すぐ解る流行の状況! 感染症週報(第50週)

公開日 2018年12月19日

(第50週:12月10日から12月16日)

★お知らせ
〇インフルエンザに気を付けて!
 高知県全域で今シーズン初めて流行の目安とされている1.00を上回りました。
 定点医療機関当たりの報告数は第49週の0.71から第50週は1.15と増加しています。
 県全域から報告があり、中央西、須崎、幡多、安芸で急増、高知市で増加しています。
 インフルエンザ定点医療機関における迅速診断ではインフルエンザA型が52件、インフルエンザB型が1件、不明2件の報告があり、病原体検出情報では、第50週に須崎から搬入された検体からInfluenza virus AH1pdm09が1例、高知市から搬入された検体からInfluenza virus A H3 NTが2例検出されています。
 国内のインフルエンザウイルスの検出状況は、直近の5 週間(2018 年第46~50週)ではAH1pdm09の検出割合が最も多く79.6%、次いでAH3が19.4%、B(ビクトリア系統)が1.0%の順でした。
 インフルエンザは、その年により流行の程度に差がありますが、例年11月頃から患者が増え始め、12月から3月頃にかけて流行します。感染力が強く、いったん流行が始まると、短期間に多くの人へ感染が拡大することから、集団生活の場では特に注意が必要です。
 インフルエンザワクチンには、インフルエンザウイルスに感染した場合に発症を一定程度抑える効果や重症化を予防する効果が認められており、ワクチンを接種してから抗体ができて予防効果が発現するためには、およそ2週間かかると言われています。予防対策の1つとして予防接種をご検討ください。
 <予防方法> 手洗いと咳エチケットを心がけましょう
 インフルエンザの主な感染経路は咳やくしゃみの際に口から発生される小さな水滴(飛沫)による飛沫感染であることから、感染予防のため以下の咳エチケットに心がけてください。
 (1)普段から皆が咳エチケットを心がけるとともにくしゃみを他の人に向けて発しないこと。
 (2)咳やくしゃみが出るときはできるだけマスクをすること。
 (3)手のひらで咳やくしゃみを受け止めた時はすぐに手を洗うこと。
 ●厚生労働省 「インフルエンザ総合ページ」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/infulenza/index.html

〇感染性胃腸炎に気を付けて!
 定点医療機関当たりの報告数は第49週の4.37から第50週は4.10と横ばいです。
 県全域から報告があり、安芸で急減、高知市で減少していますが、中央西、幡多で増加しています。
 学校欠席者・感染症情報システム※でも10例の報告があることから注意が必要です。
 定点医療機関からのホット情報では、ノロウイルスを原因とする胃腸炎5例や、病原性大腸菌、エルシニア属菌等細菌を原因とする胃腸炎4例の報告があります。
 病原体検出情報では臨床診断名「感染性胃腸炎」からNorovirus GII NTが1例、Adenovirus 2が1例、Salmonella Enteritidisが1例検出されています。
 感染性胃腸炎は年間を通じて発生していますが、特に冬季にはノロウイルス等ウイルスによる胃腸炎の流行がみられます。
 特に、ノロウイルスは感染力が強く、少量のウイルスでも感染するため、保育園や幼稚園、学校や社会福祉施設など集団生活の場で大規模な流行となることもあり注意が必要です。
 <予防方法> 手洗いが有効です
 帰宅時や調理・食事前、トイレの後には石けんと流水でしっかりと手を洗いましょう。
 また、便や嘔吐物を処理する時は、感染した人の便やおう吐物には直接触れないようにし、使い捨て手袋、マスク、エプロンを着用し、次亜塩素酸ナトリウムまたは、家庭用の次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤の使用方法を確認したうえで、キッチンペーパーなどを使用して処理しましょう。処理後は石けんと流水で十分に手を洗いましょう。
 また、細菌による感染性胃腸炎の予防対策としては、食中毒の一般的な予防方法(食中毒菌を 1.付けない(洗う・分ける) 2.増やさない(低温保存・早めに食べる) 3.やっつける(加熱処理))です。食品の冷所保存を心がけ、長期保存は避ける、加熱は十分にするなど、日常生活での食中毒予防を心がけてください。
 ●厚生労働省 「ノロウイルスに関するQ&A」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/kanren/yobou/040204-1.html
 ●衛生研究所 「高知県ノロウイルス対策マニュアル」
http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/130120/norovirus.html

〇咽頭結膜熱に気を付けて!
 定点医療機関当たりの報告数は第49週0.33のから第50週は0.47と増加しています。
 幡多で急減していますが、須崎、中央西で急増、高知市で増加し、特に須崎、中央東では注意報値を超えています。
 定点医療機関からのホット情報では、アデノウイルスによる扁桃炎や胃腸炎の報告が4例や「アデノウイルス感染症増加中」との報告があります。
 <予防方法> 主に接触感染、飛沫感染、患者の便により感染が拡大します
 手洗い・うがいが大切です。流水と石けんでよく手を洗いましょう。
 また、幼稚園、保育園、学校など集団生活ではタオル・コップ等を共用することは避けるなどして、感染予防に努めてください。

〇風しんの届出数が多い状態が継続しています
 関東地方を中心に風しんの報告が多い状態が継続しています。
 全国の患者数2,586人(第49週まで)のうち96%(2,479人)が成人で、30歳から50歳代の男性を中心に男性が女性の4.3倍多くなっています(男性2,100人、女性486人)。
2018_50_fig1
 報告数の多い都道府県は、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、福岡県以外に大阪府、愛知県、茨城県、兵庫県、静岡県など首都圏以外の地域からも報告が認められています。
 今後、高知県でも感染が拡大する可能性がありますので注意してください。

風しんについて
 症     状 :発熱、発疹、リンパ節の腫れ
 感 染 経 路 :患者の咳やくしゃみのしぶきによる飛沫感染および接触感染でヒトからヒトへ感染
 潜 伏 期 間 :2~3週間程度
 感染性のある期間:発疹のでる7日前から発疹出現後7日くらいの間
風しんを疑ったら
 発熱や発疹など風しんに特徴的な症状が現れた方は、必ず事前に医療機関に連絡の上、受診してください。
予防方法
・風しんの予防、感染の拡大防止には予防接種が効果的です。
 風しんの定期接種対象者は、予防接種を受けましょう(1歳児、小学校入学前1年間の幼児の方)
・風しんに感染した方の周りに抗体の低い妊婦がいる場合、特に妊娠20週頃まで(妊娠初期)の女性が風しんに罹ると胎児が風しんウイルスに感染し、難聴や心疾患など様々な障害(先天性風しん症候群)をもった赤ちゃんが生まれる可能性があります。妊婦や赤ちゃんを守る観点から妊婦の周りにいる方(夫、子供及びその他の同居人)は風しんに罹らないように予防に努めましょう。

各医療機関管理者の皆様へ
(高知県健康対策課 平成30年8月17日付け30高健対第859号「風しんの届出数の増加に伴う注意喚起」より)
1 発熱や発疹を呈する患者を診察した際は、風しんに罹っている可能性を念頭に置き、最近の海外渡航歴及び国内旅行歴を聴取し、風しんの予防接種を確認するなど風しんを意識した診察をお願いいたします。
2  風しんを疑う患者を診察した際は、確定診断のためのウイルス検査を県衛生研究所で行うので、直ちに最寄りの福祉保健所又は高知市保健所へ届け出るようお願いいたします。
 ●風しんQ&A2018年1月30日改訂版(国立感染症研究所)
https://www.niid.go.jp/niid/ja/rubellaqa.html
 ●風しんについて(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/
 ●衛研ニュース第20号(高知県衛生研究所) 30~50歳代の男性!風しんのことを知ってますか?
http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/130120/2018101000056.html

 
※ 学校欠席者・感染症情報システム:県内小中高等学校における疾病別患者数情報システム

☆ダニの感染症(日本紅斑熱・SFTS・つつが虫病)に注意!
 

 【日本紅斑熱・SFTS】
 
日本紅斑熱」や「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」は屋外に生息するダニの一種で、比較的大型(吸血前で3~4mm)のマダニが媒介する感染症です。
 マダニに咬まれないこと」がとても重要です。

 マダニは、暖かい春から秋にかけて盛んに活動し、この期間に多くの患者発生がみられますが、冬でも発生例が報告されています。これから寒い季節となりますが、屋外で活動される場合はマダニ対策を心がけましょう(全てのマダニが病原体を持っているわけではありません)。

 【マダニに咬まれないために】

  長袖・長ズボン・長靴などで肌の露出を少なくしましょう。
 ●マダニに対する虫除け剤(有効成分:ディ-トあるいはイカリジン)を活用しましょう。
 ●地面に直接座ったりしないよう、敷物を使用しましょう。
 ●活動後は体や衣服をはたき、帰宅後にはすぐに入浴し、マダニに咬まれていないか確認しましょう。
 ●ペットの散歩等でマダニが付き、家に持ち込まれることがありますので注意しましょう。 

 【つつが虫病】
 「ツツガムシ」に咬まれることによって感染する「つつが虫病」にもご注意ください。
 高知県では秋から冬にかけて多く報告されており、ダニの一種である「ツツガムシの幼虫(0.2mm)」が媒介する感染症です。全てのツツガムシが病原体を持っているわけではありません。
 予防対策については、マダニと同じく「ツツガムシに咬まれない」ことです。
 屋外活動する時には、長袖や長ズボンで肌の露出を避けることや、ツツガムシに対する虫除け剤(有効成分:ディート)を活用するなどマダニと同様の対策をして注意しましょう。


発熱等の症状が出たとき
 野山に入ってからしばらくして(数日~数週間程度)発熱等の症状が出た場合、医療機関を受診して下さい。受診の際、発症前に野山に立ち入ったこと(ダニに咬まれたこと)を申し出て下さい。 

  ●重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に関するQ&A(厚生労働省)
 http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/sfts_qa.html

 ●高知県衛生研究所 ダニが媒介する感染症及び注意喚起パンフレット
 http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/130120/2015111600016.html


★ 県内での感染症発生状況!

インフルエンザ及び小児科定点把握感染症 (上位疾患)

第50週 (12月10日~12月16日)     

疾 病 名

推 移

定点当たり報告数

県 内 の 傾 向

感染性胃腸炎

yellow

4.10

安芸で急減、高知市で減少していますが、中央西、幡多で増加しています。

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎

yellow

1.77

幡多で急減、中央東で減少していますが、須崎、中央西、安芸で急増、高知市で増加しています。

インフルエンザ

purple

1.15

中央西、須崎、幡多、安芸で急増、県全域、高知市で増加しています。

RSウイルス感染症

red

0.70

幡多で急減していますが、県全域、須崎、高知市、中央東で急増しています。

咽頭結膜熱

purple

0.47

幡多で急減していますが、須崎、中央西で急増、県全域、高知市で増加し、須崎、中央東では注意報値を超えています。

red:急増purple :増加 yellow:横ばいblue :減少 green:急減

 


 ★ 地域別感染症発生状況

第50週
2018_50map


★ 気を付けて!
感染性胃腸炎 第50週: 4.10   (注意報値:  12.00  警報値: 20.00  )
 
定点医療機関からの報告数は定点当たり4.10(前週:4.37)と横ばいです。安芸0.50(前週:2.50)で急減、高知市3.82(前週:4.82)で減少していますが、中央西4.00(前週:3.33)幡多3.40(前週:2.40)で増加しています。

2018_50_fig2 


A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 第50週: 1.77   (注意報値:  4.00  警報値: 8.00  )
 
定点医療機関からの報告数は定点当たり1.77(前週:1.53)と横ばいです。幡多0.00(前週:0.40)で急減、中央東1.43(前週:1.86)で減少していますが、須崎2.00(前週:1.00)中央西1.33(前週:0.33)安芸0.50(前週:0.00)で急増、高知市3.09(前週:2.55)で増加しています。

2018_50_fig3 

   
 ★病原体検出情報 
2018_50_fig4
 前週以前に搬入
2018_50_fig5

※インフルエンザ流行期(定点当たり報告数1を超える)の対応については、インフルエンザ病原体定点医療機関宛に別途ご案内をFAXさせていただきますので、ご確認をお願いいたします。

 ★全数把握感染症
2018_50_fig6


 ★後天性免疫不全症候群(HIV感染症を含む)及び梅毒の届出基準・様式の変更について
〈各医療機関管理者の皆様へ〉
 平成31年1月1日より、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律施行規則第4条第6項の規定に基づき厚生労働大臣が定める5類感染症及び事項の一部を改正する件にともない、5類感染症の1.後天性免疫不全症候群 2.梅毒の届け出基準・様式が変更になります。
【改正の概要】
1.後天性免疫不全症候群(HIV感染症を含む)について
 後天性免疫不全症候群(HIV感染症を含む)発生届の様式に「診断時のCD陽性Tリンパ球数(CD4値)」を記載項目として追加。
2.梅毒について
 感染症法施行規則第4条第6項の規定に基づき厚生労働大臣が定める5類感染症として追加され、また、厚生労働大臣が定める事項として「妊娠の有無」が追加されたことを受け、梅毒発生届の様式に、「性風俗の従事歴・利用歴の有無」、「口腔咽頭病変」、「妊娠の有無」、「過去の感染歴」及び「HIV感染症の合併の有無」を記載項目として追加。

厚生労働省改正通知:https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000377884.pdf


 高知県感染症発生動向調査(週報)ダウンロード

◆ 第50週週報
◆ 過去の週報・月報は「感染症情報(週報・月報)」のページからダウンロードいただけます。
◆ 高知県の流行発生注意報・警報基準値

 

連絡先

高知県 健康政策部 衛生研究所
住所: 〒780-0850 高知市丸ノ内2丁目4番1号 保健衛生総合庁舎
電話: 総務企画課 088-821-4960
保健科学課 088-821-4963
生活科学課 088-821-4964
ファックス: 088-872-6324
メール: 130120@ken.pref.kochi.lg.jp

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