土佐あかうし(土佐褐毛牛)

公開日 2010年06月15日


1.土佐あかうしとは

 日本の肉用牛である和牛4品種(黒毛和種、褐毛和種、日本短角種、無角和種)のうち、高知県内でしか改良されていない褐毛和種・高知系の通称。高知県内では土佐褐毛牛とも呼ばれています。

 特に牛肉流通においては高知県産褐毛和種として土佐和牛「土佐あかうし」で流通しています。
 

2.土佐あかうしの歴史

 明治時代のなかばから九州方面より移入された韓牛系統の牛は、性質温順しかも動作機敏、暑さ、粗食に耐え、使役牛として在来牛に遙かに勝るということで、本県の水稲二期作地帯の農家は競って飼養し、この牛や韓牛による繁殖を行いました。

 その後、体躯改善等を図るため、一時的にシンメンタール種や熊本県産の褐毛牛との交配も試みられた後、大正時代後半より高知県内の集団内の牛から優秀な個体を選抜するという閉鎖育種の方法により改良がすすめられ、昭和19年に「褐毛和種」として認定されました。

 昭和30年代後半以降は、和牛の価値がそれまでの役用から肉用へと転換したことから、産肉能力を主体とした改良がすすめられ、現在の土佐あかうしができあがりました。
 

3.土佐あかうしの特徴

 同じ褐毛和種である熊本系とは毛色において特徴が異なります。高知系については褐色の被毛に、目の周囲、鼻、蹄等が黒い特徴を持つ「毛分け」と称する毛色が一般的です。

 その愛くるしい表情と美しい被毛は、シバ草地での放牧風景に映え、放牧場では子育て上手な母牛に子牛が寄り添う光景が見られます。また、放牧適性の高さから、近年問題となっている中山間地での耕作放棄地対策にも役立っています。


4.土佐あかうしの改良

 高知県では生産者や関係機関と連携し、土佐褐毛牛改良増殖推進事業として、この特徴ある和牛の維持・改良を行っています。血統情報と枝肉成績から育種価評価を行い、優秀な雌牛群を選定し、その雌牛に優秀な種雄牛を交配して子牛を生産し、その中からさらに優秀な種雄牛を選抜する、という手法により改良を進めています。

 高知県内に2,700頭(そのうち母牛が1,000頭)しかいない牛群のなかで、改良を行うことは大変難しい状況ですが、そのぶん1頭1頭の血統情報の管理や、飼養管理面での指導など、きめ細かい目線が行き届くことから、県内の生産者とともに安全・安心な和牛生産を推進しているところです。
 


 優秀な種雄牛作出のため、受精卵分割技術を活用して平成21年12月には土佐あかうしの一卵性双子雄子牛も誕生しました。(上写真)
 

5.土佐あかうしの美味しさ

 土佐あかうしの美味しさは、赤身とサシのバランスの良さにあります。旨みを蓄えた赤身は、しっかりと28ヶ月齢程度まで肥育されることで、グルタミン酸やアラニンなど、旨みや甘みを感じるアミノ酸が豊富にあり、これは熟成させることで更に旨みが増します。特に甘みを感じるアミノ酸の総量は黒毛和種の2倍以上で、熟成により4倍にまで増加することが解っています。

 一方、サシと言われる霜降りは、入りすぎずに適度な量であることからヘルシーであると同時に、そのサシの細かさや融点の低さから、キレがよく喉ごしの良いこの牛独特の風味を生み出します。(黒毛和種が25から33℃なのに対して土佐あかうしは26℃。高知県畜産振興課調べ。)

 旨みとジューシーさを兼ね備えた土佐あかうしは、シンプルに塩で味わう焼肉・ステーキはもちろん、モモ肉の赤身の旨さを活かしたローストビーフも絶品です。程良い脂なので煮込んでもぱさつかず、フレンチやイタリアン向けの食材に、また、冷えてもべとつかない特性をいかして、和牛のタタキなどの和食分野の食材としても高く評価されているところです。
 


6.土佐あかうしの流通

 土佐あかうしの年間出荷量は約700頭。これは和牛生産量の0.2%しかありません。高知でしか生産されていない貴重で特徴ある牛肉のPRのため、平成21年に土佐和牛ブランド推進協議会により「土佐あかうし」ブランドが新たに立ち上がりました。高知県の和牛ブランド“土佐和牛”のうち、高知うまれ高知そだちの土佐褐毛牛は“土佐和牛「土佐あかうし」”として流通されています。(一部では「土佐あかうし嶺北ビーフ」としても流通しています。)

【流通に関するお問い合わせ先】
土佐和牛ブランド推進協議会 事務局 全農こうち畜産課 088-883-4413

連絡先

高知県 農業振興部 畜産振興課
住所: 〒780-0850 高知県高知市丸ノ内1丁目7番52号
電話: 総務担当 088-821-4551
経営流通担当 088-821-4810
衛生環境担当 088-821-4553
ファックス: 088-821-4578
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