第4回INAP報告書(高知港開催挨拶)

公開日 2013年03月27日

更新日 2014年03月30日

2002年11月14日

第4回INAPシンポジウム:開催挨拶

開催挨拶(第3代会長・橋本大二郎高知県知事)

INAP2002シンポジウム知事挨拶

 フィリピン・セブ港、スリランカ・コロンボ港、中国・青島港、フィリピン・スービック湾港、インドネシア・タンジュンペラ港、そして日本・高知港のINAP会員の皆様、オブザーバー参加いただきましたチリ・イキケ港の皆様、また、フィリピン政府の皆様、そして、本日会場にお集まりくださいました、フィリピンの港湾関係者・企業の皆様。

 私は日本国高知県知事の橋本大二郎です。
 皆様方のご参加を得て、第4回INAPシンポジウムが開催されますことを大変光栄に存じます。
 
 まず、会場の皆様に、昨日開催されました第4回INAP総会において、スービック湾都市開発庁のフェリシト C パユモ長官がINAPの新会長に選ばれましたことをご報告いたします。

 また、開催にあたりましては、パユモ長官をはじめスービック湾都市開発庁の皆様には大変なご尽力をいただきました。会員を代表いたしまして心からお礼申し上げます。

 私は、すでに前会長の立場となりましたが、INAPの設立当初から係わっているものとしてひとことご挨拶申し上げます。

 さて、INAPは1998年にスリランカのコロンボ港において設立をされました、姉妹港関係を基礎とした港湾のネットワークです。姉妹港同士の個別の関係だけでなくネットワークを通じたより多面的・重層的な交流を行うことにより、各会員港とその地域の発展に寄与することを目指しています。

 具体的には、3つの目的があると思っています。ひとつは、最新の海運動向や経済情勢に関する情報交換を行うことにより、各会員が国際港湾として発展すること、またひとつは、各会員の属する地域同士が経済面や文化面での交流を行うことにより、経済成長と相互理解を実現すること、そして、最終的にはそれらの活動を通じて港湾が世界平和の実現に貢献することを目指しています。

今も、世界の各地で争いがあり、テロのような行為が行われていることは非常に残念であり、交流と連携を通じて世界平和に貢献することはINAPの重要な役割だと思っています。

 世界の経済情勢を見ますと、輸送手段や情報技術の飛躍的な進展によりグローバリゼーションがますます進展しています。そのなかで特に注目されますのは、アジア、なかでも東アジアの経済成長が著しいことがあげられます。東アジアは世界の成長センターとして1980年代から90年代にかけて発展を続け、97年のアジア通貨危機を経た2000年にも7%の経済成長を遂げ、世界の輸出の18%、輸入の15%を占めるに至っています。

 大きな要因のひとつとして外資系企業の東アジアへの進出があると思います。自動車やIT関連などの製造業から流通・小売、金融に至るまであらゆる外資系企業が東アジアに進出していますし、平行して現地企業も発展しています。

 それにつれて、東アジア域内での国境を越えた役割分担が進展し、域内の貿易量も急速に増加していますし、また、東アジア内外の人の動きも増加の一途をたどっています。その結果、東アジアでの各国の相互依存度が高まるとともに競争も激化してきました。

 背景には世界的なグローバリゼーションの流れがあると思いますが、具体的には貿易・投資障壁の低減や撤廃などの各国の努力が成果を上げているものと思います。ASEAN自由貿易圏構想「AFTA」も着実に進展しており、今後もこの成長は続くと考えられます。

 一方で、こういった成長やグローバリゼーションの陰には、貧富の差や雇用問題、環境問題などの課題が横たわっていることも事実であり、各国、各地域はねばり強い協調の精神により、様々な問題との調和を図りながら持続的な経済成長を実現していかなければなりません。

 また、海運動向に関しましても、船舶の大型化とそれに伴う寄港地の集約が一層進展しており、受け入れる港の側としても変化の激しい海運情勢を的確に把握し、経済成長を支える基盤として発展していかなければなりません。

 そういう意味で、INAPが担う役割は重要であると思いますし、本日このシンポジウムがフィリピンのスービック湾港で開催されますことは大きな意味があると思います。フィリピンはASEAN諸国の重要な一員としてAFTAに象徴されます各国との経済協力に力を注いでいますし、本年5月にアロヨ大統領が来日されました際には、日本との自由貿易協定締結の提案もなされ、日本経済界から大きな期待を集めたところです。

 また、こちらのスービック湾港やスービック国際空港を有するスービック湾特別経済自由港地域は、世界的な物流事業者であるフェデラル・エクスプレス社がアジアのハブ拠点を設置しているほか、世界各国から企業が進出しまさに国際社会を形成しています。

 古くから港湾は、人、もの、情報が行き交うゲートウエーとして世界の成り立ちに大きな役割を果たしてきました。世界の経済環境や海運動向が急激に変化していくなかで、INAPがその活動を通じて21世紀に果たすべき港湾の新しい役割の一部を担うことができれば非常に嬉しく思います。

 本日のシンポジウムを通じて、INAPがアジアだけでなく世界に向けてますます成長いたしますことを期待いたしますとともに、本日お集まりの皆様それぞれの発展に寄与できますことを念願いたしまして、ご挨拶といたします。

 ご静聴ありがとうございました。

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高知県 土木部 港湾振興課

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