拠点づくり、これが非常に大事ではないかと訴えてきましたが、併せまして、特にこの農業について言えば、中山間における複合経営的な視線というのは非常に重要ではないかと訴えてきたところでした。
 まだまだこれから、本格化していくためにやるべきことは多いという段階ですが、国でも概ねそういった方向感は一定理解されつつあるという状況ではないかと考えています。
 この後、まず私の方から今後、第2期産業振興計画Ver.4の段階において、どういう形で農業政策を進めていこうと考えているかということについて、概ねこの複合経営的な点についても、10分ほどお話をさせていただきまして、その後、皆様からご意見を賜りたいと思います。
 皆さんにお時間をいただきましたこと感謝を申し上げまして、冒頭のご挨拶とさせていただきます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、今後の本県の農業政策の方向性について、少しお話をさせていただきたいと思います。
 まず、第2期の産業振興計画についてです。
 これまで、主に「地産の強化」、「外商の推進」、そして「拡大再生産」を柱に取り組んできました。
 地産の強化という点では、オランダからの技術習得等を行っていきながら、環境制御等の先進技術を本県に合わせて改良・確立をする取組をし、さらには次世代施設園芸団地の整備などの取組を進めてきました。
 また、併せましてIPM技術の普及促進のための取組を進め、次世代型ハウスの技術を県内各地に普及促進していこうと、平成26年9月補正から支援制度を創設するなどの取組をしてきました。こういう技術について、学び教え合う場の設置などにおいて県内各地に広げていく、そういうソフト面の仕組みも整備したところです。
 併せて、地産の強化を図り外商の推進につなげていくということで、例えばパートナー販売、量販店での販売強化、関東3社、関西1社、中京2社、東北2社、パートナー量販店になって売り込みをお願いしたり、高知家の野菜・くだもの応援の店制度を設けて本県の野菜の取り扱いをお願いをする。こういう形で地産外商を進めていきながら、さらに拡大再生産につなげていこうとしています。
 そのために、まず新規就農者の確保ということで、農業担い手育成センターを設置したり、こうちアグリスクールの定員を増やして東京、大阪、高知で新規就農者の募集をしたり、さらには農地中間管理機構の取組によって耕作放棄地の防止を図ったりという取組を、平成26年度までは行ってきました。
 27年度からはこの取組をさらにパワーアップして進めていきたいと考えています。
 まず、大規模施設園芸団地。4ヘクタール以上の大規模団地ということになりますが、高軒高(こうのきだか)を中心とする大規模次世代ハウスです。例えば、農業者と県内外の企業の皆さんと共同出資でもって、こういう事業体をやっていこうではないか。そう思われる方も出てくるのではないか。資本の力も借りて、高軒高を中心とする大規模次世代ハウスの普及を図ろうではないか。さらに、そこまでいかなくても、意欲ある農業者の皆様方、低コスト耐候性等の中規模次世代ハウスを導入していこうではないか、そう思っていただける方もいらっしゃるのではないかということです。実際、既に同規模で数軒、既に取組を始めようと言っていただいている方もいます。
 さらには、これが一番大事ですが、既存型ハウスへの環境制御技術導入。多くの皆さんに環境制御技術を既存型ハウスにも導入していただき、収量アップをしていただこうと。家族経営体を非常に大事にすることを基本としながら、併せまして、内外の資本を導入してくることによって、少し大きめのハウスを導入していけるようにならないものかなと考えています。
 さらに、こういう取組に加え、中山間農業複合経営拠点、これが今日のテーマになります。中山間で複数の取組をしていただくことで、全体として農業所得を上げるような取組。これによって若い人たちが地域地域で残れるような取組を進めていただきたいという思いです。例えば、JA出資型法人の皆様など、そういう方々に経営拠点の主となっていただき、中山間に適した農産物の生産や畜産基地としての取組をしたり、先ほど申し上げた次世代施設園芸団地も組み合わせたり、しっかり集荷していくような仕組みをつくる。さらに、より現金化していけるように農産物の6次産業化を行ったり、直販所や農家レストランをやっていただいたり。農業を取り巻くクラスターのようなものを、中山間それぞれの地域でつくっていければ、それぞれの箇所で若い人が残っていける高知県になれるのではないかという発想です。
 また、本県において園芸農業をしっかりと、新しい技術で収量を上げ、所得を上げていく取組をまず進めていくことが一つの大きな柱。併せて、中山間の多い本県で、この複合経営拠点的な取組を県内各地で広げていこうというのが2本目の柱です。こういう形で農政全体の、いわゆる地産の強化を図っていきたいと考えているところです。
 その上で、外商の強化を図っていく。基幹流通をより骨太にしていく。収量が増えていけば、より一元化収集体制によるところの量が増え、マーケットにおけるシェアも増え、価格支配力も増えていくのではないか、そういう方向感があります。
 併せまして、園芸連の特産営業部も強化をされるということであり、それぞれ収量を上げていく中で独特の商品もできてくるでしょうし、さらに中食、外食が非常に増えてきていることを踏まえたニーズにも対応できるように、柔軟な中規模流通も大事にしていこう。また、小規模なれども、非常にこだわりの農産物を作っている方には、基幹流通とは別に、例えば野菜ソムリエの皆さんや高級レストランのシェフの皆さんとタイアップしていただいたりして、流通をしっかりしていこう。結果として、これが高知の野菜全体、農業全体の広告塔のような役割も果たしていただけるようになればと。そういうことをトータルでやっていけないか。そういう形で、外商の強化を図っていきたいと考えています。
 これで所得が向上すれば、担い手の確保・育成と組み合わせることで、例えば、農業担い手育成センターの取組、農地中間管理機構の取組、これらはまだスタートしたばかりですが、これをさらに強化し、地域地域で産地提案型の担い手確保対策に取り組む。こういう土地や家があります、土地の人みんなでバックアップしますよと。そういったことを皆さん方に提案していく形で、就農者を募集する取組もやっていただきながら、全体として就農者を増やし拡大再生産につなげていくといった、形のよい好循環を創り上げていきたい。平成27年度からの一つの農政の方向として展開していきたいと考えています。
 概ね県全体としての施策というのは、こういう方向感で考えていますが、この中でも特に、今日は中山間の農業複合経営拠点のあり方について、非常に先端的な取組をしている皆様にお集まりいただいていますので、今までの取組のご苦労から、こうしていくべきではないか、この経営拠点がよく展開していくためにも、流通販売の点や担い手の確保・育成、すなわち拡大再生産の点などについてご指摘を賜れればと考えているところです。どうぞよろしくお願いします。
 

.参加者の取組状況について

(司会)

 まず、4名の参加者の皆様方より、それぞれの取組状況につきましてご報告をしていただき、その後、意見交換に入ります。

 最初に、岸本さんからお願いします。

 

(岸本氏)

 株式会社ビバ沢渡代表の岸本憲明です。今日はよろしくお願いします。

 少し自己紹介させてもらいます。私は高知市生まれで24歳まで高知市で生まれ、育ち、生活もしておりました。8年前に仁淀川町沢渡地区のお茶畑が衰退していくのを何とか止めれないかと思い、妻と一緒にIターンしたのがきっかけで、最初は町内企業に勤めながら兼業農家としてお茶の栽培のノウハウを祖父から学んでいました。そして、4年前に専業農家となり正式に茶園を継承しました。

 次に、沢渡はどんなところかという紹介ですが、仁淀川町別枝という所の中に沢渡地区という非常に小さい地区がありますが、昔からお茶の歴史があるところで、見渡す限りのお茶畑が国道の対岸に見える、そんな場所です。そしてここには、土佐三大祭りの一つの秋葉祭りがあり、普段は200人足らずの集落に1万人以上のお客さんがおいでになって活気が出る、そんな地域です。

 そして、4年前に専業農家となってお茶の販売を始めたものの、どういう売り方をしたらいいのか分からず、困って悩んでいたところ、ちょうど高知県の「目指せ!弥太郎商人塾」というのを知人に聞き、参加させてもらったところ、売り方、商品作りの考え方や高知県内で頑張っている、志のある人たちと出会ったことが、いろいろなやる気にもつながり、いろいろな商品がそこから生まれました。

 私の考える今後の展望としては、今、二番茶の利用がほとんどない状態ですので、二番茶を利用して新しい商品をつくり出せないか。それにより収益増を見込み、雇用の創出につながるのではないかと考えています。そして新しい取組としましては、地元にカフェを作り外販をするだけではなく、地元に来てもらい交流ができる拠点もつくりたいなと考えています。

 以上です。ありがとうございました。

 

(司会)

 続きまして、中脇さんお願いします。

 

(中脇氏)

 山間屋の中脇裕美と申します。よろしくお願いいたします。

 地域資源に磨きをかけて、地の物に光をあて世に出していくということを大きな目標に掲げてやっています。平成19年3月に役所を退職しました。それまでに手がけてきた仕事が中途半端で終わってしまっては困ったなと思い、それもつなぎたい、地域の活性化もしたいということで役所を辞めた次第です。雇用を生む、地域に活性化を取り戻すことが私の大きな目標です。地道が一番で、小さな6次化シリーズで地道にやっています。

 まず、地域の魅力についてです。四万十川が中央を流れています。25年には41度という最高気温を記録した地域です。暖かかったり冷たかったりで、お米もおいしいです。この地域を生かした地域づくりの会、農家レストランの「しゃえんじり」が平成26年の農林水産大臣賞を受賞しました。立ち上げにかかわった者としては、実に感慨深いものがあります。地域の資源を活かしたグリーンツーリズムで地域の人の活躍も体験をしながら、皆さんと交流をしています。

 私の手がけてきた一番大きなものとして、山間米というのがあります。知っていただいている方もいると思いますが、地域のお米をどうしてもブランド化したい、私たちの米はうまいんだぞ、という農家の人の力になれたらと思い始めました。平成16年に立ち上げ、10年間経ちました。十年一昔と言いますが、物事になるにはやはり10年、15年かかるなということを実感する一品です。ストロベリー山間屋というケーキカフェを、交流人口を生みたいという一念から創りました。地域の物を販売したい、地域を知ってもらいたいと松山に外商活動をかけています。大街道で週2回ほど売っています。

 山間米を作ることで、この米をいろいろな商品に使いたいと思いまして、お酒ができました、酒粕ができました、お漬物ができました、という活動をしています。

 最近思うのですが、これを始めた平成16年頃には、外に打って出たりイベントをしたり、特産品を開発することは本当に画期的なことでした。でも、近頃はみんなが誰でも新しい物をどんどん作り、どんどんイベントをして販売活動をしています。そういった中で転機が訪れているなという気が、この10年でしています。新しいことを考えていかなければならないなと思っています。そういうところに移住の方の新しい考え方を教えていただきながら、また県の方の細やかなフットワークを生かしながら、小さな集落の集まりですので、その集落一つ一つが小さなビジネスを生み、そこが自活できるような方法があれば、中山間は本当に小さな集落の元気が大きなつながりになると考えています。

 小さなビジネス、大きな意気込みで頑張っています。

 

(司会)

 続きまして、浜田さんお願いします。

 

(浜田氏)

 サンビレッジ四万十代表の浜田です。

 それでは、私どもの開業のビジョンを少し説明させていただきます。

 私どものところも非常に小さな集落でした。将来の農業のあり方に不安を抱えていた影野下集落ですが、県内初の集落営農法人をつくることができました。この14年間ずっと描いた夢を実施してきたわけです。基盤整備をきっかけに集落の農業の将来像を考えて、自分たちも楽しくできる農業を実践していきたいという願いから1集落、1農場方式を採用しました。平成13年に任意組織「ビレッジ影野」をつくり、平成22年に農事組合法人に衣替えし、平成26年には株式会社サンビレッジ四万十という形になっています。

 わずか11ヘクタールの農地ですが、水稲、ピーマン、ショウガ、この3つの基幹的な農産物を中心に従事者5名、そして非常勤のパート15名程度で栽培管理をしています。

 農業のブランド化、新たな担い手を生み出す農業の仕組み、そして、地域とともに発展できる仕組み、こういった地域の守り手、組織の後継者を育てることに主眼を置いてきました。要は人です。夢や意志があるところにこそ道は拓けるものと思っていまして、基盤整備をしっかり組み立て、後継者が安心して活動できる体制を築いていきたいと願っています。

 しかし、一番の思いは農地を次世代、後々の方たちに永久に伝えていく。農地と文化を残していきたいという願いがありまして、集落のビジョンを描いていました。徐々にではありますが、成し遂げていっているのかなと感じているところです。後継者だけでなく、集落全体が生かされる組織として認められ、位置付かなければならないのではないかなと思っています。

 影野地域の行事や住民との触れ合いを大切にしながら、仁井田地域で未来会議というのをつくっていますが、この取組や集落活動センターの協力などを通して地域の魅力アップを目指していきたいと願っています。

 今後の事業展開としては、まず組織の強固な経営基盤づくり、これがなくては何もできないと非常に痛感しています。じっくりと目標に向かって一年一年を大事に育てていきたいと思っています。中山間地域が元気でいられるのは、1次産業がしっかりするしかないと思っています。地域で生活していける集落営農法人の拠点づくりを急がなければならないとも思っています。

 最後に農業行政に対して県の考え方ですが、出先機関の対応のお陰でここまで来ていると非常に最近痛感しています。感謝申し上げるとともに、今後も引き続き、ますます一層施策の大事さというのが必要になってくると思います。的を射た支援を今後もお願いします。

 

(司会)

 続きまして、岡部さんお願いします。

 

(岡部氏)

 株式会社れいほく未来で常務をしています岡部と申します。今日はよろしくお願いします。

 私どもの会社は、JA出資型法人ということで、平成23年4月に設立しました。設立に至った経緯についてですが、嶺北地域は非常に中山間の中山間で高齢化がすごく進んでいるところです。農地の荒廃、あるいはハウスの遊休化が、ますます深刻な問題となってきた時、農地をどのように次世代に継承していくか。そのためには、こういう方針が必要ではないかという議論に立った時、JAが親会社となった子会社を設立し、地域を守っていこうということでつくられました。

 会社の経営理念としては、明るい農業の未来と地域貢献ということで、農業の暗さを何とか明るく、未来も明るくというのが会社の経営理念です。

 土佐嶺北、特に土佐町におきましては、相川米と言われる食味抜群のお米、それからいつも夏はテレビを賑わす早明浦ダム、それから幻の土佐あかうしといった地域資源を有効活用していこうということと、嶺北ブランドの嶺北八菜という野菜をJA土佐れいほくが中心となり栽培をしています。

 会社の事業内容ですが、高齢化により農作業がなかなかしんどいという時に、農業者に代わり作業を受託しています。それから、昨年来より県の補助金も導入し、土佐あかうしの畜産基地を、最終的には400頭規模を目指して建設中です。それから、担い手を確保していく上でどうしても必要になってくるのが研修事業です。現在、3名の研修生を受け入れています。1人は大阪から移住をしてきた研修生。1人は芸西村から嶺北に移住をしてきてくれています。研修生を使ったレタス栽培や、JA土佐れいほくが西日本では初と言われる湿式の米の製粉工場を建設していますので、そこでつくった米粉を加工し、パンとして米工房の運営も今年から始めることになりました。

 今後のビジョンとしては、先ほど、知事からもご説明があった複合拠点、やはり中山間は単体ではなかなか生きていけないので、こういった複合経営拠点構想を私どもも持っています。いろいろな組み合わせをしていくことで会社の経営基盤を強化し、かつ地域が活性化する取組はどうすればいいのかと今後も模索、検討していきたいと思いますし、昨年より5カ年の計画の中で、年次ごとにどういう施設をどのように整備し、最終的な会社の将来像を作成したいと考えています。それと、集落営農組織が高齢化をしてくる中で、なかなか集落が維持できないということがあるので、昨年来からうちの会社がオペレーターとして入っていき、集落営農組織との共同一体といったことも、今後考えていきたいと思っています。

 

.意見交換

 

(知事)

 どうも皆様ありがとうございました。

それでは、この中山間の農業振興をどういう形で行っていくべきかということについて、いろいろな観点から意見交換をさせていただきたいと思います。

 まず、岸本さんは本当に中山間の星というか、まだ32歳ですよね。32歳でよく本当に仁淀川町に帰っていただいて、この間も私お伺いして本当にきれいな茶園で素晴らしいことだと思いました。どうして帰ろうと思ったのですか。

 

(岸本氏)

 国道33号線沿いの対岸に沢渡の茶畑が見えますが、子どもながらに私のおじいちゃんの家に行く時に、この景色が見えた時が沢渡に着いた目印でした。そこで放棄茶園が出てきて、維持できないと実感しだしたころに何とかしてやろうという気持ちが芽生えたました。しかし、何をしたらいいのか全然分からなかった。20歳頃から思い始めたのですが、2~3年ほどずっと思い悩んでいました。

 

(知事)

 そうですか。

この間もお伺いしましたが、土佐MBAで「目指せ!弥太郎商人塾」に参加されたことが企業展開のきっかけだったそうですよね。だから、お茶もポンと押したらお茶が出てくるシリーズなどをつくっていますよね。そういうものは、やはり商人塾に参加された時の、人脈は大きかったのですか。

 

(岸本氏)

 卒業して4年ほど経ちますが、未だに交流もありますし、何か困ったことがあれば相談するなど、講師の先生たちとのやり取りもあります。卒業しても頼りになりますし、そこでできた絆は非常に私にとっては宝です。

 

(知事)

 おじいさんから引き継がれた茶園をしっかり継承されて、さらに加工に展開していく。まさに複合経営を目指す姿ですが、最初取り組まれる時は、ノウハウや資本などいろいろと大変ではなかったですか。そこはどうやってクリアしましたか。

 

(岸本氏)

 大変でした。本当に大変で、わけの分からない状況からでしたので、そこは人脈というか出会いを大事に、出会いがいろいろな商品につながってきました。祖父がすごく生産に力を入れていまして、「えいものをつくったら高く売れる」と常に言っていました。昔はそれで生活ができていたと思いますが、今それができたら担い手も多分いたのでは、と思います。でも、今いないということは、お茶を一生懸命作っても生活できないということ。私はすごいもやもや感があり、それと、沢渡地区のお茶という商品がなかったので、ぜひこの風景や秋葉祭りをミックスした商品をつくり、この沢渡をみんなに知ってもらいたいというつもりでパッケージなどを考えました。

 

(知事)

 茶園を訪れる方は増えているのではないですか。

 

(岸本氏)

 多いですね。祖母がびっくりしています。定期的にいろいろな人が訪ねてきてくれるので、その人らが「すごいきれいだね」と言ってくれるのは、とても嬉しいです。地元の人も喜んでいます。

 

(知事)

 山の上で本当にきれいなところに茶畑がたくさんあるのですが、それに加えていろいろな商品を展開している。取り扱い店舗が、これまたすごいですね。土佐せれくとしょっぷ「てんこす」、料亭濱長、土佐和紙工芸村くらうど、竹林寺、牧野植物園、城西館、土佐茶カフェ、ウトコ、よどやドラッグ、無印、これ県外ですよね。それから香港も行っていますよね。ぜひ、どんどん売れていくといいですよね。

 ちなみに、今後さらに展開を図っていこうとされているんですよね。どういう方向でいこうとされているのですか。

 

(岸本氏)

 沢渡地区全体の収量というものは決まっていますので、例えば一番茶、新茶を商品化すれば沢渡茶という煎茶になります。これを販売していくと、どれぐらいの金額になるのか、いくら収益が出るか、何人ぐらい雇わないと継続できないか、それが見える。そう考えた時に、なかなかお茶一本というのは厳しい。そこを、加工品にするなど、あと、卸しではなく、この地区自体を商品と考え、それを売りにしていきたいと思っています。

 

(知事)

 なるほど。地区自体が商品というのはいいですよね。だから、地元でカフェをやったりして、地元の方に来てもらい、こういう取組自体に馴染んで知っていただくような取組にもつなげていける。

 ちなみに、岸本さんと一緒にやろうかという若い人はいますか。

 

(岸本氏)

 はい、4月に高知市内から夫婦で帰ってきて、仕事を手伝ってくれる方がいます。

 

(知事)

 沢渡人口、2人増えますね。ありがとうございます。

 では中脇さん、今日はおいでいただきましてありがとうございます。

 小さなビジネス、この積み重ねが中山間の生活を最終的に支えていくことになるんだ、小さなビジネスを大きな意気込みで進めていくんだという、先ほどのお話を聞いて素晴らしいなと思いました。まさに我々の中山間対策、小さなビジネスを大事にし、それを重ねていく中で、まず生活の維持ができるようにする。その小さなビジネスの中から、もしかしたら中位のビジネス、大きなビジネスとなり、地元での起業につながっていくという思いでもいます。ただ、逆に言いますと、この小さなビジネス、例えば先ほどの小さな6次化シリーズになど、小さなビジネスだけにいろいろな商品をつくっていくことになるわけではないですか。それはやはり商品ごとに全然ノウハウも違うし、販路なども違う。そこは大変ではないですか。そこはどう乗り越えていっているのですか。詳しく教えていただければ。

 

(中脇氏)

 大変です。取り扱っている商品数は50、60はあると思います。

 ユズはユズドレッシングがロングラン商品なのですが、ユズを農家から取り寄せて1年分冷凍保存して、それを小出しにしながら1年つくっていく。全体的に流れができてきたので、そういった品物はいいのですが、思いついた時に思いついた商品をつくると、それを販売するのが大変です。そのために、自分で行き、自分で売り込みをかける方法をとっています。それと、小さなビジネスの中では、おばちゃん、おんちゃんの一人一人がビジネスマンなのです。松山へ持っていく商品を朝みんなが持ってきて、それを預かり持っていって売るというシステムにしていますが、おばちゃん、おんちゃんが、これはこうしたら売れていくというのが、現場も見せているし分かってきている。これより高くすると多分売れない、こんなふうにパッケージしたら売れるなど、そういったことが分かってきている。それがすごいと思います。

 こうすれば売れていくということが、本人たちが見ることで分かってくる。平成28年にできる道の駅は、多分おんちゃん、おばちゃんの小さなビジネスの集合体になると、私は思っています。そうして自活する。自活ほどにはならないですが、ただ、それをすることで生きがいになる。

 小さなものをいっぱいつくりますが、やはり販路を持っていないと絶対に無理です。その一つが知事も提唱している外商ですよね。やはり見て、手に取ってもらって、という方法を考えています。取り扱い商品が多いほど、そんな感じです。やはり手に取ってもらわないと絶対売れていません。このような小さなビジネス物は特にそうです。

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(知事)

 だから最初のころは、結局いろいろつくられたのですが、売れなかったのは結構あり、それが、皆さんがノウハウをだんだん蓄積してきて、成功の確率が高くなってきた。そんな感じですか。

 

(中脇氏)

 そうですね。こういったものをつくれば売れるのではないだろうかということが、おばちゃんから出てきます。

 ぽっぽ栗というものを皆さん知っているかと思いますが、そのおばちゃんは、吊し柿が柔らかくてすごくおいしい時季に取り、冷凍して食べてみたらすごくおいしかった。それを夏場にアイスクリームで出したいと思い真空包装機を買ったなど、そういう本当に小さいビジネスですが、自分の考えを具現化していく、そういう方向性が出てきたような気がします。

 失敗もいっぱいありますが、その中の1つ、2つ、芽が出ていけば上等ではないかと。

 

(知事)

 本当にそれは確かにそうですよね。

 自分で売りに行く先は最初からいきなり松山ではないでしょう。割と身近なところで売るのですか。

 

(中脇氏)

 最初から松山です。

 

(知事)

 初めから松山に持っていき、売って、うまくいかなかければまた改良して。そういう繰り返しか。

 

(中脇氏)

 そうですね。産直が目標ですので、地元の農産品を買って帰る人が多いんです。なぜ松山かというと、キャパが広い。高知のものを欲しがる。高知のものが知られていないので、説明すれば売りやすい。高知はいくらでも高知のものがあるので、高知へ西土佐から行っても、他から良い物がいっぱい出てくる。でも、松山に行けば、高知の物はうちしか売っていない。そういう見つけ方です。

 

(知事)

 なるほど。今度、道の駅ができてくるので、さらにいろいろ売っていく場、試したり、チャレンジしたりする場も増えてくるでしょうね。

 

(中脇氏)

 そうですね。特にまるごと高知では、西土佐の何品かはよく売っていただいています。

 

(知事)

 山間米を置いてます。北側の出口のすぐ横に。よく売れてますよ。

 

(中脇氏)

 週末に車で乗り付けて買っていってくれるそうです。

 

(知事)

 私も手に取り、これおいしいんですよねと、皆さんにいっています。ちなみに、この小さなビジネスでやっていることを、もっと大きくしてみよう。さらにもっと展開していってみようという話になる場合はありませんか。

 

(中脇氏)

 あります。実は、雇用を生みたいという目標もあり、今度初めて厚労省の委託事業を受けてみましたが、1年で実績の出るところまでいかず、中途半端な感じです。

 やはり大きく動かないと、例えば道の駅ができたら、売り切れましたという商品ばかりでは駄目だと思います。賞味期限の長く置けるものは前もってつくっていくなど、そういうことをするためには、やはり一つの流れが必要だと最近特に思います。

 

(知事)

 我々も、例えば地域アクションプランとして、そういった拡大再生産などを応援させていただければ本当にありがたいと思っています。

 本当に、小さなビジネスの塊は大事だと思っています。中山間対策でも小さなビジネスと敢えて言葉を使い、我々も小さなことから始めていこうとやっていますが、ただ、いつまでも小さいままではなく、できれば雇用を生むよう、より大きく、かつ安定していけるようになればと思います。ステップアップのために、例えばこういうのがあればもっといいのにな、というのはありますか。

 

(中脇氏)

 すごく難しいところで、そこに悩んでいます。どうすれば大きくしていけるのか。やはり資金も必要になってきます。その時に人材を確保しようとするといないなど。

 

(知事)

 それは物をつくる人材か、売る人材か。

 

(中脇氏)

 まず、つくる人材です。定期的に雇用しなければいけない。売れるまでの間は給料が要る。その端境期は大変難しいと思います。原材料の仕入れから考えると。

 

(知事)

 売れるようにするために、規模を大きくするために、人材も要るし、原料も拡大しないといけないし、設備も補充しないといけない。しかし、売れるようになるまで時間がかかるので、その間が大変だと。そういうことですね。

 

(中脇氏)

 そうですね。

 

(知事)

 またぜひ地域アクションプランなどの仕組みを使っていただきまして、ステップアップ事業といったものもありますので、我々もご指導いただいていますが、ぜひタイアップしてお願いします。

 

(中脇氏)

 よろしくお願いします。

 

(知事)

 ちなみに、交流人口の拡大という点においては、西土佐は41℃を記録して以降すごいのではないですか。その交流人口の拡大を、外商や拡大再生産、地域の活性化などにつなげていくための工夫というのはありますか。その典型的なこととして、道の駅をつくられることなのだろうと思いますが。例えば、民泊されている皆さんなどもいますか。

 

(中脇氏)

 西土佐は民泊というよりは、民宿で宿泊できるところは結構あります。

 

(知事)

 農村レストランでしゃえんじり、これはもともと、外からの方をターゲットにされてたんですよね。

 

(中脇氏)

 そうです。外から食べに来られる方がターゲットです。

 

(知事)

 今後、道の駅もこういう機能を持ってやっていくのでしょう。

 

(中脇氏)

 レストランについては、地域の商店を生かしていかないといけないことなど、微妙なところがありますが、地の物が食べられるようにはしないといけないという話です。

 

(知事)

 要するに地元で生産し、加工品をつくり、外へ持って行き売る方向感と、来て外貨を落としてもらう方向感と両方ありますよね。中山間の複合経営拠点プラス観光というのは、地域性もあるでしょうが有望だろうと思いまして、そういうのをつなげていければという思いもあります。岸本さんのところも、さきほどの地元カフェと言われたのは、大体そういう方向感ですものね。

 

(岸本氏)

 はい。

 

(中脇氏)

 松山に外商に行っていますが、パンフレットを知らないところへ配ることにはなりません。もう8年ほど行っていますので、そこで今度道の駅ができますので、と言いパンフレットを渡せば、捨てられないパンフレットになります。ぜひ行ってみよう、2時間かからないんですね、という話が直接できる。そういう面では、交流人口を生む手立てとしてはかなり有効かと思います。

 

(知事)

 どうもありがとうございました。

 浜田さん、今日はありがとうございます。まだ影野のインターチェンジができる前に1回お伺いさせていただきました。集落営農組織として第1号ですね。

 平成13年に任意組合を設立されて、10年ほどかけて法人化に取り組まれ、県内のお手本のような存在です。この10年間の取組の中で、法人化していこうと展開されたのは、どのような経緯がありますか。

 

(浜田氏)

 やはり次世代にどうしても継続していきたい、それには法人が一番いいかなと。雇用をしていく上においては、雇用者に安定した環境をつくってやるのが条件になってくるはずだとまず考えて法人化しました。任意組織の時代はオペレーター1人の組合長でしたので、年とともにできなくなってくる。このままではいずれ消滅していくのではないかという危機感が出てきましたので、平成21年頃から早く組織立てをして、後々へつなげられる形をつくっておかないといけないということが、法人に急いだことです。

 

(知事)

 法人化にあたってハードルはありましたか。

 

(浜田氏)

 もともと法人ということは頭の中に描いていました。高齢化とともにできなくなってくるし、お手伝いに来ていただいた組合員の方も徐々に参加できなくなってくるのではないかと想定をしましたので、それが少し早くなったということ。1集落1農場方式という形を当初から考えておりました。

 

(知事)

 対話と実行行脚でいろいろな地域を回っている時に、法人化となると若干ハードルが高いところがあり、経理の面など大変ではないかとお話をされることがある。それは逆に、法人化というのは、そういうことにすごく長けた方がいて、退職して地元に帰って来た方が中心になってやられたり、人材の面など独特のハードルがあったことはないですか。

 

(浜田氏)

 夢がありましたので、この地域を永久に守っていく形というのは法人ということで、経理も近くの建設業をしている方の奥さんにお手伝いをしていただきながら、経理が一番大事になることが分かってきました。普及所の方の指導も受けながら、いろんな形が生まれてきているのかなと最近は思っています。 

 

(知事)

 今後展開していく中で、農業だけでなく地域の後継者を育てるということですが、これは影野の文化を守るとか、暮らしを守っていくとか、全体を視野に入れたことになってくるのでしょうかね。

 この心を教えていただければと思います。

 

(浜田氏)

 地域の後継者をつくる。もちろん法人の担い手になってもらわなければなりませんが、それとともに集落営農で法人だけが伸びていくのではなくて、地域とともに、地域から助けられながら伸びていくものにしておかないといけない。やはり、いろいろと協力体制が大事ですので、そのことをまず頭に入れていました。地域の農地とともに、地域文化も一緒に守っていきたい考えがありましたし、地域の農業のブランドを高めることにより、担い手は生まれてくると思っていますので、そういった面ではそこに強い思いを持った方を味方につけておきたいというところがありましたね。

 

(知事)

 地域のいろんな関係者の皆さんと、この法人に入っていないない方も含めて、ということですね。

 

(浜田氏)

 そうです。

 

(知事)

 なるほど。そういうことがあり、楽民ピックという年越しイベントに参加されたりなどということを大事にされているんですね。ちなみに、仁井田未来会議というのがあるのですか。

 

(浜田氏)

 これはですね、やはり思いが同じ農家の方がいますし、地域で危機意識を持った区長さんもいます。そういった方が集まり、この仁井田地域の将来をどのような形で守っていくか、存続させていけばいいのかなということで、12、13回の話し合いをしています。

 

(知事)

 今後この仁井田未来会議の皆さんは、新たに法人に入ろうとされる方も増えてくる。そういうイメージですかね。

 

(浜田氏)

 これはまた別の形です。それぞれの集落営農組織がありますので。

 

(知事)

 今後、複合経営体の一つのお手本のような取組をしていかれるわけですが、27年度事業は水稲やピーマン、ショウガ、ホールクロップサイレージ、観光農園など、いろんな取組をされるとともに、作業受託をやっていかれる。これが柱になっていくわけですよね。作業受託をどんと進めていくにあたって、受託元は地元の農家の皆さんなどですか。

 

(浜田氏)

 そうです。徐々に労力が足らなくなっているというところも出てきていますので、お手伝いをする形をとっていく機会が多くなってくると思います。

 

(知事)

 他方でブルーベリーの観光農園もされると。

 

(浜田氏)

 ブルーベリーと、将来はそれにセットして野菜を作りたいと考えている。今、トウモロコシなどをやっていますが、畑へ直接来ていただいて売るような畑の八百屋さんという形も将来的には面白いかなと思っています。

 

(知事)

 来ていただいて、それから営農型の太陽光発電も収益の一つにしていこうということですね。

 最後にですが、若い人で新たに参加しようという人は出てきていますか。

 

(浜田氏)

 やっていきたいと声をかけてくれる方はいます。ただ、給料を払うとなるとよほどの額が必要になってきますので、財政的な基盤ができたらお願いしたいとは考えています。

 

(知事)

 既にかなり大きいビジネスをしているわけですが、今後、この会社をさらに大きくしていこうと考えた時に、どういう点がポイントになりますか。例えば、作業受託を増やしていくという方向ですか。それとも、例えば加工をしようとか、レストランをつくるとかの考えはありますか。

 

(浜田氏)

 今は生産中心ですが、作るだけではなくて、何か付加価値をつけた売り方に徐々に入っていきたいなと、考えているところです。その中で、雇用も必要になってくるでしょうし、販売金額が上がっていくと正雇用者も必要になってくると思います。

 それと、太陽光の下では農作物を作るというのは継続業務になってきますので、これを次の第4番目の基幹産業として生かせるようなつくり方、またその置き方等も検討していきたいなと思ってます。

 

(知事)

 営農型太陽光発電、作物栽培と太陽光発電が一体となっているようなイメージですか。

 

(浜田氏)

 一体型の発電ですね。太陽光発電施設を造り、下で農作業ができ、そこで育てる作物が獲れるという。

 

(知事)

 太陽光発電をしながら作物が作れる。土地を2重に生かせるということですか。

 

(浜田氏)

 はい。やはり経営を強固にするためには、あらゆる物で収益を上げながらやっていかないといけないので、上の太陽光と下の農作物、両方で得られるような形をとれないか検討してきたところです。

 

(知事)

 分かりました。ありがとうございます。

 最後に、集落活動センターとの取組を今後考えてみようということですが、中山間での基幹的農業経営の取組と、人々の生活を支える集落活動センターの取組を、ぜひ一体型にしていきたいというのが今考えているところです。集落活動センターというのは、どちらかというと、みんなの生活を支え合いバックアップしていこうよという形になっています。これと経済活動が力強く結びついていくと、地域で若い人が残れるようになり、さらに集落活動センターから起業につながっていかないかと思います。

 

(浜田氏)

 未来会議の方の一つの材料として、集落活動センターを生かしながら地域に恩恵を与えていくという考えがありますので、今のところそこで配食をしながら高齢者の方への支援もし、商売の方もしていきながらと考えています。それに、少しでも会社として支援ができないかと。私どもの集落は非常に高齢化が激しくなり、この8年間で100人亡くなっています。853人が753人になっていますので、あと10年すれば集落が成り立たなくなる懸念が周りの人に出てきていますので、こういう要望が非常に高くなっています。アンケート調査でも、同様の結果が出ましたので、そういった活動を生みだし、集落センターを活用したい。

 

(知事)

 集落活動センターで地域の皆さんの要望を伺っていき、このサンビレッジ四万十から、例えば給食を配食するなど、そういう形もとれるように、そういうことですね。

 

(浜田氏)

 材料の提供という形で。

 

(知事)

 それから、サンビレッジ四万十にとってみれば、一定のビジネスにもなり、地域の見守りのネットワークを支えるということにもなる。そうやって福祉と経済活動を両立させる道はできると思いますか。我々は非常にそれを理想として考えていて、そういうネットワークがあちこちでできればなと思っています。やはりそういうのは有益ですか。

 

(浜田氏)

 地域の人にとって、非常に有益だと思います。会社の経営的にどうこうというよりは、ここに私たちの会社があり組織があるから、こういう田舎に力強い形を与えられる。そういうものに支援をしていきたいと考えています。

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(知事)

 なるほど。私、東の中山間地域に行った時に言われました。地元の高齢者の皆さんが、例えば筋を壊した、足を壊した、骨折したなど、そういうことを契機にリハビリができなくなり、集落から高齢者の方がどんどん抜けていくと。高齢者の皆さんが地元で住めて、かつ地元の人と一緒にずっと暮らしていけるようにするために、そういう仕組みが必要なのではないかと盛んにあちこちでよく言われます。若い人が出ていくというのはあるが、ある程度経つと高齢者の方々も高知市民になる。移住して来て、結果として地域の衰退に拍車をかけているという話をよくお伺いします。

 そういう中で、ぜひ集落活動センターで経済活動をして、それで地域の高齢者の皆さんの日々の暮らしの支えになれればいいなと。もっと言うと、住む家がなくなる場合もある。暮らし自体が、一人暮らししていると大変で、結局お子さんのいる高知市に来たり、県外に行ったりする。できれば地域で住める場所があればいい。ということで、今度低所得の高齢者の皆様がお住まいになる、そういう家をつくることをバックアップする仕組みもつくろうとしています。ぜひ経済活動と福祉の活動を、1カ所で複合的にできるようになればいいと思っています。

 また我々に、こうあるべきというご指導をいただきたいと思います。よろしくお願いします。ありがとうございました。

 それでは岡部さん。一番大規模に、この複合経営拠点化に向けて取り組んでいる代表例です。取組されてきて、今後の展望ビジョンを、既に明確な形でつくられているわけですが、今後どういう計画で、複合経営拠点化していきますか。逆に、これがまずスタートで、こういった形に展開していけるんだという、進めていくにあたっての有り様など、アドバイスをいただければと思います。

 

(岡部氏)

 アドバイスというほどでもないですが、まず会社の中での人材育成が大きな課題です。今現在、昨年来から大阪豊中市とのインターンシップ事業を、地元の土佐町と豊中市とでやっていて、それが今後継続されることになりつつあります。

 昨年の実績では44名の研修生を受け入れて、うち3名がうちに雇用や研修生で残った。その関連の方々等で、この4月には合計11名が大阪や県外からこちらに移住してくるということで、一定の成果が出つつあるので、担い手の確保につながっていくのではないかと。研修事業については、継続的にずっとやっていきたいと考えています。それにより、新たな人材を確保し、雇用の場も広げていきたい。

 それ以外では、国の農村集落活性化支援がこの4月からスタートしますが、庭先集荷など、そういったところにまず着手していきたい。支援事業が下りてこなかったからといって、これをやらないわけではなく、4月から当然やっていくことですが、地元に来る者の仕事の確保という意味で、そこにれいほく未来という会社がある一定の手助けをすることにより、地域を活性化させる、農家所得の向上を図るのも大きな狙いです。

 畜産事業においては、この3月で畜舎が完成し、それに伴い28年度から肉牛の出荷が始まります。ただ枝肉で売っていくだけでは付加価値がつかないので、28年度中には何とか食肉加工施設を整備したいと考えています。それも国の事業や県の情報をいただきながら、れいほく未来という会社もJA出資型とは言え資金繰りには非常に苦労していますので、どこまで行政や県がゲタを履かせてくれるかというのを心待ちに、首を長くして待っています。その食肉加工施設が一番筋肉の大きい事業になるかと思います。

 最終的に、食肉加工プラス野菜の加工など、それを踏まえた農家レストラン、生産から食までの独自化というのを平成30年から31年に向けてやっていきたい。26年にこういった案を作りましたので、5年間かけて毎年これとこれをという格好で進めていきたいと考えていますが、なかなか資金繰りに苦慮していますので、そこも踏まえていろんな事業を模索しながら、使えるところはどんどん利用させていただき、県の担当の方ともお話をさせていただいて進めていきたいと考えています。

 

(知事)

 これは本当に、1次産業を中心とした一群のクラスターのようになっていて、高知の資源と嶺北のよいところを全部生かし切った形の事業になっています。我々も一生懸命汗をかきますので、ぜひ成功させましょう。

 ちなみに、こういう形で複合経営をして、余すところなく地域のいろんな良さを生かし切っていこうとした時に、いろんな事業を同時並行してやっていかないといけなくなります。例えば、畜産、さらに加工、それから施設園芸、その施設園芸の加工、レストランの経営、宿泊所の経営、さらには中山間に適した農作物の生産、販売をすると。複合経営だから当然そうなりますが、事業としては、すごく多角化することになりますよね。その難しさと言いますか、うまくやっていくためのノウハウ、気を付けるべき点などはありますか。

 

(岡部氏)

 そうですね、多角化するがゆえに、指導的な立場や、ビジョンを作成する者、コーディネートする役目が非常に大事になると思います。食肉加工と一口で言っても、今、会社にいる人間はほとんどが素人なので、オブザーバー的な人をどうやって招聘するか。それから、食品加工だけではなく、他のものにしてもそうですし、何とか今のインターンシップ事業と関わり、今は農業の生産を中心とした研修生の受け入れをしていますが、今後は加工部門など、そのような方に研修で来ていただき、予備校のように。どうしてもそういう人がいないと、なかなか前を向いて進んでいけないところもあるし、一人の人間が全部に目を見配れるかというとそうもいかないので、やはり人材の確保が一番緊急の課題だと思います。

 

(知事)

 なるほど。コーディネーターのような方がいて、それぞれのことについて長けた方を呼んでくるか、もしくは研修するというイメージですか。

 

(岡部氏)

 そうですね。県外でそういった仕事をして、ちょっと疲れて田舎暮らしを、という方も中にはいるので、場所が変われば考え方も変わるのかなと。あるいは、自分が中心的に動けるような人がいれば、そういう人を招聘したい、呼び込みたいと考えています。

 

(知事)

 複合経営拠点をつくっていくのに相応しい研修制度というのは確かにあるでしょうね。

 

(岡部氏)

 今の研修制度は、充実していただいて利用させてもらっていますが、6次化や加工、1.5次化となると、農業の生産部門の前線で働いている者にそのことを考えてやってみようと言っても発想の転換はなかなか浮かばない。やはりそれなりに適材適所の人材が必要かと思います。

 

(知事)

 オブザーバー、アドバイザーのような人に入っていただくとともに、継続的に、人材をその地域で育成していくような仕組みが要るのではないか、そういうことですよね。

 

(岡部氏)

 そうですね。地域で発掘されていくと、なおありがたいと思います。

 

(知事)

 確かに複合経営は成り立つと周年で所得が得られるし、大規模にできないという制約がある中山間地域でも、一個一個は中規模、小規模でも合わせればそれなりの大きい事業になり、若い人を残せるようになるのではないかということですが、超多角化経営ですからね。それぞれが担える、人材育成ができる仕組みというのを、その地域に設けていないとなかなかうまくいかないかもしれませんね。

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(岡部氏)

 リスクも太いと思っています。

 

(知事)

 そうですよね。だから、一番最初に人材育成というお話になるわけですね。

 もう1つ聞きたいと思ったのですが、販路のことです。これもまた独特で、全部違うでしょう。こちらの方はどうしますか。県にそれぞれ大きい販路を持っているところがあり、そことタイアップしていけばいいという感じですか。

 

(岡部氏)

 いえ、まだ今それも構築中です。自社で経営している施設園芸でいろんな野菜を作っていますが、中心はやはりJA出荷です。関西圏、あるいは今日午前中に会った人が関東圏の人で、顔が見える農産物をということで、そういったところを流通も含めて考えさせてくれという方もいます。ただ、中山間から関西圏というと、流通コストがかかってくる。そこをどうペイできるか。どっちから行ってもネックになってくるので、販路は今考えています。

 JA1本でやっていき本当に食えるのか、あるいは誰かに頼っていかないとできないのかというところで、自社での販売先を確保するのも、一つ大きなことかなと考えています。

 

(知事)

 これはぜひ地産外商公社など、タイアップしてやらせていただければと思います。御社として営業部隊を本格的に持っていく必要が出てくるかもしれませんよね。

 

(岡部氏)

 そうですね。

 やはり営業班が一番必要になってくると思います。

 

(知事)

 今、県内で一番ビジョンとして大きいのはれいほく未来の複合経営のビジョンだと思います。キーワードは、それぞれの事業を担っていける人材の育成ということになってくるのでしょうね。地域で実践しながら人材育成ができていく仕組みも大事でしょう。

 

(岡部氏)

 皆さん言われましたが、やはり地域にどう関わっていくか。地域のベテランの方にいかに教えを乞いながら人材を育てていくかということが一番大事だと思います。いくら県外から移住してきてくれた人がいても、閉じこもってしまうとなかなか前に進まないので、移住してくるイコール地元の消防分団に入団する、そういった地域の活動に常に飛び込んでいってもらい、早くその地域にうち解けて、地域の担い手でもあるが会社の担い手でもある。そういう人材を早く育てたいなと思っています。

 

(知事)

 どうもありがとうございました。

 人材育成の点はいかがですか、浜田さん。

 

(浜田氏)

 今の考えとしては、将来こういう形にしていきたいという夢を描いておかないといかない。夢を描くことによって、計画が生まれ実践が生まれてくる。いろんな大変なことがありますが、こらえる力もできてくる。それを分かってもらうことが大事かなと思います。そのことを後継者育成の中でしています。

 それと技術を高めてもらいたい。少し違う物やこだわりのもった物をつくっていく。技術を高めることを後継者には望んでいきたいと思います。

 

(知事)

 中脇さんのところは移住者の方はいますか。

 

(中脇氏)

 山間屋では2名。あと地元の方で、常勤が4人、パートが2人います。加工にかかわってもらおうと思いつつもその加工が不得意であったり、得手不得手がありますので育成は大事だと思います。そこに手を差し伸べて指導ができればまた違いますが、ずっとついてやることが厳しい。

 

(知事)

  そうでしょうね。かと言って、どこかに研修事業で出すのも大変ですよね。だから、地域で人材育成ができるようなことをサポートできる体制が多分必要なんでしょうね。

 普通、企業経営では選択と集中です。しかし、ただ選択と集中しすぎると中山間の場合、非常にリスクが大きい。それから規模が小さい。そこを複合経営することにより周年お金が得られて、規模を大きくしていこうと、そういう方向感なのですが、逆にいうと経営は非常に難しくなってくるところがあるので、そこはどうやって人材を育成していくか、ノウハウを蓄積していくか、それを地域でやっていけるようにするか。そういうことになるんでしょうかね。

 

(岡部氏)

 そうですね。うちの会社も約20名近い社員がいますが、社員の人件費をどう稼ぐか、農閑期は特に頭が痛いところです。複合経営や、作業受託等を受けることで何とか外貨を稼ぐ。資金を回すためにいかに仕事を取ってくるかが僕らの役目になってきて、従業員を路頭に迷わさないという責任があるのは会社を運営していく上で一番重要なとこだし、それがないといい社員も集まってこない。そこが一番、組織としての厳しいところではないかと思います。

 

(知事)

  そうでしょうね。

 岸本さん、いかがですか。

 

(岸本氏)

 実際自分は地域の担い手として、みんなに期待をされているというのが正直なところですが、全部私にかかってきているので、例えば老人クラブの会合の段取りなどもある。やはり私も仲間が欲しいというのは本音です。

 

(知事)

 岸本さんのところは何年か経っていますがまだ創業者としてスタートされた段階で、お若いころの浜田さんのような存在だと思います。しかし、だんだん規模が大きくなっていき、岸本さんの段階でいくと仲間をどう募るかという話になってくるんですね。一人で全部やるというのは、いろんな人とネットワークとして形になっているわけでしょう。そのネットワークはもともと商人塾でできたのですか。

 

(岸本氏)

 商人塾は精神的な支えになってくれて、商品化は実際の仕事上で知り合ってできた。例えば、料亭濱長のおかみさんと知り合ったことにより、今使っているペットボトルのお茶の中身を沢渡茶に替えようと。

 

(知事)

 外に出ていく中で、そういう人と知り合ったのですね。

 ぜひこういう地域で、これから複合経営を目指して取組を進めていこうではないかという方が出た時に、仕事を進めていくにあたり、岸本さんが一つ一つ築いてこられたようなことを、サークルみたいな一定の集まりがあり、そこで勉強する機会ができるのもいいかもしれませんね。

 

(岸本氏)

 そうする場があれば、いろんなアイデアも出てきたりして、早く形になるような気がします。

 

(知事)

 そうですよね。必ずしも初めから大きいネットワークがあるわけではない。それぞれの集落が複合経営化していこうとし、いろんな人とネットワークをつくっていかないといけないので、そのネットワーク化を応援してくれるような仕組みというのは重要ですね。

 ありがとうございました。今日、大変いいお話を伺いましたが、この際、これを言っておこうとか聞いてやろうとか、そういうのがありましたらぜひ。

 

(中脇氏)

 まず県や国の支援を受ける時に、事務系の諸雑なものが非常にのしかかってきます。日々、経営の中でそれを成し遂げていこうとすると、かなりの重圧です。その辺がもう少しいい方法があればと思います。そういうところへの支援、教えといったものを細やかにしていただくと、小さい事業者も生きてこれるのではないかなという気がします。まず二の足を踏みますので。

 

(知事)

 たくさん書類を出さないといけなかったり、細かいことをいろいろ書かないといけないし、時間がかかるということですね。

 

(中脇氏)

 時間もかかりますし、やり方がもともと分からないと思います。

 

(知事)

 なるほど。

 

(中脇氏)

 かなり細かなところまで素人でも受託できるように今、県はしてくれていて、その時には県の人が支援してくれるのかもしれませんが、やはりハードルが高いですね。

 

(知事)

 そうですか。確かに複合経営拠点ですから、場合によってはいろんなタイプの補助金にチャレンジすることになりますね。省庁によっても全然様式が違ったりする。

 

(中脇氏)

 それも、様式はネットから出してくださいとかですね。ネットを使えない人もいるので大変です。その辺りがクリアされると、もっとどんどん利用していけるのではないか。行政書士を活用する方法など。地域に何人もいますが仕事はないと言っています。書類作成など支援してもらえたらと思います。

 

(知事)

 因みに産業振興計画上の補助金のために、ものすごくハードルが高い場合があります。地域アクションプランの総合補助金がありますが、民間の方誰でも使える補助金になっていて間口は広いのですがハードルが厳しい。これはなぜかというと、昔、補助金で先に加工場を整備して、つくる方は加工場ができてから考えましょうとなったりして、結果としてうまくいかないことが多かった。その反省のもと、先にこういう形で事業を展開するというビジネスプランを作ってもらい、これはうまくいくのではないかとなれば補助金を出しましょうと。そういうやり方にしたので、この前段階の審査がなかなか厳しいというところがあります。これは大事なことだと思うんです。

 

(中脇氏)

 それは大事だと思います。

 

(知事)

 事前に、机上の計算の中で失敗もしながら、だんだん練り込んでいき成功確率を高めるということになる。幸い、今の地域アクショプランで補助金を入れたけど全然うまくいかなくてというのはあまりない。これは前段階がしっかりしていたからだと思うんですね。こういうのは構いませんよね。

 

(中脇氏)

 それはもちろん。

 

(知事)

 むしろその書類ですね。

 

(中脇氏)

 書類ですね。

 

(知事)

 分かりました。ありがとうございました。

 

(浜田氏)

 やはり法人としてしっかりした経営体制をつくるまでは、ソフト面、ハード面、いろんな形での継続した支援がなければ、ある一定のところまでいっても、そこから尻すぼみになってしまう。私ども今丁度そういうところまで来ているところですが、先ほどの話の中にも出ましたが、やはり生産活動に時間が割かれますので、知識的なものがあまり出ない、そういう機会にあまり出くわさない。いろいろと研修活動計画や事業を送ってもらいますが、なかなか参加できない。

 法人組織になると経営を安定させたいというのが願いですので、定期的な巡回アドバイザーのような形で、1時間でもいいですが、どういった状況になっているかお話できる窓口が欲しいなと思います。

 それと、新しい作物へ取りかかる上において機械を購入するのは、県の補助をいただいても半分は自己負担になります。その儲けは、やはり純利から出さないといけないということからの負担です。できれば、JAや拠点の集落営農組織にリースできるようなら、少しでもこれが軌道に乗れば購入を考えますが、なかなかそこまで最初の段階では取っつきにくい。

 

(知事)

 新しい作物にチャレンジする場合ですね。なるほど、なるほど。

 

(浜田氏)

 あと、規模拡大となってくると、2台目が必要になってきます。そんな時に、建設業者がリースでほとんどやっていますが、そういったリースで提供を受けるような仕組みができないかなと。短期間でそういったものを使うこともある。

 

(知事)

 固定費として投入しなくていいようにということですね。

 もしかしたらやめるかもしれないので、作っている間だけコスト化するような、そういう仕組みの方がありがたいということですね。

 

(浜田氏)

 ええ、そうです。

 

(知事)

 なるほどね。

 

(知事)

 他にも言えることかもしれませんが、特にこの複合経営拠点の場合は、生産やって経営やってという、極めて多忙であるということですよね。しかし、新しいノウハウはたくさん要る。

 

(浜田氏)

 そういうことです。

 

(知事)

 しかし、ノウハウが要るからといって、多忙な方が研修に高知市までなかなか行けないので、巡回型のアドバイザー制度の充実が必要ではないかと、そういうご指摘ですね。それはおっしゃるとおりですね。

 

(浜田氏)

 1名お願いしたことがありますが、1回きりになるとそこで切れてしまう。やはり定期的に組織の状態を把握していただいて、そこがどういう考えで伸びていこうとしているのか、そういったものが一体となってアドバイスできるというのが欲しいなということです。

 

(知事)

 巡回でずっとその土地にかかわり、その時々の傾向を知ってもらう。状況をずっと継続的に見てもらうと、そういうことですね。

 分かりました。それはぜひ考えます。

 

(岡部氏)

 私も大体皆さんと同じですが、補助事業やいろんな提案をさせてもらう時に、県の窓口がここは担い手対策課だ、ここは地域支援課だという話になる。そこを縦割りではなく横に連携を取っていただけないかと。

 

(知事)

 なるほど。

 

(岡部氏)

 先ほど浜田さんも言われた農機具の買い替えなどは、補助を1回使うと後は更新が無理だというのはよく分かるのですが、畜産で使う機械は汎用性が高いので駄目だとか制約ある。複合拠点をやる、これに対して、ここはモデルで県はどうしても支援していく、成功させるというのがあれば、特認のような形でもやっていただけるのかなという気はしますが、まず、とりあえず県の何課に相談をしていけばいいのか、というところです。法人対策課のようなものをつくり、法人を一元的に見ていただくとか、あるいは複合拠点をこれから3年間かけて絶対成功させるのであれば、県職員を1名専属で張り付けるという形で、とにかく中山間を生き生きさせるため、県はそこまで手厚い支援をするのかと言われるほどやっていただけるといい。浜田さんが言われた不安なところも、どこが頼りになるかといえば、地元の普及所か県、当該市町村になる。その時に、「何でもかまんきここに言うてきいや」という県の窓口が一つあってほしいなと思います。

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(知事)

 分かりました。複合経営拠点になると、いろんなところがかかわってきますもんね。

 

(岡部氏)

 そうです。先日もある方と話すると、「畜産の方は畜産課に聞いてみんとなかなかそっちのことは」と言われた。担当者同士では連携を取っていると思いますが、この事業はこうという案を僕らが出しても、課が違うと、最後は財政との勝負だということになってしまうようだ。

 

(知事)

 確かにそれぞれの皆さんは多角化経営ですが、行政側もこれをやろうとするとある意味多角化なんですよね、いろんなところがかかわってきますから。一定規模以上の複合経営拠点として確実にやるぞとなったところについては、ワンストップにするようにします。さらに言うと、ワンストップの窓口としての地域産業振興監がいますので、地域産業振興監のところで一括して一定バックアップできるような仕組みというのを考えていけるようにしたいと思います。高知県庁も随分連携がいい方だと思いますが、これぐらい大規模になってきますと、なかなか大変だと思いますので、もう一段仕組みを考えます。

 

(岡部氏)

 ぜひお願いします。

 

(知事)

 もうおっしゃるとおり、これします。ちなみに、複合経営拠点について最初に私がご説明しましたが、これは昨年政府与党やいろんな政党に政策提言に行きました。皆さんこれ非常に評判が良かったんです。逆に言うと、こういうことを一体としてやっていこうという政策にまだなっていないということです。「おぉー確かにそうだよな、いいよな」という人がたくさんいるということは、結局今既にやっていますという形になっていない。

 行政組織的にいうと、それぞれ省や局が違っていて、これを一体型でコーディネートするというのはものすごく難しい。それが多分こういうのを進めていくうえに当たり、ボトルネックになっていく可能性があると思うので、心してワンストップ化していけるように工夫してみます。

 では岸本さん。

 

(岸本氏)

 私も今回初めて助成を使い、その事務書類づくりに非常に大変な思いをしたのですが、その作成に当たり市町村職員さんもそう手慣れていない面もあり、そういう時に支援員さんが中心になり助けていただいて、頼りになりました。それと、県の職員の方も気にかけていただいて非常にありがたかった。このご恩を返すように頑張っていきたいと思います。ありがとうございます。

 

(知事)

 いえいえ。ありがとうございます。確かに書類づくりは大変でしょうね。県のだったら何とかできるけど、国だったら大変かもしれないです。考えないといけませんね。皆さん、どうもありがとうございます。もう一言とかありませんか。

 

(中脇氏)

 先ほどから商人塾の話が出ていますが、ぜひ私も参加させていただきたいと何度も思ったことがありますが、先ほど言われたように中央でやられるので、西から出てきて泊まらずに帰ってくるということは不可能に近いです。何割かは出席しないといけないというハードルがありまして、とても出られないです。その中で勉強した方から、こんなになっていますっていう話を聞き、勉強しないといけないと思いながら、できない状況がありますので、西でもやっていただきたいです。

 

(知事)

 ちょっといろいろ考えます。先ほどの巡回型というのもあるかもしれませんし、そこのところ確かにご指摘のとおり。ある程度大きくなったところのリーダーは忙しいので逆に参加できなくなりますよね。西土佐からだと大変ですよね。

 

(中脇氏)

 若い方は行けますが、家庭を持っている場合はちょっと無理ですね。

 

(知事)

 コーディネーター的な方、ご自身はなかなか外せないということでしょう。

 

(中脇氏)

 そうですね。

 

(知事)

 どうも皆さんありがとうございました。もしよろしければ、会場の皆さんからご質問やご意見等ありましたらぜひ。私だけではなくて、こちらのおいでになる方に対してのご質問でも構いませんが、いかがでしょうか。

 

(A)

 今日は貴重な「対話と実行座談会」のお話ありがとうございました。岸本君もなかなかいい話だったと思います。Aと申します。私どものところでも岸本君のお茶を使わせてもらっています。おいしいです。みんな飲んでください。

 私どもも地域を元気にするというつもりで経営をしていますが、売り上げを伸ばしていくことだけが地域を元気にできることでもないと思っていまして、外商も大事ですが、内貨を守るというのも非常に大事だと思っています。決算書でいうと、例えば売上高1億円でも、出ていっている金が1億円以上あれば意味がない。会社としても赤字だし、地域にも何も落ちていない可能性もある。逆に、1億2,000万円外へ出ていったとしても、全部地域に1億2,000万円入っていれば、地域の売り上げは上がっているということなので、赤字はやりくりしないといけないですが、地域的にはいいのかなと思います。

 農業も、リースや機械など農機関係の内貨が当然のように外へ出ていっていることもあると思いますから、その辺は、高知の農機を使えば補助100%ですよとか、そういうことも考えていただいたらいいのではないかなと思います。

 

(知事)

 ありがとうございました。できるだけものづくり自体を地産地消で行い、外商へ持っていき、外貨を県内に取り込む。そういうことですよね。

 ものづくり地産地消・外商センターで一緒に取組を行い、新しく農業用機械なども県内で開発できている。例えば、ニラのそぐり機や、センターができる前の取組ですが、柑橘の搾汁機が県内で新しくできている。そういう形で取組が進んできていると思いますが、ただ、もっと徹底するようにね。

 それとあと原材料ですね、できれば高知のもので。ウーロン茶ではなく土佐茶を飲もうという運動もありますよね。あれも典型的な内貨を守る取組ですよね。ありがとうございます。

 他にございませんか。

 

(B)

 Bといいます。もうすぐ6年になりますが、今現在6反ちょっとの営農活動をしています。米ナスとショウガを少し、あとは作業委託ですが、何とか20人の組合員で一昨年が250万円、去年が300万円ほどの収益があったので、組合員に配付しました。おかげさまで、事業も県の方に助けていただいてやっています。興味のある方は来ていただいて、作業体験していただくような形で盛り上げていただいて、現場の人間は地域づくりの核となる各種の人がやっていまして、専属が2名です。2名で3反の米ナスの生産をして、それが主になり組合活動をしていますので、地域づくり、伝統・文化の継承を含めてそれぞれの組合員は地域の中でいろんな形で活動しています。それともう一つ、宣伝でございますが構いませんでしょうか。

 

(知事)

 構いませんよ。

 

(B)

 私の家の隣が吉村寅太郎の生誕地で、今かや葺きの復元をしてまして、6月4日に落成の日の目を見ます。そこで地域の産物や、手作り商品の販売もして、夏には米ナスの料理なども提供したいということで、地域づくり等活性化に向けて頑張っていますので、宣伝かたがたご紹介をさせていただきます。

 

(知事)

 ありがとうございました。私1回お伺いさせていただきましたね。

 

(B)

 はい、2回ほど。

 

(知事)

 吉村寅太郎生家がいよいよオープンですか、おめでとうございます。

 ありがとうございました。あとどなたか。

 

(C)

 今お話があったように、高知県全体の人口から見ると、超エキスパートというのは無理かもしれないが、いろんな分野で、専門的な方、アドバイザーになれる方は結構いるのではないかと。

 そういう方を、県から委託して、年間どれくらいにするか、規程などいろんなものが必要かと思いますが、そういった形で巡回をすることによって、地域で一つの事例を受けながら相談に乗ってあげるというアドバイザーのようなこともできると思う。

 それと言い方が悪いかもしれませんが、中山間の農業だけにこだわるのではなく、これだけ高知県中山間が多いわけですので、もっと中山間で動ける、働ける、稼げるように、外部から企業を誘致し、その地域をまた違った角度で見ることによって、その地域へ住み着いてもらう。その延長線上の中に農業も家庭菜園などいろんなものも、地域と一体になって生活ができる。要は生活基盤が十分ではないので住み着かない。ただ、なかなか平地でも農業は大変な時期ですので、中山間で農業をやっても平地以上に大変だと思います。中山間で生活できるというのは、給料はどこかから入ってくるということも踏まえて、その生活基盤をつくらないと、中山間で生活基盤をきっちりするというのは、皆さんのお話のとおり大変だと思います。それだけではなく、いろんなものの組み合わせを、もっともっと取り組んでいかないとなかなか難しいのではないかなと思います。

 私も今日、同じ内容で中山間の課題をうちに取り込んで置き換えて、こういう取組をしたいということで今日聞かせていただいたので、勉強になりました。また発信できることがあればしたいと思っています。今私のところの農協では、うちの農協だけのイベントではなく、町全体で取り組むやり方をしていますので、またよろしくお願いします。

 

(知事)

 ありがとうございます。先ほど言われた、アドバイザーの皆さんをちょっと委託で、というのはありでしょうね。防災が今、防災備えちょき隊という形で委託して地域に行っていただいたりして、津波の避難計画づくりなどお手伝いをしていただいたりする。そういう要領かもしれません。ちょっと考えてみます。

 それと、外からいろいろ企業さんなども含めて力を呼んでくることも考えるべきとのこと、おっしゃるとおりだと思います。次世代施設園芸ハウスにしても、企業さんと地元の人がタイアップするやり方もあるでしょうし、加工場はそういう方を呼んでくるというやり方もあるかもしれません。一次産業中心の産業クラスターのようになっていければと本当に思うんですよね。ありがとうございました。

 

 

.知事まとめ

 

(知事)

 皆さん、今日はどうもありがとうございました。岸本さん、中脇さん、浜田さん、岡部氏さん、遠路おいでいただきまして本当にどうもありがとうございます。平日のお昼間、お忙しいところをおいでいただいて申し訳ございません。傍聴でおいでいただきました皆さんにも心から感謝を申し上げます。ありがとうございます。

 この中山間の農業、複合経営拠点、これを何とか成功させるということは中山間活性化にとって極めて重要なことだと思っています。今後、特に平成27年度モデル的な地域を県内につくり、これを一つのお手本として、県内各地でこういう取組が進んでいけるように展開を図っていきたいと考えています。

 今日、皆さんからいろいろお知恵をいただきました。このことを踏まえて、またさらに政策を練り上げていき、こういうものの普及促進につながっていくように努力をしてまいりたいと考える次第でございます。本当に今日はどうも皆さんありがとうございました。また、今後もどうぞよろしくお願いします。

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高知県 総合企画部 広報広聴課

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