平成30年3月17日(土)~18日(日)「高知暮らし体感ツアー」を1泊2日の日程で開催し、嶺北地域にある、大豊町本山町、土佐町大川村を訪問しました。初日は快晴、二日目は曇り空でしたが雨に降られることはなく、無事に日程を終了いたしました。参加者は高知の中山間部の暮らしにご興味のある7組7名の方々です。今回のツアーは高知県の中山間地域の中でも移住者の多い嶺北地域です。各市町村では先輩移住者とのトークセッションの中で、移住の経緯や田舎暮らしの実体験を聞くことができました。また、自治体職員や移住者支援団体から移住者の受け入れ体制や地域の特性等の説明があり、参加者も積極的に質問を行うなど充実したツアーとなりました。その様子をレポートします。

★一日目★
ツアーバスは午前9時ごろに高知駅を出発し、途中、高知龍馬空港、大豊町大杉駅(JR)などで参加者と合流しながら、最初の訪問先の大川村に向かいました。
大川村に入ると集落活動センター「結いの郷」で少し早めの昼食をとりました。先輩移住者と地元の方と地元特産の「土佐はちきん地鶏」のチャーシュー丼をいただきながら、田舎暮らしのについてお話をお伺いしました。
お二人とも充実した田舎暮らしをされていて、『仕事をしながら、農業や狩猟で半農半Xの暮らしが可能』と仰っていたのが印象に残っています。
大川村では観光分野や特産品関連のプロジェクトを立ち上げて、そのプロジェクトの中心となる人材を求めています。関心のある方は大川村ふるさとむら公社に問い合わせください。

昼食後は土佐町に移動して町営住宅の見学です。住居は移住先の決定とその後の生活において重要なポイントとなります。土佐町ではUIJターン者専用住宅(単身者用)を建築するなど受け入れ体制を整えています。また、移住者専用というわけではありませんが、新築の世帯向け町営住宅も整備されていて、その住宅の中を見学させていただきました。その後10分ほど移動した後、土佐町農村交流施設「おこぜハウス」で先輩移住者を交えて座談会を開きました。
最初に土佐町を中心に嶺北地域で、移住促進活動を行っているNPO団体「嶺北田舎暮らしネットワーク」の川村さんから土佐町の概要説明がありました。
土佐町を一言でいえば、「便利な田舎」で、病院や買い物などさほど生活に困ることはない』とのこと。ただ、子育て世代の先輩移住者からは、『産婦人科が近くにないことが不便』と意見が出ていました。その他、先輩移住者の移住の決定過程や住居を含めた現在の生活状況などを中心に意見や質疑が交わされました。
座談会終了後は高知県のチャレンジショップ制度を利用してカフェを運営している移住者さんのお店や、幼児から高齢者までの幅広い世代の交流スペース「あこ」を見学しました。土佐町は移住者が地域の中で活発に活動している市町村の一つです。最後に豊富な品揃えの量販店「末広ショッピングセンター」で買い物をしてから、宿泊先のある本山町に向かいました。

 清流・汗見川沿いに15分ほどバスを走らせると、宿泊先の本山町汗見川ふれあいの里・清流館に到着します。清流館は廃校となった小学校を、そのままに近い状態で利用した宿泊施設で、地元の皆さんによって運営されています。
夕食を兼ねた懇親会では地元のお母さん方のつくる田舎料理や鹿肉コロッケのジビエ料理。お酒は嶺北産のどぶろくと清流館ならではの内容でした。
懇親会は各町村役場の移住担当職員さんや移住相談員さんも多数参加して頂き、活発な情報交換が会場のあちこちで交わされました。

★二日目★
二日目は雨を心配しながらのツアーとなりました。幸いにして傘が必要なことにはならず、順調にコースを巡りました。最初の訪問先は本山町の「本山さくら市」です。
「本山さくら市」は町内の農家が栽培した新鮮な野菜や農産加工品を生産者が持ち寄って販売する産直市です。価格も安く豊富な品揃えで、土佐赤牛のお肉など本山町の特産物がすべて揃っています。
ツアー参加者の皆さんもお土産などを買い求めていました。また、店内にベーカリーが併設されていますが、経営者は関東から移住されてきた方です。
買い物も終わったところで、ちょうど本山帰全山公園で開催されていたイベント「お山の手作り市」を見学に行きました。このイベントは、手作りのものなら誰でも出店することができ、移住者のお店も少なくありません。
嶺北田舎暮らしネットワーク」の主催で開催されており、音楽イベントやワークショップや子どもマルシェなど、老いも若きも一緒に楽しめるイベントとなっていて、移住者と地元の人達との交流場にもなっています。
 この日の昼食は、大正時代創業の老舗旅館「高知屋旅館」さんで、2度の日本一に輝いた本山町のお米「天空の郷」で作ったおにぎり弁当を食しました。
その後、子育て中の先輩移住者のご夫婦の経験談をお伺いしました。大阪での「高知暮らしフェア」をきっかけに移住を考え始めて、1年で本山町に移住をされています。ご主人は大学で学んだ畜産を活かして「土佐赤牛」の繁殖に従事し、奥さんは、先ほど紹介した高知県のチャレンジショップ制度を利用したカフェで、週2回程働いています。本山町でも移住者間の交流は活発です。

お腹も満足したところで、大豊町に向かいました。
大豊町では初めに樹齢3000年を超える杉の大木「杉の大杉」を見学しました。この大杉は特別天然記念物に指定されていて、実際に目の前にすると3000年という時間は伊達ではなく、写真では伝え切れない迫力となって伝わってきます。
その大杉から、すれ違いの困難な道路を15分ほど上っていきます。植林や雑木林を抜けると急に見晴らしが良くなり、四国山脈の山並みが眼前に広がります。そこに最後の訪問先「おおとよ塩かえる農園」があります。
この農園は8年前に東京から移住された、農業未経験だったご夫婦が営んでいる小さな農園です。トマトを中心にパクチーなどいろいろな野菜を無農薬の有機栽培で育てています。ご夫婦は「暮らしを楽しむ」ということをコンセプトにして生活や農園経営ををしているとの事です。
ご主人(58)さんは脱サラで高知にこられて、1年間の有機農業の研修を受講した後に、農園を始めています。その間いろいろなご苦労があったようですが、ここまでこられたのは地域の人などに助けられたことが大きいと語られていました。

後書
こうしてツアーは無事終了しました。
紙面の関係で掲載できませんでしたが、各町村の先輩移住者からは、仕事や子育て、住居などについて体験に基づいたアドバイスがいろいろとありました。
共通しているのは、田舎暮らしには空き家探しと地域の人達との関係が重要であるということです。それらの事についてもツアー参加者からも質問が出ていました。体験者の説明は説得力もあります。
その空き家探しや地域との関係作りに重要な役割をを担っているのが、各町村の移住相談員とNPO団体などの移住支援団体です。移住を相談や実行される際に頼りになる人たちが嶺北地区にはたくさんいます。
平成30年度は「高知暮らし体感ツアー」を年に5回開催します。毎回ツアー先やコンセプトを変更しながら、移住を計画中の方はもちろん、移住に関心を持ち始めた方でも満足していただける企画を用意しています。
ぜひご参加を検討ください。