|
|
||
![]() |
||
|
日本人にとって川は心のふるさとであり、流域に住む人々の生活の中に溶け込み、人と川は切っても切れない関係を保ってきました。 しかし、その関係がいま失われつつあります。 日本の119の大河の多くにダムが建設され、自然の河岸もコンクリート化されるなど、川本来の姿が失われつつあります。 その中にあって、四万十川は、全国的に高い評価が得られ、流域住民や高知県民の財産としてはもとより、国民共有の財産として位置づけられる河川です。 その四万十川も、20〜30年前とは大きく変わってきています。
1)食生活の変化にともなう生活排水による汚濁の増加や産業活動による排水の流入 2)過疎・高齢化にともない、人工林の適正な管理が十分にできなくなってきたこと 3)道路改良など社会基盤の整備にともなう景観の悪化や生態系への影響 などの要因があげられます。 このような状況は、四万十川に限らず全国の河川が抱えている共通の課題ですが、四万十川流域は、 1)全国的に高い評価が得られていること 2)流域人口が少なく、大きな産業がないこと などから、モデル事業を実施するフィールドとして最も適しています。 このため、これまでの各種の取り組みを進めるとともに、四万十川流域独自の試みを新たに起こし、その成功例を県下の他の河川流域に広げ、また全国へと情報発信していこうとしています。 これがいま、四万十川に力を注いでいる大きな理由です。 |
|
日本の河川の中でも豊かな自然が残され、水のきれいさや魚の豊富さ、伝統漁法など独特の魅力を持っている四万十川は、流域に住む人々のかけがえのない財産であると同時に、高知県民・国民共有の財産として、後世につなげていかなければなりません。 しかしながら、四万十川はいま、様々な要因が重なり大きな曲がり角にきています。 全国から訪れる人々は、自然に手を加えずいつまでも清流であることを願い、流域に住む人々は、清流を守ろうとの共通した考えを持っているものの、生活向上のための基盤整備や産業の振興などを強く望んでいます。この想いの違いをいかにして調和させていくかが大切です。 このため、清流や自然景観及び生物資源等の生態系の保全と復元を行い、清流の保全と地域の振興が調和し共存する流域づくりを進めるため、四万十川とその流域の基本指針となる『清流四万十川総合プラン21』(以下「プラン」)を策定し、21世紀初頭までの総合対策を明らかにしています。 |
|
|
|
プランは、森づくりや自然の景観、生態系の保全など長期的な視点が必要なことから、将来像はおおむね西暦2020年とし、期間は平成8年度から平成17年度(2005年度)までの10年間としています。 |
| 循環・予防・調和 -「プラン」の基本理念 |
【循 環】 循環を基本とし、環境に負荷をかけない流域の創造 微生物、昆虫、動植物、人が物質循環をとおして相互につながっていることに配慮するとともに、暮らしや産業活動も環境への負荷をできるだけ小さくし、生活様式や流域を訪れる人々の活動も循環を基本とする流域づくりを進めます。 【予 防】 予防的視点に立った流域の創造 森林や田畑が担っている国土保全機能などに目を向け、問題が生じてから対処する治療的視点から予防的視点に立った流域づくりを進めます。 【調 和】 人と自然の調和による、いきいきとした流域の創造 流域住民や県民の財産としてはもとより、国民共有の財産である四万十川を保全するとともに、更なるみがきをかけ、自然と調和した社会基盤の整備や産業の振興に努めるとともに、人と共存した四万十川らしさを活かした、いきいきとした流域づくりを進めます。 |
![]() 宝酒造(株)提供 |
| 進むべき方向 |
1 四万十川を守り、はぐくむ環境づくり |
| (1)流域の生態系保全を基礎とした環境づくり 四万十川を守るためには、全流域の生態系を保全することを最も重要な視点として進めていく必要があります。 2 四万十川の魅力をみがき、活かした環境づくり |
| (1)祖母なる山・母なる川・娘なる海のつながりを重視した環境づくり 雨は陸から川そして海へと流れますが、その起点である山や農地が健全な川や海をつくる源となっています。山や農地の荒廃は川や海の荒廃につながります。 「母なる川」四万十を生み育てた「祖母なる山」、母に守られた「娘なる海」の三世代が手と手をつなぐことによって、四万十川の魅力を一層高めます。 (2)四万十川を活かした環境づくり 人々の生活と自然との調和の中で育まれてきた四万十川は、流域の大きな財産であり、これを活かした流域の振興を進めます。 (3)科学と情報通信技術を活用した環境づくり 四万十川流域の環境負荷要因を科学的に研究し、情報通信技術の活用によって 複雑に絡み合った自然要素の的確な把握を進めます。 3 四万十らしさあふれる、いきいきとした流域づくり |
| (1)環境に配慮した安全で快適な流域づくり 洪水から身を守り、住民の生活向上のための事業を進めます。推進にあたっては、自然、景観、生物資源の保全との調和を積極的に図ります。 (2)川や自然とふれあい、こどもの歓声がこだまする流域づくり 流域の人々が積極的に自然と係わっていくためには、自然・動植物に親しみ、愛する心を持つことが大切です。 特に、自然を守りはぐくむ担い手となる子供たちが川や自然にふれあい、愛する心を育てます。 (3)人と人との交流による活気に満ちた流域づくり 四万十川を介して、流域の人々と心のやすらぎを求めて訪れる都会の人々や国内外の自然保全活動に携わる人々とのさらなる交流を進めます。また、四万十川の魅力や人と人との交流を促進するため、国内外に向けて積極的な情報の発信を行います。 (4)住民を主体とし、産・学・官・民が支援する流域づくり 川を守りはぐくむ主体は流域の住民であり、住民自ら行政の枠を超えて行動するとともに、その活動を企業、行政、国民、大学などが全面的に支援します。また、県や市町村の事業を進めるにあたっては、住民などの意見を反映することに取り組みます。 |
| 推進体制 |
高知県では、四万十川流域を取り巻く様々な課題に対応するため、県庁内に「四万十川」という河川名を冠した全国初の組織「四万十川対策室」を設置しています(平成7年4月1日)。 1)「日本最後の清流」として全国的に高い評価を受け、地域にとっても高知県にとっても貴重な資源である四万十川の魅力が、大きく失われつつあったこと。 2)多くの予算を投入して清流保全対策を進めている一方で、自然の川岸をコンクリート化し景観を失わせているといったように、四万十川を総合的に見た対策がとられていなかったこと。 3)上流から下流までの市町村や住民の方々にも、流域としての連携した取り組みがなされていなかったこと。 4)様々な問題が生じてきているが、『今ならまだ間に合う』程度の変化であったこと。
プランの効果的な推進を図るため、【清流四万十川総合プラン21推進委員会】の設置、【四万十川財団】の創設、【四万十川流域住民ネットワーク】の創設、【四万十川自然環境保全推進協議会】の活用、【幡多・高幡広域市町村圏事務組合】との連携など、新たな推進体制づくりや、既存組織の見直しを進めます。 |
|
基金:四万十川総合保全機構が管理する四万十川ファンドを、財団の発足と併せて四万十川基金として発展させる方向で進めます。 |
|
プランの進行管理は単年度ごとに行い、平成12年度には中間見直しを進めます。県庁内の高知県文化行政総合推進会議四万十川部会で協議調整を図りながら、推進委員会で進めます。 |
|
![]() |
![]() |




























