12−4 求人広告記載の労働条件

公開日 2013年10月22日

更新日 2014年03月16日

【相談内容】 (香川県労働委員会)


 私は、「月額25万円から30万円が基本給を含めた年齢による賃金総額、パソコンの基本操作が出来る事務職を求める」との求人雑誌の求人広告を見て、会社に面接に行きました。

 ところが、面接のとき、「技能の判断が必要ですので、当面の賃金総額は、20万円になります」と言われました。他の労働条件は納得したので、就職しました。

 しかし、1年たっても、賃金総額は、20万円です。

 求人広告記載の賃金総額の労働条件は、どうなるのでしょうか。


【お答え】


 求人者(会社)の求人広告は、求職者(労働者)が応募するかどうかの検討の材料で、一定の条件が示されています。求人広告記載の賃金総額は、一応の目安で、あくまで見込みです。

 つまり、求人者の求人広告は「労働契約申込みの誘引」であって、求職者は、それに対して「労働契約の申込み」を行うかどうかとなります。

 求職者が求人者に応募してきたときに、自動的に求人広告どおりの労働契約が確定するものではなく、採用面接のとき、求人者が示した労働条件に対して求職者が合意した場合に、労働契約が成立します。(職業安定法第5条の3、労働基準法第15条第1項)

 しかし、求人者は、みだりに求人広告記載の見込み額を著しく下回る賃金総額で、労働契約を確定するのは、信義則上、望ましくありません。

 相談内容の場合、本来であれば、面接の際に「当面」というのが、どの程度なのか確認しておくのが望ましい。

 この事例の場合、「技能」の判断のために、必要かつ合理的な期間を超えていた場合には、広告どおりの賃金の支払いを請求できる場合も考えられます。

*注意点

 新聞や求人雑誌の求人広告、ハローワークの求人票の、賃金を含めた労働条件の記載が、会社の採用面接のときの説明と相違があり、納得できない場合は、よく、事情の説明を求める必要があります。仕方なく、受入れた場合、就職してからの仕事に対する意欲に関わってくるかも分かりません。



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この記事に関するお問い合わせ

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