高知県の野良猫対策について

公開日 2019年05月10日

高知県の野良猫対策について

 

 近年、野良猫は、餌やり行為が増加することで栄養状態がよくなり、繁殖能力が高まった結果、生息数が増加し、住宅近隣での糞尿や食べ残した餌等の衛生面での問題や、繁殖期の鳴き声などによる生活環境面での問題を引き起こし、社会問題化しています。

  一方、世の中の動物愛護に対する意識は年々高まっており、動物との共存が強く求められるようになっていることから、人間にとって都合が悪いとの理由で短絡的に処分等を行うことは許されません。

 そうした社会情勢下における本県の野良猫対策についてご説明します。

 

1 野良猫の収容状況

 ア 成猫の収容

 本県では、負傷等によりやむを得ず保護しなければならない成猫以外は、原則として成猫の引取り・収容を拒否しています。

 これは、猫を外飼いされている方がまだ多くいるため、持ち込まれた猫が本当に野良猫なのか飼い猫なのかの判断が難しいこと、また、安易な気持ちで飼い始めた後にこれまた安易な気持ちで手放すために引取りを申し出る方が後を絶たないこと等があるからです。

 イ 子猫の収容

 平成29年度に小動物管理センターが収容した猫は全部で755匹ですが、アで記載した方針に基づき、このうち711匹(94.2%)は、授乳期の猫(以下、「ミルク猫」という)です。

 ミルク猫は、適切な室温管理のもとで、昼夜を問わず数時間毎の授乳・排泄を促す世話に大変な労力を要します。繁殖期に集中するそうしたミルク猫を全て収容し適切に飼育するには、相応の施設と相当な人材が必要となります。ミルク猫を収容するにしても、その数の軽減が必要であり、そのためには、収容されるミルク猫を生み出さない取組を進めることが、最も効果的であると考えています。

 しかし、多くのミルク猫が持ち込まれている現状では、特に夜間などには長時間放置せざるを得ない状況であり、ミルク猫を苦しませてしまうこととなり、そのことは他県と同様に動物福祉の観点からむしろ適切ではないと判断し、やむを得ず殺処分を行っています。

ウ 殺処分数及び殺処分率

 犬や猫の殺処分数や殺処分率を集計、ランキングした公的資料はありませんが、環境省の統計資料として都道府県、政令都市、中核市の犬・猫の収容・譲渡・殺処分を取りまとめた「犬・猫の引取り及び負傷動物の収容状況」があります。

 この統計資料(平成29年度)を都道府県単位で再集計すると、殺処分した猫の数は高知県全域(高知市分含む)で720匹(全国24位)、殺処分数の最も多い長崎県2,888匹の1/4であり、かつ、近年は大幅に減少しています。(表1)

 また、同様に犬の殺処分数も大幅に減少しています。(表2)

 他方、殺処分率は、殺処分数/収容数という計算で求められますが、環境省の統計資料(平成29年度)を単純に当てはめると95.3%となり、全国一位となります。これは、上のアやイで記載したとおり、分母となる収容される猫のほとんどがミルク猫であり、やむを得ず殺処分を行わなければならないことが原因になっています。

 犬や猫の収容や譲渡、殺処分については、各都道府県の施設等の事情のほか、それぞれの気候風土や動物との関わり、歴史的背景等様々な事情が関わっており、他県と数値で単純比較して、本県の行政や民間ボランティアによる動物愛護活動が低調であると断じられるものではないと考えています。

 

※処分頭数には、収容後の病死や負傷による死亡頭数等も含まれます。

 

※処分頭数には、収容後の病死や負傷による死亡頭数等も含まれます。

 

2 本県の野良猫対策

ア ミルクボランティア制度

 ミルク猫を「不幸な命」として終わらせず、譲渡に繋げるため、本県では(高知市を除く)、平成30年度からミルクボランティア制度を導入し、その結果、10頭が譲渡に繋がりました。

 しかし、ミルクボランティアへの登録者はわずかであり、殺処分を免れることができるミルク猫は全体のごく一部に限られるため、より多くの方にボランティアに参加していただくことが必要です。

イ 不妊手術の助成事業

 そうしたミルクボランティア制度などにより、収容した猫を譲渡する取組(川下対策)を行っていますが、それにより救われる猫の数は、残念ながら多くはありません。そこで本県では、そもそもそのような猫を生み出さない取組(川上対策)に力を入れています。

 高知県では、飼い主のいない猫と飼い猫のみだりな繁殖を防止することを目的に、平成26年度に都道府県レベルでは全国で初めて猫の不妊手術の助成事業を導入するなど、特に不幸な命を減らすよう野良猫の不妊手術の推進に、ボランティアの方々の協力を得て積極的に取り組んでいます。

 また、最近では、複数の市町村で県の助成事業に上乗せもできる形で独自の助成制度を設けるようになっています。

 その結果、これまでに県助成分に限っても3,700頭の不妊手術を実施できました。現在、同様の助成事業を行っている都道府県は8団体ありますが、昨年度の本県の予算・手術頭数は全国トップであり、官民の取組としては全国に誇れるものとなっています。

 本年度は、助成頭数をこれまでの1,200頭からさらに1,300頭に増やすとともに、それとは別に、野良猫が散見される特定エリアを対象に、市町村とボランティア、地域住民等が協働して集中的不妊手術を実施する分として、新たに200頭分の予算を確保し、合計で1,500頭のメス猫に不妊手術を実施する予定です。

 

3 最後に

 本県は、動物愛護意識の向上、遺棄・虐待をしない・させない社会づくりの実現として「殺処分ゼロを目指す」こととしており、ミルク猫のような不幸な命を1つでも減らし続けることに取り組んでいます。

 先日、東京都が平成30年度に殺処分ゼロを達成した旨の宣言をされましたが、東京都と同様の殺処分基準※を当てはめると、本県でも平成30年度に「殺処分ゼロ」を達成しています。

 動物愛護行政、特に野良猫対策については、県民の皆様との協働がなければできない取組であり、今後ともご理解のうえご協力を賜りますようお願いいたします。

 

※東京都の殺処分基準とは(東京都報道発表資料より)

・動物福祉等の観点から行ったもの及び引取・収容後に死亡したものを除く、致死処分を「殺処分」と表現しています。

「動物福祉の観点から殺処分」(東京都動物愛護相談センターHPより)

・飼養管理が困難な生後間もない子犬や子猫※※

・治療が困難な著しい苦痛を伴った負傷動物

・著しい攻撃性等、問題行動を持ち矯正が困難な動物

・飼育管理が困難な高齢動物

 (※※高知県のミルク猫と同じ意味)

  

 

連絡先

高知県 健康政策部 食品・衛生課
住所: 〒780-8570 高知県高知市丸ノ内1丁目2番20号(本庁舎4階)
電話: 食品保健担当 088-823-9672
動物・水道担当 088-823-9673
生活衛生担当 088-823-9671
ファックス: 088-823-9264
メール: 131901@ken.pref.kochi.lg.jp