3−3 仕事中のケガ(労災)

公開日 2016年05月09日

【相談内容】 (愛媛県労働委員会) 


 会社員の息子は、県外の会社で営業の仕事をしているが、先日、仕事のときに足を滑らせて骨折したらしい。会社からは、「今回のケガは、労災が使えないので、医療費は、健康保険を使って自分で払ってくれ。」と言われたようだ。
 このような場合、労災が使えるのではないか。労災の制度について教えてほしい。

【お答え】


 労災保険(労働者災害補償保険)は、一人でも労働者を雇う場合、使用者に原則として加入義務があり、保険料は使用者が全額負担しています。
 そして、労働者が仕事中に業務が原因となって、ケガをしたり病気になったりした業務災害は、保険給付の対象となり、医療費は保険が負担します。
 ただし、業務災害と認められるためには、労働者が労働契約に基づき使用者の支配下にある状態において発生したこと(業務遂行性)や、業務とケガ等との間に一定の因果関係が存在すること(業務起因性)の要件を満たす必要があります。
 息子さんは、営業の仕事中に足を滑らせて骨折したということですので、事業場の外でケガをしたのでないかと思われますが、そのような場合でも、特別、私的な行為をしていたのでない限り、一般的には業務災害と認められます。

 まずは、息子さんから会社に、「なぜ労災が使えないのか。」もう一度確認するようにされてはいかがでしょうか。
 その上で、会社が労災を使わせないようにしているということですが、労災保険給付の請求手続は、あくまで被災者本人(又は遺族)が行うものであり、会社は、被災労働者(や遺族)が労災保険給付を請求するに当たって、それに協力する義務があります。
 会社の協力が得られない場合であっても労災保険の請求はできますので、息子さんに、勤めている事業場を管轄する労働基準監督署に相談するよう助言されてはいかがでしょうか。

(参考)
 労災では、上記の「療養補償給付」のほか、ケガや病気で働けないときには「休業補償給付」として1日の賃金の8割相当(特別支給金の2割を含む。)の金額が支給されます。障害が残ったときは、「障害補償給付」が、亡くなったときは、遺族に「遺族補償給付」が支給されます。
 また、労働者が通勤する際に、ケガをしたり病気になったりした場合にも労災が適用されます。
 なお、労災は受給要件が複雑ですので、詳しくは、お近くの労働基準監督署にお問い合わせください。
 


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