「お産について、どこに相談したらいいか分からない」「子育てはつらい」など、妊 娠や子育てに関して、不安や悩みを抱えている人が増えてきているように思われます。出産や子育てには、不安や悩みはつきものですが、子どもの誕生を心待ちにして妊娠期を安心して過ごし、子育てに喜びを感じることができる社会であってほしいと願っています。 私たち「胎児期からの育成支援部会」では、「子どもたちの発育(※1)に極めて大きな影響があるといわれている胎児期から乳幼児期における、環境整備や子育て支援はどうあればよいか」をテーマに、平成15年5月から2年間にわたって協議を行ってきました。 平成15年度は、胎児期から乳幼児期の現状と課題について話し合う中で、人間のライフサイクル全期にわたっての支援のあり方が大きくかかわっているという意見が出され、多岐にわたって活発な協議を行いました。その議論をふまえ、平成16年度は、本部会の当初の目的に沿って、胎児から2歳児までの取り組みに焦点を絞り協議を行うこととしました。 子どもたちが心身共に健やかに発育するためには、親や周囲の人々が新しい生命の誕生を心から喜び、子どもの存在を慈しみ、子どもの気持ちに寄り添いながら子育てをすることが大切です。そのためには妊娠・出産・子育てに伴う不安や負担感を和らげ、社会全体で子どもや子育て家庭を温かく見守っていく環境づくりを行うことが必要であることを話し合い確認しました。 また、高知に生まれ育つ子どもたちには、困難に遭遇しても自分自身を信じて生き抜いていく子どもに育って欲しいと願っています。そのためには、人間形成の基礎が培われる乳幼児期において、豊かな愛情やふれあいによって育まれる親と子の信頼関係をベースとして、「生きる力」の基礎である「豊かな感性」や「自尊感情(※2)」を育むことが大切であると考えています。 このようにして、2年間にわたって協議したことを、ここに報告書としてまとめました。そして、当部会のアドバイザーとして貴重なお話をいただいた東京大学名誉教授小林登氏の講話概要を参考にしていただけるよう収録しました。 子どもにかかわる全ての人々が、この趣旨を活かして、身近なところから取り組んでいただくことで、高知に生まれ育つ子どもたちが心身共に健やかに育つことを心から願っています。 |