◆◇◆◇◆ 小中学校課学校教育担当メールマガジン「パートナー」◇◆◇◆◇                             H25.2.27 第120号            県教育委員会HP    http://www.kochinet.ed.jp/            小中学校課HP  http://www.kochinet.ed.jp/shochu/ ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇        高知県教育委員会事務局 小中学校課学校教育担当 編集・発行 ------------------------------------------------------------------------  寒さの中にも、ようやく春の気配が感じられる季節となりました。  3月が近づき、学校では、子どもたちが学習のまとめや生活の振り返りをして、 一年間の成長を確かめている時期だと思います。温かい支援や成長を促す指導が 重なり、たくましく成長した子どもたちの姿が、各学校、各学級にあることと 存じます。  本年度も残すところあと一か月。春の息吹とともに、今月も「パートナー」を お届けします。 ------------------------------------------------------------------------ 【銀杏だより】 『過去の人、未来の人』    永野 隆史 小中学校課長 【教育実践】  ふるさとの空に夢をえがく教育   「複式教育研究地域指定事業」研究発表会を終えて  ~室戸市立室戸岬小学校・室戸市立元小学校・室戸市立三高小学校の取組より~  〈東部教育事務所〉 【学力向上推進チームから】  平成24年度高知県学力定着状況調査の結果について  〈小中学校課 学校教育第二担当〉 【「心を耕す」教育の総合的な推進】 (1)キャリア教育の部屋 (2)道徳の部屋 (3)学校図書館の部屋 【ザ・チャレンジ】 (1)理科の部屋 (2)外国語の部屋 【お知らせ】  ○<拍手・笑顔いっぱい! ー第41回高知県教育文化祭―> ------------------------------------------------------------------------ 【銀杏だより】 『過去の人、未来の人』  「梅は咲いたか 桜はまだかいな 柳なよなよ風次第・・・」と、つい口ずさみ そうな陽気が戻ってきました。杉花粉症に痛みつけられていますので端唄どころ ではありませんが、厳しい寒さですっかり丸くなってしまった背中をさすってもら えるかのように、梅の香りが体を包んでくれます。  先月も少し触れましたが、体罰が原因とされる大阪市立高校男子生徒の自殺は、 当該の学校関係者ならずとも悔やまれる事件です。重なるように柔道女子ナショ ナルチームの指導方法が話題となり、両者とも、関わっていた指導者が厳しく責任 を問われることになってしまいました。体罰に頼らない指導方法を確立していく ことが、今、社会から真剣に求められていますが、私たちはそれに応えるすべを もたなくてはいけません。  県教育委員会はこの一年、「教員の資質・指導力の向上のための人材育成の在り 方検討委員会」(教育政策課・教育センター所管)を連続して開催し、今後10年を 見据えた教員育成方針を練ってきました。2月20日は最後の審議でしたが、その 中で委員のお一人、佐古秀一先生(鳴門教育大学院教授)のなにげない一言が心に 残りました。佐古先生曰く「教員は過去の人、生徒は未来の人」、「先生たちは日々 学校で、自分の経験のみをコピーして子どもに再提示する作業を繰り返すだけで いいのですか。それでは未来に生きる人にはなんの糧にもならないでしょう。」 とおっしゃっています。自分が受けてきた教育が、教育の全てと思いこみ、時代や 社会の要請や願いはどこにも反映されていない。体罰にかかる私たちの姿勢も問わ れているのは、正に、ここに在るのだなと強く意識しました。  うえの「人材育成在り方検」はこれから、「まとめ」、「答申」と作業は進みます が、そんな折、福井県教育委員会から人材育成に関わる一冊のリーフレットが届き ました。タイトルは「教職生活全体を通じて学び続ける教員となるために」です。 その見開きに「学び続ける教員のチェックリスト」があります。福井の教育の自信が 伺えます。過去の人で終わらないにためにどうぞご参考に。 【現状チェックリスト-まずはこれから!-】  1 あなたは、毎年6冊以上の教科や教職等に関する専門書を読んでいますか。  2 あなたは、研究・研修することが楽しいですか。  3 あなたは、教員以外の人と語り合う機会を持っていますか。  4 あなたは、あなたの学校の教育目標をいつも意識していますか。  5 あなたは、理想的な授業像を思い浮かべることができますか。  6 あなたは、昨年の授業とは一歩工夫して授業をしていますか。  7 あなたは、最近3年間で、研究授業(公開授業)をしたことがありますか。  8 あなたは、毎時間テーマを持って授業をしていますか。  9 あなたの学校には、手本となるような授業をする先生はいますか。 10 あなたの学校では、授業のことで毎日語り合っていますか。 11 あなたの学校では、校外で研修してきたことを伝えたり、学び合ったりする    システムができていますか。 12 あなたは、どんな実践をしているか具体的に同僚に語ることができますか。 13 あなたの学校では、毎年全員授業実践記録をかいていますか。                             (福井県教育委員会)                      【小中学校課長  永野 隆史】 ------------------------------------------------------------------------ 【教育実践】 <ふるさとの空に夢をえがく教育  「複式教育研究地域指定事業」研究発表会を終えて  ~室戸市立室戸岬小学校・室戸市立元小学校・室戸市立三高小学校の取組より~>  平成25年1月29日、平成24年度高知県教育委員会指定「中山間地域小規模・ 複式教育研究指定事業(東部地域)」の研究発表会が室戸市立室戸岬小学校で行わ れました。  児童生徒の減少傾向は、わが東部地域も他地域と同様、いやそれ以上に顕著で あり、学校の小規模化は避けて通れない状況にあります。このため、複式教育は 東部エリアの全ての学校・教職員が学ばなければならない重要な学習課題となって います。  このような中、室戸市立室戸岬小学校・元小学校・三高小学校の3校が先陣を 切って東部の複式教育の研究に手を挙げてくれました。  3校教職員の胸には、「この小規模学校で学ぶ子どもたち一人一人が、しっかりと 自分の夢を描き、将来にわたってこれを追究していこうとする意思と力をもつこと。 このふるさと室戸岬、元、三高、そして室戸・高知の発展に貢献していこうとする 想いを創ること。そのために、私たちは、彼らの中に、故郷を誇り、ふるさとを愛 する心を育て、また、困難に負けず、未来を創造するための確かな学力を付けていか なければならない」との強い思いがありました。そして、3校は研究主題を共に複式 学級の特性を生かした学習指導の在り方~関わり合い、学び合い、高め合う児童の 育成」とし、授業改善や教員の指導力の向上、子どもの基礎学力の定着と学力の向上 を目指し、日々、切磋琢磨しつつ研究を進めています。  その研究の特徴の一つを言えば、小規模・複式校の教育環境について一般的に 言われる課題を利点と考えていることが述べられます。例えば、「子どもが教師に 直接指導を受けない時間がある」ことを「先生に頼らず、自学自習や学び合いの力 を育てることができる時間」と捉えています。このような逆転の発想をもって、学習 リーダーの育成方法や学習指導の在り方を研究・実践しています。  さて、研究発表会当日は、室戸岬小学校の全学級が授業を公開してくれました。  3・4年生の複式授業。  3年生では導入時に、デジタルコンテンツを用い、はかりの目盛りの読み方を 復習しました。 (以下Lは学習リーダー、Cは子どもを示す)  L :「筆箱の重さは何gですか?」  C1:「230gです。」     (学習リーダーがパソコンのキーを押し、答えを表示する。)  L :「一目盛りは何gを表していますか?」  C2:「10gです。」  L :「では、みんなで目盛りを数えてみましょう。」  C全:「10g、20g・・・、230gです。」  学習リーダーは、進行役を務め、一目盛りあたり何gかを意識させながら、 目盛りの読み方を確認していきました。その他の子どもは、学習リーダーの話 を最後までしっかり聞き、分かったら返事をする等して学習リーダーを支えて いました。  一方の4年生では、立方体の展開図について学習リーダーを中心に話し合い が行われていました。 L :「この展開図は立方体になるでしょうか?」 C1:「なると思います。」 L :「理由を言ってください。」 C1:「正方形の面が6つあるからです。」 L :「他に理由はありませんか?」 C2:「向かい合う面がちゃんとあるからです。」 L :「では、確かめてみます。」 (学習リーダーが展開図を組み立てる。)  学習リーダーは、「何故、そのように考えたのか」理由を聞き、意見をまとめ ていました。  この教室では、自分たちで授業を進めていこうとする子どもの姿を見ることが でき、発達段階を踏まえた学習リーダーの育成に取り組んできたことが、子ども の自ら学ぼうとする姿勢に結び付いていると実感させられました。  また、複式教育においては、指導の形態が研究の対象となることはもちろんで すが、その教科の価値をしっかりと捉え、教材の内容を正確に分析し、単元を組み 立てる研究は、単式学級と同様に行わなければなりません。  5・6年生の学級でも算数の授業が展開されていました。特に5年生では、「数 量の関係(比較)」の学習がなされていましたが、その中で、ある子どもが、「も のを比べるといったとき、どちらかを基準にしてもう一方を見なければいけないと 思います。その元のものと比べて多いか、少ないかということでもう一方が表され ます。」といったことが述べられました。これは、比較することの本質です。そし て、比較されるものを表すものとして、「割合」「%」とか「倍」の表現があるの です。この教室でも、現象の元、本質をつかもうと懸命に勉強する子どもの姿が ありました。  さらに、単式学級の1・2年生では、複式となる次年度を見据え、子どもが自分 たちの力で授業を進行させなければならない場面が設けられていました。  このように、研究推進校3校では、複式教育の在り方を研究することで、子ども 一人一人を思いながら研究に没頭する教員が育ち、ものの本質を見極めようと意欲 的に学び、友達と学び合う児童集団が成長してきていることを感じました。  複式教育の研究は、これからの東部の教育の一つの課題を解決するであろう重要 な方法となり得るものです。3校の今後ますますの健闘を祈りつつ、「ふるさとの空 に夢をえがく教育」がしっかりとした形となり、夢や志をもち、この実現に向けて 一所懸命に努力する子どもが育つことを期待しています。私たち東部教育事務所は、 推進校のさらなる研究・実践の推進をしっかりと支えていきたいと思います。                      【東部教育事務所 萩野 志津】 ------------------------------------------------------------------------ 【学力向上推進チームから】 <平成24年度高知県学力定着状況調査の結果について>  県教育委員会では、県独自の調査である高知県学力定着状況調査を本年度初めて 実施しました。  本調査は、本県の学力課題である小学校中学年からの二極化、中1ギャップに よる学力の低下に対応するために、児童生徒の学力定着状況を把握し、学習指導の 充実や指導方法の改善に生かすとともに、各学校及び各教育委員会の学力向上検証 改善サイクルを確立することを目的としています。 【平成24年度高知県学力定着状況調査結果の概要】 《調査の対象》  小学校調査 市町村(学校組合)立小学校第5学年  中学校調査 市町村(学校組合)立中学校第2学年、県立中学校第2学年  ◇小学校解答児童数 国語 6,223人  算数 6,219人  ◇中学校解答生徒数 国語 4,997人  社会 4,995人            数学 4,981人  理科 4,986人            外国語(英語) 4,984人 《調査事項》 (1)教科    小学校…国語・算数    中学校…国語・社会・数学・理科・外国語(英語)         ※外国語(英語)は、音声を聞いて答える問題も出題 (2)内容   ・基礎的・基本的な知識・技能及び思考力・判断力・表現力等をみる問題   ・選択式・短答式・記述式の問題形式 《調査実施期間》  平成25年1月8日(火)~1月11日(金) 《教科に関する調査結果・高知県平均正答率》  小学校国語 60.9%  小学校算数 73.2%  中学校国語 64.3%  中学校社会 48.1%  中学校数学 48.1%  中学校理科 48.3%  中学校外国語(英語)48.8% 《本調査の分析から》  ○小学校算数において、小数、分数の計算については相当数の児童ができて   おり、無解答率が低い。  ○小学校では、全国学力・学習状況調査と同一の趣旨の問題において改善の   見られるものもある。  〈小学校国語7四、小学校算数2(1)〉  ●どの教科においても、一問も正答できなかった児童生徒が見られる。  ●記述式問題において、正答率が選択式、短答式と比べ大きく下回り、無解答   率が高い。  ●「思考・判断・表現」の観点における正答率が、他の観点と比べて低い。  今回の調査結果を踏まえ、次の学年を迎える前に、各学校においても子ども たちのよさを生かし、さらに充実・発展させるための取り組みを進めていただき たいと思います。 1.子ども一人一人の成果と課題を把握し、適切な指導を行う。   (例)学習シート等を活用した個別指導や補充学習を行う。 2.調査を活用した検証改善サイクルを確立する。   (例)各教科で身に付けさせたい力の定着を図り、指導方法の工夫改善を   行う。 3.組織としての協力体制を確かにし、授業改善の方向性を明確にもち、その   質を高めていく。   (例)誤答分析を行い、子どもたちの強み・弱みから改善のポイントを明ら      かにする。     (各学校や小中連携における分析等)  今後、詳細な分析を加え、3月末を目途に各学校へ「平成24年度高知県学力 定着状況調査の結果概要」をお届けします。9月に配信しました「学力向上に 向けてこれだけは大切にしたい授業づくりのポイント」などと併せて活用し、 子どもたちに分かる授業づくりをさらに進め、学力向上につなげていきましょう。                     【小中学校課 学校教育第二担当】 ------------------------------------------------------------------------ 【「心を耕す」教育の総合的な推進】 (1)キャリア教育の部屋  キャリア教育とは「一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる 能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育」であることは、皆さん ご存じのことと思います。先月に引き続き、岐阜県西濃地方の某中学校に勤務して いた頃の私(たち)の実践ですが、今月は特別活動の時間の職場体験学習の事前 学習として取り組んだ授業のことをお伝えしたいと思います。  当時の生徒の実態として、日常生活、係活動、掃除などの様子から、どちらかと いえば上辺でしか物事が判断できず、困難に立ち向かえない弱さや物事の本質に迫 れないという傾向がありました。そうしたことから2年生の職場体験学習を始める 前に、地域の方で真摯に仕事に打ち込む本物の人材を紹介したいという思いから、 地域で料理店を営む方に講師をお願いし、特別活動の授業でお話してくださることが 決定しました。  この授業では、講師の方から魚の三枚おろしや洋菓子のケーキを彷彿させるよう なトマトサラダなど、実際に包丁さばきを見せてもらったり、生徒と一緒にリンゴの 皮むきの長さを競う体験をさせてもらったりして、大いに授業が盛り上がりました。    こうした活動と共に生徒の心に届いたのは、合間に話される講師の修業時代の 経験談でした。  中学を卒業して石川県金沢市にある老舗料亭「つば甚」で、料理人としての人生 をスタートさせたこと。料理の修業に来たのに、来る日も来る日も皿洗い、何年も ずっと掃除床磨きを経験し、包丁は持たせてもらえなかったこと。休日に先輩から 車の鍵を渡され洗車をした(させられた?)こと。その先輩から夜仕事が終わった 後に、調理について教えてもらえたこと。初めて包丁を使いお客様にお届けした ものは、果物だったということ(味付けさせてもらえない)。目標をもつことは、 大切であり、目標を書き留めておくことは重要だということ。料理の世界は師匠と 弟子の関係、技の伝承という側面をもつということ、などなど。  皆さんはどうお感じになるでしょうか。私の関わった生徒は、感じたこと、考え させられたこと、気付いたことを綴り、明日からこうしようという目標をもち、感謝 の気持ちと共にこれからの学校生活、勉強、将来への夢に向かって決意をして いました。生徒がこれからの生き方を学ぶよい機会となりました。                        【小中学校課 須内 康雄】 ------------------------------------------------------------------------ (2)道徳の部屋 《道徳教育に関する調査【年度末】の結果》    平成25年1月に実施しました「道徳教育に関する調査【年度末】」へのご回答 ありがとうございました。今月は、その調査結果の概要を紹介します。 ◆調査対象校:公立小学校(208校)・中学校(114校) 1 道徳教育の推進体制   全小・中学校で文書提示または口頭説明によって道徳教育に関する校長の方  針を共通理解する場が設けられていました。   学習指導要領にも示されているとおり、道徳教育は、学校の教育活動全体で  取り組むものであり、校長は学校の道徳教育の基本的な方針を全教師に明確に  示すことが求められています。   来年度も、学校の道徳教育の基本的な方針を提示いただきますようお願いし  ます。 2 道徳教育推進教師を中心とした道徳教育推進のための校内組織   全小・中学校に校内組織があるか、または、組織はないが学校全体で協議する  体制がとられていました。 そのうち、校内組織があるのは、小学校32.2%、  中学校58.8%の割合でした。   今後も、校長の方針の下、道徳教育推進教師を中心にして学校が組織体とし  て一体となって道徳教育を進めるために、校内組織を設けるなどして全教師が  力を発揮できる体制を整えてください。 3 道徳教育に関する校内研修   全小・中学校において、児童生徒の道徳教育に関する研修が行われていました。   児童生徒の道徳的実践力の育成を図っていくためには、道徳の授業研究なども  効果的な取組です。 4 道徳教育の全体計画   「道徳教育の重点目標」「各教科等における道徳教育に関する指導の内容及   び時期」「家庭や地域社会との連携の方法」を記載した道徳教育の全体計画   が、小学校1校を除いて完成されていました。    まだ完成をしていない小学校は、早急に道徳教育の全体計画を完成させて   ください。 5 道徳の授業公開   道徳の授業公開率は、《小学校》98.6%(昨年度比+1.4ポイント)、  《中学校》95.6%(昨年度比+7.9ポイント)と、昨年度と比べて上昇  していました。   学習指導要領においても、学校と家庭、地域社会とが共通理解を深め、相互  の連携を生かした一体的な道徳教育が行われるよう「道徳の時間の授業を公開」  することに配慮することが示されています。   来年度については、全小・中学校において道徳の授業公開が実施されますよう  計画をお願いいたします。 6 道徳教育用教材の使用状況   道徳の教材については、「心のノート」や「民間会社刊行の道徳用副読本」は、  全小・中学校で使用されていました。   しかし、道徳教育用郷土資料集「ふるさとの志」(高知県教育委員会)が、道  徳の時間の教材として使用されていた割合は、《小学校》81.7%、《中学校》  73.7%で、まだ使用していない(H25.1月現在)学校もありました。   今後、県教育委員会では、郷土を愛し、自分自身を大切にする豊かな心を児童  生徒に育むために、「ふるさとの志」が一層活用されますよう実践事例集を配付 (H25.3月配付予定)するなどして活用を推進していくようにします。   調査へのご回答、誠にありがとうございました。県教育委員会では、これを  今後の道徳教育の推進に生かしていくようにします。                        【小中学校課 森 有希】 ------------------------------------------------------------------------ (3)学校図書館教育の部屋  この平成24年度の冬は大変寒いと感じている今日この頃ですが、いかがお過ご しでしょうか。1月には、県内でも学校図書館活動の老舗といえる追手前小学校の 取組の様子をお伝えしましたが、今月はその続編で、県東部地域での伝統校である 土佐山田小学校を紹介したいと思います。  土佐山田小学校では、去る1月26日に第57回読書まつりが開催されました。 図書委員会のメンバーが開会の挨拶を行い始められたこの読書まつりですが、「見 る人に伝わるように発表する」などの目標が具体となった読書まつりでした。  1年生から6年生までの発表は、学年発表の中でクラスごとに発表されたブック トーク、国語の教科書教材を用いた群読と劇表現、宮崎駿作品の紹介など、児童 の日頃の取組や学びがふんだんに盛り込まれた内容でした。参観される保護者や 地域の方々の多さにも驚きましたが、山田小学校の仲間作りや人権的な学びの確か さが、児童が発表を聞く姿にも如実に現れ、大変すばらしく感じました。  本年度の読書まつりは、2部構成で、宮崎駿監督のアニメ映画で活躍されている 歌手の井上あずみさんを講師に迎え、ファミリーコンサートも開催されました。 楽しいトークとクイズ、となりのトトロ、天空の城ラピュタなどの歌が披露され、 大人も含めてですが、子どもたちが大喜びであったことは、児童の反応のよさと 大きな声、児童の表情から十二分に伝わってきました。  付け焼刃でない、イベントのためではない目的意識をもった意図的な指導、児童 の日常の学びの積み重ね、普段の取組が生かされた読書まつりでありました。地域 の実態、学校や子どもの実態を踏まえた取組を進めたいものです。                        【小中学校課 須内 康雄】 ------------------------------------------------------------------------ 【ザ・チャレンジ!】 (1)理科の部屋  2月5日(火)に文部科学省にて開催された「平成24年度国立教育政策研究所 教育課程研究センター関係指定校事業研究協議会」に出席してきました。本県から は、南国市立香長中学校が研究目的を「学力向上に向けた基礎学力の定着と発達段 階に応じた科学的な思考力・表現力の育成を図る」とした1年間の研究成果を発表 しました。生徒の観察・実験ワークシートへのきめ細やかな赤ペン指導に対して、 会場から好評価をいただきました。  また、他県での取組として紹介するのは、2単位時間連続した理科の実施です。 発表事例では、秋田県大仙市立大曲中学校、神奈川県川崎市立宮内中学校があり ました。中3では、週4時間の理科を「1・2・1」として時間割を設定しており、 この取組には、以下の点に特徴・留意点があります。  ○予想、観察・実験方法や考察等の生徒の思考時間が確保できる。  ○学び合いの時間が確保できる。  ○探究的な学習ができる。  ○結果を受けて、追実験ができる。  ○単元によっては、1時間扱いの授業でも探究的な学習が可能になった。  ○生徒に問題解決の意識を持続させるだけの問題・課題設定が必要である。  ○本来1時間扱いを2時間にするので、全単元では実施できない。  ○指導計画に重点をおいて位置づける必要がある。  ○広範囲にわたって、生徒の思考に応える観察・実験器具の準備が必要である。  ○休み時間がずれることがあるので、他教室への配慮が必要である。  ○指導と評価が2時間分になるので、評価規準の設定が難しい。  両校とも共通していたのは、「目的意識をもたせること、科学的な思考力・ 表現力を育成すること」を目的として試行錯誤した結果の取組であり、この手法 を目的としていないことです。                       【小中学校課 玉野井 英二】 ------------------------------------------------------------------------ (2)外国語の部屋  いよいよ2月も終わりに近づきました。学校では、学年の締めくくりに、そして 次年度に向けての準備も向けて、何かと忙しいことでしょう。  新しい子どもたちを迎えるにあたり、小中連携は十分できていますか。子ども たちは、希望に胸を膨らませ、中学校入学を待っています。小学校では、外国語 活動で、英語の音声に慣れ親しみ、コミュニケーションを図ることの楽しさを味わ ってきています。そんな子どもたちが、期待する中学校の英語の授業はどんなもの でしょうか。  そういう意味では、小学校との接続の時期は、外国語活動が導入される前より もっと重要です。入学前に子どもたちに会うこともひとつ(授業を参観する等) ですし、子どもたちがどんな活動が好きだったか、どんな教材を使って楽しく活動 してきたのか、ぜひ小中で情報交換をしておきたいものですね。できるなら、小学校 の先生はその教材や子どもたちの作品を中学校に貸してください。中学校の先生は、 小学校で使用した教材や“Hi, friends!”を使用した導入を考えてみることも有効 です。小中連携は、子どもたちの学びをつなぐことです。子どもたちの目線で見る と、見えてくるものがきっとあるはずです。  さて、中学校の英語担当の先生には、下半期いくつかのアンケートをお願いして いました。英語ライティングシートの活用に関するアンケートの集計結果を単元 テストシステムに掲載していますので、ご覧ください。今年度は、昨年度よりも 活用率は上がっています。テーマ作文編を授業で活用している先生方が増えたよ うに思います。実は、このライティングシートは、県外からの問い合わせがよくあり ます。本県の先生方にもぜひ、有効活用をお願いしたいと思います。  また、高知県外国語教育推進事業に関する調査の結果も現在集計中です。結果は、 後日、掲載します。  最後に、「国際共通語としての英語力向上のための5つの提言と具体的施策」を 踏まえた、各試験団体による英語教員を対象とした特別受験制度について、先日 各学校にご連絡をしました。今回は、TOEIC公開テストに関する英語教員対象特別 受験料適用についてです。この特別価格制度は、一定期間のみになっています。 平成25年2月13日付24高小中第1811号「英語教員の指導力・英語力の 強化について(依頼)」をご覧のうえ、この機会に積極的に受験してみませんか。                       【小中学校課 谷口 博美】 ------------------------------------------------------------------------ 【お知らせ】 <拍手・笑顔いっぱい! ー第41回高知県教育文化祭―>  22の主催行事も、あと一つ「こども県展」を残すのみとなりました。 テーマ 「光る感性 たたえよう 土佐の教育文化」 上記のテーマのもと、県下各地で、土佐の子供たちの感性が光り輝きました。  それぞれの地域の連合音楽会会場では、晴れの大舞台で、緊張しながらの 演奏。その後の拍手に、児童生徒の笑顔が多く見られました。観客席でも、 我が子・孫のがんばりを応援するほほえましい光景を見ることができました。  作品展では、受賞作品の前で、家族そろって記念撮影をする場面に多く 出会います。思わず「おめでとう」の声をかけ、シャッター係をかってでる ことも、しばしば。  ☆ 光る感性  ----- どの子にもあるキラリ輝く感性、それを見つけよう                  光らせよう  ☆ たたえよう ----- 挑戦する姿 努力の成果 仲間と共に伸びる喜び                  たたえよう  ☆ 土佐の   ----- 気候・風土に根ざしたふるさと土佐  ☆ 教育文化  ----- こどもが主役で長年培ってきた多くの教育文化  児童生徒のがんばりは、全国大会(中央大会)でも証明されました。以下 本年度の全国大会での顕著な成績です。 ◆全国小・中学校作文コンクール  *読売新聞社賞 「私のひばあちゃん」   大峯涼夏さん (土佐女子中3年)  *JR賞    「生き物大・大・大すき!」久保田聖那さん(影野小3年)  *JR賞    「暗やみで見つけた光」  久松莉子さん (高知小5年)   < 高知県代表3名全員受賞は、全国に誇れる快挙です。> ◆高円宮杯全国中学校英語弁論大会  *コカ・コーラ環境・社会特別賞   宇田周平さん(城東中3年)   同賞は、昨年度の大原海里さん(土佐中3年:当時)に次ぐ2年連続の受賞。   宇田さんは、1昨年の7位に続き、2度目の決勝大会進出での快挙!  *決勝大会進出は、4年連続! 本県作文レベルの高さを実証しています。 ◆高知県高等学校生徒理科研究発表会  *全日本科学教育振興委員長賞  高知南高等学校科学部                   「浦戸湾産ヤドカリの住宅事情Ⅴ」   同科学部は、2年連続で「入選2等」を受賞しており、3年目での快挙! ◆高等学校定時制・通信制生徒生活体験発表会  *メイ・ウシヤマ賞  「今を生きる」 森本さよ香さん(山田高校定時制) ◆青少年読書感想文コンクール  *サントリー奨励賞 「ホルモンが出るのをまちたいな」                      岡村柚那さん (尾川小3年)  本県からの応募作品は、毎年、何らかの賞を受賞しています。  改めて、本県児童生徒の感性と能力、指導者の熱意・ご努力に敬意を表し ます。受賞者のみなさん、関係の皆様、本当におめでとうございます。  そして、ありがとう。 高知県教育文化祭行事のブログを公開しています。以下のURLでご覧ください。     http://blog.goo.ne.jp/kyouikubunkasai-jimu  また、年間行事一覧表、Q&A等詳しくは、県教委小中学校課HP内の高知県 教育文化祭でご覧いただけます。         【高知県教育文化祭運営協議会  事務局長  丹下主教】 ------------------------------------------------------------------------ ◆「パートナー」の内容は自由に引用、転載してもかまいません。 ◆バックナンバーは小中学校課ホームページでも読むことができます。  http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/310301/   ◆ご意見・お問い合わせはこちらまで  TEL 088-821-4638 FAX 088-821-4926  mail 310301@ken.pref.kochi.lg.jp  担当:神岡 / 発行責任者:今城