すぐ解る流行の状況! 感染症週報(第26週)

公開日 2018年07月04日

(第26週:6月25日から7月1日)

★ お知らせ
◆ 夏型感染症(手足口病・咽頭結膜熱(プール熱)・ヘルパンギーナ)に気を付けて!
 
例年、6月頃から報告数が増えはじめ7月頃にピークを迎える夏型感染症の報告が、増加傾向になりましたので、注意しましょう。
 手足口病
 
定点医療機関当たりの報告数は、第25週の0.73から第26週には1.17と増加しています。中央西で急減していますが、安芸、須崎、幡多で急増、中央東で増加し、安芸では注意報値を超えています。
 定点医療機関からのホット情報では、「手足口病流行の兆し」との報告があります。 
 病原体検出情報では臨床診断名「手足口病」として搬入された検体からRhinovirusが2例、Enterovirus 71が1例、Human herpes virus 7が1例検出されています。また、その他の臨床診断名で搬入された検体からの手足口病・ヘルパンギーナの原因ウイルスであるエンテロウイルスの検出状況としては、「不明発疹症」からCoxsackievirus A9が1例、「突発性発疹」及び「なし」からEnterovirus 71がそれぞれ1例検出されています。なかでもEnterovirus 71は中枢神経系の合併症の発生率が高いことが知られ、まれに急性髄膜炎や急性脳炎を生ずることがあります。高熱・嘔吐・頭痛が見られる場合は十分に注意してください。
 
咽頭結膜熱(プール熱)
 
定点医療機関当たりの報告数は、第25週の0.30から第26週は0.40と増加しています。須崎で減少していますが、幡多、中央東で急増し、中央西では注意報値を超えています。
 定点医療機関からのホット情報ではアデノウイルスによる感染症8例の報告があります。
 病原体検出情報でのアデノウイルスの検出状況は臨床診断名「なし」として搬入された検体からAdenovirus 2が、臨床診断名「感染性胃腸炎」からAdenovirus 41がそれぞれ1例ずつ検出されています。

   <予防方法> これらの疾病は主に接触感染、飛沫感染、患者の便により感染が拡大します
 手洗い・うがいが大切です。流水と石けんでよく手を洗いましょう。また、幼稚園、保育園、学校など集団生活ではタオル・コップ等を共用することは避けるなどして、感染予防に努めてください。


◆ 感染性胃腸炎に気を付けて!
 
定点医療機関当たりの報告数は、第25週の3.60から第26週には3.97と横ばいです。県全域から報告があり、須崎で急減していますが、安芸、中央西で急増、中央東で増加しています。
 定点医療機関からのホット情報では、ノロウイルス7例、細菌の病原性大腸菌やカンピロバクター属菌を原因とする胃腸炎8例のほか感染性胃腸炎2例の報告があります。
 病原体検出情報では、臨床診断名「感染性胃腸炎」として搬入された検体から、Norovirus GII NTが2例、Adenovirus 41が1例検出されています。また、臨床診断名「なし」からRotavirus group A G3が1例検出されています。
 学校等欠席者・感染症情報システム※でも7例の報告があることから引き続き注意が必要です。
 ノロウイルスによる感染性胃腸炎は、主に冬場に流行しますが、1年を通して発生しています。通常1週間以内に回復しますが、症状消失後も1週間程度、長いときには1ヶ月程度便中にウイルスの排出が続くことがあります。保育園や幼稚園、学校や社会福祉施設など集団生活の場で大規模な流行となることもあることから注意が必要です。また、細菌による感染性胃腸炎のほとんどの場合、患者との接触(便など)や汚染された水、食品によって経口的に感染します。

  <予防方法> 手洗いが有効です
 帰宅時や調理・食事前、トイレの後には石けんと流水でしっかりと手を洗いましょう。また、便や嘔吐物を処理する時は、感染した人の便やおう吐物には直接触れないようにし、使い捨て手袋、マスク、エプロンを着用し、次亜塩素酸ナトリウムまたは、家庭用の次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤の使用方法を確認したうえで、キッチンペーパーなどを使用して処理しましょう。処理後は石けんと流水で十分に手を洗いましょう。
 細菌による感染性胃腸炎の予防対策としては、食中毒の一般的な予防方法(食中毒菌を1.付けない(洗う・分ける) 2.増やさない(低温保存・早めに食べる) 3.やっつける(加熱処理))です。食品の冷所保存を心がけ、長期保存は避ける、加熱は十分にするなど、日常生活での食中毒予防を心がけて下さい。

 

◆ 百日咳に気を付けて!
 
第26週に百日咳の発生届けが中央東福祉保健所、中央西福祉保健所、須崎福祉保健所管内から各1例ずつ報告されました。2018年にはいって高知県内の百日咳の届出は合計115例となっています。
 百日咳は、感染力が強く、咳やくしゃみなどによる飛沫感染や接触感染により感染します。そのため、比較的軽い症状の患者や感染しても症状が軽いため百日咳にかかったと気づかない大人から、重症化しやすいワクチン未接種の新生児や乳児へ感染することも考えられることから注意してください。

 <予防方法> 飛沫感染予防には、手洗い、咳エチケットです
 
・生まれた直後から百日咳にかかる可能性があります。咳が続いている人は、百日咳の可能性も考えて、赤ちゃんに注意して接しましょう。
 ・外出時にはマスクを着用し、人混みはなるべくさけ、帰宅時には、手洗いを励行しましょう。
 ・定期予防接種があります。ワクチンは生後3ヶ月から接種可能なので、かかりつけ医と相談し、出来るだけ早く受けておくことをお勧めします。

国立感染症研究所 百日咳 感染症法に基づく医師届出ガイドライン

https://www.niid.go.jp/niid/images/epi/pertussis/pertussis_guideline_180425.pdf

 
◆ 麻しん(はしか)にご注意ください
 
2018年3月20日に麻しん患者が報告されて以降、沖縄県内で麻しん患者の発生が続いていましたが、6月11日に、沖縄県における麻しん流行の終息を宣言しました。しかし、6月4日の週に福岡県及び愛知県で麻しん患者発生が報告されていることから引き続き注意が必要です。

  県民の皆様にお願い
1.麻しんは予防接種により感染リスクが少なくなる疾患です。定期接種の対象者(1歳児、年長児)は接種対象期間中にかかりつけ医に相談し、2回接種を受けることが重要です。
2.麻しんを疑う症状(発熱、咳、鼻汁、その後発疹等)があった場合は、必ず受診前に医療機関に連絡し、麻しんを疑う旨を伝えた後、医療機関の指示に従い受診し、周囲に感染を拡げないようにご注意ください。


 各医療機関の皆様にお願い
1.発熱や発疹を呈する患者を診察した際は、麻しんの可能性も考慮し、渡航歴・旅行歴・麻しん含有ワクチンの接種歴・麻しん罹患歴を確認するとともに、感染拡大予防策の徹底をお願い致します。
2.麻しん(疑い例を含む)診断時には管轄の保健所又は福祉保健所までご連絡をお願い致します。
3.職員への予防接種の推奨をお願い致します。
 医療関係者、児童福祉施設等の職員、学校等の職員等は、幼児、児童、体力の弱い者等麻しんに罹患すると重症化しやすい者と接する機会が多く、本人が麻しんを発症すると、多数の者に感染を引き起こしてしまう可能性が高いため、予防接種の推奨を行う必要があります。罹患歴や予防接種歴を確認していただき、風しん・麻しん(MR)ワクチン接種の考え方を参照し、予防接種を十分検討して下さい。  (平成30年5月16日厚生労働省健康局結核感染症課長通知 風しんの予防接種の推奨の周知について(協力依頼)より抜粋)

 麻しんについて
 麻しんは空気感染する感染力の強いウイルス感染症です。
 潜伏期間は10~12日間で、咳、鼻水、くしゃみ等の風邪様症状が出現、2~4日ほど続きます。その後、39度を超える高熱と発疹が出現します。発疹の出現する1日から2日前には頬の粘膜(口の中の頬の裏側)にやや隆起した1mm程度の白色の小さな斑点(コプリック班)が出現します。合併症を引き起こさなければ、7~10日後には回復しますが、免疫力が低下するため、しばらくは他の感染症に罹りやすく、また、体力等が戻ってくるには1ヶ月程度を要することもあります。

国立感染症研究所:
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ma/measles.html

風しん・麻しん(MR)ワクチン接種の考え方
https://www.niid.go.jp/niid/images/idsc/disease/measles/MRvaccine_20180417.pdf


  ※ 学校欠席者・感染症情報システム:県内小中高等学校における疾病別患者情報システム

                 

☆山や草むらでの屋外活動の際にはダニに注意!

 日本紅斑熱やSFTS(重症熱性血小板減少症候群)は屋外に生息するダニの一種で、比較的大型(吸血前で3~4mm)のマダニが媒介する感染症です。
 「マダニに咬まれないこと」がとても重要です。
 マダニは、暖かくなる春から秋にかけて活動が活発になります。人も野外での活動が多くなることから、マダニが媒介する感染症のリスクが高まります(全てのマダニが病原体を持っているわけではありません)。

 【マダニに咬まれないために】

  長袖・長ズボン・長靴などで肌の露出を少なくしましょう。
 ●マダニに対する虫除け剤(有効成分:ディ-トあるいはイカリジン)を活用しましょう。
 ●地面に直接座ったりしないよう、敷物を使用しましょう。
 ●活動後は体や衣服をはたき、帰宅後にはすぐに入浴し、マダニに咬まれていないか確認しましょう。
 ●ペットの散歩等でマダニが付き、家に持ち込まれることがありますので注意しましょう。

発熱等の症状が出たとき

 野山に入ってからしばらくして(数日~数週間程度)発熱等の症状が出た場合、医療機関を受診して下さい。受診の際、発症前に野山に立ち入ったこと(ダニに咬まれたこと)を申し出て下さい。
 SFTSはマダニからの感染が一般的ですが、最近の研究で、SFTSウイルスに感染し、発症している野生動物やイヌ・ネコなどの動物の血液からSFTSウイルスが検出されています。このことは、SFTSウイルスに感染している動物の血液などの体液に直接触れた場合、SFTSウイルスに感染することも否定できませんので、動物に触った後は必ず手洗いをするなどの感染予防に努めましょう。また、体調不良の動物と接触した後、発熱等の症状が出た時は、早めに医療機関を受診してください。その際には、動物との接触歴についても申し出て下さい。

  ●重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に関するQ&A(厚生労働省)
 http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/sfts_qa.html

 ●高知県衛生研究所 ダニが媒介する感染症及び注意喚起パンフレット
 http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/130120/2015111600016.html

 2017_25_fig2

 


★ 県内での感染症発生状況!

インフルエンザ及び小児科定点把握感染症 (上位疾患)

26週 (6月25日~7月1日)     

疾 病 名

推 移

定点当たり報告数

県 内 の 傾 向

感染性胃腸炎

3.97

須崎で急減していますが、安芸、中央西で急増、中央東で増加しています。

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎

1.60

安芸で急減、中央東、中央西で減少していますが、幡多で増加しています。

手足口病

1.17

中央西で急減していますが、安芸、須崎、幡多で急増、県全域、中央東で増加し、安芸では注意報値を超えています。

突発性発疹

0.63

幡多で急減していますが、安芸、中央西で急増、県全域、高知市、中央東で増加しています。

咽頭結膜熱

0.40

須崎で減少していますが、幡多、中央東で急増、県全域で増加し、中央西では注意報値を超えています。

:急増 :増加 :横ばい :減少 :急減

 


 ★ 地域別感染症発生状況

第26週
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★ 気を付けて!
手足口病 第26週: 1.17   (注意報値: 2.00  警報値: 5.00)
 定点医療機関からの報告数は定点当たり1.17(前週:0.73)と増加しています。中央西0.00(前週:0.33)で急減していますが、安芸2.00(前週:0.00)須崎1.50(前週:0.00)幡多1.40(前週:0.00)で急増、中央東1.14(前週:0.86)で増加し、安芸では注意報値を超えています。年齢別に見ると、全ての患者が5歳以下となっています。
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感染性胃腸炎 第26週: 3.97   (注意報値:12.00  警報値:20.00)
 定点医療機関からの報告数は定点当たり3.97(前週:3.60)と横ばいです。須崎0.50(前週:5.00)で急減していますが、安芸7.50(前週:2.00)中央西2.33(前週:1.00)で急増、中央東4.29(前週:2.43)で増加しています。

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咽頭結膜熱 第26週: 0.40   (注意報値: 1.00  警報値: 3.00)
 定点医療機関からの報告数は定点当たり0.40(前週:0.30)と増加しています。須崎0.50(前週:1.00)で減少していますが、幡多0.60(前週:0.00)中央東0.14(前週:0.00)で急増し、中央西1.00(前週:1.00)では注意報値を超えています。

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 ★病原体検出情報
 
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   前週以前に搬入
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 ★全数把握感染症
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 高知県感染症発生動向調査(週報)ダウンロード

◆ 第26週週報
◆ 過去の週報・月報は「感染症情報(週報・月報)」のページからダウンロードいただけます。
◆ 高知県の流行発生注意報・警報基準値

 

連絡先

高知県 健康政策部 衛生研究所
住所: 〒780-0850 高知市丸ノ内2丁目4番1号 保健衛生総合庁舎
電話: 総務企画課 088-821-4960
保健科学課 088-821-4963
生活科学課 088-821-4964
ファックス: 088-872-6324
メール: 130120@ken.pref.kochi.lg.jp

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