3−2 健康保険

公開日 2024年01月12日

【相談内容】 (高知県労働委員会)


 

 町工場で、正社員として週5日、40時間働いていたのですが、来月から週3日、15時間の短時間労働者として勤務することになりました。

 ところが、雇用契約の変更を行う際に、事業主から、短時間労働者は健康保険に入れないので、国民健康保険に入るように言われました。

 今までの健康保険に入ることはできないのでしょうか。

 

【お答え】

 


 

 医療保険は大きく分けて、「国民健康保険」と、「健康保険」がありますが、「健康保険」に加入できるか否かについては、(1)勤務している事業所が「健康保険」の適用事業所か、(2)労働者が「健康保険」の被保険者に該当するか、という2点について検討する必要があります。

 まず、(1)に関してですが、「健康保険」は、常時5人以上の従業員を使用する個人事業所(第一次産業、サービス業など一部例外があります。)と、常時1人以上の従業員を使用する法人の事業所は、必ず加入しなければなりません(強制適用事業所)。

 次に、(2)に関してですが、適用事業所に常時勤務する従業員は、原則として被保険者になりますが、臨時に1か月を超えない範囲で日々雇い入れられる者、臨時に2か月以内の期間を定めて使用される者、4か月以内の季節的業務に使用される者などは、被保険者となれません(日雇特例被保険者となる場合を除く。健康保険法第3条第1項)。

 また、パート等の短時間労働者は、雇用期間が2か月を超えており、1日又は1週間の所定労働時間と1か月の所定労働日数が、同種の業務を行う通常の労働者の4分の3以上である場合は、被保険者となることができます。

 一方、上記以外の短時間労働者についても、常用の労働者が101人以上(令和6年10月からは50人以上)の法人の事業所(特定適用事業所)又は特定適用事業所以外で労使合意に基づき申出・認可された法人・個人の事業所(任意特定適用事業所)に使用される場合には、(ア)週の所定労働時間が20時間以上であること、(イ)月額賃金が8.8万円以上であること、(ウ)2か月を超えて使用される見込みであること、(エ)学生でないこと、の全ての要件を満たす者は、被保険者となります。

 ご相談の事案では、(1)に関しては、適用事業所であると思われますが、(2)に関しては、週の所定労働時間が20時間以上ではありませんので、被保険者資格がなく、今までのように保険料を使用者と労働者が折半した形で「健康保険」に加入することはできません。

 ただし、保険料は全額自己負担となりますが、個人で「健康保険」に加入できる任意継続制度があります。任意継続制度を利用するためには、「健康保険」の被保険者資格を喪失していること、資格喪失日(本件の場合は、週の所定労働時間が15時間になる日の翌日)の前日までに継続して2か月以上被保険者であったこと、資格喪失日から20日以内に申出を行うこと、が要件となります。

 「国民健康保険」、「健康保険」のそれぞれの保険料や支給される手当等は、お住まいの地域、所得や扶養家族の有無等によって異なります。詳細は、国民健康保険についてはお住まいの市町村に、健康保険については全国健康保険協会(協会けんぽ)支部(下記参考)にそれぞれご相談ください。

【参考】https://www.kyoukaikenpo.or.jp/about/sb7130/sbb7131/1762-620/

 

 

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この記事に関するお問い合わせ

高知県労働委員会事務局

所在地: 〒780-0850 高知県高知市丸ノ内2丁目4番1号(高知県庁北庁舎4階)
電話: 088-821-4645
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