8−2 就業規則の周知

公開日 2011年10月25日

更新日 2014年03月16日

【相談内容】 (愛媛県労働委員会) 


 従業員15人の小さな会社の社員です。就職して1年になるのですが、先日、同僚が、遅刻が多いことを理由に懲戒処分を受けました。就業規則に定められた懲戒処分の基準に該当するのが理由だそうですが、入社してから今まで、そのような就業規則があるということを知りませんでした。このため、社長に就業規則を見せてくれるよう頼んだら、「大事なものなので金庫にしまってある。」と言って見せてもらえません。どう対応したらいいでしょうか。
                       

【お答え】 


    就業規則とは、簡単に言いますと、社員にどのような労働条件で働いてもらうのか、社員はどのような決まりを守らなければならないか、といった、会社のルールを定めたものです。労働基準法の第89条には、常時10人以上の労働者を使用する事業場では、必ず就業規則を作成しなければならない、と定められています。
   また、労働基準法の第106条には、会社は、就業規則を常に見やすい場所に備え置くとか、社員に書面で渡す、などの対応をすることが義務づけられています。
  お尋ねの場合、社長が就業規則を見せてくれないというのは問題がありますので、社長に対して、法律上就業規則を社員に周知する義務があることを説明し、「見たい時にはいつでも見ることができるようにしてください。」と申し入れてください。
   1人だと言いにくいのであれば、同僚と一緒に複数の社員で社長に申し入れるのも1つの方法です。
   なお、最高裁判所の判例では、就業規則に社員を拘束する力がある、と言えるには、その規則の内容を、労働者に周知させる手続きが取られていることを要する、と明示したものがあります。



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