使用者相談Q&A(平成29年7月10日更新)

公開日 2017年07月10日

 この「使用者相談Q&A」のコーナーでは、日ごろ高知県労働委員会に寄せられている使用者からの労働相談の中で代表的な質問について取り上げ、対応策などを回答しています。
 ただし、ここで記載している質問・回答は、あくまで一般的な内容のものです。より具体的な内容についてのご相談は、高知県労働委員会にご相談ください。
  
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■ 質問一覧

  
  Q11 勤務態度が悪い試用期間中の社員について、試用期間満了時に本採用を拒否しようと考えていますが、問題ないでしょうか。
  Q12 会社の業績悪化を理由に、賞与(ボーナス)を支給することができなくなってしまいましたが問題はないでしょうか。
  Q13 パート職員にも有給休暇を付与する必要があるのでしょうか。    
  Q14 始業時間前に行う朝礼や清掃に出席した時間分の賃金支払いを請求されました。支払う必要があるのでしょうか。 
  Q15 別会社で働いている者を、パート職員として雇用することにしました。一日の労働時間が法定労働時間を超えますが、問題ないでしょうか。 
  Q16 有期雇用の従業員に雇止めの理由を記載した文書の交付を求められました。交付する必要がありますか。
  Q17 不当労働行為の申立てが行われたらどうなりますか。 
  Q18 定年退職する社員から、年休の請求がありました。業務への支障を考え、年休取得を拒否してもよいでしょうか。   
  Q19 社員から介護休業を取得したいという申出がありました。会社にはそのような制度がありませんが、取得させる必要があるのでしょうか。 
  Q20 従業員が、「明日で会社を辞める」と言って退職届を持って来ました。退職を認めないといけないでしょうか。

Q1 採用時に、口約束でしたがお互い納得していた賃金について、従業員から「聞いていた話と違う」と、突然言われました。 

 お答え
 労働条件通知書の交付は会社の義務です。採用が決定した段階で早めに交付しましょう。
 従業員の同意書形式をとることも、トラブル防止の観点から望ましいと考えます。
 賃金は従業員にとって最も重要な労働条件です。曖昧に済まさず、早めに話し合いを持ちましょう。
 
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Q2 会社の経営状況から、賃金カットを考えています。従業員の同意がなくても就業規則を変更することで実施できますか。

 お答え
 一度決まった労働条件を変更する場合には、原則として従業員の同意が必要となります。
 同意を得るためには、必要性や従業員の被る不利益の程度を明確に説明し、理解を得るよう努力しなければなりません。
 可能であれば代替措置として他の労働条件を有利にする提案も良いでしょう。
 従業員の同意がとれたら、書面で記録に残すと後のトラブルを防げます。
        同意が得られなかった場合、就業規則の変更により、会社の判断で労働条件を変更することも可能です。
        しかしながら、そのためには、変更後の就業規則を従業員に周知させ、その変更内容が合理的であることが必要です。
 
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Q3 当社では、従業員に業務上必要な資格を取得させるため、会社の費用で各種研修を受講させています。
   しかし、せっかく研修を受講させても資格取得後、すぐに会社を辞めてしまう者もいます。
   このため、一定期間勤務しないで退職する場合は、会社が負担した受講料を全額返還する旨の誓約書を研修受講時に提出させるように考えています。このようなことは可能でしょうか。

お答え
 
 労働基準法では、使用者は労働者が労働契約に違反した場合に違約金を定めたり、損害賠償額を予定するような契約をしてはならないと規定しています。
 一般的に、その研修が業務命令によるもので、研修にかかる費用が使用者として当然に負担すべきものであるなどの場合、研修後一定期間を勤務しなければ研修費用の返還を求めることは、同条に違反すると判断される可能性が高いので注意が必要です。
 
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Q4 従業員に他部署への配置転換を打診したのですが、経験がないからとして断られ、同意を得ることができませんでした。
   当社の就業規則には「会社は業務の都合により従業員に対し、職種及び職場の移動及び転勤を行うことができる」という規定がありますので、この規定に基づいて同意がないまま配置転換を命じることができるでしょうか。

お答え 会社は通常、業務上の必要に応じて、従業員の同意を前提とせずに配置転換を行い、一般的には配置転換命令の拒否は業務命令違反として懲戒処分の対象となります。しかし、就業規則に規定があるからといって、いつでも一方的に配置転換を命じられるわけではありません。例えば、契約の中で、その従業員の就業場所や職務内容について限定している場合は、従業員の同意を得る必要があります。また、労働契約の範囲内であっても、配置転換は従業員の職業上・生活上の利益に対する影響が大きいので、会社は従業員に対し、その理由や必要性について十分に説明することが求められます。
 
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Q5 従業員が営業中に、接触事故により会社の車を破損してしまいました。修理代金の一部を従業員の給料から差し引こうと考えていますが、問題ないでしょうか。

お答え

 従業員が業務中のミスにより、会社又は第三者に損害を与えた場合、従業員に故意や過失があれば、不法行為又は債務不履行として、損害賠償責任が発生するのが原則ですが、業務を遂行する過程で通常発生する事が予測されるミス(軽微な過失)の場合は、「損害の公平な分担」という信義則上の基本理念から、損害賠償責任を認めることは難しいと言われています。
 また、労働基準法では、原則として賃金はその全額を支払わなければならないとされており、損害賠償を請求できる場合でも、賃金から全部又は一部を一方的に天引きすることは違法です。
 
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Q6 仕事が忙しく、従業員が年次有給休暇を取得できないので、買い取ることを考えています。法的に問題ないでしょうか。

お答え

 年次有給休暇制度の趣旨は、労働者の心身の疲労の回復を図るものであるため、年次有給休暇の買い取りは、この趣旨に反し、原則として認められません。ただし、法定日数を超えて付与された部分の日数や、退職等による未消化の日数、時効により消滅した日数の年次有給休暇を買い取ることは、上記の趣旨に反しないと考えられることから可能です。年次有給休暇の趣旨を踏まえて取得しやすい職場環境づくりを心がけましょう。

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Q7 当社は、残業代は毎月固定額を支給する定額残業制を採用していますが、残業時間が多かった社員から残業代の請求がありました。支払う必要があるのでしょうか。

お答え

 残業代を固定額で支給する場合、その固定額が実際の残業時間に基づく労働基準法に定められた割増賃金を上回れば問題ありませんが、下回れば同法に違反することになります。このため、定額残業制を採用していても、固定額を上回る残業代については、その差額分を支払う必要があります。なお、定額残業制を行うには、実際の残業時間に基づく法定の割増賃金の額が固定額を上回る場合は、その差額を支払うことを就業規則等に定めたうえで、定額残業代部分について他の賃金と明確に区分し、何時間分の残業代に相当するかを明確にしなければなりません。

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Q8 60歳定年を迎える従業員から、定年後も雇用をしてほしいとの話がありました。会社の経営が厳しいため、雇用はできないと考えていますが断っても問題はないでしょうか。

お答え 高年齢者雇用安定法により、65歳未満の定年の定めをしている事業主は、65歳までの安定した雇用を確保するため、定年の引上げ、継続雇用制度の導入、定年の定めの廃止のいずれかの手段を取ることが求められています。
 このうち、継続雇用制度を導入する場合には、従来、労使協定で定めることができた継続雇用制度の対象となる高年齢者を事業主が限定できる仕組みは、平成25年4月1日から新たに導入できなくなっています。
 また、就業規則に定める解雇事由等に該当する場合、継続雇用しなくてもよいとされていますが、この場合、解雇と同様の厳しい基準が求められます。会社の経営が厳しいという理由だけで継続雇用しないのは、高年齢者雇用安定法に反するものとなるため、希望があれば継続雇用しなければなりません。
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Q9 当社の従業員が、個人加盟できる労働組合(合同労組)に加入し、その組合から賃金引き上げ等を要求事項とする団体交渉申入れがありました。その組合に加入している当社の従業員は1人だけですが、団体交渉申入れに応じないといけないでしょうか。

お答え

 使用者が、雇用する労働者の代表者との団体交渉を正当な理由なく拒否することは、労働組合法において不当労働行為として禁止されています。この「雇用する労働者の代表者」とは労働組合法上の労働組合とされ、合同労組も含まれます。団体交渉申入れがあった労働組合に従業員が1人しか加入していなくても、そのことを理由に団体交渉を拒否することはできません。

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Q10 病気のため休職している社員が、就労可能との主治医の診断書を提出し復職を希望してきました。復職についてどう対応したらいいでしょうか。

お答え 
 主治医の就労可能との診断書は尊重すべきですが、それだけに拘束されるものではありません。主治医や産業医にどのような業務であれば復職できるのかなどの意見を聞いたうえで使用者が就労可能か判断することになります。
 なお、社員が従前の業務では十分な労務提供ができない場合でも、回復の状況を考慮し、業務量の軽減や配置転換を行うことで、復職させることが必要な場合があります。
 また、治癒の判断など一連の手続きについては、就業規則に明文化しておくことが望ましいでしょう。

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 Q11 当初3か月は試用期間として正社員を採用しました。しかし、勤務態度が悪いため試用期間満了時に本採用を拒否しようと考えていますが、問題ないでしょうか。

 お答え
 試用期間とは、一般的に、労働者の能力等を評価して社員としての適格性を判断する期間とされていますが、試用期間中であっても労働者と使用者との間には労働契約が成立しています。
  このため、試用期間満了時に本採用を拒否するのも解雇になりますので、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当である必要があります。
試用期間の性質を考慮して、通常の解雇より広い範囲の解雇の自由が認められる可能性がありますが、勤務態度が悪いとしても、その程度や改善の見込みを考慮する必要があります。また、適切な指導をしていないといった事情があれば、解雇が認められない可能性もあります。

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 Q12 会社の業績が悪化し、夏の賞与(ボーナス)を支給することができなくなってしまいました。毎年2回、夏季と冬季に必ず支給していたため、従業員からは賞与がないと困るとの声が上がっています。支給しなければならないでしょうか。

お答え
 賞与の支給は法律上義務付けられているものではありません。しかし、就業規則や労働契約等に「賞与は年2回支給する」というように定められている場合には、使用者に賞与の支給義務が生じますので、原則として賞与を支給しなければなりません。
 一方、「賞与は、会社の業績を考慮し支給する」というように定められている場合、賞与を支給するかどうかは、会社の業績によることとなりますので、会社の業績がこれまでよりも悪化した場合には、賞与を支給しなくても違法とはならない可能性があります。戻る


Q 13  先日、パート職員から、年次有給休暇は取れないのかと聞かれました。当社では、正職員に有給休暇は付与していますが、パートやアルバイト職員には年次有給休暇を付与していません。有給休暇を付与する必要があるのでしょうか。

 お答え
 パートやアルバイト職員でも、所定労働日数が週1日又は年48日以上であれば、6ヶ月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した者には、年次有給休暇は付与されます。付与される日数は、1週間の所定労働日数が5日以上、又は1週間の所定労働時間が30時間以上であれば正職員と同様となり、これより少なければ、労働日数に応じて比例付与されます。
 パートやアルバイト職員にも、年次有給休暇が付与され得るということを理解し、その上で、具体的付与日数については、労働基準法施行規則第24条の3と照らし合わせるとよいでしょう。
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Q14 会社は、10時開店ですが、毎日9時30分から朝礼と清掃を行っています。朝礼では、当日の業務分担等を話し合っており、清掃は各従業員の担当場所が決まっています。雇用契約書では朝礼や清掃への出席を義務付けておらず、勤務開始時間は10時としていますので、朝礼や清掃時間分の賃金は支払っていませんでした。賃金を支払う必要があるのでしょうか。

 お答え
 始業時間前に行う朝礼や清掃についても、その時間が労働時間に該当する場合は、賃金を支払う必要があります。労働時間に該当するかどうかは、労働契約等の定めによって決まるものではなく、労働者が使用者の指揮監督下にあると評価できるかどうかにより客観的に定まるものとされています。契約上は出席を義務付けていなくても、出席を余儀なくされている事情が認められれば、使用者の指揮監督下に置かれたものとして労働時間と判断され、賃金を支払う必要があります。

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Q15 14時~19時に別会社で働いている者を、朝8時~12時勤務のパート職員として雇用することにしました。労働時間が通算9時間となり、法定労働時間を超えますが、問題ないでしょうか。

お答え 労働時間は、異なる2つの会社で労働する場合も通算されます。このため、原則として、1日8時間、1週40時間の法定労働時間を超えて労働をさせる場合には36協定を締結する必要があり、法定労働時間を超えて働かせた時間分について、割増賃金を支払う必要があります。これらの36協定の締結、割増賃金の支払いは、原則として時間的に後で労働契約を締結した使用者がすることとされていますので、後から労働契約を締結する貴社が行うことになります。また、労働契約を締結する際には、法定外の労働時間が含まれていることを契約上明らかにする必要もあります。戻る


Q16 有期雇用の従業員を雇止めすることとなりました。その従業員に雇止めする理由を口頭で伝えたところ、理由を記載した文書の交付を求められました。改めて文書を交付する必要がありますか。

お答え 契約を3回以上更新している、又は雇入れの日から1年を超えて継続雇用している有期契約の労働者を雇止めする場合、契約更新しない旨を明示しているものを除いて、使用者は契約期間の満了する日の30日前までにその予告をする必要があります。また、その労働者から雇止めの理由についての証明書の請求があれば、使用者は遅滞なく交付する必要があります。
 このため、口頭で雇止め理由を伝えたとしても、上記の要件を満たす労働者から文書の交付を請求された場合は、改めて雇止めの理由を記載した文書を交付する必要があります。

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Q17 先日、労働組合と団体交渉を行っていると「不誠実団交だ、労働委員会へ不当労働行為で申し立てる」と言われました。不当労働行為の申立てが行われたらどうなるのですか。

お答え 労働組合法は、使用者が、(1)労働組合員であること等を理由に解雇などの不利益な取扱いをすること、(2)団交を拒否することや不誠実な団交をすること、(3)組合の運営等に支配介入すること、などを不当労働行為として禁止しています。
 労働委員会は、不当労働行為があったとの申立てが行われたら、労使双方の主張、立証等に基づいてそのような事実があったかどうかを審査し、不当労働行為があると認めた場合は、それを救済する命令を発することとなります。不当労働行為の審査は、必要に応じて証人尋問を行うなど、裁判と類似の手続で行われます。 

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Q18 定年退職する職員から、「年次有給休暇を全て消化するため、明日から退職日まで出社しないので引き継ぎは行えない」と、年休の請求がありました。業務への支障を考え、年休取得を拒否してもよいでしょうか。

 お答え使用者には年休の時季変更権がありますが、他の時季に年休が与えられないのであれば行使することはできないため、年休請求を拒否することはできません。たとえ、就業規則に退職時に引き継ぎを行う義務が定められていたとしても、あくまでも就労義務の範囲内で引継義務を課すものであり、年休により就労義務が免除される場合にまで課すことはできません。
 年休を買い取る方法もありますが、使用者が一方的に買い取ることはできないため、年休請求の撤回と併せて説得することになります。
 このようなことにならないためにも、日頃から年休取得を促すことが重要です。

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Q19 長年勤めている社員の父親が急に倒れたため、介護休業を取得したいという申出がありました。会社にはそのような制度はありませんが、取得させる必要があるのでしょうか。

お答え
 父親など家族が負傷、疾病又は身体上・精神上の障害により2週間以上の期間にわたって常時介護を要するような状態になった労働者は、同一の事業主に継続して雇用された期間が1年以上であること等の要件を満たせば、会社に制度がない場合でも、介護のために家族1人当たり93日を限度として介護休業を取得できることが法律で決められています。また、社員の介護休業の申出を拒否することや、その申出や取得を理由に解雇その他の不利益な取扱いをすることは禁止されています。 なお、就業規則が会社にあれば、介護休業について記載する必要があります。

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Q20  無期雇用の従業員が、「明日で会社を辞める」と言って退職届を持って来ました。急に辞められると困るので、退職届は受け取らず、改めて話し合いをすることとしましたが、退職を認めないといけないでしょうか。

お答え 
 雇用期間に定めがない労働者から労働契約の解約(退職)の申し入れがあった場合、原則として解約申入れの日から起算して2週間経過したときに退職が成立します。また、就業規則等に「退職届は1か月前に提出すること」等の規定があれば、そちらの期間が優先される可能性もあります。このため、ご質問のように明日付けでの退職を認める必要はありませんが、退職の意思表示があった日から一定期間経過すると退職が成立します。
 退職を申し出るということは、相当の理由があると思われます。従業員に理由を聞き、会社として対応できることはないか話し合ってみてはどうでしょうか。

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Q21 当社では、一定の年数以上勤務した従業員が退職する場合に限り退職金を支給していますが、問題ないでしょうか。また、退職金の支給が事業主に義務付けられる場合があると聞いたのですが、それはどのような場合でしょうか。

お答え 退職金は法律上、支給しなければならないものではありませんので、一定の者にのみ支給することもできます。ただし、一定の基準により退職金を支給するということであれば、退職金について就業規則で定める必要があります。
 一方、就業規則や労働協約等に支給条件が明確に定められていれば、事業主に退職金の支給義務が生じます。また、就業規則等に定めがなくても、明確な基準に基づき退職金が支給されており、慣行として確立していれば支給義務が生じます。
 支給義務がある場合に退職金を支払わないと、労働基準法違反となりますので、ご注意ください。 戻る


Q22 遅刻や欠勤を何度も繰り返す社員がいます。このような社員を懲戒解雇することに問題はないでしょうか。

お答え 
 遅刻や欠勤を行った社員には、まず、注意・指導を行い改善を促します。それでも改善されなければ、懲戒処分を検討することになります。一般的には、戒告などの軽い処分を行うことで改善の機会を与えながら、改善されなければ処分を重くしていくという手順が必要になり、最後の手段として懲戒解雇を検討することになります。処分は客観的に合理的な理由がなく、また、社会通念上相当なものでなければ、懲戒権の濫用となり無効となる場合がありますので、充分ご注意ください。なお、懲戒処分については、就業規則に「懲戒に関する規定」が必要です。 

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 Q23 終業時刻を過ぎても毎日会社に残って仕事をしている社員がいます。会社としては、早く帰ってもらいたいのですが、どうしたらよいでしょうか。

お答え まずは、その社員が担当している業務量等を確認し、業務量が多い等の理由により残業しているのであれば、業務量の調整等を行う必要があります。一方、そのような理由がないのであれば、会社に残っていることを放置していると、使用者が残業を黙認していたと判断されることもありますので、不必要な残業はしないようその理由も示して注意・指導等を行うことや退勤を命ずることも必要ですし、さらには、残業を禁止することも考えられます。
 労働者の心身の健康のためにも、長時間労働を行わないような職場環境づくりに努めましょう。

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 Q24 当社では、就業規則は鍵付きの戸棚に保管しており、従業員から申出があった場合にのみ見せるようにしていますが、問題ないでしょうか。

お答え 労働基準法において、事業主は作成した就業規則を、(1)常時各作業場の見やすい場所への掲示又は備付け、(2)書面を労働者へ交付、(3)各作業場で労働者が就業規則の内容を常時確認できるコンピューター等の設置、のいずれかの方法によって労働者に周知することが義務付けられています。
 ご相談いただいた方法では、周知義務を果たしたことにはなりませんので、上記のいずれかの方法をとることが必要です。なお、就業規則の作成義務は常時10人以上の労働者を使用する事業主に課せられていますが、常時10人未満の労働者を使用する事業主でも、就業規則を作成した場合は、この周知義務が生じます。 

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 Q25 先日、上司からパワハラを受けていると社員から相談がありました。会社として何か責任を問われるのでしょうか。

お答え パワハラ(パワーハラスメント)については、加害者本人が不法行為に基づく損害賠償をするだけでなく、会社も使用者としての責任や従業員に対する安全配慮義務違反を問われて、被害者に対して損害賠償をしなければならない場合があります。
 このため、会社としては、パワハラの防止、解決に向けた早期発見、迅速適切な対応に努めるべきでしょう。具体的な取組として、防止のためには『会社トップによるメッセージの発出、対応ルール・方針の策定・周知、アンケート等による実態の把握、教育・研修など』、解決のためには『相談窓口や解決の場の設置、再発防止研修など』が考えられます。

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Q26 「仕事が忙しいから」と言って、健康診断を受けない社員がいますが、どのように対応したらよいでしょう。

お答え
 会社には労働者に定期的な健康診断を実施する義務があり、労働者には健康診断を受診する義務があります。(労働安全衛生法)
 このため、健康診断を受けない社員に対しては健康診断を受診するよう指導しましょう。それでも受診しない社員に対しては、受診するよう職務上の命令を行い、それも拒否する場合には、懲戒処分を行うことも方法として考えられます。
 健康診断を受診しないままにしておいて、そのことにより社員の業務に起因する健康障害の発見が遅れた場合、会社は損害賠償を請求される可能性もあります。社員の健康を守り、業務が滞らないようにするためにも、健康診断を受診させましょう。

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Q27 年末で忙しいため社員に残業するよう言ったところ、「用事がある」と言って拒否されました。納期が迫っているので、残業してもらいたいのですが、残業を命じることはできるでしょうか。

お答え
 就業規則や労働契約等において時間外労働を命じることができる旨の定めがあり、いわゆる36協定を締結して労働基準監督署に届け出ていれば、業務命令として時間外労働をさせることができます。ただし、労働者が残業を行えないやむを得ない事由がある場合に、残業を命じることは問題となる可能性がありますので、社員に拒否する理由を確認する必要があるでしょう。やむを得ない事由がなく拒否しているのであれば、業務命令に従う義務があることを説明し、それでも残業に応じなければ注意・指導をしましょう。
 日頃から、労働者の体調や家庭環境等にも配慮できるように、業務のスケジュール管理に努めましょう。  戻る


Q28 当社で正社員として長年勤務し3月に定年退職した社員を、引き続き4月から再雇用しましたが、10月になって再雇用後6ヶ月たったということで、年次有給休暇の申出がありました。当社では、全社員に年次有給休暇を1月1日に付与しており、この社員は、年次有給休暇を3月末までに使い切って退職しましたが、新たに付与しなければならないでしょうか。

お答え 年次有給休暇は、継続勤務した期間に基づいて付与されます。この場合の継続勤務とは、勤務の実態に即して実質的に判断すべきものとされ、定年退職による退職者を引き続き再雇用している場合は、退職と再雇用との間に相当の期間があり、客観的に労働関係が断絶していると認められる場合を除いて継続勤務に当たります。今回のように、空白期間を置かず再雇用している場合は継続勤務となるため、既に1月1日に年次有給休暇を付与しており、再雇用から6ヶ月たった時点で新たに付与する必要はありません。
 トラブルにならないためにも、年次有給休暇のことなど再雇用後の労働条件を事前に周知しておきましょう。戻る


Q29 現在4歳の子どもがいる有期雇用の男性契約社員がいます。その社員から育児のため、できるだけ残業時間を少なくしてほしいと言われました。何か対応しないといけないでしょうか。 

お答え 事業主は、小学校就学前の子どもを育てる労働者から請求があった場合、1ヶ月について24時間、1年について150時間を超える時間外労働をさせてはいけません。これは正社員の他、有期雇用契約やパート、アルバイトの社員も同様です。また、配偶者が専業主婦(夫)である労働者も請求ができます。ただし、その事業主に継続して雇用された期間が1年に満たない者、1週間の所定労働日数が2日以下の者は請求ができません。
 なお、この請求は、事業の正常な運営を妨げる場合には拒むことができますが、労働者が請求どおりに時間外労働の制限を受けられるよう、事業主は通常考えられる相当の努力をすべきものとされています。単に時間外労働が事業の運営上必要であるという理由だけでは拒むことができませんので留意してください。戻る


Q30 育児休業から復帰した社員が年次有給休暇を取得したいと申し出てきました。その社員は、年次有給休暇の付与の基準日前の1年間のうち、6ヶ月ほど育児休業のため出勤していませんでしたが、年次有給休暇を与えないといけないでしょうか。

 お答え年次有給休暇は、雇入れの日から6ヶ月継続して勤務した場合は、その間の全労働日(出勤を要する日の総日数)の8割以上を出勤したときに、その後は継続する勤務1年ごとに全労働日の8割以上を出勤したときに付与するものです。この出勤した日には、実際に出勤した日だけでなく、育児休業期間も含まれます。その他、産前産後休業期間、介護休業期間、業務上の負傷・疾病による療養のための休業期間、年次有給休暇の取得日も出勤した日に含まれます。
 このため、育児休業期間を出勤した日として計算し、要件を満たすようであれば、勤続年数に応じた年次有給休暇を付与する必要があります。この社員が要件を満たすか、すぐに確認しましょう。戻る

 


Q31 平成25年4月1日に3年間の労働契約を締結し、平成28年8月1日に再度3年間の労働契約を締結した社員から、無期労働契約への転換の申込みがありました。1回目の契約満了後3ヶ月の期間が空いていますが、応じなければならないでしょうか。

お答え 平成25年4月1日以後に開始した有期労働契約が同一の事業主との間で2回以上締結されている場合は、契約期間が通算で5年を超えると、労働者が申込みをすれば事業主の承諾の有無にかかわらず無期労働契約に転換されます。
 前の契約の満了から次の契約の開始までに期間が空いていても、その期間が前の契約期間の1/2(1ヶ月未満の端数があれば1ヶ月に切り上げ、最長で6ヶ月)未満であれば契約期間は通算されます。
 契約期間が3年であり、2回目の契約の時点で通算の契約期間が5年を超えることから、この契約の初日から申込みを行うことができますので、この社員の申込みにより、現在の契約が満了する日の翌日から無期労働契約に転換されます。
 人材活用のためにも、会社の有期契約労働者の個々の契約を点検し、無期労働契約転換への対応を検討しましょう。戻る


Q32 社員の子供がノロウイルスに感染しました。社員へ感染していないという確証がないので、念のために自宅待機を命じたいのですが、できるでしょうか。 

お答え 感染症の疑いのある社員を就労させると、職場内で集団感染するおそれがあり、義務遂行上支障が生じるだけでなく、集団感染させたことについて安全配慮義務上の問題が生じる可能性があるため、その社員の自宅待機が必要になる場合があります。その場合、就業規則等で自宅待機を命じる旨の定めがあれば、その定めにより命じることができますし、そのような定めがなくても、単に集団感染を防ぐためであれば、自宅待機を命じても権利の濫用には当たらないと考えられます。
 いずれの場合でも、自宅待機を命じれば「会社の判断」で社員を休業させたことになりますので、平均賃金の60%以上の休業手当を支払う必要が生じます。ただし、社員が年次有給休暇を取得するなど、自主的に休む場合は休業手当を支払う必要はありません。
 社員とのトラブルを避けるためにも、このような場合の対応は就業規則等でルールを明確にするようにしましょう。戻る


Q33 先日当社で解雇した従業員から、労働委員会へ解雇撤回のあっせん申請を行う旨の連絡がありました。実際にあっせんの申請がされた場合、応じなければならないでしょうか。


お答え 労働委員会では、個々の労働者と事業主との間の労働関係についての紛争を解決するためのあっせんを行っております。あっせんへの参加は強制されるものではありませんが、労働委員会が行うあっせんでは、公益の立場、労働者の立場、使用者の立場それぞれを代表する専門的な知識を持ったあっせん員が、公平中立な立場から当事者双方の主張を整理し、お互いの歩み寄りを促すことで、紛争解決をお手伝いします。
 裁判のように法的な判断等をする場ではありませんので、事業主や労務担当責任者でも十分に対応できますし、当事者の意向に応じながら1~2ヶ月での終結を目途としていますので、早期解決が期待できます。
 紛争が長期化してしまうと、他の労働者や本業へも悪影響を与えるといった事態に繋がってしまうこともあります。使用者側からのあっせん申請も可能ですので、自主的解決が困難となった職場でのトラブルを解決する手段の一つとしてご活用ください。戻る



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連絡先

高知県労働委員会事務局
住所: 〒780-0850 高知県高知市丸ノ内2丁目4番1号(北庁舎4階)
電話: 088-821-4645
ファックス: 088-821-4589
メール: 240101@ken.pref.kochi.lg.jp