県内における「重症熱性血小板減少症候群」の症例確認について

公開日 2018年05月15日

高知県内在住者の症例確認の概要(平成30年5月11日発表分)

 愛媛県から愛媛県宇和島保健所管内の医療機関で高知県内在住の方が、重症熱性血小板減少症候群(Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome:SFTS)と診断されたとの情報提供がありました。
 感染経路については不明ですが、SFTSは多くの場合、SFTSウイルスを保有しているマダニに咬まれることが主な感染経路といわれています。
 予防対策としては、野外のマダニに咬まれないようにすることです。特に春から秋にかけては、薄着での野外活動が多くなる時期で、野外でのマダニ対策がより重要になるため、県民の皆様に対して注意喚起します。

1.患者の概要等

(1)患者:
 80 歳代女性、四万十市在住。

(2)経過:
 平成30年5月上旬に、発熱、全身倦怠感などの症状により愛媛県宇和島保健所管内の医療機関に入院。5月11日に当該医療機関よりSFTSの発生届が提出された。現在、入院加療中。

2.県内での発生状況

     発生年
発生月

~H25年

H26年

H27年

H28年

H29年 H30年

1月~3月

4

4月~6月

2

7

2

2

1※

7月~9月

3

3

2

10月~12月

1

1

1

1

合計

3

11

3

7

5 1

※今回の事例は、愛媛県で発生届が提出されているため、件数に含まれません。現在、県内で届出があった事例は、4月下旬に長崎県内で感染されたと推定される方が、県内医療機関を受診し、SFTSと診断された事例

重症熱性血小板減少症候群について

(1)病原体

 SFTSウイルス(ブニヤウイルス科フレボウイルス属)

 平成23年に初めて特定されたウイルスで、このSFTSウイルスに感染することで本疾病が引き起こされる。

(2)発生状況

  • 平成21年に中国で原因不明の疾患が集団発生したことで本感染症の存在が明らかとなり、平成23年に初めて原因ウイルスであるSFTSウイルスが特定された。中国では7つの省で症例が報告されている。
  • 平成21年、米国においてSFTSと同様の症状を示す患者が発生し、患者検体からSFTSウイルスと近縁なウイルスが検出された。
  • ウイルス自体は以前から国内に存在していたと考えられるが、平成25年1月に山口県において初めて患者が報告され、その後、平成30年4月末までに西日本を中心に23府県において患者の発生が確認されている。

(3)感染経路

  • 多くの場合、ウイルスを保有しているマダニ(フタトゲチマダニ等)に咬まれることで感染する。
  • 最近の研究では、SFTSに感染し、発症している野生動物やネコ・イヌなどの動物の血液からSFTSウイルスが検出されています。
    このことより、ウイルスに感染している動物の血液などの体液に直接触れた場合、SFTSウイルスに感染することも否定できません。
  • インフルエンザのように容易に人から人へ感染して広がるものではない。

(4)症状

  • 主に発熱、消化器症状(嘔気、嘔吐、腹痛、下痢、下血)が出現。
  • 時に頭痛、筋肉痛、神経症状(意識障害、けいれん、昏睡)、リンパ節腫脹、出血症状(紫斑)などを起こす。
  • 潜伏期間は、マダニに咬まれてから6日から2週間程度
  • 血液所見では、血小板減少(10万/立法ミリメートル未満)、白血球減少(4000/立法ミリメートル未満)、血清酵素(AST、ALT、LDH)の上昇が認められる。
  • 日本での致命率は約20%といわれている。(致命率とは、ある特定の病気にかかったと診断され、報告された患者のうち一定期間内に死亡した患者の割合を示したもの)

(5)病原体の診断

 次のいずれかの方法で診断する。

  • 血液、咽頭拭い液、尿のいずれかのサンプルを用いたウイルスの検出
    分離・同定によるウイルスの検出又はPCR法によるウイルスの遺伝子の検出。
  • 急性期及び回復期における血清を用いた抗体の検出
    ELISA法又は蛍光抗体法による抗体の検出又は中和試験による抗体の検出

(6)治療

 特異的な治療法はなく、対症療法が主体となる。

(7)感染予防方法

 マダニに咬まれないようにすることが重要です。
 農作業や庭仕事、レジャーなど野外で活動する際には、次のことに気をつけてください。

  • 長袖、長ズボンなどを着用して皮膚の露出を避け、すそを入れ込んでダニの付着を防ぐ。
  • 肌が出る部分には防虫スプレーを噴霧する。(説明書の注意書きに沿って使用してください)
  • 作業後は、体や服をはたき、ダニに刺されていないかを確認する。
  • 帰宅後は、すぐに入浴して身体をよく洗い、付着したダニを落とし衣服は洗濯する。
  • 吸血中のマダニを見つけた場合は、できるだけ医療機関で措置する。
  • マダニに咬まれた後に、発熱等の症状があった場合は、医療機関を受診する。

 ネコなどの動物からSFTSウイルスに感染しないよう、次のことに気をつけてください。
 SFTS以外の感染症に対する予防の観点からも

  • 動物を飼育している場合、過剰な触れ合い(口移しでエサを与えたりするなど)は控える。
  • 動物に触ったら必ず手洗いをする。
  • 動物のマダニは適切に駆除しましょう。
  • 野生動物は、どのような病原体を保有しているか分からないため、野生動物との接触は避けてください。

参考

マダニとは?

  • マダニは野外に生息する大型のダニで、食品等に発生するコナダニや、衣類や寝具に発生するヒョウヒダニなど、家庭内に生息するダニとでは種類が異なります。
  • マダニ類は、固い外皮に覆われた比較的大型(吸血前で3から4ミリメートル)のダニで、主に森林や草地などの屋外に生息しており、市街地周辺でも見られます。広くアジアやオセアニアに分布しており、日本でも全国的に分布しています。
  • マダニに咬まれることで感染する病気としては、日本紅斑熱、ライム病など多くの感染症が、マダニによって媒介されることが知られています。また、マダニではありませんが、ダニの一種であるツツガムシによって媒介される、つつがむし病などもあります。これらの疾患の日本での年間報告数は数百件程度で、高知県でも毎年、日本紅斑熱やつつがむし病の報告があります。

 ダニが媒介する感染症(高知県衛生研究所ホームページ)

【マダニに咬まれたら?】

  • マダニ類の多くは、ヒトや動物に取り付くと、皮膚にしっかりと口器を突き刺し、長時間(数日から、長いもので10日間)吸血します。無理に抜こうとすると、マダニの一部が皮膚内に残ってしまうことがあるので、吸血中のマダニに気が付いた際は、”病院を受診し、処置してもらってください”。
  • また、マダニに咬まれた後に、発熱等の症状が認められた場合は、病院を受診してください。

医療機関に対するお知らせ

 重症熱性血小板減少症候群(病原体がフレボウイルス属SFTSウイルスであるものに限る。)については、平成25年3月4日より感染症法における四類感染症に指定されました。
 次の届出基準にある臨床的特徴を有する者を診察した結果、症状や所見から重症熱性血小板減少症候群が疑われる場合等は、最寄の保健所にご連絡ください。

届出基準[PDF:411KB]

 また、検査により病原体等が検出され、確定診断が行われた場合は、次の様式で最寄の保健所まで発生届けを行ってください。

発生届[PDF:303KB]

 

関連するホームページへのリンク

厚生労働省ホームページ「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について」

国立感染症研究所ホームページ「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」

 

連絡先

高知県 健康政策部 健康対策課
住所: 〒780-8570 高知県高知市丸ノ内1丁目2番20号
電話: がん・企画担当 088-823-9674
難病担当 088-823-9678
感染症担当 088-823-9677
周産期・母子保健推進室 088-823-9659
ファックス: 088-873-9941
メール: 130401@ken.pref.kochi.lg.jp

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