12-9 ブラックバイト

公開日 2018年01月25日

【相談内容】 (愛媛県労働委員会) 


 今春、地元を離れて大学に進学し、1人暮らしを始めました。親からの仕送りだけでは、少し足りないので、アルバイトを始めたいと考えていますが、大学入学時のセミナーで、「ブラックバイトに気をつけるように」と言われました。
 ブラックバイトって、どのようなアルバイトですか。

【お答え】


 いわゆる「ブラックバイト」は、法的な定義はありませんが、一般的に「学生であることを尊重しないアルバイト」、「学生を法定労働条件に満たない劣悪な労働環境で勤務させているアルバイト」などのことを言い、学生生活に支障を来しかねないため、就業することを避けるようにするべきです。
 次にブラックバイトと疑われる例の一部やアドバイスを御紹介します。

1  ブラックバイトと疑われる例(一部)
(1)労働基準法違反のおそれがあるもの
ア 準備や片付けの時間の賃金が支払われない。
→ 使用者の指示に基づいた「準備・片付け」は、労働時間であり、賃金が支払われなければなりません(三菱重工業長崎造船所事件 最一小判 平12.3.9)。
イ  1日の労働時間が6時間を超えても、休憩時間が与えられない。
→ 使用者は、1日の労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は、1時間以上の休憩時間を労働時間の途中に与えなければなりません(労働基準法第34条第1項及び本事例集「休憩時間」の項を御参照ください。)。

(2)その他ブラックバイトと疑われるもの
ア 採用時に合意した以上のシフトを入れられる、一方的にシフトの変更・削減をされる。
→ 使用者が、採用時に合意したシフトを変更するには、事前に労働者の同意が必要です(労働契約法第8条)。無理なシフト変更等で同意できない場合は、はっきりと断りましょう。
 なお、使用者の都合によるシフト削減など使用者の責に帰すべき事由による休業の場合は、使用者は、労働者に対し、休業期間中の所定労働日について、労働者に、平均賃金の6割以上の休業手当を支払わなければなりません(労働基準法第26条)。

イ 採用時に合意した仕事以外の仕事をさせられる。
→ 採用時に合意した仕事以外の仕事を行わせる場合も、事前に労働者の同意が必要です(労働契約法第8条)。同意していない仕事を一方的に指示され、同意できない場合は、はっきりと断りましょう。
 なお、労働契約の締結に際して明示された労働条件と、実際の労働条件が異なる場合は、労働者は、即時に労働契約を解除することができます(労働基準法第15条第2項)。

2  愛媛県労働委員会から学生の皆さんへのアドバイス
 学生生活を支えるはずのアルバイトが、学生生活に支障を来すことのないよう、特に次の点に御注意ください。
(1)アルバイトを始める前に、必ず労働条件を確認しましょう。
  使用者は、賃金や労働時間など、特に重要な項目について、書面の交付を義務付けられています。交付された書面は、保管しておきましょう(労働基準法第15 条第1項及び本事例集「労働条件の明示」の項を御参照ください。)。
(2)労働条件について分からないことがあれば、必ず使用者に確認しましょう。
(3)労働トラブルに巻き込まれそうになったとき、又は巻き込まれたときは、交付された書面や記録など後で証拠となるものを残しておきましょう。
  【(例):賃金未払の場合 → タイムカードその他勤務時間が分かる記録、給与明細書等】
(4)困ったことや疑問に思うことがあれば、1人で抱え込まず、身近な人(保護者、先生など)や行政機関(労働委員会、労働局・労働基準監督署)に相談しましょう。


 労働相談コーナーQ&A トップへ戻る

 

 

この記事に関するお問い合わせ

高知県労働委員会事務局

所在地: 〒780-0850 高知県高知市丸ノ内2丁目4番1号(高知県庁北庁舎4階)
電話: 088-821-4645
ファックス: 088-821-4589
メール: 240101@ken.pref.kochi.lg.jp
(労働相談はコチラ
Topへ