◆◇◆ 小中学校課学校教育担当メールマガジン「パートナー」 ◆◇◆◇◆◇                           H23.3.23 第97号    県教育委員会HP http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/310000/    小中学校課HP   http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/310301/ ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇        高知県教育委員会事務局 小中学校課学校教育担当 編集・発行 ------------------------------------------------------------------------  春。3月。  「希望」という言葉で始まったこのメールマガジン「パートナー」。  少しでも多くの方の目に触れるように、皆様方の役に立つ「パートナー」であ ることを願いながら毎月発行してきました。  それぞれの職場で別れと出会いが待っています。  このパートナーをご覧いただいている全ての皆さんに、素敵な出会いがあるこ とを願っています。  「感謝」の言葉と共に、一年間ご愛読いただき、ありがとうございました。 ----------------------------------------------------------------------- 【メッセージ】 「年度の終わりに」東教育次長 【小中学校課転出者からのメッセージ】 【教育実践】 <人権教育推進講座支援事業~黒潮町~>西部教育事務所 【挑戦と成果】 (1)第12回ポッシブル・ミッション(中学校学力向上推進チーム) (2)心を「耕す」教育の総合的な推進   ①道徳の部屋  ②学校図書館の部屋 (3)新学習指導要領全面実施に向けて 【お知らせ】 ≪「教科ミドルリーダー育成事業」フォローアップアンケート結果について 【概略】≫ ≪「あんぜん チョットいい話」作文募集のお知らせ≫ ≪「バケツ稲づくりセット」の配布のお知らせ≫ ≪第49回下中科学研究助成金審査結果の知らせ≫ ≪「土佐弁ミュージカル」について≫ 【銀杏だより】「大津波警報」小中学校課長 ------------------------------------------------------------------------ 【メッセージ】 「年度の終わりに」  この一年間、日曜日の朝は日曜市を訪ねることが日課になっている。つい数 週間前には、夜明けとともに襟巻き姿で歩いて片道四十分、その頃の店先はモ ノトーンの調べを漂わせていた。つたない鶯の鳴き声を聞くようになり、襟巻 きも手袋も着けずに身軽な姿で歩けるが、近頃の日曜市の出先は、ほうれん草 や小松菜などの緑、トマトの赤や水仙の黄色などにぎやかな彩りを取り戻して いる。四百年の歴史を誇る日曜市、その歴史を紐解けば、戦災や南海大地震な どを乗り越えてきている。  十日程前に、日本の観測史上最大の巨大地震が東日本を襲った。マグニチュ ード9.0、四国8個分の広さの岩盤が、わずか2分くらいの間にバリバリと 割れたことになるという。大津波が沿岸の街や村、家や人々の生活を襲い、壊 滅的な打撃を与え、多くの尊い命を奪い、今なお行方不明者も数多い。テレビ で見た惨状は、津波の恐ろしさを強烈に脳裏に焼き付けた。亡くなった方々の ご冥福をお祈りするとともに、避難所生活をされている人々にお見舞いを申し 上げたい。  こうした過酷な被災地にありながらも、多くの人々から、私たちは勇気づけ られ、元気づけられている。被災後9日ぶりに瓦礫の中から救出された80歳 の祖母と15歳の少年、厳しい状況の中あきらめずに励ましあい生き延びた。 新しい命の誕生も伝えられてくる。また、被災地での助け合いの精神、お互い 様の心、マナーの良さなど、非常事態にもかかわらず日本人は「冷静で礼儀正 しい」と絶賛する声が、世界中から寄せられているという。  こうした話を聞くと思い出す言葉がある。「人生の修羅場、土壇場、正念場」 である。生涯学習フォーラム高知大会の人材育成で本県出身の元三井物産副社 長の渡辺五郎氏が基調講演の中で話された言葉であるが、私にとっては、「重 ねてきたいろいろな経験を糧に、難局においてどのような人間性を発揮するの か、できるのか」を自問する言葉である。私は、そうした場面であっても、一 風の春風をつれてくる、そんな人になりたいと叶わぬ思いを持っているし、そ うした人づくりができる高知の学校でありたいと願っている。  その為にも、先ずは、学校では、教職員による創意工夫された基礎・基本の 定着と、読書や体験活動などを通じた豊な心の育成が求められているのである。                          【教育次長 東 好男】 ----------------------------------------------------------------------- 【小中学校課転出者からのメッセージ】     7年間、小中学校課で勤務させていただきました。その間、市町村の教育  長様をはじめ、多くの方にお世話になり本当にありがとうございました。   このたび異動となり、また、別の部署で勤務することになります。高知県  の教育を変えていくのは、何と言っても現場の先生方の意欲や志です。これか  らも高知の子どもたちの成長に向けた力強い取り組みが、県内各地で繰り広  げられるよう頑張ってください。                         【課長補佐 安岡 健二】 この2年間数多くの学校を訪問させていただきました。   「学力をまずは全国水準にまで引き上げる」  この目標達成に向けた各学校の取り組みが、着実に成果となってあらわれて  いるものと実感しています。立場は変わりますが、これからも子どもたちに  豊かな未来を保証するための取り組みを継続していきます。2年間本当にお  世話になりました。    【専門企画員(学校教育担当)兼チーフ(学校教育第二担当) 土居 英一】     このたびの異動で文部科学省へ研修に行くことになりました。お世話にな  った皆様の顔を思い浮かべながら、初めての土地で頑張りたいと思います。   皆様方もくれぐれもお体を大切にされ、今後とも子どもたちのために頑張  ってください。                         【人事担当 飯田 泰明】   3年間、管理主事として重責のある職務を担当し、貴重な経験をさせてい  ただきました。 この経験は私にとって、大きな財産となりました。また、  小中学校課の皆さんとの出会いも大きな財産の一つとなっています。   このたびの異動で東洋町の野根中学校に転出することになりました。期待  に応えることができるよう頑張りたいと思います。                          【人事担当 仙頭 浩】 4年間、大変お世話になりました。   まだまだ、やりたいこともあり皆さんと一緒に仕事をしたかったのですが  …。   徳島県庁へ人事交流で行くことになりました。小中学校課で学んだことを  いかせるように頑張ってきます。また、お会いしましょう!                         【人事担当 岡本 延也】   2年という短い期間でしたが、中身の濃い充実した日々を素晴らしい仲間  とともに過ごすことができたことが、私にとっての財産です。   少し残念な気持ちでもありますが、4月からは、南国市稲生小学校で頑張  ります。皆様、本当にお世話になりました。                        【人事担当  窪田 泰行】   1年間でしたが、大変お世話になりました。ありがとうございました。   仕事に追われる中、2月には移動中に城西公園の梅の花を眺めながら唯一  春を感じていたことでした。   4月からは大月中学校で、風車を眺めながら仕事に励みたいと思います。   本当にお世話になりました。ありがとうございました。                        【人事担当  大橋 更三】   4年間学校教育第一担当として勤務させていただきました。小中学校課の  仕事を通して、様々な方々と知り合うことができたこと、学校教育を全国的  な視点で捉える機会に恵まれたことが大きな財産です。ここで得た貴重な経  験を今後の職務にいかしていきたいと思います。皆様、本当にお世話になり  ました。                     【学校教育第一担当 宮﨑 宏治】   3年間、中学校学力向上推進チームとして、中学校学力向上重点支援校の  学校支援訪問、「学力向上のための学校改善プラン」、高知県国語学習シー  ト等、大変お世話になりました。4月からは高知県教育センターで勤務しま  すので、小中学校課で取り組んできたことを、より学校の取り組みの近くで  支援できるよう努めたいと思います。   今後とも、よろしくお願いいたします。                                         【学校教育第二担当 武市 綾香】 ----------------------------------------------------------------------- 【教育実践】 <人権教育推進講座支援事業~黒潮町~>  各市町村では、人権啓発の様々な取り組みがされています。県では、人権教 育推進講座支援事業として、市町村の課題に即した人権教育推進講座を、市町 村担当者とともに行う支援をしています。本年度は、馬路村・須崎市・黒潮町 の3市町村で行いましたが、そのなかから黒潮町の取り組みを紹介します。  本年度黒潮町では「人と人とのつながりをめざして~あなたと共に学びたい ~」をテーマに10月22日から2月17日にかけて、年間5回の講座が下記 の内容のとおり開催されました。 ○第1講座-人権・同和教育ってなあに?-   講義Ⅰ「人権・同和教育ってなあに?」、講義Ⅱ「部落の歴史を知ろう」と  して ○第2講座-部落差別は今もあるの?-   講義Ⅰ「部落差別は、今もあるの?」、視聴覚教材「私たちの試み」視聴・  研究協議 ○第3講座-私たちの暮らしを見つめよう-   「フィールドワーク」旧佐賀町、旧大方町 ○第4講座-みんなで守る人権-   講義Ⅰ「子どもの人権」、講義Ⅱ「高齢者の人権」 ○第5講座-今、人権は.....-   講義Ⅰ「人権コンサート」(森秀一さん)、講義Ⅱ「今、人権は....  .」(江嶋修作さん)  参加者は黒潮町民、企業代表者、社会教育諸学級生、町職員、学校教職員と 様々で約25名でした。スタッフは6名です。黒潮町は、平成18年3月20 日「大方町」「佐賀町」の合併により誕生しました。この講座も旧町それぞれ を会場として交互に行われ、スタッフも大方庁舎、佐賀庁舎に勤務する職員で す。普段は各庁舎で仕事をしているのですが、しっかりと連携が取れており、 この講座をスタッフみんなで力を合わせ、充実した講座になるように頑張ろう という熱意を感じました。講座の最初のアイスブレイクや、講座の運営を一生 懸命担当する姿はとても輝いていたように思えます。  また、参加者の皆さんも毎回熱心に話を傾聴してくれ、それぞれの思いも語 っていただきました。私も、「子どもの人権」の講座を担当させてもらいまし たが、つたない私の話をしっかり聞いていただき、活発にグールプ協議もして いただきました。後の感想でも「もっとつっこんだ話を聞きたかった」「具体 的でもっと身近な事例があったら紹介してほしい」など、とても思いのこもっ た言葉を返していただきました。この黒潮町の推進講座に関わらせていただい て、人権教育を進めるためには学校や行政だけでなく、地域の力が絶対不可欠 であり、この三者がしっかりとつながり、それぞれの思いや考えを共有しなが ら連携し、取り組むことが大切だと思いました。来年度もそれぞれの市町村で、 人権教育推進講座をはじめとした人権啓発のための取り組みがされていくと思 います。私も本年度以上に各市町村担当者の方々や地域のみなさんとのネット ワークをつくり、連携しながら人権を守り、人への思いやりを育む輪を広げて いけるように、ともに頑張っていきたいと思います。                      【西部教育事務所 山﨑 源生】 ----------------------------------------------------------------------- 【挑戦と成果】 (1)第12回ポッシブル・ミッション <今一度、対策の見直しと徹底を!>  「学ぶ力を育み 心に寄りそう 緊急プラン」を策定して平成20年7月に スタートした、「学力をまずは全国水準にまで引き上げる」ための取り組みも 3年目が終わろうとしています。昨年7月に公表された平成22年度の全国学 力・学習状況調査の結果では、本県の小・中学生の学力については、明らかに 改善傾向にあるということがわかります。前回、全国の水準から離されつつあ った小学校算数でも大き改善が見られ、国語ととともに全国の平均正答率とほ ぼ同等の結果になりました。また全国との格差が非常に大きい中学校も全国の 平均正答率との差が年々縮まっており、指導改善加配や中学校学力向上非常勤 講師・教科指導エキスパートの配置、重点支援校に対する継続的な学校支援訪 問の実施等、中学校に特化した支援策の効果が表れたものと評価できます。し かしその一方で、小学校において学力の二極化が顕著になってきたことや、中 学校の伸び幅が過去2回と比べて小さくなっていることなど気がかりな点もみ られました。  小学校の結果を一過性のものとせず中学校の改善傾向をさらに確かなものに するためには、これまでの取り組みが本当に子どもたちの学力につながるもの となっているかどうかを点検し、日々の実践の中で徹底していく必要がありま す。そのためには何より、各学校が作成している「学校改善プラン」に基づい て学力向上に向けたPDCAサイクルを確立させることが重要です。学校のこ うした取り組みを充実させるために、私たち「中学校学力向上推進チーム」は この1年間、重点支援校(中学校)50校に対してのべ500回を超える学校 支援訪問を行いました。その成果と課題をチームに対する通知表ともいえる「 学校支援訪問に関するアンケート」から検証してみました。  市町村教育委員会の学校支援訪問に対する総合評価では肯定的な評価が96. 3%であり、推進チームによる支援が学校の取り組みの改善に一定の役割を果 たした結果であるといえます。しかし「大きな成果があった」という回答が昨 年度と同程度の22.2%にとどまった点は課題です。これは学校支援訪問も 3年目となり、各学校の学校改善が進んだことで支援訪問に求める水準が高く なった結果だと分析しています。こうした学校のニーズに応え得る支援訪問で なければならないと考えています。  さらに学力向上に向けた4年計画の最終年度を迎えるにあたり、重点支援校 以外の学校に対しても「学校改善プラン」を中心とした取り組みをさらに浸透 させなければなりません。そこで平成23年度は重点支援校(中学校)を36 校に絞り込むとともに、重点支援校以外の全ての市町村立中学校に対しても支 援訪問を実施することにしました。  ○訪問Ⅰ(重点支援校(中学校)36校対象)・・・年間8回程度実施  ○訪問Ⅱ(重点支援校以外の全ての中学校対象)・・・年間2回程度実施  詳細は別途文書でお知らせしますが、訪問では「PDCAサイクルの確立の ための校内研修の進め方」「授業づくりのスタンダード」「全国学力・学習状 況調査を活用した授業改善」「家庭学習の充実」等について協議していきます。 平成23年度の「学校改善プラン」には単元テストや算数・数学シート、国語 学習シートの活用を位置付けていますので、新たに作成する英語ライティング シートも含めて、その活用状況を把握するとともに、他校の効果的な活用事例 を紹介する等の支援を行うことで、確かな学力の定着に繋げていきたいと考え ています。                                     【小中学校課 土居 英一】 ----------------------------------------------------------------------- (2)心を「耕す」教育の総合的な推進 <①道徳の部屋> 道徳教育用教材の効果的、積極的な活用をお願いします!!  県教育委員会では、文部科学省「道徳教育総合支援事業」委託を受けて、本 年度各小・中学校に、「道徳教育用副読本」及び「心のノート」を配付しまし たが、各学校に届きましたでしょうか?  今回配付した「道徳教育用副読本」及び「心のノート」は、学級備え付け用 ですので、教材の保管にご留意のうえ、平成23年度以降、教材をより一層効 果的に、積極的に活用していただきますようお願いします。 そこで、道徳教育用教材に関して2点お知らせです。 ①「心のノート」 「心のノート」は、平成22年度以降、児童生徒個人用の無償配付はなされま せんが、文部科学省のHPにデータとしてWEB掲載されることとなっていま す。今回、県教育委員会から配付している学級備え付け用の冊子と、文部科学 省のデータとを使い分けるなどして、利活用の幅を広げてください。 【データ活用方法】  ・ダウンロードして、ワークシートとして活用  ・データをパソコン、プロジェクター、電子黒板など電子機器を利用して映  写して活用 ②「小学校 道徳 読み物資料集」   文部科学省で編集した「小学校 道徳 読み物資料集」が、文部科学省の  HPにデータとしてWEB掲載されることとなっています。   新学習指導要領の改善点として、「児童生徒が感動を覚えるような魅力的  な教材の開発や活用」ということが示されていますが、この「小学校 道徳  読み物資料集」には、そうした魅力的な教材が掲載されています。ぜひとも、  効果的、積極的な活用をお願いします。  なお、「心のノート」及び「小学校 道徳 読み物資料集」が掲載されるU RLは、文部科学省HP【http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/doutoku/in dex.htm】です。ダウンロードしてご活用ください!!                         【小中学校課 森 有希】 ----------------------------------------------------------------------- <②学校図書館の部屋>  二十四節気の一つで、大地が暖まって、冬の間地中にいた虫が這い出てくる 日とされている啓蟄も過ぎ、大地からの豊かなエネルギーを感じる季節となり ました。  各学校図書館活動推進校(以下、推進校)においても、学校訪問の度に、非 常に提案性のある授業公開をしていただいており、大きなエネルギーを感じて います。来年度は、各推進校とも、学校全体での組織的な取り組みをより充実 させ、地域への授業公開も視野に入れた取り組みがなされることとなっていま す。今後も、様々な機会をとらえてお知らせしていきます。ぜひ、推進校以外 の学校でも参考にしていただき、心豊かで自主的な学びのできる児童生徒を育 てていく一助としてください。  今回、本年度の締めくくりに当たり、成果につきまして、全てお伝えしたい ところですが、スペースの都合上、これまでまだ紹介していなかった推進校の 取り組みの中から、3学期の学校訪問で得た効果的な実践例の一端をご紹介し ます。 ◎土佐市立高岡第一小学校  ○学校図書館推進教諭(以下、推進教諭)と学級担任との連携による国語科  の授業  ○ICTの活用   参観させていただいた学級は、39名という多人数でした。しかし、学級  担任のおだやかで的確な指示のもと、雰囲気がとてもよく、のびのびとして  いるけれども、しっかりとした授業規律の確立された学級でした。「第5学  年国語科 短歌と俳句を味わおう(日本語の調べ 百人一首)」という単元  の中で「大江山 いく野の道の 遠ければ まだふみも見ず 天の橋立」と  いう一首を取り上げ、この歌のエピソードを紹介して身近に感じさせたり、  ネット検索した大江山付近の衛星地図を、リアルタイムに大型モニターに映  し出して臨場感を高めたりしていました。また、推進教諭が、公立図書館や  他校の学校図書館から借り入れるなどして集め、児童が多数の図書資料を使  って、自分のお気に入りの一首を、自主的に調べるという授業でした。児童  は、非常に生き生きと学び、索引の活用などもできており、図書資料を用い  た情報活用能力の育成をめざした授業となっていました。 ◎香南市立赤岡小学校  ○推進教諭と学級担任との連携(校内の組織的な取り組み)  ○児童理解を中心にした教材研究  ○調べ学習の方法についての意図的で段階的な指導   まず、いいなと思ったのは、子どもたち一人一人に目を向け、手立ての必  要な児童の個々の課題をつかんで、個別対応の視点を学習指導案の中に位置  付けていることでした。「第3学年国語科 よりよいくらしについて話し合  おう」の単元において、「もうどう犬の訓練」という教材文をきっかけとし、  単に、本やインターネットから文章を丸写しさせて、形だけ発表するという  ものではありませんでした。学級担任は意図的に調べ学習の基礎的な知識を  しっかり身に付けさせるためのワークシートなどを用いて、段階を追った指  導を仕組み、実際にいろいろなはたらく犬について百科事典や多くの図書資  料を使って、調べ学習をさせていました。   推進教諭は、積極的、計画的に既存の校内研究組織や研修を上手く学校図  書館と絡ませ、図書資料準備や教材検討など、他の教員への充実した支援も  できており、取り組みが学校全体に確実に広がっていると感じました。 ◎高知市立追手前小学校  ○「きっとある キミの心に ひびく本」の活用:算数科   参観した授業は、推進教諭が「きっとある キミの心に ひびく本」に掲  載されている「1つぶのおこめ」(絵本)を使って、学級担任と連携し、図  書の視点からは、算数に関わる本に関心をもたせることをねらいながら、算  数科のねらいをしっかり達成できる提案性のあるものでした。   児童は非常に前向きに算数への関心・意欲を高め、計算することに熱中し  ており、児童の口から漏れ聞こえる言葉からも、理解の確かさと知的に面白  く楽しいと感じている授業であったことが窺えました。終末に、推進教諭が  「きっとある キミの心に ひびく本」の関連本を紹介するなど、大変巧み  に児童の読書活動にもつなげることができていました。 ◎高知市立潮江中学校  ○「きっとある キミの心に ひびく本」の活用:ブックトーク   選択教科国語でのブックトークの授業を参観しました。推進教諭が「きっ  とある キミの心に ひびく本」の中の本を使い、「生きるということ」を  テーマに、5冊の本(「エリカ奇跡の命」・「流れる星は生きている」・「  ネルソンさんあなたは人を殺しましたか」・「ぼくはマサイ」・「アンジェ  ロ」)について、シナリオを作成したうえで、効果的に紹介していました。  生徒たちは、大変興味深い面持ちで惹きつけられて、聞いていました。この  後、生徒たちは、推進教諭が、日頃から環境整備に心を配っている学校図書  館内の図書の中から、「実際にシナリオを作って、ブックトークをする」と  いう目的を持って、自分の興味のある本を数冊、熱心に選び出していました。   「きっとある キミの心に ひびく本」は、すでにお知らせしているとお  り、ある一つのジャンルに偏っているのではなく、大変バランスよく図書を  紹介しています。これらの事例なども参考にしていただき、ぜひ来年度にお  いても、各校での積極的な活用をお願いします。                    【教育センター企画監 近澤 玲子】 ----------------------------------------------------------------------- (3)新学習指導要領全面実施に向けて  「継続的な点検を!」―指導計画の作成等に当たって配慮すべき事項― 各学校におかれましては、平成23年度の円滑な学校経営に向けて、教育計画、 指導計画を整え、準備が進められていることと思います。  特に、各教科等の指導計画を点検し見直すうえで参考にしていただきたいの が、「学習指導要領総則 第4指導計画の作成等に当たって配慮すべき事項」 です。当該校種のものは言うまでもありませんが、異校種のものを見ていただ くことも小中連携教育を進めるうえで、非常に参考になります。  その中には、 ○児童生徒の言語環境の整備と言語活動の充実 ○体験的・問題解決的な学習及び自主的、自発的な学習の推進 ○見通しを立てたり、振り返ったりする学習活動の重視 ○障害のある児童生徒の指導 ○情報教育の充実、コンピュータや教材・教具の活用 ○学校図書館の利活用 等、教育課程を実施するうえで、配慮すべき内容が記載されています。また、 その指導の具体例については、総則や各教科等の解説の中で紹介されています ので、参考にしていただきたいと思います。  いよいよ、小学校は来年度から、中学校は再来年度から新学習指導要領が全 面実施となりますが、各学校におかれましては、校長先生のリードのもと、先 生方の強力なチームワークで、児童生徒の学びの事実を見つめ、創意工夫のあ る教育課程の編成、実施に努めていただきますようお願いします。                                                        【小中学校課 小田 通】 ----------------------------------------------------------------------- 【お知らせ】 ≪「教科ミドルリーダー育成事業」フォローアップアンケート結果について 【概略】≫  「教科ミドルリーダー育成事業」フォローアップアンケートを実施しました ので、その結果をお知らせします。  平成23年度「教科ミドルリーダー育成事業」の教科ミドルリーダーの募集 も始まりました。ぜひ、あなたも教科ミドルリーダーとして研究を深めてみま せんか。 1 目的   前年度までの教科ミドルリーダー及び各市町村(学校組合)教育委員会に  フォローアップアンケートを実施することにより、「教科ミドルリーダー育  成事業」の成果を普及する。   2 実施時期   平成22年10月26日~11月15日 3 対象(平成22年4月1日現在、県教育委員会事務局は除く)  ○平成20・21年度教科ミドルリーダー(70)  ○各市町村(学校組合)教育委員会(36) 4 回答数  ○平成20・21年度教科ミドルリーダー 100%  ○各市町村(学校組合)教育委員会    100% 5 結果  (1)成果を普及した(する予定)か。    ① 平成20・21年度教科ミドルリーダー 59%    ② 各市町村(学校組合)教育委員会    30%  (2)どのような場で発表した(する予定)か。    ・小学校教育課程連絡協議会    ・中学校教育課程連絡協議会    ・市町村教育研究会    ・県教育研究大会    ・四国教育研究協議会      等  (3)教科ミドルリーダーとして、研究したことは教育実践に生かされてい    ると思うか。    ① 大いに生かされている  44%    ② 生かされている     55%    ③ あまり生かされていない  1%                                               【小中学校課 寺村 雅子】 ----------------------------------------------------------------------- ≪「あんぜん チョットいい話」作文募集のお知らせ≫    皆さんは、工場や工事現場などで「安全第一」と書かれた看板をよく見かけ ませんか?この言葉は、実はアメリカで生まれ、日本に来てちょうど今年で1 00年目になります。  これを記念して、働く人の安全や健康に関し、あなたやご家族の体験・エピ ソードをもとに、気づいたり、考えたり、実行したことなどについての作文を 広く募集します。  ぜひみんなに聞いてもらいたい、とっておきの話をこの春休みなどに書いて みませんか!応募は小・中学生でも、そのご家族でもどなたでも大丈夫です。  多くのご応募をお待ちしています。 1 内容例  ○安全や健康について、先生やご両親などからの心に残る話  ○事故の防止や健康の維持のため、日ごろ家族が実行していること  ○労働災害に関するニュースや新聞などから思ったこと  ○ヒヤっとしたり・ハットしたりした体験から学んだこと 2 応募資格   どなたでも応募できます。 3 募集期間   平成22年10月6日(水)~平成23年5月31日(火)消印有効 4 入選  ・金賞(1編):表彰状及び副賞10万円  ・銀賞(3編):表彰状及び副賞3万円  ・佳作(数編):表彰状及び副賞1万円  ※中学生以下の応募者が入賞した場合には、副賞賞金相当額の図書カードを  贈呈します。  ・特別賞:中学生以下の応募のうち、金賞・銀賞・佳作に入選しなかったも  ので優れたものに特別賞を贈呈します。(5千円の図書カード) 5 応募方法   応募用紙を産業安全運動100年記念サイトからダウンロードの上、必要  事項を明記し、作品とともに事務局あてに電子メール又は郵送でご応募くだ  さい。(http://anzen100nen.jisha.or.jp/) 6 応募規定  ・作品は、未発表のものに限ります。  ・作品にはタイトルを付けてください。  ・1200字~1400字程度   ※作品は、A4用紙で、タテ書き・ヨコ書きを問いません。  ・応募点数の制限はありません。  ・入選作品についての著作権は、本実行委員会に帰属いたします。  ・応募作品の返却はいたしません。 7 問い合わせ先   産業安全運動100年記念事業実行委員会事務局   〒108-0014     東京都港区芝5-35-1 中央労働災害防止協会内   ℡:03-3452-3307  Mail:kinen@jisha.or.jp                        【小中学校課 寺村 雅子】 ----------------------------------------------------------------------- ≪「バケツ稲づくりセット」の配布のお知らせ≫  児童生徒や消費者にお米への関心を深め、バケツ一つあれば簡単に栽培でき、 授業や食農教育等で大いに活用できるJAの「バケツ稲づくりセット」の申込 み受付が、今年もはじまりました。「バケツ稲づくりセット」の配布は、在庫 がなくなり次第終了となりますので、お近くのJAまでお早めにお申込みくだ さい。 ○申込み先  お近くのJAまでお申込みください。 ○問合せ先  高知県農業協同組合中央会 協同活動推進部(担当:池内)  ℡:088-802-8038 FAX:088-804-3180  Mail:info@chu.ja-kochi.or.jp                        【小中学校課 明石 芳文】 ----------------------------------------------------------------------- ≪第49回下中科学研究助成金審査結果のお知らせ≫  第89号にて募集案内しました「第49回下中科学研究助成金」について、 審査委員会による慎重な審査の結果、全国の助成対象30件のうち、高知県か らは、室戸市立吉良川小学校の矢田敦之教諭が採択されました。研究課題は、 「算数科における数の規則性を見出す教材及びこれに対する児童の好意性に関 する研究」です。                       【小中学校課 玉野井 英二】 ----------------------------------------------------------------------- ≪「土佐弁ミュージカル」について≫  地域の交流と海外留学の支援を目的として、1996年から開催している「土 佐弁ミュージカル」を今年も開催することとなりました。  今回は、戦国時代に四国を制覇した長宗我部元親の人生を、英国文豪ディケン ズの「クリスマス・キャロル」の物語にのせて、音楽とギャグが飛び交うミュー ジカルに仕上げました。子どもから大人まで楽しめる内容となっています。  県内9カ所にて開催しますので、たくさんの方のご来場をお待ちしています。 (全席自由・入場無料・約1時間30分) ◆4月16日(土) 13:00~ 本山町 プラチナセンター 18:30~ 安芸市 市民会館※ ◆4月17日(日) 12:00~ 室戸市 室戸市保健福祉センターやすらぎ 18:30~ 土佐市 市民会館※ ◆4月23日(土) 11:00~ 宿毛市 中央公民館※ 18:00~ 梼原町 ゆすはら座※ ◆4月24日(日) 10:00~ 高知市 教育センター分館体育館 14:00~ 香南市 のいちふれあいセンター※ 18:30~ 高知市 追手前高校芸術ホール※   ※手話通訳付き <問い合わせ先> 〒780-8570 高知市丸ノ内1-2-20 高知県庁 文化・国際課内 GENKI青年会 代表 スティーブン・ユイン ℡:088-823-9605 Mail:steven_yuen@ken9.pref.kochi.jp 【小中学校課 今城 純子】 ----------------------------------------------------------------------- 【銀杏だより】 「大津波警報」  このたびの東北地方太平洋沖地震でお亡くなりになられた多くの皆様のご冥 福と、被災された皆様が一日でも早く落ち着いた生活ができますことを心から お祈りいたします。  この地震への対応は、文部科学省内で会議中のM指導主事からの小中学校課 への携帯電話での連絡から始まりました。  私は、県議会棟3階第一委員会室で行われている総務委員会で、小中学校課 所管の平成23年度予算案説明を済ましたばかりでした。質疑も終わって後方 の席に収まっていましたが、委員会は、県立と高知市立図書館の合築関連予算 の協議で白熱したやりとりが続いていて、聞き洩らさないようにと、視線と耳 は意見を交わす議員さんの口元に集中していました。  そのとき耳元で、「課長、東北で地震、震度7、津波10メートル、午後4 時30分ごろには土佐湾に到達」と押し殺しながらも息咳き切った声がします。 一瞬、大切な場面なのに何事かと怪訝な顔して右に振り向くと、課から駆け付 けたS指導主事が深刻な顔をして立っていました。  報告の内容を咀嚼するより、S指導主事の表情が私の次の動作を促しました。 時刻は3時20分。津波が到達するまであと1時間。廊下に出て、すぐ携帯電 話の電源を入れ、担当補佐に、教育事務所、各地教委への緊急連絡を指示しま した。内容は二つ。まず地震の事実。次に、児童生徒の安全確認と安全確保。 大地震です。当然この事実は各校に届いているとは思いましたが、焦りました。 なぜなら、昭和58年5月の日本海中部地震で、春の遠足中、津波に襲われ大 勢の児童が犠牲になった秋田県合川南小学校の記憶は、当時学級担任であった 私には、はっきりと残っていたからです。  お別れ遠足の場所や下校後の遊び場が磯や浜辺なら大変なことになります。 課に走ってもどり各事務所や高知市からの折り返しの報告を待ちました。結果 的には相互の連絡、報告はおよそ1時間で完了し、安全が確認でき一安心しま した。  大津波警報という初めてに耳にする警報も入り、私たちも、当日夜は寝ずの 番でしたが、地域での避難場所に指定されている学校の校長先生は徹夜なさっ たとも聞きました。また、ある学校ではすでに下校している子どもたちを、ハ ンドマイクを持って商店街まで追いかけ、安全な帰宅を促した先生方もいらし たと聞いています。  その一方で、津波警報が出て、地域的にも心配が予想されるにもかかわらず、 部活動を遅くまでしていた学校、何の手立てもなくそのまま児童生徒を下校さ せた学校などの保護者の方からさっそく苦情の電話をいただくことになりまし た。  14日、総務委員会(3日目)においても、各議員から今回の地震と津波に 関連した質問が矢継ぎ早にあり、各学校の危機管理体制、津波発生時の児童生 徒の安全確保への対応等をお答えしました。  「未曾有」、「想定外」、「千年に一度」という言葉が並びますが、先生や子 どもたちもたくさん犠牲になっていると思われるこの地震の教訓を生かすには、 当然のことながら、今一度学校でできる防災対策を点検し、また見直して30 年以内に60%の確率で発生すると言われる南海地震にも備える必要がありま す。  課では、全員で黙とうの後各チーム会を開き、課としての地震対応の点検を 行いました。                       【小中学校課長 永野 隆史】 ----------------------------------------------------------------------- ◆「パートナー」の内容は自由に引用、転載してもかまいません。   ◆バックナンバーは小中学校課ホームページでも読むことができます。   http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/310301/ ◆御意見・お問い合わせはこちらまで TEL 088-821-4638 FAX 088-821-4926 mail 310301@ken.pref.kochi.lg.jp 担当:武内/ 発行責任者:小田