第2回「対話と実行座談会」(園芸農業を核とした農業クラスターの育成について)

公開日 2020年01月20日

平成28年度 第2回「対話と実行座談会」

日時:平成28年11月21日(月曜日)15時10分から17時00分まで
場所:日高村社会福祉センター
出席者:日高村農業クラスターに携わっている方6名     

座談会要旨

1.知事あいさつ
2.参加者自己紹介
3.県の取組について
4.参加者の取組状況と意見交換
5.知事まとめ


トマトハウス トマト選果場 村の駅ひだか

開会

(県産地・流通支援課:岡林企画監)

 平成28年度「対話と実行座談会」園芸農業を核とした農業クラスターの育成について「日高村トマト生産拡大プロジェクト」(日高村の未来を拓くトマトクラスターの育成)というテーマで開会させていただきます。

 会に先立ちまして、本日は、まず知事に現地を見ていただくということで、わのわ会の2号店にお邪魔しまして、ちょうど日高シェフが日高村に来られるというイベントがありましたので、その番組の取材も兼ねて知事に訪問していただき、安岡事務局長に取組をご説明していただきました。

 それから、JAコスモスのトマト選果場にお邪魔しました。高知県内には、たくさんの選果場がありますが、「トマト選果場」という正式に品目の名前をうたっている選果場は、この日高の選果場だけになります。そして、本日、ご参加いただいております、ハウス園芸部長の壬生さんのシュガートマトのハウスをご案内させていただきました。

 そして、予定にはなかったのですが、来場者数が40万人を突破しました、村の駅ひだかの朝日駅長のところにお邪魔して、村の駅の取組を視察させていただきました。

(知事)

 急遽すみませんでした。ありがとうございました。

(県産地・流通支援課:岡林企画監)

 それでは、ただいまから2時間弱ではありますが、トマトを核としました日高村の取組について対話と実行座談会を始めさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

 私は産地・流通支援課の岡林と申します。どうぞよろしくお願いします。

 会に先立ちまして、尾﨑知事から一言ご挨拶をお願いしたいと思います。

 

1.知事あいさつ

(知事)

 皆様こんにちは。

 本日は大変ご多忙の中、お時間をいただきまして、本当にどうもありがとうございます。日高村の皆様、JAコスモスの皆様、また、関係者の皆様、本当に心から御礼を申し上げます。 本日の対話と実行座談会は、この日高村オムライス街道についてお話をさせていただくわけですが、さらに言いますと、私共といたしまして、今後、農業クラスターづくりを進めていきたいと考えております。農業クラスターについて日高村の大変進んだ取組を学ばせていただくことで、今後のさらなる農業クラスター展開を図っていくにあたっての施策とアイデアについて、いろいろとヒントをいただきたい。そういう思いで、本日、この対話と実行座談会の開催をさせていただいております。

 高知県として地産外商の取組を進めていく中で様々な努力を重ねてまいりました。例えば、食品系ですと、地産外商公社がお手伝いをして、取れた契約件数が平成21年度は178件でありましたが、平成27年度には6555件の契約がとれております。このひとつのデータにも見られますように、地産外商の取組が進んできております。

 ただ、この地産外商の成果をさらなる拡大再生産の好循環につなげて、さらに地域に経済効果をもたらし、結果として地域で若い人達がさらに住み続けられる。そして、地域において若い人達が地産外商に挑戦していく。そういう高知県をつくっていきたいと思う中、まだまだ県として取り組まなければならないことが非常に多いと思っています。

 地域に若い人達に残っていただけるようにするために非常に大事なことは、多様でいろいろなタイプの職・仕事をこの地域につくっていくということではないかと思います。そういう意味において、いろいろな産業が集積したクラスターをつくりあげていくということはひとつの有効な手段だと考えています。

 言うまでもないことですが、例えば高知県において自動車産業のクラスターをつくり出そうといっても、なかなか難しいだろうと思いますが、一次産業を基幹としてクラスターをつくりあげていって、一次産業そのものと、さらに一次産業関連の二次産業、一次産業関係の三次産業を集積させていくことで、一次、二次、三次の産業の一群の仕事をつくり出していく、そういうことが可能だろうと思っています。

 そして、そのように多様な仕事が残り、できあがっていくことで、この地域に、もう一段、若い人達を残すことができる、さらには移住者もお連れすることができる、そういうことにつながっていくのではないのかと、考えているところです。

 この一次産業をベースとした産業クラスターの形成について、今、県内で16のプロジェクトをスタートさせています。農業の関係、林業の関係、水産業の関係、さらには地域資源を活かした取組など、これから一斉に展開を図っていこうとしているところでありますが、中でも、この日高村の取組は最も先行して取組が進んでいると感じています。

 このトマトのハウスを活かし、しっかり選果して流通にのせていく仕組みがあり、そして、これを加工して活かしていこうという取組がある。またこれを村の駅に活かし、オムライス街道の取組、さらには、イタリアンプロジェクトという形で観光ベースにものせている。結果として三次産業として外貨を稼いでいく取組、そういう方向にも展開しております。

 まさに、私達が目指している農業を中心としたクラスター、一次産業を中心としたクラスターに向かって最も先行しているのが日高村の皆様だと、そのように考えております。

 皆様からそれぞれお話を聞かせていただくことを通じて、私共として今後さらに日高の取組を発展させていくために、何をしなければならないかということを学ばせていただきたいと思いますし、その他の地域においても、クラスター展開にあたって、私共がさらにどういう点を努力しなければならないか、ということを学ばせていただきたいと考えております。

 是非、本日は2時間弱ではありますが、是非いろいろとお知恵を賜りたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 本当にご多忙のところ、ご参加いただきましてありがとうございました。それでは、どうぞよろしくお願いいたします。

 

2.参加者自己紹介

(県産地・流通支援課:岡林企画監)

 それでは座談会に入っていきたいと思います。今回は地元の各組織の代表の方6名にご参加いただいています。順番に1人1分で簡単な自己紹介をいただきたいと思います。

 まず、谷本副村長からお願いいたします。

(日高村:谷本副村長)

 皆さん、こんにちは。知事、ようこそ日高村にお越しいただきました。

 副村長の谷本でございます。年齢はあまり言わないほうがいいかも知れませんが、昭和25年生まれの66歳でございます。

 本日はどうぞよろしくお願いします。

(JAコスモス:伊藤組合長)

 コスモス農協の組合長の伊藤でございます。

 最初に年齢が出ましたが、私は、いつも皆さんに聞かれると、「まだ82じゃ。」と言っております。実は、私は日高村の出身ではなく、吾北村の出身でございますが、コスモス農協の組合長として、日高村の農業をしっかりと預かっております立場として、本日は出席をさせていただきました。日頃は知事に大変お世話になっております。よろしくお願いいたします。

(JAコスモス:壬生ハウス園芸部長)

 どうも、皆さん、こんにちは。

 知事には度々、トマトハウスにも来ていただきまして、誠にありがとうございます。

 自分はJAコスモス日高支所の園芸部会の部会長をやっている、壬生豊秀と申します。高濃度トマトを生産し始めましていつの間にか16作目ということになっております。高品質なトマトを作るという技術はなかなか難しいものがございまして、いまだになかなか納得したものが栽培できておりませんが、普及所の皆様にご指導いただきながら、何とか産地としての目標に向かって取組をしているところです。

 県の皆様にも、レンタルハウスや環境制御技術など、いろいろな補助事業等の導入を積極的に支援していただきまして、本当に感謝しているところでございます。

 遅くなりましたが、平成26年の台風災害の際には、被害状況はどうなるかなと思ったところですが、すぐに選果場も使えるようにしていただいて、出荷に支障がなかったということを心から感謝申し上げます。今後ともよろしくお願いします。

(霧山茶業組合:中山氏(女性リーダー))

 皆さん、こんにちは。霧山茶業組合の中山と申します。日頃は土佐茶及び仁淀川流域茶についての振興について、大変お世話になっております。

 私は、組合では経理を担当しておりまして、もう1人の女性と製品の販売のほうをやるようになって20年になります。お茶の仕事自体は30年程やっておりますが、生まれは旧十和村です。そちらから、結婚してこの村に来て、もう30年が過ぎました。現在、河宇地区の農村の女性リーダーの代表をやらせていただいたり、日高村では農業委員も2年ほど、やらせていただいております。本日は有意義な時間にさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

(日高わのわ会:安岡事務局長)

 皆さん、こんにちは。NPO法人日高わのわ会の安岡と申します。

 当法人では、地域の困り事を解決するコミュニティビジネスの開発と展開ということでいろいろと展開しております。その中で本日のお話の中にあるトマトのソースということで、ソースの販売をさせていただいて、去年の売上は1200万円に少し足りないくらいの販売実績となっております。

 ソースを売り始めて、知事に初めてうちの1号店のパスタを召し上がっていただいた時に、「商品をサニーマートの横に置きたいんです。」というお話をさせてもらった頃は400万の売上でした。ですので、もう3倍近くの売上になっております。これから先、どうしていったらいいかというところを本日、皆様方と一緒に検討させていただけたら、と考えております。

 私自身は、家族12名で生活しております。大家族でケンカもなく生活しているところが、今のわのわ会の「わ」と同じようなつながりになっていくのかなというふうに考えております。この「わ」がさらに広がって、皆さんの大きな「わ」になるように、これからもよろしくお願いいたします。

(村の駅ひだか:朝日駅長)

 皆さんこんにちは。村の駅ひだかの駅長の朝日と申します。本日はよろしくお願いします。

 知事には、ここに入る前に村の駅に寄っていただいて、村の駅の特産のトマトを使ったトマトおでんを食べていただきました。非常においしいということで、これから県庁に帰って大いに宣伝してくれることを期待しております。

 村の駅も10月で開店から2年過ぎました。売上も2億円を超え、客数も11月18日に40万人目を突破しました。今のところ順調に来ておりますが、2年間やってきた中でいろいろな課題も出て来ております。さらにこれから5年、10年先を見ていきますと、いろいろと直さなければいけない課題も、取り組まなければいけないこともたくさんあると思います。是非この機会に、皆さんのご意見を聞きながら前に進めていきたいと思います。よろしくお願いします。

(県農業振興部:味元部長)

 皆さん、こんにちは。県の農業振興部長の味元でございます。本日は皆さん、大変お忙しい中、ご出席をいただきまして誠にありがとうございます。

 本日のテーマの農業クラスターについてですが、実は、ちょうど1年ちょっと前だったと思います。本日行かせていただいたJAの集出荷場のトマトの選果場に、皆さんでお集まりいただいて、「どうやって進めていこうか。」というようなことを議論しました。本当にこの間だったというように思いますが、早くもここまで来たという、すごく感慨深いものがあります。本当にこれを着実に形にして、いい形でつなげていく。そういう取組にしていきたいと思っております。

 私も3年目になりますが、ハウス園芸におきましては環境制御、環境制御と言い続けて3年。やっとそれが形になってきて非常に嬉しく思っておりますし、またクラスターも日高で実現するということを、非常に嬉しく思っております。一生懸命頑張ってまいりますので、どうかよろしくお願いいたします。

座談会1

 

3.県の取組について

(県産地・流通支援課:岡林企画監)

 どうも、皆さん、ありがとうございます。

 それでは、座談会のほうに移っていきたいと思います。

 私のほうから、まず、今回の日高村の未来を拓くトマトを核とした農業クラスター形成への挑戦ということで、簡単に概要の説明をいたしますのでよろしくお願いします。

 まず、日高村は、本当にトマトの栽培が盛んな、高知でもナンバーワンのトマトの産地です。JAコスモスを中心にして、多くの生産者の方がトマトを作っています。それは見ていただいたとおりです。

 ここ数年、新たに就農される方が実は少なくて、少し高齢化が進んでいるという現状だったんですが、JAコスモスさんを中心にトマトの生産拡大を大きく図っていこうという計画が徐々に煮詰まってきております。まず、本日、組合長さんから説明があろうかと思いますが、まずJAコスモスさんがJA出資型法人コスモスアグリサポートを立ち上げられ、農協自らハウスをつくってトマトの生産に取り組む。それから、日高村でトマトで新規就農したいという方がいらっしゃいますので、そういう新規就農したいという方に、そのJAのハウスで研修をしてもらい、それから、研修後はそのハウスをのれん分けして、新規就農者に日高村に定着してトマトを生産してもらうようにしようという、大きな計画が進んでおります。早速、ハウスの申請をいただいていまして、この冬からハウスの建設に入る予定になっています。

 それから、地元の生産者の方で規模拡大したいという方もいらっしゃいますし、さらに、新たに、県外の企業様なんですけど、日高村に来てトマトを作らせてほしいという企業がございまして、JAのトマト部会に入っていただいて生産拡大を担ってもらうという、新たな担い手も日高村に来ることになっております。本当に高知一のトマトの産地なんですけど、さらにトマトの生産を拡大する計画が今、進んでおります。

 そして、高知県の場合、農業が強みなんですが、今まででしたら、トマトだったらトマトを生産拡大して、それを東京や大阪に売るだけでおしまい、みたいなところがありましたが、せっかくトマトを生産拡大するんだったら、それを単に、東京大阪に売るだけにとどまらず、もっと付加価値を生み出すトマトの加工や、トマトの直販、トマトのレストランなど、、関連産業のいろいろな取組を拡大して、より付加価値を高める。

 それから、知事がご挨拶の中でおっしゃっていたように、付加価値を高めると同時に、そういういろいろな産業の、二次産業、三次産業のいろいろな職種の雇用を新たに生み出して、いろいろなタイプの若い人に日高村に来てもらおうという取組を進めていこうという計画になっております。

 例えば、トマトを作ったら、当然それを箱詰めしないといけませんので、農協の出荷場の機能強化を図っていく。

 それから、わのわ会さんが、トマトの加工品について、本当に地産外商も積極的に展開しており、売上も順調ですので、わのわ会さんの加工品の生産規模拡大も検討していきたいということです。

 それから、本日、急遽お伺いしました村の駅さんも、本当にいつ行ってもお客さんであふれておりますので、村の駅さんの拡大のような取組もやっていきたいですし、それから、観光協会が日高村はまだないということで、観光協会もしっかりつくって、さらに村に集客し、まず来ていただく、村を回遊していただく人も呼びたいと思っています。、さらには移住にもつなげたいという思いがあるということです。

 それを村として本当に全面的に支援いただいておりまして、オムライス街道で終わらせるのではなく、さらに、まるごとイタリアンという取組に発展させており、本当に聞くだけでも面白い壮大な計画もある、素晴らしい取組になっております。

 最後に、本日、高知に日高シェフに来ていただいています。この方は、イタリアンの巨匠であり、全国的にも有名なシェフさんで、たまたま名前が日高ということで日高村にすごく愛着をもっていただきまして、今までも高知のいろいろな食材を使って料理をしていただいております。今回、日高村とご縁ができて、さらに日高のシュガートマトを使ったメニューも考えてくださるということで、益々盛り上がっていけたらと思います。そういう取組になっております。

 以上簡単ですが、トマトの生産拡大と、トマトの生産拡大を核とした日高のトマトクラスターの紹介をさせていただきました。

 それでは、、座談会に移っていきますが、ここからは知事に司会をしていたきたいと思います。

 谷本さんのほうから順番に取組状況や、課題などをご説明いただいて、知事いろいろな情報交換をしていただけたらと思いますので、よろしくお願いします。

 

4.参加者の取組状況と意見交換

(知事)

 それでは、どうぞよろしくお願いいたします。

 最初に、谷本副村長、お願いいたします。

(日高村:谷本副村長)

 それでは、最初に発言をさせていただきたいと思います。岡林さんが全て言ってくれましたので、私は言うことが、あまりなくなりました。重なる部分があろうかと思いますが、発言させていただきます。

 日高村でございますが、現在、昨年の国勢調査では5,026人という人口で、やっと5,000人を確保したというようなところです。5年間で421人の人口減ということで高齢化率も38%を超えたという状況でございます。

 数年前からご存知のオムライス街道をスタートいたしまして、最初は6店舗、今現在では11店舗ということで進めてまいりました。

 その後、本日も行っていただきましたが、村の駅の改築、これも補助をいただきまして改築がなされ、また、今現在は西バイパスの開通もあり、その効果もあって大変な盛況をいただいている。

 先ほど、駅長さんが言いましたが、18日には来客数が40万人を突破したということで、平日でもたくさんのお客さんに来ていただいておりまして、40万人に達したという状況でございます。

 今、日高は、日高まるごとイタリアンプロジェクトのスタートを切ったところです。大きな柱は3つありまして、食、そして健康、雇用。この3つの柱をもとにチャレンジしていこうというところでございます。

 食につきましては、先ほども少し説明いただきましたけれども、オムライス街道の充実、日高シェフを、本日迎えまして新たな料理の開発を行なって広めていこう、また先ほどかかっておりました「トマトの神様」という歌でございますが、これも先日の高知新聞のふれあい高新で5日間、日高のことについてそれぞれPRいただき、その最終日にイベントをうって賑わいました。そういったいろいろな視点と角度からPR推進をしていただきながら進めております。

 それから健康の部分です。観光と重なる部分があろうかと思いますが、サイクリングロードの開発を手掛けております。それから、ウォーキングもありますし、また、ひだか茂平マラソンも開催しております。

 観光の面で言いますと、先日、県の副村長会で、奈良県の小布施町という小さな町に行ってまいりました。その中で観光の三大要素というものを教えていただきました。ひとつは見る、そして食べる、もうひとつは遊ぶ。この三大要素を備えていたら、観光客にたくさん来ていただけますよ、という話でございました。

 また、トマトの加工業者、日高のわのわ会、そして、直販所では、村の駅、サングリーンあるいは、ふれあい市があります。生産者、JA、行政が一体となりましてクラスタープラン作成のためのプロジェクト会を行っているところでございます。第1回目は10月19日にございまして、さらに11月4日、また12月1日で計画されています、日高村アグリ大会でもそれらの紹介をしていく予定でございます。

 日高村産のトマトを核といたしましたオムライス街道の取組でございますが、現在、ちょうど2年半が経っております。14万8500食を食していただいておりまして、間もなく15万食に達そうとしているところです。日高村、即ちトマトの村というイメージの定着化をはかっていかなければならないところで、やっと認識していただけたのではないかと思っているところでございます。

 それから、課題等ですが、日高村は一昨年、台風11号、12号で床上床下あわせまして124戸の被害を受けました。本日も知事に見ていただきましたトマトの出荷場につきましては、災害後にいち早く駆けつけていただきまして、「12月出荷時のセンサーの活用のために、どうしても必要であろう。」という一言を残して県の方にお帰りになり、12月には、被害を受けた設備をいち早く復旧して、出荷を開始することができました。

 それを設置いただいたことで、シュガートマトの価値も下がらずに今に至っております。改めて本日は現場で感謝の気持ちを思い出した、というところでございます。

 日高は、「空が小便したらすぐ浸かる。」と例えられるほど、水害と戦ってまいりました。放水トンネルについて、国の方で採択いただきまして、5年間で完成する床上浸水対策特別事業として、第二の放水路と同じ規模ですが、第三の放水路が完成する予定です。その間の対策が非常に課題であります。

また、クラスター実現のための関連産業であります加工につきましては、現在の加工所が非常に手狭で、わのわ会の皆様には、頑張っていただいておりますが、生産量の増加には限界があるために新たな加工所の整備と加工事業者の体制整備等が大きな課題となっているところでございます。

 また、産地の拡大にともないまして新規の就農者の確保と育成も課題になっているというところです。以上でございます。

(知事)

 どうもありがとうございました。

 総括的なお話をいただいたと思います。まず、平成26年の水害の時には大変ご迷惑をおかけしておりまして、本当に心から多くの皆さんが被災されたことについてお見舞を申し上げたいと思います。また、治水行政担当といたしましても本当にお詫びを申し上げたいと思っております。

 選果場についてお話いただきましたが、本当に、いかに水害そのものをなくすかということについて、さらに努力をしなければならないところだと思っています。これについて国土交通省も地方整備局の皆さんも大変前向きに取り組んでいこうとされております。県としても、県の事業をしっかり進めていきますとともに、国と協力して治水対策をさらに進めていきたいと考えておりますので、また今後ともどうぞよろしくお願いを申し上げます。

 このオムライス街道の取組から始まって、トマトの生産拡大の取組という、横展開をされておられます。まさにクラスターに向けた取組というのをスタートされたわけですが、これはもともとどういう動機でお始めになったのかという、そもそもの部分をまず聞かせていただいてよろしいでしょうか。

(日高村:谷本副村長)

 やはり、雇用の拡大について考えまして、近年は交流人口が段々と増えております。そして、今後は定住促進、人口増に向けて努力を進めていかなければいけないところですが、しかし、来ていただいても雇用が無いと、定着には至らないということで、戸梶村長も、今回は1.5haくらいのハウス増設の予定なんですが、「それどころじゃない、もう全部増設するぞ。」というような勢いで声かけをしております。やはり、日高村は工業団地もありますが第一次産業が主であり、それに力を入れていこう、というようなスタートでございました。

(知事)

 すみません。座談会の進行は、最初、1対1で対話をさせていただいて、最後、皆さんでお話をする機会と、この二部構成にさせていただきますのでよろしくお願いします。

 そもそも、なぜオムライスをやろうと思われたんですか。

(日高村:谷本副村長)

 実は、戸梶村長がオムライスの帽子を被って宣伝するくらいオムライスが好きです。日高村はJRが村内を走って、国道33号線もあり、その33号線沿いには飲食店がたくさん並んでおります。ある時に、雑談の中で、「オムライスは小さい子どもさんも高齢の方も皆好きだろう。それなら、オムライス街道みたいなことを、ひとつやったらどうだろう。」ということを村長が言い始めて走り出したわけです。

 それからの苦労が、本日も来ております担当課長と直接の担当者で、知恵を絞りました。そして、オムライス街道に協力していただける6軒の飲食店からスタートしたわけです。

(知事)

 観光を意識して域外から交流人口が増えてくることを意識されたと、そういうことですね。なるほど。

 今度、さらにこれをイタリアンプロジェクトに進化させていこうというのは、さらなる交流人口の拡大を狙ってのことですか。

(日高村:谷本副村長)

 イタリアンプロジェクトの大きな要因について、3つくらい言いましたけど、そのひとつがオムライスの食の開発ですね。3年目を迎えて、担当者も非常に苦労して、次はどういう取組をしていくか、ということで、これもひとつのアイデアなんですが、そういうことで苦労している中で、新商品の開発によって、交流人口増を目指したい。さらに、イタリアンプロジェクトの中の食及び健康の中で、そういった仕事、雇用が拡大していけばというような見通し、目標もある。新しい企業が入って来ることと、後ほどJAさんの出資型法人のお話があろうと思いますが、正規の職員が、合計で10名ぐらい、それからパートでは、完成いたしますとプラスで50名程度の雇用が生まれるのではないかというふうに思っています。

(知事)

 どうもありがとうございました。 

 それでは、伊藤組合長、よろしくお願いいたします。

(JAコスモス:伊藤組合長)

 はい。コスモス農協では、県内の他の農協の組合長の皆さんと話をするんですが、そこで自慢ができるのは、行政と農協がぴったり協力している、ということです。コスモス農協ができた時から行政の協議会をつくって、農業振興については、町村からは担当課長が出て来てくれますし、農協からは担当者が出てくる。それで中心となって幹事会をつくって、しっかりと一体的に進めることができることが、大変ありがたい。その中でも日高村は、村が特に真面目で農業を熱心にやってくれております。だから、こういうことができていると思い、本当にありがたく思っております。

 本日見ていただいたトマトの選果場については平成13年にできました。コスモス農協ができたのは平成7年で、それから6年経ってからでした。

 日高村はトマトの産地として育っておりましたが、日高村ではシュガートマトというのを命名して、出荷していたのですが、しっかりと責任を持てるものを送らないといけないということで、新たな選果場・出荷場をつくって何とかしようと、こういうことになってできました。

 本日見ていただいたように、光センサーを入れて糖度をはかって、しっかりと責任をもてる商品を提供しようということになったのは初めてだった。当時、トマトで糖度をはかって出荷するというのは、例がなかった。トマトというのは、野菜の部類に入っているわけですから、最初はフルーツトマトという言葉も、まだ認知されてない時期から、ここではシュガーという名前を付けてシュガートマトということで販売が始まっていた。

 せっかくしっかりした選果場をつくろうということですから、「光センサーを見てこようじゃないか。」ということで、秋田まで生産組合の代表者と私で一緒に行って見て来た。そしていろいろな話を聞いて来た。そして、「これでやろうじゃないか。」ということで、光センサーを入れた選果場をつくった。

 当時はトマトの糖度計を入れての施設は日本で初めてだった。日本で初めてということは、そんなことをしているところは恐らく世界になかったと思う。トマトの糖度を量る、世界で初めての選果場だったと思う。それが日高にできたんです。それを皆さんにご活用いただけていると思う。

 知事にご覧になっていただいた、水害でやられた時はどうなることかと思ったんですが、県の担当者がすぐに来てくれて対応してくれましたし、農政局のほうでも、スムーズな対応をしてくれましたので、後の生産に間に合うタイミングで復旧することができました。

 また、ハウスは新しくできましたが、段々とトマトの生産者、後継者がいなくなっているという問題があり、何とかそれを確保したいと思っています。ただ、村と農協が一緒になって、「トマトを作れ作れ。」と言うだけではなかなかいきません。そこで、実際に農協で出資法人をつくって、しっかりとそこで経験を積んでもらって、自信をもって「自分等もやろう、独立してやろう。」と、こういう担い手ができるようにという思いで、それを中心に考えて出資法人をつくる段取りができました。私は、「県の技術屋さんのOBも技術をかしてくれんか。」というお話もしたこともあるんですが、県にはトマトの専門家ともいえる、非常に優秀な技術屋さんがおりますので、その方たちがそのまま定年で終わっていくのはもったいない。現場へ戻って、もう一度力をかしてもらうことを考えていただいたらと思います。

 いずれにしても、しっかりと農協で責任をもってやっていくということのためには、県の技術とも一体となってやっていかないといけないと思っておりますが、そのへんも本当に頑張ってやっていただいておりますので、この調子で協力して盛り上げていきたいなと思っております。

 今、農協が責任を背負ってしっかりとやるのも、非常に大事なことだと思っておりますので、今後ともよろしくお願いします。

(知事)

 ありがとうございます。本日はどうもありがとうございました。

 さっきおっしゃられた行政と農協の距離が非常に近くて日高村の皆さんと協議会をつくって協力体制をしいておられたというお話ですが、私は本当に、日高村さんは、我々が「クラスター、クラスター。」と言う前から、事実上クラスター的な動きをどんどん進めていっておられて、こういう形でどんどん横にいろいろと協力関係があって展開しておられるのがすごいことだなと思います。しかも、それに合わせて横展開するにしたがって、トマトの生産量も増やし、出荷場も充実させて、また横展開してという、いい形のプラスの循環ができてきているのが素晴らしいことだと思いました。

 やはりこれは行政とJAの皆さんといった、官民が協議会的に取り組まれているというのが大きいんでしょうね。

(JAコスモス:伊藤組合長)

 農協、行政、生産者、一体となっていると思います。さらにそれぞれトマトを使って、日高村が大きく名前をあげていく大きな取組が生産者をも力付けています。トマトで、ということの思いがひとつになって、これからの高まりに期待できるんじゃないかと、生産者の立場からも非常にありがたいと思っております。

(知事)

 本当に一体感が素晴らしいですね。

 それから、おっしゃられた後継者のことは、県全体としての大きな課題です。もっと言いますと、地産外商と言っても、それをどんどんどんどんつながっていくようにするためにも、それを次に、次代に担ってくれる後継者がいないといけない、ということだろうと思います。

 何とか後継者を確保すべく、移住促進策とも組み合わせながら、アグリスクールなどを都会でやったりしながら、就農者の獲得に向けて努力をしています。平成27年度は、就農者が270名。その前の年が269名で、270名は過去最高ということなんですが、ただ、実際には、330名ほどの確保が必要ですか。

(県農業振興部:味元部長)

 320人です。

(知事)

 320人の後継者が確保できると県全体では、産地をしっかり持続していけるということになるようなんです。ですから、もう一段工夫が求められると言えます。

 四万十町の担い手育成センターも寮を拡張したりして、もう一段の取組として、研修の体制は強化しているんですが、ただ、やはりいろいろ農業者の皆さんにおうかがいすると、就農するまでの間に技術を身に付けて、お金を借りられるぐらい信用が出て、初めて実際お金も借りて、その施設の整備もできて、そういう流れになるんだから、とお話をされます。

 やはり、もう一段初期段階の対応についていろいろと工夫が要るんじゃないかと、そういうお話もいただいたりするんですが、そのひとつが農業法人で雇用して、被雇用者、いわゆるサラリーマンといいますか、雇われる形で農業をスタートして、そこで技術を習得してから独立する、その一連の流れが有効ではないかと、そういうことですね。

(JAコスモス:伊藤組合長)

 雇われる形でやってもらえることもいいと思いますが、しっかりと勉強して自信をもって独立してもらう。このことが一番大事なことだと思いますので、農協自らやりますと言っても、そこに来て働いて、研究をして、独立をしてもらう。こういうものにしたいと思います。ただ、そこへ来てもらう研修生がどれくらい来てくれるかというのが心配な状況です。それを一生懸命確保するというのがなかなか大変だなという思いがひとつあります。

(知事)

 研修生をそもそも確保するのが大変かもしれんと、そういうことですか。なるほど。

 そこは、我々がいろいろなところ、県内でもそうだが、県外でもPRする時に力を入れないといけませんね。

 あと、研修を終えられた方が独立する時のサポートというのは、どういうものですか。

(JAコスモス:伊藤組合長)

 高知県には昔から良い制度がありまして、日高村のハウスができたのもそうですが、レンタルハウスです。高知県独自の制度ですが、ハウスを農協で建てます。農協で建てて後継者にレンタルする。そして、それを使って後継者は順に生産をしながら、毎年支払いをして営農をしていき、最後はそのハウスは自分のものになる。こういう仕組みです。これは非常に良い仕組みだと思います。そのへんは、農協は責任をもって後の施設整備については、やっていきます。

 あとは土地をどこかに借りないといけない問題があります。そのひとつとして、少しお話もしたんですが、早くに水害のない村にしてもらうこと。これはまず、心配でございますので、よろしくお願いしたいと思います。

(知事)

 レンタルハウスの制度も毎年いろいろ改善して、使い勝手をよくしていくように努力しているんですが、もっとこんなところが、というのはありませんか。大体、今の感じでよろしいでしょうか。

(JAコスモス:伊藤組合長)

 それぞれ、よく頑張ってやっていただいております。

(知事)

 そうですか。ありがとうございます。

 最後にですけど、実は、後継者を確保するにあたって、例えば企業さんにも来ていただいて、いわゆる雇用型の農業というのをそこでスタートして、農業法人をつくっていただいたり、そういう形で、例えば県外の企業さんの力も借りられないものかな、と思い、企業参入の取組なども進めてきたりしているところです。

 やはり企業参入にも多分良し悪しがあって、非常に大規模に展開してくれるのはいいんでしょうが、例えば実際、地域の農業とうまくやれるかどうかとか、そういうところも課題になってくるかもしれない、と思います。

 日高の場合は、組合長も大変ご尽力いただいて、企業さんにも非常に速やかに参入いただける形ができあがってきたんですが、今後、企業参入などを進めていくにあたって、やはり留意すべき点とか、こういうのはどうなんだろうかという、そういうご指摘、アドバイスがあれば、いただいたらありがたいのですが。

(JAコスモス:伊藤組合長)

 我々はいつも普及所を頼りにしております。現場で担当がしっかりと応急処置、相談もし、それから村とも相談をし、という形でやっておりますので、我々の立場ではそこでいろいろと考えていただいて、それをしっかりと実現をするように努力をしていく、ということでやっております。いろいろ問題が出てくると思いますが、いつも一体となって相談をしながら、ということでお願いしたいと思います。(知事)

 こまめにご相談しながら進めてまいります。またよろしくお願いします。ありがとうございます。

 それでは、続いて壬生部長、よろしくお願いします。

 度々ハウスにおうかがいしております。ありがとうございます。

(JAコスモス:壬生ハウス園芸部長)

 自分が高濃度トマトの栽培に取り組んだのは、平成13年度からです。それまではいろいろと生姜の栽培などに取り組んで、初めてトマト栽培に取り組んだという部分ですが、今年で16作目ということになりまして、多少は作り方もわかってきたかな、というところでございます。

 作り始めの頃は、高濃度トマトの作り方、栽培方法というのは、いろいろと技術的な面が確立できてなくて、なかなか普及所とか農協のほうの指導も四苦八苦しておりまして、作る方としては、それこそ研修をして始めたわけでございませんので、いきなりレンタルハウスをぽんとあてがわれて、さあ作りましょうという話でした。

 当然、最初の2、3年はなかなかうまいことできなかったという経験がありますので、今回、この出資法人で、研修施設をつくって新たにレンタルハウスに取り組んでいくこと、この取組については非常にありがたく期待をしております。

 今では、栽培の技術面につきましても、ずいぶんときちっとしたマニュアルみたいなものを普及所で作ってくれまして、あらかた新規の人が取り組んでもある一定のものが作れる、というような状況になっております。

 ただ、これが毎年、天候に左右されまして同じようなものを作る、安定した生産ができるかというと、なかなかそうもいきませんので、確かに苦労はございます。

市場からは常に「安定した出荷、出荷計画どおりきちっと出して欲しい。」ということを求められるんですが、これがなかなか産地としての大きなひとつの課題で、いまだになかなか解決策は見つかっておりません。

 私共は、生産者組織ですので、生産が、作ることが中心ですけれども、販売につきましても取組をしてきました。これは、県の第一次の産業振興計画、この中で補助金をいただきまして、五大都市、特に関東の市場のほうに出向き、市場の要望とかアドバイスとか、こういったものを聞いてまいりました、そこで産地で取り組めることについては、できるだけ取り組んできたところです。

 例えば、それまで出荷するのに主流は2kgの箱でしたが、それを1kgの箱にしたらどうかと。それから、なおかつカラーにして糖度ごとに箱を分けるとか、そういったことをしたらどうか、と市場のほうでアドバイスもしていただき、振興計画の中でやってきました。

 その結果、現在はシュガートマトの市場での認知度も随分高くなりまして、現在、取引市場においてはシュガートマトを知らないということはほとんどなくなりました。

 これからですが、単価を上げるということになりますと、消費者の消費の考え方がありますので、あまり単価を上げるという方向ではなく、収量を高める、そしてA品率を高めていき、それで生産者の手取りを増やしていくということが、やはり必要ではないかなと思います。

 その意味では、今年から取り組んでおりますが、さっき見ていただきました環境制御装置が入りました。これでハウス内の環境をきちっと把握して、どこをどうすればもっと生産量を増やして消費率を高めていけるかというところに、これからは取り組んでいきたいと思っております。

 それと、現在、産地としての課題でございますが、産地の維持拡大をしていくということには、当然担い手、後継者というのが必要なわけでございますが、これは、JAが取り組んでくれました。JAの出資法人の中で研修施設をつくってくれるということで、これが新規就農にもつながってくるということで期待もしております。

 特に今度、トマトを栽培する、作るにあたってのこだわり、大事なことだと思っていることにつきましては、やはり高濃度トマトというのは、「土」でつくっております。そしてその「土」のおかげでいい物ができております関係で、この「土づくり」をきちっとやらなければいけないなと思っております。

 7年くらい前に結構いろいろな病気も発生しまして、そういったことに対策していかなければならなかったんです。当時の日高村の環境課長が、日本土の会というのがありまして、その中の東京農大のゴトウ先生という方に圃場を見に来てもらいまして、それで、土の状態を調べてもらいました。それ以後毎年、検体を送って検査の結果を知らせてくれています。最初は随分、余分なものがたくさんあったようですが、最近はある一定のバランスのよい土になりつつあるということになっておりますので、これは当初の取組で良かったなと思います。

 それから、シュガートマトを消費者に知っていただくということが当然大事です。市場に送れば、市場の担当者や、スーパーとかそういう店の担当者には知ってもらえていますが、3年くらい前からかな、ちょっとでも知っていただくためにと思い、自分のハウスでの収穫体験に、3年ぐらい取り組みまして、年に100人、200人、あまり人数は多くないですけど、収穫体験をしております。

 そんなことで、産地としては産地拡大、少なくとも現状維持ということを目標に取り組んでおりますので、ここのところ、普及所の指導者の皆さんのご指導を続けて行なっていただきたいと考えております。

(知事)

 こちらも農振センター、普及所と大変可愛がっていただいておりまして、誠にありがとうございます。

 先ほども伊藤組合長とお話させていただきましたが、やはり後継者の確保が大きな課題で、法人型で研修生を受け入れて、それを独り立ちに向けて応援をしていくという、この流れというのがやはり期待感が大きいでしょうか。壬生部長もそう思われるんですね。

(JAコスモス:壬生ハウス園芸部長)

 僕は、大分前からそう思うところでございまして、ただ、自分達が始めた時には、何も経験がないところから、本当にゼロから始めたもので、これはなかなか若い者がやるのは難しいんじゃないかという思いで、そういう研修のできる場を村独自でつくってくれないかと、村長にそういう話もしたこともあります。そういった意味では、農協の取組というのは大変ありがたいなと思います。

(知事)

 なるほど。一番南東側に作られるハウスが研修用ハウスですよね。

(JAコスモス:伊藤組合長)

 そうです。

(知事)

 研修用のハウスと、それから定着するためのハウスも両方やっていただけるということですね。なるほど。研修用のハウスが10a、栽培用のハウスが30aということですね。

(JAコスモス:伊藤組合長)

 ハウスの改修をして使います。

(知事)

 そこを改修をして新規就農者に使っていただけるようなこともお考えいただいていると聞いています。

 こういうところに研修生をたくさんご紹介できるように、県もいろいろとPRを頑張ります。

(JAコスモス:伊藤組合長)

 是非、よろしくお願いします。

 結構、日高でトマトを作りたいという方がおります。声を聞きます。

(知事)

 最近、本当に日高は有名になっていますからね。素晴らしいことです。

 今、もう一つ言われた話で、環境制御装置のお話について、先ほども見せていただいて、どうやって内容を検討して見ていくのか、というのは、今後いかがでしょうか。

(JAコスモス:壬生ハウス園芸部長)

 自分も制御装置をつけたばっかりですので、普及所の山口さんからも、最初は見るだけ見てみろと言われています。ずっと見ていたら毎月の変化がわかるので、見るのが最初だということです。今は見ているだけの段階ですので、そのうちに何とかなるかな、とも思います。

(知事)

 壬生部長のような篤農家の皆さんの、本当の秘技の中の秘技というのは秘密でしょうが、ノウハウがあの機械によって見える化されて、一定の基本ラインみたいなものが、新規の就農者の方に教えてあげられるようになれば、結果として、新規の就農者が早く独立できるが故に、さらに、新規の就農者が集まってくる、というような流れにもっていければなと、そういう思いもあります。

(JAコスモス:壬生ハウス園芸部長)

 そうですね。そうなっていかないと、なかなか産地として維持していくことも拡大することもなかなか難しいと思うので、是非それは出資法人のほうで鍛えて頂きたいです。

(知事)

 また、うまく、機械で取得できるデータで、栽培のノウハウが見える化されると、若い人にも共有しやすいというふうになっていくことを願っていまして、またいろいろな意味でご協力のほど、園芸部会でよろしくお願いいたします。

 それと、もう一つすみません。3点目ですけど。収穫体験、やられたんですね。100人とか200人に対して。

(JAコスモス:壬生ハウス園芸部長)

 はい。

(知事)

 実は、こういう大型のハウスとか新しい最先端のハウスを産業型の観光に活かせればいいなという思いもあります。やはり観光で来てくれると、お金も使ってくれるし、例えば収穫体験とかで来てくれた子どももいると思うので、教育という点で子どもに来てもらうというのもあるでしょうけども、あとはいろいろ、その非農家の皆さんでも収穫体験で来てもらってトマトを買ったりして楽しんでもらって、その後オムライスを食べに行ってもらって、という形の、その産業を活かした観光、体験型の観光ということにもなるんでしょうけど、そういうのを是非できればいいという思いもある。

 実際に四万十町のハウスでは、今、視察の人がひっきりなしだそうです。結果として、それが四万十町にとってみれば、ある意味、産業観光になっていて、観光客の増加という、いわば外貨を稼ぐ良い機会になっているというお話を伺いました。

 今後、新しい大型のハウスがいろいろ立ち上がっていく中で、壬生部長のハウスや篤農家の皆さんが、こういうふうに作っておられる現場を、観光として活かすというのはいかがですか。

 あまり栽培の邪魔になってもいけないし、やはり限界はあるでしょうけど。

(JAコスモス:壬生ハウス園芸部長)

 そうなると、デメリットやいろいろ不具合な点も出てくると思います。自分が最初、取り組んでみよう、やってみてはどうかなと思ったのは、フットパスという、歩いて村内をまわるという取組をやっていまして、その中にひとつのトマトの圃場で、どんな形で栽培をしておるのかというのを見てもらって、それだけで面白くないので何個か収穫を体験してもらった。

 それが始まりですので、観光と、まだ、完全にタイアップしているわけではないんです。なかなかトマトというのは結構デリケートな部分がありまして、外からいろいろな細菌が入ってくるとか空気が入るとか、管理が結構厳しいもので、そこはこれからの課題です。

(知事)

 やはりそこは一定限界があるでしょうね。はじめから大きな施設で見せられるようなところもつくっていれば別でしょうが。なるほど。

 わかりました。本日はどうもありがとうございました。

 では、中山さん、よろしくお願いします。

 中山さんは、トマトじゃなくて、お茶の栽培ですか。

(霧山茶業組合:中山氏(女性リーダー))

 はい、お茶です。

(知事)

 トマトとどうコラボしていくかという視点でしょうか。

(霧山茶業組合:中山氏(女性リーダー))

 当社のことについては、尾﨑知事にも以前、茶園のほうまで来ていただいて、お茶の現場が厳しい状況にあるということをよくご承知のことと思いますが、それはそれで置いておいて。

 あの当時から、うちの変わったことといえば、うちの次男が昨年の春から入社いたしまして、人員が全員で5人でやることになったところが変化したところです。

 当人に言わせると、「俺はまだ後継者になれるかどうか見極め中や。」ということなので、その程度ですが、変わったところといえばその程度です。

 本日は、トマトを中心としたクラスター化ということが中心のお話なので、私がちょっと外から見た目でというふうな視点でお話させていただきたいと思います。

 大きく地域を支える人材育成と、その人と人とのつながりという視点と、あと、観光という視点、2つで見ております。

 私達がお茶の販売をはじめた時、10年ぐらい前までは、高知市内や四国内に販売に行った時に、「日高ってどこ。」って聞かれることがすごく多くて、高知県内でも高知市内でお茶を売っていても、「日高ってどこかね。」とよく言われていました。

(知事)

 高知県内ですか。

(霧山茶業組合:中山氏(女性リーダー))

 県内です。いのと佐川の間とか、ちょっと年配の方とかには、「日下です。」と言うと、「ああ、あそこね。」というので、すごく認知度が低かったのが10年前です。それをすごく感じて、安岡事務局長はじめ、この年代の人って、若い時に日高村で青年団活動をやっていた世代は結構日高村に残っていて、トマト農家の中にもたくさんおられる。その方達と、こんなことじゃいかんね、ということからいろいろなお話をするようになったのがきっかけなんですが、今のように、「あ、日高ね。」「トマトね。」「あそこね。」とすぐに言われるようになったのはすごく嬉しく感じています。

 そういうふうになったのはというのは、やはり、日高村は5000人に足らない人口ですけども、横のつながりがすごく強いので、人と人とのつながりでいろいろな活動に一緒に出かけて行ったり、自分達はお茶を売っていますが、消費者から日高のトマトについての質問の話もすぐにできて、生産者の方からトマトの特徴なんかもお聞きして、日高のトマトはこうなんだよという話もさせていただいたり、そういういろいろな意味での人のつながりがすごく良いところが、今、日高が盛り上がってきている基礎になっていると思っています。

 これからの課題は、若い世代が、横と横とのつながりをどうやってつくっていくか。青年団活動なんてないですので、そういうところが大きな課題にもなってくるし、また、住む場所がないというのが一番の課題だと思います。新しい住宅も少しできましたが、独身の若い人達が親から独立して過ごす場所がない、住む場所がないというのが今の日高の実態だと思います。

 トマトを中心としたクラスターというのを広げていくためにも、やっぱりトマトに関係する人以外がどれだけここに住んで、いろいろな産業に波及をさせていくのかというのが大きな課題だと思っていますので、そういう意味では、是非、若い世代をどうやって育成し、住める場所にしていくかということをすごく心配しています。

 それと、先ほど、トマトの観光の話が出ていましたけど、うちもフットパスの関係でツアーの中に入って、訪れてみたいと言ってくださって、なかなか自分達は人を受けいれるという経験がなかったので、そこまでたくさんの人じゃなかったら、お茶の接待ぐらいだったらできますよ、というところから始まって、単発ですが受け入れをしています。

 今感じているのは、やはり、これをひとつのお客様を呼び込むツールとして、しっかりとした形にして、自分達の施設を整えて、ある程度の人数を一度に受け入れられるような場所にして、屋形船に乗ったり、茶園の散策をしたり、あるいはトマトの買い物をしたり、日高村全体で人がまわれる、いろいろな、1日日高で滞在ができるような、そういう方向にもっていけたらいいなと思って、これからいろいろなところで皆さんにご同意いただければ、助けていただきたいなと思っています。

 もうひとつは、今、「トマト、トマト、トマト」と言っていますが、買いに来るお客さんへの対応のことです。村の駅で自分達も出てお茶を入口で販売しているので、私達に、「今、トマト、どうなんかね。」とお客さんに聞かれるんです。お茶を売っている私達にですよ。

 トマトの生産家の方は今、なかなか売っている現場に立って試食販売とか、していないですよね。「今の時期はちょっと暑くて気温が高いので、まだ赤くなっていないトマトを結構販売していますけど、大丈夫ですよ。」って、ご案内するんですけど、そういうのはやはり生産している現場の方が、その場で試食販売しながら、わざわざ日高までトマトを買いに来てくださるお客さんをもっと大事にするようなことをこれから、村の駅だけじゃなくて、ふれあい市でもそういう機会をもっとつくっていけたらいいんじゃないかなと、ちょっと横から見ていて思います。

 それと、私、女性リーダーもしています。その中で、生産の現場で女性の方が益々以前より忙しくなって、いろいろな勉強会とか私達が企画する研修会などに参加される機会が少なくて、それが少し残念です。もっと外を見て視野を広げて自分達の経営に活かしていただけたらいいなと思っています。

(知事)

 わかりました。ありがとうございます。

 最後の研修の機会については、今、はちきん農業大学校というのをつくろうとしていまして、これは農村女性リーダーの皆様から大分お知恵をたまわった、とうかがったんですけども、それをやるべく、今、準備しています。是非、中山さんのお仲間を連れてご参加いただければと思います。

(霧山茶業組合:中山氏(女性リーダー))

 是非、行きたいと思います。

(知事)

 ただ、お忙しいですよね。

(霧山茶業組合:中山氏(女性リーダー))

 そうです。だから、やはりそこは、経営者の方であったり、農協さんであったり、生産部会が組織として押し出してくださるような、そういう力添えをいただきたいなと思います。

 女性は行きたいと思っていても、なかなか、私が抜けると仕事がまわらない、というふうにひっかかる方も多いので、そこは一歩出て勉強してこいと言って押していただけたらありがたいなと思います。

(知事)

 鳴り物入りでやりますので、是非、来てくださいと、僕等も県のほうからもお願いします。

(霧山茶業組合:中山氏(女性リーダー))

 視野が広がれば、トマトと何かとコラボしようとかという発想ももっとわいてくるだろうし、こちらからの問いかけにも答えていただけるような機会も増えるんじゃないかなと思っています。

(知事)

 それと、生産者の方が、例えばふれあい市とか村の駅で売り込みをされて、消費者の皆さんと直接対応する、というのは、なかなかできないお話なんでしょうか。

(村の駅ひだか:朝日駅長)

 最初の1年目の時は、村の駅でトマトの生産者の方も、人もかなり出して売り込みをしました。2年目になると、ある程度お客さんが自分で食べてくれた。

 今のところ、お客さんから、トマトについては大体、「どこのトマトがおいしい。」って、いつも聞かれるんです。返事しようがなくて、「どこもおいしいですよ。」って説明するんですけど、そういう点で生産者の方も自分のトマトを名指しで買っていただけるように趣向をこらしていくというのは、名前を貼って出すので、良い宣伝になろうかと思います。

(知事)

 なるほど。ありがとうございます。

 さっき、フットパスのお話しされましたよね。やはり外から、例えば体験なり、もしくは観光という形で産地に来られることについて、例えば中山さんのところだったら結構歓迎されますか。

(霧山茶業組合:中山氏(女性リーダー))

 そうですね。自分のところのお茶を知っていただく機会、生産の現場を知っていただいて霧山茶のファンになっていただくという方をおひとりでも増やしていくという意味では、歓迎します。外に行って思うのは、やはり現場に行きたいというお客さんがものすごく多いんですよ。やはり、そういうのを受け入れる体制というのは、こちらもつくっていかないといけないなと思います。

(知事)

 その体制というのは、例えば施設的にとか。

(霧山茶業組合:中山氏(女性リーダー))

 そうですね。施設もですけど、やはりそこで少し軽食がとれたりとか、飲み物が飲めたりとかするためには、やはり喫茶の許可を取ったり施設をつくらないといけないであろうし、あとは、出て歩いたりすることはもう自由にしてもらう。

(知事)

 けど、行ってもらっていいところと、ここはダメという区別はつけなくてはいけない。

 先ほどの壬生部長のお話じゃないですけど、そうでしょう。

(霧山茶業組合:中山氏(女性リーダー))

 それと、山ですので、危険なところがあります。それに対応する人材がやはり必要になる。

 今、私達女性2人で販売とか対応をしていますけど、もう目一杯なので、新しいことを始めるとなると新しい人を育成してということもひとつ課題になっています。

(知事)

 なるほど。

 実は、新しい観光地をつくるというのは大変なことです。新しい観光地をつくり上げていくということは大変なこと。でも、この日高村の皆さんも然りですけど。例えば仁淀川。昔は仁淀川を観光に活かしてなんて、あんまり言ってなかったですよね。だけど、もう今や、多分、観光の3番バッター、4番バッター、5番バッター、そんな感じですからね。本当に仁淀ブルーというのをはじめとしての、この「売り」というのは大変重要で、仁淀ブルー観光協議会もできて、さらにこれからいろいろな沿線に体験型施設もいろいろできて、非常に有望だと思うんですよね。

 ある意味、これから新しい一大観光地に、この仁淀川沿線というのはなっていくと。その時に、それぞれの沿線で全部新しいのをつくるというより、むしろ、それぞれあるところを活かして観光地にするという形にすることのほうが、多分最も効果的であると思う。そういう意味において、霧山茶を生産しておられるところを観光地としてうまく活かせたりすると、すごくいいですよね。

(村の駅ひだか:朝日駅長)

 そうですね。そういう要望は仁淀ブルー観光協議会さんからもありますし、日高には協議会はないですが、日高でフットパスの企画なんかをしていく方からご要望があります。そういう要望にも応えられるような体制を何とかとれないかな、というのは模索中です。

(知事)

 全く仮定の話としてですけど、例えば選果場も、私も1回見させていただきましたけど、光センサーを、トマトが通っていくところを光でカチッカチッて見せるところ、すごいですよね。あの糖度を量っているところなんかも本当にすごい。それから、多分、トマトがダーッと流れていく姿なんか見たら、皆、初めての人はびっくりするだろうと思います。

さらに、あんな大規模なところで、こんな科学的にトマトを作っておるのかということで、皆、多分、大いに感心するでしょうし。結果としてその産地のファンになってくれたら、次の売上にもつながると、そういう側面はあるんでしょうね。

(霧山茶業組合:中山氏(女性リーダー))

 そうだと思いますね。

 先日、岐阜のほうに行かせてもらって、担い手のサミットがあって行った時に、柿の産地に行かせていただいたんですけども、新しくできたその柿の選果場が、選果場の流れをちゃんと上から見学ができるような、そういうつくりになっていて、視察している側はすごく良かったんですよ。そういうのもひとつの案かなと思います。

(知事)

 なるほど。

 環境制御技術についての協定を結んで、オランダに行った時に私も思いました。ウエストランド市に行って、花の市場があります。ものすごく大規模な花の卸売市場で、世界で一番、最大級の花の市場なんだという話でしたが、明らかに視察者に見せられるようにつくっていました。だから、僕等もいくらでも見ることができたんです。当然、入っていいエリアといけないエリアがあって、見学者の方はここまで、と分けられていた。

 なるほど。そういうところを、少し工夫したらいいかもしれませんね。また、そういうことを、うまく工夫できるような仕組みや、そういう策を我々も考えれば、農業クラスターの中にもう一段観光とか取り込めるとか、そういうことになってくるでしょうね。

 ちなみに、最後に、一番最初に言われたお話ですけど、やはり横のつながりが強いのがクラスター化にどんどんつながっていくひとつの秘訣なんでしょうか、中山さんの場合。

(霧山茶業組合:中山氏(女性リーダー))

 そうだと思います。例えば、私は日高村の出身じゃないですけども、同じ世代なので青年団活動でやっている仲間がいる安岡事務局長らとお友達にすぐになれましたし、それから、安岡事務局長が、わのわ会の販売で東京に行く時などは必ず誘ってくださって、同じお店で販売しているものもあったりするので、うちとセットで必ず予約を入れて販売用にしてくださったりするんですよ。

 そうすると、やはり、販売するものに広がりもあるし、お客さんも喜んでくれるし、1人だと心細いのが2人で行けば結構、はちきんも、自信にもなって帰ってこれますので、そういうところがやはり、つながりを大事にするという仕組みを何とかやっていけたらいいなと思います。

(知事)

 なるほど。

 クラスタープランを、今つくっている。このクラスターをこういう形で今後伸ばしていこうというプランをつくる、というのをやらせていただいているんですが、日高村は最も先行していると思いますが、他の地域では、これから本当に絵をかいていこうというところがたくさんある。そういう時、プランをつくられる皆さんで一緒に集まって飲み会なんかやったらいいかもしれませんね、冗談じゃなくて。

(県農業振興部:味元部長)

 いいと思いますね。

(知事)

 今のお話を聞いていると、そういうのをまずやっておくというのが、ひとつコツかもしれませんね。

(県農業振興部:味元部長)

 本当にそうだと思います。

 つながりさえできていれば、一声でお互いに反応ができるので。

(知事)

 そうしましょうか。良いアドバイスありがとうございました。中山さん、ありがとうございました。

 じゃあ、安岡さん、お願いします。

(日高わのわ会:安岡事務局長)

 本日はわのわ2号店へ寄っていただきましてありがとうございました。

 わのわ会は、皆さんご存知だと思うので、簡単に説明させていただいて、クラスターのソースのお話をしてみたいと思っております。

 わのわ会は平成15年に有償ボランティア活動グループということで始まりました。それから、日高のトマトでソースを作り始めたのは平成18年ぐらいでした。その頃にトマトソースをどうやって売っていこうかという話があったりとか、農家さんに手伝いに行ったのがきっかけでできたソースです。

 いただいたトマトで作って、喫茶で召し上がっていただいているうちに、おいしいので買って帰りたいと言う方がうまれて、瓶に入れて販売を始めました。その頃から、農家さんから、「出荷できないトマトを何とか加工できないか。」ということで、ずっと続けてきました。

 トマトは冷凍保存をしていたんですけど、やはり、その頃は売り先がなくて、知事にご相談した頃は、本当に、保管している冷凍小屋にうちのトマトがたくさん残っているという状態で、製造販売の部長が、このトマトを思ったら、どうやって売りさばくという悩みがあって、もう夜も寝られないという状況で、もう仕方がないということで畑に穴を掘って埋めたことがあります。そうやって埋めてリセットして、その頃が平成22年ぐらいでした。

 知事にご相談して、県が主催しているいろいろな勉強会、本当に案内が来るとほとんどの勉強会へ参加させていただきました。1人ではなく2人で行くことが多かったです。

 私達の組織で、先ほど、なかなか勉強会に行けないというお話もありましたが、組織で動いていますので、仕事として勉強会に参加してもらうということで、話をしています。スタッフの人で、加工場の人は今、HACCPの勉強会に行ってHACCPをとる準備をしております。商品の表記であったり、いろいろと勉強させていただいています。

 私は今、土佐経営塾の竹内先生にお世話になっています。

(知事)

 竹内先生は厳しいでしょう。

(日高わのわ会:安岡事務局長)

 厳しいです。もう昨日はコテンパンでした。

 打たれ強い私が、もうちょっと頑張らないといけないなと思ったくらい、本当に大変ですが、でも、そうやって機会をいただくことで、それに一生懸命頑張ってついていく仲間もいて、売上げもその頃からというと3倍ぐらいに伸びたんじゃないかな、と思っています。

 今回のこのクラスターで、今年、昨年か、一昨年買い取らせていただいたトマトが、オムライス街道の爆発的なヒットもあって足りない状態になって大変苦労しました。このオムライス街道の決まりの中に、日高のトマトを使うという決まりがあるんですね。

 その日高のトマトを生があるうちは生を使うんですけど、生のトマトがない間が半年あるので、その間はうちが作っているピューレを使って、オムライス街道の協力店の皆さんは、必ずどこかに日高のトマトを入れるという決まりごとの中でやっています。なので、そのピューレが足りなくなった時があり、ピューレにまわすと、うちのお得意様にまわすトマトがないという、そういう事態にまでなった。

 今年、このクラスターのお話をいただいた時に、今、そういう状態で、これから先、加工に回していただけるトマトが今以上に確保できなければ、加工場をつくってもどうなのかなというところもあり、悩んでいるところがありましたが、生産農家さんも増えるということで、生産拡大によって加工に回していただけるトマトが増えて、それからさらに、高付加価値商品をつくることによって会社設立といいますか、そういうところもちょっと見えてきました。

 ただ、どうしたらいいかというところが分からなかったので、県のほうの補助をいただいて、コンサルタントに入っていただくことになりました。そこで今年度、見直しというかどうしていったらいいか、組織編成とか、そういうところを考えて、来年度、具体的に進む方向を決めていくという計画になっています。

 商品開発でいうと、もうオムライスソースとトマトピューレのレシピとパッケージまで仕上がっています。何で出せないかというと、お釜が足りないので製造工程の中に入っていけない。なので、新商品としてまだ出していないんですが、施設ができて新しい釜ができると、そういう商品も世に出て行く新しい商品として、もう開発済みですし、本日、日高シェフにお会いしていただきましたが、イタリアンプロジェクトということでナポリタンを作る予定になっております。なので、ナポリタンソースみたいなものも、これから新商品として作っていけたらいいかなと思っております。

 そういうところを考えると、経営塾に行ったといっても経営のことは本当に素人ですので、コンサルタントの方とも話をしながら、何年か先のことまで考えて、行政の方と一緒にクラスター事業の補助をいただきながら、加工場の開発とかというところまでいけたらいいなと思っています。

 そのためには、やはり働く人、雇用というところも出てきますので、これから順番に人口も少なくなっていきますし、移住して働きたいという方も受け入れる体制を整えていく必要もあると思います。

 今年に入って、日高村というか、農家に興味がある東京の方が何回も来られていて、その方と今、移住体験ではなくて、東京と日高のパイプをもって、ちょっと、離れたところにある第2の居場所みたいな感じで、「ホッとする場所」として日高村に来てもらうような。

 都会の方っていろいろ忙しい方が多いイメージがある。そういう方々が「ホッとする場所」みたいなところを提供しながら、来てみて友達がいっぱい増えると、あ、ここに住みたいなって思うようになってくると思うので、安心して住める場所、さらにはこのクラスターでできた加工場で雇用というところに進み、その人の考える新しい喫茶であったり、カフェであったり、農業であったりというところに進めるという、その準備の段階で「ホッとする場所」というのを今、その人と一緒になって計画を進めています。

 やはり、「移住しませんか。」と呼びかけるとすごく重いんじゃないかなと思うので、田舎にあなたの居場所をつくろうというところでちょっとずつ進めたい。移住を考えていても、どうしよう、仕事どうしよう、家族どうしよう、今の家どうしよう、今の仕事どうしようっていう、そういう悩みが出てくると思うので、それがちょっとホッとしに来ませんかと。そういう人を集めて、「ホッとする場所」を提供して、日高村と行ったり来たりしながら生活してみて欲しい。

 案外、その人の友達の中には、喫茶を自分が持ちたいけど、東京では難しい。でも、とっても良い腕を持っている。そういう人に、うちの2号店などでちょっと腕をふるってもらって、うちの2号店が日曜日、休みの時にその人にお店を貸す。なので、月に何回か東京から専門のピザ屋さんが来ますよと。そういうふうなことをやりながら、こっちでの生活のイメージをもってもらって移住につなげていくという、そういうふうなことができたらいいかなと思って、東京の方と今、やりとりをしています。

 その方と今度、ココプラが主催のビジネスプランコンテストにエントリーして、もし賞金をいただけたら、その方が住むアパート代が出るかな、と言いながら、取らぬ狸の皮算用をしているところです。以上です。

(知事)

 はい、ありがとうございました。

 本当に、最初はもう「スーパーに出せればいいな。」とおっしゃっていたのが、いまや三越、伊勢丹ですからね。いや、本当におめでとうございます。素晴らしいことです。

 安岡さんに当時、一番最初の時に、あの食品表示が何かなかったとかいうお話とか、いろいろお話をうかがって、多分、うかがったお話を活かしてどんどん一緒に支援策みたいなものをつくっていって、お知恵をいただきながら進めてきたという、そういう感じだと私も思っている。だから、トマトソースが、本当にどんどん売れるようになってきたこと自体、私も本当にうれしいと思う。

 ただ、これからもう一段上を目指してというお話を。

 私どもも、このクラスターの取組というのをもう一段上のフレーズで言えば、地産外商の成果というのを拡大再生産の好循環につなげていく。その拡大再生産の策の中に、ひとつは担い手人材の確保。そして、もう一個がクラスターという形で横に展開していく。そして、もう一個、起業、新事業の展開という形で、ある意味時間軸を超えて次に繋がっていく。そういう形でのいろいろな展開をしていくことで拡大再生産を成し遂げていこうと、そういう思いであります。

 是非、わのわ会の皆様がさらに大きな仕事をされるようになって、進化されていって、地元にもう一段雇用がうまれて、またそれが生産を刺激して更に生産拡大にもつながって、加工の拡大にもつながってというような形になっていければなと本当に思います。是非、ご検討のほどをお願い申し上げます。

 先ほどのお話の中で、例えば法人化も視野に入れてやっていけないかと、そういうお話なんですね。今も法人でしょうけど、企業、会社をという形態で、ということなんでしょうか。

(日高わのわ会:安岡事務局長)

 そうですね。会社ということになると、中小企業庁や経済産業省などのいろいろな補助にも手をあげやすくなります。今、経済産業省のほうはNPOはNGなので、やっぱり、補助金をいただける幅も大きくなるのと共に、社会的認知、NPOというのではなく会社というほうが、商談会に行った時などもわかってもらいやすい。「何でNPOでやっているんですか。」となるので。

 でも、NPOのほうが意外と信頼されているバイヤーさんもいるんですが、多くの方に、「何でNPOなんですか。」と言われる。

(知事)

 今、コンサルタントの活用をいただいて取り組んでいただいているんですね。

(日高わのわ会:安岡事務局長)

 はい。

(知事)

 先ほど申し上げたクラスターであり、担い手確保であり、新事業展開でありという、多分、さっき言った3つの軸全部に今、絡まるような形で取組されることになるんだろうと思う。

 もう案内されていると思うんですけど、起業とか新事業の展開をしていくにあたって、例えば法人を立ち上げないといけないとなると、やはり弁護士さんや、税理士さんなどいろいろな人にも相談したくなるというお話もあると思います。

 起業サロンというのをつくりました。いろいろな専門職の皆さんにもご相談をいただく機会ですので、コンサルタントと共に、またコンサルタントにもご相談いただきながら、そういう起業サロンをココプラと一体でやっていますから、そういう仕組みなども是非ご活用いただければと思います。

(日高わのわ会:安岡事務局長)

 ありがとうございます。

 今、よろず相談にはいろいろお世話になっております。主婦で始めたところですので、なかなかふんぎる第一歩みたいなところが今ひとつつかない。皆で話して進んできたわのわ会ですので、皆で話してって言いながらも進まないところがあって、行政の後ろからの一歩を踏み出して、という後押しがあれば踏み出せるのかなというふうにも考えております。

 オムライス街道と同じです。いろいろな店舗が協力しあって、行政と協力しあってできたオムライス街道ですので、皆で力を合わせて日高村を盛り上げる、そういうことが行政と一緒にできていく、そういう日高村が私はすごく好きです。

(知事)

 なるほど。ちなみにですね、ここにいるスタッフメンバーの皆様は、わかっている話だと思いますけども、今、農業振興部として農業クラスターのお話をいろいろご相談していると思いますけど、実際には、クラスター化していくためには、こういう加工、いわゆる商工業分野、さらには、さっき申し上げた観光というように、二次産業、三次産業多様に展開していくということがあって初めてクラスターになり、いろいろな仕事ができるから、若い人に残せるようになると思うんです。

 そういう意味において、私達のほうも各クラスターのプロジェクトごとに、例えば商工労働部とか、地産外商課とかですね、いろいろ多部局が一緒になって、それぞれプロジェクトを練り上げていこうという仕事をしています。

 まず、一番窓口になっているのは岡林企画監かと思いますけども、起業のお話とか、さっきのお話などに一番対応できるのは、多分、産業振興推進部の起業推進室とかそういうところになるだろうと思います。

 我々もを気を付けて部局間で連携してやっていくようにしますが、いろいろまた皆様のほうからもお申し付けいただいて、私共も次の展開につながるように努力しますので、またそういう点のアドバイスもいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

(日高わのわ会:安岡事務局長)

 こちらこそ、よろしくお願いします。

(知事)

 ちなみに、規模拡大していくにあたって、人材をいろいろ確保しようとされたりする時はどうお考えですか。

(日高わのわ会:安岡事務局長)

 そうですね。新しい人材を、というところは考えています。今のわのわ会にいる15人の正職、28人のパート、その中も目いっぱいでまわっています。それと13年やってくるとマンネリ化してくるというところもあるので、新しい人材が入ると、新しい風が入ってくるというところで、新しい人に入ってもらえたらいいな、と考えております。

(知事)

 移住と組み合わせてというのもお考えなんですよね。

(日高わのわ会:安岡事務局長)

 そうですね。

(知事)

 先ほどのお話に出た方は、関係しておられるんですね。

(日高わのわ会:安岡事務局長)

 はい。移住と組み合わせて、進めています。

(知事)

 事業承継・人材確保センターというのがあります。さっき申し上げた担い手の確保という中に、後継者というだけじゃなくて、やはり新しいチャレンジをするにあたって新しい人材が欲しいという方がいらっしゃったりする。会社をつくるので、例えば会社のいわゆる総務部門を担ってくれるような人がほしいだとか。

(日高わのわ会:安岡事務局長)

 それはありがたいですね。

(知事)

 新商品開発をするので新しい技術者がほしいとか、自社で製品をもちはじめたので営業人材がほしいとか。そういう人材の方々を移住策も含めていろいろとご紹介させていただくのが、事業承継・人材確保センターです。

 去年の4月くらいから立ち上がったんですけど、是非、起業にあたっては、多分そこもものすごく重要になってくるかもしれません。また、そういうところもご紹介いたします。

 また、よろしくお願いします。

(日高わのわ会:安岡事務局長)

 よろしくお願いします。

(知事)

 ありがとうございます。多分、わのわ会さんが、起業されていく過程で出てくる、「あれが」「これが」といういろいろな課題が、 食品加工を展開していく時の参考になります。

 また、よろしくお願いします。ありがとうございます。

 お待たせしました、朝日さん。

 先ほどはありがとうございました。トマトのおでん、大変おいしかったです。

(村の駅ひだか:朝日駅長)

 ありがとうございました。是非県庁の皆さんにすすめてください。お願いします。何よりも宣伝になると思いますので。

 村の駅ができあがって10月で丸2年経ちました。当初、私が採用されたのが平成26年の6月でして、それから4ヶ月の間に空っぽの状態からスタートしました。

 11月までに中身も全部決めなければいけない、そういった中で仮設でやっている時に台風に見舞われ、マイナスのスタートから始まっております。元々、私も村の人にどんな売り場にしようかと相談して、とにかくトマトを前面に売り出してくれと言われまして、そういう売り場をつくろうとやってきました。

 私自身も日高村で生まれて育って、途中、外で生活をして、平成6年にこっちに帰ってきましたが、ここまで日高村のトマトが人気が出てくると実際、思っておらずに、蓋を開けてみないとわからないような状態でスタートしました。実際、スタートしますと一番驚いたのがトマトの人気でしたね。これほどまでに人気があるのかと、本当、正直驚きました。

 今、トマトでお客さんが呼べている状況なので、トマトのある時期はトマトを目的に来てくれる。ただ、夏場のトマトの無い時期をどうして生き抜いていくかというのが今年のひとつの課題だったんですが、何とか前年をクリアはしております。

 実際、トマトに頼っていると言いましたけども、トマトの売上が年間約3800万円、村の駅で販売しています。これは、村の駅全体の約18%の売上になっていまして、野菜だけですと半数以上の57%がトマトの売上と、そういった構成になっております。

 1年、2年と販売してきまして、とにかく日高の知名度と、それからトマトの知名度を上げようということで必死になってやってきたわけですが、同じ目的で同時にスタートしたオムライス街道がありまして、2年目から村の駅に2店舗がスタンプラリーに参戦してくれまして、これも非常に相乗効果がありました。ムラカフェさんは土日は必ず行列ができ、今でも行列が続いています。

 そういった中で、この1、2年で村の駅ひだかと日高村、それから日高のトマトというのは、非常に県全体に大きく知名度が上がったと思います。先ほど、「日高村ってどこにあるの。」って聞かれることが多かったという話がありましたが、国道33号線沿いに日高に立ち寄ってもらえる場所ができたといったのが一番の原因だと思います。

 そして、いろいろな課題も出てきておりまして、現在の状況で言いますと、夏場の野菜不足、それから、出荷者の高齢化ですね。出荷者のほとんどが60歳以上のような方ですので、あと5年先、10年先の後継者を育てていくのがひとつの重要な課題になっております。

 また、知事も見ていただけたと思いますが、非常に売り場が狭くなってきております。特に、車椅子で来られた場合に、少しご迷惑をおかけしているような状態なので、こういうところも改修していかなければいけないと思います。

 あと、これから露地ものの野菜がほとんどなので、大根だったり、キャベツだったり、白菜だったりというのは大量に出てきます。これは、植える時期がほとんど一緒なのでそういう状況になるんですが、高吾普及所の皆様に来ていただいて、植え付けの時期をずらしてもらうとか、そういった取組を今、やっているところです。

 ただ、せっかく作ってくれた野菜がそのまま廃棄になるのはもったいないので、できれば共同作業所みたいなところがあったら、そういうところで加工した商品に変えて、冷蔵だったり冷凍だったりといった加工ができれば、夏場の野菜不足の時期もちょっとは解消できるんじゃないかと、そういうふうには考えています。

 また、日高村は仁淀川沿いでもあります。鮎を獲っておられる方が結構いらっしゃいますので、冷凍鮎が欲しいなんていう方も相当いらっしゃいます。ただ、その加工場も各個人ではなかなか保健所の許可がおりないような状況なので、そういった加工をする施設もあれば、仁淀川と一緒になった売り込みもできるかなと思っております。

 観光の拠点として、村の駅ひだかを中心にいろいろな取組を今、やっております。現在はフットパスであるとか屋形船、それから猿田洞のケイビング、そういったものも村の駅をスタートとしてやっていく取組を今、しているところです。

 そういった面で、本日ご覧になったように観光の施設が非常に狭く、これから何年後かに日高村観光協会を立ち上げるにあたって、是非事務所的なものを一緒に、増築と一緒につくっていただきたいなというのが本音です。

 このままいきますと、恐らく5年後には100万人の方に来ていただけるようになると思いますので、それを目標に、これから皆で頑張っていきたいと思っております。

(知事)

 どうもありがとうございました。

 本当に40万人、すごいですね。

(村の駅ひだか:朝日駅長)

 ありがとうございます。

(知事)

 台風でお伺いした時、もう、まさにこれからもうじき開業というところで浸かって大変だなと本当に思いました。

(村の駅ひだか:朝日駅長)

 そうですね。

(知事)

 あの時は大変でしたね。

(村の駅ひだか:朝日駅長)

 水が売場まで来ましたので、商品がまず廃棄になりました。その後、まず全部、泥を洗い流して消毒して復帰まで1週間かかりました。そこからまた次の台風が来て、そちらは浸水被害はなくギリギリセーフでしたが、それでも大変な思いでやってきました。

(知事)

 けど、本当に良かったですね。40万人。

(村の駅ひだか:朝日駅長)

 ありがとうございます。

(知事)

 今、言われた共同作業所とか加工場などの問題というのは、非常に前向きなお話で、これだけうまくいかれているところだったら、是非そういう展開をされることが素晴らしいと、誰しも思われると思いますので、僕等も一生懸命応援しますので、協力していきましょう。

(村の駅ひだか:朝日駅長)

 是非、よろしくお願いします。

(知事)

 是非、やりましょう。

 あと、やはり観光の可能性というのは感じられますか。

(村の駅ひだか:朝日駅長)

 ええ。ありますね。観光担当を1名置いておりまして、その方も一生懸命努力して県外に行って売り込みに行ったりもしています。結構、インターネットなどでも配信していまして、県外からも猿田洞のケイビングをやってみたいとか、そういう問い合わせもありますし、是非そういった面で日高には観光もあるよ、というような形で、これから売り込んでいきたいと思っております。

(知事)

 多分、観光をやると、クラスター群の射程がぐんと広がるというか、来てくれるお客さんの層というのがぐっと広がるし、観光はその次にもつながって、おいしかったお茶を今度スーパーで見たら買いましょう、取り寄せよう、という形になっていければすごくいいと思う。お客さんの層も広がるし、多分その次につながる形にももっていけるかもしれない。

 このクラスター化という時に、一次産業のクラスターで「ものをつくる」で終わらずに観光要素が加わると、非常にビジネスが大きくなるかな、という期待があります。

(村の駅ひだか:朝日駅長)

 そうですね。壬生さんのところでもトマトの収穫体験をずっとやっていただいて、非常に好評ですので。

(知事)

 それをうまく日頃の農業生産そのものにマイナスをできるだけ与えない形で、うまくできるような仕組みというのを考えていかないといけませんね。

(JAコスモス:壬生ハウス園芸部長)

 できる限りの範囲でやっています。

(知事)

 そうですね。できる限りでやっていただき、また、さっき言われたように初めから見せることを意識した施設もつくっておくということなんでしょうね。

(村の駅ひだか:朝日駅長)

 そうですね。観光は、村の駅ひだかを中心にという形でやっていただければ。

(知事)

 やりながら、そこでそれぞれご紹介いただいて、という形ですね。

(村の駅ひだか:朝日駅長)

 知らない人は霧山さんのところは、もう、茶園を見るだけでも感動すると思います。「こんなとところにこんな広い茶園があったのか。」というのは、絶対思うはずです。

(知事)

 私も行った時、驚きました。ここにこんな茶園があるのは、すごいなと本当に思いました。

(霧山茶業組合:中山(女性リーダー))

 私達は毎日見ているので、もう感動がなくなっていますが、そうやって外の人から言われると、自分達を見直すというか、ここを開発した人達をもう1回見直すという、そういうことにもなります。あそこを何とか、やはり村の発展というか、そういうクラスターの成功に向けて、かつ、協力できる場所にしあげていかないといけないというのが私達の仕事かな、と最近感じています。

(知事)

 本当にそうだと思います。また、そのクラスターのいろいろなプランとか、これから、今あるものをさらに練り上げていくという形でどんどん進化させていって、プランが進化していったら、その関連スタッフもチームの中に加わって、県庁側も、チームの中に新しいメンバーも加えてという形で、我々も一緒にやらせていただく体制を強化していきます。

 特に、観光の要素は、これからさらに大きくできる可能性のあるところだと思います、一緒に是非やらせていただきます。

(村の駅ひだか:朝日駅長)

 よろしくお願いします。

(知事)

 もう5時になってしまいました。一部構成、二部構成でと思いましたが、一部構成で相当突っ込んでお話をお伺いできたので本当にありがたいことです。

 もしよろしければ、こういう点をもう一言とか、こういう点についてちょっと注文をとか、こういう点について質問とか、もしそういうのがありましたら、お伺いしたいですが、いかがでしょうか。

(村の駅ひだか:朝日駅長)

 また考えておきます。

(日高わのわ会:安岡事務局長)

 いいですか。一言だけ。

(知事)

 どうぞ。

(日高わのわ会:安岡事務局長)

 人材確保のお話が出ましたが、霧山の中山さんが「手がいっぱいで観光に来られてもご案内する時間がない。」とおっしゃいましたけれども、わのわ会のほうも新しい展開をする場合に専門的な知識と経験を有した人材の確保というのが、やはり一番課題だと思います。

 屋形船のほうでは、今まで1台のバスで来られても対応できなかったものが、今、できるようになっています。

(知事)

 3隻で対応されている。

(日高わのわ会:安岡事務局長)

 はい。それから、ボランティアのガイドさんが土佐弁丸出しで、非常に人気者になっているような感じですので、人材育成も含めて今後、人材の確保について、また力を貸していただけたらと思います。

(知事)

 多分、クラスターのプランをつくっていく中で、こういう人材を是非求めていきましょうみたいな要素というのを必ず入れておかないといけませんね。そこで、それで人材センターなんかも一緒に中に入り込んで、というような形にできるといいということになるでしょうね。

 なるほど。

 中山さん、まだ言い足りないことありますか、何か。

(霧山茶業組合:中山(女性リーダー))

 いえ、ありません。

(知事)

 朝日さんも、よろしいですか。

(村の駅ひだか:朝日駅長)

 はい。

(知事)

 安岡さん、いかがですか。

(日高わのわ会:安岡事務局長)

 この前、小村神社で、知事にもバッヂをお渡ししました。

 小村神社は土佐の二ノ宮なんですね。2番目に偉いお宮様なのに、日高村の人ってあんまりそうは思っていなくて。中山さんが山をいつも見ているからそんなに思わないというのと同じで、村に住んでいたら、そんなことを感じていない。

 3年前、オムライス街道が始まった時から、わのわ会でめしフェスというのをやっています。前回1200名の来客で今回1300名ということで、毎年続けて小村神社を盛り上げるています。その日がちょうど、2周年、3周年と一緒なので、日高全部をお祭りということでやっていこうという、そういう連携もあります。

 だから、そういう日高村のいろいろなところとつながるという、人と人のつながりというのが、村の中で最近すごく目立ってきているなと思っています。他の地域もそんなふうにつながっていけばいいかなと思います。

(知事)

 なるほど、そうですね。本当に。

 ちなみに、ちょっと余談のようですけど、来年、幕末維新博があります。幕末維新博は、確かに大政奉還150周年、明治維新150周年ですから、観光を前面に立てていますが、土佐・龍馬であい博の時とはちょっと違うところがあって、要するに観光が前面に立ちますが、観光だけではなく、歴史も前面に立ちます。じゃあ、故に歴史だけなのかというと、決してそういう組み方はしていなくて、歴史の施設を見に行っていただいた後に、歴史だけでは疲れますので、実際に名産品を食べてもらって、自然体験をはじめとした体験をして、この三者が一体となった、それぞれの地域での周遊コースをつくっていきましょうという、そういう取組をしているところです。

 アイキャッチというか皆さんに注目してもらうためには、やはり歴史の節目がやってくるので前面に出したほうがいいということでしょうが、来ていただいた方には、地域の観光、自然体験とか食とかというのを大いに体験していただくように、できる限り周遊ルートを個々の地域でつくるようにして準備しているところです。

 ですから、幕末維新博は関係ない、ということには決してならずに、幕末維新博だからこそオムライスを食べて帰ってもらうとか、幕末維新博だからこそ霧山茶を見て帰っていただくという形で、うまく連携できればいいと思います。

 さっきの、まさに二ノ宮さんと一体で、それぞれの地域を見てもらうという形になっていければと思います。そういうのを是非、村の駅などでもご紹介いただくように、すでにお願いしているかと思いますけど、是非、一体となってやらせていただければと思いますので、よろしくお願いします。

 壬生部長、よろしいですか。

(JAコスモス:壬生ハウス園芸部長)

 はい。

座談会2

5.知事まとめ

(知事)

 では、本日はどうもありがとうございました。クラスター化に向けて、どういうところがポイントなのか、というのが非常に勉強になりました。ありがとうございました。

 まずは何と言っても横のつながりをしっかりつくっていくこと、仕事をしていくことが多分一番最初に大事なんだと思います。プランづくりをしながら横の人間関係づくりをしていくような工夫を大いに重ねてまいりたいと思いますし、さらには、ひとつひとつ個別のパーツについて、いろいろ、「ああなるほど。」というお話をたくさんいただきました。

 先ほど谷本副村長からもいただきましたが、それを我々として、政策に活かしていけるように、ここから先の我々の産業振興計画上の施策に展開できるように知恵を練ってまいります。またいろいろと「こういうのはどうでしょうか。」「こうやってやってみたら、このあいだのお話に沿うでしょうか。」とかいうようなご質問をさせていただくと思いますが、またその点、ご指導のほど、よろしくお願いします。

 では、本日は大変ご多忙の中、ありがとうございました。

閉会

 

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