◆◇◆◇◆ 小中学校課学校教育担当メールマガジン「パートナー」◇◆◇◆◇                             H25.11.28 第129号        県教育委員会HP http://www.pref.kochi.lg.jp// 小中学校課HP http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/310301/ ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇        高知県教育委員会事務局 小中学校課学校教育担当 編集・発行 ------------------------------------------------------------------------  めっきりと冬の気配が感じられるようになった今日この頃ですが、鮮やかなグ ラデーション色の紅葉もまだ所々で健在です。  庁舎東側の銀杏並木通りの落葉は、日差しを受け黄金の絨毯のように輝いてい ます。時折、木々を見るために立ち止まる人やカメラで撮影する人を見かけます。 皆様の職場からも元気に体を動かしている子どもたちの周り等、身近に素敵な景 色が広がっているのではないでしょうか。  さて、今月号の「パートナー」も、皆様方のお役に立つ教育情報満載です。 ------------------------------------------------------------------------ 【銀杏だより】 『サイレント・カル』 永野 隆史 小中学校課長 【教育実践】  教育事務所記事 <東部教育事務所> 【平成25年度全国学力・学習状況調査結果について】 【第26回四国地区学校図書館研究大会三好大会について】 【「心を耕す」教育の総合的な推進】 (1)キャリア教育の部屋 (2)道徳の部屋 【ザ・チャレンジ!】 (1)ことばの力育成の部屋 (2)理科の部屋 (3)外国語の部屋 【お知らせ】  ○<第6回万葉こども賞コンクール 作品募集の案内について>  ○<「第23回日専連全国児童版画コンクール」作品募集について>  ○<「第57回高知県小・中・高・大家庭科教育連合会研究大会」    開催のご案内>  ○<「国際理解教育実践事例集(小学校編)」出版について>  ○<視覚障害のある方への細やかな配慮を> ------------------------------------------------------------------------ 【銀杏だより】  『サイレント・カル』  月末、28日は芭蕉忌です。芭蕉は元禄7年10月12日、旅先の大阪で亡く なっていますが、太陽暦に直せば、今月末のこの日が忌日とか。芭蕉は好んで、 「時雨」を具象的に取り扱い句に残しています。ですから、この日を「時雨忌」 とも呼びます。こんな訳でこの季節、時雨ということばにちょっとした憧れを もつのですが、週初め早朝の荒れ模様の天気は、時雨どころではなく西庁界隈の 銀杏を容赦なく吹き飛ばしてしまいました。  その大荒れの天候が、東北に届くころ、着任したばかりのケネデイ大使が、 被災地に出向き、小学校や仮設住宅を訪問する映像が流れていました。父のジョン ・F・ケネデイが凶弾に倒れたのも確か今月の22日。坂本龍馬、浜口雄幸・・・ どうも私の関心のある人たちは11月に災難に遭っています。  J・F・K時代から遡ること40年。日本では浜口雄幸が昭和恐慌の後始末に 奔走していたころ、アメリカは「狂騒の20年代」と称せられ、アメリカ国土全 体が世界恐慌直前まで、経済発展を謳歌します。時の大統領は第30代カルビン・ クーリッジ。歴代大統領の中でも地味な存在と伝えられています。  クーリッジは極めて無口でした。公務であれ、家族のなかであれ、必要以上の 話はしなかったとのことで、サイレント・カルとも揶揄されていたそうです。同 時代、海を跨いで、浜口雄幸と人として共通する面もあり、私にとっては面白い 存在です。そのサイレント・カルが当時のアメリカの世情を背景に「必要以上の 税を集めるのは合法的強盗である」ということばを残していますが、これはアメ リカ経済史を専攻なさった方にとっては承知の名言です。地味で寡黙な大統領に は、この人らしいこんなことばもあります。 「この世に、継続に勝るものはない。才能は継続に勝ることはできない。才能が 在りながら成功を収められない人々は山ほどいる。天才も継続に勝ることはでき ない。継続と決意こそが、絶対的な力なのである」    私たちは、「この人物なら、本県の教育に貢献してくれる」と、伸びしろの幅 と長さを見図ってもらい、期待され、子どもたちの前に立たせてもらっています。 幾年もたって、経験という年輪を重ねるほどに、その期待に応えられたかどうか を、問わなくてはいけないでしょう。私たちは授業の天才でも、学校のカリスマ でもありません。失礼ながら、皆似たり寄ったりの力です。それでも、子どもに 向き合う誠実さは備わっているだろうと見込まれ、この世界に入ることを許され たもの同士です。  初任であろうが、30年目の大ベテランであろうが、県民の方々に期待しても らって、今の自分が存在することを忘れぬようにしたいものです。仕事には、時 として、多くの人が、それは無理といっている事柄であっても、動かさなくては いけないことも出てきます。中期的な目線ももち合わせた学校、学級経営をお願 いする時期にも来ています。今、求められているのはまさしく継続と決意なので しょう。  ものを言わず、音も立てず、じっと我慢して、私たちの成長を応援してくれて いる人々を裏切らぬように。  この頃、この駄文を楽しみにしてくれている変わった方、いやいや尊い方もい らっしゃるそうです。わずかな字数ですが、書き手は常に苦しみもがき、公に晒 されることを「恥ずかしながら・・・」と身を細くしています。                      【小中学校課長  永野 隆史】 ------------------------------------------------------------------------ 【教育実践】 『学校経営を見つめて ~ほんでどうする~』  私は、自己紹介をしてもらう時、必ず、名前と併せて何か話を付けたして もらうことにしています。もう10年以上も前のことになりますが初任者研修に 関わった時もそうです。  その時は、名前と併せて「好きな言葉」を話してもらうことにしましたが、 さすが初任者です。「好きな言葉を・・・」と振るだけで、それにまつわる話 等をひとしきりしてくれました。それぞれ興味深い話や人柄がうかがえる話が ありましたが、その中でも一人の初任者が言った「“コツコツは勝つコツ”です。 それは、中学校時代の校長先生が・・・」は、今でもインパクトが強かったこと として印象に残っています。  早速、学校に帰り「コツコツは勝つコツ」を、集会で生徒に話したことでした。  以来、「言葉を一つ持ちなさい。そうすれば困ったときや壁にぶつかった時、 その言葉が手を引っ張ってくれたり、背中を押してくれたりしますよ。」と、よく 生徒とその向こうにいる先生方に向かって話したことでした。  さて、私は?というと、何時の頃からか「ほんでどうする」が心の真ん中に 宿っている。多分、校長になった13年前あたりからだろうと思うが、随分、この 言葉に助けられた。それは、「ほんでどうする」は「する」であり、私の中に「し ない」は存在しないからである。だから、何か困ったことにぶつかった時、心の 中で「ほんでどうする」と呟いてみる。そうすると、次の一手が浮かんでくる。 そんなことが現役時代に何度もあった。教育は、具体的に動いて初めて次が見え てくるからである。やっぱり「ほんでどうする」は魔法の言葉である。  ところで、3月末をもって定年退職をしたのだが、引きつづき4月から非常勤 職員として東部教育事務所で勤務している。主に学校訪問をし、「知」「徳」「体」 のバランスのとれた児童生徒の健全育成についての協議をすることが多いが、 その時に、退職してから気づくことや反省することが少なからずある。  例えば、「学校改善プラン」や「学力向上にむけて、これだけは大切にしたい 授業づくりのポイント」を基に話し合いをする時もそうである。当然、協議をし ながら校長の思いが伝わってくる。ただ、その思い(学校経営)がはっきり見え る学校と少し霧がかかっている学校があるのも確かである。私もその「霧の一人」 であったのかもしれないが、ではその違いは何なのだろうと考えた時、それは、 構想が具体的であるかどうかというところに行きつく。ということは、失礼ながら 学校経営案を職員に具体的に分かりやすく説いているか、という思いまで湧いて くる。そんな時、私は授業改善を学校経営に当てはめてみる。ねらいの提示はど うか、その質やタイミングはどうか、根拠を基に話し合わせているか、振り返り (評価)はどうか、等々・・・教師が授業づくりなら、校長は学校づくりである。  また、現状を分析し把握したら必ず課題が見えてくるはずである。課題は方向 性である。現状からワンランクあげるには、その課題に「危機感」を持ち、「ほ んでどうする」の方向に向けて、具体的に動き始めることである。やはり、そこ にあるのは思いの熱さと明確さである。  校長と面談していると、つい先ごろまで同僚であった管理職や校長会仲間ばか りということもあり、本音での話はもちろん、悩みもでてくる。そう、そう、私 にも学校経営では同じ悩みがあった、と心の中でうなずく。社会情勢も含めて、 色々と大変なことも分かる。しかし、立ち止っている間はない。目の前に子ども はいる。だからこそ「ほんでどうする」である。 <おまけ>  某中学校の校長便りの中に「先生も頑張っていますコーナー」を見つけました。 ホッとします。不易と流行ではないが、いつの時代でも、大人も子どもも褒めて 育てる、ということか。  『やってみせ、言って聞かせて、させてみて、褒めてやらねば人は動かじ』  自省の念も込め、いつまでも先生方の応援団であり続けたいと思う。そして、 少しでも力になりたいとつくづく思う。                                 【東部教育事務所学校経営アドバイザー 谷村 正昭】 ------------------------------------------------------------------------ 【平成25年度全国学力・学習状況調査結果について】  平成25年度全国学力・学習状況調査結果から見える本県の子どもたちの学力 の状況については、9月6日に開催しました「学力調査等の活用に関する研修会 (校長対象)」等で説明しているところです。各学校におかれましても、返却さ れた採点結果と自校採点に基づいた分析結果を照らし合わせ、改善の取り組みの 方向性を確認されたことと思います。  今回の調査結果において、小学校A問題では、平成21年度との比較で全国で もトップクラスの改善状況にあり、高知県の取り組みが全国的にも注目されてい ます。  校種別に見ると、小学校の結果は、国語A・B、算数Aでは全国平均を上回っ ています。中学校の結果は全国平均には達しておらず、特に数学Bの課題がより 明らかになりましたが、平成19年度からの改善傾向は継続していると捉えてい ます。  教科ごとに見ると、国語では、編集の目的や意図に応じ、複数の内容を関連付 けながら自分の考えを書くことや、漢字の特徴を捉えて、自分の考えを具体的に 書くことに課題が見られました。また、算数・数学においては、計算問題等では 正答率が高く、日頃の取り組みの成果が表れているものの、記述式の問題では計 算問題に比べ正答率が低く、根拠を明らかに示すことなどに課題が見られました。  このように、問われていることに関連付けながら、根拠を明確にして自分の意 見を記述することを国語・算数・数学だけでなく、他の教科においても授業の中 で計画的に指導することが必要であると考えます。  次に、児童・生徒質問紙調査の結果においては、自尊感情や規範意識、家庭学 習時間など多くの項目で改善が見られました。また、今回新たに追加された質問 項目のうち、授業づくりについて以下のようなものがありました。  ①普段授業では、はじめに授業の目標(めあて・ねらい)が示されていると思   いますか  ②普段の授業では、最後に学習の内容を振り返る活動をよく行っていると思い   ますか  これは、「授業づくりのスタンダード」等、授業づくりについて県教育委員会 から発信している内容と共通しており、大事にしてもらいたいポイントです。こ の質問について肯定的に回答した割合を見てみると、①よりも②の方が低い状況 にあります。学校質問紙の関連項目と併せて分析し、授業改善を進めていくこと が大切です。  全国学力・学習状況調査の目的の一つに、「学校における児童生徒への教育指 導の充実や学習状況の改善等に役立てる。」とあります。教科・質問紙の調査結 果を踏まえ、各学校における改善への取り組みをさらに進め、高知県の子どもた ちに確かな学力を付けていきましょう。  《参考》  全国学力・学習状況調査結果【速報版】  http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/310301/gakuryokutyousa.html  学力向上に向けてこれだけは大切にしたい授業づくりのポイント  http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/310301/jyugyodukuripoint.html                        【小中学校課 伊吹 竜二】 ------------------------------------------------------------------------ 【第26回四国地区学校図書館研究大会三好大会について】  10月31日、11月1日に第26回四国地区学校図書館研究大会三好大会が、 徳島県にて開催され、「東みよし町立三加茂中学校」を訪問する機会がありまし たので、そこで行われていた中学校2年生の国語科の授業を紹介します。  授業者は、古典に親しむ態度を育成するために、「古典を身近なものと感じさ せたい」と考え計画を立てられたそうです。  「平家物語を読み解く~三好地域に残る『平家落人伝説』から~」という単元 の学習指導計画(全10時間)は、  1 「冒頭」「扇の的」「弓流し」「壇ノ浦の戦い」などの場面を、傍注テキ    ストを用いて読み、原文の響きを味わわせる。(4時間)  2 「平家落人伝説」に関する郷土資料を調べ読み、自分の考えをまとめる。    (3時間)  3 郷土資料の調べ読みを通して考えたことを発表し、平家の人々の心情に    迫る。(2時間)  4 学習のまとめをする。 となっていました。教科書教材だけでは、平家の人々が必死に生きた様子が伝わ らないと考え、学習指導計画1で示した場面だけでなく他の場面も傍注テキスト や学習漫画を活用し、平家物語の全体を捉えさせています。また、地域に残る 「平家落人伝説」の資料を活用し、平家の人々の心情を捉えさせています。  参観させていただいた授業は、9時間目の授業でした。生徒は、「平家落人伝 説」に関する郷土資料を調べ読み、そこから考えた登場人物の平家再興の願いや 主従の絆について、生き生きとした表情で発表していました。  この単元の授業を終えた他のクラスでは、「平家物語」や「平家落人伝説」か ら、武士としての生き方だけでなく、無常観を感じ取っていたそうです。  地域資料は揃えるのが難しく、公共図書館や近隣の学校から借りて準備をした とのことでしたが、そのような準備や手立てが、「平家物語」についての興味・ 関心を喚起し作品を深く味わわせること、郷土愛を育むことにつながっていると 感じた授業でした。                        【小中学校課 西村 美香】 ------------------------------------------------------------------------ 【「心を耕す」教育の総合的な推進】 (1)キャリア教育の部屋 秋の深まりと冬の到来を感じさせる今日この頃ですが、皆様にはいかがお過 ごしでしょうか。  県内の各公立中学校には、生徒数分中学生用キャリア教育副読本『みらい スイッチ』が配付されています。この冊子は、各学級等に備え付けとなっている 冊子ですが、各校で積極的に活用していただきたいものです。今月は須崎市立 須崎中学校で、この冊子を活用したキャリア教育の視点で捉えた各教科等の授業 が公開されましたので、お知らせしたいと思います。  須崎市立須崎中学校では、2学期に職場体験学習「わくわくチャレンジ in すさき」に取り組んでいます。職場体験学習に臨む心構えとして、「自分のふる さとに目を向け、働くことの意義について考えること」を目標に本時の授業が展 開されました。「高知県ではどんな職業が多いだろうか」「各産業分野で高知県 が1位のものはあるだろうか」「(経済的理由以外で)どんな思いをもって働い ているだろうか」と大きく3つの問いがあり、生徒は付箋紙を活用しながらワー クショップ形式で意見を交流していました。  働く意義や目的について、生徒たちから「人に夢を与えるために」「住んでい る地域の良さを伝えたいから」「周りの人を助けるために」等の意見が出され、 授業終盤、まとめとして、「働いている人と同じ気持ちになる」「親の苦労が 分かるようになる」「感謝の気持ちをもつ」等、職場体験学習の目標と体験後の 自分の姿を綴っていました。  『みらいスイッチ』は、授業中盤までの段階で使用されました。生徒は日常の 生活や今までの経験をベースに思考していきます。高知県にある職業について、 生徒からは「農林水産業」「教師」「消防士」「保育士」などが出されました。 観光や文化の分野では、想像された職業は全くない状態でした。  高知県は、田舎で何もないというような負の雰囲気が感じられた、その時に 『みらいスイッチ』の登場です。生徒の「ええっ!?」「あー!」という声が 多く聞こえてきました。いろいろな仕事、高知県の誇る全国1位のもの、世界に 誇るものなど、新しい発見と驚きを感じさせる声がありました。  学習内容が多く、本時1時間ではこなしきれなかったこともあり、「働く意義 と目的」の場面では、副読本の活用はありませんでしたが、授業後の研究協議で は、体験学習後の取り組みで活用することが意見として出されていました。  『みらいスイッチ』は、確実に生徒の視野を広げていました。生徒が体験学習 を通じて得られる貴重な学びのうえに、『みらいスイッチ』に載せられている各 分野で活躍する高知県の誇る職業人のメッセージが、きっと生徒の心に迫り、響 き、大きく育ててくれることでしょう。                        【小中学校課 須内 康雄】 ------------------------------------------------------------------------ (2)道徳の部屋      ~道徳教育ハンドブック『家庭で取り組む 高知の道徳』~  県教育委員会では、県内の小・中学校で進めている道徳教育を、家庭や地域の 皆様のお力もいただきながら総合的に取り組むために、家庭用の道徳教育ハンド ブックを作成し、公立小・中学校のすべての児童生徒のご家庭にお配りします。  このハンドブックには、学校で取り組む道徳教育の内容とともに、社会におけ る共通の規範や家庭の中でのルールなど、家庭や地域における子どもとのかかわ りの中で心がけていただきたいことなどを掲載しています。ご家庭においては、 本冊子を台所や居間などすぐに手に取れるところに置いて、お子さんと一緒に生 活を振り返ったり、互いに自分を見つめ生き方について考えたり、話し合ったり したことを自由に書き込むなどして、子どもとの時間を大事にしていただきたい と思います。  また、以下のような場面での活用も積極的にお願いします。 【家庭で】 ・家庭で子どもとのかかわりを一層深めるときに ・子どもの成長を振り返ったり喜び合ったりするときに 【学校で】 ・学級懇談や道徳参観日・講演会等の場で ・PTA研修会の場で 【地域で】 ・地域の集会活動や社会教育の研修会等の場で  続いて、ハンドブックに掲載されている内容を一部紹介します。 Ⅰ いかんことは いかん!!  ①いじめは いかん!  ②うそをついたら いかん!  ③ひきょうなことをしたら いかん!  ④人に迷惑をかけたら いかん!  ⑤人の物をとったら いかん!   ★このことを、大人がきちんと教えましょう。 Ⅱ 家庭の力は 心の エネルギー  ~家庭で行う7つの取り組み~  ①毎日きちんと「あいさつ」をしよう  ②家族と「会話」をしよう  ③家族の一員として「役割」をもとう   ④子どもに「がまん」を教えよう  ⑤体験の中で子どもを「きたえ」よう  ⑥先人や目上の「人を敬う」心を育てよう  ⑦人に迷惑をかけたときはきちんと「叱ろう」   ★背中で教える大人の意識と行動!  高知の子どもたちには、自分自身を大切に思い、感性豊かで、きちんときまり を守ることができる子ども、自分の夢や志をしっかりともった子どもに育って いただきたいと考えています。  12月号では、地域で取り組むことや学校での道徳教育について紹介します。 この冊子を、ぜひ、多くの方に手にとってもらい、見ていただきたいと思って います。                                  【小中学校課 藤村 真理】 ------------------------------------------------------------------------ 【ザ・チャレンジ!】 (1)ことばの力育成の部屋  11月9日(土)に、ことばの力育成プロジェクト推進事業「平成25年度 高知県わくドキ!ショートコメントコンテスト」の表彰式が開催されました。 本年度は、過去最高の6,265点の応募があり、学びの広がりや深まりを感じ させる作品が多数寄せられました。子どもたちの学ぶ意欲を喚起し、熱心にご指 導くださった先生方、本当にありがとうございました。  表彰式では、審査委員長の松本三三男先生から次のような講評がありました。 ・今年度も実に多様な図書のショートコメントが寄せられた。 ・ショートコメントを書く時のポイントは、本から受けた感動を、「最も伝えた  い相手は誰なのか」、「なぜその人に伝えたいのか」ということを明確にして  書くこと。 ・小学校低学年の作品は、自分の興味・関心に沿った本を読み、身近な相手に向  けて、生き生きと自分の思いを表現できていた。 ・小学校中学年の作品は、選んでいる本が多岐にわたり、図鑑やことばに関する  本も多く見られた。それぞれの本の世界に浸って感じたことや考えたことが、  一貫性をもって綴られていた。 ・小学校高学年の作品は、本の内容を的確に捉えて要約し、そこに自分の感想を  付けるなどの工夫が見られた。 ・中学生は、本の内容を自分のこととして捉え、感銘を受けたことを本の作者や、  同じ悩みをもつ仲間に向けて書いていた。  今年度の受賞作品(教育長賞及び金賞)については、小中学校課ホームページ に掲載しますので、ぜひご覧ください。  これからも、いろいろな分野や領域の本に触れさせ、子どもたちの読書の幅を 広げてもらいたいと思います。そして、たくさんの本との出会いの中から得た感 動や発見を、来年度もショートコメントにして送ってください。お待ちしています。                          【小中学校課 益永 美佳】 ------------------------------------------------------------------------ (2)理科の部屋  今月は、3つの理科教育に関わる研究授業・発表会について報告します。  1つめは、高知県小中学生科学研究発表会です。小学校低学年・中学年・高学 年・中学校の各支部代表による研究発表は、児童生徒の理科好きな様子が伝わっ てくる科学的に探究された素晴らしい内容でした。児童生徒の疑問を大切にして、 その目的意識をもち続けて取り組めるように、先生や保護者による支援や指導の 必要性を改めて感じさせられました。  2つめは、四国理科教育研究大会高知大会です。いの町立伊野小学校で開催さ れました。児童に目的意識をもたせて、基本的な観察・実験を丁寧に取り組ませ る手立てを講じた公開授業が提案されました。  3つめは、中国四国中学校理科教育研究会高知大会です。高知市立城西中学校・ 愛宕中学校で開催されました。物理領域の公開授業では、生徒の実験に対する目 的意識が徐々に引き出され、生徒の「確かめたい」という気持ちの高まりがよく 分かる公開授業でした。  また、全体会では、独立行政法人海洋研究開発機構の平朝彦理事長による記念 講演「未踏への海洋への挑戦」がされ、深海における地学研究のパイオニアなら ではの最新情報を交えた楽しい内容に、自分自身の科学的興味・関心が引き出さ れる喜びを感じました。  授業に限らず、具体的で分かりやすい説明は、相手を納得させて興味・関心を 引き出すことにつながるということを実感しました。                         【小中学校課 玉野井 英二】 ------------------------------------------------------------------------ (3)外国語の部屋  今回は、秋田県大仙市に引き続き、石川県金沢市の取り組みについてご紹介 します。  金沢市は、2015年春の北陸新幹線開業に向けて活気付いています。英語 教育においては、平成16年4月から「小中一貫英語教育特区」として、小中の 系統立てたカリキュラムに基づき、市内全小中学校で小学校第3学年から「英語 科」を設置して取り組んでいます。平成23年度には、カリキュラムを見直し、 「金沢スタンダード・ベーシックカリキュラム」と言われるコミュニケーション を重視したカリキュラムを新たに作成しました。小中9年間の円滑な接続を図り、 児童生徒のコミュニケーション能力の更なる育成を目指すことを目標として、各 学校では、このカリキュラムをもとに学校ごとの実情に合った授業実践を行って います。  9月上旬に参観した小学校第5学年の授業は、学級担任が中心となって授業を 進め、英語インストラクター(日本人の外部人材)が音声面のサポートするティ ームティーチングでした。学級担任は、本年度、「英語科」を設置する金沢市に 転任したばかりですが、子ども同士の関わりやコミュニケーションを大切にした 授業を展開するとともに、一人一人の学習状況、定着度を行動観察し、よく把握 していました。また、英語インストラクターは、常に笑顔で児童に接することで 安心感を与えながら、発音等の指導を中心にして学級担任との連携を図っていま した。秋田県と同様、先生方の効果的な役割分担が授業をスムーズにしていまし た。本時の最後の活動として、子どもたちは、中国の小学校の時間割を見ながら、 「何の教科」なのかを推測し、「なぜそう思うのか」を慣れ親しんだ表現 (Monday,4th period.Arts.等)と日本語を交えて、 交流していました。使用した表現を使う必然性をもたせる場面設定は、本授業の 学習の目的を明確にしていました。見習いたいポイントでした。  さて、先月、新聞等で小学校英語の「教科化」等についての報道がありました が、決定されたということではありません。現在、国として「検討している」と いう段階です。小学校における、教科である「英語科」についても、何をもって 「教科」とするのかは決まっていませんし、担当教員や教科書、評価・評定等に ついて、今後検討していくことになります。英語教育がどのように進められてい くのか、検討をしていく、ということです。  その動向が大変気になるところですが、各小学校においては、まずは、現行の 学習指導要領を踏まえた取り組みを継続・推進していくことが重要です。先生方 の学校では、「外国語活動が好き」「友だちとコミュニケーションをとることが 楽しい」と答える児童が育っているでしょうか。                          【小中学校課 谷口・三村】 ------------------------------------------------------------------------ 【お知らせ】 <第6回万葉こども賞コンクール 作品募集の案内について> ○奈良県立万葉文化館から万葉集の歌を題材に、自由な発想で表現した作文と  絵画を募集するという、標記コンクール案内がありましたのでお知らせします。 ◆事業名称:第5回万葉こども賞コンクール ◆募集期間:平成26年1月17日(金)必着 ◆主催:奈良県立万葉文化館・朝日新聞社 ◆募集部門:①作文の部        ・小学生:400~600字        ・中学生:800~1,000字        ※400字詰め原稿用紙         ②絵画の部        ・小中学生とも四つ切りまたは八つ切り大の画用紙かキャンバス        ※いずれも画材は自由。裏に作品の簡単な説明を付けてください。 ◆応募方法:作品の裏に、郵便番号、住所、氏名、電話番号、学校名、学年、       題材とした万葉集、または万葉集との関わりを記入 ◆応募先:〒634-0103      奈良県明日香村飛鳥10万葉文化館内「万葉こども賞コンクール」係 ◆お問い合わせ:0744-54-1850         詳細はHPをご覧ください。http://www.manyo.jp/                        【小中学校課 西村 美香】 ------------------------------------------------------------------------ <「第23回日専連全国児童版画コンクール」作品募集について>  日本専門店会連盟では、暮らしよいまちづくりを目指す日専連の文化事業の 一環として、子どもたちの健やかな感性を育み、版画芸術の発展に寄与すること を願い、全国の小学生児童を対象にした「日専連全国児童版画コンクール」を 実施します。 ◆対象:全国の小学生児童 ◆応募方法:コンクールに参加する全国の日専連各単会へ応募。なお、最寄りの       日専連がない場合等は、日専連本部へお問い合わせください。 ◆応募締切:平成26年1月31日(金)                          【小中学校課 西村 美香】 ------------------------------------------------------------------------ <「第57回高知県小・中・高・大家庭科教育連合会研究大会」開催のご案内>  本年度は、昨年度のテーマの「考え・行動する子どもを育てる家庭科教育」を 踏襲しつつ、この理念をより発展させる意欲的な研究発表を行います。本研究 大会は、小・中・高・大の各パートの先生方がともに集い、研究討議や交流を 深め、家庭科教育の振興をはかるための一年に一度の大変貴重な機会となって います。 ◆主催:高知県小・中・高・大家庭科教育連合会 ◆開催日:2013年12月7日(土) 13:00~16:00 ◆開催場所:高知大学総合研究棟2階 会議室1       展示は会議室2 ◆大会の目的:高知県における家庭科の発展および家庭科教職員の資質向上の        ため ◆大会テーマ:考え・行動する子どもを育てる家庭科教育 ◆後援団体名:高知県教育委員会・高知県産業教育振興会 ◆参加費:1,000円(資料集のみは500円) ◆研究発表  *小学校:家庭生活に生かせる家庭科の授業を目指して        ~ICTを活用した調理実習の実践~             土佐市立宇佐小学校 明神 真紀子  *中学校:食生活と自立の指導             高知市立朝倉中学校 柴田 真弓  *高等学校:家庭科における食生活分野の指導実践         ~地域に根ざした高知農業高校の取り組み~             高知県立高知農業高等学校 田村 悦子  *大学:産業衛生や生活安全のために重要である生活科学の基礎学力             高知県立大学 和田 安彦 ◆問い合わせ先(会長宛)  〒780-8520 高知市曙町2-5-1            高知大学教育学部 田村 和子  E-mail:Kotamu@kochi.ac.jp                        【小中学校課 神岡 真紀】 ------------------------------------------------------------------------ <「国際理解教育実践事例集(小学校編)」出版について>  文部科学省が「国際理解教育実践事例集(小学校編)」を出版しました。  小学校編では、国際理解教育において育むべき資質・能力別に、「学びの広が り、深まりをもたらす授業作り」や「多様な教育的資源の活用」等を基本的視点 とし、国際理解教育の実践事例を多数紹介しています。興味のある方、ご購入を 希望される方は、教育出版ホームページをご覧ください。    教育出版ホームページ http://www.kyoiku-shuppan.co.jp                           【小中学校課 三村 香里】 ------------------------------------------------------------------------ <視覚障害のある方への細やかな配慮を>  本年度5月のメールマガジンでも「保育所・幼稚園・学校等からの通知(お知 らせ)を視覚障害者が判読可能な媒体で提供すること」について、家庭訪問や電 話で直接伝える等、視覚障害のある保護者の要望に応じた方法でお伝えすること をお願いしてきました。  視覚障害のある保護者の中には、電子メールを音声や点字に変換する機器を持 っておられる方が多く、電子メールで連絡をとったり、ICレコーダーを活用し て音声で連絡を取り合うこともあるそうです。大切な内容を伝える際には、電子 メールや録音テープ、ICレコーダー等、繰り返して確認できる媒体を活用する 等して、保護者の要望に応じた方法で情報をお伝えするようお願いします。  一人一人の保護者の要望を聞きながら、学校運営をしていくことは、信頼され る学校づくりのために大切なことです。そのためには、要望を出しやすい雰囲気 をつくるとともに、相手の立場や思いを理解することが重要だと思います。  これまでも、各保育所・幼稚園・学校等で十分に対応していただいていること と思いますが、今一度周知していただき、視覚障害のある方への細やかな配慮を お願いします。                                      【小中学校課チーフ 今城 純子】 ------------------------------------------------------------------------ ◆「パートナー」の内容は自由に引用、転載してもかまいません。 ◆バックナンバーは小中学校課ホームページでも読むことができます。  http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/310301/   ◆ご意見・お問い合わせはこちらまで  TEL 088-821-4638 FAX 088-821-4926  E-mail 310301@ken.pref.kochi.lg.jp  担当:三村 / 発行責任者:今城