すぐ解る流行の状況! 感染症週報(第38週)

公開日 2017年09月27日

(第38週:9月18日から9月24日)

★ お知らせ!
◆ 
RSウイルス感染症に気を付けて!
 定点医療機関当たりの報告数は第37週の6.20から第38週では6.73と横ばいですが、報告数は過去10年で最も多い状態が継続していることから注意が必要です。中央東では減少していますが、幡多、中央西で増加しています。
 年齢別では、1歳以下の報告数が全体の62%を占めています。
 病原体検出情報では第38週に須崎から搬入された検体で(臨床診断名は不明発疹症)Respiratory syncytial virus Aが1例、第36週に中央東から搬入された検体で(臨床診断名は呼吸器感染症)Respiratory syncytial virus Aが1例検出されています。
 この病気は軽い風邪様の症状で発症し、通常1~2週間で軽快しますが、授乳期早期(生後数週間から数ヶ月)にRSウイルスに初感染した場合は、細気管支炎、肺炎といった重篤な症状を引き起こすことがあります。特に、低出生体重児や心臓や肺に基礎疾患がある場合、神経や筋肉の疾患がある場合、免疫不全が存在する場合には重症化のリスクは高まります。一方で、年長児や成人は、感染しても症状が軽いことが多く、気が付かずに感染源となる可能性があるため注意が必要です。また、高齢者においても急性のしばしば重症の下気道炎をおこす原因となるため、特に長期療養施設内での集団発生が問題となる場合があります。
 予防接種ワクチンはなく、患者の咳、くしゃみなどによる飛沫感染、感染している人との濃厚接触、ウイルスが付着した物品を触ることによる接触感染により感染するので、風邪と同様にマスクの着用(咳エチケット)と手洗いによる予防が有効です。乳幼児への感染を防ぐため、咳などの症状がある人になるべく接触させないようにし、看護する人も手洗いを十分に行って下さい。また、早産児や慢性呼吸器疾患を有するハイリスクな乳幼児には重症化予防のため、パリビズマブ(抗RSウイルスヒト化モノクローナル抗体)の投与があります。(本剤の添付文書では、投与に際しては学会等から提唱されているガイドライン等を参考とし、個々の症例ごとに本剤の適用を考慮することとされており、保険適用となっています。)
 厚生労働省 「RSウイルス感染症Q&A」
  http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/rs_qa.html
 ●国立感染症研究所 「注目すべき感染症 RSウイルス感染症」
  https://www.niid.go.jp/niid/ja/id/541-disease-based/alphabet/respiratory-syncytial/idsc/idwr-topic/7509-idwrc-1734.html

 感染性胃腸炎に気を付けて!
 定点医療機関当たりの報告数は第37週の3.63から第38週では2.50と減少しています。県全域から報告があり、中央東、安芸で急減、須崎で減少していますが、中央西、幡多で急増しています。
 定点医療機関からのホット情報ではノロウイルスが6例、細菌の病原性大腸菌やカンピロバクター属菌を原因とする胃腸炎6例の報告もあります。
 ノロウイルスによる感染性胃腸炎は、主に冬場に流行しますが1年を通して発生しています。嘔吐、下痢が主症状ですが、その他、発熱、腹痛などの症状があります。特に、乳幼児や高齢者、体力の低下している方は、下痢、嘔吐などで脱水症状を起こすことがありますので、早めに医療機関を受診してください。通常は1週間以内に回復しますが、症状消失後も1週間程度、長いときには1ヶ月程度ウイルスの排出が続くことがあります。保育園や幼稚園、学校や社会福祉施設など集団生活の場で大規模な流行となることもあり注意が必要です。
 予防対策のため、帰宅時や調理前・食事前、トイレの後に石けんでよく手を洗いましょう。また、感染した人の便やおう吐物には、直接触れないようにし、次亜塩素酸ナトリウムまたは、家庭用の次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤の使用方法を確認したうえで使用し処理しましょう。(使い捨ての手袋やキッチンペーパーなどを使って処理しましょう。) 調理をする場合は、十分加熱(85℃で1分以上)しましょう。
 また、細菌による感染性胃腸炎のほとんどの場合、患者との接触(便など)や汚染された水、食品によって経口的に感染します。予防対策としては、食中毒の一般的な予防方法(1.つけない(洗う・分ける) 2.増やさない(低温保存・早めに食べる) 3.やっつける(加熱処理))です。食品の冷所保存を心がけ、長期保存は避ける、加熱(85℃で1分以上)は十分にするなど、日常生活での食中毒予防を心がけて下さい。
  ●厚生労働省 「ノロウイルスに関するQ&A」
    http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/kanren/yobou/040204-1.html
  ●衛生研究所 「高知県ノロウイルス対策マニュアル」
    http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/130120/norovirus.html

 夏型感染症(手足口病・咽頭結膜熱)に気を付けて!
 定点医療機関当たりの報告数は地域により増減がまちまちですが、いずれも注意報値・警報値の報告はありません。病原体検出情報では第38週に搬入された検体で高知市からCoxsackievirus A16が1例、第37週に搬入された検体で高知市と須崎からCoxsackievirus A6が2例検出されています。
 これらの夏型感染症は、主にウイルスが含まれた咳やくしゃみを吸いこんだり、手を介して口に触れたりすることで感染します。幼稚園、保育園、学校等の集団生活では手洗い、うがい等の予防対策に加えて、タオル・コップ等の共用を避ける等して、感染予防に努めてください。これらの感染症はほとんどの場合、予後良好です。しかしまれにですが重症化し、重篤な症状を呈することもありますので、早めに医療機関を受診してください。

☆野外活動の際にはマダニに注意!

 日本紅斑熱やSFTS(重症熱性血小板減少症候群)は比較的大型(吸血前で3~4mm)のマダニが媒介する感染症です。
 「マダニに咬まれないこと」がとても重要です。
 マダニは野山、草地、畑、河川敷などに広く生息しています。屋外でキャンプ、ハイキングなどのレジャーや農作業をする場合には次のことに注意しましょう。(全てのマダニが病原体を持っているわけではありません)
 ●長袖・長ズボン・長靴などで肌の露出を少なくしましょう。
 ●マダニに対する虫除け剤(有効成分:ディ-トあるいはイカリジン)を活用しましょう。
 ●地面に直接座ったりしないよう、敷物を使用しましょう。
 ●活動後は体や衣服をはたき、帰宅後にはすぐに入浴し、マダニに咬まれていないか確認しましょう。

発熱等の症状が出たとき

 野山に入ってからしばらくして(数日~数週間程度)発熱等の症状が出た場合、医療機関を受診して下さい。受診の際、発症前に野山に立ち入ったこと(ダニに咬まれたこと)を申し出て下さい。
 また、このたび
発熱・衰弱等に加え血小板減少等の所見が見られた飼育ネコ及び飼育イヌの血液・ふん便からSFTSウイルスが検出された事例並びに、体調不良のネコからの咬傷歴があるヒトがSFTSを発症し死亡した事例が確認されました。これらの事例は稀な事例ではありますが、イヌやネコの体液等からヒトが感染することも否定できないので、体調不良の動物に接触した後、発熱等の症状が出た時には医療機関を受診して下さい。その際には、動物との接触歴についても申し出て下さい。

 ●重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に関するQ&A(厚生労働省)
 http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/sfts_qa.html

 ●高知県衛生研究所 ダニが媒介する感染症及び注意喚起パンフレット
 http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/130120/2015111600016.html

 2017_25_fig2

 


 

★ 県内での感染症発生状況!

定点把握感染症 (上位疾患)

38週 (9月18日~9月24日)

疾 病 名

推 移

定点当たり報告数

県 内 の 傾 向

RSウイルス感染症

6.73

中央東で減少していますが、幡多、中央西で増加しています。

感染性胃腸炎

2.50

中央東、安芸で急減、県全域、須崎で減少していますが、中央西、幡多で急増しています。

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎

0.97

幡多、安芸で急減していますが、中央西、須崎で急増しています。

手足口病

0.67

幡多、須崎で急減、県全域、中央西、高知市、中央東で減少しています。

咽頭結膜熱

0.57

幡多、安芸で急減していますが、高知市、中央東、須崎で急増しています。

:急増 :増加 :横ばい :減少 :急減

 


 ★ 地域別感染症発生状況

 第38週
2017_38map


★ 気を付けて!
RSウイルス感染症 第38週:6.73 (注意報値: - 警報値: - )
 定点医療機関からの報告数は定点あたり6.73(前週:6.20)と横ばいです。中央東1.29(前週:2.43)で減少していますが、幡多18.00(前週:14.60)中央西3.67(前週:2.67)で増加しています。

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感染性胃腸炎 第38週:2.50 (注意報値:12.00  警報値:20.00)
 定点医療機関からの報告数は定点当たり2.50(前週:3.63)と減少しています。中央東2.14(前週:5.00)安芸1.50(前週:6.00)で急減、須崎2.00(前週:3.00)で減少していますが、中央西0.67(前週:0.33)幡多0.60(前週:0.20)で急増しています。

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 ※グラフの途切れについて
  H27-H28年は第53週まであるため、グラフ横軸に第53週を挿入しています。
  そのため、H26-H27 年とH28-H29のグラフ第52週~第1週間に途切れが生じています。


病原体検出情報
2017_38_fig4 
 前週以前に搬入
2017_38_fig5 

★全数把握感染症
2017_38_fig3


 高知県感染症発生動向調査(週報)ダウンロード

◆ 第38週週報
◆ 過去の週報・月報は「感染症情報(週報・月報)」のページからダウンロードいただけます。
◆ 高知県の流行発生注意報・警報基準値

 

連絡先

高知県 健康政策部 衛生研究所
住所: 〒780-0850 高知市丸ノ内2丁目4番1号 保健衛生総合庁舎
電話: 総務企画課 088-821-4960
保健科学課 088-821-4963
生活科学課 088-821-4964
ファックス: 088-872-6324
メール: 130120@ken.pref.kochi.lg.jp

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