高知県の動物愛護の取組について

公開日 2016年05月20日

 この度、高知県の動物愛護の取組について、たくさんの皆様からのメールやお電話をいただき、大変ご心配をおかけしております。
 いただいたご意見には、特定の犬や猫のこと、県の姿勢に関するものなど様々ありましたが、高知県がこれまでどのように動物愛護の取組を行ってきたか、そして今後どうしていこうと考えているのかについてご説明したいと思います。

 県では、不幸な犬や猫を減らすために、動物愛護の考え方の普及啓発や引取りの抑制、収容動物の譲渡などを行っておりますが、施設の物理的な制約などから収容能力には限界もあり、残念ながら少なからず殺処分を行っていることは事実です。
 そこで、こうした事態を解決する抜本的な対策として、動物愛護センターの設置について本格的に検討しております。
 ただ、設置するには少し時間がかかることから、それまでの間にもできる取組は積極的に行っていこうと考えています。
 以下に具体的に説明させていただきます。

 

1 殺処分しなければならない理由

 (1) 収容動物

 ペットとして飼われた犬や猫は、本来、その生涯を飼い主の元で過ごすことが最も望ましいのは言うまでもないことです。しかしながら、①元々飼い主のいない野良犬や野良猫も存在し、苦情があれば県は犬を捕獲します。また、②不幸なことに交通事故その他で負傷した犬や猫も収容します。加えて、③事情が生じて飼えなくなった飼い主から引取り依頼があって引き取る犬や猫もいます。
 このうち、③は飼い主を説得し、できるだけ引き取らないよう努めていますが、①と②は動物の愛護及び管理に関する法律第35条及び第36条に基づき県として引き取らざるを得ません。

 ※参考
   ①保護動物 犬343頭、猫1,541匹
   ②負傷動物 犬12頭、猫72匹
   ③引取り    犬145頭、猫300匹 (平成27年度実績)

 

 (2) 収容施設

 本県にはまだ他県のように動物愛護センターはなく、高知市と四万十市に、ともに昭和56年3月に建設された「小動物管理センター」があります。建物は古く、建設当時は、殺処分を前提に、1つの部屋に多数の犬(昔は猫は収容していなかった)を入れることにしていたことから40頭ほどの収容能力がありましたが、現在は、譲渡に向けてある程度犬のストレスを軽減させるよう、犬同士を離して収容していますので、高知市の小動物管理センターでは収容能力は20頭程度です。(四万十市の小動物管理センターは16頭)

 平成28年5月16日現在で高知市の小動物管理センターには犬を24頭収容しています。他の犬に危害を加える恐れがある犬がスペースを占有しているという事情もあり、通路や倉庫にもつないでいるなど満杯状態です。満杯では新たな収容ができませんので、大変残念ではありますが、譲渡適性が低い犬からやむを得ず殺処分という対応を取らざるを得ない状況です。     

 

2 殺処分を減らす取組

  殺処分を減らすには、以下の3つの取組があります。
    ア そもそもセンターに入ってくる犬や猫を減らす取組
    イ 収容された犬や猫をできるだけ多く譲渡・返還する取組
    ウ 施設の収容力自体を上げる取組

 

3 これまでの取組

 (1) そもそもセンターに入ってくる犬や猫を減らす取組

①無責任な飼い主を減らす
 市町村窓口での引取りを廃止するとともに、飼養者へ終生飼養を説諭して、飼い犬、飼い猫の引取り抑制を図っています。
 また、平成24年から引取りの有料化も始めています。
 さらに、飼い主のいない猫の増加を抑制するために、平成26年には、都道府県としては初めてメス猫の不妊手術の費用を負担する事業を開始しました。
 ただし、やはりなんと言っても県民一人ひとりに動物愛護の精神を持っていただく必要がありますので、動物愛護や適正飼養等の普及啓発に向けて、マスメディアを使った広報やポスターの掲示などをはじめ、動物愛護教室や犬猫の飼い方講習会、講演会などを実施しているところです。

②飼い主のいない犬猫対策
 県や市町村の広報誌などを通じて、猫の室内飼養や犬猫の不妊・去勢、飼い主明示の啓発を行っています。

 (2) 収容された犬や猫をできるだけ多く譲渡する取組

 これまで、この取組が弱かったのは否めません。平成5年に子犬の譲渡を開始して以降、成犬も譲渡対象にしたのは平成24年ですし、譲渡用猫舎の設置や猫の譲渡を始めたのは平成26年からでした。
 ただ、普及啓発や引き取り抑制を行ってきた結果、平成18年には犬2,049頭、猫6,244匹だった殺処分数は、平成27年には犬103頭、猫1,717匹まで減少しています。
 とは言え、未だに多くの犬・猫が残念な終末を迎えざるを得なかったのは事実です。
 全国の殺処分数と言えば、平成18年には犬112,690頭、猫228,373匹だったものが、平成26年には犬21,593頭、猫79,745匹となっています。

 (3) 施設の収容力自体を上げる取組

 狭隘な施設の中で、猫の譲渡の開始や収容力を上げるために、平成26年、27年に猫舎の設置や猫室の改修を行ったり、倉庫や廊下も利用して収容犬の飼養を行うなど、小規模な施設で何とかやりくりしている現状です。

 

4 これからの取組

 (1) 動物愛護センターの設置

 現在の小動物管理センターでは、どうしても取組に限界があります。そこで、高知県も動物愛護センターの設置に向けて本格的に検討を行っております。
 すでに共同での設置を検討している高知市とは協議を重ねており、設置できれば今行っている取組はすべて拡充できますし、新たなことにも取り組めるようになります。
 新しい取組として具体的には、

 ①そもそもセンターに入ってくる犬や猫を減らす取組の一つとして、子どもたちが身近な動物に触れ合う体験の中で動物を大切にする気持ちや思いやりを育むために気軽に動物と触れ合える空間ができたり、地域猫活動の支援なども可能です。

 ②収容された犬や猫をできるだけ多く譲渡する取組として、獣医師を配置することにより収容動物の健康管理や不妊去勢手術、負傷動物の手当や手術も可能になりますし、判定した結果「適正あり」とまでは言えない動物のしつけ直しや動物愛護ボランティアの育成などにも取り組めます。
 また、離乳前の子犬や子猫については、体温の保持や授乳、排泄等につきっきりの介助が必要であり、また、免疫力がないため病気に感染しやすいなど、現状では適切に飼養して​いくことが困難なことから、苦痛を長引かせないようやむを得ず殺処分していますが、ミルクボランティアなどの協力をいただくことにより、譲渡も始められるようになると考えています。

 ③施設規模の拡大により、長期間の飼養も可能となります。

 (2) 動物愛護センター設置までの間の取組

 上で述べたとおり、動物愛護センターが設置できれば、今よりはるかに充実した取組ができるようになりますが、設置・建設には一定、時間がかかります。
 一方で、犬猫の命を守るのは待ったなしですので、今からでもできることについては積極的に取り組んでいきたいと考えています。
 まず、センターに入ってくる動物を減らすため動物愛護の精神を普及するには、やはり幼い頃からの教育が大切なことから、学校での動物愛護教室の回数を増やし、児童やその保護者への啓発を促進します。
 また、譲渡については、新たに譲渡要領を策定し、より譲渡の幅を広げるとともに、適正譲渡を推進していくことにしました。これにより、従来は判定結果が「適性あり」の動物の譲渡については積極的だったものの、それ以外はあまり積極的とは言えない状況でしたので、「やや適性に欠ける」動物も、その動物の特性を十分理解していただくという条件はつきますが、積極的に譲渡するよう、譲渡対象動物の幅を広げます。さらに、これまで個人の終生飼養者のみを譲渡対象としていましたが、ボランティアの方々のご協力をいただけるよう、登録していただければ、新たな飼い主探しの活動を行う個人又は団体にも譲渡できるようにします。
 そして、予算の都合等があって明日直ちにというわけにはいきませんが、できるだけ早くセンターの敷地内に新たに犬用のプレハブ舎を設置し、今できる範囲で最大限、収容能力を上げたいと考えています。

 

 以上のように、不幸な犬猫を少しでも減らすために、一歩ずつではありますが着実に進めていきます。
 人の命が大切なように、動物の命についてもその尊厳を守るということは動物愛護の基本です。
 高知県では、これまでもその理念で取り組みを進めてまいりましたが、これからは小さくとも尊い命をなお一層大切にしていくことで、人と動物が共存できる地域づくりを目指していきたいと考えております。

 

【 参 考 】

高知県動物愛護管理推進計画について

(1)高知県動物愛護管理推進計画(計画期間:平成20年度から平成29年度)について

 平成20年4月に制定した高知県動物愛護管理推進計画に犬・猫の殺処分数を削減する目標を掲げました。

【目標】平成29年度までに
 犬 : 平成19年度比の50%減(1,694→847頭)
      平成23年度に目標を達成(740頭)

 猫 : 平成19年度比飼い猫50%減(3,088→1,544頭)
      所有者不明猫25%減(2,839→2,129頭)
      平成24年度に目標をほぼ達成
     (飼い猫1,330頭、所有者不明猫2,153頭)

 (2)第2次高知県動物愛護管理推進計画(計画期間:平成26年度から平成35年度)について

第1次計画の達成状況を踏まえ、平成26年4月に策定した第2次高知県動物愛護管理推進計画に、犬・猫の殺処分数をさらに削減する目標を掲げています。

平成35年度に  犬 平成24年度比35%減(  567→  368頭)
                         猫  平成24年度比60%減(3,483→1,393頭)

平成27年度の殺処分数は、犬103頭、猫1,717頭となっており、減少してきています。

これまで、犬・猫の引取り時の終生飼養についての説諭、犬の譲渡及び犬・猫の適正飼養について広報啓発を実施してきましたが、未だ、猫の殺処分数が多いことから、第2次高知県動物愛護管理推進計画では、特に猫の殺処分数を削減するために、以下のような新たな対策を実施しています。

 

① 猫の譲渡開始について

 これまで高知県では、猫を飼養する施設がなかったため、猫の譲渡を行っていませんでしたが、平成26年10月に猫を飼養する施設を設置したことにより、猫の譲渡を開始いたしました。
 譲渡される猫は、健康状態の検査や性質判断を行い、家庭動物としての適性が認められた猫を不妊・去勢手術を実施してから譲渡いたします。
 これから猫を飼いたいと考えておられる方は、小動物管理センターホームページから譲渡猫の情報をご覧いただき、気になる猫がおりましたら、ぜひ、小動物管理センターまで来ていただき猫をご確認ください。
 また、周りに猫を飼いたいと考えている方がおられましたら、譲渡猫の情報をお伝えください。
 なお、譲渡を希望される方には、事前に動物飼育に関する講習会を受けていただいております。詳しくは最寄りの保健所か小動物管理センターにお問い合わせください。

小動物管理センターホームページ

平成28年度 犬・猫の飼い方講習会

 

② メス猫不妊手術推進事業について

 猫の殺処分数の9割近くが子猫であるため、平成26年度から県がメス猫の不妊手術費の一部を負担し、殺処分される不幸な猫をなくす事業を実施しています。
 不妊去勢手術は病気の予防やストレスの軽減になり、繁殖のための争いや望まない妊娠を予防できます。
 不妊去勢手術を積極的に実施していただくとともに、まだ不妊手術を実施していないメス猫がおられましたら、保健所にご相談ください。

メス猫不妊手術推進事業

 

 

犬グラフ

猫グラフ

 

 

 

連絡先

高知県 健康政策部 食品・衛生課
住所: 〒780-8570 高知県高知市丸ノ内1丁目2番20号(本庁舎4階)
電話: 食品保健担当 088-823-9672
動物・水道担当 088-823-9673
生活衛生担当 088-823-9671
ファックス: 088-823-9264
メール: 131901@ken.pref.kochi.lg.jp