獣医師が不足しています。(社会的使命への貢献)

公開日 2011年06月23日

   今、地方公共団体、とくに地方自治体勤務を希望する獣医師が激減しています。これは、各自
  治体が募集しても応募が定員に達しない状況が続いているためです。

    現在、毎年約1,000人の大学新卒者があり、このうち地方自治体勤務の希望者は約1~2
  割(200人前後)で推移しています。一方、地方自治体は、平成22年度で300人以上の募集が
  あり、単純にみても100人以上が不足することになります。

       このように、近年、地方自治体に勤務する獣医師は、慢性的に不足している傾向が特にみら
 れており、今後、畜産を初め公衆衛生に関する地方行政の円滑な推進に支障を来すことが懸念
 されています。

   さて、獣医師という資格は、全国の獣医科系大学(全国16校:国公立11校、私立5校)で6年
   間所定の過程を履修後、農林水産省が管轄する国家試験に合格して初めて免許として取得でき
   ます。取得後は、本人の希望により、動物関連の病院や診療所のほか、各大学、研究機関、民
   間企業、国家公務員や地方公務員、農業共済組合連合会、JA等関連団体など多方面に就職し
   ています。

   しかしながら、近年は高収入と華やかさに加えペットブームの影響もあって動物病院とくに犬猫
  関係の小動物病院勤務を希望する獣医師が増加しています。このため、産業動物いわゆる牛や
  豚、鶏などの家畜に関わる分野(公務員、農業共済組合連合会、JA等)へ就職する獣医師の数
  が減少しています。

     これら産業動物は、小動物とは異なり主に畜産農家の方が愛情をもって育てた後、最終的に
   は肉や生乳、卵等の畜産物として出荷販売されることで、畜産農家の収入となります。一方で、
   これらは県民の皆様の食卓を彩る食材のひとつになるばかりでなく、栄養的には子供さんにとっ
   て成長に欠かせない動物性タンパクの供給源となるためヒトの食生活に不可欠なものです。

       小動物も産業動物もそれに関わる獣医師の基本業務は病気の治療ですが、とくに後者の場
   合は、家畜が健康でストレスなく活動できるよう様々な病気を予防するとともに、病気にかかって
   も適切な診断と治療を行い健康な状態に早く戻すことで発育や繁殖等を阻害する要因を取り除
   いて畜産農家の経済的損失を防いでいます

     一方、家畜の病気の中にはヒトに感染するものもあり、家畜で発生した場合はヒトにまん延す
   ることがないよう
家畜の段階で封じ込めるためのあらゆる対策を講じています。

     最近では、高病原性鳥インフルエンザや口蹄疫など家畜にとって恐ろしい病気が発生していま
   すが、このような病気の発生時には、病気が広い地域に拡大して甚大な被害とならないよう発生
   初期で素早く診断し、その後の措置に移行できるように常に緊張感をもって発生を監視していま
   す。

       このように産業動物に携わる獣医師の役目は、家畜等を通じて県民の方々の生活と食に関
   わる安全と安心を確保することであり、その社会的責任は重大です。現在、この社会的責任を担
   うべき獣医師が不足
しており、この状況が続くことで、将来これら責務を全うできるかどうか危惧
   されています。

       そこで、産業動物に興味がある、畜産農家の経営を助けて畜産業を支えたい、または県民生
   活における食の安全・安心を担う意欲があるなど志のある獣医師や、現在獣医師を目指してい
 る方が一人でも産業動物の分野における仕事を希望されるよう家畜保健衛生所職員一同、心か
 ら切にお願いするものです。

     平成24年4月1日付で、高知県に獣医職として採用された職員の一人が地元の新聞(平
  成25年11月21日付高知新聞:「ただ今修行中」のコーナー)に掲載されました。

 

    


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