第3回「対話と実行座談会」(魅力ある観光地づくりについて)

公開日 2014年03月17日

更新日 2014年03月22日

平成25年度 第3回「対話と実行座談会」

日時:平成25年12月18日(水曜日)18時00分から20時30分まで
場所:新ロイヤルホテル四万十
出席者:「はた博」の実践者、地域コーディネート組織の方々9名     

座談会要旨

1.知事あいさつ
2.「楽しまんと!はた博」の取組について
3.これからの幡多地域について
4.知事まとめ


開会

(司会)
ただ今から第3回「対話と実行座談会」を開催いたします。

1.知事あいさつ

(知事)
 「対話と実行座談会」に皆さんおいでいただきまして、本当にありがとうございます。
 今日は「魅力ある観光地づくり」についてということで、この座談会を開催させていただくことになります。この「対話と実行座談会」、今回で72回目ということになりまして、平成20年から県内各地を回らせていただきまして、こういうかたちで座談会をやらせていただき、そこでいろいろとお知恵を賜って、いろんな政策の展開に活かさせていただくということを続けさせていただいております。
 正に今、この幡多の地域におかれては、「楽しまんと!はた博」を民間の皆さん、大変なお力を発揮されて展開をしておられます。市町村の皆さんと連携協力しての取組を続けておられます。観光客の入り込み客数も対前年比で16%プラスということで、本当に大きい実績をあげておられるということを、心から実感をさせていただいておるところです。
 そしてまた、この「はた博」の動きに触発をされて、今度、東部のほうでも「東部博」を平成27年度に開催しようじゃないかというお話も出ているところであるのは、皆様もご存知のとおりです。
 この観光振興、高知県にとっては非常に大きなテーマです。言うまでもないことですが、人口減少がどんどん進んできている。この人口減少が進んでいるのも、単に若い人が外へ流出するからというのに止まる話ではありません。人口ピラミッドの構成上、当面の間、生産年齢人口が減っていくということを避けることは絶対にできません。
 そういう状況の中で、足もとの経済はただ放っておけば縮んでしまいます。その縮んでいく状況の痛みを少しでも和らげ、県民一人一人の暮らしを向上させ続けていくために大事なことは、いかに外と繋がって、外から外貨を稼ぐかということではないかと思います。
 我々、産業振興計画の中で取り組んでおりますのは、地産外商の取組、そして観光振興の(取組)、これもまた外から来ていただいて、外貨を落としていっていただくという意味においては、大きな意味で地産外商にあたるんだろうと思います。
 産業振興計画の目指すところ、この地産外商ができるようにするということ、そういう経済体質をつくる、これが産業振興計画の目指すところですが、この観光振興の取組についても、平成21年度から産業振興計画に基づいて取組を進めていました。平成19年、20年ぐらいまで、高知県の観光というのは300万人観光でした。305万人から310万人が毎年来てくれるというのが通年ベースの動きです。
 しかしながら、平成22、23年と大河ドラマ「龍馬伝」が放映されたことを受けて「土佐・龍馬であい博」をやりました。これで観光客は、その年435万人来てくださいました。反動減になってしまってはいけないということで、翌年あえて「志国高知龍馬ふるさと博」を実施して、388万人。その翌年が384万人。これがそれぞれ史上1位、2位、3位ということになります。ちなみに史上第4位は、325万人で、大河ドラマ「功名が辻」が放映された年になりますから、そういうことを考えていただいても、この435、388、384万人。これが一定高止まりをした数字であるということはお分かりいただけようかと思います。
 そして、まだ集計中でありますが、この平成25年は恐らく再び400万人を超える観光客が来ていただいたということになるだろうと予測をされております。「はた博」も大変大きなお力を発揮をしていただいたということではないかと思います。
 この観光振興。これも結局のところ、いろんな商品を作っていくのと同じだと思います。観光資源を磨き上げて、魅力的な旅行商品を次から次へと作り出していくということ。それを効果的な形でセールス(対外発信)して、多くのお客さんを掴み取っていくということ。特にこの観光の場合、重要だろうと思われるのは、来ていただいたお客様をしっかりおもてなしをして、高知を好きになっていただき、リピーターになっていただくということ。
 要するに、旅行商品を作る、売り込む、そしておもてなしをしてリピーターになっていただく。こういう取組をしっかりと着実につなげ続けていくということが大事なんだろうと思います。
 正直、県としても「土佐・龍馬であい博」の時に、作る、売り込む、そして、おもてなしをするという取組を、大いにパワーアップをしてスタートしました。そして、それから以降、翌年、翌々年と今年に至るまで、あの「土佐・龍馬であい博」でスタートして始めたことをほとんどそのまま踏襲し続けております。「龍馬伝」の時に始めたことはほとんどやめていません。むしろ、龍馬伝の時よりも多くの観光商品を作り出しておりますし、あの時よりもパワフルに売り込みをしているつもりです。それから、おもてなしについても、例えば「龍馬パスポート」などの仕組みを通じてリピーターを確保する仕組みもできるだけ組み込もうと努力してきたところでした。
 しかしながら、もう一段観光振興を果たしていく。400万人に留まらず、435万人というのが、この産業振興計画の10年後の目標ということになっています。それに留まらず、例えば500万人に持っていく、さらにはこの400万人確保になったとして、この効果を県内の各地域に、隅々まで行き渡らせるようにしていく。そういうことを今後目指していかなければならないわけです。
 そのためにも地域において、いかに観光資源を活かして魅力的な旅行商品を作るか。単に作るだけでなく、毎年リニューアルもしていき、時々の流行も取り入れながらずっと永続的に続いていくような体制にしていくことができるか。これが1つ大きな課題だろうと思います。
 そしてまた、地域の旅行資源を全国に向けてどうやって効果的に発信していくか。来ていただいた人に本当のおもてなしによって満足度を高くして帰っていただくようにするか。こういう一連の取組を地域発の取組として、それぞれの地域でどんどんできるようになってこそ、本当の意味で、観光振興のもう一段の底上げができるのではないかと思う次第です。
 「県庁おもてなし課」の本にもありましたが、高知県は確かにテーマパークなど、いわゆる1つの施設で集客できる施設はありません。ただ、幸いにも素晴らしい自然が残っています。これを活かして旅行商品にしていくということが大事だろうと思います。ただ、このいろいろある自然をしっかり観光客の皆さんに楽しんでいただけるようなものにするためには、人の知恵が必要で、ある意味その旅行商品として活かし続けることのできる知恵と仕組みが必要なのだろうと思います。
 この「楽しまんと!はた博」を通じて、幡多広域観光協議会の皆様が、様々な皆さんと連合を組まれて、地域の新しい観光資源を発掘され、そして旅行商品をお作りになっていかれております。暑いということを利用して地域の振興をしようとする。ある意味、知恵の結晶だと僕は思っています。
 是非、この「はた博」を通じてお作りになられた旅行商品、観光資源を今後も自立的にリニューアル、対外発信できるような体制ができて、(観光で)来られた人をしっかりおもてなしできるような体制ができていければ素晴らしいことだなと思います。
 そのためにも、この「はた博」でどういう取組がなされたか、このことについて振り返りをさせていただき、また、その体験を経て、県として何をすべきなのかということについて、ご提言もいただきながら、次の観光政策に活かさせていただければと思います。
 正直、「はた博」の取組を見て、この後に続こうとしておられる「東部博」の皆さん、あわせて他の地域でも是非いろいろ自分達の取組を進めたいと思っておられるところもたくさんあるんじゃないかと思っています。我々もそういう取組を応援をさせていただきたいと思っております。是非皆さんのお知恵をいただきますよう、よろしくお願いいたします。
 ちなみに、県としても新しい旅行商品を作り、いろいろ取組を進めてきております。例えば、高知城のイベントにしても、昔は春と夏だけだったんです。今は、春夏秋冬やっています。例えば龍馬マラソンというかたちで、オフシーズンの冬にあえて、マラソン大会を組んだりしています。これも旅行商品なわけです。そういうことをやろうとしたりしているところです。
 しかし、さらにもう一段、この「高知家の食卓県民総選挙」というのを今度実施をする予定となっていまして、これは、単に旅行商品としてというよりも、高知県の売り方についての新しいもう一工夫なんだろうと思うんです。食を売りにしている県はたくさんありますが、単に食を売りにするだけじゃなくて、地元の人が行くところに行きたいという、より高いニーズに応えることで、他の県に差別化をかけようではないかと、そういう取組として始めようとしているところです。
 先ほど地域観光の振興についてお話をしましたが、それに留まらず「県全体の観光政策としてこうあるべき」というご意見なんかについても是非教えていただければ幸いです。

2.「楽しまんと!はた博」の取組について

【幡多広域観光協議会(A)(J)】

(A)
 まだ「はたきらり」や大感謝祭などのイベントが控えており、しっかりと取り組んでいかなくてはならないんですけど、県の皆さん、あるいは地域の皆さんの一生懸命のご努力の甲斐もあって、「楽しまんと!はた博」も大変順調に素晴らしい成果をおさめつつあると思っております。
 幡多は自然がいいんです。人も人情が細やかで、のんびりしたといいますか、欲がないといいますか、この自然をもっと活かして経済効果を潤わせるようなことを考えたほうがいいというのは、昔から思っているんです。
 四万十川については、ずっと小京都中村として、四万十市になってからも、全国あちこちにPRをしに行ってきましたが、(県外の人は)四万十川は知っていても四万十市は知らないんです。
 今回、この夏の(国内最高気温)41℃の関係でフジテレビに出演しました。41℃の(効果で)四万十市も西土佐地区は、すごく(名前が)売れました。また「遅咲きのヒマワリ」を台湾のほうで放送していただいた関係で、中村のほうに台湾の方がおいでていただいて、自転車(レンタサイクル)は約5倍の利用がありました。
 また先日もNHKの番組の中でジョン万次郎の番組を、夜10時からとりあげていただいたり、(国内最高気温)41℃の関係であったり、この夏含めて「楽しまんと!はた博」は大変チャンスであったんではないかと思っております。これからもそれを繋いでいかなければならないと思います。
 今、くろしお鉄道の利用率も横ばいというふうになっておりますが、やはり鉄道がなければ、台湾のお客さんも来られなかったのではと思いました。
 また、これから高速道路が幡多に延伸しますので、宿毛方面でも愛媛からの受入れをどんどんしていきたいと思います。他にも、幡多市町村「6の字駅伝」だったり、冬の花火などもそうですが、皆さんと知恵を出し合っていろんな企画を考えれば、地域にお金が入るのではないかと期待をかけております。これからも皆と一緒に頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

(知事) 
 台湾で「遅咲きのヒマワリ」放映しているんですよね。自転車(の利用が)、5倍くらいになったんですか。

(A)
 観光協会の自転車の利用率がすごい(上がりました)。

(知事)
 幡多広域観光協議会として一群となって「はた博」をやっていかれるというのは、広域観光協議会の自力を高めるという意味でも大きいですね。

(A)
 そうですね。今後は、マイクロバスでミニツアーみたいなのを作っていけば、よりきめ細かいご案内ができるのではないかなと思います。

(知事)
 幡多の強味は、やっぱり広域観光協議会だと思うんです。今、「東部博」をやろうとしていますが、実は、いわゆる「東部広域観光協議会」というものはまだないんです。
 もう1つ、この幡多広域観光協議会の強いところは、観光の二種免許を持っておられますよね。だから、商品を作って自ら売り出すことができる。着地型の(旅行商品)を売り出すことができる。これも大きいですよね。

(J) 今の一番の課題は、ここの事業者さんではJTBさんなどの大手と契約できないといったような問題点があります。なので、そういったところを我々(幡多広域観光協議会)が代わりに契約をするといったような仕組みができるように動いています。

(知事)
 今年やったことが、そのまま一過性にならないで、来年以降も商品作りにつなげられる強味は大きい。今後東部は、そういう組織体制作りからしていかないといけないと思うんです。ただ、広域でまとまって観光協議会を作ってやっていくというのは、いろいろご苦労もおありだったんじゃないですか。

(A)
 例えば(宿毛市の)「蛍湖まつり」がある時には、大月町での大きなイベントがある。それぞれ(の地域で)毎年やるイベントはどうしても(日程が)かぶる。そこら辺りを上手にクリアしていったら、もっと動員力もあるかと思います。道路整備、駐車場の整備もまだまだで、都会から来られる方は、「道路の苦情はどこへ言ったらいいんですか」ということを言われます。

(知事)
 ありがとうございました。

【NPO砂浜美術館(B)】

(B)
 はじめに少し自己紹介として、私はIターンで、まだ高知家の仲間に入れていただいて3年足らずですが、このような場に呼んでいただいてありがとうございます。
 黒潮町で取り組んだ「はた博」のイベントについて紹介をしたいと思います。
 「はた博」の公式ガイドブック夏号にも紹介をいただいているイベントなんですが、オフィシャルイベントとして7月7日に「星降る砂浜美術館 砂と光のアート展」というイベントを開催しました。こちらは、入野の浜の砂浜美術館の広い砂浜で、黒潮町の砂像作家が作った大きな砂像作品の前で、皆さんに参加をいただいて、たくさんの星の砂像を作りました。砂像作家が作った織り姫と彦星の大作と、参加いただいた皆さんに作っていただいた星で大きな天の川を砂浜に作り上げました。また、夜には、そこに光の切り絵作家の酒井敦美さんの作品を投影して、砂浜や波打ち際、Tシャツなどにカラフルな光の切り絵の世界を広げました。夜空には、本物の星の天の川も見えるような素晴らしいロケーションで、光の切り絵の中で子ども達が遊ぶというような、本当に素晴らしい作品になりました。
 その他に、地元の手作り食品や小物を販売する「七夕☆マーケット」というのも同時に開催したり、ダンスや太鼓、スティールパンなど地域のいろいろな人にステージをしていただいて、会場を盛り上げました。
 来場者数は、予想を遙かに超えて4,500人の方に来ていただき、砂像作りに参加していただいた人数も260人ということで、私が数えた限りなんですけど、できあがった星の数は約600個。たくさんの人に楽しんでもらいました。
 それから、フェイスブックのほうで当日のレポートを上げていたんですが、その閲覧数が、過去最高の1万700人の方が見てくださいました。「はた博」始まってオープニング一番目のイベントということで、7月7日、本当に短い準備期間だったんですけど、黒潮町の中でもたくさんの団体やたくさんの人に協力をいただいて、黒潮町の団結力を自分自身も感じることができました。
 本当に盛り上がったイベントで、たくさんの人に来ていただいた砂浜だったんですけども、次の日には、もちろん光の切り絵は夜限りで、無いわけです。砂像のほうも次の日に撤去しました。もったいないという声ももちろんあったんですけど、大きな砂の塊を置いているという危険性もありますし、ウミガメが産卵に来るといったことへの自然への配慮もありまして撤去をしたんです。この辺りも砂浜美術館という自然の美術館らしい、都会では絶対に作れない、建てられない、黒潮町らしいイベントになったのではないかなというふうに思っています。
 「はた博」という機会をいただいたことで、このように、新しいイベントに挑戦する機会をいただきました。今度また12月28日に最後の大感謝祭がありますが、そこでも砂浜大運動会というイベントを計画しています。砂浜で、皆で運動会を楽しもうという、本当にその名の通りのイベントなんですけど、幡多地域の皆さんにたくさん参加いただいて、自分達で楽しい空間を作り出そうと準備を進めているところです。
 幡多には砂浜美術館だけではなく、森林美術館ですとか、里山美術館、清流美術館、海岸美術館というふうに本当に美しい舞台がたくさんあると思います。この舞台を活かしながら、自分達の手でできるところで観光地化していくということが幡多らしい観光地づくりといえるのではないかなと思っています。
 そのように作り出したそれぞれの地域のいろいろな舞台を、お互いに誇りに思い合い、楽しみ合いながら繋がっていけたらいいなと思っています。

(知事)
 Bさんは大阪から移住して来てくださったんですか。

(B)
 そうです。

(知事)
 ありがとうございました。どうして移住しようと思ったんですか。

(B)
 砂浜美術館に来たかったからです。(砂浜美術館は、)もともとは黒潮町の前の大方町役場の若手有志の方々の集まりで始まっています。そこで、私はTシャツアート展のボランティアスタッフをしに来たのがきっかけです。

(知事)
 そうやって移住してきていただいた方に新しい取組の担い手になっていただこうというのをもっとやっていこうと思っていまして、人材(財)誘致で人を呼んできて、新しい挑戦の仲間になってもらおうというのを来年辺りからもう一段打ち出していきたいと思っているんです。
 森林美術館、里山美術館、清流美術館って面白いですね。

(B)
 いろいろな地域の場所をPRするのに(こういった美術館を)是非活用していければいいのではと思っていまして、このような企画もできたらいいなと思っています。

(知事)
 単なる自然を人が来てくれるようなものに仕立て上げていくにいたっては、「こういう知恵がいる」、「ああいう知恵がいる」とか、何かアドバイスってありますか。

(B)
 砂浜美術館はTシャツアート展というものと同時に誕生しているんですけど、このTシャツというのが1つ空間を非日常にする1つのツールじゃないかなと思っています。Tシャツがあることで、その範囲が舞台のようになる。何もない場所とそれを見比べることで、また素晴らしさに気付いたりする。Tシャツアート展に来られる皆さんがよくおっしゃるのは、「Tシャツもキレイだけど、ここの砂浜がキレイだ」というふうに、Tシャツの向こうに見えている風景を楽しんでくださいます。
 そういったいつもの空間を少し違う見え方になるような、非日常を作り出すような、ちょっとした手立てというので、いくらでも輝きを見せることができるんじゃないかなと思います。

(知事)
 結局、森林とか、里山とか、清流といったものはちょっと一工夫なんでしょうね。

【マルセイユネイチャー倶楽部(C)】

(C)
 私の生まれた里は、高知県宿毛市鵜来島というところで、今現在、有人の島としては高知県の2島、沖の島と鵜来島というところです。沖の島は200人ほどの住民がいて、鵜来島は今は22名です。そこでは平均年齢が80歳ぐらいなものですから、人口が減少するのは致し方ないところがあるんです。それで、何か今から動き出さないといけないということで、1つは地元の出身者の人達に声をかけて一緒に島を守っていこうと。
 例えば伝統行事を守るとか、島のおばあちゃん達がお墓掃除に行けないから、お墓掃除に行ってあげようとか、そういうことを毎年、年間に数回やっていることが1つ。
 もう1つは、若い人達が、グレ釣りなどの魚釣りをさせるため、磯に(人を)渡す渡船業というのをやっておりまして、その船が鵜来島には5隻あります。
 グレ釣りというのは11月から5月頃までです。それ以外(の期間)は、何千万円もする船が海に浮かんでいるだけです。このままじゃいけないと思い、この夏を利用してお客様を高速艇に乗せて、この素敵な海に連れて行ってあげたら喜ぶだろうと。
 何故かというと、それが自分が一番好きだからです。自分がその島で遊ぶということが大好きで、今もしょっちゅう帰っているんです。魚釣りにしてもそうですし、泳ぐこともいいですし、こんな素敵な海が地元にあるということを県内外、もしくは、宿毛市の人、市内の人達でも、行ったことない人はたくさんおられる。だから、宿毛市観光協会とタッグを組ませていただいて、地元の人達には安く、大人数を連れて行ったり、県外の人達にもアピールをしていくということで、今、3年目になっております。そのお陰で来年はJTBと契約を結んで、県外から誘致をするということを幡多広域観光協議会のお陰もあって行うことになりました。
 最終的な目標としては島民がゼロにならないようにすること。島の出身の人が、ここ2、3年の間に3人ほど帰って来てくれましたが、それも60歳前後の人達ですから、若い人達が住めるような地域興しをこれからやっていきたいと思っております。
 ちなみにマルセイユネイチャー倶楽部というのは、マルというのは、ダルマ夕陽のマルで、セイは、西です。ユウというのは夕陽です。そういう意味でマルセイユネイチャー倶楽部というのを作りました。若い人達を育てていきながら、自分も楽しみながら実行していくということをテーマにしているんですけど、自分達の予算も無くやっていますが、やれることは、まだまだたくさんあると思っています。
 もう1つは、地元の人達で、年寄りが多いものですから、あまり協力を求め過ぎても負担になってしまう。そういうことも考えながら、次のステップを踏んでいきたいと思っています。
 観光では、鵜来島は本当に海が素敵で、ダイビング、それから、釣りなんかも、グレ釣りなんかだったら、沖の島とあわせると年間に3万人以上のお客さまが来られています。今年は観光協会さんの協力を得て、チヌ釣り大会(全国大会)を宿毛市内でやりました。もう1つはグレ釣り大会。この秋に、ものすごくお客さんが来ました。そういうことで海を題材にした観光がもっとあるんじゃないかと。
 マルセイユネイチャー倶楽部も今年の6月30日と7月1日、1泊2日で埼玉県の修学旅行生約30人に来ていただいて、泊まって、島で一緒に泳いで、魚釣りをして、一緒にご飯を食べてということをさせてもらいました。子ども達は非常に喜んでいました。車もなければ、自転車もないし、何もない海の音と風の音しか聞こえないところなので、それが売り込みのものすごく大切なところなのかなと思います。だから、日本一遠い場所で、こういう素敵な場所があるんだというところをもっとアピールしていけるようになればいいかと思っております。
 他にも、例えば戦艦大和が沖の島と鵜来島の間を、スピード計測していたという話も残っているので、こういうことをもっとアピールしながら、次のステップの中でそれをプラスにしていくといったことや、高知県ではシイラという魚がたくさん獲れるんですけど、島にシイラ牧場を作って、一般の男性や女性、魚釣りをしたことがない人達が釣るということをしたら、すごく楽しい。(シイラは)海の上を飛んで出て来ますから、そういう釣りを楽しませるようなイベントも作っていければと思っているんです。なかなか漁業権の問題であったりと、ハードルがあるんですが、とにかく思ったことは、前へ進んでやりたいと思っておりまして、来年も再来年もずっと継続させることがものすごく大切だと思いますので、島のためにも、自分のためにもそれをやっていきたいと思っております。

(知事)
 島の人口は22人で、今60歳代ぐらいの方で帰って来られる方が何人かおられるんですか。

(C)
 1人が50歳代で、1人が70歳近いです。

(知事)
 けど、はっきり言って都会で60歳、65歳って言ったら引退の年かもしれませんけど、高知県の中山間だったら若手ですから。

(C)
 島の中では若い者が動かないといけないということで、私も若い者の中の1人ですから、いつも動かされていますけど、私もう60歳になるんです。それでも、とにかく自分が汗をかいてやりたいというふうに思います。

三原村どぶろく農林文化祭実行委員会(D)】

(D)
 私のほうからは、「楽しまんと!はた博」のオフィシャルイベントとして開催しました「三原村どぶろく農林文化祭 第2部(夜の部)どぶろくとジビエや郷土料理、楽しいショーで宴」ということについて報告させていただきます。
 三原村どぶろく農林文化祭は、どぶろく祭と農林文化祭が合同になってから今年で7回目を迎え、人口1,700人の小さな村に、多い時には1日に6,000人ほどの人が訪れる村の一大イベントとなっております。
 このイベントを通して新しい層の開拓をして、これまで以上に集客を図り、どぶろくやカワエビ、ツガニなどの川の幸、ワラビやゼンマイ、タケノコ、イタドリなどの山菜や山芋などの山の幸、猪や鹿を使ったジビエ料理など、自然の恵みの幸や、三原米や柚、トマトなどの地場産品を使用した食のおもてなしを通して三原村の魅力を多くの人に知ってもらい、農家民宿への誘客や地場産品の販売促進につなげることを目的に、どぶろく祭夜の部を前売りチケット制の500枚を完売に向けて取り組みました。
 夜の部を開催するにあたり、これまでは数回の実行委員会(の開催)で当日を迎えていたわけですが、このイベントを成功させるために中心となる食のブースを担当してもらいたいと思っておりました婦人会、商工会女性部、ヘルスメイト、青年団と、中心となるどぶろく組合で、作業部会を立ち上げ、当日に向けて何度も夜会を持ち、細かな部分まで皆に関わってもらいながら作業を進めてきました。
 その中で、内向きの勉強会ということで、約150人規模のプレイベントを本番にできるだけ近いかたちで7月27日に開催いたしました。お客さんとして来ていただいた方から意見をもらったり、自分達で問題点や改善点を出し合いながら進めたことは500人のおもてなしをすることの大きな自信に繋がりました。
 私自身、正直、500枚のチケットが完売できるか、またカワエビやツガニ、山芋などの自然相手の食材も多くありましたので、確保が大丈夫だろうか、何よりもこのことが本当に村の活性化に繋がる取組になるのか。協力してくれる皆にも、ただ忙しいだけで終わってしまうのではないかと、何度も考えました。
 しかし、そんなことを考えていても何も変わらないわけで、やってみるしかないという思いで、毎晩皆さんで打ち合せを進め、いろいろなことが具体的になって、それぞれが考え、食材を確保してくれたりと、当日に向けて前向きに取組をしてくれている姿を見たり、聞いたりすると、ありがたいという感謝の気持ちでいっぱいになりました。
 1人の力はちっぽけなものですが、村のためにというたくさんの力が1つになっていったイベントだと思います。
 このイベントを通しての成果で、500枚のチケットが完売したことは、事務局としてはホッとしたことでした。
 参加してくれた方からは、「三原村、がんばってるね」「来年も楽しみにしているからね」とか、「三原の人は出し惜しみがないね」みたいなことをいろんな人から言っていただいて、本当に嬉しくありがたい言葉でした。
 もう1つは、この言葉に応えるための体制作りがこのイベントを通してできたことです。村内のたくさんの人がこのイベントに関わり、皆が1つになって頑張れたことがこの11月3日の500人の集客に繋がったと思っています。また来年開催するためには、日程や呼びかけ方法、雨の対策、食材の確保、1番には農家民宿しかない中での宿泊先の問題など、たくさんの課題があります。様々な課題解決のために早期の取組や関係機関との連携をとりながら、外からの誘客に繋がるイベントになっていきたいと思っております。
 今回、「はた博」の取組の中で、「幡多はひとつ」を合言葉に各市町村でいろんな取組を実施してきました。三原村では、どぶろく農林文化祭の他にも青年団が中心となって、「ニッポンの田舎遊び運動会」と題し、稲の刈り取り後の田んぼを利用して、どろんこ運動会を開催しました。元気な三原村を見てもらえる。また若い人達が集えるイベントが誕生しました。このことで青年団の組織力が強化され、頼れる存在となり、11月3日のどぶろく農林文化祭でも大いに活躍していただきました。
 「はた博」のイベントも12月28日の「6の字駅伝」が期間中最後のイベントとなりますが、私自身改めて思うことですが、他市町村との皆さんにも協力をいただき、いろいろな方との繋がりができたことは、私自身にとっても大きな財産となりました。
 これからも幡多の魅力を多くの方に知ってもらえるような取組を進めていきたいと思っていますので、今後ともご協力をよろしくお願いします。

(知事)
 夜の部500人といったら、すごかったでしょうね。

(D)
 当日があいにくの雨となりまして、どぶろく祭をすると雨が降るというジンクスがありまして、(今までも)半分以上雨が降っておりますが、今年も例にもれず雨が降りまして、当初、外で星空を見ながらどぶろくを飲んでいただいて、それから、三原の食を味わっていただくというようなことを思っておりましたが、ホールの中ということで、急にバタバタとしまして、食材についての説明とか、料理の部分についての細かな説明なんかができなかったことが、課題として残ったところもありますけれど、皆さん、たくさんの方が来ていただきまして、500人規模の方がホールの中に入ることは今までにはないことでした。

(知事)
 なるほど。こういうイベントを実施する体制作りができたっていうのは大きいですね。来年、再来年と続けていける。また、その他のイベントも別の季節にすることができるような可能性が出てくるということなんでしょうか。

(D)
 そうですね。今までこのどぶろく祭りについては、本当に実行委員会は形だけでやっておりまして、内容のイベントごとにリーダーさんが仕切ってやってくれていましたので、任せきりなところもありましたけれど、今回、新たに食を中心に進めていく中で、皆さんに最初から関わっていただいて、食だけでなく会場の設営や、来てくれる方がどうしたら喜んでもらえるとかいうようなことを(考えて)ずっと進めてきたお陰で、皆さんが団結していた。どぶろく農林文化祭の前にどろんこ運動会をやった時にも、ずっと作業部会を続けていった中でのどろんこ運動会だったものですから、こちらの部分でも皆さん協力してくれて成功できた。それがまた次に繋がるようになったと思います。

(知事)
 あと課題を1つ1つ解決していく中で、いわば経済効果をできるだけ広く持たせるためには、例えば民泊の課題とかそういうのがあるんでしょうか。

(D)
 そうですね。三原村には宿泊施設がもともとありません。このどぶろくを作られている方の7戸の農家のうち4軒が民泊の農家民宿をされているんですが、特にこのどぶろく農林文化祭の時には、その方達の民宿が使うことできませんので、そういう部分で今回、四万十ロイヤルホテルさんにお世話になって、こちらに宿泊された方や四万十市内に宿泊された方を無料で送迎していただいたりなど、いろいろ協力をしていただきました。
 そういう取組が、もっと早くにできていたら、外からのお客さんに三原村についての魅力をもっと見せることができたんじゃないかなと思いました。
 夜(農林文化祭 夜の部)は来てくれても、また四万十市に帰ったら、二次会とかでスナックなどいろいろなところに行けるんじゃないか。1日泊まってもらったら、足摺のほうや大月町のほうにも行けるんじゃないかと思いました。そうやって、うちの農林文化祭からもう1つ(足を延ばす)というようなこともできたらいいなと考えたことでした。

(知事)
 なるほど。だから、余計に幡多広域観光協議会で次のイベントの皆さんと連携していくのは大事かもしれませんね。そういうことも含めて考えていこうじゃないかという機運はあるんですか。

(D)
 私達の村は小さい村で、いろいろと皆さんお世話になってやってきた中で、このどぶろく祭をするにあたっても近隣とか、6市町村の皆さんにはすごく力になってもらいました。(また別のイベントで)自分達も協力ができたら、次も近隣の方も一緒にやってくれるとか、そういうようなことはできたと思います。

(観光振興部長)
 当時、この幡多広域観光協議会の法人化をお願いしに、6市町村を回らせていただいた時、三原村さんは、「うちは何も無いからね」というふうなことで、観光についてはそんなにやらないといけないという感じではなかったと思います。ただ本当にここ1年、2年の変化は、我々見させていただいて、本当に感じるところなんです。
 多分、いろんなご苦労があったと思いますが変わってこられた理由。何かこういうことがあってだとか、こういう方がいただとか、何かあって観光を一生懸命(されるようになった)、どぶろく祭もそうですし、どろんこ運動会もそうですし、変わってこられたと思いますけども、それって他の県内の市町村にもヒントになるんじゃないかと思いますので、何かもし、おありであれば、少し教えていただけたらなと思います。

(D)
 そうですね。特に三原村は、本当に何もない。自分達は住んでいて分からないところもあるんですが、(三原村に)入って来てくれた方なんかは、まだ見えてない素材がたくさんあるみたいなことを言ってくれるんです。やっぱり観光だけじゃなく、観光から商業に繋がったりとか、村のPRに繋がるとかいうようなことの部分で、それぞれ(個別でやるの)じゃなくて、少ない人数であるがために、いろいろな方が一緒になってやろうっていう機運ができてきたんじゃないかと思います。
 こういうことをするにはやっぱり、今(話に)出て来た、婦人会や、青年団、どぶろく組合であったりが一緒になってやろう、やって商品を皆さんに見てもらいたいとか、そういう部分でちょっとずつ、皆が協力して繋がっていったと思います。

(知事)
 是非、進んでいきますように。けど、体制作りができるようになったっていうのは、いいことですね。一過性じゃないですもんね。

【四万十おきゃく映画祭実行委員会(E)】

(E)
  先月9日間にわたり四万十おきゃく映画祭をここ四万十でやらせていただいた際には、皆さんのご協力をいただきまして、初めての試みだったんですが、やり遂げることができました。この場をお借りしましてお礼申し上げます。
 8年前に(映画館である)太陽館がなくなってから幡多郡から映画館が消えてしまったわけなんですけれども、このことが逆にキャッチーになって、配給会社さんはじめ、映画関係者の方も興味を引くきっかけになったように思います。
 これをやることのきっかけは、高知県で「龍馬伝」をやっていただきました大友啓史監督とご縁がありまして、昨年のことですが、四万十へお越しいただくことがありました。ここで大友監督がらみの上映会等を青年部の事業としてやりました。ここで改めて映画の持つ力を感じました。何を見て思ったかというと、子ども達の反応でして、当然、小学生ぐらいの子は8年前に幡多で映画館がなくなっているので、映画館という認識が全くなくて、映画館のマナーも知らない。まず映画というと東宝シネマズ高知、高知市内に行って見るものという感覚だったものが、地元の、その時は中央公民館だったんですけれども、ここでやった時に、同じ場面で笑って、同じ場面で驚くとか、やはり共有ですね。こういうことが非常に大事なんじゃないかということで、映画館の無いところで映画をやってもいいんじゃないか、映画祭をしようというような話が盛り上がりまして、映画祭をやることになりました。
 そして、今回「はた博」でやらせていただきまして、結果は目標5,000人の入り込み客数を目指してやったんですが、結果5,061名という入り込み客数で、いわゆる経済波及効果も日銀の高知支店さんの指数を使わせていただきまして、二次的な部分も含めてなんですが、約4,500万円ほどの経済波及効果があったんじゃないかということです。
 何よりもこの映画祭を通して思ったのが、高知県幡多地域情報発信ツールを新たに手に入れたというのが非常に強い印象で、お金の部分も大事だとは思うんですけど、観光という面で捉えても、非常に大事なところではないかなということを感じています。というのが、今回初めての映画祭にも関わらず、フェイスブックの「いいね」の数が655。あと、フェイスブック上の映画祭がらみのページに載せて、初めてにも関わらず、25位くらいにランキングされているんです。というところで、非常に関心が高かったんじゃないかと(思っています)。情報発信のツールとしては、非常にいいものができたのではないかなと思っています。
 あと、中身の部分になりますが、先ほどずっと発表を聞いていまして、本当に幡多には、素晴らしいポテンシャルがある。自然、食、アクティビティどれをとっても素晴らしいものがある。今回、映画祭を通して来ていただいた方のコメントなんですが、「映画祭ということがあって、四万十に行こうと思っていたんだけど、なかなか行く機会がなかった。映画祭ということで、ちょっと背中を押していただいた。来てみると、食べ物はおいしいわ、また映画だけじゃなくて、見たいところも行きたいところも幡多にはたくさんある。」こういうような嬉しい話もいただきました。
 映画祭って割とテーマが決まっていまして、文化とか芸術とかいうのが多いんですが、おきゃく映画祭は高知県らしく、四万十らしく、おきゃく。子どもからお年寄りまで楽しめる内容。もちろん、高知の人だけじゃなくて、来たお客さん、県外の方も一緒になって皆が楽しめる映画祭にしようじゃないかと。これも別に特別なことをしなくて、隣に飲んでいても独りぼっちで飲ますような状況はなくて、本当に映画祭を通して仲良くなって、一緒に酒を飲んで、高知県のファンになって帰ってもらうというような仕組みです。これは、強力に推していたわけではないんですが、できたんじゃないかと思っています。
 あとは、奥田瑛二さん。ファミリーで「0.5ミリ」を撮った関係で来ていただいたんですが、日本全国の映画祭にいろいろ呼ばれて行っているらしいですが、「ここ、いいよ。四万十いい」って言うので、「本当ですか?お世辞で言っているんじゃないですか?」っていう話をしたんです。「食べ物美味いし、酒も美味いし、人もいいじゃない」みたいな話をしてもらいました。あとは、井浦新さんや、他の若手の方達とかも同じようなことを言っているんです。
 そして、「まだまだ居たいんだ」と。「このまま帰るの、もったいない」と。井浦新さんに関しては、「四万十にやり残したことがある」と「また必ず来ます」と言っていただきました。今回呼んだ方達の中にも、やっぱり四万十へ行きたいと思ってくれていた方達がいて、これが1つのきっかけになって、高知県のファンになって帰っていただいたんじゃないかなと勝手に思っているんです。
 こういうようなことが、こういう方達に限ったことじゃなくて、皆さん日常の中でお友達であるとか、高知出身でない方が県内に遊びに来られたら、今のようなことと同じことを言っているはずなんです。
 映画祭をやることによって、1つ新しい情報発信ツールというものができたという切り口で、これをきっかけに高知に入っていただき、四万十に来ていただきというようなことがこの先もできるんじゃないのかなと感じました。
 「イベントというのは1日のためだけにやっているんじゃなくて、残りの364日のためにやっているんだ」ということを言った方がいらっしゃいまして、まさしく365日いつでもいらっしゃいというような気構えで、高知県、特に今回、「はた博」の皆さんは準備体制を整えて受け入れているはずなので、映画祭の日程だけの状態ではなくて、映画祭は1つの切り口であって、どこへ来ても同じような状況が起こったのかなと思ったのも、私の印象でした。
 私の印象ばかりで中身の説明がなかなかしゃべれてないと思うんですが、アンケートも取らせていただきまして、これも地元の方達が、結構多くて、3.5%の方が県外の方、あとは高知県内の方という数字でした。
 3.5%(県外)の方は、「また来年も来るんでやってほしい」という言葉をいただきました。96.5%(地元)の方では、お叱りの言葉もありました。「PRが下手くそ」とか、「遅い」というお叱りの言葉もありました。けれども、軒並み、「またやってください」、「続けてください」といううれしい言葉もいただきました。
 そういうような形で、1回目にしてみては本当に評価をいただいたのではないかなと思っております。

(知事)
 (映画祭が)7月ぐらいの時の企画で、ものすごく大急ぎで準備をされた。けど、しっかり、監督にも誉めてもらえるようになったというのは、大したものですよね。
 同じ映画祭の中でも特に売りは何かというと、「おきゃく」の要素ですか。

(E)
 そこは大きいと思います。

(知事)
 これ、今後も是非続けていこうという感じなんですか。

(E)
 そうですね。実は私もいろんなイベントに携わらせてもらっているんですが、そういったイベントではネガティブな意見も出ました。「もう来年はいいや」とか。けど、今回は、実行委員会で携わった方や、応援してくださった方は、「またやりましょうよ」というような声しかなくて、僕の耳には(そういった声しか)入ってこないので、そういう力があれば、また2回目できるんじゃないかなと思ってます。

(知事)
 こういう(映画祭の)チラシで、いつも思うんです、「第1回」って書いてあるでしょう。「第1回」って別に書かなくても本当はいいはずなんです。だけど、あえて「第1回 四万十おきゃく映画祭」って書いてある。ここに次もやるぞという意気込みが初めからある。定着させてやろうという意気込みがあるので、僕はこういうの、素晴らしいと思うんです。
 来年に向けて、こういうところをもっとやってやろうかというのはありますか。
 それともう1個、イベントを1日やって、残りの364日のためにやる。その日頃にどう繋げていくかという点。この2点はどんな感じですか。

(E)
 地元排出の若手の映画監督で知り合いがいまして、チラシにも載っていますけれども、「キキチガイ」という作品を撮った松田大佑さんが四万十市出身の方なんです。こういう方達が一緒になって動いてくれる。364日の話でいうと、高知県出身で四万十で取組していることを(知って)協力したいという方が東京でもいっぱいいる。こういう流れをうまく作って、その364日は種まきをする。例えば移住促進であるとか、そういう流れにつなげることによって、364日を考えるという切り口もあるんじゃないかと、個人的には思っています。
 あと、地域との結びつきが非常に強くなった感じがします。イオンエンターテイメントさん協力のもと「かげろう映画祭り」というのを前哨戦として(四万十市の)田野川小学校でPRイベントとして8月末の土日でやったんですが、ここで田野川地域の方達が非常に前向きに取り組んでくれまして、本祭のほうも自ら名乗り出て協力してくれました。そういう思ってもみない効果がどんどん出てきていまして、そういうところなんかも、もう少し枝を広げていくことができるんじゃないかなと思いました。

(知事)
 そうやってイベント発で人間関係作っておいて、移住促進のネットワークに乗っけていくなんていうのは、面白いかもしれませんね。どうやって人材(財)誘致っていうのをもっとやれるようにできるかっていうのを、今、考えていたところでしたので、ありがとうございました。

【大月町ふるさと振興公社事務局(F)】

(F)
 ふるさと振興公社というのは、大月町の道の駅を管理運営しながら、直販所の新鮮な野菜や魚を販売しながら、また売店での観光客へのサービスをやったり、地域のものを集めて通販の取組をやったり、外商活動にも取り組んでやっております。これは、県からの支援もいただきまして、道の駅を核とした拠点ビジネスということで、この構築に向けて今、取り組んでいるところです。
 この「はた博」に関しては、「ええけん!大月」ということで、高知県で唯一マグロを養殖している大月町ですから、マグロを皆さんに食べていただこうと、柏島の風景を見ながらマグロを中心にした海鮮バーベキューを海辺の食堂ということで売って企画をしました。
 その中で、里海市というようなことで地域の美味しいものをいっぱい集めて、皆さんに楽しんでいただくというイベントを計画しました。大勢の方が来てくれるだろうということで、非常に期待をしておりました。また、毎年やっております地域の産業祭というものも、形を変えたかたちで10月の5日と6日という連続した日程で、6日の日は道の駅で開催するということで、いろんな意見を出し合いながら準備を進めてきたわけですが、残念ながら台風の影響で10月5日が開催中止になりました。ですから、皆さんのような達成感は全然味わうことがないまま、ここに来ておりますので、非常に寂しい思いをしながら今、発表させていただいております。
 その分を取り返すというような意味で、今月(12月)の22日に「ももいろクリスマスOtsuki」ということで、夜のイベントを企画しております。
 これは、今までずっとイベント実行委員会というのがあって、町の若い人達を中心に、道の駅にイルミネーションを点灯しております。それをもう少し進化させた形で、イルミネーションを拡大し、また、そこに食と音というものを融合させた、ちょっとお洒落なクリスマス、一足早いクリスマスを演出していこうということで、私もその実行委員の一員として、準備に取り組んでいるところです。
 こうした取組の中で、まだ実際には「はた博」をやってないわけですから、達成感はないわけですけども、その中で民間の方の中から、中心的な動きをやってくれる人達も出て来た。それから、先ほど言ったイベント実行委員会との連携というのも少し出て来たというところが1つの成果ではないかなと思っています。
 逆に、ちょっと課題も見えておりまして、こういうイベントを企画していくうえで、民間レベルでその核になるところがなかなかない。観光協会があるわけですけれども、どうしてもこの大きなイベント等をしかけていくにはマンパワーの問題も含めて、行政が核にならなくてはいけないという状況があります。
 形としては民間の中で、小さな体験旅行等も含め観光商品を作っていくことも含めて、観光協会等を中心とした取組があって、そこを行政が支援していくというような形がいいんじゃないかと思うんですけれども、そこがなかなかうまくいっていないというところが、これからの課題と思っています。
 先ほど、すごいなと思って聞いた、砂浜美術館のBさんがおっしゃった、何でもない日常の風景をTシャツアートで非日常の風景に変えていくと、これが新たな魅力になり、輝きますということ。それから、(マルセイユ)ネイチャー倶楽部のCさんが言われた、自分がやりたいことを企画していくというのは、すごいヒントじゃないかなと思いました。
 我々の町にはそういう民間レベルのグループがなかなかないですが、素材はいっぱいあります。これをお客さんの視点で商品化をどうできるかというところは、これからのテーマかと思います。それをコーディネートして、商品化する。何時間そこで遊ばせて、次に、宿にどう泊めさせて、次に、どう楽しませてというコーディネートというのは要るのかなというふうに思っています。
 今後、この幡多広域観光協議会でやってきた取組の中で、皆さん、良い取組をされていて、観光商品もできていますし、達成感もありますし、うちの町ではそこがちょっと足りないところですが、そういうのを全部作っていきながら、幡多広域観光協議会でうまく繋げていく取組をしていきたいと思っています。
 今年の「はた博」というのは、すごくインパクトを与えた。与える部分では力を発揮したんじゃないかと(思います)。それを日常の観光客の入り込みに変えていくためには、仕組みだったりが求められると思うので、幡多広域観光協議会に対する強化、それから県、市町村の財政支援も貴重だろうと思っています。

(知事)
 台風、残念でしたね。だけど、すぐこうやって打ち込まれるのが素晴らしいですね。
 今、言われた仕組みを、今後に向けて作っていくというのは、ものすごく大事なことなんだろうと思うんです。
 その仕組みの中で幡多広域観光協議会ができていて、二種免許も持っていて、実際に核となるいろんなイベントが各地域で新しく作り出されてきていて、あとは今の取組が一時的なものじゃなくて永続的になっていくことだと思うんです。
 Fさんが言われたので私も非常に共感するのは、お客様の目線でコーディネートするということ。これもまた大事なんだろうと思うんです。
 今仕組みとして考えているのは、いろんな外の人の目を企画立案の段階で活かせるような仕組みを作ろうと考えていまして、「とさ旅セミナー」っていうのを昨年やったんですが、今年、特に「とさ旅セミナー」を地域の観光コーディネーターとなられる方を対象にやらせていただいて、講師の先生にも来てもらって、いろいろアドバイスをもらうというのをやっているんです。来年また各地域でいろんな旅行商品作りをされる方に、東京や大阪のプロのエージェントの人に来てもらって、日頃から日常的にアドバイスを受けられるような仕組みを作りたいなと(思っています)。
 お客さん目線で考えた時に、いろんな人の声が常時入り込んで来て、旅行商品作りに活かせる仕組みっていうのを作っていこうと思っているんです。具体的なセミナー形式にするか、それぞれ作ろうとしている地域の皆さんと日頃からコミュニケーションをできるようにする形にするのか、常にアドバイザーとして複数人(5、6人)の方に入り込んで来てもらって、密にアドバイスをしてもらえるような仕組み(にするのか)、そういったものを作ろうとしているんです。また是非、そんなものなんかも活かしていただければなと思います。

【四万十市西土佐商工会事務局(G)】

(G)
 西土佐は、今年の8月12日江川崎観測所で日本国内最高の41.0℃を記録しました。西土佐地域がこれだけ全国的にクローズアップされたということは、未だかつてなかったんじゃないかというぐらいのことでした。せっかくの日本一の称号を何とか継続的な観光振興に繋げていきたいということで、8月22日に商工会が中心になって民間の4事業者で「41.0℃(よんいち)プロジェクト」というものをスタートさせました。今日は、その「よんいちプロジェクト」の取組を少しお話させていただきたいと思います。
 8月の10日に40.7℃を記録したんですが、この時には「日本一来るな」という何か分からない確信があって、子どもの友達のお母さんから、「絶対日本一になるから、よく観光地にある顔出し看板を(商工会で)作ったらどうか」という提案があったんですけど、日本一になってもいないのにそんなもの作りましょうという提案はできるわけもなかったので、次の日に家族と一緒に看板を作りました。41℃になる前の日には、「暑さ日本一」と書いた看板ができていたんです。
 それで、実際41℃で日本一になった瞬間、その当日からたくさんの報道の方々が見えられて、まさかこんな大騒ぎになると自分達も予想はしてなかったんですが、まずそこで1つ感じたのが、やっぱりテレビとかに取り上げていただくためには、そういうシンボルとなる何かが大事なんだなということをすごく実感しました。
 翌日8月13日に、これからどう対応していったらいいかということを地域の商工会や、ふるさと市と集まって協議をしました。
 本当に暑くて、雨が降らなくて、農業や水産業では、被害もあったので、そういった考慮からだとは思うんですが、ワイドショーのほうからはあまりはしゃぎ過ぎるなというお叱りも受けながら、やっぱり商工観光関係者としては、この日本一、二度とないチャンスを何とか活かさなきゃいけないということでプロジェクトを立ち上げました。
 さっそく江川崎で「日本で一番暑い町はこっちですよ」という立て看板をたてたり、41円のかき氷を販売したりというようなことに取り組みました。また、「はた博」の支援を受けて、「辛なべうどん早食い大会」や、暑いだけじゃなくて涼しさを感じていただこうということでビアガーデンなんかも開催しています。
 ただ、あれだけの人がお盆の期間中に来ていただいたんですが、プロジェクトとして売るものが準備できていなかった。慌ててTシャツも作ったんですが、8月末ぐらいにしかできていませんでした。ただ、企業努力もあるんですが、カヌー館さんとかホテルでは、前年より売り上げがアップしたという数字も出ています。
 今年やったことは対応しただけのことで、来年もう1つ上に上がって、観光の商品や食の商品を「よんいちプロジェクト」を中心に作り上げていけたらいいなということで、このあいだ11月と12月に今年の8月までに日本一だった多治見市さんと熊谷市さんを訪ねて、地域振興に関する取組を勉強してきたり、せっかく同じ暑いという要素を持つ地域なので、一緒になってこれから地域交流、連携をしていけませんかというお願いをしに行ってまいりました。それについてはご快諾いただきまして、来年の2月8日に「アツいまちサミット」というのを、四万十市で開催したいと思い、現在、準備中です。
 暑いだけでは人が来ないので、「あちちうなぎ」というキャラクターができたんですが、着ぐるみの製作にも今、取り組んでいるところです。1月10日に完成する予定で、11日に四万十広場でお披露目をするんですが、是非、四万十市をPRするために1月以降どんどん出動していただきたいと思っています。知事や市長にも表敬訪問に行きたいと思っておりますので、是非、ご調整をお願いします。
 多治見と熊谷市に行ってすごく感じたことが、私達は民間の方を通じてお訪ねして行ったんですが、商工会議所とか、市役所の観光振興課とか企画課とか、すごいたくさんの方に集まっていただいて、行政と民間の方が1つの方向に向かって進んでいるというのをすごく感じました。本当に両市とも熱い行政の方がいらっしゃって、「地域の若い子達をまとめて皆で一緒にPRしようね」という思いが伝わってきて、何かいいなと思いながら帰ってきたことでした。
 課題なんですが、暑いだけじゃ人が来ないので、何とかいろいろなことを開発していきたいなと思っているんですが、商工会にしても、ふるさと市にしても、カヌー館にしても、それぞれ元々の業務があって、その傍らで地域振興、観光振興ということに取り組んでいますので、是非、専任で西土佐の観光振興に取り組んでいただける人を置いていただけないかということを四万十市のほうにずっと要望を続けてきたんです。それで平成27年に道の駅ができることもあり、それに向けて地域を売っていける人を育てていかないといけないということで、その要望をあげていただけることになりました。
 とは言いながらも、自分達でも努力をしていかなきゃいけない。商工会では、特に公益性を問われたりしますので、自分達で収益活動ができる組織づくりも必要なんじゃないかということをすごく感じています。

(知事)
 あの41℃の取組は、僕はすごいと思いました。41円かき氷なんて天才的ですよね。マスコミは、そういう面白いことをやったから来たんだと思いますよ。確かに商品は少なかったのかも知れませんけど、それは本当に暑い夏が来るかどうかなんてわからないから。でも、あれだけマスコミをしばらく引き付け続けたっていうのは、たいしたことだなと思いました。
 新しい組織作りというのは、今、人をはってやっていこうと、考えておられるんですか。商工会に置こうとされているんですか。

(G)
 まだそこがまとまってないんですけど、できたら独立した組織があって、そこでやっていけたらいいなと思います。

【NPO竜串観光振興会(H)】

(H)
 NPO竜串観光振興会は、昭和43年に竜串の観光事業者を中心として、「ここをもっと売ろうよ」、「足摺の二番煎じじゃなくて、竜串は竜串で売ろうよ」という意気込みで設立したグループというふうに認識をしています。今はNPOという形で法人化させていただきまして、観光事業、環境保全、地域の活性化のために、例えば、パソコンの使い方の勉強会を個人でやったり、ホームページを作ったり、そんなこともさせていただいております。
 竜串は非常に素材がたくさんあるところだと認識をしています。ただ、それを使えないというのが現状で、グラスボート、それから足摺海底、海洋館、この3つに代表されるような観光地になってしまっている。
 見る観光、そして、待つ観光から脱却をしたいということで、私共は、この「はた博」を今までにない大チャンスと捉え、ガイドブックの夏号で、土佐清水市で約20の体験メニューを掲載させていただきました。その中の14個が竜串地区のイベント、もしくは体験プログラムになっております。今も継続して体験プログラムは存在をしております。
 中でも、県立の足摺海洋館と一緒にやろうという形でやったんですが、今年、「はた博」を中心とさせていただいて、お泊まり水族館とバーベキューという体験メニューでは、夜の水族館にお泊まりいただいて、夕方は海鮮バーベキューを楽しんでいただきました。 あともう1つ足摺海底館、展望塔のほうですが、こちらでは今までもマリンレジャーのメニューを少しやっていました。それを竜串観光振興会が今年から積極的にマリンレジャー、マリンスポーツというのをとり上げてやった結果、足摺海洋館、海底館でも予約業務の窓口になっていただいたということがあって、竜串の大きな観光施設と竜串観光振興会が本当に密になって一緒に取り組むことができました。これはすごく大きいことだったと思います。これも幡多広域観光協議会を中心として、それから土佐清水市の行政の皆さんも一生懸命働きかけをしていただいたお陰で、このようなことができたのかなと思っています。
 また、土佐清水市唯一の海水浴場であります桜浜、これを何とか売りたいということで、これを中心としたメニューが10個ぐらいあるんですが、その中でも桜浜から見残し(海岸)の手前に、船でしか行けないようなビーチがあります。ある程度波があっても、そこだけはすごく穏やかで、それから潮の流れがありますのですごく透明度が高い。それと、子どもさんでもライフジャケットをつけて30m泳げば、もうそこには6種類、7種類の珊瑚の群生がある。魚もたくさんいるというところで、それを売りにさせていただきました。
 (ビーチの利用は)ホームページ、フェイスブック、ツイッター等を使って、43件の予約をいただいて実施をさせていただきました。
 この予約については、幡多広域観光協議会がPRをたくさんしてくださって、テレビ局も3社取材に来ていただきました。土佐清水市のジョン万次郎の名誉会長であるビビる大木さんも来ていただいたんですけど、(その日は)すごい雷の日でして、えらい取材だったんですが、そういうこともありながら、すごくPRをしていただきました。お陰様で5%でございますが、桜浜の利用者数も初めて、ここ10年で増えました。是非、今後は幡多広域観光協議会と、もう少し情報の共有をしっかりさせていただいて、一緒に竜串を売っていきたいなというふうに思っております。
 それと、やはり観光を支える人の人材育成というのは、急務です。Iターンの方もたくさん土佐清水市に住んで、活躍をしておりますので、私共も含めて、そういった方も引っぱって、商売のベースも我々が作りながら「やってみないか」と言える形を作っていきたいと思っております。

(知事)
 桜浜、本当10年で初めてプラスになったって、すごいですね。
 急に個別な話になって恐縮ですけど、我々も今後、足摺海洋館をもっとよくするためにはどうするかって考えないといけない時期に来ていると思っているんで、その時一緒にお知恵をたまわりますよう、よろしくお願いします。

(H)
 はい。お力になれることがあれば、

(知事)
 竜串は、ある意味一番遠いので、そういう意味じゃ戦略的要所なので。竜串、大月までお客さんが来てくれるようになるということは、要するに高知県の全域に来てくれるということを意味します。その途中途中も潤いますから。

(H)
 そういう位置づけだということも多分、竜串の皆さんは承知していると思いますので、観光の質を上げていきたいと思っています。

【幡多地域観光キャンペーン実行委員会(I)】

(I)
 まず、高知県はじめ行政の皆さんに、この「はた博」が開催できましたこと、本当に心からお礼を申し上げたいと思います。11月末現在で幡多地域(の観光人口は)、16%増で、17万人ぐらいの増になっています。
 今回は本当に短い準備期間の中で7月からスタートして、今月の28日に花火で終わるというふうなことになっておりますが、この短い準備期間の中でも事務局が一生懸命やってくれたこともあり、この幡多が1つになりつつあるなという感じは覚えました。
 ただ1つ、この広域観光協議会は、まだ子どもです。
 何故、こんなことを言うかというと、今までの広域っていうのは行政の観光課の課長か、もしくはそれに準ずる人、プラス観光協会の会長で組織していたみたいです。これの一番の欠点は、民で活躍している人を誰も入れてないということなんです。発信もできないし、強力な組織ができていないのです。それがいろいろ話をしてきた結果、1つずつ見直せるようになった。幡多というのは、観光を売り出すというところでは、土佐清水の足摺だけでした。あとの6市町村は全然やってなかった。それが、構造改革で「外貨を稼ぐためには」ということを考えるようになり、それを思ったら観光しかないということになった。それで皆さん、一生懸命手探り状態で今やっている段階なんです。
 この「はた博」という名称は今回限りだと思います。次は幡多広域観光協議会が中心になって、皆を巻き込んだ活躍をしてもらわないと、昔みたいに四万十市が良かったらいいんだ、清水が良かったらいいんだという考えではいけません。特に高知県は東西に長いところですし、高知市に一極集中しているわけですから、幡多は一丸になってお客を呼び込む。そういう形を作っていきたいと思っています。とにかく民で活躍している人もいるので、行政と一部というのではなく、もっと大きい器にして、大きい発信と強力な組織にして欲しいと思います。
 東部で今度、広域ができる場合は、そういう組織にしてもらいたいと思います。官民というけども、民の中で主体になってやる人達がそういった組織へ入っていかないと、どうにもならないわけなんです。
 ただやっぱり、皆で1つの地域として頑張っていくように、2泊3日構想を3泊4日構想みたいな格好でやっていかないといけないと思いますので、できたら知事には、もう1つ、この幡多で県の拠点施設となるものを作ってもらえたら。

(知事)
 幡多広域観光協議会は、この「はた博」を通じて、本格的に機能し始めたと思うんです。
 ある意味、持続可能な形にするためには何が大事か。結局、それを担う組織が必要だと。そういう意味において幡多広域観光協議会という、まず器があるということは大きいことだと思います。ただ、それがもっと民間の人を大きく巻き込んでいけるようなものであるべきと、そういうことなんでしょう。
 地域で自発的、自立的にどんどん観光、旅行商品ができて、次から次へお客さんを呼び込む地域になっていただくということを目的に、「はた博」を皆さんやられていて、我々も大いにそれに賛同させていただき、幡多広域観光協議会も応援させていただこうということでずっと今まで取組を進めてきました。
 来年以降、この「はた博」という冠がなくても、幡多広域観光協議会を中心にいろいろと旅行商品を作れる体制づくりを確立させるということが、いわば政策目的なわけです。そういう意味において、県もこの1年で「はい、さようなら」ということに当然なるわけではなく、むしろ民間の皆さんを一緒に巻き込んだような形での組織になっていくために、僕等ももっと力を入れてさせていただくようにさせていただければと思っているんです。

3.これからの幡多地域について

(知事)
 「はた博」のこの半年の取組、これをもっと永続させていくためにどうすればいいかということについて、大分意見をいただきましたが、さらに是非こういうところに知恵があるんじゃないかという話があったら、教えていただければ幸いです。

(F)
 幡多の魅力を外の方に発見してもらおうという意味合いで、幡多の年間のフォトコンテストというのを企画してはどうかなと思いました。
 私が勝手に付けた名前では、「泊って撮ろう幡多のフォト旅」みたいな形で、風景だったり、水中写真であったり、花だったり、そういうものを全国の方々に写真を撮りに来ていただく。写真を撮る場合には結構タイミング等がありますので、そのタイミングをはかりながら泊まっていただくというところに繋げてはどうかと。
 泊まることによって、その中では食の提供をどうするのか、魅力的なものにしていく必要があるし、泊まることによる得点、ポイントとかそういうものを組み合わせていけばどうかと。
 それと、撮られた写真(応募の写真)については、版権は主催者側でもらえるような方法にして、幡多のカレンダーであったり、ポスターであったりとか、例えば名刺等に使わせていただくとか、幡多の宿にフォトフレームにして宿ルポを展示していくとか、どの方が撮ったものが、どの宿に展示されているよとか、そういうのが分かるような形でホームページ等で発信していく。
 また、そういうホームページの中に、幡多のフォトギャラリーというサイトを設けて、撮られた写真がフォトギャラリーの中に入っているようにする。景品はそれなりの魅力があるものが必要なんですが、そうしたら、我々が写真を撮らなくても、それなりのカメラマンが魅力を探してくれるんじゃないかと。口コミにもなっていくんじゃないかというふうに思います。
 (この企画は、)非常に情報発信のツールになるということ。それから、写真を撮りたい人達が旅行者になるということが主な魅力になるのではないかと思っていますので、ご検討いただければと思っています。

(知事)
 それだったら通年で来てもらえるだろうということですよね。

(F)
 そうです。景品代は要るわけですけど、あまりお金をかけずに、労力をかけずに外の人の力で幡多の魅力を磨いていただけるんじゃないかなと。

(知事)
 来年ぐらいのイベントとして是非。

(A)
 高知市と比べると幡多地域では、面積も広く、自然とかそういうものはいっぱいあるんですが、ものすごい経済力が弱いんです。
 東京のアンテナショップへ行っても、幡多のコーナーというのは本当僅かだった。最初の頃はなかったんです。四万十川と言っても、四万十町のものしかなかったです。高知のほうへ行ったら幡多のものがかなりありますけど、やっぱり東京とか海外へもどんどん商品を売らないといけませんし、観光PRもどんどんしていかないといけないんじゃないかと思います。そのあたりはまた県のほうのご協力をいただきまして、四万十川もしくは幡多をどんどん売っていただきたいと思います。よろしくお願いします。

(知事)
 わかりました。

(H)
 夏から幡多広域観光協議会と連絡を密にいろいろさせていただいたんですが、1つ、我々がちょっと戸惑ったところがありまして、幡多広域観光協議会自身が、行政的な動きをするのか、エージェントの動きをするのかというのがなかなか見えてこなかった。
 是非、エージェントとしての広報活動はもちろん、現場での体験メニューで、いろいろお客様を受け入れる業者と言ったらいいのかどうか分かりませんが、そういった中で体験メニューの受入窓口として幡多広域観光協議会には機能していただきたいと思います。
 もちろん、二種の免許もお持ちになっていらっしゃるので、(観光・旅行商品についても)考えてほしいなというのは我々の希望でもあります。

(知事)
 この「はた博」は、今年の冬ぐらいに話が本格化して、7月からスタートしていった。
 これだけの短期間でよくここまでPRもされて、16%増まで持ってこられたなと思います。こういうスタートの時点では、やっぱり行政力だと思うんです。人をまとめて、公費を投入していきながら、県のネットワークでもいろいろPRもさせていただいた。
 立ち上げの時はある意味、腕力も使って、行政的に立ち上げていくというところもあるんだろうと思うんですけど、ここから先というのは、本当にエージェントにならないといけないんでしょう。地元の旅行エージェントに。だから、そうなっていくための組織、人員のありようはどうなのかということ。
 ポスト「はた博」ということを考えた時に、そこが一番大事かもしれません。
 さっきIさんの言われた民間の人を巻き込んでということとも一緒かもしれない。
 次の「東部博」の時も、最初は行政的に動き出すんだと思うんです。いろんな人をまとめていかないといけないし、新しいことを始めるので、それこそ公的資金という話にもなったりもするでしょう。だけど、スタートアップはそうでも、次に行く時は、地元の強力なエージェントにならないといけないんでしょう。僕等もどうやって、共に行かせていただければいいのかということを是非考えたいと思います。

(C)
 こうやってたくさんの人が来て、いろんな分野で皆がやっていると、これをどう共有していくか。
 例えば3泊4日であったり、5泊6日であったり、この連携をとるのが幡多広域観光協議会じゃないかなと。それから現実に現場でやっている我々の人達がもっと意見交換をするというような連携がどうしても必要だと。
 連携をするためにはもっと実際に動いている人が密着できるような場を作っていかないといけない。そういう人達が何で大事かというと、やっぱり情熱があるからだと思うんです。例えば私であれば、行政からお金もらうわけではないし、自分でできる範囲のことで、自分で作り上げる。今後どうしていくのか。次に何をしようかとかいうことを考える知恵がある。そこに行政の力があったりすればもっといいんでしょうけど、やっぱり1つ1つ作り上げていくところが、継続に繋がっていきますから、皆さんと連携をしていけば非常にいいんじゃないかなと思います。そういう機会を早く持って欲しいと思います。

(知事)
 次に繋げていくために、他の地域のイベントと連携できたらいい。
 エージェントとして動く。それから、こういう実際の作り手、プレ担い手となっておられる方が皆集っていろいろ調整する場を設ける。そういうことでしょうか。

(C)
 そうです。

(E)
 さっきとかぶるような内容にはなってしまうんですが、もともとポテンシャルは幡多は高いので、来ていただければこっちの勝ちみたいなところが(あると)非常に思っていまして、それは「龍馬伝」の時からメディアの効果といいますか、高知そのもの、四万十そのもの、幡多そのものを宣伝してもらっている状況が運良くあったりしました。「おもてなし課」もそうですし、「遅咲きのヒマワリ」も、例えば41℃なんかもそうです。
 そのようなところを県のほうではどのように考えていらっしゃるのかというところをちょっとお伺いしたいです。

(知事)
 昨年もそうなんですけど、今年の4月以降、仕組みとしては大手のメディアを招聘してきて、いろいろ売り込みをかけていく、プロモーションをする機会というのを観光振興部で持っているんです。それから、地産外商公社の中にプロモーション部というのがあって、そこがマスコミにいつも飛び込み企画を投げ続けているんです。「ショウガの加工品を今年も売り始めましたので、是非取材に来てください」って、10社ぐらいに企画書を投げて、そのうち1社か2社テレビで取材に来てくれるとか、そういうのをずっと繰り返してきているんです。
 広告の換算費でいくと、その広告効果って今年4月からで、35億円を既に超えています。だからものすごく大きいと思うんです。組織的にそういう取組をしている中で、例えばドラマを作ろうかとか、映画を作ろうかって話も出て来るんだろうと思うんです。やっぱり、メディアの効果って大きいですよね。
 そういう基礎的な取組をしながら、その作り手となる人のネットワークをうまく作っていくということが大事なんだと思います。

(B)
 今もメディアとかっていうお話もありましたけど、やっぱり幡多というのをもっと広く知っていただくために、大阪ですとか東京とか、都心部でも何かイベントを打つというのも1つあるのかなというふうに思っています。
 圧倒的に人が多い場所で何かをやる。例えば東京の街中でいきなりカツオのたたきを藁焼きで焼くということをすれば、それだけで何もしなくてもテレビなどが来るんじゃないかなと思うんです。そういう、ちょっとでも高知を、幡多を身近に感じてもらえるようなことを、人がたくさん集まる場で打つというのは、1つ(あると思います)。そこからすぐに(高知に)来ていただくというところに繋がるかは分からないですけど、頭の中に留めておいていただいて、小さなファンをどんどん広く増やすという取組もやっていったらどうかと思います。

(知事)
 さっき申し上げた、いろんな都会でメディアの人に打ち込みをしていくという地道な作業をやっていくというのと共に、たまにイベントを打ってやっていこうということがあります。基本的にはオール高知県を売っています。そういう時に、段々地域版にしていくといいのかもしれません。「幡多」とか、「東部」とか、「東部」じゃ分かりにくいから、「室戸」とかって、やっていけばいいのかもしれません。

(G)
 とにかく(幡多は)販売力が弱く、小さい地域なので、是非、幡多広域観光協議会とか高知県に期待します。
 あと自分達にできることとして、今、「散輪写」というイベントをしているんですが、自分達だけじゃなくて参加者の方にカメラを持ってもらって、地域を、その人達の視点で発信してもらうというような取組も今、やっているので、そういうのもいいんじゃないかなと思っています。

4.知事まとめ

(知事)
 皆さん、今日はありがとうございました。
 今日はとにかく「はた博」は、どんな感じだったのかなと勉強させていただくというのが1つ、そしてもう1つは、来年以降、本当にこれを一過性のものに終わらせずに続けていくためにはどうあるべきか。我々も今一生懸命考えているところなんですけど、お知恵を賜りたい、そういうことで、この「対話と実行座談会」持たせていただきました。
 今日はいろいろと良いヒントをいただいたと思っておりまして、これは是非、政策の中に活かさせていただければと思います。
 広域観光協議会を、より民間の自立的なエージェント的なものにしていくためにはどうあるべきなのか。その時に、地域の本当に担い手となっておられる皆さん方が集っていけるような組織になるにはどうしていくのがいいのか。それから強力な売り込みを観光コンベンション協会と一緒になってできるようにするためにはどうすればいいか。
 また、お客さんの視点、これを日頃から事前に取り込んでいけるようにして、メディアを仲間につけてやっていけるような取組としては、どうあるべきかの具体論を考えていきたいと思います。
 また、産業振興計画、毎年バージョンアップさせていただいておりまして、まさに今、予算編成期、この時期に次年度以降のバージョンアップを考えている時ですから、お伺いできてよかったです。本当に皆さん、どうもありがとうございます。
 最後、1つ非常に嬉しいデータといいますか、勇気づけられるデータをご紹介して、お話を終えたいと思います。
 「高知家」のプロモーションをやるにあたって、アンケート調査を首都圏と関西圏の皆さんに5,000人アンケート調査をとったんです。5,000人というと普通の世論調査の中でも母数がかなり多いほうですから、信頼度の高いほうだと思います。
 実は、高知県に観光経験がない人の高知県に対する好感度、これが54.7%なんです。ちなみに観光で行きたいと(思っているのが)、51.4%。結構それぞれ高いほうです。
 でも、5年以内に高知県に観光経験がある方に限っていくと好感度が何%なるかというと、これが82.0%になります。しかも、(もう一度)行きたい度は72.0%に上がります。相当なものです。
 5年以内に高知県に来たことがあって、高知家のプロモーションを知っている人の好感度は92.0%になります。そこからさらにもう一度高知県に行きたい度は83.5%に上がるということです。高知県への観光経験がない人の好感度54.7%。でも、高知県へ観光に来たことがある人(の好感度)は82.0%になって、更に高知家のプロモーションのことを知っている人は、さらに10%上がって、好感度92.0%になるということです。
 これはありがたいことですよね。来てもらったら勝ちみたいなところがあるのが高知県観光なのかなと。でも、来たことのないところ全国ナンバー1の高知県でもあります。ある意味、伸び代もあるということなのではないかなと思います。
 是非、来てもらうための取組を一生懸命これからも続けてまいりましょう。やればできるという数字、いろいろと出てきていると思いますので、是非、皆さんと力を合わせて今後も取組を進めさせていただきたいと思います。
 熱いハートと冷静な頭脳で取組を進めさせていただきたいと思います。是非、頑張りましょう。
 本当に今日は皆さん、ありがとうございました。

(司会)
 以上をもちまして、第3回「対話と実行座談会」を終了させていただきます。

 閉会


 

第3回対話と実行座談会写真

      

テーマに関して事前に寄せられたご意見と対応方針

第3回「対話と実行座談会」を開催するに当たり、事前にテーマに関する質問を募集しました。
いただいた質問に対するご意見・県の対応方針について、以下のとおり取りまとめました。

ご意見・県の対応方針 [EXCELファイル/14KB] PDF [PDFファイル/160KB]


この記事に関するお問い合わせ

高知県 総合企画部 広報広聴課

所在地: 〒780-8570 高知県高知市丸ノ内1丁目2番20号(本庁舎2階)
電話: 広聴担当 088-823-9898
広報担当 088-823-9046
ファックス: 088-872-5494
メール: 080401@ken.pref.kochi.lg.jp

PDFの閲覧にはAdobe社の無償のソフトウェア「Adobe Acrobat Reader」が必要です。下記のAdobe Acrobat Readerダウンロードページから入手してください。

Adobe Acrobat Readerダウンロード
Topへ